JP4859425B2 - ポンプ装置およびそのケース組み立て方法。 - Google Patents

ポンプ装置およびそのケース組み立て方法。 Download PDF

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Description

本発明は、電子機器などに使用される冷却システム、人工透析など医療分野に使用される薬剤送液システム、化学関連装置などの薬液送液システムなど、小形・薄型化が要求される装置・システムに用いられるポンプ装置およびそのケース組み立て方法に関する。
一般に、電子機器などの冷却システムに使用される熱交換システムでは、熱媒体に水、代替えフロン、アルコール類、グリコール類、アンモニアなどが使用されている。このような熱媒体を搬送するポンプとしては、一定圧力の軸流式や遠心式などのターボ型ポンプと、一定容積の回転式や往復式などの容積型ポンプとが用いられる。これまでのこの種ポンプでは、ポンプ外形が大きい、吸引効率が悪い、消費電力が大きいなどの問題点がある。
近年の電子機器などでは、高密度集積回路(IC,LSIなど)の高密度化、高集積化などに伴って、発生する熱量が非常に大きくなっている。このため、従来の空冷システムでは対応できず、上述のように、熱交換容量の大きな液体状の熱媒体で冷却するシステムが要求されている。この冷却システムを電子機器筐体内に設置するには熱媒体を送液するポンプの小形化、薄型化、高効率化、低消費電力化等が必要となっている。
また、医療分野では人工透析などに薬剤送液システムや、人工心肺装置のような医療機器にも小形ポンプが使用される。さらに、化学関連装置などおいても、薬液送液システムなどに小型ポンプが使用されている。このようなシステムにおいても、ポンプの小形化、薄型化、高効率化、低消費電力化等が必要となっている。
このような小形ポンプとしては、ポンプ本体にトロコイドギアを用いた、小形で薄型の高効率なものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この小形ポンプは、それぞれ扁平な、モータケース、軸受ケース、ギアケースを積み重ね状に組み立て、各ケース管のシールを保った状態でねじ止めなどにより一体に締め付け、組み立てている。
特開2005−30215号公報
しかしながら、各ケースをねじ締め付けにより一体化することは、組み立てに時間がかかり生産性が悪くなると共に、温度サイクルによってゆるむ可能性もある。また、各ケース間は、Oリングなどを用いてシールするが、このようなシール部材を伴う組み立ては難しく、やはり生産性に問題が生じる。
本発明の目的は、各ケース間のシールが容易で、組み立て効率も向上する、生産性が高く、確実なシールを得ることができる小形かつ扁平で、高効率なポンプ装置およびそのケース組み立て方法を提供することにある。
本発明のポンプ装置は、上面にロータ室となる扁平な凹部が形成され、底部の軸中心部には第1の軸受けが設けられ、前記底部外面には、ステータ取付け用の凹部が形成され、かつ前記ロータ室の周囲には扁平な上面を有するボス部が形成された樹脂製のモータケースと、このモータケースの前記ボス部の上面に取付けられ、このボス部の上面との対向部に、扁平な対向面と前記モータケース側のボス部とほぼ等しい外周とを有するフランジ部が設けられ、このフランジ部の外周の少なくとも3箇所以上に前記モータケース側のボス部の外周に向って形成された係合用の爪が設けられており、前記モータケースに対する反対側には扁平な上面を有するボス部が形成され、かつ軸中心部には、前記第1の軸受けと同心の第2の軸受けを設け、この第2の軸受けの周囲に第1および第2の連通孔を設けた樹脂製の軸受けケースと、この軸受けケースの前記ボス部の上面に取付けられ、このボス部上面との対向部に、扁平な対向面と前記軸受ケース側のボス部とほぼ等しい外周とを有するフランジ部が設けられ、このフランジ部の外周の少なくとも3箇所以上に前記軸受ケース側のボス部の外周に向って形成された係合用の爪が設けられており、前記ロータ室に対し偏心した軸中心を有する扁平な円筒状の空間をギア室とした樹脂製のギアケースと、前記第1の軸受により一端が軸支され、軸方向中間部外周は前記第2の軸受けにより軸支され、他端は前記ギア室内に達する回転軸と、前記ロータ室内にて前記回転軸の軸周りに一体的に設けられた円盤状のロータ及び、前記ロータ室の底面を隔てて前記ケースの外面凹部に設けられ前記ロータに対し磁気回転力を与えるステータと、前記ギア室内に設けられた外ロータ及び前記回転軸の他端に連結する内ロータからなるトロコイドギアとを備え、前記モータケースは外部とロータ室内とを連通する第1の配管を有し、前記ロータ室は前記第1の連通孔を通して前記ギア室内と通じ、前記軸受ケースは前記第2の連通孔に通じ、この第2の連通孔を通して前記ギア室を外部に連通させる第2の配管を有し、前記モータケースと軸受ケース、及び前記軸受ケースとギアケースとは、それぞれの前記フランジ部に設けられた係合用の爪が対応する前記ボス部の外周に係合することによりそれぞれ相互に位置決めされ、かつ、それぞれの対向面が互いに接合されて組み合わされ、上記接合された両対向面間が近赤外線レーザにより溶着されており、これら互いに接合されレーザ溶着されるそれぞれのフランジとボスとの対向面の外周部分は、係合用の爪が設けられた部分以外は外部に開放しており、レーザ溶着時のガス抜き部をなっていることを特徴とする。
また、本発明のポンプ装置では、近赤外線レーザにより溶着されるケースの少なくとも一方は近赤外線レーザを透過させる透明な材質とし、他方は暗色の材質とした。
また、本発明のポンプ装置では、近赤外線レーザにより溶着されるケースの双方が近赤外線レーザを透過させる透明な材質であり、いずれか一方のレーザ溶着のターゲットとなる部分にレーザ吸収剤を塗布又は添加してレーザ吸収能を持たせ、前記近赤外線レーザにより溶着してもよい。
また、本発明のポンプ装置では、モータケースは第1の軸受と、また、軸受ケースは第2の軸受と、それぞれインサート成形されている。
また、本発明のポンプ装置では、ロータは、ポンピング対象の流体が通過するロータ室内に設置されてキャンドモータ形式を構成する。
