JP4861580B2 - クレーンのフック水平移動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮ブームの起伏駆動とウインチ装置の巻上げ巻下げ駆動を連動させてフックを地面等に沿って水平方向に移動させるようにしたクレーンのフック水平移動制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トラック搭載型クレーンは、図2に示す如く基台1上に旋回自在に取付けた旋回ポスト2と、当該旋回ポスト2に起伏自在に取付けられ基端側ブームセクション3a内に順次先端側ブームセクション3b、3c、3dを伸縮自在に嵌挿した伸縮ブーム3と、当該伸縮ブーム3の基端側ブームセクション3aと旋回ポスト2間に介装され起伏制御弁4からの制御油で伸縮駆動して伸縮ブーム3を起伏させる起伏シリンダ5と、ウインチ制御弁7からの制御油で正逆回転駆動するウインチモータ8により巻上げ巻下げ駆動するウインチ装置9と、当該ウインチ装置9から繰出されたワイヤロープ10により伸縮ブーム先端部から巻上げ巻下げ自在に吊下げられたフック11とで構成されている。
【0003】
また、前記起伏制御弁4、伸縮制御弁およびウインチ制御弁7とが共通の油圧ポンプ6からの圧油の供給を受けるよう構成されている。
【0004】
このように構成したトラック搭載型クレーンは、伸縮ブーム3の先端部から吊下したフック11に荷物を吊持して、伸縮ブーム3を伸縮並びに起伏駆動すると共に、ウインチ装置9を巻上げ巻下げ駆動して荷物を任意な位置に移動させ、クレーン作業を行うようになっている。
【0005】
ところで、この種のクレーンを用いた荷物移動作業の1つに、伸縮ブーム3の伸縮動および起伏動を用いてフック11に吊持した荷物を半径方向に移動させる荷物移動作業があるが、この荷物移動作業を行う場合荷物の吊下げ高さHをあまり変動させないで移動させるのが安全上望ましい。しかしながら、従来のクレーンは伸縮ブーム3を起仰させればフック11が上昇し、逆に伸縮ブーム3を倒伏させればフック11が下降して荷物の吊下げ高さHが大きく変動するものであった。
【0006】
このため、ブーム起伏面内でのフックの水平な移動方向と速度を指示する操作指令手段からの操作信号により前記起伏制御弁4およびウインチ制御弁7を同時に連動して操作して荷物が地面等に沿って水平方向に移動する、いわゆるフック水平移動装置が開発されていた。フック水平移動装置は、フックを半径を増大する方向に移動させる際には、前記起伏制御弁4を伸縮ブーム3が倒伏するよう操作するとともに前記ウインチ操作弁7をフック巻上げ操作し、フックを半径を減少する方向に移動させる際には、前記起伏制御弁4を伸縮ブーム3が起仰するよう操作するとともに前記ウインチ操作弁7をフック巻下げ操作するよう構成されている。
【0007】
図3に従来のフック水平移動制御装置の説明図を示す。図3において、15はフック水平移動制御装置であり、当該フック水平移動制御装置15は、ブーム起伏軌跡面内でのフックの水平な移動方向と速度を指示する操作信号cを出力する操作指令手段16と、伸縮ブーム3の実際のブーム長さLを検出してブーム長さ検出信号Laを出力するブーム長さ検出手段17、伸縮ブーム3の実際のブーム起伏角度Θを検出して起伏角検出信号Θaを出力するブーム起伏角度検出手段18、ワイヤロープ10の実際の繰出長さSを検出して繰出長さ検出信号Saを出力するワイヤ繰出長さ検出手段19、及びこれら各手段16、17、18、19からの操作信号c、ブーム長さ検出信号La、起伏角検出信号Θa、及び繰出長さ検出信号Saを受取り前記起伏制御弁4とウインチ制御弁7を切換制御するための弁制御信号を出力するコントローラ20とで構成されている。
【0008】
前記ブーム長さ検出手段17は、基端側ブームセクション3aに対する最先端側ブームセクション3dの離隔距離を連続的に検出するものであり、例えば基端側ブームセクション3aにコード巻取器の本体を取付け、当該巻取器から繰出したコードの先端部を最先端側ブームセクション3dの先端部に止着して、伸縮ブーム3の伸縮動に連動して繰出されるコードの繰出量をポテンショメータ等を用いて電気的に検出する従来公知の繰出量検出機能付きコード巻取器で構成している。
【0009】
