JP4859809B2 - パーキング機構付ディスクブレーキの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、ブレーキペダルの踏み込みに基づいて作動するサービスブレーキに使用するピストンを、パーキングレバーの操作に基づいて機械的に押す事により制動力を発揮させるパーキング機構を組み込んだ、パーキング機構付ディスクブレーキの製造方法に関する。
上述の様なパーキング機構付ディスクブレーキとして、例えば特許文献1〜3に記載された構造のものが知られている。図7は、このうちの特許文献1に記載された構造を示している。このパーキング機構付ディスクブレーキ1は、キャリパ2に設けた保持孔3内に、カムシャフト4を回転自在に支持している。この保持孔3は、上記キャリパ2のシリンダ9と同心に形成されている。従って、上記カムシャフト4の中心軸も、このシリンダ9の中心軸と一致する。又、この保持孔3のこのカムシャフト4が貫通する側の端面に固定側カム板5を、その中心部にこのカムシャフト4を貫通させると共に、上記キャリパ2に対する回転を阻止した状態で支持している。又、上記固定側カム板5と、上記カムシャフト4の中間部に設けた駆動側カム板6との間に、複数(例えば3個)の転動体7、7を配置している。パーキングブレーキ機構の作動時には、上記カムシャフト4を回転駆動する事により、上記駆動側カム板6を上記固定側カム板5に対して相対回転させる。そして、上記各転動体7、7と、これら両カム板5、6の互い対向する側面にそれぞれ形成したカム面との係合に基づいて、上記カムシャフト4を軸方向に変位させる。このカムシャフト4の動きは、アジャスト機構8を介して、上記シリンダ9に嵌装したピストン10に伝達される。
又、このアジャスト機構8は、パッドの摩耗状態(パッドを構成するライニングの摩耗の進行)に応じて上記ピストン10の、非制動状態での軸方向位置を調整可能とする(ディスクブレーキを構成するロータの側面にピストン10を近付ける)もので、それぞれの中心軸が上記シリンダ9の中心軸と一致し、互いにねじ係合する、スピンドル11とスリーブ12とを備える。このうちのスピンドル11は、外周面にピッチの粗い(多条の)雄ねじ部13を有し、上記キャリパ2内に回転自在に支持している。又、上記スリーブ12は、内周面に雌ねじ部14を有し、上記キャリパ2内に回転不能に支持している。この為に、上記カムシャフト4及び上記スリーブ12の周囲に配置した筒状部材15を、上記固定側カム板5に回転不能に支持すると共に、上記スリーブ12の一部を上記筒状部材15の一部に係合している。又、上記固定側カム板5は、片端面の一部に形成した凸部16を上記保持孔3の端面に形成した凹部17に係合させる事により、上記キャリパ2に対する回転を阻止している。従って、上記スリーブ12も、このキャリパ2に対する回転を阻止される。そして、このスリーブ12に対し上記スピンドル11を回転させる事により、上記雄ねじ部13と雌ねじ部14との係合に基づいて、このスピンドル11が軸方向に変位し、上記ピストン10の、非制動状態での軸方向位置を調整する。
上述の特許文献1に記載された構造の場合、図示しないパーキングレバーを操作する事により、カムシャフト4を回転させ、アジャスト機構8を介してピストン10を変位させる。そして、このピストン10により、図示しないインナ側のパッドを押圧し、このインナ側のパッドを、やはり図示しないロータのインナ側の側面に向け押し付ける。この押し付けの反作用としてキャリパ2が、図示しないサポートに対しインナ側に変位するので、このキャリパ2に設けたキャリパ爪を介して、図示しないアウタ側のパッドを、上記ロータのアウタ側の側面に向け押し付ける。この結果、このロータが一対のパッドにより、軸方向両側から強く挟持されるので、停車状態維持の為に必要な制動力を得られる。
上述の特許文献1に記載された構造や、前記特許文献2、3に記載された構造は、何れもキャリパを一体型としている。この様にキャリパを一体型とした場合、ピストンやアジャスト機構、カム機構等の各部材を、1個の部材であるキャリパに組み付ける必要があり、組み付け作業が面倒である。これに対して、特許文献4には、図示は省略するが、キャリパを分割した構造が記載されている。この特許文献4に記載された構造の場合、キャリパが、基端部にパーキングレバーを固定するカムシャフト等のカム機構を配置する為の保持孔等を有する部分(カム側ボディ部)と、パッドを油圧により押圧するピストンを配置する為のシリンダ等を有する部分(シリンダ側ボディ部)とに分かれている。そして、これら両ボディ部同士をボルトにより結合している。
上述の様な特許文献4に記載された構造の場合、カム側ボディ部にカムシャフト等のカム機構及びアジャスト機構を構成するスピンドルを組み付けたカム側組立体を、シリンダ側ボディ部にピストン及びアジャスト機構を構成するアジャストナットを組み付けたシリンダ側組立体に結合している。この様に構成すれば、それぞれのボディ部毎の部品の組み付け作業自体は、一体型のキャリパに全ての部品を組み付ける作業に比べて容易になる。そして、それぞれの部品を組み付けて組立体(サブアッセンブリ)とした後、これら組立体同士を結合すれば良い為、組み付け作業全体としても、作業が容易になる可能性がある。
