JP4093533B2 - 光アッテネータ変調器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ファラデー回転角可変装置の光軸上に偏光子を配置した可変光アッテネータ構造の磁気光学デバイスに関し、更に詳しく述べると、ファラデー素子の回転角を制御する電磁石のヨークに高飽和磁束密度フェライトを使用し、可変光減衰機能を備え且つ高周波の電気的信号によって任意の光減衰状態で透過光信号強度を変調可能とした光アッテネータ変調器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光アッテネータは、光通信システムあるいは光計測システムなどにおいて透過光量を制御するデバイスであり、ファラデー回転角可変装置の光軸上の前後(入力側と出力側)に偏光子と検光子を配置する構成が一般的である。組み込まれているファラデー回転角可変装置は、ファラデー素子(ファラデー効果を有する磁性ガーネット単結晶膜など)に電磁石などにより外部磁界を印加し、その外部印加磁界を変化させることにより、ファラデー素子を透過する光ビームの偏波面のファラデー回転角を制御するものである。光アッテネータでは、このファラデー回転角の制御によって、光の減衰量を可変制御する。
【0003】
ここで電磁石は、珪素鋼からなるC型のヨークにコイルを巻装した構造となっており、ヨークの空隙部にファラデー素子が挿入される。ヨークに珪素鋼を用いているのは、それが直流電流において飽和磁束密度が高く、小型で高磁界が得られる材料だからである。
【0004】
他方、光変調器は、透過する光ビームを電気的信号によって変調する(電気的信号と同じ形の光信号に制御する)デバイスである。変調方式には、電気光学変調、磁気光学変調、音響光学変調などがあるが、高周波変調が必要な場合に現在一般に利用されているのはポッケルス効果やカー効果を利用する電気光学変調方式である。
【0005】
ところで磁気光学変調方式の光変調器として、光アイソレータを利用する構成が提案されている。ここで、光アイソレータの可変磁界発生器としては電磁石が用いられる。電磁石に通電したときはアイソレータを光ビームが通過し、電磁石への電流を遮断したときは光ビームの通過が阻止される。このようにして、電気的信号のオン/オフにより、光信号もオン/オフされてデジタル的な光変調がなされる。可変磁界発生器として、可動構造の永久磁石を用いる場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のファラデー回転角可変装置では、前記のように、電磁石のヨークに珪素鋼を使用している。可変光アッテネータでは、通常、電磁石コイルの駆動電流には直流に近い電流変化しか要求されないので、このヨーク材が好ましく、この構造で何ら支障なく動作する。光アイソレータを利用する光変調器の場合も、高周波領域では電気光学変調方式が採用されることもあって、ごく低周波領域での変調が試みられているにすぎない。
【0007】
しかし、これら従来の磁気光学デバイスでは、高周波領域(例えば10kHz以上)でファラデー回転角を高速可変しようとしても、動作が困難であった。その理由は、供給する交流駆動電流の周波数を高くしていくと、1kHz程度から損失(渦電流損失)が増加しはじめ、B−H特性が急激に劣化し、インダクタンスが減少して変調特性が低下するためである。また、周波数が高くなるにつれてインピーダンスが増加し、消費電力が急激に増えるためである。
【0008】
本発明の目的は、可変減衰機能と光変調機能を併せ持ち、周波数10kHz以上の電気的信号でも変調できる光アッテネータ変調器を提供することである。本発明の他の目的は、磁気光学方式で可動部が無いため信頼性が高く、特に高信頼性が要求される海底光通信用の可変減衰器及び変調器として有用な光アッテネータ変調器を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ファラデー素子を透過する光の偏波面の回転角を電磁石による可変磁界によって可変するファラデー回転角可変装置と、その光軸上の前後に配置した偏光子及び検光子を具備し、前記電磁石は、そのヨークが軟磁性フェライトからなり、該ヨークに巻装したコイルに高周波変調信号を供給する光アッテネータ変調器である。
【0010】
