JP4859005B2 - 低汚染性接着シ―ト類とレジスト材の除去方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に、各種工業部材、詳しくは半導体、回路、各種プリント基板、各種マスク、リ―ドフレ―ムなどの微細加工部品の製造に際して使用される、再剥離用接着シ―ト類の被着体に対する低汚染化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、半導体のデバイス製造では、シリコンウエハ上にレジスト材を塗布し、通常のフォトプロセスにて所定のレジストパタ―ン(レジスト膜画像)を形成し、これをマスクとしてエッチング後、不要となったレジスト材が除去され、所定の回路が形成される。つぎの回路を形成するため、再度レジスト材を塗布するサイクルが繰り返し行われる。また、各種基板に回路を形成する場合も、レジストパタ―ンの形成後、不要となったレジスト材が除去される。
【0003】
不要となったレジスト材の除去はアッシヤ(灰化手段)や溶剤、薬品などにて行われるのが一般的である。しかし、レジスト材の除去にアッシヤを用いると、作業に長時間を要したり、レジスト材中の不純物がウエハに注入されるおそれがあり、また半導体基板にダメ―ジを与えることがある。また、溶剤や薬品を用いる方法では、作業環境を害するという問題がある。
【0004】
このため、最近では、フィルム基材上に感圧接着性ポリマ―を主剤成分として含む接着剤層を設けた接着シ―ト類を使用し、これをレジストパタ―ンの上面に貼り付け、加熱処理などの特定の処理を施したのち、この接着シ―ト類を剥離操作して、基板上からレジスト材を上記接着シ―ト類と一体に剥離除去する方法が提案されている。しかしながら、このような接着シ―ト類を使用する方法は、レジスト材が剥離されたのちの基板上に接着シ―ト類由来の有機汚染物質が多量に残ることがあり、接着シ―ト類の剥離操作後に上記汚染物質を取り除く作業が必要となり、この点で必ずしも簡易な除去方法とはいえなかった。
【0005】
また、上記の例は、レジスト材の除去方法に関するものであるが、半導体関連分野などにおいて、基板表面に存在する異物(ゴミ)などを除去する手段として上記と同様の接着シ―ト類を使用し、これに異物を付着させて取り除くこともよく行われており、この場合も、異物除去後に接着シ―ト類由来の有機汚染物質が基板上に多量に残ることがあり、上記と同様の問題があった。さらに、接着シ―ト類をこれら以外の再剥離用として使用する、たとえば、金属板などの表面保護や塗装マスキングなどに使用する場合も、表面保護やマスキングの目的を達したのち、剥離する際に、金属板などの表面に接着シ―ト類由来の有機汚染物質が多量に残ることがあり、上記と同様の問題がやはりあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情に照らし、接着シ―ト類をレジスト材や異物の除去、表面保護、マスキング、その他の再剥離用として用いる場合に、被着体である基板などの物品の表面に接着シ―ト類由来の有機汚染物質が残るのを防止できる低汚染性接着シ―ト類を提供すること、またとくにこの接着シ―ト類を使用したレジスト材の除去方法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため、鋭意検討した結果、まず、接着シ―ト類の剥離後に被着体表面に有機汚染物質が残るのは接着剤層中に含まれる主剤成分である感圧接着性ポリマ―、たとえばアクリル系ポリマ―などに起因する、つまり、上記感圧接着性ポリマ―の分子量の分布幅が広く、とくにオリゴマ―状の低分子量体が多く含まれているために、感圧接着剤として破断や凝集破壊を生じやすく、これが被着体の有機汚染の大きな原因となっていることを究明した。
【0008】
すなわちフィルム基材上に感圧接着性ポリマーを主成分として含む接着剤層が設けられてなる接着シート類において、少なくともシート類の剥離時に、接着剤層にオリゴマー状の低分子量体が実質的に含まれていなければ、感圧接着剤として破断や凝集破壊を生すことなく、被着体の有機汚染を防ぐ事が出きることを見出した。
【0009】