但し、上記特許文献4に記載された構造の場合、両組立体同士をどの様に組み付けるかが明確に記載されていない。例えば、これら両組立体同士を組み付ける際には、スピンドルとアジャストナットとを螺合する必要がある。上記特許文献4に記載された発明の場合、このアジャストナットは、予め、シールやばね機構と共に、ピストン内に組み付けられている。従って、上記両組立体同士を組み付ける際には、例えば、このピストンと共に上記アジャストナットを回転させる必要がある。この為には、先ず、上記ピストンを組み付ける以前のシリンダ側ボディ部と、スピンドル等の各部材を組み付けたカム側組立体とを結合する。そして、この状態で、アジャストナットやシール等の各部材を組み付けた上記ピストンを、上記シリンダ側ボディ部のシリンダ内に回転させながら嵌装する。この際、このピストン内のアジャストナットが上記スピンドルと螺合する。
上述の様に、シリンダ側ボディ部とカム側組立体とを結合した後からピストンをシリンダ内に組み付ける場合には、このピストンを回転させながらこのシリンダ内に嵌装させる必要がある。これらピストンとシリンダとの間にはピストンシールが存在する為、このピストンを回転させながらこのシリンダ内に嵌装する作業は難しい。この結果、キャリパを分割した構造であっても、組み付け作業を容易に行なえない可能性がある。又、ピストンの組み付け工程を、(パーキング機構やアジャスト機構を設けておらず、ピストンを回転させながらシリンダ内に嵌装する必要がない)通常のディスクブレーキと共通化できず、パーキング機構付ディスクブレーキの組み立ての為の専用工程が増える。この為、製造コストが増大する。
特開2006−9920号公報 特開2006−194450号公報 特開昭60−175831号公報 特開2005−106248号公報
本発明は、上述の様な事情に鑑み、キャリパを分割した構造で、組み付け作業を容易に行なえる方法を実現すべく発明したものである。
本発明の製造方法の対象となるパーキング機構付ディスクブレーキは、キャリパと、アジャスト機構とを備える。
このうちのキャリパは、互いに別体である、内部にピストンを油密に嵌装する為のシリンダを有するシリンダ側ボディ部と、パーキングレバーの作動に基づいて上記ピストンを軸方向に変位させるカム機構を配置するカム側ボディ部とを結合して成る。
又、上記アジャスト機構は、互いにねじ係合し、上記シリンダの中心軸を中心として相対回転する事により、このシリンダの軸方向に相対変位するスピンドル及びスリーブを備える。そして、このシリンダに嵌装したピストンの軸方向の位置を、パッドの摩耗の進行に伴って調整可能と(ロータの側面に近付ける様に)している。
又、上記ピストン内に、上記スピンドルとスリーブとのうちの一方の部材を、上記パッドの摩耗の進行に伴ってピストンの軸方向位置を調整する場合を除いて、このピストンに対して回転しない状態で組み込んでいる。
又、上記シリンダ側ボディ部の端部に、上記シリンダ内と上記カム機構を設ける空間とを仕切る隔壁が存在する。
更に、上記スピンドルとスリーブとのうちの他方の部材が、この隔壁を貫通する状態で形成した通孔を挿通した状態で、この他方の部材の中間部外周面とこの通孔の内周面との間に、Oリング等のシール部材が配置される。
特に、本発明のパーキング機構付ディスクブレーキの製造方法は、上記シリンダ側ボディ部に、内部に上記一方の部材を組み込んだ上記ピストンを、回転させる事なく上記シリンダ内に嵌装する事により組み付ける。
これと共に、上記カム側ボディ部に、上記カム機構及び上記他方の部材を、この他方の部材の上記カム側ボディ部に対する相対回転を防止した状態で組み付ける。
その後、このカム側ボディ部を上記シリンダの中心軸を中心として回転させる事により、このカム側ボディ部に組み付けた上記他方の部材を上記通孔に挿通しつつ回転させて、上記シリンダ側ボディ部に組み付けた上記一方の部材に螺合する。
そして、上記他方の部材の中間部に配置したシール部材が上記通孔内に進入する以前に、上記螺合作業を終了する。
更にこの状態から、上記カム側ボディ部を回転させる事なく、上記他方の部材の中間部を上記通孔内に軸方向に押し込む事により、上記シール部材をこの他方の部材の中間部外周面と上記通孔の内周面との間に配置し、上記カム側ボディ部と上記シリンダ側ボディ部とを結合する。
上述の様な発明を実施する場合に好ましくは、請求項2に記載した様な製造方法とする。
この請求項2に記載した製造方法の対象となるパーキング機構付ディスクブレーキは、上記シリンダの軸方向寸法を、上記ピストンの軸方向寸法よりも所定量大きくしている。
請求項2に記載した発明の場合、上記ピストン内に、上記一方の部材及びアジャスト機構を構成する部材の一部(所定のばね機構やシール等)を、このピストンの基端面から突出しない状態で配置する。
そして、上記ピストンの基端面を上記シリンダの底面に当接又は近接させた状態で、上記他方の部材を上記一方の部材に対し螺合する。
この螺合作業終了後、この他方の部材の中間部を上記隔壁の通孔内に押し込んで、この中間部外周面に設けたシール部材をこの通孔内の所定位置に配置する。
この状態で、上記ピストンが、基端面が上記底面又はこの底面の近接位置から所定量離隔して、上記シリンダ内の所定位置に配置される。
更に好ましくは、請求項3に記載した様に、上記他方の部材を上記一方の部材に螺合する作業を、上記カム側ボディ部の先端面が上記シリンダ側ボディ部の基端面から所定量離れた状態で止めて、上記他方の部材の中間部に配置したシール部材を上記通孔の手前側に位置させた状態で上記螺合作業を終了する。
この様な位置で上記カム側ボディ部を止めるには、次述するスペーサを使用する構造以外に、例えば、このカム側ボディ部の位置を検出するセンサ、或は、このカム側ボディ部の回転角度を検出するセンサ等を使用する。
上述の様に螺合作業が終了した後、上記他方の部材の中間部の押し込み作業を行なう。
