JP4275974B2 - 磁気光学変調器及びそれを用いた光通信システム - Google Patents

磁気光学変調器及びそれを用いた光通信システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光通信などで用いる磁気光学変調器及びそれを用いた光通信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の光信号伝送システムにおいて、外部光変調器としては、そのほとんどが電気光学効果(主にポッケルス効果)を用いてきた。特に、光通信で使用される外部変調器はLiNbO3結晶の電気光学効果を用いた導波路型の光変調器がほとんどである(例えば下記の非特許文献1)。しかし、電気光学結晶を用いた光変調器はDCドリフト(例えば下記の特許文献2)や光損傷などがあり、長期間にわたって安定した動作を得ることが困難であったり、その特性劣化をおさえるために高価なものとなっていた。
【0003】
近年、高周波信号源としてアンテナからの電界を用い、これを電気光学変調器に印加した光信号伝送システムも種々提案されている(例えば下記の特許文献1、特許文献2)。
【0004】
磁気光学効果を用いた磁気光学変調器は古くから研究されているが(例えば下記の非特許文献3)、その応答速度が電気光学効果に比べて遅いことからあまり進展せず、応答速度が遅くても十分機能する光方式の磁界センサや電流センサとして研究開発が進んでいる(例えば下記の非特許文献4、非特許文献5)。さらに、磁気光学変調器(この場合は偏光変調器)を光信号通信システムに用いた例(例えば下記の特許文献3)も開示されているが、その応答速度は数10kHz程度の低周波である。また光アイソレータを磁気光学変調器に用いた例(例えば下記の特許文献4)も開示されている。この場合も応答速度が遅いことは同様である。さらにこの場合は光アイソレータを光変調器として用いるが、磁気光学効果(ファラデー効果)の大きさを外部磁界で変調した場合、光が本来戻らない方向(光源側)に光が戻ってしまい、光アイソレータ本来の役割をしないという大きな課題がある。
【0005】
また、最近になって磁気光学膜結晶に直流バイアス磁界を印加した半導体電子回路基板の電流計測用の磁気光学変調器の研究がなされるようになった(例えば下記の非特許文献6、非特許文献7)。
【0006】
【非特許文献1】
西原 他著 光集積回路 オーム社 1985(pp298−304)
【非特許文献2】
J.Appl.Phys. Vol.76 No.3 1994 ( pp1405-1408)
【非特許文献3】
Appl.Phys.Lett. Vol.21 No.8 1972 ( pp.394-396)
【非特許文献4】
J.Appl.Phys. Vol.53 No.11 1982 (pp.8263-8265)
【非特許文献5】
National Technical Report Vol. 38, No. 2, 1992 (pp127-133)
【非特許文献6】
Appl.Phys.Lett. Vol.68 No.25 1996 ( pp.3546-3548 )
【非特許文献7】
第61回応用物理学会講演予稿集、2000(講演番号4p−Q−4)
【非特許文献8】
J. Smith et al.,“Ferrites” Cleaver-Hume Press、1959 (pp269-300)
【特許文献1】
特開平4−172261号公報
【特許文献2】
特開平10−186189号公報
【特許文献3】
特開平7−199137号公報
【特許文献4】
米国特許第 6,141,140号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
光変調器として電気光学効果、特にポッケルス効果を用いた導波路型の光変調器を用いた場合、高速変調が可能であり、レーザ光、LED光を高速変調することが可能である。さらに半導体レーザの直接変調の場合に問題となる波長変動の問題がない。しかし、上記従来の技術の欄で説明したように、DCドリフトや光損傷という課題があり、これらを解決するために種々の対策を講ずる必要から変調素子が非常に高価になるという課題がある。またアンテナからの電気信号を用いて光を変調するような光信号伝送システムの場合、光変調器が屋外に設置されることがほとんどであるため、DCドリフトや温度特性の問題は大きな課題であった。
【0008】
また、磁気光学膜結晶を直接、半導体基板上の線路やマイクロストリップ線路上に配置し、磁気光学膜結晶に平行に直流バイアス磁界を引加し、線路に流れる電流波形をモニタリングする磁気光学変調器も検討されている。しかし、半導体基板上の線路の電流波形モニタ(例えば上記非特許文献6)の場合、基板上の線路のインピーダンスの調整がとれていないために、波形のリンギングが起こるという課題がある。さらにこの電流波形モニタは、光ファイバを光伝送路としていないために、光信号伝送システムとしては使用できないという課題がある。マイクロストリップ線路の電流波形を測定するための磁気光学変調器(例えば上記非特許文献6)では、磁気光学変調素子から光ファイバを透過した後に検光子が配置されているために、光ファイバを長くした場合、光ファイバ中で直線偏光がランダム偏光となり、検光子を透過させても光強度の変調が得られないという課題がある。マイクロストリップ線路の電流波形計測の場合は、偏光面の変調回転を受けた後、光ファイバ中を伝搬する距離は1m程度以下であると考えられ、上記課題はないと考えられる。さらに、この磁気光学変調器においては、直流バイアス磁界の方向と高周波磁界の印加方向がほぼ同一(両方とも磁気光学膜結晶に水平で同じ向き)であるために、単一磁区にするために大きなバイアス磁界を印加すると、磁気光学素子が磁気的に飽和して変調信号が非常に小さくなったり、あるいは信号が出ないという課題があった。