また本発明は、ファラデー素子を透過する光の偏波面の回転角を電磁石による可変磁界によって可変するファラデー回転角可変装置と、その光軸上の前後に配置した偏光子及びミラーを具備し、前記電磁石は、そのヨークが軟磁性フェライトからなり、該ヨークに巻装したコイルに高周波変調信号を供給する光アッテネータ変調器である。このような反射型でもよく、その場合に偏光子が反射光に対しては検光子として機能することになる。
【0011】
上記の構成において、更に固定磁界印加手段を付設し、ファラデー素子に対して前記可変磁界と異なる方向に固定磁界を印加して磁気飽和させておく。
【0012】
更に本発明は、第1の永久磁石と、複屈折結晶板からなる偏光子と、ファラデー素子を透過する光の偏波面の回転角を電磁石による可変磁界によって可変するファラデー回転角可変装置と、複屈折結晶板からなる検光子と、第2の永久磁石を具備し、前記電磁石は、そのヨークが軟磁性フェライトからなり、該ヨークに巻装したコイルに高周波変調信号を供給する光アッテネータ変調器である。第1及び第2の永久磁石は、例えばリング状で高さ方向に着磁されているものとし、光軸上の前後に同じ向きに配置してファラデー素子に光軸方向の固定磁界を印加する構成とする。
【0013】
これらの電磁石のコイルには、減衰量制御用の直流バイアス信号に高周波変調信号を重畳した電気的信号を供給する。勿論、複数の電磁石を組み合わせたり、複数のコイルを組み込んでもよいが、大型化したり構造が複雑になるため、前記のように信号を重畳する構成の方が好ましい。
【0014】
電磁石のヨークとなる軟磁性フェライトは、Mn−Zn系、Ni−Zn系、あるいはMg−Zn系のいずれかの高飽和磁束密度材である。これらの高飽和磁束密度フェライトは、周波数10kHzにおいても未飽和域ではB−H特性の直線性がよく高周波での応答性に優れている。またインピーダンス(Rs)が安定しており、小電力で駆動できる。
【0015】
電磁石は、それぞれの先端面がファラデー素子に当接するように対称的に配置された一対のL型コアと、それらの後端面が当接するI型コアとの組み合わせからなるヨークを有し、前記L型コアにコイルが巻装されている構造が好ましい。ヨークとファラデー素子との間に0.1mmを超えるギャップが存在すると、所望の特性が得られない恐れがあるが、上記のような構造とすることにより、組立精度及び作業性が向上し、特性低下を防止できる。特に、L型コアの先端近傍部分を、比較的大きな断面形状からファラデー素子の外形に向かって先細となるようなテーパ形状にすると、前記ファラデー素子に磁界を集中できるため更に好ましい。
【0016】
軟磁性フェライトは、FR25/15/5(外径/内径/高さ)の標準リングコアによる測定で、1000A/mの磁界に対して飽和磁束密度が400mT以上、周波数100kHz以下における初透磁率の低下が10%以下、周波数100kHzにおける相対損失係数( tanδ/μi)が1×10-4以下であるものが好ましい。
【0017】
またファラデー回転角可変装置は、周波数10kHzにおいて電流値40mA以下では磁気飽和が生じないものを用いる。一般に光アッテネータでは、20dB以上のアッテネーション(減衰)が得られる駆動電流値が約40mA付近となるように設計されている。これは、駆動電流に対してアッテネーションを制御し易くするためである。よって、光アッテネータに対して、駆動電流値40mA以下ではフェライトヨークが磁気飽和しないような材質とすることが好ましいのである。
【0018】
【実施例】
図1は本発明に係る光アッテネータ変調器の一実施例を示す説明図であり、Aは全体構成を、Bはファラデー回転角可変装置の部分を示している。光アッテネータ変調器は、第1の永久磁石10と、偏光子12と、ファラデー素子14を透過する光の偏波面の回転角を電磁石16による可変磁界によって可変するファラデー回転角可変装置18と、検光子20と、第2の永久磁石22を有している。
【0019】
ここで偏光子12と検光子20は、ファラデー回転角可変装置18の光軸(破線で示す)上の前後(入力側と出力側)に配置される。これら偏光子12及び検光子20は、ルチルなどの複屈折結晶板からなる。ファラデー素子14は、例えばBi置換希土類鉄ガーネットLPE結晶膜などからなる。第1及び第2の永久磁石10,22は、リング状で高さ方向(図では光軸方向)に着磁されているものであり、光軸上の前後に同じ磁化方向で配置することでファラデー素子14に光軸方向の固定磁界を印加する構成とする。