また、本発明のポンプ装置では、第1の配管および第2の配管となる連結部の外周面には、Oリングやシール部材が装着可能な溝が少なくとも1ヶ所以上形成されている。
また、本発明のポンプ装置では、モータケース、軸受ケースおよびギアケースに、熱可塑性樹脂である、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、変形ポリフェニレンエーテル、強化ポリエチレンテレフタレート、ポリサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン、シンジオタクテックポリスチレン、超高分子量ポリエチレンのいずれかを用いるとよい。
また、本発明のポンプ装置では、外ロータおよび内ロータに、熱可塑性樹脂である、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、変形ポリフェニレンエーテル、強化ポリエチレンテレフタレート、ポリサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポロアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン、シンジオタクテックポリスチレン、超高分子量ポリエチレンのいずれかを用いるとよい。
また、本発明のポンプ装置では、第1の軸受および第2の軸受に、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、球状アモルファスカーボン/ポリアミドイミド複合体のいずれかを用いるとよい。
また、本発明のポンプ装置では、ロータに取り付けられるモータマグネットに、耐食性、耐薬品性、耐熱性に優れた樹脂コーティングを施してもよい。
また、本発明のポンプ装置では、ロータおよびその回転軸に、耐食性、耐薬品性、耐熱性に優れた非鉄系の表面処理を施すとよい。
また、本発明のポンプ装置では、回転軸を、セラミック製にするとよい。
また、本発明のポンプ装置では、ロータに、耐食性、耐薬品性、耐熱性に優れたクロム−アルミ−ニッケル合金を用いるとよい。
また、本発明のポンプ装置では、ロータに、耐食性、耐薬品性、耐熱性に優れた樹脂コーティングを施すとよい。
さらに、本発明のポンプ装置では、ロータおよびステータからなるモータを正・逆運転可能とし、モータの過負荷状態を検出すると運転方向を逆方向に切換える制御部を設けるとよい。
本発明によれば、樹脂製による小形かつ扁平でシール性に優れた小形ポンプを得ることができる。また、ケース相互を近赤外線レーザで溶着するので、組立に当り、従来のように、面倒なシール部材の取付け作業やねじ止め作業が不要となって生産性が向上する。さらに、ねじのゆるみなどが生じることなく、長期間にわたって確実なシールを維持でき、しかも、強固に組み立て構成することができる。
以下、本発明によるポンプ装置の一実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1はポンプ装置の全体構成を示す斜視図、図2は図1で示したポンプ装置の分解斜視図、図3は図1で示したポンプ装置の一部破断斜視図、図4は後述するケース部分の断面図である。
これらの図において、11はケース全体を表し、下からモータケース30、軸受けケース31、ギアケース32の順に積み重ね状に配置され、かつ後述する手法により一体化されている。このケース11は、全体形状が略円盤状をなし、内部には、ロータ室12、軸受け部13及びギア室14が、図示下方から軸方向に順次形成されている。ロータ室12及びギア室14はそれぞれ扁平な円筒形状であり、詳細構成は後述するが、軸受け部13を介して互いに連通している。また、ギア室14の軸中心は、後述するように、ロータ室12の軸中心に対して偏心して形成されている。また、このケース11にはロータ室12及びギア室14をそれぞれ個別に外部に連通させる吸入用パイプ15及び吐出用パイプ16が連結されている。
18は回転軸で、その一端(図示下端)は、ロータ室12底面の軸中心部に設けられた第1の軸受19により、ラジアル方向およびスラスト方向に軸支されている。また、この回転軸18の軸方向中間部外周は、軸受け部13に設けられた第2の軸受20によりラジアル方向に軸支されている。さらに、この回転軸18の他端(図示上端)はギア室14内に達している。
22はロータで、円盤状を成し、ロータ室12内にて回転軸18の軸周りに一体的に取付けられている。23はステータで、ロータ室12の底面を隔てたケース11の外面に設けられ、ロータ22に対し磁気回転力を与える。すなわち、これらロータ22及びステータ23により、モータを構成している。
25はトロコイドギアで、ギア室14内に設けられた外ロータ26及び回転軸18の他端に連結する内ロータ27からなり、内ロータ27の回転に伴いポンプ機能を生じる。
このトロコイドギアポンプは、吸入用のパイプ15により流体を取り入れ、トロコイドギア25の回転により吐出用のパイプ16から流体を吐出させるものである。
以下、上述した各部の詳細を説明する。
モータケース30は、図5で示すように円盤状をなす本体部と、その周囲の一部に設けられた取付け用の角部とを有する。本体部の上面には扁平な円筒状の凹部35が形成されている。この凹部35は、図4で示したように、ロータ室12となる。また、この凹部35の底面の軸中心部には小径の凹部36が形成されており、この凹部36内には第1の軸受19が設けられる。また、このモータケース30の底部外面には、ステータ23を取付けるための凹部39が形成されている。
さらに、このモータケース30内には、凹部35内に通じる連通路40が形成されている。この連通路40には、吸入用のパイプ(以下、第1の配管と呼ぶ)15が連結している。すなわち、この連通路40及び第1の配管15を通して凹部35(組立て後、ロータ室12となる)を外部に連通させている。また、この第1の配管15の外部との連結部の外周面には、図示のように、Oリングやシール部材が装着可能な溝15aが少なくとも1ヶ所以上形成されている。
