以下、本発明が適用された電子楽器について図面を用いて説明する。図1はこの電子楽器の全体ブロック図を概略的に示しており、演奏操作子11、設定操作子12、ディスプレイ13、音源回路14および効果回路15を備えている。
演奏操作子11は、演奏者によって演奏操作される鍵盤で構成され、発生すべき楽音の音高を指定するとともに楽音の発生を指示する。設定操作子12は、操作パネル上に設けられた複数のスイッチなどからなり、演奏者によって操作されて電子楽器の動作を設定する。特に、この設定操作子12の中には、図7,8に示すように、ディスプレイ13の近傍に設けた第1ないし第4スイッチSW1〜SW4、再生開始指示スイッチSTおよびロータリ操作子REが含まれる。これらの演奏操作子11および設定操作子12の操作は、バス20に接続された検出回路11a,12aによってそれぞれ検出される。ディスプレイ13は、前記操作パネル上に設けられた液晶ディスプレイ、CRTなどで構成され、文字、数字、図形などを表示する。ディスプレイ13の表示は、バス20に接続された表示回路13aによって制御される。
音源回路14は、バス20に接続されていて、後述するコンピュータ部30の制御のもとに供給される演奏データおよび各種楽音制御パラメータに基づいてディジタル楽音信号を生成して、生成したディジタル楽音信号を効果回路15に出力する。効果回路15は、バス20に接続されて、コンピュータ部30の制御のもとに、ディジタル楽音信号にコーラス、リバーブなどの各種効果を付与してサウンドシステム16に出力する。サウンドシステム16は、D/A変換器、アンプおよびスピーカなどからなり、供給されるディジタル楽音信号に対応した楽音を放音する。
また、この電子楽器は、バス20にそれぞれ接続されていてコンピュータ部30を構成するCPU31、タイマ32、ROM33およびRAM34を備えているとともに、外部記憶装置41、MIDIインターフェース回路42および通信インターフェース回路43も備えている。外部記憶装置41は、HDD、FDD、CD−ROM、MO、DVD、半導体メモリなどの不揮発性の記録媒体と、同各記録媒体に対するドライブユニットを含むものであり、後述するデータおよびプログラムの記憶及び読出しを可能にしている。これらのデータおよびプログラムは予め外部記憶装置41に記憶されていてもよいし、MIDIインターフェース回路42および通信インターフェース回路43を介して外部から取り込んでもよい。
この外部記憶装置41には、図2のショートカットファイル作成プログラム、図3のファイル選択プログラムおよび図4のデータ再生プログラムに加え、各種プログラムおよびデータを記憶している。特に、データに関しては、音楽データおよびその他のデータを記憶した複数のファイルが、複数の階層からなるディレクトリ構造に従って格納される。このファイルの格納構造の一例を図5に示す。図5中、RDはルートディレクトリであり、Dは通常ディレクトリであり、MFはデータファイルであり、DSFはディレクトリのショートカットファイルであり、またFSFはデータファイルのショートカットファイルである。
これらのショートカットファイルは、ファイルの拡張子が例えば「.lnk」であり、少なくとも
リンク先のパス(TargetPath)を含む。また、このショートカットファイルは、さらに作業フォルダ(WorkingDirectory)、キーボード・ショートカット(Hotkey)、実行時の大きさ(WindowStyle)、ショートカットの説明(Description)、ショートカットのアイコン(IconLocation)、実行ファイルに渡すパラメータ(Arguments)、読み取り専用ショートカットファイルのフルパス(FullName
)などの情報も含んでいてもよい。ただし、これらはWindows(登録商標)に適用する場合の例であり、他のOSに適用する場合には、OSごとに最適な情報を含んだショートカット(名称もエイリアスなど他の名称を用いる場合がある)ファイルとするとよい。
MIDIインターフェース回路42は、他の電子音楽装置、パーソナルコンピュータなどのMIDI対応の外部機器51に接続可能となっていて、この電子楽器が外部機器51と各種プログラム及びデータを交信可能としている。通信インターフェース回路43は、通信ネットワーク52に接続可能となっていて、この電子楽器が各種プログラム及びデータをサーバコンピュータ53から受信し、またはサーバコンピュータ53に送信できるようになっている。
