JP4862149B2 - クリームはんだ印刷の検査方法および装置 - Google Patents
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Description
なかでもX線を用いる方法は、BGAに対する単純透過画像による非破壊検査であり、非接触で分解能が良く、検査速度も比較的早く、さらに焦点が5μm程度の小焦点で断層画像なども検出できることから、最も良く普及している。しかし、このX線による検査方法は、BGAが非常に小さな物体であり(ピッチ: 約1.00〜1.27mm)、クリームはんだの正常部分と異常部分とでX線の吸収差がほとんど出ないために、正常部分と異常部分との識別が困難であり、にじみ、未はんだ、かすれ、内部空白などの異常部分を発見できない場合がある。またX線による方法を用いる装置は、大型で高価である。このようなことからX線を用いる検査方法は比較的小型のBGA実装プリント基板向けや比較的生産規模が小さい生産ラインへの応用には適合し難い点がある。
未はんだ部分を検出するに際して、未はんだ部分を含まず、総はんだ数が異なる複数のクリームはんだ印刷画像Pd0において、下記数式
比較値(%)=[A/B]×100
(但し、Aは、各画像の、はんだ部分の総ピクセル数を総はんだ数で除して求められるはんだ部分の平均ピクセル数とし、Bは、理想的な印刷状態のはんだ部分のピクセル数とする。)
で求められる比較値d0をそれぞれ算出し、各比較値d0のいずれよりも小さい所定の値を、一個以上の未はんだ部分を検出するための規定値として設定し、
未はんだ部分を一個含み、総はんだ数が異なる複数のクリームはんだ印刷画像Pd1において、上記数式で求められる比較値d1をそれぞれ算出し、
総はんだ数と比較値d1の関係を示すグラフにおいて、比較値d1の多項式近似曲線が前記規定値を下回るクリームはんだ印刷画像Pd1における総はんだ数を計測対象のはんだ数として設定し、
設定されたはんだ数を計測した際に、上記数式で求められる比較値が前記規定値を下回れば未はんだ部分を一個以上含むと判定することにより、未はんだ部分を検出することを特徴とするプリント基板のクリームはんだ印刷の検査方法を提供する。
[2]また本発明は、上記[1]に記載する、クリームはんだを印刷すべき部位を残してその他の部位をマスクし、所定面積以上クリームはんだが付着した部位を選定して残すグレイスケール処理によりクリームはんだ印刷画像を得て、所定のしきい値を設けて各クリームはんだ部位の濃度を2値化処理し、2値化処理された画像をモフォロジカル処理により画質改善することにより、プリント基板上のクリームはんだ部分のみが残るようにデジタル画像処理することを特徴とするプリント基板のクリームはんだ印刷の検査方法を提供する。
[3]さらに本発明は、[1]又は[2]に記載の検査方法によって印刷不良を判定する、プリント基板のクリームはんだ印刷の検査装置であって、プリント基板の上方からプリント基板を撮影するデジタルカメラと、プリント基板のパッド上に印刷されたクリームはんだを上方から照射する照明装置と、撮影された画像から画像解析によりクリームはんだの印刷状態を検出する演算処理装置と、デジタルカメラの撮影制御および演算処理結果に基づいての良・不良信号を発生する制御装置から構成されるプリント基板のクリームはんだ印刷の検査装置を提供する。
[4]上記[1]又は[2]に記載の検査方法において、
(1)クリームはんだを印刷すべき部位全体をデジタルカメラで撮影する工程、
(2)クリームはんだを印刷すべき部位を残してその他の部位をデジタル処理によりマスクする工程、
(3)所定面積以上クリームはんだが付着した部位を選定して残すデジタル処理によりクリームはんだ印刷画像を得る工程、
(4)所定のしきい値を設けて、各クリームはんだ部位の濃度を2値化処理する工程、
(5)2値化処理された画像内の画質改善を行って、クリームはんだ印刷された部位と未はんだ部位を区別する工程、
(6)上記処理画像のクリームはんだ印刷された部位の面積を求める解析処理をする工程、