上記モータケース30の凹部35(ロータ室12)内に設けられるロータ22は、図2で示すように、回転軸18の下部軸周りに一体的に取付けられており、その下面には、図4で示すように、マグネット43が一体的に取付けられている。このロータ22の、回転軸18との結合部下面22aは、図4で示すように、第1の軸受19の上面に回転自在に載置される。また、このロータ22と一体の回転軸18の下部外周は第1の軸受け19の内周に回動自在に嵌合している。すなわち、ロータ22及びこれと一体の回転軸18は、第1の軸受け19によりスラスト方向及びラジアル方向の両方向に回転自在に軸支されている。したがって、第1の軸受19はスラスト・ラジアル複合軸受である。
また、モータケース30の底部外面に形成された凹部39内に設けられるステータ23は、図2及び図3で示すように、鉄損の小さいケイ素鋼板上に巻線45形成したもので、支持基板44上に設置される。また、この巻線45は、支持基板44上に配線された図示しない帯状のフレキシブル基板により、支持基板44上に設けられたICなどによる制御部47と接続する。
支持基板44は絶縁板を馬蹄形状に形成したもので、巻線45を、凹部39内に設置した状態で、図1及び図3で示すように、モータケース30の底部外面に一体的に取付けられる。このように組立てられたステータ23は、モータケース30の底面板を介してロータ22に磁気回転力を与え、これを回転駆動する。また、図示しないメタルコアとロータ22の磁石43との間に生じる磁気吸着力によって、ロータ22の回転軸18をスラスト方向に支持する。
なお、モータケース30の底面板外面(凹部39の図示上底面)とステータ23の巻線45との間には、シリコーンなどによる高熱伝導剤を充填しておく。
軸受けケース31は、前述した軸受け部13を形成するもので、モータケース30上に取付けられる。この軸受けケース31は、図6で示すように、軸中心部に、第2の軸受20を軸受押さえ49により一体的に取付けている。この第2の軸受20は、第1の軸受19と同心に配置されたすべり軸受で、回転軸18の軸方向中間部外周をラジアル方向に回転自在に軸支する。
また、この軸受ケース31の、第2の軸受20の周囲には、上下連通孔(第1の連通孔)50と外部連通孔(第2の連通孔)51が設けられている。この上下連通孔50及び外部連通孔51の上端部には、図6で示すように、軸中心周りに偏心して形成された円弧状の凹部50a、51aがそれぞれ形成されている。上下連通孔50は、円弧状の凹部50aと共に、前記連通路40及び第1の配管15により外部に通じる下方のロータ室12と上方のギア室14とを連通するもので、この連通孔50及びその上部に形成された円弧状の凹部50aは外部からの吸入ポートとして機能する。また、外部連通孔51は、軸受ケース31内で半径方向に折曲形成され、吐出用のパイプ(以下、第2の配管と呼ぶ)16と連結している。すなわち、この外部連通孔51及びその上部に形成された円弧状の凹部51aは吐出用のポートとして機能しており、第2の配管16と共に、上方のギア室14を外部に連通させている。
なお、この排出用のポートに通じる第2の配管16の、外部との連結部の外周面にも、図示のように、Oリングやシール部材が装着可能な溝16aが少なくとも1ヶ所以上形成されている。
ギアケース32は、ギア室14を形成するもので、軸受けケース31上に取付けられる。このギアケース32は、図2及び図4で示すように、上記ギア室14となる扁平な円筒状の空間を有する。この円筒状の空間(ギア室)14は、図7示すように、その軸中心14aが、回転軸18の軸中心18a(ロータ室12の軸中心でもある)に対して偏心して形成される。
ギア室14内には、ポンプ機能を生じるトロコイドギア25が設けられている。このトロコイドギア25は、外ロータ26と内ロータ27とで構成される。
外ロータ26は、図2で示すように、前記ギア室14内に嵌合可能な外径を有し、内周にはトロコイド曲線による歯形が形成されており、ギア室14内に回転可能な状態で嵌合している。また、内ロータ27は、外周にトロコイド曲線による歯形が形成され、軸中心には、回転力伝達用の平面を有する連結孔59が設けられている。この内ロータ27は、図8で示すように、外ロータ26内に設けられ、外ロータ26と共にトロコイドギア25を構成する。そして、回転軸18の図示上端と前記連結孔59により連結し、回転軸18から回転力を受ける。
このような構成の外ロータ26と内ロータ27は、前述のようにポンプ機能を生じるトロコイドギア25として組み合わされる。この場合、図8で示すように、外ロータ26の内周頂部26aと内ロータ27の外周頂部27aとの間にクリアランスCLを設けている。このクリアランスCLは、内ロータ27の基底半径に対するクリアランスの比が0.001以上となるように設定する。
ここで、外ロータ26と内ロータ27とは、図8の右側の唯一の点で接触している。この接触点の反対側にクリアランスCLが設けられている。このクリアランスCLを設けた理由を以下説明する。
互いに各速度の異なる両ギア26,27が2箇所で接触すると、その瞬間にギア表面で大きな摩擦と滑りを伴う。摩擦は必要なトルクを激増させ、滑りは振動、騒音、磨耗を促進する。また、両ギア26,27間に形成される密閉室の体積は回転角度によらず、厳密に一定である。もしクリアランスCLが無く、流体が2箇所で仕切られると、各密閉室内で流体を圧縮・膨張させる瞬間が生じる。これを閉じ込み現象という。この場合、非圧縮性流体は扱えなくなる。また、揮発性(各種冷媒など)の液体は膨張時にキャビテーションを生じる。これに対し、図示のようなクリアランスCLを与えることにより、閉じ込み現象は無くなり、非圧縮性流体やキャビテーション発生可能性のある流体に対して安定したポンピングが可能となる。
また、クリアランスCLを設けることによりポンプ内部での逆流を許すことになるので、容積形ポンプであるのにもかかわらず、アイドリング運転(流量ゼロでの回転)が可能となる。したがって、ターボ型ポンプのように、差圧だけを誘起して流量を発生しないポンピングが可能となる。
なお、クリアランスCLを設けても容積型ポンプとしての性質は保持される。すなわち、クリアランスCLを流れる液体には粘性による圧力損失が作用し、その損失が密閉空間の圧力差を保つためである。クリアランス前後の圧力差はクリアランス幅の3乗に比例するが、レイノルズ数(以下、Re数:回転数とトロコイドギア直径に比例し、粘性に反比例する)に反比例する。したがって、ギアポンプを小形化するほどクリアランスを大きく与えてもポンプ昇圧は保持される。