【0009】
また従来の光通信システムでは、半導体レーザ光源の駆動電流を直接高速変調するか、又は電気光学効果(ポッケルス効果)を用いた導波路型光変調器を用いる場合がほとんどであった。半導体レーザ光源の駆動電流を直接変調する場合は、別途変調器を必要としないため光信号伝送システム構成が簡素になるという特徴がある。しかし、半導体レーザを直接変調する場合、変調周波数は通常数GHz程度でありそれ以上の高速変調は困難である。さらに高周波で半導体レーザを駆動する場合、駆動系が困難になったり、高速変調による波長変動(チャーピング)のために、信号を遠くまで伝送できなくなるという課題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明の磁気光学変調器は、少なくとも強磁性体からなり光の伝搬経路を有する磁気光学素子と、前記磁気光学素子に変調磁界を印加するための変調磁界発生器と、前記磁気光学素子にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界発生器と、所望の変調信号を有効に磁界発生器に導入するためのインピーダンス調整器からなる磁気光学変調器であり、前記変調磁界発生器が分布定数型伝送線路であり、前記分布定数型伝送線路は前記光の伝搬経路に沿って前記光の伝搬経路の近傍に配置され、前記バイアス磁界と前記変調磁界の方向は、少なくとも30度以上異なるように構成され、前記磁気光学素子が磁性体コアのギャップに保持され、前記変調磁界発生器が前記磁性体コアに挿通され、前記磁性体コアの比透磁率が1より大きく、前記磁性体コアは前記バイアス磁界が印加され、前記バイアス磁界の方向に飽和している
【0011】
変調磁界とバイアス磁界の関係は、例えば、前記バイアス磁界の印加方向は、前記磁気光学素子の透過光に対して0±30度であり、前記変調磁界の印加方向は前記磁気光学素子の透過光に対して90±30度であってもよい。
【0012】
さらに、バイアス磁界の印加方向は、前記磁気光学素子の透過光に対して45±30度であり、前記変調磁界の印加方向は前記磁気光学素子の透過光に対して90±30度であってもよい。また、バイアス磁界の印加方向は前記磁気光学素子の透過光に対して45±30度であり、変調磁界の印加方向は前記磁気光学素子の透過光に対して135±30度であってもよい。
【0013】
さらに、本発明の光通信システムは、前記磁気光学変調器と、前記変調磁界発生器に前記変調信号を加える高周波信号発生器と、前記磁気光学変調器に光を入射させるための光源と、前記磁気光学変調器により変調された光を受光するための受光器と、前記磁気光学変調器により変調された光を前記受光器に伝送する光ファイバとからなる。
【0014】
また、本発明の光通信システムの磁気光学変調器の変調磁界発生器にはアンテナで受信した信号を入力してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明の磁気光学変調器の原理を図1Aから図4を用いて説明する。参考のため、図15に従来の磁気光学変調器の場合を示し、本発明による磁気光学変調器の場合(図1A)の磁気光学素子における代表的な磁界印加方向と光伝搬方向の関係を対比する。強磁性体(ここではガーネットなどのフェリ磁性体も含む)のファラデー効果の大きさは、磁化の光の伝搬方向に平行な成分のみが寄与する。そのため、変調磁界を最も効率よく利用して大きなファラデー効果を得るために、光の伝搬方向に変調磁界を印加する。さらに、強磁性体の多磁区構造を単一磁区とするために、変調磁界と垂直方向にバイアス磁界を印加して単一磁区とする。バイアス磁界を印加することにより、多磁区構造に起因する遅い共振(通常100MHzから数100MHz程度)を除くことが可能となる。図15のようにX軸方向にバイアス磁界が印加されZ軸方向に変調磁界が印加される場合を考える。このとき、光の伝搬方向もZ軸である。磁気異方性や反磁界の影響を無視すると、変調磁界とバイアス磁界の合成された方向に磁気光学材料の磁化方向が向くことになる。そして、磁化の光の伝搬方向(Z軸方向)に平行な成分に比例した大きさの成分がファラデー回転角に寄与することとなる。変調磁界を発生させる変調磁界発生器がコイルの場合には、図15のように光伝搬方向(Z軸方向)に容易に高周波磁界を印加できるが、コイルのターン数を大きくすると浮遊容量が大きくなり、広帯域化が困難となる。一方、分布定数線路(例えばストリップ線路(含むマイクロストリップ線路)、コプレーナ線路、同軸線路など)の場合にはZ軸方向に有効に変調磁界を発生することが困難であるため、図15のように光の進行方向に有効に変調磁界を印加することができない。
【0016】
図1Aは本発明による磁気光学変調器の磁気光学素子位置における磁界印加方向と光の伝搬方向の関係を示す図である(ケース1)。バイアス磁界方向を光の進行方向(Z軸)と平行に印加する。変調磁界の方向はX軸方向(Y軸方向でも同様に可能)である。変調磁界の方向が、光伝搬方向と垂直であるため、ストリップ線路(マイクロストリップ線路を含む)、コプレーナ線路、同軸線路を用いて、磁気光学素子全長にわたって励磁することが可能となる。以下、本発明において、「ストリップ線路」は、マイクロストリップ線路を含む述語として使用される。
【0017】
図1Bは図1Aのケース1において、バイアス磁界と変調磁界によりどのような合成磁界が作られるかを示したものである。紙面に対して垂直上向きにY軸をとっている。
ここで、それぞれのベクトルは、
Hbi バイアス磁界を示すベクトル
RF 変調磁界を示すベクトル
Pout 光の伝搬方向を示すベクトル
M 磁化を示すベクトル
である。また変調磁界は、正と負の方向を持つので−HRFも図示してある。
【0018】
