JP2005247580A - 自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置 - Google Patents

自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 構成が簡単で、原稿曲がりの発生しない、安価な自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置を提供すること。
【解決手段】 自動原稿搬送装置を有する画像形成装置において、制御手段は、原稿のサイズが同一の原稿束から1枚毎に原稿を搬送する通常の搬送制御を行う通常モードと、サイズが異なる原稿が混載された原稿束から1枚毎に原稿を搬送する搬送制御を行う混載モードとを有し、前記通常モードを実行する際には、原稿検知センサにより原稿の後端部が検知されてから第1の設定時間の経過後に原稿を停止させる搬送制御を行ない、前記混載モードを実行する際には、前記第1の設定時間に代えて、前記第1の設定時間より長い時間が設定された第2の設定時間により搬送制御を行うようにしたこと。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、スキャナー等の原稿の画像情報を読取ることができる画像形成装置に関し、特に、原稿載置台に載置した原稿束から原稿を1枚毎に取り出して、搬送された原稿の画像情報を読取手段で読み取ることができる自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置に関する。
最近では、原稿に記載された画像情報(例えば、文字、数字、記号あるいは絵や図および写真等の情報。)を光電的に読取る技術や読み取った大量の情報を、例えばデジタルデータに変換してメモリ等の記憶手段に記憶する技術、あるいは、デジタルデータを通信手段を利用して伝送したり、再現したりする技術が著しく進歩し、この影響を受けて複写機、プリンタ、ファクシミリ、スキャナー等の画像形成装置においても、大量の原稿の画像情報を高速で処理することが可能となり、ますます大量の原稿を取り扱うことが要求されるようになっている。
そこで、大量の原稿を読み取る場合は、一般に、自動原稿搬送装置(自動原稿送り装置またはADFともいう。)が用いられることが多い。
自動原稿搬送装置は、原稿載置台と複数のローラ等からなる搬送装置を有し、原稿載置台に載置した原稿束から1枚毎に原稿を取り出し、自動的に画像形成装置の読取手段に搬送し、原稿の片面または両面の画像情報を容易に読み取れるようにした搬送装置の作動を制御する制御回路を備えている。
自動原稿搬送装置では、原稿積載台に載置されている原稿束から、例えば送り出しローラと呼ばれる給紙手段により原稿を1枚毎に取り出し、一対のローラからなるレジストローラやフィードローラと呼ばれるローラ等で構成された搬送装置により、長い搬送路を通過させて画像形成装置の読取手段の読取位置に到達させるため、これらの搬送装置等との関係で、搬送中に搬送方向に対して原稿が傾いてしまう「原稿曲がり」と称する現象を発生させることがある。
このような大きな原稿曲がりが発生した時には、自動原稿搬送装置の搬送路内で紙詰まりを起こしたり、原稿が折れ曲がって破損してしまうジャムと称する問題が生じていた。
従来では、このような原稿曲がりを、搬送路の各所に設置したセンサで、例えば、原稿の搬送時間等を測定して搬送状態を検出し、複数のモータとローラからなる搬送装置の作動を制御すると共に、停止させたローラの周面に原稿の先端部を突き当てることにより原稿曲がりを修正して搬送するようにしていた(例えば、特許文献1参照。)。
特開平8−272161号公報
しかしながら、大量の原稿は全てが同一のサイズの原稿とは限らず、様々なサイズの原稿があり、近年の自動原稿搬送装置では、このような様々なサイズの原稿が混在した原稿束を大量に取り扱うことが要求されている。
従って、前述の特許文献1と同様の方法で原稿曲がりのない原稿の搬送を実現しようとすると、自動原稿搬送装置は、原稿のサイズに応じて原稿の搬送状態を検出する必要があり、原稿のサイズに応じて原稿の搬送状態を検出できるセンサを各所に配置しなければならず、また、それらのセンサからの検出信号により、複数のモータやローラ等で構成された搬送装置を細かく制御する必要がある。
すなわち、このような制御は、極めて複雑な制御となるばかりでなく、複数のセンサや複数のモータからなる搬送装置を設ける必要があるため、製作する費用も増加し、極めて高価な自動原稿搬送装置となり、安価な自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置を提供することができなくなるという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑み、構成が簡単で、原稿曲がりの発生しない、安価な自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、下記構成を採ることにより上記目的を達成できる。
(請求項1) 原稿載置台に載置された原稿束から1枚毎に原稿を取り出す給紙手段と、前記給紙手段により取り出された原稿を、下流側の搬送路へと搬送する第1の搬送手段と、前記第1の搬送手段により搬送された原稿を、更に下流側の搬送路へと搬送する第2の搬送手段と、前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段の間の搬送路に設けられ、搬送される原稿の後端部を検出する原稿検知センサと、前記給紙手段、前記第1の搬送手段および前記第2の搬送手段を作動させて前記原稿載置台から原稿を搬送する搬送制御を繰り返して行う制御手段とを備えた自動原稿搬送装置を有する画像形成装置において、
前記制御手段は、原稿のサイズが同一の原稿束から1枚毎に原稿を搬送する通常の搬送制御を行う通常モードと、サイズが異なる原稿が混載された原稿束から1枚毎に原稿を搬送する搬送制御を行う混載モードとを有し、前記通常モードを実行する際には、前記原稿検知センサにより原稿の後端部が検知されてから第1の設定時間の経過後に原稿を停止させる搬送制御を行ない、前記混載モードを実行する際には、前記第1の設定時間に代えて、前記第1の設定時間より長い時間が設定された第2の設定時間により搬送制御を行うことを特徴とする自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