クリアランスCLの最適値は次のように決める。流量ゼロにおけるポンプ昇圧が無次元数(圧力を、ポンプの代表動圧で除した無次元数。代表動圧は、流体密度×(代表速度の2乗)で与えられる。代表速度は、内ロータ基底半径×内ロータ回転各速度で与えられる。)で100以上を保持するためには、内ロータ基底半径に対するクリアランスの比(クリアランス率)を、Re=10のとき0.10以下、Re>100のとき0.05以下とする。
なお、クリアランスが0.001未満の過小の場合、その前後にある密閉室間の圧力差が無次元数で1000以上になる。このとき、2つの密閉空間で独立に圧力変動が生じても、その差が1000以上でないと圧力は伝播しないことになる。このため、閉じ込み現象が発生するとキャビテーションが発生したりギアが破損したりする恐れがある。したがって、クリアランスCLは、前述のようにクリアランス比が0.001以上となるように設定する。
内ロータ27と回転軸18の図示上端とは、図2で示すように、軸スペーサ61を介して連結している。この軸スペーサ61は、回転軸18の回転力を内ロータ27に伝達すると共に、この内ロータ27の揺動を許容するものである。すなわち、軸スペーサ61の外側面には、内ロータ27の連結孔59の平面部と当接して回転力を伝達する平面部と、それ以外の部分に形成された、軸方向中間部が外方に膨出する曲とからなり、この曲面により、内ロータ27の揺動を許容する。
モータケース30、軸受ケース31およびモータケース32の材質としては強度的に強く、寸法精度や寸法安定性を満足でき、耐熱性にも優れたエンプラ(ENGINEERING PLASTICS)およびスーパーエンプラ(SUPER ENGINEERING PLASTICS)と呼ばれる熱可塑性樹脂が適しており、例えば、非結晶性樹脂であるポリカーボネート(PC)や変形ポリフェニレンエーテル(PPE)などを用いる。この他、同等またはそれ以上の性能を有する材質として、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、強化ポリエチレンテレフタレート(GE−PET)、ポリサルホン(PSF)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリイミド(PI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリメチルペンテン(PMP)、環状ポリオレフィン(COP,COC)、シンジオタクテックポリスチレン、超高分子量ポリエチレンなどがあり、これらのいずれかを用いるとよい。
また、トロコイドギア25を構成する外ロータ26および内ロータ27、さらには軸スペーサ61には、耐疲労性、耐摩耗性に優れた、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)のいずれかが適するが、これら以外の上述した熱可塑性樹脂を用いてもよい。
また、第1の軸受19および第2の軸受20は、後述するように水中や薬液中で用いられることから、これらに強く、潤滑性を有する材質が適する。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、球状アモルファスカーボン(AC)/ポリアミドイミド(PAI)複合体のいずれかを用いるとよい。
このうち、フッ素樹脂であるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、機械加工が必要で高価ではあるが、性能的には優れている。また、ポリフェニレンサルファイド(PPS)射出成形で安価に製作できる。ただし、寸法精度は厳しい。球状アモルファスカーボン(AC)/ポリアミドイミド(PAI)複合体は、射出成形で製作できる性能は優れているが、開発品で高価となる。
この他、モータマグネット43には焼結NdFeBを用い、回転軸18やモータロータ22にはステンレス材を用いるとよい。
また、回転軸18やモータロータ22は、後述するように、ポンピング対象となる水中や薬液中に浸漬したいわゆるキャンドモータを構成するため、このポンプ装置を医療の分野で用いる場合は、前記モータマグネット43には、耐食性、耐薬品性、耐熱性に優れた樹脂(ポリイミドなど)によるコーティングを施すとよい。
同じく、このポンプ装置を医療の分野で用いる場合は、回転軸18やモータロータ22には、耐食性、耐薬品性、耐熱性に優れた非鉄系の表面処理、例えば、チタンコーティングやダイヤモンドライクコーティングなどを施すとよい。
同じく、このポンプ装置を医療の分野で用いる場合は、回転軸18自体を、アルミナ、ジルコニア、窒化珪素などのセラミック製にしてもよい。
また、このポンプ装置を、同じく医療の分野で用いる場合は、モータロータ22自体に、耐食性、耐薬品性、耐熱性に優れたクロム−アルミ−ニッケル(Cr−Al−Ni)合金を用いてもよい。
さらに、このポンプ装置を同じく医療の分野で用いる場合は、モータロータ22には、耐食性、耐薬品性、耐熱性に優れた樹脂(ポリイミドなど)によるコーティングを施すとよい。
ここで、モータケース30は、前述のように、樹脂により所定形状に形成され、かつ、その所定箇所には第1の軸受19が設けられている。このような第1の軸受19を有するモータケースの製作に当っては、インサート成形を用いる。インサート成形とは、周知のように、金型内にインサート品(この場合第1の軸受け19)を装填した後、樹脂を注入してインサート品を溶融樹脂で包んで固化させ、一体化した複合部品(モータケース)を作るものである。このようにインサート成形を用いることにより、第1の軸受19を高精度に位置決めしたモータケース30を効率よく製作することができる。
軸受ケース31と第2の軸受20についても、インサート成形を採用することにより、第2の軸受20を高精度に位置決めした軸受ケース31を効率よく製作することができる。
また、モータケース30、軸受ケース31およびギアケース32は、図1および図4で示す位置関係を保って、一体化される。この一体化に当っては、波長がλ=900[nm]前後の近赤外線レーザによる溶着を用いる。
