JP4862496B2 - レゾルバデジタルコンバータ、回転角度位置検出装置および回転機械制御装置 - Google Patents
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Description
誤差に対する対策として、例えば、特許文献1に開示されているように、3相の角度検出信号の振幅があらかじめ等しくなるように製作し、周囲温度等によって振幅が等しく変化する場合には、自動利得制御手段を備えればよいし、また、あらかじめオフセットが分かっている場合には、自動利得制御手段の前段で減算を行えばよい。
そこで、本発明は、このような従来の技術の有する未解決の課題に着目してなされたものであって、コストを低減し、角度検出を精度よく行うのに好適なレゾルバデジタルコンバータ、回転角度位置検出装置および回転機械制御装置を提供することを目的としている。
ai=A{cosθi+gcos(2θi+α)+hcos(3θi+β)}+D
bi=B{cos(θi−120°)+gcos(2θi−240°+α)+hcos(3θi+β)}+E
ci=C{cos(θi−240°)+gcos(2θi−120°+α)+hcos(3θi+β)}+F
ただし、i=1、…、6とし、θi+1=θi+60°とする。
このような構成であれば、誤差パラメータ算出手段により、3つの角度検出信号に基づいて誤差パラメータが算出され、算出された誤差パラメータが記憶手段に記憶される。そして、回転角度位置算出手段により、記憶手段の誤差パラメータおよび3つの角度検出信号に基づいて回転子の回転角度位置が算出される。
すなわち、サンプリング値取得手段により、サンプリング値ai、bi、ciが取得され、誤差パラメータ算出手段により、取得されたサンプリング値ai、bi、ciに基づいて、各相の基本波成分の振幅A、B、C、各相のオフセットD、E、F、2次歪成分の基本波成分に対する振幅比g、2次歪成分の初期位相α、3次歪成分の基本波成分に対する振幅比h、および3次歪成分の初期位相βを含む誤差パラメータが算出される。
また、回転角度位置算出手段により、誤差パラメータA、B、C、g、cosα、sinα、D、E、Fに基づいて上記回転角度位置が算出される。
ai=A{cosθi+gcos(2θi+α)+hcos(3θi+β)}+D
bi=B{cos(θi−120°)+gcos(2θi−240°+α)+hcos(3θi+β)}+E
ci=C{cos(θi−240°)+gcos(2θi−120°+α)+hcos(3θi+β)}+F
ただし、i=1、…、6とし、θi+1=θi+60°とする。
このような構成であれば、誤差パラメータ算出手段により、3つの角度検出信号に基づいて誤差パラメータが算出され、算出された誤差パラメータが記憶手段に記憶される。そして、回転角度位置算出手段により、記憶手段の誤差パラメータおよび3つの角度検出信号に基づいて回転子の回転角度位置が算出される。
すなわち、サンプリング値取得手段により、サンプリング値ai、bi、ciが取得され、誤差パラメータ算出手段により、取得されたサンプリング値ai、bi、ciに基づいて、各相の基本波成分の振幅A、B、C、各相のオフセットD、E、F、2次歪成分の基本波成分に対する振幅比g、2次歪成分の初期位相α、3次歪成分の基本波成分に対する振幅比h、および3次歪成分の初期位相βを含む誤差パラメータが算出される。
また、回転角度位置算出手段により、誤差パラメータA、B、C、h、cosβ、sinβ、D、E、Fに基づいて上記回転角度位置が算出される。
このような構成であれば、発明1又は2のレゾルバデジタルコンバータと同等の作用が得られる。
〔発明4〕 一方、上記目的を達成するために、発明4の回転機械制御装置は、回転機械の回転状態を制御する回転機械制御装置であって、発明3の回転角度位置検出装置を備える。
このような構成であれば、発明3の回転角度位置検出装置と同等の作用が得られる。
まず、回転角度位置検出装置の構成を説明する。
図1は、回転角度位置検出装置の構成を示すブロック図である。