(請求項2) 前記制御手段は、前記第2の搬送手段の下流側の近傍の位置に原稿を停止する搬送制御を行なうことを特徴とする請求項1に記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
(請求項3) 前記制御手段は、前記第2の搬送手段に挟持されない状態で原稿を停止する搬送制御を行なうことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
(請求項4) 前記第2の設定時間は、前記第1の設定時間に対して、少なくとも、原稿の後端部が搬送方向に対して傾いた時の傾き量分の距離を搬送する時間を加算した時間であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
(請求項5) 前記第2の設定時間は、混載する原稿のサイズの組み合わせに拘わらず一定値に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
(請求項6) 前記第2の設定時間は、混載する原稿のサイズの組み合わせに応じて予め設定されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
(請求項7) 前記原稿検知センサは、前記第2の搬送手段の近傍に設けられることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
(請求項8) 駆動源を有し、前記給紙手段と前記第1の搬送手段を前記駆動源の第1の回転方向で駆動し、前記第2の搬送手段を前記駆動源の第2の回転方向で駆動する駆動手段を有することを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
(請求項9) 前記制御手段は、原稿を前記原稿載置台から搬送する際に、前記駆動源を前記第1の回転方向に作動させることにより前記給紙手段と前記第1の搬送手段を作動させて原稿の搬送を開始させ、その後引き続いて前記第2の回転方向に作動させることにより前記第2の搬送手段を作動させて、前記原稿検知センサにより原稿の後端部が検知されてから第1の設定時間又は第2の設定時間の経過後に、前記駆動源の作動を停止させ、その後に原稿を更に下流側の搬送路へと搬送させる搬送制御を行なうことを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
本発明は、混載モードを実行する場合は、原稿検知センサにより原稿の後端部が検知されてから第2の設定時間の経過後に、原稿の搬送を停止させた後に原稿を更に下流側の搬送路へと搬送させるようにしたので、サイズが異なる原稿であっても、原稿が曲がった状態で第2の搬送手段に挟まれて停止することがなく、常に、原稿が大曲がりしてジャム等を発生させることを防止し、構成が簡単で、原稿曲がりの発生しない、安価な自動原稿搬送装置を有する画像形成装置を提供することができる。
特に、制御手段は、通常モードを実行する場合と混載モードを実行する場合とで、原稿検知センサにより原稿の後端部が検知されてから原稿の搬送を停止させるまでの設定時間を変更するようにしたので、何れのモードにおいても、ジャム等が発生しない自動原稿搬送装置を有する画像形成装置を提供することができる。
更に、制御手段は、第2の搬送手段の下流側の近傍の位置に原稿を停止する、あるいは、第2の搬送手段に挟持されない状態で原稿を停止する搬送制御を行なうので、第2の搬送手段に原稿が挟持されることに起因する原稿曲がりの発生を防止することができ、原稿の円滑な自動搬送ができる。
また、本発明は、第2の設定時間を原稿の後端部が搬送方向に対して傾いた時の傾き量分の距離を搬送する時間を加算した時間に設定することで、原稿がローラに挟まれた状態で停止することを防止できるので、更に搬送路の下流側で原稿を大曲がりさせてジャム等を発生させることを防止することができる。
また、第2の設定時間を一定値に設定することにより、簡単に制御できるので安価な制御回路を提供することができる。
更に、第2の設定時間は、混載する原稿のサイズの組み合わせに応じて予め設定すれば、使用する原稿のサイズに応じて、少しでも無駄な時間を削減でき、生産性の高い画像形成を実現できる。
なお、原稿検知センサを第2の搬送手段の近傍に設けたことにより、原稿曲がりによるジャムを防止するための設定時間を一層短い時間に設定することができ、無駄な時間のない効率的な搬送制御を行うことができる。
また、本発明は、駆動源の第1の回転方向と第2の回転方向とを切り換えて、複数の搬送手段等を駆動するようにしたので、1つの駆動源で駆動でき、制御が容易で安価な搬送手段を備えた自動原稿搬送装置を有する画像形成装置を提供することができる。
また、駆動源を第1の回転方向と第2の回転方向とに適宜に切り換えて作動させることにより、原稿の搬送制御を円滑で効率的に、しかも容易に行うことができるようにしたので、搬送機構や制御回路等も簡単になり、安価な搬送手段や制御手段を備えた自動原稿搬送装置を有する画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は、これに限定されるものではない。なお、各図面において、同一符号のものは同一の物を示すものとし、適宜、関連する他の図面を参照して、詳細に説明するものとする。
図1は本発明に係る自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置の概略図、図2は本発明に係る自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置の回路構成を示すブロック図、図3は本発明に係る自動原稿搬送装置の搬送制御を示す模式図である。
