JP4330923B2 - 光アイソレータ一体型磁気光学変調器及びその製造方法並びに光アイソレータ一体型磁気光学変調器を用いた光通信システム - Google Patents
光アイソレータ一体型磁気光学変調器及びその製造方法並びに光アイソレータ一体型磁気光学変調器を用いた光通信システム Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信などで用いる光アイソレータと、磁気光学効果を利用した光変調器とを一体化した光アイソレータ一体型磁気光学変調器及びその製造方法並びに光アイソレータ一体型磁気光学変調器を用いた光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光信号伝送システムにおいて、外部光変調器としてはそのほとんどが電気光学効果(主にポッケルス効果)を用いてきた。特に、光通信で使用される外部光変調器は、LiNbO3結晶の電気光学効果を用いた導波路型の光変調器がほとんどである(例えば、下記の非特許文献1)。しかし、電気光学結晶を用いた光変調器は、DCドリフト(例えば、下記の非特許文献2)や光損傷などがあり、長期間にわたって安定した動作を得ることが困難であったり、その特性劣化を抑えるために高価なものとなったりしていた。
【0003】
一方、磁気光学効果を用いた磁気光学変調器は古くから研究されているが(例えば、下記の非特許文献3)、その応答速度が電気光学効果に比べて遅いことからあまり進展していなかった。例えば、磁気光学変調器(この場合は偏光変調器)を光通信システムに用いた例(例えば、下記の特許文献1)が開示されているが、その応答速度は数十kHz程度の低周波である。
【0004】
また、最近になって、磁気光学効果を利用した高速応答可能な素子として、磁気光学膜結晶に直流バイアス磁界を印加した半導体電子回路基板の電流計測用の磁気光学変調器の研究がなされるようになってきた(例えば、下記の非特許文献4、非特許文献5)。さらに、最近では、光アイソレータを磁気光学変調器に用いたり(例えば、下記の特許文献2、特許文献3)、磁気光学素子の静磁波を利用した光変調器と光アイソレータの機能を1つの素子で実現したり(例えば、下記の特許文献4)することも検討されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−199137号公報
【特許文献2】
米国特許第 6,141,140号
【特許文献3】
特開平3−144417号公報
【特許文献4】
特開2001−272639号公報
【非特許文献1】
西原 他著 光集積回路 オーム社 1985(pp.298−304)
【非特許文献2】
J.Appl.Phys. Vol.76 No.3 1994 (pp.1405-1408)
【非特許文献3】
Appl.Phys.Lett. Vol.21 No.8 1972 (pp.394-396)
【非特許文献4】
Appl.Phys.Lett. Vol.68 No.25 1996 (pp.3546-3548 )
【非特許文献5】
第61回応用物理学会講演予稿集、2000(講演番号4p−Q−4)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光信号伝送システムでは、半導体レーザ光源の駆動電流を直接高速変調するか、又は、電気光学効果(ポッケルス効果)を用いた導波路型光変調器を用いる場合がほとんどであった。半導体レーザ光源の駆動電流を直接変調する場合は、別途変調器を必要としないため、光信号伝送システムの構成が簡素になるという特徴がある。しかしながら、半導体レーザを直接変調する場合、その変調周波数は通常数GHz程度であり、それ以上の高速変調は困難である。さらに高周波で半導体レーザを駆動する場合、非常に高度な駆動系が必要となったり、高速変調による波長変動(チャーピング)のために、信号を遠くまで伝送できなくなったりするという課題がある。
【0007】
また、光変調器として電気光学効果、特にポッケルス効果を用いた導波路型の光変調器を用いる場合は、レーザ光などを高速変調することが可能であり、さらに、半導体レーザを直接変調した場合に問題となる波長変動の問題がない。しかしながら、従来の技術で説明したように、DCドリフトや光損傷に係る課題が存在し、これらの課題を解決するために種々の対策を講じる必要から、変調素子が非常に高価であるという課題がある。
【0008】
また、磁気光学膜結晶を直接、半導体基板上の線路やマイクロストリップ線路上に配置し、磁気光学膜結晶に平行に直流バイアス磁界を印加し、線路に流れる電流波形をモニタリングする磁気光学変調器も検討されている(上記の非特許文献4)。しかしながら、半導体基板上の線路の電流波形をモニタリングする場合、基板上の線路のインピーダンスの調整がとれていないために、波形のリンギングが起こるという課題がある。さらに、この磁気光学変調器(電流波形モニタ)は、光ファイバを光伝送路としていないために、光信号伝送システムとしては使用できないという課題がある。
【0009】
