JP2007126609A - ポリシルセスキオキサン系表面処理粒子及びそれを含有するシリコーン系硬化性組成物 - Google Patents

ポリシルセスキオキサン系表面処理粒子及びそれを含有するシリコーン系硬化性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】柔らかさや基材との密着性を損なうことなく、加工特性、品質安定性に優れ、引張り特性を改善することが可能なポリシルセスキオキサン系粒子、並びにシリコーン系硬化性組成物の提供。
【解決手段】体積平均粒子径が0.01〜5.0μmのポリシルセスキオキサン重合粒子が、R SiCl(4−n)(Rはアルキル基、アリール基、炭素−炭素不飽和結合を有する炭化水素基、エポキシ基を有する炭化水素基、アミノ基を有する炭化水素基、メルカプト基を有する炭化水素基から選ばれる1種もしくは2種以上の置換基、nは1〜3の整数)で示されるアルキルシリルクロライドで表面処理されてなる、ポリシルセスキオキサン系表面処理粒子。該粒子と、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物、ヒドロシリル化触媒からなるシリコーン系硬化性組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、柔らかさや基材との密着性を損なうことなく、加工特性、品質安定性に優れ、引張り特性を改善することが可能なポリシルセスキオキサン系表面処理粒子、及び、該粒子と、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物、ヒドロシリル化触媒、からなるシリコーン系硬化性組成物に関する。
シリコーン系硬化性組成物は、耐熱性、耐寒性、耐候性、耐光性、化学的安定性、電気特性、難燃性、耐水性、透明性、着色性、非粘着性、非腐食性に優れており、様々な産業で利用されているが、強度が低いという欠点を有する。その強度を改良するために、シリカを配合することが一般的であるが、補強効果の大きい微粉末シリカは、モジュラス、弾性率が大きく上昇するため、柔らかさや基材との密着性を低下させることがあり、また、増粘が大きいため、加工性に課題を有する。また、比重が上がる等の問題があった。
また、その他の強度改良方法として、シリコーンゴムパウダー、ポリオルガノシルセスキオキサンパウダー、ポリオルガノシルセスキオキサンでコーティングしたシリコーンゴムパウダー等を配合することも知られている(例えば、特許文献1参照)が、表面に未反応のシラノールが残留するために、シリコーン系組成物に添加すると発泡し、良好な硬化物が得られない等の品質安定性の問題があった。
上記の如く、シリコーンの柔らかさ、基材への密着性、加工性を損なうことなく、引張り特性を向上させうる添加剤が求められているのが現状である。
特開平10−226613号公報
本発明は、上記課題が解決された、柔らかさや基材との密着性を損なうことなく、加工特性、品質安定性に優れ、引張り特性を改善することが可能なポリシルセスキオキサン系粒子、並びにシリコーン系硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、特定のポリシルセスキオキサン系表面処理粒子、及び、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物、ヒドロシリル化触媒からなるシリコーン系硬化性組成物が、良好な引張り特性や柔らかさ、基材との密着性を併せ持つことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の構成によるものである。
(1)体積平均粒子径が0.01〜5.0μmのポリシルセスキオキサン重合粒子が、R SiCl(4−n)(Rはアルキル基、アリール基、炭素−炭素不飽和結合を有する炭化水素基、エポキシ基を有する炭化水素基、アミノ基を有する炭化水素基、メルカプト基を有する炭化水素基から選ばれる1種もしくは2種以上の置換基、nは1〜3の整数)で示されるアルキルシリルクロライドで表面処理されてなることを特徴とする、ポリシルセスキオキサン系表面処理粒子。
(2)(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)上記ポリシルセスキオキサン系表面処理粒子、を含有することを特徴とするシリコーン系硬化性組成物。
(3)(B)成分の分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物が、平均して1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである上記シリコーン系硬化性組成物。