本発明者らは、この究明に基づいて、さらに検討を続け、上記の感圧接着性ポリマ―に対して貧溶媒による再沈殿処理を施すなどして、低分子量体の含有量を減らし、分子量の分布幅をせまくするようにしたときに、被着体の有機汚染を大きく低減できることを知り、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、フィルム基材上に感圧接着性ポリマーを主成分として含む接着剤層が設けられてなる接着シート類において、上記感圧接着性ポリマーには、感圧接着性ポリマーに起因するオリゴマー状の分子量5,000以下の低分子量体が、GPC(ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイ)法により得られた分子量分布曲線より実質的に含まれていないことを特徴とする低汚染性接着シート類(請求項1)に係るものであり、感圧接着性ポリマーが、分子量の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が10以下である上記低汚染性接着シート類(請求項2)、感圧性接着性ポリマーが、貧溶媒による再沈殿処理が施されてなるものである上記低汚染性接着シート類(請求項3)、さらに、レジスト材や異物の除去、表面保護、マスキング、その他の再剥離用である上記低汚染性接着シ―ト類(請求項8)に係るものである。
【0011】
また、本発明は、このような低汚染性接着シート類のより具体的な態様として、感圧接着性ポリマーが(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主モノマーとしたアクリル系ポリマーである低汚染性接着シート類(請求項4)、接着剤層が感圧接着性ポリマーのほかに分子内に不飽和二重結合を1個以上有する重合性化合物および重合開始剤を含んでなる硬化型の接着剤層である低汚染性接着シート類(請求項5)、上記の重合開始剤が光重合開始剤であって、接着剤層が光硬化型である低汚染性接着シート類(請求項6)、さらに接着剤層が感圧接着性ポリマーのほかにこれを架橋させるための多官能性化合物を含んでなる低汚染性接着シート類(請求項7)を提供できるものである。
【0012】
さらにまた、本発明は、上記のような特定構成の低汚染性接着シート類を使用したレジスト材の除去方法として、レジストパターンが存在する物品上に、上記各構成の低汚染性接着シート類を貼り付け、この低汚染性接着シート類が硬化型であるときはこれを硬化させたのち、剥離操作することにより、物品上からレジスト材を上記低汚染性接着シート類と一体に剥離除去することを特徴とするレジスト材の除去方法(請求項9)に係るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられるフイルム基材としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレ―ト、アセチルセルロ―スなどからなる厚さが通常10〜100μm程度のプラスチックフイルムが好ましい。また、フイルム基材上に設けられる接着剤層が光硬化型のものであるときは、紫外線などの光を透過するプラスチックフイルムを選択使用するのが望ましい。
【0014】
本発明においては、このようなフイルム基材上に厚さが通常10〜180μmの接着剤層を設けて、シ―ト状やテ―プ状などの接着シ―ト類とする。ここで、上記の接着剤層は、感圧接着性ポリマ―を主剤成分として含むものであり、この感圧接着性ポリマ―には、一般の感圧性接着剤に適用される公知の各種ポリマ―をいずれも使用できるが、とくに好ましくは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主モノマ―としたアクリル系ポリマ―を使用するのがよい。
【0015】
このようなアクリル系ポリマ―は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、つまり、アクリル酸またはメタクリル酸と炭素数が通常12以下のアルコ―ルとのエステル(たとえば、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシルなど)を主モノマ―とし、必要により、カルボキシル基ないし水酸基含有モノマ―(たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシエチルアクリレ―トなど)やその他の改質用モノマ―(たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、スチレン、アクリロニトリル、アクリルアミド、グリシジルアクリレ―トなど)を用いて、これらのモノマ―を常法により溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合などの方法で重合させることにより、合成することができる。
【0016】