また、マイクロストリップ線路の電流波形を測定するための磁気光学変調器(例えば、上記の非特許文献5)では、光が、磁気光学変調素子から光ファイバを透過した後に検光子に入射するよう配置されている。しかしながら、距離の長い光ファイバ(例えば、1m以上の光ファイバ)中を伝播する光の直線偏光は、一般的にランダム偏光となり、したがって、検光子を透過させても光強度の変調が得られないという課題がある。なお、マイクロストリップ線路の電流波形計測の場合は、偏光面の変調回転を受けた後、光ファイバ中を伝搬する距離は1m程度以下であると考えられ、上記課題はないと考えられる。さらに、この磁気光学変調器においては、直流バイアス磁界の方向と高周波磁界の印加方向がほぼ同一(両方とも磁気光学膜結晶に平行で同じ向き)であるために、単一磁区にするために大きなバイアス磁界を印加すると、磁気光学素子が磁気的に飽和して変調信号が非常に小さくなったり、あるいは信号が出なかったりするという課題がある。
【0010】
また、光アイソレータを光変調器として用い、磁気光学効果(ファラデー効果)の大きさを外部磁界で変調した場合(上記の特許文献2、特許文献3)には、光が本来戻らない方向(光源側)に戻ってしまい、光アイソレータ本来の役割を果たさないという大きな課題がある。図7A、図7B、図8を用いて、この課題をさらに詳細に説明する。図7Aに示すように、光源側から入射した光は偏光子202を透過し、偏光子202の透過偏光面にのみ対応した光だけが透過する。偏光子202を透過した光は磁気光学素子204でその偏光面が右回りに45゜回転される。この磁気光学素子を透過した光(偏光面が45゜回転した光)は、検光子210の透過偏光方向と一致するので、そのまま検光子を透過することができ、システム側に光が透過する。したがって、順方向の入射光は、偏光子202の偏光方向と検光子210の偏光方向とを適切に設定しておくことによって、理想的には光を100%透過することが可能である。
【0011】
一方、逆方向の光の場合、図7Bに示すように、システム側から光が入射すると、検光子210の偏光面と同一偏光の光が検光子210を透過する。さらに磁気光学素子204で反射光の偏光面が右回りに45゜回転する。磁気光学素子204を透過した光の偏光方向は偏光子202と完全に直交するので、反射光は光源側に戻ることができない。したがって、光を1方向のみ透過する、いわゆる光のダイオードが実現される。しかしながら、上記のことは、磁気光学素子204の磁気光学効果(ファラデー効果)による偏光面の回転角が完全に45゜の場合にのみ実現される。回転角が45゜からずれると、反射戻り光の偏光面は偏光子202の透過偏光面と完全には直交しなくなるため、光源側に光がわずかに戻ることとなる。光アイソレータを光変調器に用いる場合、磁気光学素子204のファラデー回転角を45゜から変化させるので、そのファラデー回転の45゜からのずれが大きくなる(変調度が大きくなる)ほど、光源側に反射戻り光が戻る量が多くなる。
【0012】
また、図8に光アイソレータを光変調器として用いた場合の変調度と戻り光の透過率との関係を示す。通常の光アイソレータは、逆方向の光の透過率が0.1%以下(用途によっては0.001%以下)となるよう機能する必要がある。しかしながら、光アイソレータを光変調器として用いた場合には、図8に示すように、変調度を数%としただけで、反射戻り光は光源側に10〜20%程度も戻ってしまい、本来の光アイソレータとしての機能を全く果たさないことが判る。従来、光アイソレータを光変調器として動作させた場合、光アイソレータとしての機能がこのように著しく劣化することは、全く考慮されていなかった。さらに、通常の光アイソレータは、金属パッケージに覆われていたり、希土類金属系の磁石が使われていたりするため、光アイソレータ外部から高周波磁界を印加しても、渦電流の影響により磁気光学素子に高周波の変調磁界が有効に印加できず、高速変調ができないという課題がある。
【0013】
また、静磁波を利用した磁気光学変調器と光アイソレータとを1つの素子で構成する場合(上記の特許文献4)、静磁波を励起できる周波数帯域が狭いため、光通信の特徴である広帯域化が実現できないという課題がある。また、1つの素子で磁気光学変調器と光アイソレータとを実現した場合、磁気光学変調器の機能として変調度を大きくすると、上述の光アイソレータを磁気光学変調器として用いた場合と同様に、光アイソレータとしての機能が低下し、反射戻り光が光源側に戻ってきてしまうという課題がある。
【0014】
上記課題を解決するため、本発明は、広帯域で動作し、かつ、高速変調可能な光アイソレータ一体型磁気光学変調器及びその製造方法並びに光アイソレータ一体型磁気光学変調器を用いた光通信システムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の光アイソレータ一体型磁気光学変調器は、光源からの入射光を偏光して出射する一方、出射側から前記光源への戻り光を遮光する光アイソレータ部と、前記光アイソレータ部から出射された光を受けて、前記光に対して所望の強度変調を行い出射光として外部に出力する磁気光学変調器部と、前記光の変調を行うための高周波信号を前記磁気光学変調器部に有効に導入するために、電気的なインピーダンスを調整するためのインピーダンス調整器と、前記光アイソレータ部と前記磁気光学変調器部とを内部に収納する単一のパッケージとを、有している。
【0016】
また、上記目的を達成するため、本発明の光アイソレータ一体型磁気光学変調器の製造方法は、非磁性ガーネット基板上に希土類鉄ガーネット結晶を成長させるステップと、光を伝搬するための伝搬路上において、前記光の伝搬方向とすべき方向に対して略垂直方向に溝部を形成するステップと、前記溝部に、偏光子又は検光子を挿入するステップとを、有している。
【0017】