図中、これらのベクトルは完全に直交するように示してあるが、実用上は±30度程度傾いても機能する。また変調磁界の方向は便宜的にX軸方向にとったがY軸方向にとっても全く同様である。
【0019】
変調磁界HRFとバイアス磁界Hbiを含成したHbi+HRF及びHbi−HRFの方向に磁気光学材料の磁化Mの方向が向くことになる(磁気異方性や反磁界の影響はないものとする)。そして、MのZ軸成分の大きさが、磁気光学素子のファラデー回転角に比例する。この場合、磁化Mは飽和した状態で用いるので、Mの大きさは変わらず、Mの方向のみがバイアス磁界と高周波磁界の合成ベクトルの方向を向くことになる。
【0020】
図2A、2Bは本発明の別の場合(ケース2)の、磁気光学変調器の磁気光学素子位置における光の伝搬方向と磁界の印加方向の関係を示した図である。
【0021】
バイアス磁界Hbiの方向はX軸とZ軸のなす面内でZ軸から45度X軸方向の角度、変調磁界HRFの印加方向はX軸である。この場合、ケース1の場合と同じ大きさの変調磁界HRFにおいても、磁化MのZ軸成分の変化が大きいことがわかる。
【0022】
図3A、3Bはさらに本発明の別の場合(ケース3)の、磁気光学変調器の磁気光学素子位置における光の伝搬方向と磁界の印加方向の関係を示した図である。バイアス磁界Hbiの方向はX軸とZ軸のなす面内でZ軸から45度X軸方向の角度、変調磁界HRFの印加方向は同じくX軸とZ軸のなす面内でZ軸から135度の角度である。この場合、ケース1の場合と同じ大きさの高周波磁界の大きさにおいても、磁化MのZ軸成分の変化が大きく、かつバイアス磁界を中心として対称性良く合成ベクトルが変化する。このとき、磁化MのZ軸成分も対称性良く変化し、その結果、磁気光学変調器の直線性が良い。
【0023】
図4はケース1からケース3の場合について、変調磁界HRFが作用する結晶長が同じ場合の変調磁界に対するファラデー回転角の変化を計算した結果である。変調磁界は、バイアス磁界に対する相対値である。また、ファラデー回転角の変化は、HRFがゼロのときのファラデー回転角とHRFがゼロでないときのファラデー回転角のとの差分の絶対値である。
【0024】
ケース1(図1B)の場合は、最もデバイスとして実現しやすい磁界印加方向であるが、高周波磁界に対するファラデー回転角の変化が小さい。
【0025】
ケース2(図2B)の場合は、比較的大きなファラデー回転角の変化が得られる。
【0026】
ケース3(図3B)の場合は、同じ高周波磁界で同じ励磁長がある場合、最も大きなファラデー回転角の変化と歪みの少ない出力特性が得られる。
【0027】
なお、図1Aから図3Bでは説明がわかりやすいように、バイアス磁界の方向、変調磁界の方向を各軸に平行か又は45度あるいは135度の方向にとっているが、磁気異方性を考慮すると、指定した方向から±30度程度ずれていても上記に説明したものと同様の効果を得ることができる。
【0028】
なお、以下に説明する実施の形態では、少なくとも検光子を使用するが、干渉計を構成すれば、偏光子・検光子がなくても磁気光学変調器を実現できることはもちろんである。
【0029】
<実施の形態1>
以下、本発明による実施の形態1に関して詳細に説明する。
図5はケース1の場合に関して、磁気光学変調器の構成を示す図である。ここで、バイアス磁界Hbiを発生するバイアス磁界発生器は省略されている。バイアス磁界発生器としては各種電磁石や永久磁石を用いることができるが、小型で発生磁界の大きなSmCo磁石を用いた。また、バイアス磁界Hbiの方向は光の伝搬方向と同じZ軸である。磁気光学素子1としてはファラデー効果を示す強磁性体であればどのようなものでも用いることができるが、YIG(Y3Fe512)やビスマス置換希土類鉄ガーネットなどを用いることができる。ここでは置換Gd3Ga512(GGG)基板又はCa−Mg−Zr置換GGG基板上に成長したビスマス置換型希土類鉄ガーネットを用いた。磁気光学素子として用いたビスマス置換希土類鉄ガーネット結晶には、結晶のエッチングや誘電体薄膜とエッチングの組み合わせを用いて光導波路を形成したものを用いた。
【0030】
変調磁界発生器6としてはストリップ線路を用いる。この場合、ストリップ線路により発生する変調磁界はX軸方向となる。また磁気光学素子の裏面はアースされている。入力された変調信号RFinは変調磁界発生器6を通過して、RFoutに出力され、適当な終端器で終端される。ここでは終端抵抗を用いた(終端抵抗は図中省略されている)。
【0031】
入射光Pinは偏光子2を透過することにより偏光子の偏光面と一致した成分のみが透過して直線偏光となる。入射した光は、磁気光学素子1に形成された光導波路を伝搬することにより、検光子4の位置まで到達する。ここで、ストリップ線路近傍を光が伝搬するときに変調磁界発生器6により発生した変調磁界に対応したファラデー回転角の変化を受ける。ここで、ファラデー回転角の変化の様子は図4に記載したとおりである。検光子4を透過した光Poutは、検光子4の透過偏光面に一致した偏光成分のみ透過するので、ファラデー回転角の変化に対応した光の強度変化が得られる。したがって、変調磁界に対応した光の強度変調器が構成される。図5中、光伝搬方向(Poutの方向)と高周波伝搬方向がほぼ同じであり、かつ光と高周波がほぼ同じ場所を通るので、変調磁界発生器6で発生した高周波磁界により、光の伝搬経路を効率よく励磁することが可能となる。さらに変調磁界発生器6、終端器、高周波信号発生器の電気的なインピーダンスを調節しておけば非常に広帯域にわたって変調可能な磁気光学変調器となる。本実施の形態では変調周波数DCから10GHz程度の変調信号を容易に得ることができた。また、バイアス磁界を印加しないときに現れる100MHzから数100MHzでの多磁区構造に起因する共鳴ピークも観測されなかった。
【0032】