図1により本発明に係る画像形成装置の構成について説明する。なお、本発明の実施の形態における画像形成装置は、説明を簡単にするために電子写真方式の複写機とする。電子写真方式の複写機はよく知られているので、本発明と直接関わりのない部分に関しては簡単に説明する。
20は画像形成装置全体を示し、画像形成装置20の筐体1の右側面部には、比較的少量の紙やOHPシート等の通常の転写材(転写紙または普通紙ともいう。)Pを供給するための手差し皿2が設けられている。
また、左側面部には、画像が形成され排出された通常の転写材P、又は、例えば、インデックス原稿に基く画像を形成したりするときに使用する特殊な転写材(例えば、インデックス用紙。)IPを排出して積載するための排紙皿3が設けられている。
筐体1の前面の上部には、画像形成装置20を作動させるための表示手段及び操作入力手段としてのコントロールパネルCPが設けられている。
コントロールパネルCPには、例えば、液晶表示装置、あるいは、表示装置にタッチパネル等が組み込まれた表示手段としての液晶表示装置DP、数値等を入力するキーボードKB、及び、コピー等の一連の画像形成動作を実行させるスタート釦(コピー釦ともいう。)SK等からなる入力装置とが設けられている。
筐体1の底面部には画像形成装置20を移動できるようにするための複数のローラ4が設けられている。
筐体1の内部には、制御手段EC、画像形成手段11、画像読取手段13、及び給排紙手段14等が設けられている。
制御手段ECは、制御回路とも呼ばれ、画像形成装置20の全ての作動を制御するための手段で、後述するCPU等からなる電気回路で構成されている。そして、CPUに予め記憶された制御プログラムや制御データ等に基づき、画像形成装置20を構成する全ての手段を駆動制御するようになっている。
画像形成手段11は、原稿の画像情報に基づく画像を形成するための手段である。例えば、モータ等の駆動源により予め設定された作像方向(矢印Y)に回転する感光体ドラム5、感光体ドラム5を一様に帯電する帯電手段6、原稿の画像情報(画像データともいう)に基づき信号化され、感光体ドラム5に静電潜像を形成する露光光E、感光体ドラム5に形成された静電潜像をトナー像として顕像化する現像手段7、感光体ドラム5に形成されたトナー像を転写材P等に転写する転写分離手段8、トナー像が転写材P等に転写された後、感光体ドラム5に残留するトナーや紙粉等を掻き落とすためのクリーニング手段9、及び、転写されたトナー像を転写材Pに溶融固着するための定着手段10等により構成されている。
なお、定着手段は、熱源(ヒータ)により加熱される定着ローラに加圧ローラを圧接させ、転写材を両ローラで挟持搬送しながら熱と圧力とにより未定着トナー像の定着を行なうヒートローラ方式の熱定着装置とする。
読取装置ESは、画像形成装置20が複写機の場合は、プラテンガラス(図示せず)上に載置した原稿や自動原稿搬送装置30で、読取位置に搬送された原稿の画像情報を読み取り、デジタルの画像データに変換して、後述する記憶手段160に画像データを記憶するようになっている。
自動原稿搬送装置(ADF)30により搬送された原稿を画像読取手段13で読み取る場合は、読取位置に搬送された原稿を光源LTが照射し、ミラーMR1、MR2、MR3を介して、原稿からの反射光を結像レンズLZにより読取装置ESのCCD面に結像させ、CCDの出力する画像情報を画像データとして記憶する。
給排紙手段14は、給紙カセット12と、駆動源としてのモータ(図示せず。)や複数のローラ等からなる給排紙搬送装置で構成されている。
給紙カセット12は、特殊な転写材IP(例えば、インデックス用紙。)を収納する特殊な転写材用カセット12aと、普通紙Pを収納する普通紙用カセット12bとで構成されている。
給排紙搬送装置は、制御手段ECの指示により、原稿に基づき特殊な転写材IP又は普通紙Pを選択した後に、モータを回転させると共に複数のローラ等を回転駆動させて、給紙カセット12から適切なタイミングで感光体ドラム5に向けて普通紙P又は特殊な転写材IPを給紙搬送し、画像が形成された後に、排紙皿3へ排紙搬送するようになっている。
筐体1の上部には、自動原稿搬送装置(ADF)30が装備されており、画像形成装置20の画像読取手段13と連動して、原稿を自動的に読取装置ESの読取位置に向けて搬送し、読取装置ESにより原稿の画像情報を読み取らせることができるようになっている。
ADF30は、搬送装置全体がADF筐体31で覆われ、ADF筐体31の外部に原稿載置台32と排紙部33が設けられている。
原稿載置台32には、第1頁の原稿面(表面)を最上部にした状態の複数の原稿WPが載置される。載置された原稿WPは、原稿搬送装置により読取位置に搬送され、読取装置ESで読み取られ、排紙部33に排紙される。
例えば、複数ページから成る原稿束の最上部に、インデックス原稿が載置された形態の原稿WPの場合も同様に搬送され、読み取られ、排紙される。
なお、インデックス原稿は、原稿束の内容の要約等が記載され、一般に、インデックス用紙としてはタブと呼ばれる突出部を有する厚手の紙が使用されている。
原稿搬送装置は、図示せぬ駆動制御回路により、画像形成装置20の制御手段ECと連動して作動するようになっている。
原稿搬送装置は、矢印J方向に揺動して原稿載置台32に載置された原稿WPを1枚づつ取り出す送りローラ34、取り出された原稿を下流側の搬送路へと搬送する搬送ローラ(A)35、搬送ローラ(A)35により送られた原稿WPを、例えば、一旦停止させ、適切なタイミングで順次搬送させるための一対のローラからなり、レジストローラとも呼ばれるる搬送ローラ(B)36、従動して回転するローラ38に対向して設けられ、原稿WPをローラ38との間に挟持して従動回転する搬送ローラ(C)37、搬送されてきた原稿WPをローラ38との間に挟持して、読取装置ESで読み取れるように、読取位置に搬送する読取ローラ39、読み取られた原稿WPを矢印L方向に排紙搬送する一対の排紙ローラ40、原稿WPを裏返して裏面の画像情報を読み取れるようにK方向に搬送するための反転部材41、及び、搬送された原稿WPを検出し検知情報を出力する原稿検出センサS1等で構成されている。