次に、上記のように構成した実施形態の動作について説明する。まず、外部記憶装置41に設けられたディレクトリおよびディレクトリ内に保存されたデータファイルのショートカットファイルを作成する動作について説明する。ユーザは、設定操作子12を操作することにより、外部記憶装置41に設けられているディレクトリのうちのいずれか一つを指定するとともに、前記指定した特定のディレクトリに関するショートカットファイルの作成を指示する。この指示に応答して、コンピュータ部30は、図2のショートカットファイル作成プログラムを実行する。また、前記ユーザの指示に限らず、システム起動時、所定時間ごと、またはディレクトリもしくはファイルの編集ごとに、前記ショートカットファイル作成プログラムを自動的に実行するようにしてもよい。なお、これらの場合には、特定のディレクトリとして、ルートディレクトリRDが自動的に選択される。
ショートカットファイル作成プログラムの実行開始後、コンピュータ部30は、ステップS11,S12の処理により、前記指定された特定のディレクトリの下位のディレクトリを所定順にサーチする。なお、所定順としては、例えば、次のような方法を採用できる。まず、特定のディレクトリ(例えば、ルートディレクトリRD)の直下のディレクトリをディレクトリ名順(例えば、文字コード順、アルファベット順など)にサーチする。次に、1つのディレクトリが見つかったら、そのディレクトリ内のさらに下位のディレクトリを同様の順にサーチする。そして、新たにディレクトリが見つからなくなったら、1つ上のディレクトリに戻るという動作を繰り返す。しかし、この所定順はあくまでも一例であって、他の方法を採用することも可能である。
前記サーチにより特定のディレクトリに属する新たなディレクトリが見つかった場合には、ステップS12にて「Yes」と判定して、ステップS13にて、前記見つけたディレクトリに関するショートカットファイル(前述した少なくともリンク先のパスを含むショートカットファイル)を作成して、外部記憶装置41内に新たに設けたディレクトリショートカット保存用ディレクトリに保存する。
このディレクトリのショートカットファイルの作成においては、該当するディレクトリのディレクトリ名を単純にショートカットファイルのファイル名としてもよいし、上位のディレクトリ名を含ませたファイル名としてもよい。ファイル名として該当するディレクトリのディレクトリ名だけを採用した場合、複数のディレクトリ間で同じ名称が付与されていることがあり、ショートカットファイルのファイル名上での区別がつかなくなるおそれがあるが、上位のディレクトリ名を含めておくことでユニークなファイル名を付与することができるとともに、ファイル名でソートした場合に、元のディレクトリ構造を反映させた状態でソートすることができる。
このようなステップS11〜S13からなる循環処理を繰り返し実行することにより、特定のディレクトリの下位の全てのディレクトリに関するショートカットファイルがディレクトリショートカット保存用ディレクトリに格納される。
このショートカットファイルの作成について、図5のディレクトリおよびファイル構造を有する記憶装置を例にするとともに、図5のルートディレクトリRDを特定のディレクトリとした場合について、具体的に説明する。この場合、ステップS11のディレクトリのサーチ処理により、ディレクトリRD,D1,D2,D3,D4,D5,D6がこの順にサーチされる。ディレクトリD2,D4,D5,D6には下位のディレクトリが含まれていないので、前記ステップS12の処理によりディレクトリD1,D2,D3,D4,D5,D6がこの順に見つけられる。そして、前記ステップS13の処理により、ディレクトリショートカット保存用ディレクトリD7にディレクトリD1,D2,D3,D4,D5,D6に関するショートカットファイルDSF1〜DSF6が保存される。