なお、磁気光学素子のバイアス磁界印加時のファラデー回転の大きさが、例えば90度の場合は、検光子4の透過偏光面は偏光子2の透過偏光面に対して45度傾いている場合に最も大きな強度変化が得られる。また、バイアス磁界印加時のファラデー回転角が90度と異なる場合、検光子4の透過偏光面は透過光量の1/2になるように調整すれば同じ素子長で高周波磁界に対して最も大きな強度変化を得ることができる。
【0033】
なお、変調磁界発生器6としてストリップ線路を用いたが、コプレーナ線路を用いることも可能である。また、ここでは偏光子2を示しているが、入射光が直線偏光であれば、偏光子2は省略することができることはもちろんである。
【0034】
<実施の形態2>
本発明の実施の形態2による磁気光学変調器の構成を図6を用いて説明する。本実施の形態2と実施の形態1の違いはバイアス磁界Hbiの方向と検光子4の透過偏光面の角度である。バイアス磁界Hbiの方向は、図中のX軸とZ軸の作る面内でZ軸から45度X軸に傾いた方向である。さらに検光子4の透過偏光面の方向は、検光子4を回転して透過光量の最大値の半分にある方向で固定した。また、図5の場合と同様にバイアス磁界発生器及び高周波信号の終端器(この場合はインピーダンス調整器の一部)は省略されている。
【0035】
この図の光の伝搬方向、印加磁界の方向は図2Bで説明した通りである。
上記構成により、DCから周波数10GHzまで変調可能な磁気光学変調器を実現できた。また、同一高周波信号パワーにおいて、実施の形態1の場合に比べて、2から数倍の光の変調信号を得ることが可能であった。
【0036】
<実施の形態3>
本発明による実施の形態3による磁気光学変調器の構成を図7を用いて説明する。本実施の形態3と実施の形態2の違いは変調磁界発生器7であるストリップ線路の方向及び変調磁界の印加方向である。変調磁界発生器(この場合ストリップ線路の長手)の方向は、X軸とZ軸のなす面内にありZ軸から45度X軸方向である。さらにこのときの変調磁界の方向はX軸とZ軸の面内であり、Z軸からX軸方向に135度の方向である。
【0037】
この図の光の伝搬方向、印加磁界の方向は図3Bで説明した通りである。
バイアス磁界Hbiの方向は図6と同じなので、検光子4の透過偏光面も実施の形態2の場合と同じである。
【0038】
また図5の場合と同様にバイアス磁界発生器及び高周波信号の終端器(この場合はインピーダンス調整器の一部)は省略されている。
【0039】
図7の構成の磁気光学変調器により、実施の形態1や実施の形態2の場合に比べて非常に直線性のよい磁気光学変調器を実現可能であり、また変調周波数もDCから10GHzまで応答可能であった。
【0040】
<実施の形態4>
本発明の実施の形態4による、伝送線路途中にインピーダンス変換器を用いた磁気光学変調器の構成を図8を用いて説明する。本実施の形態では、半導体レーザからの光を直接入力したので、偏光子2は省略することができる。
【0041】
一般に高周波信号源、各種コネクタ、信号線は、その特性インピーダンスが50Ω又は75Ωで設計されている。高周波信号を効率よく素子に入力するためには、この特性インピーダンスを信号源、コネクタ、信号線と合致させる必要がある。一方、磁気光学変調器は電流駆動型素子であるため、できる限り低インピーダンスとし、電流を多く流して駆動した方が有利となる。したがって、信号源と磁気光学変調器の間(又は内部)にインピーダンスを50Ω以下、例えば5Ωから45Ω程度)に変換するインピーダンス調整器を設けることが有効となる。ここで磁気光学変調器のインピーダンスが50Ωよりあまり小さくない場合、駆動電流があまり増加しない。また磁気光学変調器のインピーダンスがあまり小さすぎると、少しのインピーダンスのずれで信号波形にリンギングを起こすので不適当である。ここでは、磁気光学変調器のインピーダンスを5Ωから45Ω程度とした。
【0042】
インピーダンス調整器の一部として、ストリップ線路を利用したλ/4伝送路トランス22を形成した例を示す。磁気光学素子1は図5、図6と同じであり、また、λ/4伝送路トランス22の入力インピーダンスを50Ω、出力インピーダンスを25Ωに変換した。したがって、λ/4領域の特性インピーダンスは
√((50・25))=((50・25))1/2=35Ω
とすればよい。
【0043】
また、変調磁界発生器6の特性インピーダンスは25Ωとした。さらに終端器(図では省略)を25Ωとした。
【0044】
途中にλ/4インピーダンス変換器を設けることにより、同じRF入力で最大2倍の変調度を有する磁気光学変調器を実現可能であった。
【0045】
電気的波長λは、所望の使用周波数に対応させればよい。例えば5GHzとすれば、周波数特性の波打ちは出るがDCから10GHz程度(上限は計測器による)までの磁気光学変調器が実現可能であった。なお、λ/4伝送路トランス22の形状をテーパ状にすることによって、より周波数のあばれの小さなインピーダンス変換器を実現できる。
【0046】
<実施の形態5>
本発明の実施の形態5は、図9に示すように、インピーダンス調整器としてドライバを内蔵した場合の磁気光学変調器である。
【0047】
通常の導波路型光変調器では、光変調器のドライバとしては、出力インピーダンスを50Ωから75Ωに保ったまま、電圧を増幅する方式のものが用いられる。これは電気光学効果を用いたLiNbO3の導波路型光変調器は電界による屈折率変化を利用した光変調器であるため、変調度を大きくするには印加電圧を大きくしなければならないからである。一方、磁気光学変調器の場合、前記実施の形態4でも説明したように電流駆動型の光変調器であるため、そのインピーダンスをドライバ、素子共に低く設定することにより、同じ電圧の場合においても大きな電流を取り出すことが可能となり、大きな変調度を持った光変調器を実現できる。
【0048】