特に、本実施の形態においては、原稿を搬送する搬送装置の駆動機構を簡単な構成にするために、給紙手段としての送りローラ34、第1の搬送手段としての搬送ローラ(A)35、および第2の搬送手段としての搬送ローラ(B)36は1つの駆動手段であるモータにより回転駆動され、例えば、送りローラ34と搬送ローラ(A)35は第1の回転方向(正転)で作動し、搬送ローラ(B)36は第2の回転方向(逆転)で作動するようになっている。
そして、これらのローラまたはこれらのローラに駆動力を伝達する機構には、例えば、一方クラッチが組み込まれていて、予め設定された回転方向とは異なる回転方向の駆動が行われた場合、例えば、モータが正転している時は、搬送ローラ(B)36は停止しており、逆転する時は送りローラ34と搬送ローラ(A)35が停止するようになっている。
原稿検出センサS1は、フォトセンサや機械的なスイッチ等により構成され、搬送ローラ(A)35と搬送ローラ(B)36との搬送路の間で、搬送路ローラ36の上流側の近傍に配置されている。
制御手段は、原稿検出センサS1により搬送方向における原稿WPの例えば後端部が検出され、原稿WPの搬送が完了したことを検出することにより原稿検出センサS1から出力される情報(信号)によって、前述の搬送ローラを回転駆動するためのモータの回転方向を切換えて、次の原稿WPの搬送を制御するための搬送情報を得たり、搬送された原稿の枚数(ページ数ともいう。)を計測する計数情報を得ることができるようになっている。
従って、原稿検出センサS1で検出された情報を計数する場合は、計数情報として後述する情報制御回路120を介して記憶手段160に記憶される。原稿の搬送を制御するための搬送情報として使用する場合は、情報制御回路120を介して駆動制御回路150に伝達され、この情報に基づき、前述のモータを回転させたり停止させたり、あるいは、回転方向を切り替えたりするようになっている。
なお、詳細は割愛するが、搬送作動には、原稿WPの片面のみの画像情報を読み取らせる片面モードと原稿WPの表裏両面の画像情報を読み取らせる両面モードがあり、反転部材41が軸41aを中心に揺動することにより片面モードと両面モードでの読み取りが可能になっている。
次に、図2により本発明に係る画像形成装置の回路構成について説明する。
100は画像形成装置20全体の各種手段と回路との構成を示しており、110は画像形成装置全体の制御を行うCPUであり、画像形成装置20を制御するための各種モードのプログラムやプログラムを実行するために必要なデータ等が予め記憶されている。
CPU110には、情報制御回路120、画像処理回路140、駆動制御回路150および電源回路400等が接続されている。そして、これらの回路により図1に示す制御手段ECが構成され、画像形成装置20全体の制御ができるようになっている。
また、自動原稿搬送装置30が装着されている場合は、自動原稿搬送装置30の制御回路(図示せず。)と連携して、画像形成装置20を中心とする画像形成システム全体を円滑に作動するように制御する制御手段としても機能するようになっている。
情報制御回路120は、CPU110の指示により、インタフェース(I/F)130を介して外部情報機器500と接続して、文字や画像等の画像情報や画像形成等に必要な濃度や倍率等の設定情報をJOB情報として、1つの印刷単位である1JOB単位で入力し記憶手段160に記憶する。また、記憶手段160に記憶された設定情報等を画像処理回路140や駆動制御回路150、あるいは表示手段300等に出力するようにしている。
また、情報制御回路120は、外部情報機器500から入力したJOB情報の他に、JOB情報に付随したデータ(JOBデータともいう。)、例えば、画像処理回路140や駆動制御回路150等を含む各種回路や各種手段を作動させるための詳細な制御に関する指示情報等の入出力、及び操作入力手段200で入力された転写材の種類や画像形成モード等に関連する各種情報等を、自動的に、画像形成装置の作動に支障がないように、適宜円滑に画像形成装置の各回路や各種手段に伝達する機能を有している。
なお、外部情報機器500としては、主としてコンピュータやインターネット・サーバーであるが、場合によっては、ローカル・エリア・ネットワーク(LAN)上の他の画像形成装置、あるいは、デジタル・カメラや計測した情報を出力可能な計測装置等の情報機器が想定される。
インタフェース(I/F)130は、情報授受手段であり、前述のコンピュータや他の画像形成装置、インターネット・サーバー等の外部情報機器500と各種ネットワークを介して接続できるように構成されている。
操作入力手段200は、画像形成装置20のコントロールパネルCPに設けられたキーボードKB、及び、スタート釦SK等の釦類からなる入力装置、及び、表示装置を兼ねるタッチパネル方式の液晶表示装置DP等により構成されている。
例えば、キーボードKBを操作することにより、転写材の出力枚数や種類(例えば、インデックス紙、厚紙、普通紙、薄紙、再生紙、OHPシート、再利用紙等)、あるいは拡大縮小等の倍率や出力画像の濃度等の設定情報が入力でき、液晶表示装置DPを使用して、画像形成装置20の各種作動モードを設定することができるようになっている。
表示手段300には、操作入力手段200により前述の各種情報を入力する際の操作手順や各種情報の一覧表示、あるいは記憶手段160に記憶された情報の表示、画像形成装置の作動中の状態表示や警告表示等が表示されるようになっている。
本発明の実施の形態においては、表示と入力を兼ねた動作が可能なタッチパネル方式の表示装置DPにより、主に転写材の種類や収納場所及び各種作動モードの一つである画像形成モードを選択設定できるようにしている。
画像形成モードは、(1)片面印字原稿を片面印字出力する。(2)片面印字原稿を両面印字出力する。(3)両面印字原稿を片面印字出力する。(4)両面印字原稿を両面印字出力する。以上4つのモードがあり、それぞれボタン表示されていて選択設定できるようになっている。
また、転写材の種類に関しては、普通紙、厚紙、薄紙、インデックス紙、再生紙、OHPシート、再利用紙等が選択でき、また、転写材の収納場所に関しても、カセット12や手差し皿2等が選択できるようになっている。