また、上記目的を達成するため、本発明の光アイソレータ一体型磁気光学変調器を用いた光通信システムは、光を出射する光源と、前記光源を駆動させる光源駆動回路と、前記光源からの入射光を偏光して出射する一方、出射側から前記光源への戻り光を遮光する光アイソレータ部と、前記光アイソレータ部から出射された光を受けて、前記光に対して所望の強度変調を行い、出射光を出力する磁気光学変調器部と、前記磁気光学変調器部における光変調に用いられる高周波信号の信号処理を行う磁気光学変調器駆動回路と、前記光の変調を行うための高周波信号を前記磁気光学変調器部に有効に導入するために、電気的なインピーダンスを調整するためのインピーダンス調整器と、前記磁気光学変調器部から出射された前記出射光を伝送するための光ファイバと、前記光ファイバによって伝送された前記出射光を受光する受光器と、前記受光器によって受光された光信号から所望の情報を取り出すための信号処理回路とを、有している。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明する。本発明の光アイソレータ一体型磁気光学変調器は、光アイソレータと高速変調可能な磁気光学変調器とを1つのパッケージに収納するか、又は、光アイソレータと高速変調可能な磁気光学変調器とを密着構成としたものである。
【0019】
磁気光学変調器は、例えば、非特許文献4に開示されているように、磁気光学材料にバイアス磁界を印加し単一磁区とすることにより強磁性共鳴周波数程度(10〜100GHz以上)まで応答可能となる。一方、一般に高速光変調を行った光通信システムでは、コネクタ、分岐器、フィルタなどの光伝送路の途中に配置された各種光学部品から光源への反射戻り光による光源の強度ゆらぎがノイズの原因となる。磁気光学変調器の場合は、磁気光学変調器と光アイソレータとが同じような磁気光学素子で作成可能なため、1つのパッケージ内に収納が容易となり、また、光アイソレータ部と磁気光学変調器部とを密着構成とすることも容易となる。また、1個(又は1組)のバイアス磁界用の磁界発生器を用いて、光アイソレータ部及び磁気光学変調器部の両方に適当な大きさのバイアス磁界を印加することも可能となる。なお、バイアス磁界を印加せず、多磁区状態の磁気光学素子を用いた場合には、磁壁移動による低周波の共振が100MHz〜数100MHzの周波数に現れてしまい、それ以上の周波数では応答しないので、高速な光変調を行うことは不可能である。以下、さらに、本発明の光アイソレータ一体型磁気光学変調器について説明する。
【0020】
<第1の実施の形態>
以下、図1及び図2を参照しながら、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の光アイソレータ一体型磁気光学変調器全体の概要を示す図である。なお、図1は、光アイソレータ一体型磁気光学変調器全体を上から見た状態を模式的に示す断面図である。また、図2は、本発明の第1の実施の形態の光アイソレータ部及び磁気光学変調器部の構成を示す図である。
【0021】
まず、図2を用いて、光アイソレータ一体型磁気光学変調器の動作原理を示す。光入射側から入射された入射光Pinは偏光子2を透過し、偏光子2の入射偏光面と一致した成分のみが透過して直線偏光となって、光アイソレータ用の磁気光学素子4に入射する。光アイソレータ用の磁気光学素子4は、YIGバルク結晶やBi(ビスマス)置換型ガーネット厚膜を用いることが可能であるが、ここでは、単位結晶長当たりのファラデー効果が大きく、結晶の厚みを薄くすることが可能なBi置換型ガーネット結晶を用いた。
【0022】
光アイソレータ用の磁気光学素子4を透過する光は、磁気光学素子4内の光の伝搬距離及び印加されている磁界強度に応じて、所定の角度だけファラデー回転角の変化を受ける。そして、光アイソレータ用の磁気光学素子4を透過した光は、光アイソレータ部の偏光子兼検光子6に入射する。偏光子兼検光子6は、当該所定の角度だけ回転した光を透過するよう設定されており、また、光アイソレータ部の検光子と磁気光学変調器部の偏光子とを兼ねている。なお、光アイソレータ部の消光比をより向上させたい場合、偏光子2、磁気光学素子4、偏光子兼検光子6のセットを2段にすることも可能である。また、後に説明するバイアス用磁石の関係で、偏光子兼検光子6には偏光ビームスプリッタを用いた。また、磁気光学変調器部の磁気光学素子8にも、結晶の厚みを薄くすることが可能なBi置換型ガーネット結晶を用いた。
【0023】
そして、磁気光学変調器部の偏光子兼検光子6及び磁気光学素子8を透過した光は、高周波磁界発生器であるコイル12の中央部を透過し、さらに検光子10を透過して、所望の強度変調を受けた出射光Poutとして出力される。なお、ここでは、入射光Pinは、磁気光学素子8の後段に形成されたコイル12でビーム径がほぼ最小となるように、ゆるく集光した光学系を用いて入射された。
【0024】
磁気光学素子8の表面には、高周波磁界印加用のコイルパターンが形成されている。なお、図2では、コイルパターンが四角状渦巻き型の場合について図示しているが、もちろん通常のらせん状としてもよい。また、図2では、磁気光学素子8の片側のみにコイル12が形成されている場合について図示されているが、もちろん磁気光学素子8の両面に形成することも可能である。その場合、両面のコイルを用いて磁気光学素子8に印加する高周波磁界強度を2倍以上に増すことも可能である。また、高周波磁界をできるだけ大きくするために、パターン形成されたコイル12の最も内側の径は、可能な限り小さい方が望ましく、また、透過ビーム径よりわずかに大きくする必要がある。磁気光学素子8を透過する光のビーム径にもよる(用いられる光学系により異なる)が、この光アイソレータ一体型磁気光学変調器を通信用として用いる場合には、コイル12の最も内側の径は、十〜数百μm程度が適当である。