したがって、ドライバ26としては、通常の電力アンプも利用できるが、主として電流増幅アンプが利用される。ドライバの設計として電圧増幅をほとんど行う必要がないので、例えばトランジスタのエミッタフォロワなどのようにエミッタ側に負荷を配置することが可能となる。その結果、トランジスタのミラー効果の影響が無くなるので、高周波までドライブ可能なドライブ回路を容易に作成することが可能となる。
【0049】
トランジスタのエミッタフォロワを主に出力回路に用いるドライバ26により、電流増幅率で10倍、出力インピーダンスを5Ωとすれば、同じ電圧でも50Ω系のドライバに比して10倍の電流を流すことが可能となる。さらに変調磁界発生器6(この場合はストリップ線路)の特性インピーダンス及び終端器(図9では省略)のインピーダンスをそれぞれ50Ωとすれば、計算上は10倍の電流を流すことが可能となり、その結果、光の変調度として10倍大きな磁気光学変調器を実現できる。
【0050】
実際に特性インピーダンス5Ωのドライバ26、変調磁界発生器6、終端抵抗(図では省略)、直流電源入力DCinなどを配置した図9に示す磁気光学変調器を作成し、50Ω系と比べて、同一入力信号で8倍から10倍の光変調度を確認した。なお、実施の形態1から5では、磁気光学素子として光導波路を用いたが、バルクの材料を用いることも可能である。
【0051】
<実施の形態6>
本発明による実施の形態6について、図10Aから図10Eを参照して説明する。ここでは、磁性体コアを用いて、磁気光学素子に高周波磁界を効率よく印加する方法を示す。具体的には、比透磁率が1より大きい磁性体コアを用い、磁気光学素子が磁性体コアのギャップに保持され、変調磁界発生器が前記磁性体コアに挿通される。
【0052】
一般に低周波では磁性体コアが用いられるが、100MHzから1GHzを超えた周波数域では、適当な磁性体コアがなかった。(例えば上記の非特許文献8)
【0053】
本発明では、磁気光学素子がDC磁界を印加することにより高周波応答可能となるのと同じ原理で、フェライト系磁性体コアを用いることにより、コアの無い場合より有効に磁気光学素子に高周波磁界を印加することが可能となり、その結果、同じ大きさの高周波入力に対して、より大きな変調度を持った磁気光学変調器を実現できることを示す。
【0054】
図10Aは、ギャップ付き磁性体コア54の構成とギャップ中で発生する磁界Hgの方向を示したものである。IRFは変調電流の流れる方向を示す。図10Bは磁性体コア54のギャップ長Hgと、磁性体コア54がない場合の磁界強度の比(相対磁界強度)のギャップ長依存性を示したものである。図中μrは比透磁率である。磁性体コア54の比透磁率にもよるが、磁性体コア54のない場合の2倍から20倍程度の磁界強度を得られることがわかる。
図10Cから図10Eは、磁性体コア54を用いた場合の磁気光学変調器の動作原理を示した図である。
【0055】
図10Cは、ギャップ付き磁性体コア54及びそのギャップ中に磁気光学素子1が挿入されている様子を示している。バイアス磁界Hbi方向はZX面内のZ軸からX軸に向かって45度の角度である。ここで、バイアス磁界Hbiにより磁気光学素子1もギャップ付き磁性体コア54も、ほぼHbiの方向に飽和している。図中、矢印MSは飽和磁化MSの方向を示す。
【0056】
次に図10Dに示すように、磁性体コア54中央部に導線を挿通する。また磁性体コア54の外周部は電極で覆われアースされている。したがってこの導線と磁性体コア54の外周部のアース部によって同軸線路型伝送路を形成する。この特性インピーダンスを高周波信号発生器56やインピーダンス調整器である終端器306のインピーダンスと一致させれば、広帯域の磁気光学変調器が実現できる。このとき、導線は、高周波の変調磁界発生器6として機能する。また、高周波信号発生器56側から終端器306に向かう電流によって、高周波信号発生器56側から終端器306に向かって右回りに磁界が発生し、したがって、バイアス磁界の方向から飽和磁化MSが回転することにより1より大きな比透磁率となる。よって、磁性体コア54は、バイアス磁界で飽和しているにもかかわらずギャップ中で磁界強度を大きくする機能を有する。
【0057】
図10Eは、磁気光学素子1の部分に光を透過させて磁気光学変調器を実現した構成である。ここで、磁気光学素子1としては、必ずしも導波路である必要はなく、バルクの磁気光学材料を用いることが可能である。例えば、磁気光学素子1としてフラックス成長した(BiGd)3Fe5O12の結晶や、非磁性ガーネット基板上に液相エピタキシャル成長したBi置換型希土類鉄ガーネット(BiR)3(FeGa)5O12(ここで、Rは希土類元素を表す)の厚膜などを用いることができる。さらに、実効的な透磁率が小さくならないように、非磁性ガーネット基板は研磨などの手段で除去する。この場合、磁化容易軸は<111>方向となるので、<111>方向をギャップ中での高周波磁界の方向(X)軸方向に向けるとより変調度を大きくすることができる。また磁性体コア54としてはNi-Znフェライトやガーネット系フェライトを用いることができるが、ここでは、Ni-Znフェライト焼結体を用いた。
【0058】
図10Eのような磁気光学変調器においては、光が磁気光学素子のファラデー回転角により変調される原理は実施の形態1、2と同様とすることができる。この構成の磁気光学変調器を用いることにより、磁性体コアの無い場合に比べて、2から5倍の大きな変調度を有する磁気光学変調器を実現することが可能であった。
【0059】
<実施の形態7>
本発明の実施の形態7による磁気光学変調器の構成を図11を用いて説明する。