画像処理回路140は、CPU110の指示により、画像読取手段13が読み取った原稿の画像情報をデジタル変換して、画像データとして記憶手段160に記憶させたり、或いは、画像形成手段11が画像を形成する際に、記憶手段160に記憶されている画像データを画像形成手段11の画像形成方式に適したデータや信号等に変換する回路である。
駆動制御回路150は、CPU110の指示により、画像形成手段11、画像読取手段13、給排紙手段14、及び、ADF30等を、予め設定された作動モードに基づき、適切なタイミングで作動させ画像形成作動を行なわせるための回路である。
記憶手段160は、画像を形成するために必要な画像データ及び画像形成装置20を制御するための設定条件等からなるJOB情報やJOBデータ、及び、各種設定モードのプログラム等の情報を記憶するようになっている。
なお、JOB情報及びJOBデータに関して、本発明の実施の形態においては、以下のように定義する。
JOB情報とは、画像形成装置20が複写機の場合は、例えば、原稿の画像情報に基づき、原稿をセットし、片面又は両面モードの選択、給紙カセットの選択、コピー部数の選択、印刷濃度の選択などの、個々の仕事(JOB)の情報を意味し、出力設定を行い、コピー開始を指示することにより決定される一連の印刷データをいう。そして、このような1つの印刷指示(1印刷単位ともいう。)に対応した印刷データ群を1JOBという。
また、同様に、画像形成装置が、例えば、プリンターの場合は、外部情報機器500から送信された一連の印刷データ群をJOB情報といい、1つの印刷指示に対応した印刷データ群を1JOBという。そして、1JOB毎にJOB情報やJOBデータを取り扱うことを1JOB単位という。
なお、JOBデータとは、JOB情報に付随した、例えば、転写材に応じた搬送速度の設定、あるいは、画像形成動作を実行するための詳細な制御項目に関連する制御値のデータをいう。
従って、記憶手段160には1つのJOB毎に、つまり1JOB単位(単に、JOB単位ともいう。)でJOB情報やJOBデータが記憶されている。
画像形成手段11は、図1に示すように、感光体ドラム5、帯電手段6、現像手段7、転写分離手段8、クリーニング手段9、定着手段10等により構成され、駆動制御回路150により作動される。
従って、画像形成手段11は、画像読取手段13で読み取られ、記憶手段160に記憶された画像データ及びJOB情報やJOBデータに基づいて制御されて、感光体ドラム5に画像を形成し、普通紙Pまたは特殊な転写材IPに画像を転写し記録するようになっている。
画像読取手段13は、図1に示すように、読取光学系と読取装置ESとで構成されている。駆動制御回路150により作動され、読取位置に搬送された原稿の画像情報を読取装置ESで読み取り、読み取られた画像情報は、例えば、画像処理回路140により、デジタルの画像データに変換して、記憶手段160に記憶するようになっている。
給排紙手段14は、図1に示すように、特殊な転写材IPと普通紙Pを収納する給紙カセット12と給排紙搬送装置で構成されている。
給排紙搬送装置は、CPU110の指示により、特殊な転写材IP又は普通紙Pが選択された後に、駆動制御回路150を介して作動する。給紙カセット12から選択された特殊な転写材IP又は普通紙Pを適切なタイミングで感光体ドラム5に向けて給紙搬送し、画像が形成された特殊な転写材IP又は普通紙Pを、片面モードか両面モードかにより搬送経路を適切に変更して、最終的には排紙皿3へ排紙搬送するようになっている。
自動原稿搬送装置(ADF)30は、例えば、ADF用の制御回路(図示せず。)を有し、図1に示すように、原稿載置台32に載置された原稿を原稿搬送装置により自動的に1枚づつ読取位置に搬送する装置で、画像形成装置20のCPU110の指示により、駆動制御回路150と連携して作動する。
ADF用の制御回路は、画像形成装置20のスタート釦SKが操作されると、CPU110の指示により、駆動制御回路150を介して作動が開始され、予め設定されたプログラムに基づき作動するようになっている。
そして、原稿検出センサS1から出力される搬送情報に応じて、前述のようにモータを正転または逆転させて、搬送ローラ等を作動させ、原稿載置台の原稿束から原稿WPを1枚毎に取り出し、画像形成装置20の読取位置方向へ搬送させるようになっている。
電源回路400は、使用者の操作により、電源スイッチ(図示せず)が投入されると、電源から適切な通電が画像形成装置全体に行われ、電源スイッチが遮断されると、通電が遮断されるようになっている。
なお、電源スイッチが投入されていても、例えば、画像形成装置を待機状態にする省電モードの場合は、CPU110の指示により、一時的なメモリの記憶内容等の保存のために必要な通電のみを継続し、定着手段のヒータ等の他の通電を遮断するするようになっている。
図3により、本発明に係る自動原稿搬送装置の搬送制御をについて説明する。なお、図3(a)は、自動原稿搬送装置の主要部の側面図であり、図3(b)は、主要部の平面図を表すものとする。
図3(a)において、34は送りローラ、35は一対の搬送ローラ(A)、36は一対の搬送ローラ(B)であり、34d、35d、36dはそれぞれのローラの回転軸である。また、これらのローラ等の機構は、図示せぬ駆動源であるモータおよび歯車やベルト等の駆動力伝達機構からなる駆動手段により作動が制御されるようになっている。
特に、送りローラ34(給紙手段)は、回転軸34dと搬送ローラ(A)35の回転軸35dとの間に設けられた腕部材34bにより、回転軸35dを中心に矢印J方向に往復揺動するようになっており、原稿載置台32の原稿位置規制部Gの側面に沿って位置決めされ載置された原稿WPから1枚の原稿P(A)を取り出すときは、矢印Jの時計方向に揺動し、原稿WPの最上部の原稿P(A)と接触して回転することにより1枚の原稿P(A)を取り出し、矢印F方向に搬送することができるようになっている。
搬送ローラ(A)35(第1の搬送手段)は、送りローラ34で取り出された1枚の原稿P(A)を一対のローラで挟持して搬送ローラ(B)36(第2の搬送手段)の方向に搬送するようになっており、搬送ローラ(B)36は、搬送ローラ(A)35により送られてきた原稿P(A)を更に一対のローラで挟持して画像形成装置の読取位置に向けて下流側の搬送路へと搬送するようになっている。