又、この様な作業として具体的には、例えば、請求項4に記載した様に、上記他方の部材を上記一方の部材に螺合する作業を、上記シリンダ側ボディ部の基端面に所定の厚さを有するスペーサを配置した状態で行なう。
これにより、上記カム側ボディ部の先端面が上記スペーサに当接した状態で、上記他方の部材の中間部に配置したシール部材を上記通孔の手前側で止めて、上記螺合作業を終了する。
その後、上記スペーサを取り外してから、上記他方の部材の中間部の押し込み作業を行なう。
上述の様に構成する本発明の場合には、キャリパを分割した構造で、組み付け作業を容易に行なえる。
即ち、本発明の製造方法の場合、カム側ボディ部を回転させる事により、スピンドルとスリーブとを螺合する様にしている為、これらスピンドルとスリーブとを螺合させる為に、ピストンを、回転させつつシリンダ内に嵌装させる必要がない。上記カム側ボディ部を回転させつつ、上記スピンドルとスリーブとを螺合する作業の際に作用するねじ係合部の抵抗は、上記ピストンを回転させつつ上記シリンダ内に嵌装させる場合に生じるピストンシールによる抵抗と比べ、遥かに小さい。この為、上記カム側ボディ部を回転させつつ上記スピンドルとスリーブとを螺合する作業を容易に行なえる。又、本発明の場合、上記ピストンを、回転させる事なくシリンダ内に嵌装する事ができる為、このピストンの嵌装作業も容易になる。又、ピストンの組み付けをパーキング機構を有しない通常のディスクブレーキと同様に行なえ、ピストンの組み付け工程を上記通常のディスクブレーキと共通化できる(パーキング機構付ディスクブレーキの組み立ての為の専用工程を減らせる)。この結果、パーキング機構付ディスクブレーキの製造を容易に行なえて、製造コストの低減を図れる。更に、本発明によれば、他方の部材の中間部に配置したシール部材が損傷する事を防止できる。
又、請求項2に記載した様に、シリンダの軸方向寸法をピストンの軸方向寸法よりも所定量大きくして、上記他方の部材の押し込みにより、このピストンが所定位置に配置される様にすれば、例えば、このピストンとこのピストン内に配置される一方の部材との間で、上記押し込み量を吸収する様な構造を設ける必要がなく、本発明を容易に実現できる。
更に、請求項3、4に記載した発明の様に、所定の厚さを有するスペーサを使用する等により、カム側ボディ部を所定位置で止める様にすれば、上記請求項2に記載した発明を容易に実施できる。
図1〜6は、本発明の実施の形態の1例を示している。本例は、本発明を、フローティングキャリパ型のディスクブレーキに適用した場合に就いて示している。本例の場合、キャリパ2aのインナ側端部に、保持孔3aを、このキャリパ2a内に設けたシリンダ9aの中心軸の方向(図1、2、5、6の左右方向)に対し直角方向(図1、5、6の表裏方向、図2の上下方向)に形成している。この保持孔3a内には、カムシャフト4aを、自身の中心軸を中心とする回転及び上記シリンダ9aに嵌装したピストン10aの軸方向(図1、2、5、6の左右方向)の変位を可能として支持している。又、上記カムシャフト4aの基端部で上記保持孔3a外に突出した部分には、パーキングレバー21の基端部を、圧入により結合固定している。尚、このパーキングレバー21と上記カムシャフト4aとの結合部の構造として、セレーション結合、ねじ結合等も挙げられる。
パーキング機構の作動時には、上記パーキングレバー21を、リターンスプリング22の弾力に抗して回転させる。すると、上記カムシャフト4aが、回転しながら、後述するカム機構23a、23bの働きにより、平行移動しつつ、後述するスピンドル11aを上記ピストン10aに向け押圧する。尚、上記保持孔3aの開口部と上記カムシャフト4aの中間部基端寄り部分の外周面との間には、ゴム等の弾性材製のブーツ24を装着している。即ち、このブーツ24は、上記保持孔3aの開口部に形成した、この保持孔3aよりも直径が大きい大径部36に、その外径部を内嵌固定すると共に、上記パーキングレバー21の基端部外周面に、その内径部を当接させて、上記カムシャフト4aの平行移動を許容しつつ、上記保持孔3a内への異物進入防止を図っている。
上記両カム機構23a、23bを構成する為に、上記カムシャフト4aの先端寄り部分で上記保持孔3aの奥半部に存在する部分の外周面の直径方向反対側2個所位置に、それぞれカム面25a、25bを形成している。これら両カム面25a、25bはそれぞれ、上記カムシャフト4aの外周面の周方向に関して同方向に向かう程(図1で反時計方向に進む程)深さが漸次小さくなる形状としている。そして、上記両カム面25a、25bと、上記保持孔3aに内嵌固定したライナ部材26の内面及び上記スピンドル11aの基端面との間に、それぞれ上記カムシャフト4aに対し平行に配置されたローラ27a、27bを設置して、上記両カム機構23a、23bを構成している。
又、本例の場合、アジャスト機構8aは、上記スピンドル11aと、特許請求の範囲に記載したスリーブに相当する、アジャストナット28とを備える。これらスピンドル11aとアジャストナット28とは、互いにねじ係合し、キャリパ2a内に設けたシリンダ9aの中心軸を中心として相対回転する事により、このうちのアジャストナット28が上記スピンドル11aに対し、上記シリンダ9a内に摺動自在に配置されるピストン10aの軸方向に変位する。又、本例の場合、上記スピンドル11aが上記キャリパ2aに対して回転する事を阻止する為に、このスピンドル11aの端部を直接、ライナ部材26に対して回転する事を阻止した状態で係合している。本例の場合、上記アジャストナット28が、特許請求の範囲に記載した「一方の部材」に相当し、上記スピンドル11aが、同じく「他方の部材」に相当する。
