JP4858331B2 - ミストエッチング方法及び装置ならびに半導体装置の製造方法 - Google Patents

ミストエッチング方法及び装置ならびに半導体装置の製造方法 Download PDF

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本発明は、エッチング技術と、それを使用した半導体装置の製造に関する。さらに詳しく述べると、本発明は、微粒化したエッチング液のミストを被処理物に噴霧して不要部分の除去を行うミストエッチング方法及び装置と、それを使用した半導体装置の製造方法に関する。本発明のミストエッチング技術は、例えば、半導体センサ等の半導体装置の製造時に保護材として使用していたマスクを、その使用後に半導体ウエハの表面から除去するときに有利に使用することができる。
周知の通り、現在、多種多様な半導体装置が提案され、商業的に入手可能である。一例を示すと、車載、家電を問わず高度な機能を満足するために多くの半導体センサが各機器に搭載されるようになってきた。特に車載の場合、安全性の確保などのニーズに応えるため、圧力センサや加速度センサなどの半導体センサの搭載が急速に伸びている。これらの半導体センサは、半導体ウエハの表面にセンサ回路を設けるとともに、ウエハの裏面を3次元形状に加工したものであり、機械的な動き(錘による梁の歪やダイヤフラムの変形など)を電気信号に変える構造を備えている。
上述のようなセンサ構造は、例えば図9に順を追って示すような手法で製造することができる。なお、図では説明を分かり易くするために1個のセンサチップを示して説明しているが、通常は多数個のセンサチップにスライスする前の1枚の半導体ウエハについて加工が行われる。
工程の説明の前にセンサチップについて説明する。図示しないが、1枚の半導体ウエハ(例えば、シリコンウエハ)から数百〜数千のセンサチップを形成し、次いでそれぞれのチップを個々に切り離す。それぞれのチップには、その片面にセンサ回路、電極等の各種のセンサ要素が作り込まれて回路面を構成している。また、回路面に対向する反対側の面には、そのほぼ中央に凹部をもった形状パターンを形成し、そこにセンシング部であるダイヤフラムを形成している。
最初に、図9(A)に示すように、シリコンウエハ101を用意する。このウエハ101の片面には、センサ回路等のセンサ要素110が作り込まれている。次いで、凹部の形成によってダイヤフラムを形成するため、ウエハ101の一方の表面のうち凹部形成領域101aを除く非エッチング部分を耐エッチング性のある材料、例えば酸化膜、窒化膜等からなる第1のマスク102で覆ってエッチング液から保護する。次いで、図9(B)に示すように、第1のマスク102で保護したウエハ101を例えば水酸化カリウム(KOH)等のエッチング液103に浸漬して所定の時間にわたってエッチングを行う。これが、いわゆる「ウエットエッチング法」である。このエッチングによってシリコンの蝕刻が行われ、図示のような凹部101bがウエハ101の片面に形成される。
凹部101の形成が完了した後、使用済みの第1のマスク102を除去する。この工程は、図9(C)に示すように、第1のマスク102をフッ酸(HF)からなるエッチング液104に浸漬する化学エッチングによって行うことができる。ここで、ウエハをフッ酸に浸漬すると、ウエハ表面にすでに形成してあるセンサ回路等のセンサ要素も溶解するため、堅牢なレジスト剤によってウエハ表面のセンサ回路を保護しておく必要がある。よって、本例では、ウエハ101の表面にすでに形成されているセンサ要素110をエッチング液104から保護するため、ウエハ101の回路面を、図示されるように、例えばフォトレジスト、ワックス等の第2のマスク105で覆っている。エッチングの結果、図示されるように、ウエハ101を覆っていた第1のマスク102がエッチング液104によって溶解除去される。最後に、エッチング液104からウエハ101を取り出し、保護材として使用していた使用済みの第2のマスク105を有機溶剤などで溶解除去する。図9(D)に示すように、片面にセンサ要素110を備え、かつそれとは反対面の凹部101bによりダイヤフラム109が形成されたセンサチップ120が得られる。
しかしながら、上記のようにして半導体センサを製造する場合、第1のマスクとして使用した酸化膜や窒化膜を除去した後に再び、センサ回路の保護に使用した第2のマスク(レジスト剤)を有機溶剤によって除去する工程が必要であり、極めて煩雑な工程や複雑な製造装置が必要である。特に2回目のウエットエッチング工程である、第2のマスク(レジスト剤)を有機溶剤によって除去する工程は、より簡略化し、製造コストの低減や製造装置の単純化を図るとともに、最終的に得られるダイヤフラムの厚みの精度を高くし、かつそれを維持することが望ましい。なぜなら、レジスト剤の塗布及び除去の間、不用意な損傷をセンサ回路に付与し、半導体センサの歩留まりを低下させるおそれがあるからである。また、浸漬法を利用したウエットエッチング工程では、エッチングのための処理槽の内部に攪拌機、ヒータ等の設備を配置してエッチング液の濃度及び温度を適切に保持しなければならないばかりでなく、長時間のエッチング、すなわち、「オーバーエッチング」のためにダイヤフラムの厚みが変化し、得られる半導体センサの特性の低下を避けることができないからである。