(4)前記(D)成分をマスターバッチ法により組成物中に均一に分散させてなることを特徴とする、上記シリコーン系硬化性組成物。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明は、特定のポリシルセスキオキサン系表面処理粒子;及び、(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)上記ポリシルセスキオキサン系表面処理粒子を含有することを特徴とするシリコーン系硬化性組成物に関する。
<(A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン>
本発明における(A)成分である、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサンは、下記平均組成式(1)で示されるものである。
SiO(4−m)/2 ・・・(1)
(式中、Rは同一又は異種の非置換又は置換の1価の炭化水素基であり、mは1.98〜2.02の正数である。)
上記式中Rの非置換又は置換の1価の炭化水素基としては、好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜8の非置換又は置換の1価の炭化水素基である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基、トルイル基等のアリール基;これらの基の炭素原子に結合した水素原子の一部又は全部をハロゲン原子、シアノ基等で置換したクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。中でも、耐熱性の観点からは、メチル基、フェニル基が好ましい。
また、式(1)中に複数個存在するRは、同一でも異なっていてもよい。
この場合、Rはアルケニル基を少なくとも1個有していることが必要であるが、R中のアルケニル基の含有量は0.001〜20モル%、特に0.025〜5モル%であることが好ましい。
上記式(1)で示される(A)成分は、基本的には直鎖状であることが好ましいが、分岐状、環状等、分子構造の異なる1種又は2種以上の混合物であってもよい。
さらに、上記(A)成分は、取り扱いが容易な粘度であることと、入手の容易さの観点から、平均重合度が50〜10,000であることが好ましく、100〜3,000であることがより好ましい。
(A)成分は、例えば、通常公知の方法により製造することができる。
<(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物>
本発明における(B)成分である、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物としては、公知のものを使用することができ、例えば、オルガノハイドロジェンポリシロキサンを好適に用いることができる。
硬化剤として使用できるオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、けい素原子に直結した水素原子を、平均して1分子中に少なくとも2個含有するものであれば、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよいが、入手の容易さの観点から、重合度が300以下のものが好ましい。具体的には、ジメチルハイドロジェンシリル基で末端が封鎖されたジシリコーン、ジメチルシロキサン単位とメチルハイドロジェンシロキサン単位及び末端トリメチルシロキシ単位との共重合体、ジメチルハイドロジェンシロキサン単位(H(CHSiO0.5単位)とSiO単位とからなる低粘度流体、1,3,5,7−テトラハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1−プロピル−3,5,7−トリハイドロジェン−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,5−ジハイドロジェン−3,7−ジヘキシル−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン等が例示されうる。
(B)成分は、例えば、通常公知の方法により製造することができる。
この硬化剤としての(B)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンの添加量は、良好な硬化物を得る点から、(A)成分のアルケニル基に対して、けい素原子に直結した水素原子の割合が、好ましくは50〜500モル%、より好ましくは100〜200モル%である。
<(C)ヒドロシリル化触媒>