このような方法で合成されるアクリル系ポリマ―は、一般に、分子量の分布幅が広く、分子量数千以下のオリゴマ―から数百万のものまでの混合物となつており、分子量数千以下のオリゴマ―が数重量%〜10重量%程度含まれている。本発明においては、このようなアクリル系ポリマ―をはじめとする感圧接着性ポリマ―に対して貧溶媒による再沈殿処理を施し、分子量5,000以下、好ましくは10,000以下の低分子量体が実質的に含まれていないようにしたことを特徴としている。また上記ポリマ―の分子量の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が10以下、好ましくは8以下、より好ましくは5以下(通常2まで)となるのがよい。
【0017】
上記の再沈殿処理は、貧溶媒として、アクリル系ポリマ―ではこのポリマ―の溶解性の小さい溶剤として、メタノ―ル、エタノ―ル、イソプロピルアルコ―ルなどのアルコ―ル系溶剤やヘキサン、石油エーテルなどの脂肪族炭化水素系溶剤を用い、これに上記ポリマ―を溶解させたのち、室温または低温下で放置処理して上記ポリマ―を再沈澱させ、この沈澱ポリマ―を乾燥回収する処理方法である。上記ポリマー中の低分子量体は、このような再沈殿処理に限らず、公知の種々の方法を用いて低減してもよい。しかし、上記再沈殿処理による感圧接着性ポリマ―には分子量5,000以下の低分子量体がほとんど含まれておらず、本発明にとくに好適なポリマ―として使用できる。
【0018】
本発明においては、このように分子量5,000以下の低分子量体が実質的に含まれない感圧接着性ポリマ―を使用することにより、また分子量の分散度が10以下となる分子量分布幅のせまい上記ポリマ―を使用することにより、このポリマ―を主剤成分とした接着剤層をフイルム基材に設けてなる接着シ―ト類が、被着体表面に対し従来のような有機汚染物質を残すことのない、再剥離用として適した低汚染性接着シ―ト類となることを見い出したものである。
【0019】
本発明に用いられる上記の感圧接着性ポリマ―は、重量平均分子量が50万〜500万の範囲、数平均分子量が30万〜300万の範囲にあるのがよい。これらの平均分子量および分子量の分散度は、GPC(ゲルパ―ミエ―シヨンクロマトグラフイ)法によるポリスチレン換算の値である。また、ポリマ―中の分子量5,000以下の低分子量体は、分子量分布曲線より、その有無を検出できる。
【0020】
本発明における接着剤層としては、上記特定の感圧接着性ポリマ―を主剤成分とした種々のタイプのものを使用できるが、好ましくは上記主剤成分のほかに、分子内に不飽和二重結合を1個以上有する重合性化合物および重合開始剤を含んでなる硬化型の接着剤層であるのがよく、とくに、上記の重合開始剤が光重合開始剤であり、接着剤層が光硬化型であるものが望ましい。
【0021】
上記の重合性化合物としては、光または熱エネルギーの付与により硬化しうる不飽和二重結合を1個以上有する不揮発性化合物であり、フェノキシポリエチレングリコ―ル(メタ)アクリレ―ト、ε−カプロラクトン(メタ)アクリレ―ト、ポリエチレングリコ―ルジ(メタ)アクリレ―ト、ポリプロピレングリコ―ルジ(メタ)アクリレ―ト、トリメチロ―ルプロパントリ(メタ)アクリレ―ト、ジペンタエリスリト―ルヘキサ(メタ)アクリレ―ト、ウレタン(メタ)アクリレ―ト、エポキシ(メタ)アクリレ―ト、オリゴエステル(メタ)アクリレ―トなどがあり、これらの中から、1種または2種以上が用いられる。使用量は、感圧接着性ポリマ―100重量部あたり、重合性化合物が10〜400重量部、好ましくは50〜300重量部となるようにするのがよい。
【0022】
また、上記の重合開始剤としては、光の照射にてラジカルを発生する光重合開始剤として、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイン、ベンゾインエチルエ―テル、ジベンジルなどが用いられる。また、熱エネルギーの付与にてラジカルを発生する重合開始剤として、過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物や2,2´−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤などが用いられる。使用量は、感圧接着性ポリマ―100重量部あたり、重合開始剤が0.1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部となるようにするのがよい。
【0023】