これにより、図6(A)の概念図に示すように、特定のディレクトリ(例えば、ルートディレクトリRD)の下位の複数階層からなる全てのディレクトリ(例えば、ディレクトリD1,D2,D3,D4,D5,D6)を、あたかも特定のディレクトリの直下における単一階層の複数のディレクトリ(例えば、ディレクトリD1,D2,D3,D4,D5,D6)からなるディレクトリ構成であるかのようにすることができる。そして、特定のディレクトリ(例えば、ルートディレクトリRD)の下位のディレクトリの一覧表示モードが指定されると、特定のディレクトリ(例えば、ルートディレクトリRD)の下位の全てのディレクトリ(例えば、ディレクトリD1,D2,D3,D4,D5,D6)が、図6(A)に示すように、特定のディレクトリの直下にてディスプレイ13に表示される。なお、ディスプレイ13の表示面積が不足する場合には、前記全てのディレクトリはスクロール表示される。その結果、ディレクトリ構成がユーザにとって分かり易く表示され、ディレクトリD1,D2,D3,D4,D5,D6へのアクセスが容易になる。
なお、前記ステップS11〜S13の処理により、ディレクトリのショートカットファイルを含んだディレクトリ、およびデータファイルのショートカットファイルを含んだディレクトリに関するショートカットファイルは作成されない。また、ディレクトリのショートカットファイルを含んだディレクトリ(例えば、ディレクトリD7)に関しては、一般のディレクトリとは異なる扱いをするのが好ましく、例えば、ディレクトリのショートカットファイルを含んだディレクトリ(例えば、ディレクトリD7)自体を非表示としたり、同ディレクトリに含まれるショートカットファイルを編集不可としたりするとよい。
一方、データファイルに関しては、コンピュータ部30は、ステップS11,S14,S15の処理により、前記指定された特定のディレクトリに含まれるデータファイルを所定順にサーチする。なお、前記データファイルの所定順のサーチとは、前記ディレクトリのサーチに連動して、各ディレクトリに含まれるデータファイルをファイル名順(例えば、文字コード順、アルファベット順など)にサーチすることを意味する。
前記データファイルのサーチにより特定のディレクトリに含まれる新たなデータファイルが見つかると、ステップS15にて「Yes」と判定して、ステップS16にて、前記見つけたデータファイルに関するショートカットファイル(前述した少なくともリンク先のパスを含むショートカットファイル)を作成して、外部記憶装置41内に新たに設けたファイルショートカット保存用ディレクトリに保存する。このようなステップS14〜S16からなる循環処理をディレクトリごとに繰り返し実行することにより、特定のディレクトリに含まれる全てのデータファイルに関するショートカットファイルがファイルショートカット保存用ディレクトリに格納される。
このデータファイルのショートカットの作成においても、単純にデータファイル名をショートカットファイルのファイル名としてもよいし、上位のディレクトリ名を含ませたファイル名としてもよい。データファイル名だけの場合、複数のディレクトリ間で同じ名称が付与されていることがあり、ショートカットファイルのファイル名上での区別がつかなくなるおそれがあるが、上位のディレクトリ名を含めておくことでユニークなファイル名を付与することができるとともに、ファイル名でソートした場合に、元のディレクトリ構造を反映させた状態でソートすることができる。
このショートカットファイルの作成についても、図5のディレクトリおよびファイル構造を有する記憶装置を例にするとともに、図5のディレクトリRDを特定のディレクトリとした場合について、具体的に説明する。この場合、ステップS11,S14のディレクトリおよびデータファイルのサーチ処理により、ディレクトリRD,D1,D2,D3,D4,D5,D6がこの順にサーチされ、前記ステップS15の処理によりデータファイルMF1,MF2,MF3,MF4,MF5,MF6がこの順に見つけられる。そして、前記ステップS16の処理により、ファイルショートカット保存用ディレクトリD8にデータファイルMF1,MF2,MF3,MF4,MF5,MF6に関するショートカットファイルFSF1〜FSF6が保存される。