また、前記ブーム起伏角度検出手段18は、前記伸縮ブーム3の対地起伏角を連続的に検出するもので、例えば自由垂下状態の重錘に対する伸縮ブーム3の対地起伏角をポテンショメータ等を用いて電気的に検出する従来公知の角度検出器で構成している。
【0010】
また、前記ワイヤ繰出長さ検出手段19は、ウインチ装置9から繰出されるワイヤロープ10の繰出長さを連続的に検出するもので、例えばワイヤロープ10を巻き取ったウインチ装置9のドラム回転数をロータリエンコーダ等を用いて電気的に検出する回転検出手段で構成している。
【0011】
また、前記コントローラ20は、操作指令手段16からの操作信号c、ブーム長さ検出手段17からのブーム長さ検出信号La、ブーム起伏角度検出手段18からの起伏角検出信号Θa、及びワイヤ繰出長さ検出手段19からの繰出長さ検出信号Saの各信号を受取って、次の如く演算処理を行うようになっている。
【0012】
すなわち、32はコントローラ20に内蔵された起伏操作信号出力部であり、前記操作指令手段16からの操作信号cに基き、起伏制御弁4の弁切換方向と弁切換量を指示する起伏操作信号aを出力するものである。また、21は起伏制御弁制御信号出力部であり、当該起伏制御弁制御信号出力部21は前記起伏操作信号出力部32からの起伏操作信号aに基き、前記起伏制御弁4を起伏操作信号aが指示する弁切換方向と弁切換量に切換えるための起伏制御弁制御信号20aを生成し、この信号20aを起伏制御弁4の弁切換手段4aに出力するようになっている。これにより、起伏制御弁4は、起伏操作信号aに対応した弁切換方向と弁切換量で切換制御され、起伏制御弁4からの制御油が起伏シリンダ5に供給されて伸縮ブーム3が起伏駆動するのである。
【0013】
22は、基準弁切換量出力部であり、当該基準弁切換量出力部22は前記起伏操作信号出力部32からの起伏操作信号a及びブーム長さ検出手段17からのブーム長さ検出信号Laに基き、現在のブーム長さLにおける伸縮ブーム3が、前記起伏制御弁制御信号20aで切換制御された起伏制御弁4からの制御油により起伏駆動した際に前記フック11の吊下げ高さHを変動させないために必要なウインチ制御弁7の弁切換方向と基準弁切換量f(a,Θ)を算出するようになっている。具体的には、弁切換方向は、起伏操作信号aの弁切換方向がブーム起仰側であればウインチ巻下げ側の信号を出力し、反対にブーム倒伏側であればウインチ巻上げ側の信号を出力するようになっている。
【0014】
23は、前記ブーム長さ検出手段17からのブーム長さ検出信号Laと前記ブーム起伏角度検出手段18からの起伏角検出信号Θaに基き、伸縮ブーム3の起伏角度変動に関わらず、フック11の高さを一定に維持させるに必要なワイヤロープ11の繰出し長さSwを算出する必要ワイヤ繰出長さ算出部である。
【0015】
24は前記操作指令信号cが入力された時点における前記ワイヤ長さ算出部23が算出した必要ワイヤ繰出長さSw0を記憶する演算初期ワイヤ繰出長さ記憶部であり、25は前記操作指令信号cが入力された時点におけるワイヤ繰出長さ検出手段19が検出した繰出長さS0を記憶する検出初期ワイヤ繰出長さ記憶部である。
【0016】
また、26は前記演算初期ワイヤ繰出長さ記憶部24に記憶した初期ワイヤ長さSw0と必要ワイヤ繰出長さ算出部23が現在算出しているワイヤ長さSwとの差Sw−Sw0を算出する演算ワイヤ繰出長さ変動量算出部であり、27は前記検出初期ワイヤ繰出長さ記憶部25に記憶した初期ワイヤ繰出長さS0とワイヤ繰出長さ検出手段19が現在検出しているワイヤ繰出長さSとの差S−S0を算出する検出ワイヤ繰出長さ変動量算出部である。
【0017】
また、28は前記演算ワイヤ繰出長さ変動量算出部26で求めたワイヤ長さ変動量Sw−Sw0と、前記検出ワイヤ繰出長さ変動量算出部27で求めたワイヤ繰出長さ変動量S−S0を一致させるために必要なウインチ制御弁7の補正弁切換量δSを求める補正弁切換量算出部である。
【0018】
また、29は前記基準弁切換量出力部22が算出した基準弁切換量f(a,Θ)を前記補正弁切換量算出部28で求めた補正弁切換量δSで補正して、修正弁切換量f(a,Θ)+δSを求める修正弁切換量算出部である。
【0019】