また、このような種々のタイプの接着剤層には、凝集力の向上のために、前記の感圧接着性ポリマ―を架橋させるための多官能性化合物、たとえば、ポリイソシアネ―ト化合物、多官能エポキシ化合物、アジリジン化合物などを含ませるのが望ましい。さらに、本発明の効果を損なわない限り、粘着付与樹、着色剤、老化防止剤などの公知の各種添加剤を含ませることもできる。
【0024】
このように構成される本発明の低汚染性接着シ―ト類は、各種工業部材、とくに半導体、回路、各種プリント基板、各種マスク、リ―ドフレ―ムなどの微細加工部品の製造における、レジスト材や異物の除去手段として、またこれ以外の再剥離用としての種々の用途に使用でき、被着体に対する低汚染化に寄与できる。
さらにまた、低汚染性であるという特徴を生かし、使用時または使用終了時に接着シ―ト類の剥離を伴うような各種用途、たとえば、表面保護、マスキング、その他の再剥離用としても、幅広く利用することができる。
【0025】
本発明においては、上記した低汚染性接着シ―ト類の使用方法の発明として、レジスト材の除去方法を提供することができる。すなわち、この除去方法とは、レジストパタ―ンが存在する物品上に、上記の低汚染性接着シ―ト類を、必要により加熱および/または加圧して貼り付けて、接着剤層とレジスト材とを一体化させ、この接着シ―ト類が硬化型であるときはこれを硬化させたのち、とくに光硬化型のものでは紫外線を300〜3,000mJ/cm2 の照射量で照射して光硬化させたのち、剥離操作して、物品上からレジスト材を上記低汚染性接着シ―ト類と一体に剥離除去することを特徴としたものである。
【0026】
このような除去方法によると、従来のアッシヤ(灰化手段)や溶剤、薬品などを用いる方法に比べて、作業が容易であり、また作業環境を害したり、レジスト材中の不純物がウエハに注入されたり、半導体基板にダメ―ジを与えるなどの心配がなく、そのうえ、上記物品表面に接着シ―ト類由来の有機汚染物質が残ることがないため、接着シ―ト類の剥離操作後に上記の汚染物質を取り除く作業が不要であり、レジスト材を非常に簡易に除去することができる。
【0027】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。なお、以下において、Mwはアクリル系ポリマ―の重量平均分子量を、Mnはアクリル系ポリマ―の数平均分子量を、Mw/Mnはアクリル系ポリマ―の分子量の分散度を、それぞれ意味する。また、以下の実施例に示したレジスト材の除去方法において、剥離除去の対象としたレジスト膜画像A(レジストパタ―ン)は、つぎの参考例1の方法により半導体ウエハ上に形成されたものである。
【0028】
参考例1
表面に酸化膜を形成したシリコンウエハ(8インチの半導体基板)の表面に、PHS(ポリヒドロキシスチレン)と酸発生剤からなるレジスト材を塗布し、加熱、露光および現像を行つて、パタ―ンを形成したのち、このレジストパタ―ンをマスクとして酸化膜をドライエツチングにより除去した。このように処理したシリコンウエハ上のレジストパタ―ンをレジスト膜画像Aとした。
【0029】
実施例1
常法により合成したアクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸メチル/アクリル酸=30/70/10(重量比)の共重合体からなるアクリル系ポリマ―A(Mwが280万、Mw/Mnが22)の27重量%トルエン溶液1000gを、メタノ―ル70kgと混合し、15分間室温で撹拌した。撹拌停止後、15分放置したのち、沈殿物を取り出し、溶剤を乾燥させて、飴状白色ポリマ―からなるアクリル系ポリマ―B190g(収率70重量%)を得た。このようにして貧溶媒による再沈殿処理を施してなるアクリル系ポリマ―Bは、Mwが380万、Mw/Mnが3.0であり、分子量分布曲線より分子量5万以下の低分子量体が全く含まれていないことがわかった。
【0030】
このアクリル系ポリマ―B100g、ポリエチレングリコ―ル600のジアクリレ―ト〔新中村化学(株)製の「NKエステルA−600」〕50g、ポリエチレングリコ―ル200のジメタクリレ―ト〔新中村化学(株)製の「NKエステル4G」〕50g、ポリイソシアネ―ト化合物3gおよびベンジルジメチルケタ―ル3gのトルエン溶液を調製した。この接着剤溶液を、厚さが50μmのポリエステルフイルムからなるフイルム基材上に塗布し、乾燥オ―ブンにて70℃および130℃でそれぞれ3分間乾燥して、厚さが35μmの光硬化型の接着剤層を形成し、低汚染性接着シ―トを作製した。
【0031】