上記ライナ部材26は、1枚の金属板に所定のプレス加工等を施して、略コ字型に形成されている。即ち、このライナ部材26は、1対の平板部29、29と、これら両平板部29、29の基端部同士を連結する連結部30とから構成される。これら両平板部29、29には、カムシャフト4a及びローラ27a、27bを配置する為の透孔31、31をそれぞれ形成している。この様にライナ部材26を形成する事により、このライナ部材26を容易に形成でき、低コスト化を図れる。
上述の様に構成されるライナ部材26を、キャリパ2aのインナ側(図1、2、5、6の右側)端部に、シリンダ9aの中心軸の方向に対し直角方向に形成した保持孔3a内に配置する。この状態で、上記ライナ部材26の連結部30が、この保持孔3aの内面のうち、前記シリンダ9aと反対側に存在する支承面32と当接すると共に、両平板部29、29の側縁と上記保持孔3aの内面とが係合する。この当接及び係合により、上記ライナ部材26がこの保持孔3a内で、上記シリンダ9aの中心軸を中心として回転する事、及び、この保持孔3a内に挿通する上記カムシャフト4aの中心軸を中心として回転する事を、それぞれ阻止する。即ち、上記両平板部29、29の側縁と上記保持孔3aの内面との係合により、上記ライナ部材26の上記シリンダ9aの中心軸を中心とする回転を阻止する。又、上記連結部30と上記支承面32との当接により、上記ライナ部材26の上記カムシャフト4aの中心軸を中心とする回転を阻止する。又、上記保持孔3a内に上記ライナ部材26を配置した状態で、上記両平板部29、29の先端部が、上記シリンダ9a側に存在する。
又、上記ライナ部材26内には、基端部に前記パーキングレバー21を固定した上記カムシャフト4a及び前記ローラ27a、27bを配置している。又、このカムシャフト4aの先端部に設けた係止突部33に止め輪34を係止すると共に、このカムシャフト4aの基端部で上記パーキングレバー21を固定した部分よりも中間寄り部分に、前記ブーツ24を装着している。これにより、これら各部材26、4a、27a、27b、34、24を、非分離に組み合わせている。これら各部材26、4a、27a、27b、34、24は、上記保持孔3a内に組み付けるのに先立って、仮組み付け(サブアッセンブリ)しておく(後述する、中間組立体35)。
上述の様に、保持孔3a内に、ライナ部材26、カムシャフト4a等の各部材を配置した状態で、前記スピンドル11aの基端部に設けたフランジ部37を、このライナ部材26の両平板部29、29の先端部同士の間に進入させる。このフランジ部37の外周面には、一対の平面部38を互いに平行で径方向反対側に存在する様に形成している。これら両平面部38同士の間隔は、上記両平板部29、29の内面同士の間隔とほぼ同じか僅かに小さくしている。従って、上記フランジ部37を上記両平板部29、29同士の間に進入させた状態で、このフランジ部37の外周面に形成した上記両平面部38と上記両平面部29、29の内面とが、ほぼがたつきなく係合する。
上記ライナ部材26は、前述した様に、保持孔3a内に、シリンダ9aの中心軸を中心とした回転を阻止された状態で内嵌されている為、上述の様に、ライナ部材26にその基端部を係合したスピンドル11aも、シリンダ9aの中心軸を中心とする回転を阻止される。又、このスピンドル11aの基端面39は平坦面としている。この基端面39は、このスピンドル11aの基端部を上記ライナ部材26に係合した状態で、上記保持孔3aの支承面32と平行になる。従って、パーキングレバー21の操作に基づいて回転するカムシャフト4aの動きに伴い、ローラ27a、27bと上記基端面39及び支承面32に当接した連結部30の側面とがそれぞれ係合する事により、上記スピンドル11aが軸方向に変位する。
又、上記スピンドル11aの中間部は、上記保持孔3aと上記シリンダ9aとを仕切る隔壁19aに設けた通孔20aを挿通する。上記スピンドル11aの中間部外周面と、この通孔20aの内周面との間には、シール部材であるOリング40を設けて、上記シリンダ9a内に導入された圧油の漏洩を防止しつつ、上記スピンドル11aの、上記ピストン10aの軸方向の変位を可能にしている。又、このスピンドル11aの中間部乃至先端部に雄ねじ部13を形成し、前記アジャストナット28の内周面に形成した雌ねじ部14とねじ係合している。このアジャストナット28は、外周面の一部に形成した部分円すい状凸面が、上記ピストン10aの内面の一部に形成した部分円すい状凹面と係合した状態では回転せず、離れた状態で回転する。従って、上記パーキングレバー21の操作に基づいて上記スピンドル11aが軸方向に変位すると、このスピンドル11aとねじ係合した上記アジャストナット28が上記ピストン10aの内面の一部に押し付けられ、回転せずに上記スピンドル11aの軸方向の変位をこのピストン10aに伝達する。この結果、上記パーキングレバー21の操作に基づいて上記ピストン10aが変位し、パーキングブレーキとして機能する。
一方、両パッド41a、41bの摩耗状態に応じて、非制動状態での上記ピストン10aの軸方向位置を調整する場合には、制動解除に伴って、上記スピンドル11aに対し上記アジャストナット28が回転し、これらスピンドル11aとアジャストナット28とのねじ係合に基づいて、このアジャストナット28がロータ62に向けて、軸方向に移動する。そして、非制動状態での上記ピストン10aの軸方向位置を調整し、制動時にブレーキペダルの踏み込み量が過大になる事を防止する。尚、上記アジャストナット28、上記スピンドル11a、及び、所定のばね機構等により構成されるアジャスト機構8aの基本的構造及び作用は、例えば、前述の特許文献4等に記載されている様な周知の構造と同様であり、本発明の要旨でもない為、詳しい説明は省略する。