また、30は前記修正弁切換量算出部29が算出した修正弁切換量f(a,Θ)+δSを受取り、ウインチ制御弁7をこの受取りに係る修正弁切換量f(a,Θ)+δSで切換制御するためのウインチ制御弁制御信号20bを出力するウインチ制御弁制御信号出力部である。
【0020】
そして、当該ウインチ制御弁制御信号出力部30が出力したウインチ制御弁制御信号20bは、ウインチ制御弁7の弁切換駆動手段7aに出力されて当該ウインチ制御弁7をウインチ制御弁制御信号20bが指示する弁切換方向と修正弁切換量f(a,Θ)+δSに切換えるのである。そして、当該ウインチ制御弁制御信号20bで切換制御されたウインチ制御弁7からの制御油は、ウインチモータ8に供給されてウインチ装置9を巻上げ巻下げ駆動するのである。
【0021】
この際、当該ワイヤ駆動目標量(ワイヤ長さ変動量Sw−Sw0)とワイヤ繰出し長さ検出手段19で検出した実際のワイヤ繰出し長さの変動量S−S0を一致させる如きウインチ制御弁7の補正弁切換量δSを求め、当該補正弁切換量δSで基準弁切換量f(a,Θ)を補正して得られた修正弁切換量f(a,Θ)+δSでウインチ制御弁7を切換制御してウインチ装置9を巻上げ巻下げ駆動すれば、いわゆるフィードフォワード制御とフィードバック制御の併用制御により極めて正確にフック11を水平移動制御できるのである。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したフック水平移動制御装置においてはフィードバック制御が行われない側の制御弁すなわち起伏制御弁4は起伏操作信号aのみに関連して制御量が決定される。このため、前記起伏制御弁4とウインチ制御弁7に共通の油圧ポンプ6から並列的に作動油が供給されるようになっていると、油圧ポンプ6からの供給油量が前記起伏制御弁4およびウインチ制御弁7が必要とするトータル必要油量以下となると各弁を通過する油量が当該弁の操作制御量と比例せず、所定の制御が行われないという問題があった。
【0023】
また、前記起伏制御弁4とウインチ制御弁7に圧力補償弁をもたない場合には起伏シリンダ5とウインチモータ8の負荷格差が大きいときには、所定の制御ができなくなるという問題があった。
【0024】
そこで本願発明は、フィードバック制御が行われない側の制御弁を所定の条件で、制御弁絞込み側にのみフィードバック制御することにより、起伏制御弁4とウインチ制御弁7に共通の油圧ポンプ6から並列的に作動油が供給されるようになっているもの、または当該両制御弁に圧力補償弁を持たないものに上述したフック水平移動装置を装備した場合であっても所定の制御が可能となるフック水平移動制御装置を提供しようとするものである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
本願請求項1に記載されたフック水平移動制御装置は、旋回台に取付けられて伸縮制御弁からの制御油により作動する伸縮シリンダでもって伸縮動作し、起伏制御弁からの制御油により作動する起伏シリンダでもって起伏動作するブーム、旋回台に取付けられてウインチ制御弁からの制御油により正逆回転動作するウインチモータでもって巻上巻下動作するウインチ、および、ウインチから引き出されたワイヤロープを介してブーム先端部から吊下したフックとを具備してなり、前記伸縮制御弁、起伏制御弁およびウインチ制御弁が、共通の油圧ポンプから圧油の供給を受けるよう構成してなるクレーンに用いられるフック水平移動制御装置であって、
・ブーム起伏軌跡面内でのフックの水平な移動方向と速度を指示する操作信号を出力する操作指令手段、
・ブームの長さを検出するブーム長さ検出手段、
・ブームの起伏角度を検出するブーム起伏角度検出手段、
・ウインチからのワイヤロープの繰出し長さを検出するワイヤ繰出長さ検出手段、
