以下、本発明の実施の形態について添付図面に基づき詳細に説明する。
<画像形成装置の全体構成>
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置100の全体構成を簡略化して示す図である。
図1を参照して、本実施の形態に係る画像形成装置100は、上部に原稿画像読取部102、中央部に画像形成部104、下部に用紙給紙部106を配置して構成されている。
原稿画像読取部102の上面には、透明ガラス体から成る原稿台108が配置されており、この原稿台108の上に、図3に示す読取原稿載置台350上に載置された複数枚の原稿を1枚ずつ自動的に当該原稿台108の原稿画像読取位置RP上へ給送する原稿自動搬送装置300が備えられている。
また、画像形成部104の一方の側面には、後処理ユニット110が装着されていると共に、用紙給紙部106の下方には、載置台を兼ねた多段給紙ユニット112が配置されている。
原稿画像読取部102は、原稿台108の下方に配置されている。この原稿画像読取部102は、走査ユニット114,116、光学レンズ118、及び光電変換素子であるCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサ120を含み、原稿自動搬送装置300との関連した動作により、原稿台108上に載置された原稿の画像を所定の露光位置において相対的に走査して読取る。
第1の走査ユニット114は、原稿面上を露光する光源ランプユニット122と、原稿からの反射光像を所定の方向に反射させる第1のミラー124とを備えている。光源ランプユニット122の照射光量は、光量センサ126によって検出される。この光量センサ126は、第1の走査ユニット114内に臨ませた状態で光源ランプユニット122の近傍に配置されている。
第2の走査ユニット116は、第1の走査ユニット114内の第1のミラー124で反射された原稿からの反射光をCCDラインセンサ120に導くために、第2のミラー128及び第3のミラー130を備えている。
光学レンズ118は、凸レンズであって、原稿からの反射光をCCDラインセンサ120の受光面に結像させる。
画像形成部104は、感光体ドラム132と、感光体ドラム132を所定の電位に帯電させる帯電器134と、原稿画像読取部102又は図2に示すクライアントPC(パーソナルコンピュータ)500等の外部装置から転送された画像データに応じてレーザ光を出射して感光体ドラム132上に静電潜像を形成するレーザスキャンユニット(以下、「LSU」という。)136と、感光体ドラム132上に形成された静電潜像に現像ローラを介してトナーを供給してトナー像に顕像化する現像器138と、感光体ドラム132上に形成されたトナー像を用紙に転写する転写器140と、転写工程終了後の感光体ドラム132上に残留したトナー等を回収するクリーニング器142とを含む。
感光体ドラム132は、反時計周りに回転自在に画像形成装置100本体に支持されており、帯電器134、LSU136、現像器138、転写器140及びクリーニング器142が当該感光体ドラム132の回転方向に沿ってこの順に配置されている。
LSU136は、その内部に、画像データによって変調されたレーザ光を照射する半導体レーザ146と、回転によってレーザ光を主走査方向に偏向するポリゴンミラー148とを、図示しないレンズ群等と共に備えている。ポリゴンミラー148は、モータ150によって駆動される。
また、画像形成部104には、トナー像が転写された用紙を加熱及び加圧して用紙上にトナー像を定着させる定着ユニット152も設けられている。
定着ユニット152は、一側の加熱ローラ154と他側の加圧ローラ156との一対のローラを備えている。加熱ローラ154には、ヒータ154Aが内蔵されており、この加熱ローラ154の温度は定着温度センサ158によって検出される。
定着ユニット152の排出側には、用紙の両面に画像を形成する両面画像形成モード時に用紙の前後を反転させるスイッチバック路160が形成されており、このスイッチバック路160は、記録済み用紙の排出搬送路としても兼用される。それゆえ、定着ユニット152においてトナー像が定着された用紙は、スイッチバック路160を経て一対の転写ローラを含む排紙ユニット162にて後処理ユニット110へと導かれ、この後処理ユニット110でステープル処理及び穿孔処理等の後処理が施された後、排紙トレイ164,166上に排出される。
用紙給紙部106は、画像形成装置100本体の側面に装着された手差トレイ170、両面ユニット172、給紙トレイ174、及び多段給紙ユニット112に備えられた2段の給紙トレイ176,178から構成される。各トレイ170及び174〜178には、複数枚のプリント用紙が積層した状態で収納される。これら各トレイ170及び174〜178から給紙された用紙は、画像形成部104内の感光体ドラム132と転写器140との間の転写位置へと搬送される。