又、本例の場合、キャリパ2aは、互いに別体である、シリンダ9a等が存在するシリンダ側ボディ部42と、カムシャフト4a等を配置するカム側ボディ部43とを組み合わせて構成される。即ち、これら両ボディ部42、43同士を、複数のボルト44、44により結合固定している。又、このうちのカム側ボディ部43には、パーキングレバー21の引き力に対する反力を支承する為のブラケット45を固定している。これらカム側ボディ部43と上記ブラケット45とは、予め、第二のボルト46により結合しておく。
上述の様に、カム側ボディ部43とブラケット45とを結合する前(或は、結合した後)に、図3に示す様に、このカム側ボディ部43の保持孔3a内に、カムシャフト4a、ローラ27a、27b、ライナ部材26、ブーツ24、止め輪34の各部材同士を組み付けた中間組立体35を配置する。この状態で、上記カム側ボディ部43の上記保持孔3aの側方に形成され、シリンダ9a側とこの保持孔3aとを連通する連通孔47から、上記カム側ボディ部43内に前記スピンドル11aを、その基端側から進入させる。この連通孔47は、上記カム側ボディ部43と前記シリンダ側ボディ部42とを結合した状態で、シリンダ9aと同心となる。そして、このスピンドル11aの基端部に設けたフランジ部37の平面部38を、上記保持孔3aに内嵌した上記ライナ部材26の両平板部29、29の先端部内面に係合させる。又、上記スピンドル11aの基端側にばね48を配置すると共に、上記連通孔47の開口側に止め輪49を係止する。そしてこのばね48を、この止め輪49と上記スピンドル11aのフランジ部37との間で弾性的に圧縮し、このスピンドル11aを上記保持孔3aに向け付勢する。尚、パーキングブレーキ作動時には上記スピンドル11aが、上記ばね48の弾性力に抗してアウタ側に変位する。これに対して、油圧によるブレーキ時には、上記スピンドル11aが、前記ピストン10aの変位程は変位せず、前記パッド41a、41bのライニングの摩耗分を補償する。そして、前述の様に、制動時に於けるブレーキペダルの踏み込み量が過大になる事を防止する。
又、上記カムシャフト4aの基端部に固定したパーキングレバー21の一部と、上記ブラケット45の一部とに、リターンスプリング22の両端部をそれぞれ係止する。そして、上記パーキングレバー21に、パーキングブレーキの作動時にケーブルにより引かれる力と反対方向の力を付与する。この様に各部材を組み合わせて、カム側ボディ部43に所定の部材を組み付けたカム側組立体50を得る。
上述の様に組み立てたカム側組立体50を、図4に示す様に、前記シリンダ側ボディ部42に組み付ける。即ち、このカム側組立体50のスピンドル11aの中間部に予めOリング40を係止した状態で、このスピンドル11aを上記シリンダ側ボディ部42の通孔20aに内嵌する。そして、前記各ボルト44、44を、前記ブラケット45の両腕部51、51の先端部に形成した通孔52、52、及び、カム側ボディ部43の両延出部53、53に形成した通孔54、54に挿通し、上記シリンダ側ボディ部42の内端部に形成したねじ孔55、55に螺合し更に締め付ける。
本例の場合、上記カム側組立体50を上記シリンダ側ボディ部42に組み付けるのに先立って、このシリンダ側ボディ部42に、ピストン10a等の各部材を組み付けて、シリンダ側組立体63としている。即ち、このピストン10aの内部に、アジャストナット28及びアジャスト機構を構成する所定のばね機構64やシール65を組み込む。これらアジャストナット28、所定のばね機構64及びシール65は、上記ピストン10a内に、このピストン10aの基端面から突出しない状態で配置される。そして、上述の様な各部材28、64、65を組み込んだ上記ピストン10aを、シール56(ピストンシール)、ブーツ57、ブーツリング58と共に、上記シリンダ側ボディ部42のアウタ側から、前記シリンダ9a内に、回転させずに(直線的に)嵌装する事により、上記シリンダ側ボディ部42に組み付ける。この際、上記ピストン10aを、図5、6に示す様に、このピストン10aの基端面が上記シリンダ9aの底面(隔壁19aのアウタ側面)に当接又は近接するまで押し込む。更に、この状態で、上記シール56のエアリーク検査を行なう。例えば、上記シリンダ9aの何れかの一方の開口側からこのシリンダ9a内に圧縮空気を送り込み、他方の開口側から空気が漏れるか否かを調べる。
尚、上記シール56は、上記ピストン10aの外周面とシリンダ9aとの間をシールするものである。これに対して、上記ブーツ57は、このピストン10aの先端部とこのシリンダ9aの開口部との間に配置され、このピストン10aの軸方向の変位を許容しつつ、このシリンダ9a内に外部から異物が進入する事を防止する。又、上記ブーツリング58は、上記ブーツ57内に組み込まれ、直径が拡がる方向に弾性力を付与して、このブーツ57の外周面を上記シリンダ9aの開口部内周面に押し付け、この部分のシール性を向上させる。