これにより、図6(B)の概念図に示すように、特定のディレクトリ(例えば、ルートディレクトリRD)に含まれているデータファイル、すなわち特定のディレクトリおよびその下位のディレクトリ(例えば、ディレクトリD1,D2,D3,D4,D5,D6)に保存されているデータファイルを、あたかも特定のディレクトリ自体に保存されている複数のデータファイル(例えば、データファイルMF1,MF2,MF3,MF4,MF5,MF6)からなるデータファイル構成であるかのようにすることができる。そして、特定のディレクトリ(例えば、ルートディレクトリRD)に含まれるデータファイルの一覧表示モードが指定されると、特定のディレクトリ(例えば、ルートディレクトリRD)に含まれる全てのデータファイル(例えば、データファイルMF1,MF2,MF3,MF4,MF5,MF6)が、図6(B)に示すように、特定ディレクトリの直下にて全てのデータファイルがディスプレイ13に表示される。なお、ディスプレイ13の表示面積が不足する場合には、前記全てのデータファイルはスクロール表示される。その結果、データファイル構成がユーザにとって分かり易く表示され、データファイルMF1,MF2,MF3,MF4,MF5,MF6へのアクセスが容易になる。
なお、前記ステップS14〜S16の処理により、ショートカットファイル自身に関するショートカットファイルは作成されない。また、この場合も、ショートカットファイルを含んだディレクトリ(例えば、ディレクトリD8)に関しては、一般のディレクトリとは異なる扱いをするのが好ましく、例えば、ショートカットファイルを含んだディレクトリ(例えば、ディレクトリD8)自体を非表示としたり、同ディレクトリに含まれるショートカットファイルを編集不可としたりするとよい。
次に、外部記憶装置41に記憶されているデータファイルの選択動作について説明する。この場合、ユーザの設定操作子12の操作によって前記データファイルの選択が指示されると、コンピュータ部30は、図3のファイル選択プログラムを実行する。このファイル選択プログラムの実行開始後、コンピュータ部30は、ステップS21にて、ディスプレイ13に第1ないし第3ファイル選択モードを表示して、ユーザにいずれかのファイル選択モードを選択させる。第1ファイル選択モードは、ディレクトリ構造に従った通常のディレクトリまたはデータファイルの選択モードである(図5参照)。第2ファイル選択モードは、ディレクトリのショートカットファイルを用いたディレクトリまたはデータファイルの選択モードである(図6(A)参照)。第3選択モードは、データファイルのショートカットファイルを用いたデータファイルの選択モードである(図6(B)参照)。前記第1ないし第3ファイル選択モードの表示状態で、ユーザが設定操作子12を操作することによっていずれかのファイル選択モードを指定すると、コンピュータ部30は、ステップS22にて、ファイル選択モードを第1ないし第3ファイル選択モードのいずれかに設定する。
前記ステップS22の処理後、コンピュータ部30は、ステップS23にて先頭のディレクトリまたはデータファイルを表示し、ステップS24にて第1ないし第4スイッチングSW1〜SW4およびロータリ操作子RE(図7および図8参照)の操作に応じて、ディレクトリまたはデータファイルを選択して、ディレクトリまたはデータファイルのディスプレイ13における表示を更新する。このディスプレイ13における表示が、ディレクトリまたはデータファイルの選択状態を示している。
この第1ないし第4スイッチングSW1〜SW4およびロータリ操作子REを用いたディレクトリまたはデータファイルの選択動作の概要を説明する。図7および図8に示されるように、ディスプレイ13は2行の文字列を表示可能としている。図7および図8は、データファイルに記憶されているデータが音楽データ(曲データ)である場合を示しており、上段にて音楽データの選択状態であることを表す「ソングセレクト」なる文字列が表示されるとともに、下段にてディレクトリ名またはデータファイル名が表示される。なお、第1ないし第4スイッチングSW1〜SW4はディスプレイ13の左右両側に配置され、ロータリ操作子REは第3および第4スイッチSW3,SW4の側方に配置されている。