また、用紙給紙部106には、トレイ170及び174〜178から給紙した用紙を画像形成部104内の感光体ドラム132と転写器140との間の転写位置へと搬送するローラ等の搬送手段が備えられている。
両面ユニット172は、用紙を反転させるスイッチバック路160に通じており、両面画像形成モード時に表裏面が反転された用紙を再給紙する。
排紙ユニット162の一対の排紙ローラは、両面印刷時(用紙反転搬送時)では用紙を挟持した状態で回転方向が逆転し用紙を両面ユニット172に向かって搬送する。
スイッチバック路160と後処理ユニット110との間には、両者を中継して記録済み用紙を後処理ユニット110に搬送する中継搬送路180が設けられおり、この中継搬送路180の導入部(排紙ユニット162側)には、記録済み用紙を、画像形成装置100本体内の排紙トレイ182に排出するか、又は後処理ユニット110に搬送するかを切換えるための第1のゲート184が備えられている。第1のゲート184は、横軸周りに回転自在に画像形成装置100本体に支持されている。記録済み用紙が排紙トレイ182に排出される際には、第1のゲート184が反時計周りに回転してこれに備える姿勢とされる。他方、記録済み用紙が後処理ユニット110に排出される際には、第1のゲート184は時計周りに回転してこれに備える姿勢とされる。
また、スイッチバック路160と両面ユニット172との合流部には、記録済み用紙を画像形成装置100本体内の排紙トレイ182に向かって搬送するか、又はスイッチバック路160から反転搬送される記録済み用紙を両面ユニット172に向かって搬送するかを切換えるための第2のゲート186が備えられている。第2のゲート186は、横軸周りに回動自在に画像形成装置100本体に支持されている。記録済み用紙が排紙トレイ182に向かって搬送される際には、第2のゲート186が時計周りに回転してこれに備える姿勢とされる。他方、記録済み用紙が両面ユニット172にスイッチバックされる際には、第2のゲート186が反時計周りに回転してこれに備える姿勢とされる。
画像形成装置100本体の正面には、操作パネル188が画像形成装置100本体内の排紙トレイ182の位置から正面前方に向かって延設されるように突設されている。
<画像形成装置の電気的構成>
図2は画像形成装置100の電気的構成を示すブロック図である。
本画像形成装置100は、制御中枢を司るメインCPU(Central Processing Unit)200を備えている。このメインCPU200には、ROM(Read−Only Memory)202、RAM(Random Access Memory)204、画像メモリ206、画像処理回路208、HDD(Hard Disk Drive)210、NIC(Netwaork Interface Card)216、操作パネル188、画像形成部104の制御を行なう第1のサブCPU212、原稿画像読取部102の制御を行なう第2のサブCPU214、及び原稿自動搬送装置300の制御を行なう第3のサブCPU302が接続されている。
メインCPU200は、ROM202に予め書き込まれたプログラムにしたがって各入出力機器を統括して制御し、この間に入出力されるデータをRAM204の所定のメモリエリアに一時的に記憶させる。
画像メモリ206は、画像処理回路208から出力された画像データを記憶する。
HDD210は、外部装置としてのクライアントPC500から送信された印字データ及びパスワード等を記憶する。
NIC216はクライアントPC500とLAN(Local Area Network)回線等の通信回線を介して通信を行なうための通信手段である。それゆえ、本画像形成装置100では、クライアントPC500から転送されるプリントデータに基づいて印刷が行なわれると共に、原稿画像読取により得た画像データをNIC216を介してクライアントPC500に転送することもできる。
操作パネル188は、入力キー及び液晶表示パネル等を備えている。操作パネル188の液晶表示パネル上では、本画像形成装置100の状態、利用可能なプリント用紙のサイズ、及び複写倍率等の表示が行なわれる。他方、操作者により操作パネル188の入力キーが操作されると、その操作内容は、メインCPU200等に受け付けられる。ユーザは、入力キーを用いてパスワード等の入力を実行することができる。なお、液晶表示パネルは、液晶画面に触れることで入力が可能な液晶タッチパネルとしても構わない。