【0025】
また、ここでは、光アイソレータ部のバイアス磁界Hdc1は、光の伝搬方向にほぼ水平な方向に(図2のZ軸方向)、磁気光学変調器部のバイアス磁界Hdc2は光の伝搬方向にほぼ垂直な方向(図2のX軸方向)に永久磁石を用いて印加した。なお、図2では、図面を判りやすくするため、光アイソレータ部のバイアス磁界Hdc1や、磁気光学変調器部のバイアス磁界Hdc2を発生するバイアス磁界発生器は図示省略されている。
【0026】
また、図1には、図2に示す光アイソレータ部と磁気光学変調器部とが、1つのパッケージに収納されている状態が図示されている。図1に示す光アイソレータ一体型磁気光学変調器では、光アイソレータ部と磁気光学変調器部とが密着構成となっており、1つのパッケージ70に収納されている。また、図1には、光アイソレータ部のバイアス磁界Hdc1を発生するバイアス磁界発生器(磁石)7、磁気光学変調器部のバイアス磁界Hdc2を発生するバイアス磁界発生器(磁石)9が図示されている。なお、バイアス磁界発生器としては、SmCo系又はNdFeB系などの各種の永久磁石や電磁石などを用いることが可能であるが、ここでは、永久磁石を用いてバイアス磁界を印加した。バイアス磁界の印加方向及び大きさは、光アイソレータ部では磁気光学素子4のファラデー回転角がほぼ45度、また、磁気光学変調器部では磁気光学素子8のファラデー回転角がほぼ0±90×n(nは整数)度となるものであればよい。なお、バイアス磁界Hdc2の印加方向は、磁気光学素子8のファラデー回転角を0±90×n(nは整数)度とする角度から、±30度程度の範囲内で変化しても十分機能する。
【0027】
次に、高周波磁界発生器であるコイル12と磁気光学変調器部の駆動回路との間にインピーダンス調整器(終端器)128を配置し、磁気光学変調器部の駆動回路から高周波発生用のコイル12に効率よく高周波信号を導入する。図1及び図2に示す構成により、光アイソレータ部のアイソレーション比30dB(戻り光透過率0.1%に対応)、磁気光学変調器部の動作周波数はDCから3GHz程度の光アイソレータ一体型磁気光学変調器が作成可能であった。特に、バイアス磁界を印加しない場合に現れる100MHzから数100MHz程度の磁区移動による共振もなく、周波数をDCから3GHz程度まで変調することが可能であった。また、光アイソレータ一体構成のため、光源として用いた半導体レーザへの反射戻り光ノイズは観測されなかった。なお、本実施の形態では、光アイソレータ部と磁気光学変調器部が密着構造となっているが、同一パッケージ内に収納されていれば必ずしも一体構造になっている必要はない。ただし、この場合には、光アイソレータ部のファラデー回転角が45度となるように、光アイソレータの結晶の厚みを設定し直す必要がある。
【0028】
<第2の実施の形態>
次に、図3を参照しながら、本発明の第2の実施の形態について説明する。図3は、本発明の第2の実施の形態の光アイソレータ部及び磁気光学変調器部の構成を示す図である。第2の実施の形態と第1の実施の形態との主な違いは、バイアス磁界の印加方向、及び、高周波磁界を印加するための高周波磁界発生器である。また、素子全体の光路長(入射光Pinの入射部から出射光Poutの出射部)を短くするために、ここでは、偏光子2、偏光子兼検光子6及び検光子10として、すべて薄型のガラス偏光子を用いた。
【0029】
図3では、バイアス磁界発生器として1個の永久磁石(図3では不図示)を用いて、光アイソレータ部及び磁気光学変調器部に対して、光伝搬方向に対して45度の方向(図3では、Z−X面内でZ軸からX軸方向に45度の方向)にバイアス磁界Hdcを印加した。すなわち、光アイソレータ部のバイアス磁界を発生するバイアス磁界発生器と、磁気光学変調器部のバイアス磁界を発生するバイアス磁界発生器とを同一のものとし、バイアス磁界Hdcを光伝搬方向に対して45度の角度としている。なお、光伝搬方向に対して45±30度程度の範囲内であり、かつ、Z−X面内、Z−Y面内、あるいは、Z軸を含む任意の面内のいずれかであればバイアス磁界とすることができる。
【0030】
また、高周波磁界発生器としてストリップ線路(マイクロストリップ線路を含む)13やコプレーナ線路を用いて高周波磁界を印加することが可能である。なお、図3では、高周波磁界発生器としてストリップ線路13を用いている。ストリップ線路13によって発生する高周波磁界は、ストリップ線路13の高周波電流が流れる方向と直交する方向を有している。したがって、ストリップ線路13に電流を流して高周波磁界を印加した場合、バイアス磁界Hdcと高周波磁界HRF(HRFは不図示)とが合成された方向に、磁気光学変調器部の磁気光学素子8の磁化方向が変化(この場合は回転)し、その磁化方向に対応したファラデー回転角の変化が得られるので、高周波磁界HRFの変化に対応した光の強度変化を得ることができる。また、ストリップ線路13を流れる高周波電流の出口は、磁気光学変調器部の駆動回路からの信号を効率よく伝送するため、インピーダンス整合用のインピーダンス調整器(終端器)129で終端した。したがって、この場合は、ストリップ線路13と終端器129とによって、インピーダンス調整が行われる。また、入射光Pinは、磁気光学変調器部で効率よく変調されるように、ストリップ線路13の直下にできるだけ近く、かつ、ビームを数十μm程度に細くして透過させた。