ディスプレイ13の下段左端の三角マーク13aは、第2スイッチSW2またはロータリ操作子REによって現在のディレクトリ内において同一階層の他のディレクトリまたはデータファイルの選択が可能な状態を示す(選択肢が1つのみの場合には表示されない)。この状態で、第2スイッチSW2を操作すると、現在のディレクトリ内において昇順にディレクトリやファイルが選択される。また、この状態で、ロータリ操作子REを左右に回動操作すると、現在のディレクトリ内において昇順(右回り)または降順(左回り)にディレクトリまたはデータファイルが選択される。上段右端の上矢印マーク13bは、上位の階層のディレクトリがあることを示す。この状態で、第3スイッチSW3が操作されると、上位の階層のディレクトリの選択状態に推移する。上位の階層のディレクトリの選択の際には、以前に選択されていたディレクトリが選択される。下段右端の下矢印マーク13cは、下位の階層のディレクトリがある、または現在の階層にデータファイルがあることを示す。この状態で、第4スイッチSW4が操作されると、下位のディレクトリまたは現在の階層内のデータファイルの選択状態に推移する。
次に、このようなディレクトリまたはデータファイルの選択動作を、前記図5のデータファイル構造を有する場合を例にして、具体的に説明する。第1ファイル選択モード(図5のディレクトリおよびデータファイル構造のもとでの選択モード)がステップS21,S22の処理により選択された場合、ステップS23の処理後に、ステップS24の処理によって第1ないし第4スイッチSW1〜SW4およびロータリ操作子REを含む設定操作子12の操作に応じてディレクトリまたはデータファイルが選択されるが、この選択は通常の選択動作であるので、説明を省略する。
第2ファイル選択モード(図6(A)のディレクトリのショートカットファイルを用いた選択モード)がステップS21,S22の処理によって選択されている場合、ステップS23の処理により先頭のディレクトリD1がディスプレイ13に表示される(図7の1段目)。この状態で第2スイッチSW2が操作され、またはロータリ操作子REが右方向に回転操作されると、以前のディレクトリD1と同一階層のディレクトリD2が選択されて表示される(図7の2段目)。この状態で第4スイッチSW4が操作されと、現在のディレクトリ(すなわちディレクトリD2)に保存されているデータファイルMF1が選択されて表示される(図7の3段目)。この状態で第2スイッチSW2が操作され、またはロータリ操作子REが右方向に回転操作されると、同一ディレクトリに保存されているデータファイルMF2が選択されて表示される(図7の4段目)。
さらに、この状態で第2スイッチSW2が操作され、またはロータリ操作子REが左方向に回転操作されると、現在のディレクトリに保存されているデータファイルMF1が選択されて表示される(図7の3段目)。この状態で第3スイッチSW3が操作されると、上位の階層のディレクトリD2が選択されて表示される(図7の2段目)。この状態で、ロータリ操作子REが左方向に回転操作されると、以前のディレクトリD2と同一階層のディレクトリD1が選択されて表示される(図7の1段目)。
第3ファイル選択モード(図6(B)のデータファイルのショートカットファイルを用いた選択モード)がステップS21,S22の処理によって選択されている場合、ステップS23の処理により先頭のデータファイルMF1がディスプレイ13に表示される(図8の1段目)。この状態から、第2スイッチSW2が順次操作され、またはロータリ操作子REが右方向に順次回転操作されると、データファイルMF1,MF2,MF3,MF4が順次この順に選択されて表示される(図8の2,3,4段目)。さらに、この状態から、ロータリ操作子REが左方向に順次回転操作されると、初期のデータファイルMF4,MF3,MF2,MF1が順次この順に選択されて表示される(図7の3,2,1段目)。このようにして、ディレクトリまたはデータファイルが順次選択される。
次に、データファイルに記憶されたデータの再生について説明する。この場合、データファイルは、一連の演奏データからなる楽曲データ(音楽データ)を記憶しているものとして説明する。ユーザが前述のようにしてディレクトリまたはデータファイルを選択した状態で、再生開始指示スイッチSTの操作によって音楽データの再生を指示すると、コンピュータ部30は図4のデータ再生プログラムの実行を開始する。なお、この再生開始指示は、ディスプレイ13中に再生開始指示マークを表示して、同マークをクリック操作するような他の方法でもよい。ただし、この再生開始の指示は、選択された音楽データファイルに関する再生開始の指示であっても、選択されたディレクトリに含まれる音楽データファイルに関する再生開始の指示であっても共通に行われる。このデータ再生プログラムの実行開始後、コンピュータ部30は、ステップS31にてディレクトリが選択されている状態か、データファイルが選択されている状態かを判定する。