本発明における(C)成分であるヒドロシリル化触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸;白金の単体;アルミナ、シリカ、カ−ボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Pt(ViMeSiOSiMeVi)、Pt〔(MeViSiO)};白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh、Pt(PBu};白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)、Pt〔P(OBu)}(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す);Pt(acac)(式中、acacはアセチルアセトンを表す);Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒等も挙げられる。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh、RhCl、Rh/Al、RuCl、IrCl、FeCl、AlCl、PdCl・2HO、NiCl、TiCl等が挙げられる。
これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)等が好ましい。
(C)成分の添加量としては特に制限はないが、(A)成分中のアルケニル基1molに対して10−1〜10−8molの範囲で用いるのが好ましい。より好ましくは10−2〜10−6molの範囲である。また、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で腐食性であり、また、水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡してしまう場合があるので10−1molより多く用いない方がよい。
<(D)ポリシルセスキオキサン系表面処理粒子>
本発明における(D)成分であるポリシルセスキオキサン系表面処理粒子は、加工性、品質安定性、柔らかさ、基材との密着性を損なうことなく、シリコーン系硬化性組成物の引張り特性を改良することを可能とするものである。
本発明のポリシルセスキオキサン系表面処理粒子は、体積平均粒子径が0.01〜5.0μmのポリシルセスキオキサン重合粒子が、R SiCl(4−n)(Rはアルキル基、アリール基、炭素−炭素不飽和結合を有する炭化水素基、エポキシ基を有する炭化水素基、アミノ基を有する炭化水素基、メルカプト基を有する炭化水素基から選ばれる1種もしくは2種以上の置換基、nは1〜3の整数)で示されるアルキルシリルクロライドで表面処理されてなるものである。
本発明のポリシルセスキオキサン系表面処理粒子は、RSiO3/2単位から構成されるポリシルセスキオキサン重合粒子を、R SiCl(4−n)で示されるアルキルシリルクロライドで表面処理して合成される。
本発明におけるポリシルセスキオキサン重合粒子は、水系で乳化剤を用いることにより体積平均粒子径0.01〜5.0μmの粒子状に合成することが可能となる。
また、本発明におけるポリシルセスキオキサン重合粒子の体積平均粒子径は、マトリックス樹脂への分散性、引張り特性等の観点から、好ましくは0.02〜1.0μm、より好ましくは0.02〜0.5μmである。
本発明では、酸触媒を含む10〜120℃の水に、乳化剤、RSiO3/2単位の原料と水の混合物を、例えば、ラインミキサーやホモジナイザーで乳化した乳化液を連続的に加え、ポリシルセスキオキサン重合粒子を得ることができる。
なお、ポリシルセスキオキサン重合粒子の安定性や粒子径コントロールのために、非常に小粒子径のシードポリマーを酸触媒含有の水に少量加えてもよい。
本発明のRSiO3/2単位におけるRは、炭素数1〜4のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数6〜24の芳香族基(フェニル基、ナフチル基、トルイル基等)を示す。RSiO3/2単位の原料としては、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシメチルシラン、トリプロポキシメチルシラン、トリメトキシエチルシラン、トリエトキシエチルシラン、トリプロポキシエチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシフェニルシラン、トリプロポキシフェニルシラン等を挙げることができる。
本発明におけるポリシルセスキオキサン重合粒子には、必要に応じて、R SiO2/2単位、SiO4/2単位を有する成分を含有させてもよい。
本発明におけるR SiO2/2単位の原料としては、R SiX(式中、Rは、炭素数1〜4のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、炭素数6〜24の芳香族基(フェニル基、ナフチル基、トルイル基等)を表す。Xは、同一又は異なってもよく、ハロゲン、水酸基、又は、水酸基の脱水縮合物である。)や、直鎖状、分岐状又は環状構造を有するオルガノシロキサン等が挙げられる。
具体例としては、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、エチルフェニルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、エチルフェニルジエトキシシラン等;ヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、トリメチルトリフェニルシクロトリシロキサン等の環状化合物;直鎖状あるいは分岐状のオルガノシロキサン等を挙げることができる。