第1のサブCPU212は、画像形成部104を制御するための演算処理装置等として機能する。この第1のサブCPU212により制御される画像形成部104は、第1のサブCPU212に加えて、ヒータ154A、定着温度センサ158、ドライバ218及びA/D(Analog−Digital)変換器220を含む。定着温度センサ158は、定着ユニット152において加熱ローラ154の温度を検出し、そのときの温度データをA/D変換器220を介して第1のサブCPU212に出力する。これに伴い、メインCPU200側では、例えばスリープ状態などから通常動作に復帰しようとする際の処理として、第1のサブCPU212に所定のウオームアップコマンドを送信する。第1のサブCPU212は、メインCPU200より所定のウオームアップコマンドを受けると、ヒータ154Aに通電し、定着温度センサ158及びA/D変換器220から得られる温度情報を基に、ヒータ154Aにより加熱される加熱ローラ154の表面温度を所定の温度に一定化するように、ヒータ154Aの通電を制御する。この際、ドライバ218は、第1のサブCPU212から出力された制御データに基づいて、定着ユニット152の加熱ローラ154に内蔵されたヒータ154Aを駆動する。その後、第1のサブCPU212は、加熱ローラ154の表面が所定温度に到達したならば、処理可能状態(レディ状態)に達したと判断してその旨をメインCPU200に通知する。
第2のサブCPU214は、原稿画像読取部102を制御するための演算処理装置等として機能する。この第2のサブCPU214により制御される原稿画像読取部102は、第2のサブCPU214に加えて、光源ランプユニット122内の光源ランプ122A、光量センサ126、ドライバ222及びA/D変換器224を含む。光量センサ126は、光源ランプ122Aが照射した光の光量を検出し、そのときの光量データをA/D変換器224を介して第2のサブCPU214に出力する。これに伴い、メインCPU200側では、スリープ状態から通常動作に復帰しようとする際の処理として、第2のサブCPU214に所定のウオームアップコマンドを送信する。第2のサブCPU214は、メインCPU200より所定のウオームアップコマンドを受けると、光源ランプ122Aに通電し、光量センサ126及びA/D変換器224から得られる光量情報を基に、光源ランプ122Aの光量が所定の光量に一定化するように、光源ランプ122Aの通電を制御する。この際、ドライバ222は、第2のサブCPU214から出力された制御データに基づいて、光源ランプ122Aを駆動する。その後、第2のサブCPU214は、光源ランプ122Aの光量が所定の光量に到達したならば、処理可能状態(レディ状態)に達したと判断してその旨をメインCPU200に通知する。
なお、第1のサブCPU212及び第2のサブCPU214には、特に図示していないが、上記以外にも画像形成部104及び原稿画像読取部102内のモータ、クラッチ、ソレノイド及びセンサ等の原稿画像読取処理時及び画像形成処理時に動作する多数の入出力機器が接続されている。第1のサブCPU212及び第2のサブCPU214は、原稿画像読取処理時及び画像形成処理時に所定のタイミングでセンサの検出データを読取り、この読取った検出データに応じてモータ等を駆動する。
第3のサブCPU302は、原稿自動搬送装置300を制御するための演算処理装置等として機能する。この第3のサブCPU302に制御される原稿自動搬送装置300は、第3のサブCPU302に加えて、モータ304,306,308,310,312、ソレノイド314,316,318、原稿有無検出センサ320,322,324及びドライバ326,328,330,332,334,336,338,340を含み、原稿を自動的に搬送する際に、ドライバ326〜340を介してモータ304〜312及びソレノイド314〜318の駆動をそれぞれ制御する。なお、モータ304〜312、ソレノイド314〜318及び原稿有無検出センサ320〜324の詳細については後述する。
<原稿自動搬送装置の構成>
図3は原稿自動搬送装置300の構成を簡略化して示す図である。
図3を参照して、原稿自動搬送装置300は、読取原稿載置台350、排出ユニット352、分離給紙ユニット354、反転ユニット356及び排紙トレイ360を含む。
読取原稿載置台350は、画像の読取が行なわれる原稿を載置するためのものであって、本実施の形態では、原稿面を上にした状態(いわゆるフェイスアップ状態)で複数枚の原稿が載置される。
排出ユニット352は、画像の読取が完了した原稿を排出口362から排紙トレイ360上に排出するためのものであって、原稿画像読取位置RPに対して読取原稿載置台350と反対側に配置されている。この排出ユニット352には、上下一対の排出ローラ364,366が備えられており、上側の排出ローラ364が第1のモータ304に接続されている。下側の排出ローラ366は、上側の排出ローラ364の回転に従動して回転する。