データファイルが選択されている状態であれば、ステップS31にて「No」と判定して、ステップS32にて選択されている音楽データファイルを再生する。この再生においては、選択されている音楽データファイル中の演奏データが時間経過に従って順次読み出されて、音源回路14および効果回路15に出力される。音源回路14は前記出力された演奏データに基づいてディジタル楽音信号を生成して、効果回路15は前記出力された演奏データに基づいて前記生成されたディジタル楽音信号に効果を付与してサウンドシステム16に出力する。そして、サウンドシステム16が前記効果回路15から出力されたディジタル楽音信号に対応した楽音を順次放音する。
このステップS32の音楽データファイルの再生処理は、ステップS33にて音楽データファイル内の演奏データの再生終了が判定されるまで続けられる。そして、音楽データファイル内の演奏データの再生終了が判定されれば、前記ステップS32の音楽データファイル内の演奏データの再生処理が停止される。したがって、前記選択された音楽データファイルに記憶されている演奏データが順次自動的に再生されて、前記選択された音楽データファイル内の演奏データに従った楽曲が自動的に奏でられる。
ディレクトリが選択されている状態であれば、ステップS31にて「Yes」と判定して、ステップS34にて選択されているディレクトリおよびその下位側の階層のディレクトリに保存されている全ての音楽データファイルを再生の対象として設定する。なお、この音楽データファイルの再生の順番に関しては、例えば、前記データファイルのショートカットファイル生成時のサーチに関する順番と同じにすればよい。また、ルートディレクトリを選択されている場合には、前記再生対象となる音楽データファイルの設定においては、図6(B)のデータファイルに関するショートカットファイルを利用することができる。
次に、ステップS35の処理により、前記再生対象として設定された全ての音楽データファイルの中から最初の音楽データファイルを選択して、ステップS33にて音楽データファイル内の演奏データの再生終了が判定されるまで、前記ステップS32の処理と同様に1つの音楽データファイル内の演奏データを再生し続ける。1つの音楽データファイル内の演奏データの再生終了が判定されると、ステップS37にて次の再生対象ファイルがあるかを判定する。そして、次の再生対象ファイルがあれば、ステップS35に戻って、ステップS35の処理により、前記再生対象として設定された全ての音楽データファイルの中から次の音楽データファイルが選択されて、ステップS36の処理により選択された音楽データファイル内の演奏データが再生される。このようにして、前記再生対象として設定された全ての音楽データファイルが順次選択されて、選択された音楽データファイル内の演奏データが再生される。
そして、全ての再生対象ファイル内の演奏データの再生が終了したとき、ステップS37にて「No」すなわち次の再生対象ファイルがないと判定して、このデータ再生プログラムの実行を終了する。その結果、選択されたディレクトリの属する全ての音楽データファイル内の演奏データが順次再生されるので、複数の異なる楽曲が自動的に順次奏でられる。
上記音楽データファイル内の演奏データの再生においては、1つの音楽データファイルを選択した状態で演奏データの再生を指示すれば、選択されている1つの音楽データファイル内の演奏データが再生される。一方、1つのディレクトリを選択した状態で演奏データの再生を指示すれば、選択されている1つのディレクトリに属する全ての音楽データファイル内の演奏データが順次再生される。