ここでは前記実施の形態6に示した磁気光学変調器を誘電体基板11上に実装した例を示す。誘電体基板11としては、アルミナ基板、テフロン系基板、各種樹脂系基板を用いることができるが、ここでは高周波特性の良好なアルミナ基板を用いた。磁気光学素子1、磁性体コア54及び変調磁界発生器6は実施の形態6と同様である。また、磁性体コア54の外周側面を電極で覆い、上部アース電極112に接続する。また、磁性体コア54及び磁気光学素子1の位置には、誘電体基板11に部材が入るように穴が開けられている。バイアス磁界発生器は省略されている。インピーダンス調整器306(この場合は終端抵抗)は誘電体基板11上に実装され、その一端は変調磁界発生器6(中心導線)に接続され、他端は上部アース電極113に接続されている。このような構成により、磁気光学変調器内に磁性体コア54とインピーダンス調整器306をすべて実装することが可能であった。
【0060】
<実施の形態8>
本発明の実施の形態8による磁気光学素子、磁性体コア、ドライバなどを同一基板に実装した磁気光学変調器の構成を図12を用いて説明する。
ここでは、磁気光学素子1、磁性体コア54、インピーダンス変換器としてドライバ26、変調磁界発生器6(ストリップ線路23)、終端器(インピーダンス調整器306)のすべてを1つの誘電体基板11の上に実装した。バイアス磁界用磁石は省略した。
【0061】
ここでも磁気光学素子1としてバルクの磁気光学材料を用いることが可能である。磁気光学素子1を挟む磁性体の上部に上部アース電極114が配置され、前記磁性体の下にも磁性体が配置され、2つの磁性体によって磁性体コア54を形成する。この磁性体コア54は、高周波の変調磁界に対して、磁気回路的に、ほぼ閉じた形になっている。また、磁性体コア54上の上部アース電極114は上部アース電極113と接続されている。
【0062】
磁気光学素子1直下の変調磁界発生器6(ストリップ線路23)の特性インピーダンスと、インピーダンス調整器306としての終端抵抗は10Ωとした。ドライバ26に供給する直流電源電圧は+3Vから+5Vとした。高周波信号入力±1Vのとき、実施の形態2と同様の磁気光学変調器と比べて20倍から50倍の変調度を有する磁気光学変調器を実現することができた。また、上記の磁気光学素子1、磁性体コア54、ドライバ26、終端器(インピーダンス調整器306)を1つの基板上にすべて実装できたので、素子を極めて小型にすることが可能であった。
【0063】
<実施の形態9>
本発明の実施の形態9による光通信システムについて、図13を用いて説明する。磁気光学変調器350としては変調器として構成が簡単な、図5で示した形状のものを用いた。なお磁気光学素子1は、図5には示されていない基板5の上(図中下方)に設けられている。
【0064】
光源302から出射された光は光ファイバ9を透過して磁気光学変調器350に導かれる。ここで偏光子2を透過して所望の偏光成分のみが取り出される。光ファイバ9として偏波面保存ファイバ、光源302として、例えば直線偏光で発光する半導体レーザを用いれば、偏光子2を省略することが可能となる。偏光子2を透過した光は磁気光学素子1を透過し、ストリップ線路(変調磁界発生器6)で発生した変調磁界に対応した偏光面の回転(ファラデー回転)を受ける。ここで、高周波信号は、高周波信号発生器309から磁気光学素子1上に形成されたストリップ線路(変調磁界発生器6)に入力される。広帯域の変調信号を得るためには、高周波信号発生器309の出力インピーダンスとストリップ線路(変調磁界発生器6)の特性インピーダンス、電気的な終端器(インピーダンス調整器306)のインピーダンスを一致させればよい。検光子4の位置に到達した光は検光子4の透過偏光面に対応した偏光成分のみ透過することができるので、ファラデー回転に対応した光の強度変化を受ける。検光子4を透過した光は光ファイバ8を透過して受光器304に導かれ電気信号に変換される。この信号は所望の増幅と信号処理が行われて復調される(増幅器、信号処埋器は省略されている)。
【0065】
このような構成により10GHz程度の変調帯域の信号を伝送することが可能であった。また、この場合、磁気光学変調器は外部変調器なので、変調による光のチャーピングが生ずることなく、信号の群速度遅延が生じないため、半導体レーザなどの光源302を直接変調する場合に比べて信号伝送距離を大きくできる。なおここでは、本発明による最も基本的な磁気光学変調器(実施の形態1(図5)の構成のもの)を用いたが、実施の形態2から8と同様の磁気光学変調器を用いることができることはもちろんである。
【0066】
<実施の形態10>
次に本発明の実施の形態10による光通信システムの高周波信号発生器としてアンテナを用いた場合の光通信システムの構成を図14を用いて説明する。なお、磁気光学変調器350としては変調器として構成が簡単な、図5で示した形状のものを用いた。
【0067】
本実施の形態では、アンテナ310からの高周波信号は、アンテナ直下の増幅器312を介して増幅され磁気光学変調器350に導かれる。磁気光学変調器350に導かれた高周波信号はインピーダンス調整器307を透過した後、ストリップ線路からなる変調磁界発生器6により高周波磁界発生に利用される。またストリップ線路を伝搬した信号は適当な終端器(インピーダンス調整器306)により終端される。一般にアンテナ310からの信号は伝送信号周波数が高い場合でも、帯域が狭い場合が多い。その場合、インピーダンス調整器306、307を用いた所望の周波数のみ効率よく取り出すフィルタ機能を持たせることも可能である。本構成の光通信システムで中心周波数2.4GHzで帯域100MHzの信号を光ファイバ8を透過させて5Km通信可能であった。また、磁気光学変調器は屋外に設置されているにもかかわらず、電気光学変調器を用いた場合に課題となるDCドリフトや、変調信号の劣化は観測されなかった。
【0068】
本実施の形態ではアンテナ310の直下の増幅器312を用いたが、アンテナ310の出力が十分大きな場合、アンテナ310の直下の電気的な増幅器312を省略することも可能である。
【0069】