【0031】
以上の構成によって、光アイソレータ部の消光比が30dB(戻り光透過率0.1%に対応)、磁気光学変調器部の変調周波数がDCから10GHz程度の変調信号を得ることが可能な光アイソレータ一体型磁気光学変調器を実現することができた。また、デジタル信号を磁気光学変調器部に印加した場合、2.5Gbpsや10Gbpsまでの変調速度の信号を伝送することが可能であった。また、光源に用いた半導体レーザへの反射戻り光の影響によるノイズの発生や、ビットエラーレートの上昇も観測されなかった。
【0032】
<第3の実施の形態>
以下、図4A〜図4Eを参照しながら、本発明の第3の実施の形態について説明する。図4A〜図4Eは、それぞれ本発明の第3の実施の形態の同一基板上に光アイソレータと磁気光学変調器を形成した光アイソレータ一体型磁気光学変調器の製造方法を説明するための模式図である。
【0033】
図4Aに示すように、まず、非磁性ガーネット基板20を用意する。ここで、非磁性ガーネット基板20としては、この非磁性ガーネット基板20上に成長させる磁気光学素子(ガーネット結晶)と格子定数が近いものを用いることが望ましく、例えば、GGG(Gd3Ga5O12)やCa−Mg−Zr置換GGGを用いることが可能である。
【0034】
次に、図4Bに示すように、非磁性ガーネット基板20上に磁気光学素子5をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長の方法としては、例えば、成長速度の大きな液相エピタキシャル成長方法を用いることが可能である。また、磁気光学素子5としては、各種のガーネット結晶を用いることができるが、ここでは単位長さあたりのファラデー回転角の大きなBi置換型希土類鉄ガーネット(BiR)3(FeGa)5O12を用いた。ただし、Rは希土類元素を表している。
【0035】
次に、図4Cに示すように、所望の厚さの膜にまで成長させたガーネット結晶を、精密回転式ブレードソー(一般にダイシングソーと呼ばれる装置)を用いて、素子として必要な大きさに切り出す。切り出し条件としては、例えば、切り出しブレードとして400〜2000番のダイヤモンド系ブレードを用い、切り出し速度を0.1〜5.0(mm/秒)で行う。また、このとき、偏光子兼検光子6を挿入するための溝120も同時に形成し、磁気光学素子5を、光アイソレータ部の磁気光学素子4と磁気光学変調器部の磁気光学素子8とに分ける。なお、偏光子2、偏光子兼検光子6、検光子10の光透過面は、光透過方向に対して90度となるよう固定するが、これらの表面における反射の影響を抑えるために、光透過方向から±10度程度の範囲となるよう作成することも可能である。この場合、溝120の方向や磁気光学素子5の端面の方向が、光透過軸に対して90±10度の範囲となるよう作成すればよい。なお、光透過面と光透過方向とのなす角度が90±10度の範囲内にある場合には、光透過面と光透過方向は略垂直であると呼ぶことにする。
【0036】
次に、図4Dに示すように、溝120に偏光子兼検光子6を挿入し、また、入射光Pin及び出射光Poutを透過させる位置に偏光子2及び検光子10を接着固定する。
【0037】
次に、図4Eに示すように、磁気光学変調器部の磁気光学素子8とする部分に、高周波磁界発生器(ここではストリップ線路13)を形成し、また、非磁性ガーネット基板20の裏面に接地電極を形成する。
【0038】
上記の製造方法により、少なくとも、偏光子兼検光子6は溝120に挿入するのみでよく、端面の研磨や光軸の調整などの様々な調整を著しく簡素化することが可能であった。なお、ここでは、図4Dに示すように、偏光子兼検光子6のみを溝120に挿入しているが、偏光子2や検光子10に関しても、それぞれを挿入するための溝を形成して、その溝に挿入することによって組み立てることも可能である。以上のようにして、同一基板上に光アイソレータ部と磁気光学変調器部とが配置された光アイソレータ一体型磁気光学変調器を簡単に製造することが可能である。
【0039】
上記のようにして製造された素子に、バイアス磁界(印加方向は第3の実施の形態と同一)を印加し、さらに、高周波信号源(不図示)から高周波磁界発生器(ストリップ線路)13に高周波信号を印加した。また、図4Eでは図示省略しているが、高周波磁界発生器13の反対側には終端器(インピーダンス調整器)を設置し、高周波信号源、高周波磁界発生器13及び終端器(インピーダンス調整器)のインピーダンスをすべて50Ωで一致させた。ここで、高周波磁界発生器として分布定数型のストリップ線路を用いることにより、広帯域(DC〜10GHzまで)にわたって、変調を行うことが可能であった。なお、この場合、上限周波数は、高周波信号源や信号処理装置の周波数特性により制限されていた。また、この場合、光アイソレータ部の消光比は30dB(戻り光透過率0.1%に対応)であり、光源に用いた半導体レーザへの反射戻り光の影響によるノイズは発生しなかった。
【0040】
<第4の実施の形態>