ここで、レーザによる溶着を行うに当っては、溶着される樹脂の少なくとも一方は、レーザが透過する透明性を有する必要がある。これに対し溶着される樹脂の他方は、レーザのターゲットとなるため、黒などの暗色でなければならない。例えば、モータケース30が透明であれば、軸受ケース31を暗色とし、モータケース30側から軸受ケース31をターゲットとしてレーザを照射し、これら両者間を溶着して一体化する。図4において、符号38aで示す部分が溶着部であり、ロータ室12の周囲を囲む部分が環状に溶着されている。また、この溶着部38aにより、モータケース30と軸受ケース31との間は、確実にシールされる。
軸受ケース31とギアケース32との間も、上記と同様に、波長がλ=900[nm]前後の近赤外線レーザにより一体に溶着される。図4において溶着部は符号38bで示される。
近赤外線レーザによる溶着対象物が共に透明の場合は、ターゲットとなる部分にレーザ吸収能を有する組成物を塗布してレーザ溶着を行う。或いは、レーザ吸収能を有する添加剤を添加してケースを作成し、レーザ溶着を行なう。すなわち、双方とも透明なケース材の場合は、溶着対象部となる一方の透明なケース材に、レーザ吸収能を有する組成物、或いは添加物(これらをレーザ吸収剤と言う)を塗布或いは添加してレーザ吸収能を持たせ、他方の透明なままのケース材側から、レーザ吸収能を持たされた部分をターゲットにレーザを照射し、この間を溶着して一体化する。
なお、透明なケース材としては、前述した熱可塑性樹脂のうち、非結晶性樹脂を用い、暗色のケース材としては結晶性樹脂を用いればよい。
次に、各ケースの組み立てについて説明を行う。前述のようにケース11は、下からモータケース30、軸受けケース31、ギアケース32の順に積み重ね状に配置され、一体化されている。これら各ケース30,31,32の組み立てについて、以下、各ケース毎に説明する。
先ず、モータケース30と軸受ケース31との組み立てについて説明する。モータケース30には、図2で示すように、軸受ケース31との対向部(図示上面)にボス部30aが形成されている。このボス部30aは、図5で示すように、扁平な対向面30a1とモータ中心に対し同心の円形に形成された外周30a2とを有する。軸受ケース31には、図2で示すように、モータケース30との対向部(図示下面)に、円形のフランジ部31aが設けられている。このフランジ部31aは、図6で示すように、扁平な対向面31a1と、軸受中心と同心でモータケース30側のボス部30aとほぼ等しい外径とを有する。また、このフランジ部31aの外周の少なくとも3箇所以上(図の例では6箇所)に、モータケース30側のボス部30aの外周30a2に向って形成された係合用の爪31a2が設けられている。
このような構成のモータケース30と軸受ケース31とは、軸受ケース31側のフランジ部31aに設けられた係合用の爪31a2が、モータケース30側のボス部30aの外周30a2に係合することにより相互に位置決めされる。また、このとき、扁平な両対向面30a1,31a1が互いに接合されて組み合わされ、この接合された両対向面30a1,31a1間がレーザ溶着され、図4で示した溶着部38aとなる。
次に、軸受ケース31とギアケース32との組み立てについて説明する。軸受ケース31には、図2で示すように、ギアケース32との対向部(図示上面)にボス部31bが形成されている。このボス部31bは、図6で示すように、扁平な対向面31b1とギアケース32と同心の円形に形成された外周31b2とを有する。ギアケース32は、図2で示すように、軸受ケース31との対向部(図示下面)が円形のフランジ部32aとなる。このフランジ部32aは、扁平な対向面32a1と、前記ギア室14と同心で軸受ケース31側のボス部31bとほぼ等しい外周とを有する。また、このフランジ部32bの外周の少なくとも3箇所以上(図の例では4箇所)に、軸受ケース31側のボス部31bの外周31b2に向って形成された係合用の爪32a2が設けられている。
このように形成された軸受ケース31とギアケース32とは、ギアケース32側のフランジ部32aに設けられた係合用の爪32a2が、軸受ケース31側のボス部31bの外周31b2に係合することにより相互に位置決めされる。このとき、扁平な両対向面31b1,32a1が互いに接合されて組み合わされ、この接合された両対向面31b1,32a1間がレーザ溶着され、図4で示した溶着部38bとなる。
ここで、互いに接合されレーザ溶着されるフランジ31a,32aとボス部30a,31bとの対向面30a1、31a1間の外周部分及び31b1、32a1間の外周部分は、係合用の爪31a2,32a2が設けられた部分以外は外部に開放している。この外部に開放した接合面間の外周部は、レーザ溶着時のガス抜き部となっており、ガスによるボイドの無い良好な溶着部を得ることができる。
次に、各ケース間のレーザ溶着操作を説明する。前述のようにケース11は、モータケース30、軸受けケース31、ギアケース32の互いに接合された各対向面を、波長がλ=900[nm]前後の近赤外線レーザにより溶着し、一体化している。レーザによる溶着を行うに当っては、溶着される樹脂の少なくとも一方は、レーザが透過する透明性を有し、他方は、レーザのターゲットとなるため、黒などの暗色でなければならない。溶着対象物が共に透明の場合は、ターゲットとなる部分にレーザ吸収剤を塗布又は添加してレーザ吸収能を持たせ、レーザ溶着を行う。
上記モータケース30、軸受けケース31、ギアケース32をレーザ溶着する場合、モータケース30とギアケース32により上下から挟まれた状態となる軸受ケース31を暗色材にするとよい。このようにすると、透明なモータケース30及びギアケース32側から暗色の軸受ケース31をターゲットとしてレーザを照射して溶着させることができる。
レーザ溶着に当っては、レーザ溶着される互いに接合された対向面間に均一な圧力が加わり、互いに密着した状態でなければならない。先ず、モータケース30と軸受ケース31とをレーザ溶着する場合について説明する。