上述のような従来のウエットエッチング法の問題点を解消するため、ドライエッチング法を使用することも提案されている。例えば、反応性イオンエッチング法は、ウエハをエッチング液に浸漬しないことにより多くの長所が生まれるけれども、装置自体が高価であるという難点があるばかりでなく、マスクのオーバーエッチングを避けることが依然として難しく、半導体ウエハの表面荒れに原因して半導体センサの特性が低下してしまう。
また、上述のようなウエットエッチングの問題点を解消するため、ベーパーエッチング法も提案されている。この方法は、エッチング液を加熱ヒータにより気化させ、得られた蒸気を半導体ウエハに吹き付けてエッチングを行うことからなっている。例えば、本発明者らは、レジスト剤の塗布及び除去に原因した半導体ウエハの傷付き等を未然に防止するため、半導体ウエハの非処理面を純水からなる保護液で覆った状態で、微粒子化し不活性ガス中に霧状に分散させたエッチング液(スティックレスフォグ)をウエハの処理面に吹き付けることを特徴とする半導体ウエハの表面処理方法及び装置を発明した(特許文献1)。しかしながら、このベーパーエッチング法には、多数の半導体ウエハを一括して処理するキャリア処理方式でエッチングを行う場合に、純水からなる保護液が飛散してウエハの処理面に付着し、満足な保護効果が得られず、最終的には半導体センサの特性及び歩留まりが低下するという問題や、保護液を均一に保護面に分布させるためにウエハを水平にセットしなければならないという問題が依然として残されている。
特開2002−190465号公報(特許請求の範囲)
本発明者らは、特開2002−190465号公報に記載された発明における問題点を解決し、隣接する半導体ウエハにおいてエッチング残りを発生することがなく、ウエハのセット姿勢にも制約がない改良された表面処理装置を特開2005−268435号公報において提案した。この表面処理装置では、保護材として保護液(純水)を使用することに代えて気体(窒素ガス)を使用しているので、保護材がウエハ処理面に付着して処理面(センサ回路)を傷害することがなく、多数のウエハをキャリア処理方式で一括して処理することが可能である。また、保護材としての気体をウエハとプレート状のチャックの間にベルヌーイ効果を発生するように供給できるので、ウエハを水平に配置しなくても、ウエハの被処理面に対するエッチング用フォグの不所望な進入を未然に防止することができる。但し、この表面処理装置の場合、センサ回路を窒素ガスで保護するために特殊な形状のウエハキャリアを必要とし、さらに、窒化膜をベーパーエッチングにより除去した後に純水洗浄を行うと、微粒子化したエッチング液(マイクロミスト)の導入管路やマスキング治具の乾燥に時間がかかるため、生産性の高い設備構成を提供することが望まれる。また、マイクロミストによるエッチングの汎用性と環境負荷低減性能を考慮して、汎用のウエハキャリアを利用した浸漬式半導体処理装置の一工程に加えるニーズも高まっている。
よって、本発明の目的は、半導体装置の製造において、使用済みのマスクを微粒子化したエッチング液の使用により除去することができ、その際に半導体ウエハの処理面を傷害することがなく、多数のウエハをキャリア処理方式で一括して処理することが可能なミストエッチング方法及び装置を提供することにある。
また、本発明のもう1つの目的は、マイクロミストによるエッチングの汎用性と環境負荷低減性能を考慮しつつ、構造が簡単であり、生産性の高い設備構成をもったミストエッチング装置を提供することにある。これに関連して、汎用のウエハキャリアを利用した浸漬式半導体処理装置の一工程に加えることのできるミストエッチング装置を提供することも本発明の目的である。
さらに、本発明のもう1つの目的は、単純な構成の製造装置を使用して、従来の製造ラインを大幅に変更することなく、簡単に、かつ高精度で歩留まりよく、例えば半導体センサ等の半導体装置を製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、このたび、例えば圧力センサ、加速度センサ等の半導体センサやその他の半導体装置の製造において、素子加工時等に使用した保護用マスクをその使用後に除去する際、使用済みのマスクを微粒子化したエッチング液(本願発明では、これを「マイクロミスト」という)の使用により除去する際に粘着フィルムを保護用マスクとして使用するのが極めて効果的であるという知見を得た。すなわち、従来常用の保護膜であるレジスト被膜や、純水からなる保護液、窒素ガスからなる保護気体などをマスクとして使用することに代えて粘着フィルムを使用することで上述の目的を達成し得るということを発見し、本発明を完成した。まったく予想外のことであったが、本発明でその有効性を発見した粘着フィルムは、マイクロミストの使用によるエッチングでミスト表面の蒸気による緩やかな反応が行われたとしても、半導体ウエハの処理面にマイクロミストが進入することを防止でき、たとえ微粘着性の粘着フィルムでも、ウエハ表面のセンサ回路を安定に保護することができる。また、粘着フィルムとして特別な粘着フィルムを調製する必要はなく、従来常用のダイシングテープなどをそのまま使用することができる。また、ダイシングテープなどを使用し、それを保護用のリングにも貼り付けるマスキング方式を採用することで、汎用のウエハキャリアを使用した、非常に効率のよいマイクロミストエッチング方式を実現することができる。