回転角度位置検出装置は、図1に示すように、モータ等の回転軸に回転自在に取り付けられた3相のレゾルバ10と、レゾルバ10からの角度検出信号であるレゾルバ信号に基づいて回転軸の回転角度位置を位置検出データとして検出するRDC20とを有して構成されている。
RDC20は、さらに、誤差パラメータを抽出する誤差パラメータ抽出部15と、誤差パラメータを記憶するメモリ16と、回転角度位置θを検出する回転角度位置検出部17と、A/Dコンバータ12〜14の出力を誤差パラメータ抽出部15および回転角度位置検出部17のいずれか一方に切り換えるスイッチ部18とを有して構成されている。
スイッチ部18は、誤差パラメータを抽出する誤差パラメータ抽出処理と、回転角度位置を検出する回転角度位置検出処理とを切り換えることをモデル化した仮想的なスイッチであって、例えば、コンピュータプログラムにより実現される。誤差パラメータの抽出時は、A/Dコンバータ12〜14および誤差パラメータ抽出部15を接続する第1切換状態に、回転角度位置の検出時は、A/Dコンバータ12〜14および回転角度位置検出部17を接続する第2切換状態にそれぞれ切り換える。
図2は、3相のレゾルバ信号を示すグラフである。
3相のレゾルバ信号は、図2に示すように、励磁信号sinωtにcosθ、cos(θ−120°)、cos(θ−240°)の重みを乗じた信号となっており、A/Dコンバータ12〜14によりデジタルデータa(θ)、b(θ)、c(θ)に変換される。
a(θ)=A{cosθ+gcos(2θ+α)+hcos(3θ+β)}+D
b(θ)=B{cos(θ−120°)+gcos(2θ−240°+α)+hcos(3θ+β)}+E
c(θ)=C{cos(θ−240°)+gcos(2θ−120°+α)+hcos(3θ+β)}+F …(1)
オフセットによる誤差は、図3の細い実線で示すように、主に基本波成分となる。振幅差(ゲイン差)による誤差は、太い実線で示すように、主に2次歪成分となる。2次歪成分による誤差は、太い点線で示すように、主に基本波成分と3次歪成分の合成となる。3次歪成分による誤差は、細い点線で示すように、主に2次歪成分と4次歪成分の合成となる。
図4は、誤差パラメータ抽出部15で実行される誤差パラメータ抽出処理を示すフローチャートである。
誤差パラメータ抽出処理は、コンピュータプログラムにより実現される処理であって、誤差パラメータ抽出部15で実行されると、図4に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS106では、取得したサンプリング値a1〜a6、b1〜b6、c1〜c6に基づいて、次のように誤差パラメータを算出する。
ai=A{cosθi+gcos(2θi+α)+hcos(3θi+β)}+D
bi=B{cos(θi−120°)+gcos(2θi−240°+α)+hcos(3θi+β)}+E
ci=C{cos(θi−240°)+gcos(2θi−120°+α)+hcos(3θi+β)}+F …(2)
上式(2)において、i=1、2、…、6である。また、θ2=θ1+60°、…、θ6=θ1+300°となる。
次に、上式(2)から下式(3)が得られる。
このように、誤差パラメータA、B、C、g、cosα、sinα、D、E、Fを算出することができる。
次いで、ステップS106に移行して、算出した誤差パラメータA、B、C、g、cosα、sinα、D、E、Fをメモリ16に記憶し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS102で、6個のサンプリング値a1〜a6、b1〜b6、c1〜c6をまだ取得していないと判定したとき(No)は、ステップS100に移行する。
図5は、回転角度位置検出部17で実行される回転角度位置検出処理を示すフローチャートである。
