JP4860985B2 - シリコーン系重合体粒子を含有するシリコーン系組成物 - Google Patents
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Description
しかし、シリコーンレジンは、硬度は高いものの、機械的強度が十分ではなく、また熱硬化時に割れや歪みが発生する等の問題があった。また、特許文献1、2には、シリカ粒子をシリコーンレジンに配合することで機械的強度の改善に効果があることが記述されているが、強度を改善するのに十分な量のシリカ粒子を配合すると硬化物が白濁してしまい、逆に配合量が少ないと強度の改善が不十分であった。
こうした中で、硬度と機械的強度のバランスに優れ、なおかつ透明性を損なわない材料が強く望まれていた。
(B)平均組成式(1)
R1 aR2 bR3 cSiO(4−a−b−c)/2(1)
(式中、R1はアルケニル基、R2はアルケニル基以外の一価の炭化水素基、R3は水酸基又はアルコキシ基であり、a、b及びcは、0.1≦a≦1.0、0≦b<1.88、0≦c≦0.1かつ1.0<a+b+c<1.98を満足する正数である。)で表される、アルケニル基を有するポリオルガノシロキサン100重量部、
(C)平均組成式(2)
R4 dR5 eHfSiO(4−d−e−f)/2(2)
(式中、R4は一価の炭化水素基、R5は水酸基又はアルコキシ基であり、d、e及びfは、0.4≦d<3.0、0≦e<0.1、0<f≦1.0かつ1.0≦d+e+f<3.0を満足する正数である。)で表される、1分子中に2個以上のSiH基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン1〜100重量部、
(D)ヒドロシリル化触媒0.01〜1000ppm
を含有することを特徴とするシリコーン系組成物に関する。
RmSiO(4−m)/2(3)
(式中、Rは置換又は非置換の1価の炭化水素基であり、各々同一であっても異なっていても良い。mは0〜3の整数を示す。)で表される構造単位を有するオルガノシロキサンを重合したものからなり、上記一般式(3)でm=2の構造単位が(A−1)成分全体の80モル%以上を占めることを特徴とする、上記シリコーン系組成物である。
好ましい実施態様は、(A)成分が、(A−1)成分であるシリコーン粒子10〜95重量%に対して、(A−2)成分であるアルコキシシラン縮合物が5〜90重量%被覆した重合体粒子であることを特徴とする、上記シリコーン系組成物に関する。
(a)成分:一般式(6)
(b)成分:一般式(7)
好ましい実施態様は、硬化後の硬度がタイプDデュロメーター硬度で40以上である上記シリコーン系組成物である。
本発明のシリコーン系組成物は、(A)シリコーンコア−アルコキシシラン縮合物シェル構造を有するシリコーン系重合体粒子を2〜100重量部、(B)アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンを100重量部、(C)1分子中に2個以上のSiH基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンを1〜100重量部、(D)ヒドロシリル化触媒を(B)成分に対して0.01〜1000ppm、を含有してなるものである。
本発明における(A)成分は、(A−1)体積平均粒子径が0.01〜1.0μmのシリコーン粒子に、(A−2)アルコキシシラン縮合物が被覆した、(A)シリコーンコア−アルコキシシラン縮合物シェル構造を有するシリコーン系重合体粒子である。
また、(A)成分中の(A−1)成分のシリコーン粒子で構成されるコア部と、(A−2)成分のアルコキシシラン縮合物で構成されるシェル部の組成比を最適化することで、(A)成分の屈折率とマトリックス樹脂の屈折率を合わせることにより、シリコーン系組成物の透明性を維持することができ、さらに(A−2)成分とマトリックス樹脂との間に相互作用が働いて強度改善が可能である。
RmSiO(4−m)/2(3)
(式中、Rは置換又は非置換の1価の炭化水素基であり、各々同一であっても異なっていても良い。mは0〜3の整数を示す。)で表される構造単位を有するオルガノシロキサンを重合したものが用いられる。
また、(A−1)成分は、上記一般式(3)でm=2の構造単位が、(A−1)成分全体の80モル%以上を占めていることが好ましく、90モル%以上を占めていることがより好ましい。80モル%未満では、(A−1)成分の柔軟性が損なわれる傾向があり、シリコーン系組成物の低温での耐衝撃性が低下したり、応力緩和の効果が低下したりする場合がある。
このオルガノシロキサンの有する、上記Rで表される置換又は非置換の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基;フェニル基、ナフチル基、トルイル基等の炭素数6〜24のアリール基;それらをシアノ基等で置換した置換炭化水素基等を挙げることができる。