次に、図5を参照しながら、本発明の第4の実施の形態について説明する。図5は、本発明の第4の実施の形態の光源、光アイソレータ部、磁気光学変調器を同一パッケージ内に収納した構成を示す図である。図5では、光源52として半導体レーザを用いた。光源(半導体レーザ)52から出射された光は、集光レンズ54を透過して、さらに、光アイソレータ部及び磁気光学変調器部を有する光アイソレータ一体型磁気光学変調器を透過する。なお、光アイソレータ一体型磁気光学変調器は、図2や図3に示す構成のものを利用することが可能である。また、集光レンズ54は、磁気光学変調器部でゆるく集光し、かつ、光が高周波磁界発生器で効率よく変調される経路(例えば、ストリップ線路の直下)を透過するようにビーム調整されている。また、集光レンズ56は、磁気光学変調器部から出射された出射光Poutを光ファイバ60に効率よく集光するように配置されている。
【0041】
また、半導体レーザ52から所望の出射方向に対して反対側に漏れた光は、モニタ用受光器50によって検出されて、半導体レーザ52の光出射パワーがモニタリングされる。これら一連の素子は、パッケージ70内に接着、ハンダ固定又は溶接固定されているため、良好な動作が得られる信頼性が高い。なお、図面を判りやすくするため、図5では、光アイソレータ部及び磁気光学変調器部にバイアス磁界を印加するための磁石や、磁気光学変調器部のインピーダンス調整器は図示省略されている。以上のように、光源52と光アイソレータ一体型磁気光学変調器を同一のパッケージ70に収納した構成を用いて光の伝送試験を行った結果、DCから10GHz程度の変調周波数までの光変調が可能であった。また、デジタル信号を磁気光学変調器部に印加した場合、2.5Gbpsや10Gbpsまでの変調速度の信号を伝送可能であった。また、光伝送路の途中から光源52への反射戻り光の影響によるノイズやビットエラーレートの上昇も観測されなかった。
【0042】
さらに、光源52、光アイソレータ部、磁気光学変調器部に加えて、光源52や磁気光学変調器部の駆動回路を同一パッケージ70内に収納した場合も、上記と全く同様の性能を得ることが可能である。この場合、駆動回路を含む全ての構成要素を同一パッケージ70内に収納するため、不要輻射などのシールドを行いやすいというメリットもある。また、半導体レーザ52のみ又は磁気光学変調器部のみの駆動回路を同一パッケージ70内に収納することも可能であった。また、磁気光学変調器部の駆動回路のインピーダンス調整を行うため、インピーダンス調整器も同一パッケージ内に収納することが可能であった。
【0043】
<第5の実施の形態>
次に、図6を参照しながら、本発明の第5の実施の形態について説明する。図6は、本発明の第5の実施の形態の光通信システムの構成を示す図である。図6では、光源駆動回路122によって、光源104が適当な強度の光を出射するよう駆動する。そして、レンズ106により、光源104からの光を平行光又はゆるく集光された光として、光アイソレータ一体型磁気光学変調器130に入射する。一方、磁気光学変調器駆動回路124から光アイソレータ一体型磁気光学変調器130に変調信号が供給され、この変調信号に応じて、光アイソレータ一体型磁気光学変調器130の磁気光学変調器部で光の変調が行われる。光アイソレータ一体型磁気光学変調器130を透過して所望の変調を受けた光は、出射側のレンズ108で集光されて光ファイバ110に集光される。
【0044】
そして、光ファイバ110を透過した光は、さらにレンズ112を透過し、受光器114に供給される。受光器114は、受光した光信号を電気信号に変換して、その電気信号を信号処理回路126に供給する。信号処理回路126は、この電気信号に対して復調などの信号処理を行い、その結果、所望の情報が取り出される。なお、光アイソレータ一体型磁気光学変調器130は、図3や図4に示す構成のものを利用することが可能である。したがって、光アイソレータ一体型磁気光学変調器130は、高速応答が可能であり、さらに、光源104と磁気光学変調器部との間には光アイソレータ部が配置されているので、光伝送路の途中から光源104への反射戻り光の影響によるノイズは発生せず、数十km以上もの距離の光ファイバ110を利用して、10GHz以上の信号を伝送することが可能であった。
【0045】
また、高周波磁界発生器による高周波磁界発生に利用される高周波信号として、例えば、アンテナからの電気信号やそれを増幅した増幅信号を用いた場合、各種移動体通信の信号をアンテナで受信し、その受信信号に応じて光変調を行って光信号を発生させて、光ファイバ経由で所定の施設まで信号伝送を行う通信システムとしても用いることが可能であった。この場合、光アイソレータ一体型磁気光学変調器は屋外に設置されるが、本発明の光アイソレータ一体型磁気光学変調器は、DCドリフトなどの問題がなく、温度変化の大きな屋外でも安定した動作が得られた。
【0046】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、光源からの入射光を偏光して出射する一方、出射側から光源への戻り光を遮光する光アイソレータ部と、光アイソレータ部から出射された光を受けて、その光に対して所望の強度変調を行い出射光として外部に出力する磁気光学変調器部と、光の変調を行うための高周波信号を磁気光学変調器部に有効に導入するために、電気的なインピーダンスを調整するためのインピーダンス調整器とを有し、光アイソレータ部と磁気光学変調器部とが、単一のパッケージに収納されているので、広帯域で動作し、かつ、高速変調可能な光アイソレータ一体型磁気光学変調器が実現でき、その工業的価値は高い。
【0047】
また、本発明によれば、同一結晶基板上に、光アイソレータと磁気光学変調器とを形成して、光アイソレータ一体型磁気光学変調器を製造するので、広帯域で動作し、かつ、高速変調可能な光アイソレータ一体型磁気光学変調器が実現でき、その工業的価値は高い。