前述のように軸受ケース31を暗色材とし、この軸受ケース31をターゲットとする場合、モータケース30側からレーザを照射するため、軸受ケース31の上面を下向きに、下面を上向きにして図示しない基台上にセットする。軸受ケース31の上面は、図6で示したように、中央のボス部31b1以外の部分は平坦な面であり、上記ボス部31b1の逃げ部を有する平坦な基台面上に設置する。
このとき、軸受ケース31の下面フランジ部31aは上向きとなっており、その外周部に設けられた複数の係合爪31a2も上向きとなっている。この状態で、モータケース30の上面を軸受ケース31上にセットする。すなわち、モータケース30の上面には、図5で示したように、環状を成すボス部30aが形成されており、その外周30a2を、軸受ケース31側の係合爪31a2に係合させ、かつ平坦な対向面30a1を、軸受ケース31の下面フランジ部31aの平坦な対向面31a1に接合させる。
このように、軸受ケース31の下面フランジ部31a上にモータケース30の上面ボス部30aを接合させた状態で、モータケース30の上向きになった底部外面側から圧力を加え、前記互いに接合された対向面30a1,31a1間に圧力を加える。ただし、モータケース30の上向きになった底部外面は、図4で示すように、高さ位置が異なる複数の面を有するため、平面体により圧力を加えると、上記対向面30a1,31a1間に均等な圧力が加わらなくなる。すなわち、モータケース30の底部外面は、図2で示したステータ23が設置される凹部39の底面と、基板44が嵌めこまれる肩部39aとそれ以外の支持面39bを有し、これらはそれぞれ高さ位置が異なる。なお、図4中、符号39cは肩部39aにはめ込まれた基板44を熱カシメするための突起である。このため、平面体により圧力を加えると、上述のように凹凸形状を成す底部外面に部分的圧力が加わることになり、レーザ溶着対象となる対向面30a1,31a1間に均等な圧力が加わらなくなる。
そこで、モータケース30の底部外面に形成された凹凸面に対し個別に高さ方向への動作が可能な支持体を設け、高さ位置の異なる各面を個別に支持して適切な圧力を加えることにより、レーザ溶着対象となる対向面30a1,31a1間に均等な圧力が加わるようにしている。
ここで、モータケース30の底部外面の高さ形状は、図4で説明したように、ステータ23が設置される凹部39の上底面と、基板44が嵌めこまれる肩部39aとそれ以外の支持面39bからなり、これらの高さ位置を、図9で示すように、A,B,Cとする。なお、基板44を熱カシメするための突起39cの高さは後述する理由により無視する。
このように高さ位置が異なる各面に対する加圧用として、図10で示す冶具55を用いる。この冶具55は、ステータ取り付け用の凹部39の底面と、この底面以外の高さ位置が異なる面39a,39bとを個別に支持する複数の支持体55A,55B,55Cを有する。これら支持体55A,55B,55Cは高さ方向に対して個別に変位できるように構成されている。そして、支持体55Aの先端部をステータ取り付け用の凹部39の底面(高さ位置A)に接合させ、支持体55Bの先端部を基板44が嵌めこまれる肩部39aの表面(高さ位置B)に接合させ、支持体55Cの先端部をそれ以外の支持面(高さ位置C)39bに接合させ、これら支持体55A,55B,55Cにより、支持された各面が等しい圧力を受けるように図示しない加圧部を設定する。
なお、支持体55Bの支持面には、図示しないが、基板44を熱カシメするための突起39cを避ける凹部が形成されている。したがって、突起39cの高さ位置は無視できる。
モータケース30の反対面、すなわち、下向きとなったモータケース30の上面ボス部30aには、前述のように、軸受ケース31の下面フランジ部31aが上向きに取り付けられ、かつ、この軸受ケース31の上面は、下向きの状態で平坦な基台面上に設置されていることから、上記冶具55により、モータケース30の上向きになった底部外面側から圧力を加えることにより、レーザ溶着される対向面30a1,31a1間には均等な圧力が加わることになる。
この状態で、上部に位置する透明なモータケース30側から暗色の軸受ケース31をターゲットとして、互いに接合された対向面30a1,31a1間に近赤外線レーザを照射し、この間を溶着する。その結果、図4で示した溶着部38aが形成される。このように、モータケース30側から近赤外線レーザを照射する場合は、前述した冶具55も透明な材質とする。
次に、ギアケース32を取り付ける場合は、軸受ケース31を取り付けたモータケース30の底部外面を、前記冶具55により支持したまま下向きにし、モータケース30と一体の軸受ケース31の上面に、ギアケース32を所定の位置関係で接合させる。すなわち、軸受ケース31の上面ボス部31bの外周31b2に、ギアケース32側に設けられた係合用の爪32a2を係合させることにより相互に位置決めし、扁平な両対向面31b1,32a1を互いに接合させる。ギアケース32の上部から図示しない支持体により、軸受ケース31とギアケース32との接合面31b1,32a1間に所定の接合圧力を加える。
この状態で、上部に位置する透明なギアケース32側から暗色の軸受ケース31をターゲットとして接合面31b1,32a1間に近赤外線レーザを照射し、この間を溶着する。その結果、図4で示した溶着部38bが形成される。このように、ギアケース32側から近赤外線レーザを照射する場合は、ギアケース32を加圧する前述した図示しない支持体も透明な材質とする。
次に、上述のようにして組み立てられたポンプ装置の動作を説明する。上記構成において、図1で示したICなどによる制御部47から図示しないフレキシブル基板により回転指令を与えると、ステータ23が励磁され、モータケース30の底面板を隔てたロータ22に磁気回転力を与え、このロータ22と一体の回転軸18を軸周りに回転駆動する。このとき回転軸18は、ロータ22の磁石43とステータ23のメタルコア基板との間に生じる磁気吸着力により、第1の軸受19でスラスト方向に支持される。また、ラジアル方向については、下端外周が第1の軸受19により、軸方向中間部外周は第2の軸受20によりそれぞれ回転自在に支持されている。