上述の様に、シリンダ側ボディ部42にピストン10a等の各部材を組み付けたシリンダ側組立体63に、上記カム側組立体50を、図5、6に示す様に組み付ける。この際、このカム側組立体50を、上記シリンダ側ボディ部42に設けたシリンダ9aの中心軸を中心として回転させる事により、このカム側組立体50のスピンドル11aの雄ねじ部13を、上記ピストン10a内に配置したアジャストナット28の雌ねじ部14に螺合する。この螺合作業は、上記カム側組立体50を構成するカム側ボディ部43の先端面が、上記シリンダ側ボディ部42の隔壁19aのインナ側端部に突出した円筒部分59に嵌合した、所定の厚さを有する円輪状のスペーサ60の側面に当接するまで行なう。このスペーサ60の厚さは、後述する隙間の隙間δ(図1、2)とほぼ同じ大きさとしている。尚、上記スピンドル11aと上記アジャストナット28との螺合の際に、このアジャストナット28は上記ピストン10aに対し回転しない。これは、このアジャストナット28の外周面の一部が、ばね機構64によりこのピストン10aの内面の一部に押し付けられて(係合して)、上記アジャストナット28が上記ピストン10aに対し回転する事が阻止されている為である。
尚、前記各ボルト44、44によりカム側ボディ部43とシリンダ側ボディ部42とを結合する際には、各通孔54、54と各ねじ孔55、55(図2)とを整合させる必要がある。この為に、上記カム側ボディ部43の先端面が上記スペーサ60の側面に当接した状態から、更にこのカム側ボディ部43を回転させる。これにより、このカム側ボディ部43と共に上記スピンドル11aが回転し、このスピンドル11aとの係合に基づき、上記アジャストナット28が上記カム側ボディ部43側に後退する。この結果、このアジャストナット28の外周面の一部と上記ピストン10aの内周面の一部との係合が外れ、上記カム側ボディ部43が上記アジャストナット28と共に、上記シリンダ側ボディ部42に対して回転可能となる。この状態で、上記カム側ボディ部43を、螺合時の回転方向と同方向に回転させて(反対方向に回転させた場合、バックラッシュ分だけ、アジャストナット28の位置がずれる為である)、上記各通孔54、54と上記各ねじ孔55、55とを整合させる。尚、この様に、アジャストナット28をスピンドル11aとの係合に基づき後退させた場合、後述する様に、このスピンドル11aを上記アジャストナット28及び上記ピストン10aと共に所定位置に押し込んだ際に、このアジャストナット28が後退している分、このピストン10aの移動量が減少する。但し、この減少量は僅かであり、制動時の油圧に基づきこのピストン10aの位置は、所望の位置に調整される。
一方、上記各通孔54、54と上記各ねじ孔55、55とを整合させる為の作業として、上述の方法以外に、例えば、次の様な方法が考えられる。即ち、上記カム側ボディ部43を上記シリンダ側ボディ部42から離れる方向に、上記ばね機構64の弾性力に抗して(シール65がピストン10aの内周面と摺接しない位置まで)変位させる(引っ張る)。これにより、前記スピンドル11aと螺合したアジャストナット28の外周面の一部と上記ピストン10aの内面の一部との係合が外れると共に、上記シール65の摺動抵抗がなくなり、上記カム側ボディ部43が上記アジャストナット28と共に、上記シリンダ側ボディ部42に対して回転可能となる。この状態で、上記カム側ボディ部43を螺合時の回転方向と同方向に回転させて、上記各通孔54、54と上記各ねじ孔55、55とを整合させる。その後、上記カム側ボディ部43を引っ張っていた力を解除し、このカム側ボディ部43の先端面を上記スペーサ60の側面に当接させると共に、上記アジャストナット28の外周面の一部を上記ピストン10aの内面の一部に係合させる。
本例の場合、(完成後の)初期状態でのピストン10aの基端面とシリンダ9aの底面(隔壁19aのアウタ側面)、又は、これらピストン10aの基端面とシリンダ9aの底面との近接位置との隙間の厚さδと、この隔壁19aの通孔20a内を挿通する上記スピンドル11aのOリング40を配置する位置との関係を、次の様に規制している。即ち、上記ピストン10aの基端面を上記シリンダ9aの底面に当接又は近接させた状態で、このピストン10a内に配置したアジャストナット28に上記スピンドル11aを所定位置まで螺合した場合に、このスピンドル11aに外嵌した上記Oリング40が、上記通孔20a内に進入しない様に、言い換えれば、このOリング40がこの通孔20aの手前側(図1の右側)で止まる様に、上記隙間の厚さδとこのOリング40との配置関係を規制している。本例の場合、キャリパ2aのキャリパ爪61の内側面と上記シリンダ9aの底面又は上記近接位置との距離が、パッド41a、41bの厚さ(シム板がある場合には、このシム板の厚さも含む)と、ロータ62の厚さと、これら各パッド41a、41bとこのロータ62との間の僅かな隙間と、ピストン10aの軸方向長さと、上記隙間の厚さδとの合計となる。
従って、本例の場合、上記スピンドル11aの中間部外周面に配置した上記Oリング40が上記シリンダ側ボディ部42に設けた通孔20aの手前側で止まる様に、上記隙間の厚さδとほぼ同じ大きさの厚さを有する前記スペーサ60を使用して、上記カム側組立体50の上記シリンダ側ボディ部42に向かう変位を止める様にしている。即ち、上記スペーサ60を、その片側面(図6の左側面)を上記シリンダ側ボディ部42の基端面に当接させつつ、このシリンダ側ボディ部42の基端部に形成した円筒部分59に嵌合する。尚、上記スペーサ60は径方向に分割可能としている。この様にスペーサ60を配置したシリンダ側ボディ部42に、前述した様に、カム側組立体50を回転させながら(スピンドル11aとアジャストナット28とを螺合させながら)近づけ、このカム側組立体50の先端面を上記スペーサ60の他側面(図6の右側面)に当接させる。このスペーサ60の厚さは上記隙間の厚さδとほぼ同じ大きさとしている為、この状態で、上記Oリング40が上記通孔20aの手前側で止まる。