オルガノシロキサンの具体例としては、ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン等の環状化合物の他に、直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサンを挙げることができる。これらオルガノシロキサンは、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
この際に用いる酸成分としては、安定して乳化重合を進行させることができ、またそれ自身も乳化能を併せ持つものが好ましく、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸、アルキル硫酸、アルキルスルホコハク酸等が例示されうる。なお、当該酸成分の各例示におけるアルキルとしては、炭素数1〜20のものが好ましい。また、後述の乳化剤の各例示においても同様である。
重合時のpHは特に制限されるものではないが、重合が十分に進行することから、好ましくはpH5以下、より好ましくはpH4以下に調整する。逐次追加する場合、そのままの状態、又は、水及び乳化剤と混合して乳化液とした状態のいずれで添加してもよいが、重合速度の面から、乳化状態で追加する方法を用いることが好ましい。
反応温度、時間に特に制限はないが、反応制御の容易さから、反応温度は0〜100℃が好ましく、50〜95℃がより好ましい。反応時間は、好ましくは1〜100時間であり、より好ましくは3〜50時間である。
なお、ここで言う重合転化率とは、原料中の低揮発分のオルガノシロキサンの(A−1)成分への転化率を意味する。
シリコーン粒子の体積平均粒子径は、0.01μm〜1.0μmであり、0.02μm〜0.5μmが好ましく、0.04μm〜0.4μmがより好ましい。体積平均粒子径が0.01μm未満のものを安定的に得ることは難しく、1.0μmを超えると最終成形体の透明性や耐衝撃性が悪くなる場合がある。また、当該シリコーン粒子の体積平均粒子径は、ラテックス状態で測定することができる。
なお、体積平均粒子径の測定は、例えば、ナノトラック粒度分析計UPA150(日機装株式会社製)を用いて行うことができる。
本発明の(A−1)成分の合成に用いることができる架橋剤としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等の縮合反応に関与できる官能基を3個含むいわゆる3官能性架橋剤;テトラエトキシシラン、1,3−ビス〔2−(ジメトキシメチルシリル)エチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔2−(ジメトキシメチルシリル)エチル〕ベンゼン、1,3−ビス〔1−(ジメトキシメチルシリル)エチル〕ベンゼン、1,4−ビス〔1−(ジメトキシメチルシリル)エチル〕ベンゼン、1−〔1−(ジメトキシメチルシリル)エチル〕−3−〔2−(ジメトキシメチルシリル)エチル〕ベンゼン、1−〔1−(ジメトキシメチルシリル)エチル〕−4−〔2−ジメトキシメチルシリル〕エチル〕ベンゼン等の縮合反応に関与できる官能基を4個含むいわゆる4官能性架橋剤;これら架橋剤のアルコキシ基を縮合させたオリゴマー等を挙げることができる。これら架橋剤は、必要に応じ、1種若しくは2種以上組み合わせて用いることができる。
なお、一般式(4)において、R12はアルキル基を示し、R13、R14、R15は、同一又は異なる1価の有機基を示す。
一般式(5)において、R22、R23は、同一又は異なるアルキル基を示し、R24及びR25は、同一又は異なる1価の有機基を示す。
一般式(6)において、R32、R33、R34は、同一又は異なるアルキル基を示し、R35は1価の有機基を示す。
一般式(7)において、R42、R43、R44及びR45は、同一又は異なるアルキル基を示す。
また、1価の有機基としては、アルコキシ基以外の1価の有機基であり、例えば、炭素数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数2〜10のアルケニル基(ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等)、アリール基(フェニル基、ナフチル基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェニルエチル基等)等が挙げられる。
また、アルコキシシラン縮合物としては、一般式(4)で表される1官能性アルコキシシラン化合物及び/又はその部分縮合物を用いて加水分解・縮合して得られたもの、一般式(5)で表される2官能性アルコキシシラン化合物及び/又はその部分縮合物を用いて加水分解・縮合して得られたものも挙げられる。
これらアルコキシシラン化合物のうち、特に4官能性アルコキシシラン及びその部分縮合物が安価であり、また得られる(A−2)成分が高強度である点から好ましい。
なお、本発明においては、シリコーンコア−アルコキシシラン縮合物シェル構造のシリコーン系重合体粒子としても、用いたシリコーン粒子の粒子径と比べて、実質的に粒子径が大きく変わることはないため、シリコーン粒子のラテックス状態での体積平均粒子径をもって、コア−シェル構造のシリコーン系重合体粒子の体積平均粒子径として扱うことができる。また、本発明においては、下記の表面処理を実施しても、コア−シェル構造のシリコーン系重合体粒子の粒子径と比べて、実質的に粒子径が大きく変わることはないため、コア−シェル構造のシリコーン系重合体粒子のラテックス状態での体積平均粒子径(つまり、シリコーン粒子のラテックス状態での体積平均粒子径)をもって、表面処理したシリコーン系重合体粒子の体積平均粒子径として扱うことができる。