分離給紙ユニット354は、読取原稿載置台350に載置された複数枚の原稿を1枚ずつ分離して原稿自動搬送装置300本体内に給紙するものであって、読取原稿載置台350の基端部が給紙口368A内に臨むように配置されている。この分離給紙ユニット354には、原稿を繰出す繰出しローラ370、及び下側の分離パッド372との間で原稿を1枚ずつ分離する分離ローラ374が備えられている。繰出しローラ370は、原稿の給紙方向上流側に配置されており、第2のモータ306に接続されている。他方、分離ローラ374は、原稿の給紙方向下流側に配置されており、第3のモータ308に接続されている。また、繰出しローラ370は、読取原稿載置台350に載置された原稿の厚さ方向に変位可能とされており、第1のソレノイド314がオンされると当該繰出しローラ370が原稿に当接する。
反転ユニット356は、分離給紙ユニット354よりも原稿の給紙方向下流側で原稿の搬送方向を反転させるものであって、上記排出口362の上方にて開口された反転口368B近傍に配置され、反転ユニット356と分離給紙ユニット354は原稿読取位置RPの両側にそれぞれが位置するよう配置されている。この反転ユニット356には、上下一対の反転ローラ376,378が備えられており、上側の反転ローラ376が第4のモータ310に正逆転可能に接続されている。下側の反転ローラ378は、上側の反転ローラ376の回転に従動して回転する。なお、本実施の形態では、上記反転ユニット356の反転ローラ376は、モータ310を正回転させると時計周りに回転する一方、モータ310を逆回転させると反時計周りに回転する。
排紙トレイ360は、排出ユニット352の原稿排出方向に沿って延びるように、上記排出口362から突出して設けられている。
分離給紙ユニット354と反転ユニット356との間には、読取原稿載置台350から分離給紙ユニット354により給紙された各原稿を反転ユニット356に導くための第1の搬送路380が設けられている。
反転ユニット356と原稿画像読取位置RPとの間には、反転ユニット356によってその搬送方向が反転された原稿を原稿画像読取位置RPに導くための第2の搬送路382が設けられている。この第2の搬送路382のほぼ中間部には、原稿を原稿画像読取位置RP又は反転ユニット356に向かって搬送するための一対の搬送ローラ384,386が備えられている。一方の搬送ローラ384は、第5のモータ312に接続されている。他方の搬送ローラ386は、一方の搬送ローラ384の回転に従動して回転する。第2の搬送路382に沿って原稿画像読取位置RPに搬送された原稿画像は、図1に示す原稿画像読取部102により読取られる。
原稿画像読取位置RPと排出ユニット352との間には、原稿を原稿画像読取位置RPから排出ユニット352に導くための第3の搬送路388が設けられている。
また、本原稿自動搬送装置300では、第3の搬送路388から分岐して原稿を反転ユニット356に導くための第4の搬送路390、及び第1の搬送路380から分岐して原稿を第2の搬送路382に導くための第5の搬送路392も設けられている。
第3の搬送路388から第4の搬送路390への分岐部には、原稿の搬送路を排出口362に向かう側の第3の搬送路388又は第4の搬送路390に切換えるための第1のガイド394が設けられている。この第1のガイド394は、樹脂製の板状部材であって、基端部が横軸周りに回転自在に原稿自動搬送装置300本体に支持されると共に、先端部が第3の搬送路388から第4の搬送路390への分岐部内に突出するように構成されている。第1のガイド394に関する第3の搬送路388又は第4の搬送路390に対する姿勢は、第3のソレノイド318のオン/オフ制御により切換えられる。
第1の搬送路380から第5の搬送路392への分岐部には、原稿の搬送路を第1の搬送路380から反転ユニット356又は第5の搬送路392に切換えるための第2のガイド396が設けられている。この第2のガイド396は、上記第1のガイド394と同様に樹脂製の板状部材であって、基端部が横軸周りに回転自在に原稿自動搬送装置300本体に支持されると共に、先端部が第1の搬送路380から第5の搬送路392への分岐部内に突出するように構成されている。第2のガイド396に関する第1の搬送路380又は第5の搬送路392に対する姿勢は、第2のソレノイド316のオン/オフ制御により切換えられる。