【0020】
電磁石16は、ファラデー素子14に磁界を集中して印加するC型状のヨーク24と、該ヨーク24に巻装したコイル26からなる。本発明では、そのヨーク24が高飽和磁束密度の軟磁性フェライトからなり、該ヨーク24に巻装したコイル26に、変調駆動回路28から直流電流に重畳した高周波変調信号が供給される構造をなしている。本実施例で使用しているフェライトは、Mn−Zn系の材料であり、標準リングコア(FR25/15/5:外径/内径/高さ)で、1000A/mの磁界に対して飽和磁束密度が400mT以上あり、周波数100kHzにおいて相対損失係数( tanδ/μi)が1×10-4以下のものである。
【0021】
図1に示す光アッテネータ変調器において、その基本となる光アッテネータ機能は、前後の永久磁石10,22による光軸方向の固定磁界によって磁気飽和しているファラデー素子14を、電磁石16による横方向(光軸に垂直な方向)の可変磁界で磁化方向を変化することによって得ているため、ファラデー素子14には必要十分な可変磁界が作用する必要がある。もしヨーク24が磁気飽和すると、ファラデー素子14に印加される横磁界(電磁石による可変磁界)が不十分となりファラデー回転角可変量が頭打ちしてしまい、それ以上のアッテネーションは得られなくなる。ヨークが珪素鋼の場合、飽和磁束密度は1000mT以上あり直流駆動では十分であるが、もし変調器として1kHz以上の周波数で交流駆動すると渦電流損失が増加するため機能しない。他方、ヨークがフェライトの場合、飽和磁束密度が低いために珪素鋼に比べて磁気飽和し易く材料特性を十分考慮する必要があるが、反面、10kHz以上の周波数の交流駆動でも相対損失係数が低いために応答速度は劣化しない。
【0022】
従来用いられている珪素鋼と本発明で用いるMn−Zn系フェライトの周波数特性を図2に示す。珪素鋼は、1kHz近傍からインピーダンスRs(渦電流損失に対応)が増加し、インダクタンスLsが低下するため、それ以上の周波数ではそれらの特性が急激に劣化することが分かる。他方、フェライトは、100kHzまでインダクタンスLsがほぼ一定で、インピーダンスRsの増加もごく僅かである。また、10kHzにおけるB−H特性を観察すると、珪素鋼では磁束密度B=1Tでも磁気飽和が生じていないが、B−Hループが太く磁気損失が大きい。それに対して、フェライトでは磁束密度B=500mTで磁気飽和が生じるが、未飽和域ではB−H曲線の直線性が良好である。
【0023】
本発明で用いるファラデー回転角可変装置の好ましい一例を図3に示す。Aは主としてヨークを各要素に分解した状態を表しており、Bは組立後の状態を表している。軟磁性フェライトからなるヨークは、寸法精度及び加工・組立作業の容易性などを考慮してL型とI型の組み合わせとする。即ち、この電磁石は、それぞれの先端面がファラデー素子に当接するように対称的に配置された一対のL型コア32,34と、それらの後端面が側面に当接するI型コア34との組み合わせからなるヨークを有し、前記の両方のL型コア30.32にそれぞれコイル36,38が巻装されている構造である。これらのコイル36,38は直列となるように連続的に巻線するか、個々に巻線後に接続する。そしてコイル30,32に、直流電流に重畳した高周波変調信号を生じる変調駆動回路28を接続する。L型コアとI型コアの接合面、及びL型コアの先端面(ファラデー素子との対向面)には、研磨を施す。通常、ヨークとファラデー素子とのギャップは0.1mm以内とすることが望ましいので、L型コアの先端面をファラデー素子に密着させ、その状態で両方のL型コアの後端面をI型コアに接着する。従って、I型コアはL型コアの変位量を考慮して若干長めに設定する。また、フェライトの場合、飽和磁束密度が低いために、L型コアの断面積をある程度大きくしておき、先端近傍部分を、ファラデー素子の外形に向かって先細となるテーパ形状に加工するのが望ましい。それによってファラデー素子に磁界が集中し、電磁石磁界を効率よく印加できる。なお、フェライトヨークに直接コイルを巻線した図を示しているが、コイルはボビンに巻線したものでよく、容易にL型コアに装着できる。試作した電磁石ヨークは、縦横が19.5mm×3.8mm、脚幅1mm、厚さ1.5mmであり、コイルは680ターン×2である。