(7)クリームはんだ印刷された部位の面積を標準面積と比較することによって、計測対象画像範囲内に含まれる一つの未はんだ部位を検出することにより、印刷不良と判定する工程、の各工程を含む検査方法が好適である。
デジタルカメラ(Fuji:FinePix4900Z)を用いて予め不良を含むクリームはんだ印刷基板を撮影する。撮影条件は、クリームはんだ基板表面からカメラまでの距離は、10cmであり、基板表面の明るさは390ルックスである。図3には印刷すべきクリームはんだの総数が324個(縦18×横18)であるプリント基板を示しているが、ここでは便宜上計測対象領域として画面中央部に6個の未はんだ部位を有する総数30個(縦6×横5)のクリームはんだすべき部位を選ぶ。得られた撮影画像をデジタル画像処理することにより、プリント基板上のはんだ部分のみが残るように画像を作成する。このデジタル画像処理は画像解析ソフト(Image-Pro Plus)を用いて行う。本発明でいうデジタル画像処理は、(1)マスク処理、(2)グレイスケール処理、(3)2値化処理、(4)モフォロジカル画質改善処理の4つからなる(図4)。
はんだ印刷部分のみを黒く、それ以外の部分を白い画像として作成し、それを実際のクリームはんだ画像と重ね合わせてOR処理することにより背景画像を除去し、はんだ部分と未はんだ部分であるパッド(Pads)部分のみを残す画像を作成することができる。OR処理とは、論理和演算のことである。この処理を行うとどちらか一方のオペランドが「1」であるビット数が、演算結果で「1」となる。
マスク処理により得られたクリームはんだ印刷部分と未はんだ部分のカラー画像をグレイスケール処理し、画像を8ビットの階調をもつ白黒画像にする。この処理をすることにより、次に示す2値化処理を簡便にすることができる。
ある適当なしきい値を設け、各画素の濃度を1または0に変換する処理を2値化処理という。画像の2値化は、その結果としての対象の情報を圧縮し、その後の処理の単純化を図ることができることから実用化価値が高い。この処理により画質改善処理を簡便に行うことができる。未はんだ部分の周辺には多少の黒部分が残るので、これを除去するために画質改善処理をする。
画質改善処理としてモフォロジカル処理を行う。この処理は、2値化処理により得られた2値画像をエロード(Erode(収縮))またはダイレート(Dilate(膨張))させることにより必要な部分のみを残す画像を得ることができる。なお、エロードとは「画像内の明るいオブジェクトを収縮させ、暗いオブジェクトを膨張させる処理」をいい、ダイレートとは「画像内の明るいオブジェクトを膨張させ、暗いオブジェクトを収縮させる処理」をいう。この処理はオブジェクトを逆にすることも可能である。本実施の態様では全ての画像に対してエロードのモフォロジカル処理を行う。
クリームはんだを印刷すべき部分の面積は、その部分の画素数(ピクセル数)で示す。上記のデジタル画像処理を行ったクリームはんだ画像部分(クリームはんだ画像上の黒い部分)のピクセル数を画像解析ソフト(Image-Pro Plus)を用いて求める。求めるピクセル数は数式(1)で表わされる。
まず、図4の処理後の画像から標準円を選び出す。標準円としては金メッキパッド上にクリームはんだが100%近く印刷された理想的な印刷状態のものを選び出す。目で見て真円に近いと判断される円を図5に示すように、17個選び出す。この17個のクリームはんだが印刷された画像の総ピクセル数を求める。解析の結果総ピクセル数は15096画素となった。クリ−ムはんだ1個の平均ピクセル数は888画素となる(表1)。従って、標準円のピクセル数を888画素と決める。なお、標準円のピクセル数は撮影カメラの解像度、撮影倍率、照明条件などにより変動し、数値は変る。
クリームはんだ部分のピクセル数(はんだ部分の総ピクセル数をはんだ部分の総数で除した値)と標準円のピクセル数を比較し、比較値を求める。比較値は以下の数式(2)より算出する。