さらに、磁気光学変調器としては実施の形態1(図5)の構成のものを用いたが、実施の形態2から8に記載の磁気光学変調器を用いることも可能である。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高周波磁界発生器としてストリップ線路又はコプレーナ型線路を用い、かつバイアス磁界を印加して用いるので、DCから強磁性共鳴周波数まで応答可能な広帯域変調器を実現できる。
【0071】
また、バイアス磁界と高周波磁界の関係を適宜に選ぶことにより、大きな変調度や、直線性のよい磁気光学変調器を実現できる。
【0072】
また、高速応答可能な磁気光学変調器を用いた光通信システムは、電気光学変調器のようなDCドリフトなどの問題のない、かつ、光源の直接変調の場合に比べて伝送距離の長い光通信システムを実現できる。
【0073】
また、高周波の磁界発生器と信号発生器の間にインピーダンス変換機能を入れることにより、同じ高周波変調信号に対しても、大きな光変調を実現できる。
【0074】
また、高周波の磁界発生器に磁性体コアを導入することにより、同じ高周波磁界でも大きな磁界を磁気光学素子に印加することが可能となり大きな光変調を得ることができる。
【0075】
また、高周波信号発生器としてアンテナから信号を用いることにより、アンテナで受けた信号を容易に光信号に変換して光信号伝送システムが実現できる。
【0076】
以上のように、本発明によれば、DCドリフトのない、温度特性の良好な長期間安定した光信号伝送システムと、それに用いる磁気光学変調器を実現することが可能となり、その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1A】本発明の磁気光学変調器の磁気光学素子位置における磁界印加方向と光の伝搬方向の関係を示す図(ケース1)
【図1B】ケース1においてバイアス磁界と変調磁界により合成される磁界を説明する図
【図2A】本発明の磁気光学変調器の磁気光学素子位置における磁界印加方向と光の伝搬方向の関係を示す図(ケース2)
【図2B】ケース2においてバイアス磁界と変調磁界により合成される磁界を説明する図
【図3A】本発明の磁気光学変調器の磁気光学素子位置における磁界印加方向と光の伝搬方向の関係を示す図(ケース3)
【図3B】ケース3においてバイアス磁界と変調磁界により合成される磁界を説明する図
【図4】本発明のケース1からケース3における変調磁界に対するファラデー回転角の変化の関係を示す図
【図5】本発明の実施の形態1による磁気光学変調器の構成を示す図
【図6】本発明の実施の形態2による磁気光学変調器の構成を示す図
【図7】本発明の実施の形態3による磁気光学変調器の構成を示す図
【図8】本発明の実施の形態4による伝送線路途中にインピーダンス変換器を用いた磁気光学変調器の構成を示す図
【図9】本発明の実施の形態5による、インピーダンス調整器としてドライバを内蔵した場合の磁気光学変調器の構成を示す図
【図10A】本発明の実施の形態6による磁気光学変調器のための磁性体コアの役割を説明するための図(磁性体コアとギャップに発生する磁界の関係)
【図10B】図10Aにおける磁性体コアのギャップ長とギャップに発生する磁界強度(相対値)の関係
【図10C】本発明の実施の形態6による磁気光学変調器のための磁性体コアの役割と磁気光学変調器の構成を説明するための図(磁性体コアとギャップ中の磁気光学素子及びバイアス磁界の関係)
【図10D】図10Cにおいて、磁性体コアの中心に変調信号が流れた場合の磁化の方向を示す図
【図10E】本発明の実施の形態6による磁気光学変調器の構成を示す図
【図11】本発明の実施の形態7による磁気光学変調器の構成を示す図
【図12】本発明の実施の形態8による磁気光学素子、磁性体コア、ドライバなどを同一基板に実装した磁気光学変調器の構成を示す図
【図13】本発明の実施の形態9による光通信システムの構成を示す図
【図14】本発明の実施の形態10による光通信システムの構成を示す図
【図15】従来の磁気光学変調器の磁気光学素子における磁界印加方向と光の伝搬方向の関係を示す図
【符号の説明】
1 磁気光学素子
2 偏光子
4 検光子
5 基板
6、7 変調磁界発生器
8、9 光ファイバ
11 誘電体基板
22 λ/4伝送路トランス
23 ストリップ線路
26 ドライバ
54 磁性体コア
56、309 高周波信号発生器
111 下部アース電極
112、113、114 上部アース電極
302 光源
304 受光器
306、307 インピーダンス調整器
310 アンテナ
312 増幅器
350 磁気光学変調器

Claims (29)

  1. 少なくとも強磁性体からなり光の伝搬経路を有する磁気光学素子と、
    前記磁気光学素子に変調磁界を印加するための変調磁界発生器と、
    前記磁気光学素子にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界発生器と、
    所望の変調信号を有効に磁界発生器に導入するためのインピーダンス調整器からなる磁気光学変調器であり、
    前記変調磁界発生器が分布定数型伝送線路であり、
    前記分布定数型伝送線路は前記光の伝搬経路に沿って前記光の伝搬経路の近傍に配置され、
    前記バイアス磁界と前記変調磁界の方向は、少なくとも±30度以上異なるように構成され、
    前記磁気光学素子が磁性体コアのギャップに保持され、
    前記変調磁界発生器が前記磁性体コアに挿通され、
    前記磁性体コアの比透磁率が1より大きく、
    前記磁性体コアは前記バイアス磁界が印加され、前記バイアス磁界の方向に飽和している磁気光学変調器。
  2. 前記バイアス磁界の印加方向は、前記磁気光学素子の透過光に対して0±30度であり、前記変調磁界の印加方向は前記磁気光学素子の透過光に対して90±30度である請求項1に記載の磁気光学変調器。