【0024】
測定に使用した変調駆動回路の例を図4に示す。2個のアンプA1 ,A2 を組み合わせ、コイルLの位置に電磁石のコイルを接続し、トランジスタQで駆動する。減衰量調整はB(バイアス)端子に印加する電圧で制御し、変調はAC端子への交流信号の印加で行う。そして、一定強度の連続した光ビームを光アッテネータ変調器に供給し、その透過出力光を光電変換器で電圧変換し、オシロスコープによって減衰量と出力変動を観測した。
【0025】
変調信号を入力しないで(0Vに維持し)、B端子に印加する電圧のみ可変して減衰特性を求めたのが図5である。使用波長は1550nm、測定温度は25℃である。図示のように、この光アッテネータ変調器は、通常の可変光アッテネータと同様、減衰量の駆動電流依存性がある。
【0026】
次に、減衰量が6dBとなるようにB端子に印加する電圧を調整して固定し、周波数100kHzの正弦波電圧を変調信号としてAC端子に印加し、変調度が±5%となるように変調信号の振幅を調整して観測した。オシロスコープの画面を図6に示す。CH2(チャンネル2)は変調電気信号波形であり、CH1(チャンネル1)は6dB減衰時の±5%光変調波形である。この図6から、変調周波数100kHzの低電圧駆動信号に対して、完全に追従して変調された透過出力光が得られることが分かる。
【0027】
図7は本発明に係る光アッテネータ変調器の他の実施例を示す説明図であり、ファイバ入出力型の構造である。本体部分は図1に示すものと同様であってよいので、対応する部分に同一符号を付し、それらについての説明は省略する。入力側にはフェルール付きの光ファイバ40が位置し、コリメータレンズ42で平行光となって本体部分に入力する。本体部分からの減衰光は、コリメータレンズ44で集光され、出力側に位置するフェルール付きの光ファイバ46を通って出力する。
【0028】
上記の実施例において、永久磁石は光軸方向に固定磁界が印加されるような配置となっているが、光軸に直交する方向(但し、電磁石による可変磁界の印加方向とも直交する方向)に固定磁界が印加されるような配置でもよい。あるいは、電磁石による可変磁界の印加方向と異なる方向であれば、永久磁石による固定磁界の印加方向は任意であってもよい。光アッテネータの構成によっては、永久磁石を用いることなく電磁石による可変磁界のみが印加されるようにすることも可能である。
【0029】
なお、電磁石ヨークは、機能的にはC型形状で、その空隙部分にファラデー素子が配置可能な構成であればよい。従って、フェライトコアの形状・組み合わせ方などは、図3に示す構造のみに限られるものではなく、自由な変形が可能である。
【0030】
本発明は、ファラデー素子を透過する光の偏波面の回転角を電磁石による可変磁界によって可変するファラデー回転角可変装置と、その光軸上の前後に配置した偏光子及びミラーを具備し、光ビームをミラーで反射させる構成でもよい。勿論、電磁石は、そのヨークが軟磁性フェライトからなり、該ヨークに巻装したコイルに高周波変調信号を供給するように構成する。この場合も、永久磁石によって、可変磁界と異なる方向に固定磁界を印加するのが好ましい。
【0031】
【発明の効果】
本発明では上記のように、ファラデー回転角可変装置の電磁石ヨークに軟磁性フェライトを用いており、これによって周波数10kHz以上の領域でもファラデー回転角を高速で、低電圧で、効率よく可変することが可能となる。従って、このようなファラデー回転角可変装置の光軸上の前後に偏光子と検光子を配置して光アッテネータを構成し、電磁石ヨークに巻装したコイルに高周波変調信号を供給することにより、可変減衰特性を発現させると共に光変調機能を付加することが可能となる。本発明に係る光アッテネータ変調器は、磁気光学方式であり本質的に可動部を持たないために信頼性が高く、そのため特に高信頼性が要求される海底光通信用の可変減衰及び変調デバイスとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光アッテネータ変調器の一実施例を示す説明図。
【図2】フェライトと珪素鋼の周波数特性を示すグラフ。
【図3】ファラデー回転角可変装置の一例を示す説明図。
【図4】変調駆動回路の回路図。
【図5】減衰特性を示すグラフ。
【図6】光変調出力の観測波形図。