本発明におけるSiO4/2単位の原料としては、四塩化ケイ素、テトラアルコキシシラン、水ガラス及び金属ケイ酸塩からなる群より選択される。テトラアルコキシシランの具体例としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、及びそれらの縮合物等が挙げられる。
本発明における乳化剤としては、アニオン系乳化剤やノニオン系乳化剤が好適に使用されうる。アニオン系乳化剤の具体例としては、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等が挙げられるが、特にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムがよく用いられる。ノニオン系乳化剤の具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等が挙げられる。
本発明に用いることのできる酸触媒としては、例えば、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸類;硫酸、塩酸、硝酸等の鉱酸類等が挙げられる。なお、上記各例示の脂肪族としては、炭素数1〜20のアルキル基等が挙げられる。
これらの中では、ポリシルセスキオキサン重合粒子の乳化安定性に優れる観点から、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、n−ドデシルベンゼンスルホン酸が特に好ましい。
ポリシルセスキオキサン重合粒子の合成のための加熱温度は、適度な重合速度が得られるという点で、30〜120℃が好ましく、35〜80℃がより好ましい。また、加熱時間としては、特に限定されないが、好ましくは1〜20時間である。
本発明におけるポリシルセスキオキサン重合粒子の合成において、酸触媒を含有する水に加えることのできるシードポリマーは、通常の乳化重合でも得ることができるが、合成法は特に限定されるものではない。
シードポリマーとしては、例えば、アクリル酸ブチルゴムやブタジエン系ゴム等のゴム成分であっても良く、アクリル酸ブチル−スチレン共重合体、アクリル酸ブチル−ブタジエン共重合体、アクリル酸ブチル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸ブチル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体等の硬質重合体でも問題ない。中でも、ポリシルセスキオキサン重合粒子の粒子径分布を狭くするという観点から、分子量が低く、粒子径が小さいことが好ましい。
上記シードポリマーの粒子径については、最終粒子径に応じて適宜設定することができるが、通常は、体積平均粒子径で0.01〜0.1μmの範囲に設定するのが好ましい。
さらに、本発明では、上記のようにして得られたポリシルセスキオキサン重合粒子を、表面処理して(D)成分を得る。表面処理を行うことにより、(A)成分、(B)成分及び(C)成分と、(D)成分の親和性を向上させることができ、さらには、ヒドロシリル化反応による硬化を阻害する原因となるシラノール基を、(D)成分表面から減少させることができる。
この表面処理剤としてのR SiCl(4−n)で示されるアルキルシリルクロライドにおいて、Rはアルキル基、アリール基、炭素−炭素不飽和結合を有する炭化水素基、エポキシ基を有する炭化水素基、アミノ基を有する炭化水素基、メルカプト基を有する炭化水素基から選ばれる1種もしくは2種以上の置換基である。Rが複数個存在する場合、同一でも異なっていてもよい。また、nは1〜3の整数である。
のアルキル基としては、炭素数1〜20であり、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、ステアリル基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜20であり、フェニル基、ナフチル基、トルイル基等が挙げられる。
炭素−炭素不飽和結合を有する炭化水素基としては、炭素数2〜20であり、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等が挙げられる。
エポキシ基を有する炭化水素基としては、炭素数2〜20であり、グリシジル基、エポキシシクロヘキシル基等が挙げられる。
アミノ基を有する炭化水素基としては、炭素数1〜10であり、アミノエチル基、アミノプロピル基、アミノブチル基、アミノフェニル基等が挙げられる。
メルカプト基を有する炭化水素基としては、炭素数1〜10であり、メルカプトプロピル基等が挙げられる。