回転角度位置検出処理は、コンピュータプログラムにより実現される処理であって、回転角度位置検出部17で実行されると、図5に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS200では、サンプリングタイマを起動し、ステップS202に移行して、サンプリングタイマの値に基づいてサンプリングタイミングになったか否かを判定し、サンプリングタイミングになったと判定したとき(Yes)は、ステップS204に移行する。
ステップS206では、メモリ16の誤差パラメータA、B、C、g、cosα、sinα、D、E、Fおよび取得したサンプリング値a、b、cに基づいて回転角度位置θを算出する。
メモリ16には、誤差パラメータとして、A、B、C、g、D、E、F、cosα、sinαが記憶されているとする。まず、誤差パラメータおよびサンプリング値a、b、cに基づいて、上式(1)から下式(6)の値を算出する。
COS=xR−yI、 SIN=yR+xI …(9)
COS、SINは、それぞれθのcosθ、sinθに関して下式(10)のような関係がある。これは、上記各式によって導くことができる。
COS=(x2+y2)cosθ、 SIN=(x2+y2)sinθ …(10)
tanθ=SIN/COSであるので、下式(11)により回転角度位置θを算出することができる。
tan-1(SIN/COS)=tan-1(sinθ/cosθ)=θ …(11)
なお、(1)の算出過程では、hとβを個々には必要としなかったので、誤差パラメータ抽出処理でhとβの値を算出する必要はない。
(1)の算出過程においてh=0とすることにより同様に回転角度位置θを算出することができる。
(1)の算出過程においてg=0とすることにより同様に回転角度位置θを算出することができる。
次いで、ステップS208に移行して、算出した回転角度位置θを位置検出データとして出力し、一連の処理を終了して元の処理に復帰させる。
一方、ステップS202で、サンプリングタイミングになっていないと判定したとき(No)は、サンプリングタイミングになるまでステップS202で待機する。
まず、RDC20の本稼働に先立ってRDC20を製造時等に試験稼働させる。
誤差パラメータ抽出部15では、ステップS100、S102を繰り返し経て、3相のレゾルバ信号のそれぞれについて回転角度が異なる6個のサンプリング値a1〜a6、b1〜b6、c1〜c6が取得される。そして、ステップS104、S106を経て、取得されたサンプリング値a1〜a6、b1〜b6、c1〜c6に基づいて、上式(3)〜(5)により誤差パラメータが算出され、算出された誤差パラメータがメモリ16に記憶される。
回転角度位置検出部17では、サンプリングタイミングになると、ステップS204、S206を経て、3相のレゾルバ信号のそれぞれについてサンプリング値a、b、cが取得され、メモリ16の誤差パラメータおよび取得されたサンプリング値a、b、cに基づいて、上式(6)〜(11)により回転角度位置θが算出される。そして、ステップS208を経て、算出された回転角度位置θが位置検出データとして出力される。
a(θ)=A{cosθ+gcos(2θ+α)}+D
b(θ)=B{cos(θ−120°)+gcos(2θ−240°+α)}+E
c(θ)=C{cos(θ−240°)+gcos(2θ−120°+α)}+F …(12)
a(θ)=A{cosθ+hcos(3θ+β)}+D
b(θ)=B{cos(θ−120°)+hcos(3θ+β)}+E
b(θ)=C{cos(θ−240°)+hcos(3θ+β)}+F …(13)
いずれの場合も、回転角度が異なる6個未満のサンプリング値a、b、cに基づいて誤差パラメータを算出することができる。回転角度の間隔は、60°であってもよいし、それ以外の角度であってもよい。
また、上記実施の形態においては、基本波成分の振幅差、オフセット、2次歪成分の振幅差および初期位相誤差を補正するための誤差パラメータを算出するように構成したが、これに限らず、それら誤差のうちいずれかを補正するための誤差パラメータを算出するように構成することもできる。
20 RDC
11 励磁信号発生器
12〜14 A/Dコンバータ
15 誤差パラメータ抽出部