  3. 前記バイアス磁界の印加方向は、前記磁気光学素子の透過光に対して45±30度であり、前記変調磁界の印加方向は、前記磁気光学素子の透過光に対して90±30度である請求項1に記載の磁気光学変調器。
  4. 前記バイアス磁界の印加方向は、前記磁気光学素子の透過光に対して45±30度であり、前記変調磁界の印加方向は前記磁気光学素子の透過光に対して135±30度である請求項1に記載の磁気光学変調器。
  5. 前記バイアス磁界が直流バイアス磁界であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1つに記載の磁気光学変調器。
  6. 前記磁気光学素子は、前記バイアス磁界のないとき、多磁区構造を有する磁気光学材料よりなり、前記バイアス磁界の大きさが飽和磁界以上である請求項1から4のいずれか1つに記載の磁気光学変調器。
  7. 前記磁気光学素子がBi置換型ガーネットである請求項1から4のいずれか1つに記載の磁気光学変調器。
  8. 前記磁気光学素子が非磁性ガーネット基板上に液相エピタキシャル成長されたガーネット膜からなる請求項7に記載の磁気光学変調器。
  9. 前記変調磁界に対し、前記磁性体コアと前記磁気光学素子とからなる磁気回路が実質的に閉じている請求項に記載の磁気光学変調器。
  10. 少なくとも前記磁気光学素子の出射側に検光子が配置されている請求項1から4のいずれか1つに記載の磁気光学変調器。
  11. 少なくとも前記磁気光学素子の入射側に偏光子が配置され、かつ出射側に検光子が配置されている請求項1に記載の磁気光学変調器。
  12. 前記分布定数型伝送線路が、ストリップ線路、コプレーナ線路又は同軸型線路である請求項1に記載の磁気光学変調器。
  13. 前記分布定数型伝送線路の特性インピーダンスが5Ω以上で45Ω以下である請求項1に記載の磁気光学変調器。
  14. 前記インピーダンス調整器が伝送路トランスと終端器からなる請求項1から4のいずれか1つに記載の磁気光学変調器。
  15. 前記インピーダンス調整器がドライバと終端器からなる請求項1から4のいずれか1つに記載の磁気光学変調器。
  16. 前記変調磁界発生器から発生される前記変調磁界の周波数が100MHz以上で強磁性共鳴周波数以下である請求項1から4のいずれか1つに記載の磁気光学変調器。
  17. 前記バイアス磁界が印加されたとき、前記磁気光学素子を透過した光のファラデー回転角が、
    0±90×n (ただしnは整数)
    である請求項1から4のいずれか1つに記載の磁気光学変調器。
  18. 前記検光子の透過偏光面のなす角度が、前記磁気光学素子透過後の光量の実質的に半分の光を透過させる角度に設定されている請求項1又は1に記載の磁気光学変調器。
  19. 少なくとも強磁性体からなり光の伝搬経路を有する磁気光学素子と、前記磁気光学素子に変調磁界を印加するための変調磁界発生器と、前記磁気光学素子にバイアス磁界を印加するためのバイアス磁界発生器と、所望の変調信号を有効に磁界発生器に導入するためのインピーダンス調整器からなる磁気光学変調器であり、前記変調磁界発生器が分布定数型伝送線路であり、前記分布定数型伝送線路は前記光の伝搬経路に沿って前記光の伝搬経路の近傍に配置され、前記バイアス磁界と前記変調磁界の方向は、少なくとも30度以上異なる磁気光学変調器と、
    前記変調磁界発生器に前記変調信号を加える高周波信号発生器と、
    前記磁気光学変調器に光を入射するための光源と、
    前記磁気光学変調器により変調された光を受光するための受光器と、
    前記磁気光学変調器により変調された光を前記受光器に伝送する光ファイバとからなる光通信システムであって、
    前記磁気光学素子が磁性体コアのギャップに保持され、
    前記変調磁界発生器が前記磁性体コアに挿通され、
    前記磁性体コアの比透磁率が1より大きく、
    前記磁性体コアは前記バイアス磁界が印加され、前記バイアス磁界の方向に飽和している光通信システム
  20. 前記バイアス磁界の印加方向は、前記磁気光学素子の透過光に対して0±30度であり、前記変調磁界の印加方向は、前記磁気光学素子の透過光に対して90±30度である請求項19に記載の光通信システム。
  21. 前記バイアス磁界の印加方向は、前記磁気光学素子の透過光に対して45±30度であり、前記変調磁界の印加方向は前記磁気光学素子の透過光に対して90±30度である請求項19に記載の光通信システム。
  22. 前記バイアス磁界の印加方向は、前記磁気光学素子の透過光に対して45±30度であり、前記変調磁界の印加方向は前記磁気光学素子の透過光に対して135±30度である請求項19に記載の光通信システム。
  23. 前記磁気光学素子が、Bi置換型ガーネットである請求項19から2のいずれか1つに記載の光通信システム。
  24. 前記分布定数型伝送線路が、ストリップ線路、コプレーナ線路又は同軸型線路である請求項19に記載の光通信システム。
  25. 前記分布定数型伝送線路の特性インピーダンスが5Ω以上で45Ω以下である請求項2に記載の光通信システム。
  26. 前記インピーダンス調整器が、伝送路トランスと終端器からなることを特徴とする請求項19から2のいずれか1つに記載の光通信システム。
  27. 前記インピーダンス調整器が、ドライバと終端器からなることを特徴とする請求項19から2のいずれか1つに記載の光通信システム。
  28. 前記変調磁界発生器から発生される前記変調磁界の周波数が100MHz以上で強磁性共鳴周波数以下である請求項19から2のいずれか1つに記載の光通信システム。
  29. 前記変調信号発生器がアンテナである請求項19から2のいずれか1つに記載の光通信システム。
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