その結果、ユーザは1つの音楽データファイルまたはディレクトリを選択した状態で、単純に演奏データの再生指示を行うだけでよく、簡単な操作で「1曲再生」および「チェイン再生」を実現できる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、上記実施形態においては、図4のステップS34〜S37の処理によって、選択されたディレクトリの下位のディレクトリに保存された音楽データファイル内の演奏データ(音楽データ)も含めて、選択されたディレクトリに含まれる全ての音楽データファイル内の音楽データが順次再生されるようにした。しかし、これに代えて、選択されているディレクトリに保存されている全ての音楽データファイル内の音楽データのみを再生するようにしてもよいし、すなわち選択されたデータの下位のディレクトリに保存されている音楽データファイルを除いて、選択されているディレクトリに保存されている音楽データファイル内の音楽データのみを順次再生するようにしてもよい。
また、上記実施形態のように選択されているディレクトリに含まれる全ての音楽データファイル内の音楽データを順次再生するモードと、前記変形例のように選択されているディレクトリに保存されている全ての音楽データファイル内の音楽データのみを順次再生するモードとをユーザが選択できるようにしてもよい。さらに、前記両者における複数の音楽データファイル内の音楽データの順次再生においては、上記実施形態のように全ての音楽データファイル内の音楽データの順次再生の終了時にデータ再生を終了するのに代えて、全ての音楽データファイル内の音楽データの順次再生の終了後に再度先頭から前記順次再生を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、ディレクトリのショートカットファイルの作成においては、特定のディレクトリの下位の全てのディレクトリに関するショートカットファイルを作成するようにした。しかし、これに代えて、データファイルを含まないディレクトリ、例えば図5のディレクトリD3を除外してディレクトリのショートカットファイルを作成するようにしてもよい。また、データファイルとして、音楽に関するデータファイル、画像に関するデータファイルなどのように複数種類のデータファイルが含まれている場合には、特定種類のデータファイル(例えば、音楽に関するデータファイル)が保存されているディレクトリのみをサーチし、特定種類のデータファイルが保存されていないディレクトリを除外して、ディレクトリのショートカットファイルを作成するようにしてもよい。この場合、特定種類のデータファイルは拡張子などにより判別される。これらによれば、不要なディレクトリを含まないショートカットファイルが所定のディレクトリに保存されるので、ディレクトリのショートカットファイルを用いたディレクトリまたはデータファイルのサーチが効率的に行われるようになる。
また、上記実施形態においては、データファイルのショートカットファイルの作成においても、特定のディレクトリに含まれる全てのデータファイルに関するショートカットファイルを作成するようにした。しかし、これに代えて、データファイルとして、音楽に関するデータファイル、画像に関するデータファイルなどのように複数種類のデータファイルが含まれている場合には、特定種類のデータファイル(例えば、音楽に関するデータファイル)のみをサーチし、特定種類以外のデータファイルを除外して、データファイルのショートカットファイルを作成するようにしてもよい。この場合も、特定種類のデータファイルは拡張子などにより判別される。これによれば、不要なデータファイルを含まないショートカットファイルが所定のディレクトリに保存されるので、データファイルのショートカットファイルを用いたデータファイルのサーチが効率的に行われるようになる。
また、上記実施形態および変形例において、ディレクトリを選択した状態で音楽データファイル内の音楽データの再生を指示したとき、前記選択したディレクトリ以下に音楽データファイルがない場合には、音楽データファイルがない旨の警告を発するようにするとよい。また、単に音楽データファイルの再生指示を無効にしてもよい。
さらに、上記実施形態および変形例においては、本発明を演奏操作子11として鍵盤を採用した電子楽器に適用したが、鍵に代えて、単なる押圧スイッチ、タッチスイッチなどを音高を指定する演奏操作子として採用した電子楽器に本発明を適用してもよい。さらに、電子楽器に限らず、本発明は、シーケンサ、カラオケ装置、パーソナルコンピュータなどにも適用される。