・操作指令手段からの操作信号、ブーム長さ検出手段からの検出ブーム長さ、ブーム起伏角度検出手段からの検出ブーム起伏角度、および、ワイヤ繰出長さ検出手段からの検出ワイヤ長さを受取り、操作信号が指示する移動方向と速度で前記フックをブーム起伏軌跡面内で水平に移動させるのに必要な、起伏制御弁の操作方向と制御量およびウインチ制御弁の操作方向と制御量を演算算出すると共に、起伏制御弁およびウインチ制御弁を演算算出に係る操作方向と制御量に切換えるための起伏制御弁制御信号およびウインチ制御弁制御信号を生成して、これら生成した起伏制御弁制御信号およびウインチ制御弁制御信号を、起伏制御弁およびウインチ制御弁にそれぞれ出力するよう構成したコントローラ、とで構成し、前記コントローラが、起伏制御弁およびウインチ制御弁のうち一方の制御弁の制御量の演算算出過程において、検出ブーム長さ、検出ブーム起伏角度、および、検出ワイヤ長さの関数として求められるフックの算出地上高さの初期値からの偏差を時々刻々算出すると共にこの偏差を解消するためのフィードバック制御を実行するよう構成されているものにおいて、前記コントローラは、前記算出地上高さの初期値からの偏差であって当該偏差が他方の制御弁の制御量を変化させることにより解消可能な所定値以上になると他方の制御弁の制御量の算出過程に介入し、当該他方の制御弁の制御量を減少させるよう構成したことを特徴としている。
【0026】
また、本願の請求項2に記載されたフック水平移動制御装置は、請求項1に記載された一方の制御弁がウインチ制御弁であり、他方の制御弁が起伏制御弁であることを特徴としている。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図1に基き本発明の具体的な構成について説明する。
【0028】
なお、本発明のフック水平移動制御装置は、従来技術として説明したフック水平移動制御装置を有する伸縮ブーム及びウインチ装置の駆動油圧回路に適応したものであり、以下の説明ではクレーンの全体構成及び駆動油圧回路の共通部分の各符号等は同義のものとして詳細な説明を省略するものとする。
【0029】
図1の40は偏差監視部であり、当該偏差監視部40は前記補正弁切換量算出部28が算出した算出地上高さの初期値からの偏差が所定値e以上になると起伏制御弁制御信号出力部21に当該偏差に応じた制御量減少信号dを出力するものである。前記偏差監視部40が記憶する所定値eは、前記起伏制御弁4とウインチ制御弁7に共通の油圧ポンプ6から並列的に作動油が供給されるようになっているため、ウインチ制御弁7への供給油量が不足することとなり、所定の制御が行われなくなるときの偏差が設定される。あるいは、前記起伏制御弁4とウインチ制御弁7に圧力補償弁をもたず起伏シリンダ5とウインチモータ8の負荷格差が大きい場合に、所定の制御ができなくなるときの偏差が設定される。
【0030】
上述した構成を追加したフック水平移動制御装置45のコントローラ50の作用は以下のとおりである。前記偏差監視部40には前記補正弁切換量算出部28が算出した算出地上高さの初期値からの偏差が出力される。当該偏差が偏差監視部40が記憶している所定値eよりも小さい間は、偏差監視部40から前記起伏制御弁制御信号出力部21へは制御量減少信号dは出力されない。したがって、従来技術で説明したのと同様のフック水平移動制御が行われ、フック水平移動制御装置45においてはフィードバック制御が行われない側の制御弁すなわち起伏制御弁4は起伏操作信号aのみに関連して制御量が決定される。
【0031】
一方、前記補正弁切換量算出部28が算出した算出地上高さの初期値からの偏差が偏差監視部40が記憶している所定値eよりも大きくなると、偏差監視部40は、起伏制御弁制御信号出力部21へ制御量減少信号dを出力する。したがって、フック水平移動制御装置45においては起伏制御弁4は起伏操作信号aおよび制御量減少信号dに関連して制御量が決定される。
【0032】
すなわち、通常はフィードバック制御が行われない側の制御弁である、起伏制御弁4を所定の条件で、制御弁絞込み側にのみフィードバック制御することにより、起伏制御弁4とウインチ制御弁7に共通の油圧ポンプ6から並列的に作動油が供給されるようになっているもの、または当該両制御弁に圧力補償弁を持たないものにフック水平移動装置を装備した場合であっても所定の制御が可能となるのである。
【0033】
【発明の効果】
本願発明のフック水平移動制御装置のコントローラは、フィードバック制御が行われない側の制御弁を所定の条件で、制御弁絞込み側にのみフィードバック制御するようにしたので、すなわち、前記算出地上高さの初期値からの偏差であって当該偏差が他方の制御弁の制御量を変化させることにより解消可能な所定値以上になると他方の制御弁の制御量の算出過程に介入し、当該他方の制御弁の制御量を減少させるよう構成したので、起伏制御弁とウインチ制御弁に共通の油圧ポンプから並列的に作動油が供給されるようになっているもの、または当該両制御弁に圧力補償弁を持たないものであっても、上述したフック水平移動制御が可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態におけるフック水平移動制御装置の説明図である。