なお、表面処理を行わない場合、(A)成分表面にシラノール基が多数残存しているが、この残存シラノール基は(C)成分と脱水素反応してしまい、(B)成分と(C)成分とのヒドロシリル化反応による架橋反応を阻害する原因となることがある。この点からも表面処理を行うのが好ましい。
さらに表面処理により、(C)成分と結合能を有する官能基(例えばアルケニル基、アルキニル基等)を、(A)成分表面に導入することで、(A)成分とマトリックス樹脂との間に結合が形成されて、シリコーン系組成物全体の強度を向上させることができる。
当該シランカップリング剤としては、一般的にアルキルシラン、例えば、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチル(ジ)シラザン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン等が挙げられる。
また、(C)成分と結合能を有する官能基を(A)成分表面に導入する際のシランカップリング剤としては、一般的にアルケニルシラン、例えば、クロロジメチルビニルシラン、ジクロロメチルビニルシラン、ジクロロジビニルシラン、トリクロロビニルシラン等が挙げられる。
これらシランカップリング剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明における(B)成分は、平均組成式(1)
R1 aR2 bR3 cSiO(4−a−b−c)/2(1)
(式中、R1はアルケニル基、R2はアルケニル基以外の一価の炭化水素基、R3は水酸基又はアルコキシ基であり、a、b及びcは、0.1≦a≦1.0、0≦b<1.88、0≦c≦0.1かつ1.0<a+b+c<1.98を満足する正数である。)で表される、アルケニル基を有するポリオルガノシロキサンである。
R2のアルケニル基以外の一価の炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜8の非置換又は置換のアルケニル基以外の1価の炭化水素基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。中でも、耐熱性の観点からはメチル基、フェニル基が好ましい。
R3のアルコキシ基としては、例えば炭素数1〜6の、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
また、式(1)中にR1、R2、R3がそれぞれ複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
本発明における(C)成分は、平均組成式(2)
R4 dR5 eHfSiO(4−d−e−f)/2(2)
(式中、R4は一価の炭化水素基、R5は水酸基又はアルコキシ基であり、d、e及びfは、0.4≦d<3.0、0≦e<0.1、0<f≦1.0かつ1.0≦d+e+f<3.0を満足する正数である。)で表される、1分子中に2個以上のSiH基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。
R5のアルコキシ基としては、R3のアルコキシ基と同じものが挙げられる。
また、式(2)中にR4、R5がそれぞれ複数個存在する場合には、それらは同一でも異なっていてもよい。
1分子中に2個以上のSiH基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、公知のものを使用することができるが、けい素原子に直結した水素原子を1分子中に少なくとも2個含有するものであれば、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。入手の容易さの観点から、重合度が300以下のものが好ましい。
具体的には、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたジシリコーン、ジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位(H(CH3)2SiO0.5単位)とSiO2単位とからなる低粘度流体、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等が例示されうる。
(C)成分は、例えば、通常公知の方法により製造することができる。
本発明における(D)成分であるヒドロシリル化触媒としては、例えば白金系触媒、パラジウム系触媒、ロジウム系触媒等が挙げられる。
白金系触媒としては、公知のものが使用でき、具体的には、白金元素単体;白金化合物;白金複合体;塩化白金酸;塩化白金酸のアルコール化合物、アルデヒド化合物、エーテル化合物、各種オレフィン類とのコンプレックス等が挙げられる。
本発明のシリコーン系組成物には、上記必須成分に加え、任意成分として本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、各種添加剤を添加することができる。
