JP4887249B2 - パーキング機構付ディスクブレーキ - Google Patents
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Description
更に本発明は、必要に応じて、上記スピンドルとスリーブとのねじ構造部分に存在する空気を、効果的に排出できる構造を実現するものである。
このうちのアジャスト機構は、互いにねじ係合し、シリンダボディ内に設けたシリンダの中心軸を中心として相対回転する事により、このシリンダの軸方向に相対変位する、スピンドルとスリーブとを備えるものである。又、これらスピンドルとスリーブとのうちの何れか一方の部材が、上記シリンダボディに対して回転しないものである。そして、上記シリンダに嵌装したピストンの軸方向の位置を、パッドの摩耗状態に応じて調整可能としている。
又、上記保持孔は、上記シリンダボディの上記パッドが存在する側と反対側の端部に、上記シリンダの中心軸の方向に対し直角方向に形成されている。
即ち、このスリーブの端部に凹部を設ける。
又、この凹部の内面のうちの互いに対向する一対の側面を、上記スリーブの中心軸の方向に直角方向に存在して互いに平行である、一対の平坦面とする。
又、上記凹部内に、上記スリーブを貫通する貫通孔の一端部を開口させる。
更に、この凹部の一部を、車両に対し組み付けた状態で鉛直方向上側に開口させる。
又、上述の請求項5に記載した発明を実施する場合に好ましくは、請求項6に記載した発明の様に、上記ライナ部材を、1対の平板部と、これら両平板部同士を連結する連結部とから構成する。
即ち、本発明の場合、シリンダの中心軸の方向に対し直角な方向に形成した保持孔内に内嵌固定したライナ部材は、このシリンダの中心軸を中心としては回転しない。従って、上記一方の部材の端部を中継部材を介して、この一方の部材がこのライナ部材に対して回転を阻止した状態で係合すれば、この構造のみにより、この一方の部材の上記シリンダボディに対する回転を阻止できる。この為、この一方の部材の回転を阻止する為の凹部等の構造を、上記シリンダボディに設ける必要がなく、この凹部等の加工に伴ってばりが発生する事もない。
この結果、パーキング機構付ディスクブレーキの製造コストの低減を図れる。
即ち、上記ねじ構造部分に存在する空気の一部は、上記スリーブの貫通孔を通じて、この貫通孔が開口する凹部に到達する。本発明の場合、この凹部の一部は、車両への組み付け状態で鉛直方向上側に開口している為、上記空気を効果的に排出できる。
又、請求項3に記載した発明の場合、上記スリーブと上記中継部材とを組み合わせた状態で、上記凹部の底面とこの中継部材の端面との間に隙間を設けている為、この隙間を通じて、上記スリーブの貫通孔内に存在する空気がより排出され易くなる。
更に、請求項2に記載した発明の場合、スリーブの端面に形成した凹部の一対の側面を、互いに平行な平坦面としている為、これら両側面の加工を行ない易い。
図1〜10は、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例は、本発明を、フローティングキャリパ型のディスクブレーキに適用した場合に就いて示している。本例の場合、シリンダボディであるキャリパ2bのインナ側端部に、保持孔3bを、このキャリパ2b内に設けたシリンダ9bの中心軸の方向(図1の左右方向)に対し直角方向(図1の上下方向)に形成している。この保持孔3b内には、カムシャフト4aを、自身の中心軸を中心とする回転及び上記シリンダ9bに嵌装したピストン10bの軸方向(図1の左右方向)の変位を可能として支持している。即ち、上記カムシャフト4aの中心軸は、パーキング機構の非作動時には、インナ寄りの鎖線α位置に存在するが、作動時には、アウタ寄りの鎖線β位置に移動する。上記カムシャフト4aの基端部で上記保持孔3b外に突出した部分には、パーキングレバー25の基端部を、圧入により結合固定している。尚、このパーキングレバー25と上記カムシャフト4aとの結合部の構造として、セレーション結合、ねじ結合等も挙げられる。
即ち、本例の場合、上述の様に構成している為、上記キャリパ2bの何れの部分にも、上記スリーブ12bの回転を阻止する為の加工を施す事なく、このスリーブ12bの上記キャリパ2bに対する回転を阻止できる。この為、このスリーブ12bの回転を阻止する為に、例えば、前述の図18〜20に示した様な凹部17や係合凹部24を、上記キャリパ2bに形成する必要がない。又、この様な加工が必要なければ、ばりが発生する事もない。又、本例の場合、互いに係合する、スリーブ12bの基端部に形成した凹部55の両平坦面41、41と、中継部材21aの先端部に形成した両支承面39、39とを、それぞれ互いに平行な平坦面としている為、これら各面41、39の加工を行ない易い。従って、パーキング機構付ディスクブレーキ1bの製造コストの低減を図れる。
例えば、上記キャリパ2b内にブレーキ液を充填する際に、上記スピンドル11bとスリーブ12bとのねじ構造部分に空気が滞留する可能性がある。この様にねじ構造部分に滞留した空気の一部は、上記スピンドル12bの貫通孔45を通じて、この貫通孔45の開口部と前記中継部材21aの先端面42との間の隙間43に到達する。本例の場合、この隙間43は、車両への組み付け状態で鉛直方向上側に開口している為、上記空気をこの隙間43を通じて効果的に排出できる。そして、この様にねじ構造部分から排出された空気は、上記キャリパ2bの一部に設けた図示しない空気抜き弁から、外部に排出される。