上述の様な状態から、上記スペーサ60を分割する事により、上記シリンダ側組立体63と上記カム側組立体50との間から、このスペーサ60を取り除く。そして、上記シリンダ側ボディ部42の円筒部分59にOリング66を外嵌し、上記カム側組立体50を回転させずに(直線的に)軸方向に押し込む。尚、実際には、スペーサ60を円筒部分59に外嵌する以前にOリング66をこの円筒部分59の外周面に配置しておく。従って、上記スペーサ60の内周面に溝や面取り等を形成し、このスペーサ60の内周面と上記Oリング66とが干渉しない様にする。何れにしても、上記カム側組立体50の押し込みに伴い、前記ピストン10aもこのカム側組立体50と共に変位し、図1に示す様な、前記シリンダ9a内の所定位置に配置される。この結果、上記スピンドル11aの中間部外周面に係止した上記Oリング40が、上記通孔20a内に、上記Oリング66が、上記円筒部分59の基端部外周面と、前記カム側ボディ部43の連通孔47の内周面開口部に設けた面取り67との間に、それぞれ配置される。その後、前述した様に、ボルト44、44により上記カム側組立体50と上記シリンダ側ボディ部42とを結合する。
上述の様に、カム側組立体50とシリンダ側組立体63とを組み付けた後、パッド41a、41bを所定位置に配置して、パーキング機構付ディスクブレーキ1aを得る。
この様に構成される本例の場合、パーキング機構付ディスクブレーキ1aの組み付け作業を容易に行なえる。
即ち、(シリンダ側組立体とせずに)シリンダ側ボディ部42とカム側組立体50とを結合した後、アジャストナット28等を組み込んだピストン10aを組み付ける場合、先ず、このアジャストナット28やばね機構を組み込んだこのピストン10aを、シール56やブーツ57等と共に、シリンダ9a内に配置する。この際、このピストン10aを回転させて、上記アジャストナット28と上記スピンドル11aとをねじ係合させる必要がある。この様な作業は、例えば、シール56の内周面とピストン10aの外周面との当接部で大きな摩擦抵抗が発生する等して困難である。この為、パーキング機構付ディスクブレーキ1aの組み付け作業が難しくなる。
これに対して本例の場合、先ず、シリンダ側ボディ部42に、予め、アジャストナット28等を組み込んだピストン10aを組み付けて、シリンダ側組立体63とする。そして、スピンドル11a等を組み込んだカム側組立体50を回転させながら、上記シリンダ側組立体63に組み付ける。この為、上記スピンドル11aとアジャストナット28とを螺合させる為に、ピストン10aを回転させつつシリンダ9a内に嵌装させる必要がない。上記カム側組立体50を回転させつつ、上記スピンドル11aとアジャストナット28とを螺合する作業の際に作用するねじ係合部の抵抗は、上記ピストン10aをこのアジャストナット28と共に押しながら回転させつつ(ピストン10aを押しながら回転させないと、アジャストナット28がこのピストン10aに対し空転する可能性がある為)上記シリンダ9a内に嵌装させる場合に生じるシール56(ピストンシール)による抵抗と比べ、遥かに小さい。この為、上記カム側組立体50を回転させつつ上記スピンドル11aとアジャストナット28とを螺合する作業は容易に行なえる。
又、本例の場合、上記ピストン10aを、回転させる事なくシリンダ9a内に嵌装させる事ができる為、このピストン10aの嵌装作業も容易になる。即ち、このピストン10aを回転させる事なく上記シリンダ9a内に押し込めば良く、この作業は、このピストン10aをこのシリンダ9a内に回転させつつ押し込む作業よりも容易である。又、このピストン10aの組み付けをパーキング機構を有しない通常のディスクブレーキと同様に行なえ、このピストン10aの組み付け工程を上記通常のディスクブレーキと共通化できる(パーキング機構付ディスクブレーキ1aの組み立ての為の専用工程を減らせる)。この結果、本例の場合、パーキング機構付ディスクブレーキ1aの製造を容易に行なえ、製造コストの低減を図れる。
更に、本例の場合、Oリング40を上記通孔20a内に配置する際に、回転させずに行なえる為、組み付け時にこのOリング40が損傷しにくくなる。即ち、上述の組み付け作業を最後まで、カム側組立体50を回転させつつ行なった場合、Oリング40が通孔20a内に進入する際に、ねじれたり、この通孔20aの内周面と強く擦れ合ったりして損傷する可能性がある。これに対して、本例の様に、Oリング40を通孔20a内に押し込む様に配置すれば、このOリング40が、ねじれたり強く擦れ合ったりする事がなく、組み付け時に破損しにくくなる。又、同様に、Oリング66に就いても、ねじれたり上記円筒部分59の外周面と強く擦れ合ったりするのを防止できて、破損しにくくなる。
上述した実施の形態の1例の場合、アジャスト機構を構成するスピンドルとスリーブとのうち、使用時に回転しない部材がスピンドルである構造に本発明を適用した。但し、例えば、前述の図7に記載した従来構造の様に、アジャスト動作時にスピンドルが回転する構造にも、本発明を適用できる。この場合、スリーブをカム側ボディ部に回転不能に設ける。又、パーキングレバーの作動に基づいてピストンを軸方向に変位させるカム機構に関しても、上述した構造以外の構造を適用しても良い。更に、上述した構造の場合、カム機構をカムシャフトの両側に一対設けているが、何れか一方にのみカム機構を設ける構成とする事もできる。