【0048】
また、本発明によれば、光源からの入射光を偏光して出射する一方、出射側から光源への戻り光を遮光する光アイソレータ部と、光アイソレータ部から出射された光を受けて、その光に対して所望の強度変調を行い出射光として外部に出力する磁気光学変調器部と、光の変調を行うための高周波信号を磁気光学変調器部に有効に導入するために、電気的なインピーダンスを調整するためのインピーダンス調整器とを有し、光アイソレータ部と磁気光学変調器部とが、単一のパッケージに収納されている光アイソレータ一体型磁気光学変調器を含む光通信システムを実現することができるので、広帯域で動作し、かつ、高速変調可能な光アイソレータ一体型磁気光学変調器を含む光通信システムが実現でき、その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の光アイソレータ一体型磁気光学変調器全体の概要を示す図
【図2】本発明の第1の実施の形態の光アイソレータ部及び磁気光学変調器部の構成を示す図
【図3】本発明の第2の実施の形態の光アイソレータ部及び磁気光学変調器部の構成を示す図
【図4A】本発明の第3の実施の形態による磁気光学変調器部の製造方法の第1ステップを示す模式図
【図4B】本発明の第3の実施の形態による磁気光学変調器部の製造方法の第2ステップを示す模式図
【図4C】本発明の第3の実施の形態による磁気光学変調器部の製造方法の第3ステップを示す模式図
【図4D】本発明の第3の実施の形態による磁気光学変調器部の製造方法の第4ステップを示す模式図
【図4E】本発明の第3の実施の形態による磁気光学変調器部の製造方法の第5ステップを示す模式図
【図5】本発明の第4の実施の形態の光源、光アイソレータ部、磁気光学変調器を同一パッケージ内に収納した構成を示す図
【図6】本発明の第5の実施の形態の光通信システムの構成を示す図
【図7A】光アイソレータの動作原理を示す第1の図
【図7B】光アイソレータの動作原理を示す第2の図
【図8】従来の技術における光アイソレータを光変調器として用いた場合の変調度と戻り光の透過率との関係を示すグラフ
【符号の説明】
2、202 偏光子
4、5、8、204 磁気光学素子
6 偏光子兼検光子
7、9 バイアス磁界発生器(磁石)
10、210 検光子
12 コイル(高周波磁界発生器)
13 ストリップ線路(高周波磁界発生器)
20 非磁性ガーネット基板
50 モニタ用受光器
52、104 光源(半導体レーザ)
54、56、106、108、112 レンズ(集光レンズ)
60、110 光ファイバ
70 パッケージ
114 受光器
120 溝
122 光源駆動回路
124 磁気光学変調器駆動回路
126 信号処理回路
128、129 インピーダンス調整器(終端器)
130 光アイソレータ一体型磁気光学変調器
Claims (24)
- 光源からの入射光を偏光して出射する一方、出射側から前記光源への戻り光を遮光する光アイソレータ部と、
前記光アイソレータ部から出射された光を受けて、前記光に対して所望の強度変調を行い出射光として外部に出力する磁気光学変調器部と、
前記光の変調を行うための高周波信号を前記磁気光学変調器部に有効に導入するために、電気的なインピーダンスを調整するためのインピーダンス調整器と、
前記光アイソレータ部と前記磁気光学変調器部とを内部に収納する単一のパッケージとを、
有する光アイソレータ一体型磁気光学変調器。 - 前記磁気光学変調器部の変調周波数が、100MHz以上である請求項1に記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 前記磁気光学変調器部の変調速度が、2.5Gbps以上である請求項1に記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 前記光アイソレータ部の検光子と前記磁気光学変調器部の入射側偏光子とが、1つの光学部材によって構成されている請求項1から3のいずれか1つに記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 前記磁気光学変調器部の磁気光学素子に印加するバイアス磁界の方向が、光の伝搬方向に対して90±30度の範囲内であり、光を変調するために前記磁気光学変調器部の磁気光学素子に印加する高周波磁界の印加方向が、光の伝搬方向に対して0±30度の範囲内である請求項1から4のいずれか1つに記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 前記磁気光学変調器部の磁気光学素子に印加するバイアス磁界の方向が、光の伝搬方向に対して45±30度の範囲内であり、光を変調するために前記磁気光学変調器部の磁気光学素子に印加する高周波磁界の印加方向が、光の伝搬方向に対して90±30度の範囲内である請求項1から4のいずれか1つに記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 前記高周波磁界を発生させるための高周波磁界発生器が、ストリップ線路又はコプレーナ型線路である請求項6に記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 前記磁気光学変調器部の前記磁気光学素子に前記バイアス磁界が印加された場合、前記磁気光学変調器部を透過した光のファラデー回転角の大きさが、0±90×n(ただし、nは整数)である請求項5から7のいずれか1つに記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 