第1の搬送路380内であって第2のガイド396よりも反転ユニット356側には、反転ユニット356により搬送方向が反転された原稿を第2の搬送路382に導くための第3のガイド398が設けられている。この第3のガイド398は、上記第1のガイド394及び第2のガイド396と同様に樹脂製の板状部材であって、基端部が横軸周りに回動自在に原稿自動搬送装置300本体に支持されると共に、先端部が第1の搬送路380内に突出するように構成されている。第3のガイド398は、上方から弾性バネ400により吊支されており、このバネ400の弾性力によって通常時には先端部が上向き状態に付勢される。
反転ユニット356内の反転ローラ376,378の搬送方向上流側(反転ローラ376,378と第3のガイド398との間)には、当該位置での原稿の有無を検出するための第1の原稿有無検出センサ320が配置されている。この第1の原稿有無検出センサ320は、第1の搬送路380から第2の搬送路382への分岐部内に突出する接触子320Aを有しており、原稿が通過している間は当該接触子320Aが原稿により押され、それによって当該第1の原稿有無検出センサ320のスイッチがオンする。
原稿画像読取位置RPの搬送方向上流側(原稿画像読取位置RPと搬送ローラ384,386との間)には、当該位置での原稿の有無を検出するための第2の原稿有無検出センサ322が配置されている。この第2の原稿有無検出センサ322は、第2の搬送路382に突出する接触子322Aを有しており、原稿が通過している間は当該接触子322Aが原稿に押され、それによって当該第2の原稿有無検出センサ322のスイッチがオンする。
読取原稿載置台350上には、当該読取原稿載置台350上の原稿の有無を検出するための第3の原稿有無検出センサ324が配置されている。この第3の原稿有無検出センサ324は、読取原稿載置台350上に突出する接触子324Aを有しており、原稿が通過している間は当該接触子324Aが原稿に押され、それによって当該第3の原稿有無検出センサ324のスイッチがオンする。
<原稿自動搬送に関するソフトウェア構成>
本原稿自動搬送装置300は、原稿画像読取位置RPで原稿の画像の読取を可能とするべく原稿を自動的に搬送するようにプログラミングされている。このプログラムは、サブCPU302が内蔵する内蔵ROM(図示せず)に記憶されており、以下に説明する本原稿自動搬送装置300の種々の機能を実現する。これらの機能は、実質的にコンピュータの構成要素の1つとなる第3のサブCPU302が上記プログラムを実行することによって実現する。
なお、定常状態においては、第2のソレノイド316はオフ状態にあり、第1の搬送路380から第5の搬送路392への分岐部に突出する第2のガイド396が第1の搬送路380の原稿導入部を遮断する姿勢とされる。
[片面原稿搬送プログラムの構成]
図1及び図2に示す操作パネル188上の入力キーの操作により片面原稿画像読取が選択されると、メインCPU200は、所定の片面原稿搬送コマンドを第3のサブCPU302に送信する。このメインCPU200からの所定の片面原稿搬送コマンドを受けると、第3のサブCPU302は、サブCPU302が内蔵する内蔵ROMに記憶されている片面原稿搬送プログラムにしたがって、以下のような制御を実行する。
図4は原稿自動搬送装置300の片面原稿搬送処理機能を実現するプログラムの制御の流れを示すフローチャートである。
図4を参照して、上記片面原稿搬送コマンドを受信することを契機として、まず、原稿自動搬送装置300の第3のサブCPU302は、第3のソレノイド318をオンすると共に全てのモータ304〜312を正回転させる(ステップS110)。このとき、第1のガイド394が反時計周りに回転して第4の搬送路390の原稿導入部を遮断して第3の搬送路388から排出ユニット352への原稿の搬送が可能な姿勢をとると共に、排出ユニット352の排出ローラ364、分離給紙ユニット354の繰出しローラ370及び分離ローラ374、反転ユニット356の反転ローラ376、並びに搬送ローラ384が時計周り方向に回転する。これに伴って、排出ローラ366、反転ローラ378及び搬送ローラ386は、排出ローラ364、反転ローラ376及び搬送ローラ384の回転に従動回転する。
次に、第3のサブCPU302は、一定時間(例えば、1秒)の間、第1のソレノイド314をオンする(ステップS120)。そうすると、分離給紙ユニット354では、繰出しローラ370が読取原稿載置台350上に載置された複数枚の原稿に当接し、それによって1枚の原稿が読取原稿載置台350から給紙口368Aを通じて第1の搬送路380に繰出される。