本発明の実施の形態の1例を示す断面図。 図1のイ−イ断面図。 カム側組立体の分解斜視図。 本例のパーキング機構付ディスクブレーキの分解斜視図。 カム側組立体とシリンダ側組立体と組み付ける前の部分断面図。 カム側組立体をスペーサに当接させた状態を示す部分断面図。 従来構造の1例を示す断面図
1、1a パーキング機構付ディスクブレーキ
2、2a キャリパ
3、3a 保持孔
4、4a カムシャフト
5 固定側カム板
6 駆動側カム板
7 転動体
8、8a アジャスト機構
9、9a シリンダ
10、10a ピストン
11、11a スピンドル
12 スリーブ
13 雄ねじ部
14 雌ねじ部
15 筒状部材
16 凸部
17 凹部
18 カムロッド
19、19a 隔壁
20、20a 通孔
21 パーキングレバー
22 リターンスプリング
23a、23b カム機構
24 ブーツ
25a、25b カム面
26 ライナ部材
27a、27b ローラ
28 アジャストナット
29 平板部
30 連結部
31 透孔
32 支承面
33 係止突部
34 止め輪
35 中間組立体
36 大径部
37 フランジ部
38 平面部
39 基端面
40 Oリング
41a、41b パッド
42 シリンダ側ボディ部
43 カム側ボディ部
44 ボルト
45 ブラケット
46 第二のボルト
47 連通孔
48 ばね
49 止め輪
50 カム側組立体
51 腕部
52 通孔
53 延出部
54 通孔
55 ねじ孔
56 シール
57 ブーツ
58 ブーツリング
59 円筒部分
60 スペーサ
61 キャリパ爪
62 ロータ
63 シリンダ側組立体
64 ばね機構
65 シール
66 Oリング
67 面取り

Claims (4)

  1. 互いに別体である、内部にピストンを油密に嵌装する為のシリンダを有するシリンダ側ボディ部と、パーキングレバーの作動に基づいて上記ピストンを軸方向に変位させるカム機構を配置するカム側ボディ部とを結合して成るキャリパと、互いにねじ係合し、上記シリンダの中心軸を中心として相対回転する事により、このシリンダの軸方向に相対変位するスピンドル及びスリーブを備え、このシリンダに嵌装したピストンの軸方向の位置を、パッドの摩耗の進行に伴って調整可能としたアジャスト機構とを備え、上記ピストン内に、上記スピンドルとスリーブとのうちの一方の部材を、上記パッドの摩耗の進行に伴って上記ピストンの軸方向位置を調整する場合を除いて、このピストンに対して回転しない状態で組み込んでおり、上記シリンダ側ボディ部の端部に、上記シリンダ内と上記カム機構を設ける空間とを仕切る隔壁が存在し、上記スピンドルとスリーブとのうちの他方の部材が、この隔壁を貫通する状態で形成した通孔を挿通した状態で、この他方の部材の中間部外周面とこの通孔の内周面との間にシール部材が配置されるものであるパーキング機構付ディスクブレーキの製造方法であって、上記シリンダ側ボディ部に、内部に上記一方の部材を組み込んだ上記ピストンを、回転させる事なく上記シリンダ内に嵌装する事により組み付けると共に、上記カム側ボディ部に、上記カム機構及び上記他方の部材を、この他方の部材の上記カム側ボディ部に対する相対回転を防止した状態で組み付けた後、このカム側ボディ部を上記シリンダの中心軸を中心として回転させる事により、このカム側ボディ部に組み付けた上記他方の部材を上記通孔に挿通しつつ回転させて、上記シリンダ側ボディ部に組み付けた上記一方の部材に螺合し、上記他方の部材の中間部に配置したシール部材が上記通孔内に進入する以前に上記螺合作業を終了し、この状態から、上記カム側ボディ部を回転させる事なく、上記他方の部材の中間部を上記通孔内に軸方向に押し込む事により、上記シール部材をこの他方の部材の中間部外周面と上記通孔の内周面との間に配置し、上記カム側ボディ部と上記シリンダ側ボディ部とを結合する、パーキング機構付ディスクブレーキの製造方法。
  2. パーキング機構付ディスクブレーキが、上記シリンダの軸方向寸法を、上記ピストンの軸方向寸法よりも所定量大きくしたものであり、このピストン内に、上記一方の部材及びアジャスト機構を構成する部材の一部を、このピストンの基端面から突出しない状態で配置し、このピストンの基端面を上記シリンダの底面に当接又は近接させた状態で、上記他方の部材を上記一方の部材に対し螺合し、この螺合作業終了後、この他方の部材の中間部を上記隔壁の通孔内に押し込んで、この中間部外周面に設けたシール部材をこの通孔内の所定位置に配置した状態で、上記ピストンを、基端面が上記底面又はこの底面の近接位置から所定量離隔して、上記シリンダ内の所定位置に配置する、請求項1に記載したパーキング機構付ディスクブレーキの製造方法。
  3. 上記他方の部材を上記一方の部材に螺合する作業を、上記カム側ボディ部の先端面が上記シリンダ側ボディ部の基端面から上記所定量離れた状態で止めて、上記他方の部材の中間部に配置したシール部材を上記通孔の手前側に位置させた状態で上記螺合作業を終了し、その後、上記他方の部材の中間部の押し込み作業を行なう、請求項2に記載したパーキング機構付ディスクブレーキの製造方法。
  4. 上記他方の部材を上記一方の部材に螺合する作業を、上記シリンダ側ボディ部の基端面に所定の厚さを有するスペーサを配置した状態で行ない、上記カム側ボディ部の先端面が上記スペーサに当接した状態で、上記他方の部材の中間部に配置したシール部材を上記通孔の手前側で止めて、上記螺合作業を終了した後、上記スペーサを取り外してから、上記他方の部材の中間部の押し込み作業を行なう、請求項3に記載したパーキング機構付ディスクブレーキの製造方法。
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