本発明において用いる表面処理剤のアルキルシリルクロライドの添加量は、前記ポリシルセスキオキサン重合粒子100重量部に対して、2〜1000重量部であることが好ましく、10〜400重量部であることがより好ましい。アルキルシリルクロライドの添加量が2重量部より少ないと、(D)成分と(A)〜(C)成分との親和性を十分に向上させることができなかったり、(D)成分表面のシラノール基を十分減少させることができなかったりする傾向がある。また、添加量が1000重量部より多いと、(D)成分表面のシラノール基と反応できなかったアルキルシリルクロライドが不純物として組成物中に混入してしまう恐れがある。
本発明における表面処理方法としては、公知の様々な方法を用いることができる。例えば、ポリシルセスキオキサン重合粒子のラテックスに、アルコール類(メタノール、エタノール、2−プロパノール等)やケトン類(メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)等を加えることで粒子の乳化状態を解き、粒子どうしを緩凝集させた後、遠心沈降させて得た沈殿物を適当な溶剤(トルエン、キシレン、ヘキサン等)に再溶解させた後、すなわち下記マスターバッチ法の過程で、行うことが好ましい。
表面処理温度は特に限定されないが、好ましくは−20〜200℃、より好ましくは−10〜100℃である。また、表面処理時間は特に限定されないが、好ましくは0.5〜20時間、より好ましくは1〜15時間である。
本発明においては、(D)成分を組成物(特にマトリックス樹脂)中に均一に分散させることが可能であり、さらに透明な組成物を得ることができる点から、マスターバッチ法を用いるのが好ましい。ここでいうマスターバッチ法とは、ラテックス溶液にアルコール類やケトン類等を加えることで粒子の乳化状態を解き、粒子どうしを緩凝集させた後、遠心沈降させて得た沈殿物を適当な溶剤に再溶解させてからマトリックス樹脂と混合し、溶媒を留去させる方法である。
上記のようにして得られた本発明のポリシルセスキオキサン系表面処理粒子の体積平均粒子径は、各諸物性の観点から、0.01〜5.0μmが好ましく、より好ましくは0.02〜1.0μm、さらに好ましくは0.02〜0.5μmである。粒子径が5.0μmより大きいと引張り特性の向上が見られず、また、0.01μmより小さいとマトリックス樹脂中に良分散させることが困難となり、かえって物性の低下を招く恐れがある。
なお、本発明においては、表面処理を実施しても、実質的に粒子径が大きく変わることはないため、ポリシルセスキオキサン重合粒子のラテックス状態での体積平均粒子径をもって、ポリシルセスキオキサン系表面処理粒子の体積平均粒子径として扱うこととする。
本発明において、体積平均粒子径は、例えば、Nanotrac 150(日機装製)を用いることにより測定することができる。
(D)成分の配合量は、良好な硬化物を得る点から、(A)成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜100重量部、より好ましくは1〜50重量部である。
<組成物>
本発明のシリコーン系硬化性組成物には、上記必須成分に加え、任意成分として本発明の効果を妨げない範囲で、必要に応じて、各種添加剤を添加することができる。
本発明のシリコーン系硬化性組成物の保存安定性を改良する目的、あるいは硬化過程でのヒドロシリル化反応の反応性を調整する目的で、硬化遅延剤を使用することができる。
硬化遅延剤としては公知のものが使用でき、具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機イオウ化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等が挙げられる。これらの硬化遅延剤は、単独で使用してもよく、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
脂肪族不飽和結合を含有する化合物としては、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、3−ヒドロキシ−3−フェニル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のプロパギルアルコール類、エン−イン化合物類、無水マレイン酸、マレイン酸ジメチル等のマレイン酸エステル類等が例示されうる。有機リン化合物としては、トリオルガノフォスフィン類、ジオルガノフォスフィン類、オルガノフォスフォン類、トリオルガノフォスファイト類等が例示されうる。有機イオウ化合物としては、オルガノメルカプタン類、ジオルガノスルフィド類、硫化水素、ベンゾチアゾール、チアゾール、ベンゾチアゾールジサルファイド等が例示されうる。窒素含有化合物としては、テトラメチルエチレンジアミン等が例示されうる。スズ系化合物としては、ハロゲン化第一スズ2水和物、カルボン酸第一スズ等が例示されうる。有機過酸化物としては、ジ−t−ブチルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、過安息香酸t−ブチル等が例示されうる。