【図7】本発明に係る光アッテネータ変調器の他の実施例を示す説明図。
【符号の説明】
10 第1の永久磁石
12 偏光子
14 ファラデー素子
16 電磁石
18 ファラデー回転角可変装置
20 検光子
22 第2の永久磁石
24 ヨーク
26 コイル
28 変調駆動回路
Claims (6)
- ファラデー素子を透過する光の偏波面の回転角を電磁石による可変磁界によって可変するファラデー回転角可変装置と、その光軸上の前後に配置した偏光子及び検光子と、前記可変磁界と異なる方向に固定磁界を印加し前記ファラデー素子を磁気飽和させる固定磁界印加手段を具備し、前記電磁石は、そのヨークが軟磁性フェライトからなり、該ヨークに巻装したコイルに減衰制御用の直流バイアス信号に高周波変調信号を重畳した電気的信号を供給するようにした光アッテネータ変調器であって、
前記軟磁性フェライトが、Mn−Zn系、Ni−Zn系、あるいはMg−Zn系のいずれかの高飽和磁束密度材からなり、FR25/15/5(外径/内径/高さ)の標準リングコアによる測定で、1000A/mの磁界に対して飽和磁束密度が400mT以上、周波数100kHzにおける相対損失係数( tan δ/μi)が1×10 -4 以下であって、周波数10kHzにおいて電流値40mA以下では磁気飽和が生じない特性を呈するものであることを特徴とする光アッテネータ変調器。 - ファラデー素子を透過する光の偏波面の回転角を電磁石による可変磁界によって可変するファラデー回転角可変装置と、その光軸上の前後に配置した偏光子及びミラーと、前記可変磁界と異なる方向に固定磁界を印加し前記ファラデー素子を磁気飽和させる固定磁界印加手段を具備し、前記電磁石は、そのヨークが軟磁性フェライトからなり、該ヨークに巻装したコイルに減衰制御用の直流バイアス信号に高周波変調信号を重畳した電気的信号を供給するようにした光アッテネータ変調器であって、
前記軟磁性フェライトが、Mn−Zn系、Ni−Zn系、あるいはMg−Zn系のいずれかの高飽和磁束密度材からなり、FR25/15/5(外径/内径/高さ)の標準リングコアによる測定で、1000A/mの磁界に対して飽和磁束密度が400mT以上、周波数100kHzにおける相対損失係数( tan δ/μi)が1×10 -4 以下であって、周波数10kHzにおいて電流値40mA以下では磁気飽和が生じない特性を呈するものであることを特徴とする光アッテネータ変調器。 - 第1の永久磁石と、複屈折結晶板からなる偏光子と、ファラデー素子を透過する光の偏波面の回転角を電磁石による可変磁界によって可変するファラデー回転角可変装置と、複屈折結晶板からなる検光子と、第2の永久磁石を具備し、両永久磁石によって固定磁界が印加され、前記電磁石は、そのヨークが軟磁性フェライトからなり、該ヨークに巻装したコイルに減衰制御用の直流バイアス信号に高周波変調信号を重畳した電気的信号を供給するようにした光アッテネータ変調器であって、
前記軟磁性フェライトが、Mn−Zn系、Ni−Zn系、あるいはMg−Zn系のいずれかの高飽和磁束密度材からなり、FR25/15/5(外径/内径/高さ)の標準リングコアによる測定で、1000A/mの磁界に対して飽和磁束密度が400mT以上、周波数100kHzにおける相対損失係数( tan δ/μi)が1×10 -4 以下であって、周波数10kHzにおいて電流値40mA以下では磁気飽和が生じない特性を呈するものであることを特徴とする光アッテネータ変調器。 - 軟磁性フェライトが、FR25/15/5の標準リングコアによる測定で、周波数100kHz以下における初透磁率の低下が10%以下である特性を呈するものである請求項1乃至3のいずれかに記載の光アッテネータ変調器。
- 電磁石は、それぞれの先端面がファラデー素子に当接するように対称的に配置された一対のL型コアと、それらの後端面が当接するI型コアとの組み合わせからなるヨークを有し、前記各L型コアにそれぞれコイルが巻装され直列に組み合わされている請求項1乃至4のいずれかに記載の光アッテネータ変調器。
- L型コアは、その先端近傍部分がファラデー素子の外形に向かって先細のテーパ形状となっていて、前記ファラデー素子に磁界を集中する構造である請求項5記載の光アッテネータ変調器。
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