つぎに、シリコンウエハ上のレジスト膜画像Aに、上記の低汚染性接着シ―トを、加熱下、圧着ロ―ルにより貼り付けたのち、高圧水銀ランプにより、紫外線を1,000mJ/cm2 の照射量で照射し、接着シ―トを硬化させた。その後、この接着シ―トと上記のレジスト膜画像Aとを一体に剥離して、シリコンウエハ上から上記画像Aを除去した。顕微鏡観察により、シリコンウエハ上のレジスト材はすべて除去されており、接着剤層由来の有機汚染物質も確認されなかった。
【0032】
実施例2
実施例1で得たアクリル系ポリマ―B100g、ポリエチレングリコ―ル600のジアクリレ―ト〔新中村化学(株)製の「NKエステルA−600〕100g、ポリイソシアネ―ト化合物3g、多官能エポキシ化合物2gおよびベンジルメチルケタ―ル3gのトルエン溶液を調製した。この接着剤溶液を使用した以外は、実施例1と同様にして、低汚染性接着シ―トを作製した。また、この接着シ―トを用いて、実施例1と同様にして、レジスト膜画像Aの剥離除去を行つた。顕微鏡観察により、シリコンウエハ上のレジスト材はすべて除去されており、接着剤層由来の有機汚染物質も確認されなかった。
【0033】
比較例1
アクリル系ポリマ―B100gに代えて、貧溶媒による再沈殿処理を施す前のアクリル系ポリマ―A100gを用いた以外は、実施例1と同様にして、接着剤溶液を調製し、これを用いて、実施例1と同様にして、接着シ―トを作製した。また、この接着シ―トを用いて、実施例1と同様にして、レジスト膜画像Aの剥離除去を行つた。顕微鏡観察により、シリコンウエハ上のレジスト材はほとんど除去されていたが、接着剤層由来の有機汚染物質の残存が確認された。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、本発明においては、貧溶媒による再沈殿処理を施すなどして、低分子量体の含有量を減らした感圧接着性ポリマ―を使用したことにより、上記感圧接着性ポリマーにはオリゴマー状の低分子量体が実質的に含まれていないようにすることにより、被着体である基板などの物品表面に有機汚染物質が残ることのない、レジスト材や異物の除去、表面保護、マスキング、その他の再剥離用として有用な低汚染性接着シ―ト類を提供できる。また、この低汚染性接着シ―ト類を使用することにより、物品上のレジスト材を簡便に剥離除去しうるレジスト材の除去方法を提供することができる。
Claims (9)
- フィルム基材上に感圧接着性ポリマーを主成分として含む接着剤層が設けられてなる接着シート類において、上記感圧接着性ポリマーには、感圧接着性ポリマーに起因するオリゴマー状の分子量5,000以下の低分子量体が、GPC(ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフイ)法により得られた分子量分布曲線より実質的に含まれていないことを特徴とする低汚染性接着シート類。
- 感圧接着性ポリマーは、分子量の分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が10以下である請求項1に記載の低汚染性接着シート類。
- 感圧接着性ポリマーは、貧溶媒による再沈殿処理が施されている請求項1または2に記載の低汚染性接着シート類。
- 感圧接着性ポリマーは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主モノマーとしたアクリル系ポリマーである請求項1〜3のいずれかに記載の低汚染性接着シート類。
- 接着剤層は、感圧接着性ポリマーのほかに、分子内に不飽和二重結合を1個以上有する重合性化合物および重合開始剤を含んでなる硬化型の接着剤層である請求項1〜4のいずれかに記載の低汚染性接着シート類。
- 重合開始剤が光重合開始剤であつて、接着剤層が光硬化型である請求項5に記載の低汚染性接着シート類。
- 接着剤層は、感圧接着性ポリマーのほかに、これを架橋させるための多官能性化合物を含んでなる請求項1〜6のいずれかに記載の低汚染性接着シート類。
- レジスト材や異物の除去、表面保護、マスキング、その他の再剥離用である請求項1〜7のいずれかに記載の低汚染性接着シート類。
- レジストパターンが存在する物品上に、請求項1〜7のいずれかに記載の低汚染性接着シート類を貼り付け、この低汚染性接着シート類が硬化型であるときはこれを硬化させたのち、剥離操作することにより、物品上からレジスト材を上記低汚染性接着シート類と一体に剥離除去することを特徴とするレジスト材の除去方法。
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