16 メモリ
17 回転角度位置検出部
18 スイッチ部
Claims (4)
- 回転子の回転角度に応じて変化する位相の異なる3つの角度検出信号を出力する回転角度センサから前記角度検出信号を入力し、入力した角度検出信号に基づいて前記回転子の回転角度位置を検出するレゾルバデジタルコンバータであって、
記憶手段と、前記3つの角度検出信号に基づいて誤差パラメータを算出して前記記憶手段に記憶する誤差パラメータ算出手段と、前記記憶手段の誤差パラメータおよび前記3つの角度検出信号に基づいて前記回転子の回転角度位置を算出する回転角度位置算出手段と、前記3つの角度検出信号のそれぞれについてサンプリング値ai、bi、ciを取得するサンプリング値取得手段とを備え、
前記誤差パラメータ算出手段は、前記3つの角度検出信号を下式により定義し、前記サンプリング値取得手段で取得したサンプリング値ai、bi、ciに基づいて、各相の基本波成分の振幅A、B、C、各相のオフセットD、E、F、2次歪成分の基本波成分に対する振幅比g、2次歪成分の初期位相α、3次歪成分の基本波成分に対する振幅比h、および3次歪成分の初期位相βを含む誤差パラメータを算出し、
前記回転角度位置算出手段は、3次歪成分の基本波成分に対する振幅比h=0とし、誤差パラメータA、B、C、g、cosα、sinα、D、E、Fに基づいて前記回転角度位置を算出することを特徴とするレゾルバデジタルコンバータ。
ai=A{cosθi+gcos(2θi+α)+hcos(3θi+β)}+D
bi=B{cos(θi−120°)+gcos(2θi−240°+α)+hcos(3θi+β)}+E
ci=C{cos(θi−240°)+gcos(2θi−120°+α)+hcos(3θi+β)}+F
ただし、i=1、…、6とし、θi+1=θi+60°とする。 - 回転子の回転角度に応じて変化する位相の異なる3つの角度検出信号を出力する回転角度センサから前記角度検出信号を入力し、入力した角度検出信号に基づいて前記回転子の回転角度位置を検出するレゾルバデジタルコンバータであって、
記憶手段と、前記3つの角度検出信号に基づいて誤差パラメータを算出して前記記憶手段に記憶する誤差パラメータ算出手段と、前記記憶手段の誤差パラメータおよび前記3つの角度検出信号に基づいて前記回転子の回転角度位置を算出する回転角度位置算出手段と、前記3つの角度検出信号のそれぞれについてサンプリング値ai、bi、ciを取得するサンプリング値取得手段とを備え、
前記誤差パラメータ算出手段は、前記3つの角度検出信号を下式により定義し、前記サンプリング値取得手段で取得したサンプリング値ai、bi、ciに基づいて、各相の基本波成分の振幅A、B、C、各相のオフセットD、E、F、2次歪成分の基本波成分に対する振幅比g、2次歪成分の初期位相α、3次歪成分の基本波成分に対する振幅比h、および3次歪成分の初期位相βを含む誤差パラメータを算出し、
前記回転角度位置算出手段は、2次歪成分の基本波成分に対する振幅比g=0とし、誤差パラメータA、B、C、h、cosβ、sinβ、D、E、Fに基づいて前記回転角度位置を算出することを特徴とするレゾルバデジタルコンバータ。
ai=A{cosθi+gcos(2θi+α)+hcos(3θi+β)}+D
bi=B{cos(θi−120°)+gcos(2θi−240°+α)+hcos(3θi+β)}+E
ci=C{cos(θi−240°)+gcos(2θi−120°+α)+hcos(3θi+β)}+F
ただし、i=1、…、6とし、θi+1=θi+60°とする。 - 回転子の回転角度に応じて変化する位相の異なる3つの角度検出信号を出力する回転角度センサと、請求項1又は2に記載のレゾルバデジタルコンバータとを備えることを特徴とする回転角度位置検出装置。
- 回転機械の回転状態を制御する回転機械制御装置であって、
請求項3に記載の回転角度位置検出装置を備えることを特徴とする回転機械制御装置。
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