これらの硬化遅延剤のうち、遅延活性が良好で原料入手性がよいという観点からは、ベンゾチアゾール、チアゾール、マレイン酸ジメチル、3−ヒドロキシ−3−メチル−1−ブチン、1−エチニル−1−シクロヘキサノールが好ましい。
硬化遅延剤を添加する場合、その添加量は、特に限定されるものではないが、(C)成分のヒドロシリル化触媒1モルに対して、10−1〜10モルの範囲で用いるのが好ましく、1〜100モルの範囲で用いるのがより好ましい。
また、各種添加剤としては、増量剤としての充填剤(粉砕石英、炭酸カルシウム、カーボン等)、着色剤、耐熱性向上剤、反応制御剤、離型剤、充填剤用分散剤(ジフェニルシランジオール、各種アルコキシシラン、カーボンファンクショナルシラン、シラノール基含有低分子量シロキサン等)等が挙げられる。
また、本発明のシリコーン系硬化性組成物を難燃性、耐火性にするために、二酸化チタン、炭酸マンガン、Fe、フェライト、マイカ、ガラス繊維、ガラスフレーク等の公知の添加剤を添加してもよい。
なお、これら任意成分は、本発明の効果を損なわないように最小限の添加量に止めることが好ましい。
本発明のシリコーン系硬化性組成物は、上記(A)〜(D)成分、及び必要に応じて上記各種添加剤を、ロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の混練機や、遊星式攪拌脱泡機を用いて均一に混合し、必要に応じて加熱処理を施したりすることにより得ることができる。
なお、シリコーン系硬化性組成物の硬化物を得る場合、一般的に、硬化温度は50〜300℃、硬化時間は5秒〜5時間の範囲で、硬化剤種及びその添加量、硬化方法等により適宜選択することができる。
また、本発明のシリコーン系硬化性組成物は、成形体として使用することができる。成形法としては、押出成形、圧縮成形、ブロー成形、カレンダー成形、真空成形、発泡成形、射出成形、注型成形等の任意の成形加工法を例示することができる。
本発明のシリコーン系硬化性組成物は、光学材料用組成物として用いることができる。ここで言う光学材料とは、可視光、赤外線、紫外線、X線、レーザー等の光をその材料中を通過させる用途に用いる材料一般を示す。
より具体的には、液晶ディスプレイ分野における基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルム等の液晶用フィルム等の液晶表示装置周辺材料が例示される。また、次世代フラットパネルディスプレイとして期待されるカラーPDP(プラズマディスプレイ)の封止剤、反射防止フィルム、光学補正フィルム、ハウジング材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤;LED表示装置に使用されるLED素子のモールド材、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤;プラズマアドレス液晶(PALC)ディスプレイにおける基板材料、導光板、プリズムシート、偏向板、位相差板、視野角補正フィルム、接着剤、偏光子保護フィルム;有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイにおける前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤;フィールドエミッションディスプレイ(FED)における各種フィルム基板、前面ガラスの保護フィルム、前面ガラス代替材料、接着剤等が例示される。
光記録分野では、VD(ビデオディスク)、CD/CD−ROM、CD−R/RW、DVD−R/DVD−RAM、MO/MD、PD(相変化ディスク)、光カード用のディスク基板材料、ピックアップレンズ、保護フィルム、封止剤、接着剤等が例示される。
光学機器分野では、スチールカメラのレンズ用材料、ファインダプリズム、ターゲットプリズム、ファインダーカバー、受光センサー部等が例示される。ビデオカメラの撮影レンズ、ファインダー等が例示される。プロジェクションテレビの投射レンズ、保護フィルム、封止剤、接着剤等が例示される。光センシング機器のレンズ用材料、封止剤、接着剤、フィルム等が例示される。
光部品分野では、光通信システムでの光スイッチ周辺のファイバー材料、レンズ、導波路、素子の封止剤、接着剤等が例示される。光コネクタ周辺の光ファイバー材料、フェルール、封止剤、接着剤等が例示される。光受動部品、光回路部品ではレンズ、導波路、LED素子の封止剤、接着剤等が例示される。光電子集積回路(OEIC)周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止剤、接着剤等が例示される。
光ファイバー分野では、装飾ディスプレイ用照明・ライトガイド等、工業用途のセンサー類、表示・標識類等、また通信インフラ用及び家庭内のデジタル機器接続用の光ファイバー等が例示される。