続いて、第3のサブCPU302は、第1の原稿有無検出センサ320がオン状態からオフ状態に変化するのを待つ(ステップS130)。第1の原稿有無検出センサ320がオンからオフに変化すると、第3のサブCPU302は、第1の搬送路380から第2の搬送路382への分岐部を原稿の後端が通過したと判断し、一定時間の間、第4のモータ310を逆回転させ、その後に正回転させる(ステップS140)。このとき、反転ユニット356の反転ローラ376が一旦時計周りから反時計周りに一定時間回転方向を変え、その後に時計周りの回転に戻る。その結果、原稿の搬送方向が反転される。具体的には、反転ローラ376の時計周り方向への回転によって、原稿の先端が反転口368Bを通過して一旦外部に突き出し、その後原稿の後端が反転ローラ376を通過する前に、反転ローラ376が反時計周りに回転することによって、原稿が第2の搬送路382を経て原稿画像読取位置RPに向かって搬送される。この状態は、図6(A)の(1)及び図6(B)の(2)によく示されている。なお、上記第4のモータ310を逆回転させる一定時間は、原稿の用紙長さを原稿の搬送速度で除算することによって求められる。この後、反転ローラ376は時計周りの回転に戻る。
その後、第3のサブCPU302は、第2の原稿有無検出センサ322がオフ状態からオン状態に変化するのを待つ(ステップS150)。第2の原稿有無検出センサ322がオフからオンに変化すると、第3のサブCPU302は、反転ユニット356において反転された原稿の先端が第2の搬送路382を経てそれから一定時間後に原稿画像読取位置RPに到着したと判断し、原稿画像読取部102内の第2のサブCPU214に対して、原稿画像読取部102で原稿画像読取位置RPからの原稿の画像読取処理を行なう旨のコマンドを送信する(ステップS160)。
上記のようにして片面画像の読取が行なわれた原稿は、第3の搬送路388及び排出ユニット352を経て排出口362から排紙トレイ360上に順次排出される。この状態は、図6(B)の(3)及び(4)によく示されている。
上記の一連の制御を、第3のサブCPU302は、第3の原稿有無検出センサ324によって読取原稿載置台350上に原稿が有ると検出される限り、繰返し実行する(ステップS170)。
[両面原稿搬送プログラムの構成]
操作パネル188上の入力キーの操作により両面原稿画像読取が選択されると、メインCPU200は、所定の両面原稿搬送コマンドを第3のサブCPU302に送信する。このメインCPU200からの所定の両面原稿搬送コマンドを受けると、第3のサブCPU302は、サブCPU302が内蔵する内蔵ROMに記憶されている両面原稿搬送プログラムにしたがって、以下のような制御を実行する。
図5は原稿自動搬送装置300の両面原稿搬送処理機能を実現するプログラムの制御の流れを示すフローチャートである。
図5を参照して、上記両面画像読取コマンドを受信することを契機として、まず、原稿自動搬送装置300の第3のサブCPU302は、第2のソレノイド316をオンすると共に、全てのモータ304〜312を正回転させる(ステップS210)。このとき、第2のガイド396が反時計周りに回転し第1の搬送路380の下流側への原稿の導入を遮断して第5の搬送路392及び第2の搬送路382の順での原稿画像読取位置RPへの原稿の搬送が可能な姿勢をとる。排出ユニット352の排出ローラ364、分離給紙ユニット354の繰出しローラ370及び分離ローラ374、反転ユニット356の反転ローラ376、並びに搬送ローラ384が時計周りに回転する。これに伴って、排出ローラ366、反転ローラ378及び搬送ローラ386は、排出ローラ364、反転ローラ376及び搬送ローラ384の回転に従動回転する。
次に、第3のサブCPU302は、第3のソレノイド318をオフする(ステップS220)。このとき、第1のガイド394が時計周りに回転し第3の搬送路388の下流側への原稿の導入を遮断して第4の搬送路390からの反転ユニット356への原稿の搬送が可能な姿勢をとる。
続いて、第3のサブCPU302は、一定時間(例えば、1秒)の間、第1のソレノイド314をオンする(ステップS230)。そうすると、分離給紙ユニット354では、繰出しローラ370が読取原稿載置台350上に載置された複数枚の原稿に当接し、それによって1枚の原稿が読取原稿載置台350から第5の搬送路392及び第2の搬送路382を経て原稿画像読取位置RPに向かって繰出される。この状態は、図7(A)の(1)及び(2)によく示されている。
その後、第3のサブCPU302は、第2の原稿有無検出センサ322がオフ状態からオン状態に変化するのを待つ(ステップS240)。第2の原稿有無検出センサ322がオフからオンに変化すると、第3のサブCPU302は、それから所定時間後に原稿の先端が原稿画像読取位置RPに到着したと判断し、原稿画像読取部102内の第2のサブCPU214に対して、原稿画像読取部102で原稿画像読取位置RPからの原稿の裏面画像の読取処理を行なう旨のコマンドを送信する(ステップS250)。