クリームはんだの欠陥検査は異常部分を1箇所以上探すことなので、未はんだ部分が1個ある場合のクリームはんだ画像の最大総はんだ数を求めればよい。未はんだ部分を1個として総はんだ数を変化させたときのピクセル数、比較値が表4に示されている。
を含むBGA画像の総はんだ数と比較値との関係を表4のデータをもとにプロットして導かれた多項式近似曲線により明らかとなる。このことは図6に示されている。ここで用いた多項式近似曲線は数式(3)で示される4次式で表される。
この近似曲線が実験データとどの程度一致しているかをみるために、相関係数を求めた。その結果、この式の相関係数Rは、R=0.998となり、よく一致している。
比較値が90(%)の直線と近似曲線との交点のX点座標は,17.6となった。つまり,総はんだ数が17.6個で比較値は90(%)となることがわかる。
2 リング照明装置
3 デジタルカメラ
4 制御装置
5 演算処理装置
6 良品
7 不良品
8 印刷機
9 ベルトコンベア
10 次工程
Claims (3)
- プリント基板のパッド上にクリームはんだ印刷された後に、はんだを印刷すべき部位全体の印刷状態をデジタル画像撮影し、得られた撮影画像をプリント基板上のクリームはんだ部分のみが残るようにデジタル画像処理し、得られた処理画像のクリームはんだ部分のピクセル数から未はんだ部分を検出することにより、印刷不良を判定するプリント基板のクリームはんだ印刷の検査方法において、
未はんだ部分を検出するに際して、未はんだ部分を含まず、総はんだ数が異なる複数のクリームはんだ印刷画像Pd0において、下記数式
比較値(%)=[A/B]×100
(但し、Aは、各画像の、はんだ部分の総ピクセル数を総はんだ数で除して求められるはんだ部分の平均ピクセル数とし、Bは、理想的な印刷状態のはんだ部分のピクセル数とする。)
で求められる比較値d0をそれぞれ算出し、各比較値d0のいずれよりも小さい所定の値を、一個以上の未はんだ部分を検出するための規定値として設定し、
未はんだ部分を一個含み、総はんだ数が異なる複数のクリームはんだ印刷画像Pd1において、上記数式で求められる比較値d1をそれぞれ算出し、
総はんだ数と比較値d1の関係を示すグラフにおいて、比較値d1の多項式近似曲線が前記規定値を下回るクリームはんだ印刷画像Pd1における総はんだ数を計測対象のはんだ数として設定し、
設定されたはんだ数を計測した際に、上記数式で求められる比較値が前記規定値を下回れば未はんだ部分を一個以上含むと判定することにより、未はんだ部分を検出することを特徴とするプリント基板のクリームはんだ印刷の検査方法。 - クリームはんだを印刷すべき部位を残してその他の部位をマスクし、所定面積以上クリームはんだが付着した部位を選定して残すグレイスケール処理によりクリームはんだ印刷画像を得て、所定のしきい値を設けて各クリームはんだ部位の濃度を2値化処理し、2値化処理された画像をモフォロジカル処理により画質改善することにより、プリント基板上のクリームはんだ部分のみが残るようにデジタル画像処理することを特徴とする請求項1に記載のプリント基板のクリームはんだ印刷の検査方法。
- 請求項1又は2に記載の検査方法によって印刷不良を判定する、プリント基板のクリームはんだ印刷の検査装置であって、プリント基板の上方からプリント基板を撮影するデジタルカメラと、プリント基板のパッド上に印刷されたクリームはんだを上方から照射する照明装置と、撮影された画像から画像解析によりクリームはんだの印刷状態を検出する演算処理装置と、デジタルカメラの撮影制御および演算処理結果に基づいての良・不良信号を発生する制御装置から構成されるプリント基板のクリームはんだ印刷の検査装置。
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JP2005254409A JP4862149B2 (ja) | 2005-09-02 | 2005-09-02 | クリームはんだ印刷の検査方法および装置 |
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