S1は原稿検出センサであり、搬送ローラ(B)36の中心よりLS1の距離だけ離れた搬送路の上流側に設けられており、搬送ローラ(B)36により搬送される原稿P(A)の後端部を検出すると、原稿P(A)の後端部が搬送ローラ(B)36の下流側のL1だけ離れた位置になるように、つまり、原稿P(A)が搬送ローラ(B)36を通り抜けた位置で停止するように所定時間後にモータを停止させ、再度、次の原稿P(A)を搬送するために、駆動手段のモータの回転を開始させる搬送情報を制御回路ECに出力するようになっている。
なお、詳細は後述するが、本実施の形態においては、送りローラ34、搬送ローラ(A)35、搬送ローラ(B)36に関しては、特に、1個のモータの正逆回転で駆動するように構成され、例えば、送りローラ34、搬送ローラ(A)35は正転方向の回転(単に、正転ともいう。)で駆動し、搬送ローラ(B)36は逆転方向の回転(単に、逆転ともいう。)で駆動するようになっている。勿論、正転または逆転の方向は、駆動力伝達機構等を構築する際に適宜設定されるものである。
ここで、自動原稿搬送装置の通常の搬送作動について、簡単に説明する。なお、通常の搬送作動とは、原稿サイズが一定の原稿で構成された原稿束から1枚毎に原稿を取り出して搬送する作動をいい、この作動を実行させるモードを通常モードという。
まず、原稿載置台32の原稿位置規制部Gの側面に沿って原稿Pが位置決めされ載置された後に、画像形成装置20のスタート釦SKが押されると、制御回路ECの情報制御回路120がスタート釦SKが押された情報を検知して、CPU110が作動し駆動制御回路150を介して自動原稿搬送装置の制御回路(図示せず。)を作動させる。
自動原稿搬送装置の制御回路は、モータを正転させ、送りローラ34と搬送ローラ(A)35を作動させて、原稿載置台32の原稿WPから1枚の原稿P(A)を取り出し搬送する。
原稿P(A)の先端部が搬送ローラ(B)36に挟持される位置に来るとモータが一旦停止し、今度はモータを逆転して搬送ローラ(B)36を回転させる。搬送ローラ(B)36により搬送される原稿P(A)の後端部を原稿検出センサが検知すると搬送情報を出力するので、自動原稿搬送装置の制御回路は搬送情報を入力してから所定時間後にモータを停止させる。
従って、原稿P(A)の後端部は、搬送ローラ(B)36の挟持から解放された下流側のL1位置にて停止し、原稿P(A)は搬送ローラ(B)36に挟持された状態で停止しない。
このとき、原稿の先端部は図示はしないが、搬送ローラ(C)37とローラ38に挟持されているので、次に、予め設定されたプログラムに基づき、前述のモータと同一または別のモータで構成される駆動力伝達機構を作動させることにより搬送ローラ(C)37やローラ38を回転させ、また、読取ローラ39や排紙ローラ40等を回転させたり反転部材41を作動させて原稿を搬送することができ、読取作動が行われることになる。
このように、繰り返してモータを正転、又は逆転で作動させることで上記一連の搬送作動を繰り返すことができる。
なお、前述したように、これらのローラまたはこれらのローラに駆動力を伝達する駆動力伝達機構には、一方クラッチが組み込まれていて、1個のモータでこれらのローラが作動できるように、例えば、モータが正転している時は、搬送ローラ(B)36は停止しており、逆転する時は送りローラ34と搬送ローラ(A)35が停止するようになっている。
また、本実施の形態においては、原稿検出センサS1は、原稿P(A)の後端部を検出して搬送情報を出力し、逆回転するモータを停止させる時にのみ使用するようにしているが、原稿P(A)の先端部を検出して搬送情報を出力することができるようにしてモータを制御するようにしても良く、例えば、搬送ローラ(A)35により搬送された原稿P(A)の先端部を搬送ローラ(B)36に挟持される位置で一旦停止させ、モータの回転方向を切り換える場合に、搬送されている原稿P(A)の先端部を原稿検出センサS1が検出した時に出力する搬送情報で、正回転するモータを停止させるようにし、その後、モータを逆回転させて搬送ローラ(B)36により原稿P(A)を搬送し、引き続いて原稿P(A)の後端部を検出した場合に、搬送情報を出力してから所定時間後にモータを停止させるように制御しても良い。
次に、図3(b)により、混載モードにおける搬送制御について説明する。なお、混載モードとは、原稿サイズの異なる原稿を含む原稿束から1枚毎に原稿を取り出して搬送する作動を実行させるモードをいう。
本実施の形態における自動原稿搬送装置は、原稿サイズが異なる原稿を搬送するための混載モードを有している。また、図3(b)に示すように、原稿P(A)とは異なる用紙サイズの2点鎖線で示す原稿P(B)も搬送できるようになっており、搬送方向Fに対して原稿P(B)は、原稿P(A)の垂直方向の幅にL5の差を有する。一例を挙げると、例えば、原稿P(A)が搬送方向に対して縦長のA4サイズの原稿とすると、原稿P(B)は、搬送方向に対して横長のA4Rや縦長のA3サイズの原稿がこれに相当する。勿論、これらの原稿サイズに限定されるものではない。
原稿P(A)や原稿P(B)等を搬送できるようにするために、例えば、送りローラ34は、原稿P(B)の搬送方向に対して垂直な幅方向の中央の位置に接触するように設けられ、搬送ローラ(A)35は、回転軸35dに対して原稿P(B)の幅方向の中央にローラ部35cを設け、両側にほぼ等間隔でローラ部35a、35bが設けられており、搬送ローラ(B)36も同様に、回転軸36dに対してローラ部36cを中央に両側に36a、36bが設けられている。
従って、原稿P(B)を搬送する場合は、全てのローラ部を使用することになるが、原稿P(A)を搬送する場合は、原稿P(A)の端面とローラ部35cの中心とはL6の距離があることになり、(ロ)図の状態で原稿P(A)を搬送する場合は、ローラ部35bや36bは実質的には搬送作動に寄与していないことになる。従って、原稿がP(A)の場合の方が原稿P(B)より原稿曲がりを発生しやすい状況にあるといえる。