半導体集積回路周辺材料では、LSI、超LSI材料用のマイクロリソグラフィー用のレジスト材料等が例示される。
自動車・輸送機分野では、自動車用のランプリフレクタ、ベアリングリテーナー、ギア部分、耐蝕コート、スイッチ部分、ヘッドランプ、エンジン内部品、電装部品、各種内外装品、駆動エンジン、ブレーキオイルタンク、自動車用防錆鋼板、インテリアパネル、内装材、保護・結束用ワイヤーネス、燃料ホース、自動車ランプ、ガラス代替品等が例示される。また、鉄道車輌用の複層ガラス等が例示される。また、航空機の構造材の靭性付与剤、エンジン周辺部材、保護・結束用ワイヤーネス、耐蝕コート等が例示される。
建築分野では、内装・加工用材料、電気カバー、シート、ガラス中間膜、ガラス代替品、太陽電池周辺材料等が例示される。農業用では、ハウス被覆用フィルム等が例示される。
次世代の光・電子機能有機材料としては、次世代DVD、有機EL素子周辺材料、有機フォトリフラクティブ素子、光−光変換デバイスである光増幅素子、光演算素子、有機太陽電池周辺の基板材料、ファイバー材料、素子の封止剤、接着剤等が例示される。
本発明によれば、柔らかさや基材との密着性を損なうことなく、加工特性、品質安定性に優れ、引張り特性を改善することが可能なポリシルセスキオキサン系表面処理粒子、並びにシリコーン系硬化性組成物を提供することができる。
以下に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
なお、下記実施例において、体積平均粒子径は、Nanotrac 150(日機装製)を用いて測定した。
(実施例1)
攪拌機、還流冷却機、モノマー追加口、温度計を備えた四つ口フラスコに、純水500重量部とドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを15重量%水溶液で0.5重量部(固形分)、及びトリメトキシメチルシラン100重量部を入れた。これを220rpmで60分間攪拌後、ドデシルベンゼンスルホン酸10重量%水溶液で5重量部(固形分)を加えて、さらに5分間攪拌後、系を60℃に昇温させた。60℃に到達後、300分間撹拌を続けた後、系を25℃に冷却して20時間熟成を行い、ポリシルセスキオキサン重合粒子(体積平均粒子径0.3μm)を含むラテックスを得た。
続いて、ポリシルセスキオキサン重合粒子を含むラテックス(樹脂固形分濃度9重量%)の樹脂固形分20重量部に対してメチルイソブチルケトン180重量部を加えて、粒子を凝集させた後、遠心分離機で6000rpm、20分間遠心沈降させた。得られた沈殿をメチルイソブチルケトン/メタノール=1/1(vol/vol)の混合溶媒に分散させて洗浄した後、遠心分離機で6000rpm、20分間遠心沈降させた。この洗浄を合計3回行った後、得られた沈殿20重量部にメチルイソブチルケトン380重量部を加えて、ポリシルセスキオキサン重合粒子のメチルイソブチルケトン溶液を得た。
さらに試薬追加用ラバーセプタム、窒素吹込口、窒素吹出口、温度計、マグネティックスターラー用撹拌子を備えた四つ口フラスコに、上記のポリシルセスキオキサン重合粒子のメチルイソブチルケトン溶液400重量部(うち樹脂固形分20重量部)を仕込んで、氷水浴中で冷却、撹拌しながらクロロトリメチルシラン8.0重量部を滴下した。この溶液を氷水浴中で1時間、室温で5時間撹拌することで、粒子表面のシラノール基が表面処理されてメチル基になったポリシルセスキオキサン系表面処理粒子のメチルイソブチルケトン溶液を得た。
反応後の溶液を純水各400重量部で10回洗浄した。次にこの溶液の樹脂固形分20重量部に対して、末端ビニルポリジメチルシロキサンであるゲレスト社製DMS−V31を100重量部配合し、この混合物をロータリーエバポレーターで濃縮してメチルイソブチルケトンを留去した。その後、メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーであるゲレスト社製HMS−301を4.4重量部と、マレイン酸ジメチルの10重量%イソプロピルアルコール溶液を0.012重量部(固形分)加え、さらに白金ビニルシロキサン錯体のイソプロピルアルコール溶液(白金として0.03重量%含有)を0.55重量部加えて、遊星式攪拌脱泡機にて攪拌・脱泡を行い、組成物を得た。
この組成物を型に流し込み、180℃で30分間空気中にて加熱することで、ポリシルセスキオキサン系表面処理粒子をいわゆるマスターバッチ法により配合した、厚さ2mmの透明な硬化物を得た。
(比較例1)
末端ビニルポリジメチルシロキサンであるゲレスト社製DMS−V31を100重量部に対して、メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーであるゲレスト社製HMS−301を4.4重量部と、マレイン酸ジメチルの10重量%イソプロピルアルコール溶液を0.012重量部(固形分)加え、さらに白金ビニルシロキサン錯体のイソプロピルアルコール溶液(白金として0.03重量%含有)を0.55重量部加えて、遊星式攪拌脱泡機にて攪拌・脱泡を行い、組成物を得た。