上記シリカを添加する場合、その添加量は、(B)成分100重量部に対して、0.5〜200重量部が好ましく、1〜50重量部がより好ましい。シリカの添加量が0.5重量部未満では、シリカ添加による補強効果が得られない場合があり、200重量部を超えると加工性が悪くなったり、機械的強度や透明性が低下してしまう場合がある。
硬化遅延剤としては公知のものが使用でき、具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられる。これらの硬化遅延剤は、単独で使用してもよく、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
また、本発明のシリコーン系組成物を難燃性、耐火性にするために、二酸化チタン、炭酸マンガン、Fe2O3、フェライト、マイカ、ガラス繊維、ガラスフレーク等の公知の添加剤を添加してもよい。
なお、これら任意成分は、本発明の効果を損なわないように最小限の添加量に止めることが好ましい。
また、これらの光学材料用途においては、前記シリコーン系組成物の硬化物であって、3mm厚の試料片の350nmにおける全光線透過率が85%以上であることが好ましい。全光線透過率が85%以下では効率的に光を取り出すことが困難であり、光学材料用組成物としての使用が難しくなる傾向がある。
光学機器分野では、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部等が例示される。ビデオカメラの撮影レンズ、ファインダー等が例示される。プロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルム、封止剤、接着剤等が例示される。光センシング機器のレンズ用材料、封止剤、接着剤、フィルム等が例示される。
光ファイバー分野では、装飾ディスプレイ用照明・ライトガイド等、工業用途のセンサー類、表示・標識類等、また通信インフラ用及び家庭内のデジタル機器接続用の光ファイバー等が例示される。
自動車・輸送機分野では、自動車用のランプリフレクタ、ベアリングリテーナー、ギア部分、耐蝕コート、スイッチ部分、ヘッドランプ、エンジン内部品、電装部品、各種内外装品、駆動エンジン、ブレーキオイルタンク、自動車用防錆鋼板、インテリアパネル、内装材、保護・結束用ワイヤーネス、燃料ホース、自動車ランプ、ガラス代替品等が例示される。また、鉄道車輌用の複層ガラス等が例示される。また、航空機の構造材の靭性付与剤、エンジン周辺部材、保護・結束用ワイヤーネス、耐蝕コート等が例示される。
次世代の光・電子機能有機材料としては、次世代DVD、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止剤、接着剤等が例示される。
なお、下記合成例において、体積平均粒子径は、ナノトラック粒度分析計UPA150(日機装株式会社製)を用いて測定した。
攪拌機、還流冷却機、モノマー追加口、温度計を備えた四つ口フラスコに純水300重量部を入れた。これとは別に、純水100重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを15重量%水溶液で0.5重量部(固形分)、オクタメチルシクロテトラシロキサン100重量部、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン3重量部からなる混合物を、ホモミキサーにて7000rpmで5分間強制乳化した後に、一括して上記四つ口フラスコに加えた。5分間攪拌後、ドデシルベンゼンスルホン酸10重量%水溶液で1重量部(固形分)を加えて、さらに15分間攪拌後、系を80℃に昇温させた。80℃に到達後、280分間撹拌を続けた後、系を25℃に冷却して20時間熟成を行い、シリコーンコア粒子(体積平均粒子径0.3μm)を含むラテックスを得た。
さらに試薬追加用ラバーセプタム、窒素吹込口、窒素吹出口、温度計、マグネティックスターラー用撹拌子を備えた四つ口フラスコに、上記の(A)成分のトルエン溶液400重量部(うち樹脂固形分20重量部)を仕込んで、氷水浴中で冷却、撹拌しながらクロロトリメチルシラン8.0重量部を滴下した。この溶液を氷水浴中で1時間、室温で6時間撹拌した後、反応後の溶液を3重量%NaHCO3水溶液各400重量部で2回、純水各400重量部で3回洗浄した。こうして粒子表面のシラノール基が表面処理されてメチル基になった(A)成分のトルエン溶液を得た。
攪拌機、滴下漏斗、温度計、溶媒留去用の枝付連結管を備えた四つ口フラスコに、メチルトリメトキシシラン380.0g(55mol%)、ジメチルジメトキシシラン152.4g(25mol%)、メチルビニルジメトキシシラン133.8g(20mol%)を入れ、ここに攪拌しながらメタノール323gを加えた。この溶液を氷水浴中で冷却した後、0.1mol%塩酸水溶液280.1gを30分かけて滴下し、滴下終了後さらに室温中で1時間攪拌した。次にこの溶液を100℃で1時間、120℃で2時間加熱し、メタノールと水あわせて988mlを枝付連結管から系外に留去させた。さらに攪拌しながら室温まで冷却した後、トルエン575.2gを加えることで、共加水分解縮合物のトルエン溶液を得た。