このように、回転軸18が回転することにより、ギア室14内のトロコイドギア25が回転駆動され、ポンプ機能を生じる。このポンプ機能により、第1の配管15及び連通路40を通って、流体がケース11内に吸入され、キャンドモータ方式のロータ室12内に充満した後、軸受部13の吸入ポート50,50aを通りギア室14内に入る。そして、トロコイドギア25を構成する外ロータ26、内ロータ27間の空間内に入り、その回転移動により、吐出ポート51a,51を通り、第2の配管16から外部に吐出される。
なお、流体の上記流通経路は、ステータ23によりロータ22を時計回りに回転させた場合であり、ステータ23に供給される電力の極性を反転させてロータ22を反時計回りに回転させた場合は上記とは反対向きに流れる。すなわち、第2の配管16およびポート51,51aが吸入用となり、流体はここを通ってギア室14内に入り、ポート50a,50からロータ室12内に流れ、連通路40及び第1の配管15から外部に吐出される。
ここで、上記ポンプ運転時、ポンプ内部でキャビテーションなどが原因でボイド(泡)が発生し、このボイドがトロコイドギア25の外ロータ26と内ロータ27との間に挟まると、モータが過負荷状態になり、そのまま放置することは好ましくない。そこで、このような状態が生じた場合は、モータを逆回転させることによりボイドをギア室から排出することができる。そして、この後、再びもモータを正規の回転に戻せばよい。このような制御を実現するために、制御部47にモータの負荷電流の上昇や、回転数の低下など、モータの過負荷状態をモニタする機能を持たせる。そして、このモニタの結果、負荷電流や回転数が規定値を越えると、モータを瞬時に逆回転させ、ボイド排出後、再び正規の回転方向に戻すように制御を行う。
ケース11内に吸入された流体は、上述のようにキャンド方式のロータ室12内に充満し、第1の軸受19と、回転軸18の下端外周との間及び回転軸18と一体のロータ連結部下面22aとの間、すなわち摺動部分に、毛細管現象によって進入する。また、この流体は、軸受部13に設けられた第2の軸受20と回転軸18の外周との間(摺動部分)にも毛細管現象で進入する。
ここで、第1の軸受19及び第2の軸受20の回転軸との接触部分(摺動部分)には、前述したように、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、球状アモルファスカーボン(AC)/ポリアミドイミド(PAI)複合体のいずれかが用いられている。
これらの材質は、耐摩耗性が高く、自己潤滑特性とも呼ばれる低摩擦特性を持つので、潤滑剤を用いることなく、回転軸などの可動部材に対して円滑に摺動して支持することができる。したがって、簡単な構成で、潤滑材の不要な軸受などの支持装置を得ることができ、この支持装置自体の耐久性を高くすることができる。
また、これら材質は高い耐薬品性を有するので、流体が収容される空間(上述の実施の形態ではロータ室12や軸受部13)内に設けられても、流体によって化学変化を起こすことがない。例えば、流体が強酸性または強アルカリ性などの相手に科学的影響を与えやすい流体であっても、摺動部材が流体によって損傷することがなく、摺動部材としての機能を長期間にわたって維持することができ、しかも、この流体を潤滑材として利用することができる。
また、上述した軸受部分以外の各ケース30,31,32やトロコイドギア25の外ロータ26及び内ロータ27、さらにはキャンとモータを構成するモータロータ22の材質として、前述のように各種の材質を用意し、あるいは各種の表面コーティングなどを用意した。これらはポンプ装置が適用される用途、すなわち、ポンピング対象の流体に応じて適切なものを選択して使用すればよい。
本発明によるポンプ装置の一実施の形態を示す斜視図である。 同上一実施の形態を説明する分解斜視図である。 同上一実施の形態を説明する一部破断斜視図である。 同上一実施の形態におけるケース部分の縦断面図である。 同上一実施の形態におけるモータケースおよび第1の軸受けを示す斜視図である。 同上一実施の形態における軸受ケースおよび第2の軸受けを示す斜視図である。 同上一実施の形態におけるケース部分の平面図である。 同上一実施の形態におけるトロコイドギア部分を説明する平面図である。 同上一実施の形態におけるモータケースの底部外面を示す底面図である。 図9で示したモータケースの底部外面を支える冶具を説明する図である。
符号の説明
11 ケース
12 ロータ室
13 軸受部
14 ギア室
15 第1の配管
16 第2の配管
18 回転軸
19 第1の軸受
20 第2の軸受
22 ロータ
23 ステータ
25 トロコイドギア
26 外ロータ
27 内ロータ
30 モータケース
30a ボス部
30a1 対向面
30a2 外周
31 軸受ケース
31a フランジ部
31a1 対向面
31a2 係合爪
31b ボス部
31b1 対向面
31b2 外周
32 ギアケース
32a フランジ部
32a1 対向面
32a2 係合爪
38a,38b レーザ溶着部
39 凹部
47 制御部
50,50a 吸入用のポート
51 吐出用のポート11
55 個別の支持体を有する冶具

Claims (15)

  1. 上面にロータ室となる扁平な凹部が形成され、底部の軸中心部には第1の軸受けが設けられ、前記底部外面には、ステータ取付け用の凹部が形成され、かつ前記ロータ室の周囲には扁平な上面を有するボス部が形成された樹脂製のモータケースと、
    このモータケースの前記ボス部の上面に取付けられ、このボス部の上面との対向部に、扁平な対向面と前記モータケース側のボス部とほぼ等しい外周とを有するフランジ部が設けられ、このフランジ部の外周の少なくとも3箇所以上に前記モータケース側のボス部の外周に向って形成された係合用の爪が設けられており、前記モータケースに対する反対側には扁平な上面を有するボス部が形成され、かつ軸中心部には、前記第1の軸受けと同心の第2の軸受けを設け、この第2の軸受けの周囲に第1および第2の連通孔を設けた樹脂製の軸受けケースと、
    この軸受けケースの前記ボス部の上面に取付けられ、このボス部上面との対向部に、扁平な対向面と前記軸受ケース側のボス部とほぼ等しい外周とを有するフランジ部が設けられ、このフランジ部の外周の少なくとも3箇所以上に前記軸受ケース側のボス部の外周に向って形成された係合用の爪が設けられており、前記ロータ室に対し偏心した軸中心を有する扁平な円筒状の空間をギア室とした樹脂製のギアケースと、