図12〜17も、請求項1〜4に対応する、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、ライナ部材33aを、1枚の金属板に所定のプレス加工等を施す事により形成される板金製としている。本例の場合、上記ライナ部材33aの側方開口36aのうち、カムシャフト4aの軸方向に関し両端側に存在する部分を、互いに近付く方向に曲げ形成された腕部53、53の先端部同士を近接させる事により構成している。又、上記側方開口36aのうち、上記カムシャフト4aの軸方向に対し直角な方向に存在する部分で、上記各腕部53、53の間部分には、中継部材21a側に延出した延出部54、54を設けている。そして、上記各腕部53、53とこれら延出部54、54とで囲まれる部分を、上記側方開口36aとし、この側方開口36a内に、中継部材21aの基端部に形成した突部38を挿入自在としている。その他の構造及び作用は、上述した実施の形態の第1例と同様である為、同等部分に関する図示並びに説明は省略する。
2、2a、2b キャリパ
3、3a、3b 保持孔
4、4a カムシャフト
5 固定側カム板
6 駆動側カム板
7 転動体
8、8a、8b アジャスト機構
9、9a、9b シリンダ
10、10a、10b ピストン
11、11a、11b スピンドル
12、12a、12b スリーブ
13 雄ねじ部
14 雌ねじ部
15 筒状部材
16 凸部
17 凹部
18 カムロッド
19、19a 隔壁
20、20a 通孔
21、21a 中継部材
22 凹部
23 係合凸部
24 係合凹部
25 パーキングレバー
26 リターンスプリング
27a、27b カム機構
28 ブーツ
29 Oリング
30a、30b パッド
31 ロータ
32a、32b カム面
33、33a ライナ部材
34a、34b ローラ
35 基端面
36、36a 側方開口
37 支承面
38 突部
39 支承面
40 突出部
41 平坦面
42 先端面
43 隙間
44 段部
45 貫通孔
46 基半部
47 先半部
48 段差面
49 係止突部
50 止め輪
51 キャリパ爪
52、52a 面取り
53 腕部
54 延出部
55 凹部
56 底面
57 リターンスプリング
58 ピン
59、59a パーキングレバー
60 フランジ部
61、61a、61b シリンダボディ
62 ブラケット
63 突き当て面
64 ボルト
65 円孔
Claims (6)
- 互いにねじ係合し、シリンダボディ内に設けたシリンダの中心軸を中心として相対回転する事により、このシリンダの軸方向に相対変位するスピンドルとスリーブとを備え、これらスピンドルとスリーブとのうちの何れか一方の部材が上記シリンダボディに対して回転しないものであり、上記シリンダに嵌装したピストンの軸方向の位置を、パッドの摩耗状態に応じて調整可能としたアジャスト機構と、上記シリンダボディの上記パッドが存在する側と反対側の端部に、上記シリンダの中心軸の方向に対し直角方向に形成した保持孔とを備えたパーキング機構付ディスクブレーキに於いて、
上記保持孔内に、上記シリンダの中心軸を中心とした回転を不能に内嵌固定されたライナ部材を有し、このライナ部材に、上記一方の部材の端部を中継部材を介して、この一方の部材がこのライナ部材に対して回転する事を阻止した状態で係合する事のみにより、この一方の部材の上記シリンダボディに対する回転を阻止しており、
上記中継部材は、上記シリンダと上記保持孔とを仕切る隔壁に設けた通孔を油密に貫通した状態で設けられ、この保持孔内に配置されるカムシャフトの回転に伴い上記シリンダの軸方向に変位し、このカムシャフトの動きを上記アジャスト機構を介して上記ピストンに伝達するものであり、上記保持孔内に内嵌固定したライナ部材に、上記中継部材の一端部を、このライナ部材に対する回転を阻止した状態で係合すると共に、上記一方の部材の端部を上記中継部材の他端部に、この中継部材に対する回転を阻止した状態で係合している事を特徴とするパーキング機構付ディスクブレーキ。 - 上記一方の部材が中空状に形成したスリーブであって、このスリーブの端部に凹部を設けており、この凹部の内面のうちの互いに対向する一対の側面を、このスリーブの中心軸の方向に対し直角方向に存在して互いに平行である、一対の平坦面とし、上記凹部内に上記スリーブを貫通する貫通孔の一端部が開口しており、この凹部の一部が、車両に対し組み付けた状態で鉛直方向上側に開口している、請求項1に記載したパーキング機構付ディスクブレーキ。
- 上記スリーブの端部と上記中継部材の他端部とが係合した状態で、このスリーブの貫通孔が開口した凹部の底面と、この底面と対向する上記中継部材の端面の一部との間に隙間が存在する、請求項2に記載したパーキング機構付ディスクブレーキ。
- 上記ライナ部材が、筒状に形成され、側方に上記中継部材の一端部と係合する非円形の開口部を有するものである、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載したパーキング機構付ディスクブレーキ。
- 上記ライナ部材が、上記保持孔の軸方向に関して両端部に、この軸方向と直角に配置された1対の平板部を有するものであり、上記中継部材の一端部を、これら両平板部同士の間に進入させた状態で、この中継部材の一端部がこれら両平板部の内面にそれぞれ係合する、請求項1〜4のうちの何れか1項に記載したパーキング機構付ディスクブレーキ。
- 上記ライナ部材が、1対の平板部と、これら両平板部同士を連結する連結部とから構成されるものである、請求項5に記載したパーキング機構付ディスクブレーキ。
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