【図2】本発明のフック水平移動制御装置を取付けるクレーンの説明図である。
【図3】従来のフック水平移動制御装置の説明図である。
【符号の説明】
1;基台
2;旋回ポスト
3;伸縮ブーム
4;起伏制御弁
5;起伏シリンダ
6;油圧ポンプ
7;ウインチ制御弁
8;ウインチモータ
9;ウインチ装置
10;ワイヤロープ
11;フック
15、45;フック水平移動制御装置
16;操作指令手段
17;ブーム長さ検出手段
18;ブーム起伏角度検出手段
19;ワイヤ繰出長さ検出手段
20、50;コントローラ
21;起伏制御弁制御信号出力部
22;基準弁切換量出力部
23;必要ワイヤ繰出長さ算出部
24;演算初期ワイヤ繰出長さ記憶部
25;検出初期ワイヤ繰出長さ記憶部
26;演算ワイヤ繰出長さ変動量算出部
27;検出ワイヤ繰出長さ変動量算出部
28;補正弁切換量算出部
29;修正弁切換量算出部
30;ウインチ制御弁制御信号出力部
32;起伏操作信号出力部
40;偏差監視部
20a、40a;起伏制御弁制御信号
20b、40b;ウインチ制御弁制御信号
a;起伏操作信号
c;操作信号
d;制御量減少信号
e;所定値
La;ブーム長さ検出信号
Θa;起伏角検出信号
Sa;ワイヤ繰出長さ検出信号
Sw;必要ワイヤ繰出長さ
Claims (2)
- 旋回台に取付けられて伸縮制御弁からの制御油により作動する伸縮シリンダでもって伸縮動作し、起伏制御弁からの制御油により作動する起伏シリンダでもって起伏動作するブーム、旋回台に取付けられてウインチ制御弁からの制御油により正逆回転動作するウインチモータでもって巻上巻下動作するウインチ、および、ウインチから引き出されたワイヤロープを介してブーム先端部から吊下したフックとを具備してなり、前記伸縮制御弁、起伏制御弁およびウインチ制御弁が、共通の油圧ポンプから圧油の供給を受けるよう構成してなるクレーンに用いられるフック水平移動制御装置であって、
・ブーム起伏軌跡面内でのフックの水平な移動方向と速度を指示する操作信号を出力する操作指令手段、
・ブームの長さを検出するブーム長さ検出手段、
・ブームの起伏角度を検出するブーム起伏角度検出手段、
・ウインチからのワイヤロープの繰出し長さを検出するワイヤ繰出長さ検出手段、
・操作指令手段からの操作信号、ブーム長さ検出手段からの検出ブーム長さ、ブーム起伏角度検出手段からの検出ブーム起伏角度、および、ワイヤ繰出長さ検出手段からの検出ワイヤ長さを受取り、操作信号が指示する移動方向と速度で前記フックをブーム起伏軌跡面内で水平に移動させるのに必要な、起伏制御弁の操作方向と制御量およびウインチ制御弁の操作方向と制御量を演算算出すると共に、起伏制御弁およびウインチ制御弁を演算算出に係る操作方向と制御量に切換えるための起伏制御弁制御信号およびウインチ制御弁制御信号を生成して、これら生成した起伏制御弁制御信号およびウインチ制御弁制御信号を、起伏制御弁およびウインチ制御弁にそれぞれ出力するよう構成したコントローラ、とで構成し、
前記コントローラが、起伏制御弁およびウインチ制御弁のうち一方の制御弁の制御量の演算算出過程において、検出ブーム長さ、検出ブーム起伏角度、および、検出ワイヤ長さの関数として求められるフックの算出地上高さの初期値からの偏差を時々刻々算出すると共にこの偏差を解消するためのフィードバック制御を実行するよう構成されているものにおいて、
前記コントローラは、前記算出地上高さの初期値からの偏差であって当該偏差が他方の制御弁の制御量を減少させることにより解消可能な所定値以上になると他方の制御弁の制御量の算出過程に介入し、当該他方の制御弁の制御量を減少させるよう構成したことを特徴とするクレーンのフック水平移動制御装置。 - 前記一方の制御弁がウインチ制御弁であり、他方の制御弁が起伏制御弁であることを特徴とする請求項1記載のクレーンのフック水平移動制御装置。
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