    前記第1の軸受により一端が軸支され、軸方向中間部外周は前記第2の軸受けにより軸支され、他端は前記ギア室内に達する回転軸と、
    前記ロータ室内にて前記回転軸の軸周りに一体的に設けられた円盤状のロータ及び、前記ロータ室の底面を隔てて前記ケースの外面凹部に設けられ前記ロータに対し磁気回転力を与えるステータと、
    前記ギア室内に設けられた外ロータ及び前記回転軸の他端に連結する内ロータからなるトロコイドギアとを備え、
    前記モータケースは外部とロータ室内とを連通する第1の配管を有し、前記ロータ室は前記第1の連通孔を通して前記ギア室内と通じ、前記軸受ケースは前記第2の連通孔に通じ、この第2の連通孔を通して前記ギア室を外部に連通させる第2の配管を有し、
    前記モータケースと軸受ケース、及び前記軸受ケースとギアケースとは、それぞれの前記フランジ部に設けられた係合用の爪が対応する前記ボス部の外周に係合することによりそれぞれ相互に位置決めされ、かつ、それぞれの対向面が互いに接合されて組み合わされ、上記接合された両対向面間が近赤外線レーザにより溶着されており、
    これら互いに接合されレーザ溶着されるそれぞれのフランジとボスとの対向面の外周部分は、係合用の爪が設けられた部分以外は外部に開放しており、レーザ溶着時のガス抜き部をなっている
    ことを特徴とするポンプ装置。
  2. 近赤外線レーザにより溶着されるケースの少なくとも一方は近赤外線レーザを透過させる透明な材質とし、他方は暗色の材質としたことを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  3. 近赤外線レーザにより溶着されるケースの双方が近赤外線レーザを透過させる透明な材質であり、いずれか一方のレーザ溶着のターゲットとなる部分にレーザ吸収剤を塗布又は添加してレーザ吸収能を持たせ、前記近赤外線レーザにより溶着したことを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  4. モータケースは第1の軸受と、また、軸受ケースは第2の軸受と、それぞれインサート成形されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  5. ロータは、ポンピング対象の流体が通過するロータ室内に設置されてキャンドモータ形式を構成することを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  6. 第1の配管および第2の配管の連結部の外周面には、Oリングやシール部材が装着可能な溝が少なくとも1ヶ所以上形成されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  7. モータケース、軸受ケースおよびギアケースに、熱可塑性樹脂である、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、変形ポリフェニレンエーテル、強化ポリエチレンテレフタレート、ポリサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン、シンジオタクテックポリスチレン、超高分子量ポリエチレンのいずれかを用いたことを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  8. 外ロータおよび内ロータに、熱可塑性樹脂である、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、変形ポリフェニレンエーテル、強化ポリエチレンテレフタレート、ポリサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポロアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリエーテルイミド、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン、シンジオタクテックポリスチレン、超高分子量ポリエチレンのいずれかを用いたことを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  9. 第1の軸受および第2の軸受に、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフェニレンサルファイド、球状アモルファスカーボン/ポリアミドイミド複合体のいずれかを用いたことを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  10. ロータに取り付けられるモータマグネットに、耐食性、耐薬品性、耐熱性に優れた樹脂コーティングを施したことを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  11. ロータおよびその回転軸に、耐食性、耐薬品性、耐熱性に優れた非鉄系の表面処理を施したことを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  12. 回転軸を、セラミック製にしたことを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  13. ロータに、耐食性、耐薬品性、耐熱性に優れたクロム−アルミ−ニッケル合金を用いたことを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  14. ロータに、耐食性、耐薬品性、耐熱性に優れた樹脂コーティングを施したことを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
  15. ロータおよびステータからなるモータを正・逆運転可能とし、モータの過負荷状態を検出すると運転方向を逆方向に切換える制御部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
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