そして、第3のサブCPU302は、第1の原稿有無検出センサ320がオン状態からオフ状態に変化するのを待つ(ステップS260)。第1の原稿有無検出センサ320がオンからオフに変化すると、第3のサブCPU302は、原稿の後端が第1の搬送路380から第2の搬送路382への分岐部を通過したと判断し、一定時間の間、第4のモータ310を逆転させ、その後に正回転させる(ステップS270)。したがって、反転ユニット356の反転ローラ376が一旦時計周り方向から反時計周り方向に一定時間だけ回転方向を変え、その後に時計周りの回転に戻る。その結果、原稿の搬送方向が反転される。具体的には、反転ローラ376の時計周り方向への回転によって、原稿の先端部が反転ユニット356を通過して反転口368Bから外部に一旦突き出し、その後の反転ローラ376の反時計周り方向への回転によって、原稿が第2の搬送路382を経て原稿画像読取位置RPに向かって搬送される。この状態は、図7(B)の(3)及び(4)によく示されている。なお、上記第4のモータ310を逆回転させる一定時間は、原稿の用紙長さを原稿の搬送速度で除算することによって求められる。この後、反転ローラ376は時計周りの回転に戻る。
次に、第3のサブCPU302は、原稿排出に備えて第3のソレノイド318をオンする(ステップS280)。このとき、第1のガイド394が反時計周りに回転し第4の搬送路390の導入部を遮断して第3の搬送路388からの排出ユニット352への原稿の搬送が可能な姿勢をとる。
その後、第3のサブCPU302は、第2の原稿有無検出センサ322がオフ状態からオン状態に変化するのを待つ(ステップS290)。第2の原稿有無検出センサ322がオフからオンに変化すると、第3のサブCPU302は、それから所定時間後に原稿の先端が原稿画像読取位置RPに到着したと判断し、原稿画像読取部102内の第2のサブCPU214に対して、原稿画像読取部102で原稿画像読取位置RPからの原稿の表面画像の読取処理を行なう旨のコマンドを送信する(ステップS300)。
上記のようにして両面画像の読取が行なわれた原稿は、第3の搬送路388及び排出ユニット352を経由して排出口362から排紙トレイ360上に順次排出される。この状態は、図7(C)の(5)及び(6)によく示されている。
上記の一連の制御を、第3のサブCPU302は、第3の原稿有無検出センサ324で読取原稿載置台350上に原稿が有ると検出される限り、繰返し実行する(ステップS310)。
<動作>
[片面原稿搬送動作]
図6は原稿自動搬送装置300における片面原稿画像読取時の原稿搬送経路を図解的に示す図である。同図を参照して、本原稿自動搬送装置300の片面原稿搬送動作について説明する。
原稿の搬送に先立ち、第3の搬送路388から第4の搬送路390への分岐部内に突出する第1のガイド394を反時計周りに回転させて第4の搬送路390の原稿導入部を遮断する姿勢とする。
そして、読取原稿載置台350上に載置された複数枚の原稿は、分離給紙ユニット354によって1枚ずつ分離されて給紙口368Aから原稿自動搬送装置300本体内に給紙される。この原稿自動搬送装置300本体内に給紙された原稿は、第1の搬送路380を経由して反転ユニット356に搬送され、原稿の先端が反転口368Bに臨む。このとき、第1の搬送路380から第2の搬送路382への分岐部内に突出する第3のガイド398は、搬送されてきた原稿の先端に押され、図3に示すバネ400の弾性力(付勢力)に抗して反時計周りに回転して原稿を反転ユニット356に導入させる姿勢をとる。すなわち、原稿の搬送状態は図6(A)の(1)の状態となる。さらに、原稿の先端は反転口368Bから外部に突き出す。原稿の後端が図3に示すセンサ320を過ぎたところで反転ローラ376が反時計周りに回転を始める。
その結果、原稿は、反転ユニット356から第2の搬送路382、原稿画像読取位置RP、第3の搬送路388及び排出ユニット352の順に搬送される。このとき、原稿の片面画像が原稿画像読取位置RPにて読取られる。片面画像が読取られた原稿は、排出口362から排紙トレイ360上に排出される。すなわち、原稿の搬送状態は、図6(B)に示す(2)〜(4)の状態となる。
[両面原稿搬送動作]
図7は原稿自動搬送装置300における両面原稿画像読取時の原稿搬送経路を図解的に示す図である。同図を参照して、本原稿自動搬送装置300の両面原稿搬送動作について説明する。
(裏面画像読取)
原稿の裏面画像の読取に先立ち、上記第1のガイド394を時計周りに回転させて第3の搬送路388の下流側への原稿の導入を遮断する姿勢とする。第1の搬送路380から第5の搬送路392への分岐部内に突出する第2のガイド396を反時計周りに回転させて第1の搬送路380の下流側への原稿の導入を遮断する姿勢とする。そして、分離給紙ユニット354によって分離した読取原稿載置台350上の1枚の原稿は、給紙口368Aから第2の搬送路382、原稿画像読取位置RP及び第3の搬送路388の順に搬送される。このとき、原稿の裏面画像は原稿画像読取位置RPにて読取られる。すなわち、原稿の搬送状態は、図7(A)の(1)及び(2)に示す状態となる。