なお、用紙を綴じるために複数の穴が設けられた穴付き原稿等
を使用する場合が考えられ、この穴が原稿の中央に設けられていることがあるので、この穴による検出時の誤作動を防止するために、前述のように、原稿検出センサS1は、搬送路の上流側のLS1の位置に設けられ、搬送方向に対して垂直な幅方向に関しては、ローラ部35cの中心よりLS2の距離の位置に設けられている。
自動原稿搬送装置で混載モードが実行される場合は、前述のように、それぞれのローラとサイズが異なる原稿との接触位置の相違等により、搬送の過程で原稿曲がりを生じ易いという問題があった。
例えば、片側に原稿位置規制部Gがあるような場合には、特に、送りローラ34で原稿P(A)を取り出して搬送する時には、原稿を取り出す時のローラと原稿の接触状態等により破線で示す原稿P(A1)のような原稿曲がりが生じ易く、原稿P(A1)の一方の角部が搬送ローラ(B)36の回転軸36dの軸中心に有り、他方の角部が、その中心に対してL3の距離だけ傾いた原稿曲がりが生じることがある。
原稿P(B)の場合も同様に、破線で示す原稿P(B1)のように、原稿P(B1)の一方の角部が搬送ローラ(B)36の回転軸36dの軸中心に有り、他方の角部が、その中心に対してL4の距離だけ傾いた原稿曲がりが生じることがある。
しかしながら、このような原稿曲がりが発生した状態で搬送される場合、原稿P(A1)または原稿P(B1)の後端部は傾いた状態で原稿検出センサS1を通過するが、原稿検出センサS1は正常な状態で通過した後端部を検出したものとして搬送情報を出力してしまうことになる。
つまり、原稿検出センサS1が原稿の後端部を検出してから搬送情報を出力するので、正常な状態における所定時間経過後、すなわち原稿の後端位置L1と原稿検出センサS1の検出領域の先端位置L2を加えた距離を搬送するために必要な時間(第1の時間)後にモータが停止すると、実際には、原稿P(A1)または原稿P(B1)の後端部は傾いているので完全にはL1の位置には搬送されておらず、原稿P(A1)または原稿P(B1)の後端部の一部分は1対の搬送ローラ(B)36に挟持された状態で停止することになる。
原稿P(A1)または原稿P(B1)が曲がった状態で1対の搬送ローラ(B)36に挟持され、停止している状態にある時に、次の作動が開始され、再度、搬送ローラ(B)36が回転された場合は、曲がった状態のまま搬送ローラ(B)36の強い回転をうけるので、更に原稿を大きく曲げることになったり、搬送ローラ(C)37により搬送される時に搬送ローラ(B)36に挟まれている部分が大きな抵抗を受け、更に原稿を大きく曲げることになったりして、曲がったまま搬送されることになる。
そこで、原稿検知センサS1が原稿の後端部を検出してからモータを停止させるまでの時間を、例えば、曲がりが発生しない時の原稿P(A)が搬送される場合は、L1とL2を加えた距離を搬送する時間(第1の時間)に設定していたが、原稿P(A1)の場合はL1とL3を加えた距離を搬送するために必要な時間(第2の時間)とし、あるいは、原稿P(B1)の場合はL1とL4を加えた距離を搬送するために必要な時間(第3の時間)として通常の場合に設定する第1の時間より搬送方向に対して傾いたL3またはL4からL2を差し引いた差分の距離、すなわち原稿が傾いた時の傾き量分の距離を搬送する時間に相当する時間分を長く設定した。
例えば、実験条件の1例としては、自動原稿搬送装置の搬送ローラ(B)36の直径を20mm、L1=5mm、LS1=15mm、および原稿の搬送速度(線速ともいう。)を400mm/secとしたときに、L1とLS1の距離20mmを搬送するに必要な第1の時間を50mSec、同様に、第2の時間を75msec(第1の時間+25msec)、第3の時間を100msec(第1の時間+50msec)に設定して、原稿検出センサS1に市販のフォトセンサを用いた自動原稿搬送装置の制御回路を使用して実験した。なお、それぞれ第1〜3の時間は、原稿サイズの幅を基準として原稿の傾きを想定し、搬送方向に対して縦長のA4相当(1倍)、横長のA4R相当(約1.5倍)及び横長のA3相当(約2倍)となるように長めに設定した。
その結果、搬送ローラ(A)35と搬送ローラ(B)36との間で原稿曲がりが生じても、原稿の後端部が搬送ローラ(B)36に挟持された状態で停止することがなく、しかも、次の搬送ローラ(C)37等、それ以降のローラで原稿が搬送される時に、自然に大きな原稿曲がりが矯正されるようになり、ジャム等の発生のない好結果が得られた。
従って、この結果に基づき、本発明の実施の形態においては、通常モードにおいては、通常の状態における前述の第1の時間に対し、原稿が若干曲がっても原稿曲がりが発生しにくいように考慮して、L1とL3を加えた距離を搬送するために必要な時間、すなわち原稿P(A1)の場合の第2の時間を第1の設定時間とし、混載モードにおいては、原稿のサイズが異なっていることから搬送時に曲がりが生じやすいことを考慮して、原稿P(B1)の場合のL1とL4を加えた距離を搬送するために必要な第3の時間を第2の設定時間に設定することにした。第2の設定時間は、第1の設定時間より若干長めの設定時間となっている。
なお、本実施の形態においては、制御回路を安価にするために搬送制御を簡単にし、また、安全性を考慮して、第2の設定時間は、混載する原稿サイズの組み合わせに拘わらずやや長めの一定値に設定したが、混載する原稿サイズの組み合わせに応じて予め複数組のデータを設定し、データテーブルとして記憶手段160に記憶させるようにして、例えば、画像形成装置20のコントロールパネルCPの操作入力手段200や表示手段300のタッチパネル方式の表示装置により、原稿サイズの組み合わせを選択すると、搬送制御を実行する際に、混載する原稿サイズの組み合わせに応じて第2の設定時間が選択設定されるようにすることにより、少しでも、不要な時間を削減して画像形成の生産性を向上させるようにしても良い。