前記磁気光学変調器部の前記磁気光学素子に前記バイアス磁界を印加するためのバイアス磁界発生器と、前記光アイソレータ部の磁気光学素子にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界発生器とが、1つの磁界発生器によって構成されている請求項5から8のいずれか1つに記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 前記光アイソレータ部の磁気光学素子と、前記磁気光学変調器部の磁気光学素子とが、同一結晶基板上に形成されている請求項1から9のいずれか1つに記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 前記磁気光学素子がBi置換型希土類鉄ガーネットである請求項10に記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 前記光アイソレータ部からの光の出射偏光面と、前記磁気光学変調器部の光の入射偏光面とが一致している請求項1から11のいずれか1つに記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 前記光アイソレータ部が2段の光アイソレータで構成されている請求項1から12のいずれか1つに記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 前記光アイソレータ部及び前記磁気光学変調器部を収納する前記パッケージ内に、前記光源が収納されている請求項1から13のいずれか1つに記載の光源付きの光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 前記光源が半導体レーザにより構成されている請求項14に記載の光源付きの光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 前記光源及び前記磁気光学変調器部の少なくとも一方の駆動回路が、前記パッケージ内に収納されている請求項14又は15に記載の光源付きの光アイソレータ一体型磁気光学変調器。
- 少なくとも光アイソレータ部と磁気光学変調器部を有する光アイソレータ一体型磁器光学変調器の製造方法であって、
非磁性ガーネット基板上に希土類鉄ガーネット結晶を成長させるステップと、
光を伝搬するための伝搬路上において、前記光の伝搬方向とすべき方向に対して略垂直方向に溝部を形成するステップと、
前記溝部に、偏光子又は検光子を挿入するステップとを、
有する光アイソレータ一体型磁気光学変調器の製造方法。 - 前記溝部を形成する際に、精密回転式ブレードソーを用いる請求項17に記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器の製造方法。
- 前記希土類鉄ガーネット結晶がBi置換型希土類鉄ガーネットからなることを特徴とする請求項17又は18に記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器の製造方法。
- 液相エピタキシャル法によって、前記非磁性ガーネット基板上に前記希土類鉄ガーネット結晶を成長させる請求項17から19のいずれか1つに記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器の製造方法。
- 光を出射する光源と、
前記光源を駆動させる光源駆動回路と、
前記光源からの入射光を偏光して出射する一方、出射側から前記光源への戻り光を遮光する光アイソレータ部と、
前記光アイソレータ部から出射された光を受けて、前記光に対して所望の強度変調を行い、出射光を出力する磁気光学変調器部と、
前記磁気光学変調器部における光変調に用いられる高周波信号の信号処理を行う磁気光学変調器駆動回路と、
前記光の変調を行うための高周波信号を前記磁気光学変調器部に有効に導入するために、電気的なインピーダンスを調整するためのインピーダンス調整器と、
前記磁気光学変調器部から出射された前記出射光を伝送するための光ファイバと、
前記光ファイバによって伝送された前記出射光を受光する受光器と、
前記受光器によって受光された光信号から所望の情報を取り出すための信号処理回路とを、
有する光アイソレータ一体型磁気光学変調器を用いた光通信システム。 - 前記光アイソレータ部と前記磁気光学変調器部とが、同一パッケージ内に収納されている請求項21に記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器を用いた光通信システム。
- 前記光アイソレータ部及び前記磁気光学変調器部を収納する前記パッケージ内に、前記光源が収納されている請求項22に記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器を用いた光通信システム。
- アンテナからの電波信号又はその電波信号を増幅した増幅信号が前記磁気光学変調器駆動回路に供給されて、前記磁気光学変調器駆動回路によって処理された信号に基づいて、前記磁気光学変調器部で光変調が行われる請求項21から23のいずれか1つに記載の光アイソレータ一体型磁気光学変調器を用いた光通信システム。
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