(反転)
上記裏面画像が読取られた原稿は、第3の搬送路388、第4の搬送路390、反転ユニット356、第2の搬送路382の順に搬送されることによって、その搬送方向が反転される。すなわち、原稿の搬送状態は、図7(B)の(3)及び(4)に示す状態となる。
(表面画像読取)
原稿の表面画像の読取に先立ち、上記第1のガイド394を反時計周りに回転させて第4の搬送路390の原稿導入部を遮断する姿勢とする。そして、上記搬送方向が反転された原稿は、第2の搬送路382、原稿画像読取位置RP、第3の搬送路388及び排出ユニット352の順に搬送される。このとき、原稿の表面画像が原稿読取位置RPにて読取られる。表面画像が読取られた原稿は、排出口362から排紙トレイ360上に排出される。すなわち、原稿の搬送状態は、図7(C)の(5)及び(6)に示す状態となる。
[厚紙両面原稿搬送動作]
上記した両面原稿搬送動作では、原稿は第5の搬送路392を通過する必要がある。第5の搬送路392は、曲がり方が比較的急な曲線となっている。そのため、通常の原稿では問題がないが、厚紙の両面原稿の両面を読取る場合には、第5の搬送路392を使用しない方が安全である。本実施の形態では、次のような搬送形態と読取動作とを行なうことで、こうした問題を解決する。以下の説明では、単に原稿の搬送経路のみを述べる。個々の搬送時のガイドの姿勢などについては、上記した片面原稿の読取時及び両面原稿の読取時のものと同様である。
厚紙両面原稿は、第1の搬送路380から反転ユニット356に送られ、反転ユニット356で反転された第2の搬送路382に送られる。さらに、厚紙両面原稿は、原稿画像読取位置RPを通過して第3の搬送路388から第4の搬送路390を経て再度反転ユニット356に送られる。
反転ユニット356でこの厚紙両面原稿を反転させて、再度第2の搬送路382から原稿を原稿画像読取位置RPに送る。原稿画像読取位置RPにおいて、原稿の裏面の読取が行なわれる。
次に、原稿は第3の搬送路388、第4の搬送路390を経てもう一度反転ユニット356に送られる。反転ユニット356で原稿を反転し、第2の搬送路382から原稿画像読取位置RPに送る。原稿画像読取位置RPにおいて、この原稿の表面の画像を読取る。
この後、原稿は第3の搬送路380から排出口362を経て排紙トレイ360上に排出される。
上記した経路では、反転を3回行なうため、読取に時間がかかる。しかし、原稿が通過する経路は第5の搬送路392を含まないため、厚紙原稿でも無理なく搬送と読取とを行なうことができる。
<作用・効果>
本実施の形態の原稿自動搬送装置300によると、以下の作用・効果を奏する。
読取原稿載置台350と排紙部(排出ユニット352及び排紙トレイ360)との両者を原稿画像読取位置RPに対して両側方(左右方向)に離間させて配置している。そのため、読取原稿載置台350と排出ユニット352及び排紙トレイ360を含む排紙部とが反転ユニット356に対して上下に折り重ならない。その結果、排紙原稿の視認がし易くなると共に反転ユニット356でのジャム原稿の取除き作業も容易となる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では、光源ランプユニットの光量を検出するための手段として、光量センサを用いた例について記載した。しかし、本発明は、そのような構成に限定されない。例えば、CCD等の電荷結合素子を利用して光源ランプユニットの光量を検出するように構成してもよい。また、上記実施の形態では、原稿自動搬送装置の原稿有無検出センサとして、接触子が原稿に接触するか否かによって原稿の有無を検出する接触式センサを用いた例について記載した。しかし、本発明は、そのような構成に限定されない。例えば、フォトインタラプタ等の発光素子と受光素子とを光学的に結合して成る光結合装置を利用して原稿の有無を無接触で検出するように構成してもよい。その他、本明細書に添付の特許請求の範囲内での種々の設計変更及び修正を加え得ることは勿論である。
すなわち、本明細書で開示した実施の形態は単に例示であって、本発明が上述した実施の形態のみに限定されるわけではない。本発明の範囲は、本明細書の記載内容を参酌した上で、別紙の特許請求の範囲における請求項によって示され、そこに記載された文言と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含む。