以上のように、本発明の実施の形態においては、例えば、記憶手段160に通常モードを実行する場合の第1の設定時間と混載モードを実行する時の第2の設定時間を予め記憶させ、混載モードが選択された場合は、第1の設定時間に代えて第2の設定時間により、自動原稿搬送装置の搬送制御を自動的に行うようにすることで、特別な機構等を必要とせず、構成が簡単で、原稿曲がりの発生しない、安価な自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置を提供することができるようになった。
また、第2の設定時間を原稿の後端部が搬送方向に対して傾いた時の傾き量分の距離を搬送する時間を加算した時間に設定することで、原稿がローラに挟まれた状態で停止することを防止できるので、更に搬送路の下流側で原稿が大きく曲がってジャム等を発生させることを防止することができるようになった。
なお、自動原稿搬送装置の構造や機能及び性能等は機種毎に様々に変化しているので、混載モードとして使用可能な用紙サイズを含めて原稿曲がりの状態を想定し、予め実験等を行い、第1の設定時間及び第2の設定時間を機種等に応じて設定することが望ましい。
また、場合によっては、同じ機種であっても製品のバラツキ等により作動時間の遅れ等のバラツキが生じることがあるので、その機種に応じた設定時間の調整が行えるように調整機能を備えるようにしても良い。
本発明に係る自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置の概略図。 本発明に係る自動原稿搬送装置を備えた画像形成装置の回路構成を示すブロック図。 本発明に係る自動原稿搬送装置の搬送制御を示す模式図。
符号の説明
1 筐体
2 手差し皿
3 排紙皿
4 ローラ
5 感光体ドラム
6 帯電手段
7 現像手段
8 転写分離手段
9 クリーニング手段
10 定着手段
11 画像形成手段
12 給紙カセット
13 画像読取手段
14 給排紙手段
20 画像形成装置
30 自動原稿搬送装置
31 ADF筐体
32 原稿載置台
33 排紙部
34 送りローラ
35 搬送ローラ(A)
36 搬送ローラ(B)
37 搬送ローラ(C)
38 ローラ
39 読取ローラ
40 排紙ローラ
41 反転部材
S1 原稿検出センサ

Claims (9)

  1. 原稿載置台に載置された原稿束から1枚毎に原稿を取り出す給紙手段と、
    前記給紙手段により取り出された原稿を、下流側の搬送路へと搬送する第1の搬送手段と、前記第1の搬送手段により搬送された原稿を、更に下流側の搬送路へと搬送する第2の搬送手段と、
    前記第1の搬送手段と前記第2の搬送手段の間の搬送路に設けられ、搬送される原稿の後端部を検出する原稿検知センサと、
    前記給紙手段、前記第1の搬送手段および前記第2の搬送手段を作動させて前記原稿載置台から原稿を搬送する搬送制御を繰り返して行う制御手段と
    を備えた自動原稿搬送装置を有する画像形成装置において、
    前記制御手段は、原稿のサイズが同一の原稿束から1枚毎に原稿を搬送する通常の搬送制御を行う通常モードと、サイズが異なる原稿が混載された原稿束から1枚毎に原稿を搬送する搬送制御を行う混載モードとを有し、前記通常モードを実行する際には、前記原稿検知センサにより原稿の後端部が検知されてから第1の設定時間の経過後に原稿を停止させる搬送制御を行ない、前記混載モードを実行する際には、前記第1の設定時間に代えて、前記第1の設定時間より長い時間が設定された第2の設定時間により搬送制御を行うことを特徴とする自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記第2の搬送手段の下流側の近傍の位置に原稿を停止する搬送制御を行なうことを特徴とする請求項1に記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記第2の搬送手段に挟持されない状態で原稿を停止する搬送制御を行なうことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
  4. 前記第2の設定時間は、前記第1の設定時間に対して、少なくとも、原稿の後端部が搬送方向に対して傾いた時の傾き量分の距離を搬送する時間を加算した時間であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
  5. 前記第2の設定時間は、混載する原稿のサイズの組み合わせに拘わらず一定値に設定されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
  6. 前記第2の設定時間は、混載する原稿のサイズの組み合わせに応じて予め設定されていることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
  7. 前記原稿検知センサは、前記第2の搬送手段の近傍に設けられることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
  8. 駆動源を有し、前記給紙手段と前記第1の搬送手段を前記駆動源の第1の回転方向で駆動し、前記第2の搬送手段を前記駆動源の第2の回転方向で駆動する駆動手段を有することを特徴とする請求項1から請求項7の何れかに記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
  9. 前記制御手段は、原稿を前記原稿載置台から搬送する際に、前記駆動源を前記第1の回転方向に作動させることにより前記給紙手段と前記第1の搬送手段を作動させて原稿の搬送を開始させ、その後引き続いて前記第2の回転方向に作動させることにより前記第2の搬送手段を作動させて、前記原稿検知センサにより原稿の後端部が検知されてから第1の設定時間又は第2の設定時間の経過後に、前記駆動源の作動を停止させ、その後に原稿を更に下流側の搬送路へと搬送させる搬送制御を行なうことを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の自動原稿搬送装置を有する画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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