続いてこのトルエン溶液に純水を加えて攪拌した後、静置して分離した水層を除去する操作をトルエン層が中性になるまで繰り返した。さらにこのトルエン溶液をロータリーエバポレーターで濃縮して溶媒を留去することで、下記平均組成式(9)で表されるビニル基含有のポリオルガノシロキサン349gを得た。
(CH2=CH)0.2(CH3)1.25SiO1.275(9)
合成例1で得られた(A)成分のトルエン溶液の樹脂固形分30.3重量部に対して、合成例2で得られた(B)成分のビニル基含有のポリオルガノシロキサンを100重量部配合し、この混合物をロータリーエバポレーターで濃縮してトルエンを留去した。その後(C)成分の1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン21.4重量部と、硬化遅延剤としてマレイン酸ジメチルの10重量%イソプロピルアルコール溶液を0.012重量部(固形分)加え、さらに(D)成分の白金ビニルシロキサン錯体のイソプロピルアルコール溶液(白金として0.03重量%含有)を0.55重量部加えて、遊星式攪拌脱泡機にて攪拌・脱泡を行い、組成物を得た。
この組成物を型に流し込み、180℃で30分間空気中にて加熱することで、粒子表面のシラノール基が表面処理されてメチル基になった(A)成分をいわゆるマスターバッチ法により配合した、厚さ3mmの透明なシリコーン系硬化物を得た。
合成例2で得られた(B)成分のビニル基含有のポリオルガノシロキサンを100重量部配合し、(C)成分の1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン21.4重量部と、硬化遅延剤としてマレイン酸ジメチルの10重量%イソプロピルアルコール溶液を0.012重量部(固形分)加え、さらに(D)成分の白金ビニルシロキサン錯体のイソプロピルアルコール溶液(白金として0.03重量%含有)を0.55重量部加えて、遊星式攪拌脱泡機にて攪拌・脱泡を行い、組成物を得た。
この組成物を型に流し込み、180℃で30分間空気中にて加熱することで、厚さ3mmの透明なシリコーン系硬化物を得た。
(タイプDデュロメーター硬度)
JIS K6253に記載の方法に準じて、(株)上島製作所製デュロメーター HD−1120を用いて測定した。測定5回の測定値の平均値を採用した。試験片は原則として、上記で得られた厚さ3mmの硬化物を、試験前に温度23±2℃、相対湿度50±5%で24時間以上、状態調節したものを用いた。
(硬化物性状)
厚さ3mmの試験片を目視により性状を評価した。
Claims (5)
- (A−1)体積平均粒子径が0.01〜1.0μmのシリコーン粒子に、(A−2)アルコキシシラン縮合物が被覆した、(A)シリコーンコア−アルコキシシラン縮合物シェル構造を有するシリコーン系重合体粒子2〜100重量部、
(B)平均組成式(1)
R1 aR2 bR3 cSiO(4−a−b−c)/2(1)
(式中、R1はアルケニル基、R2はアルケニル基以外の一価の炭化水素基、R3は水酸基又はアルコキシ基であり、a、b及びcは、0.1≦a≦1.0、0≦b<1.88、0≦c≦0.1かつ1.0<a+b+c<1.98を満足する正数である。)で表される、アルケニル基を有するポリオルガノシロキサン100重量部、
(C)平均組成式(2)
R4 dR5 eHfSiO(4−d−e−f)/2(2)
(式中、R4は一価の炭化水素基、R5は水酸基又はアルコキシ基であり、d、e及びfは、0.4≦d<3.0、0≦e<0.1、0<f≦1.0かつ1.0≦d+e+f<3.0を満足する正数である。)で表される、1分子中に2個以上のSiH基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン1〜100重量部、
(D)ヒドロシリル化触媒0.01〜1000ppm
を含有し、
可視光又は紫外線を通過させる、受発光素子の封止材に用いることを特徴とするシリコーン系組成物。 - (A−1)成分であるシリコーン粒子が、一般式(3)
RmSiO(4−m)/2(3)
(式中、Rは置換又は非置換の1価の炭化水素基であり、各々同一であっても異なっていても良い。mは0〜3の整数を示す。)で表される構造単位を有するオルガノシロキサンを重合したものからなり、上記一般式(3)でm=2の構造単位が(A−1)成分全体の80モル%以上を占めることを特徴とする、請求項1に記載のシリコーン系組成物。 - (A)成分が、(A−1)成分であるシリコーン粒子10〜95重量%に対して、(A−2)成分であるアルコキシシラン縮合物が5〜90重量%被覆した重合体粒子であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のシリコーン系組成物。
- 硬化後の硬度がタイプDデュロメーター硬度で40以上であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のシリコーン系組成物。
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