この組成物を型に流し込み、180℃で30分間空気中にて加熱することで、厚さ2mmの透明な硬化物を得た。
(比較例2)
末端ビニルポリジメチルシロキサンであるゲレスト社製DMS−V31を100重量部に対して、煙霧状シリカであるゲレスト社製SIS6962(カタログ値粒子径0.02μm)を20重量部配合して、遊星式攪拌脱泡機にて攪拌・脱泡を行った。その後、メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーであるゲレスト社製HMS−301を4.4重量部と、マレイン酸ジメチルの10重量%イソプロピルアルコール溶液を0.012重量部(固形分)加え、さらに白金ビニルシロキサン錯体のイソプロピルアルコール溶液(白金として0.03重量%含有)を0.55重量部加えて、遊星式攪拌脱泡機にて攪拌・脱泡を行い、組成物を得た。
この組成物を型に流し込み、180℃で30分間空気中にて加熱することで、厚さ2mmの白濁した、煙霧状シリカを含有する硬化物を得た。
(比較例3)
末端ビニルポリジメチルシロキサンであるゲレスト社製DMS−V31を100重量部に対して、シリコーンレジンパウダーである信越化学工業社製X−52−854(カタログ値平均粒子径0.8μm)を20重量部配合して、遊星式攪拌脱泡機にて攪拌・脱泡を行った。その後、メチルハイドロジェンシロキサン−ジメチルシロキサンコポリマーであるゲレスト社製HMS−301を4.4重量部と、マレイン酸ジメチルの10重量%イソプロピルアルコール溶液を0.012重量部(固形分)加え、さらに白金ビニルシロキサン錯体のイソプロピルアルコール溶液(白金として0.03重量%含有)を0.55重量部加えて、遊星式攪拌脱泡機にて攪拌・脱泡を行い、組成物を得た。
この組成物を型に流し込み、180℃で30分間空気中にて加熱することで、シリコーンレジンパウダーを含有する硬化物の作成を試みたが、発泡のため、硬化物中に多くのボイドが残留し、評価可能なサンプルを得ることができなかった。
上記実施例及び比較例で得られた組成物及び硬化物を用いて、以下のようにして各種物性を測定・評価した。また、その結果を表1に示す。
<試験方法>
(流動性)
作成した組成物の流動性が良好なものを○、流動性はあるがかなり粘度が高いものを△、流動性がほとんど失われているものを×、と目視により評価した。
(硬化物外観)
厚さ2mmの硬化物の試験片を目視により評価した。
(引張り特性(機械強度))
JIS K7113に記載の方法に準じて、(株)島津製作所製のオートグラフAG−10TB型を用いて測定した。測定はn=3で行い、試験片が破断したときの強度(MPa)及び伸び(%)の平均値を採用した。試験片は2(1/3)号形の形状で、厚さが2mm厚の硬化物を用いた。試験は、23℃、500mm/分の試験速度で行った。試験片は原則として、試験前に温度23±2℃、相対湿度50±5%で24時間以上、状態調節したものを用いた。
Figure 2007126609
本発明によれば、柔らかさや基材との密着性を損なうことなく、加工特性、品質安定性に優れ、引張り特性を改善することが可能なポリシルセスキオキサン系表面処理粒子、並びにシリコーン系硬化性組成物を提供することができる。

Claims (4)

  1. 体積平均粒子径が0.01〜5.0μmのポリシルセスキオキサン重合粒子が、R SiCl(4−n)(Rはアルキル基、アリール基、炭素−炭素不飽和結合を有する炭化水素基、エポキシ基を有する炭化水素基、アミノ基を有する炭化水素基、メルカプト基を有する炭化水素基から選ばれる1種もしくは2種以上の置換基、nは1〜3の整数)で示されるアルキルシリルクロライドで表面処理されてなることを特徴とする、ポリシルセスキオキサン系表面処理粒子。
  2. (A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有するポリオルガノシロキサン、(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物、(C)ヒドロシリル化触媒、(D)請求項1に記載のポリシルセスキオキサン系表面処理粒子、を含有することを特徴とするシリコーン系硬化性組成物。
  3. (B)成分の分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物が、平均して1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである請求項2に記載のシリコーン系硬化性組成物。
  4. 前記(D)成分をマスターバッチ法により組成物中に均一に分散させてなることを特徴とする、請求項2又は3に記載のシリコーン系硬化性組成物。
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