本発明は、その1つの面において、ミストエッチング方法、すなわち、半導体ウエハの表面にエッチング液を噴霧してウエハ上の既存構造物をエッチングにより溶解除去するミストエッチング方法にある。本発明のミストエッチング方法は、
半導体ウエハは、その表面に形成された回路等の機能素子が少なくとも、粘着フィルムからなる保護材で覆われていること、
既存構造物は、半導体ウエハの表面に露出したものであり、そして先行するエッチング工程において耐エッチング性を有するマスクとして使用され、かつミストエッチングによって溶解除去されるべき使用済みのマスキング材であること(例えば酸化膜、窒化膜など)、そして
使用されるエッチング液は、エッチング液を微粒子化し不活性ガス中に霧状に分散させることによって形成されたマイクロミストの形態であることを特徴とする。
本発明方法の実施において、ミストエッチングは、有利には、複数個の半導体ウエハを1つのウエハキャリア上に立設させた状態で保持し、一括してエッチングを行うことができる。半導体ウエハは、1つのウエハキャリア上に垂直もしくはほぼ垂直に立設させてもよく、必要ならば、傾斜させて立設させてもよい。さらに、それぞれの半導体ウエハは、同一方向に回転させながら、同一の処理条件下でエッチングを行うことが好ましい。
本発明は、そのもう1つの面において、半導体ウエハの表面にエッチング液を噴霧してウエハ上の既存構造物をエッチングにより溶解除去するミストエッチング装置にある。本発明によるミストエッチング装置において、それに使用する半導体ウエハは、その表面に形成された回路等の機能素子が少なくとも、粘着フィルムからなる保護材で覆われていること、半導体ウエハ上の既存構造物は、半導体ウエハの表面に露出した、先行するエッチング工程において耐エッチング性を有するマスクとして使用され、かつミストエッチングによって溶解除去されるべき使用済みのマスキング材であること、及び使用されるエッチング液は、エッチング液を微粒子化し不活性ガス中に霧状に分散させることによって形成されたマイクロミストの形態であることを特徴とする。
さらに、本発明のミストエッチング装置は、下記の手段:
半導体ウエハを保持するためのウエハキャリア、
ウエハキャリアを装入可能な寸法及び形状を有しかつ該ウエハキャリアの装入後に密閉可能な開口部、半導体ウエハを保持したウエハキャリアを載置するキャリア受け、エッチングチャンバ内にマイクロミストを供給可能なミスト装入口及びエッチングチャンバから使用済みのマイクロミストを排出可能なミスト排出口を少なくとも備えた、半導体ウエハをその内部のほぼ中央に収容可能なエッチングチャンバ、
エッチングチャンバのミスト装入口に接続されたマイクロミスト発生装置、及び
エッチングチャンバのミスト排出口に接続されたミスト回収槽
を少なくとも備えてなることを特徴とする。
本発明の実施において、半導体ウエハは、上述したように、好ましくは複数個の半導体ウエハからなり、それらのウエハは1個のウエハキャリア上に立設させた状態で保持されてエッチングチャンバ内に収容される。また、ウエハキャリアは、好ましくは、離間して配置された2本の回転ロールをさらに有している。すなわち、複数個の半導体ウエハは、回転ロール上に載置され、回転されながら一括してエッチングに供される。
また、エッチングチャンバは、好ましくは、処理チャンバと、処理チャンバから隔離して、キャリア受けの下方に形成されたミストチャンバとに二分される。よって、ミスト発生装置からミスト装入口を介してミストチャンバに送られてきたミストは、ミストチャンバの下部に形成された封水層の存在下、キャリア受けの近傍に形成されたミスト導入口を介して処理チャンバに供給される。ここで、処理チャンバとミストチャンバは完全に隔離されているわけではなく、ミストチャンバは、その下部において処理チャンバとの間に隙間を設けて連通しており、必要に応じ、両チャンバ間をマイクロミストが移動可能である。但し、エッチング時、ミストチャンバの下部に洗浄用の純水を溜めることでミスト封水層を構成しているので、隙間による連結部を介してミストチャンバから処理チャンバにマイクロミストが移動することはない。よって、マイクロミストは、キャリア受けの近傍に形成されたミスト導入口のみを通過して処理チャンバに供給可能である。
さらに、マイクロミスト発生装置は、液体(エッチング液)の貯留と発生ミストの保持を行うために気密構造となっているミスト発生室と、ミスト発生室内に配置され、導入される加圧ガス(例えば、加圧窒素)によって液体をミスト発生室内に噴霧する噴射ノズルと、噴射ノズルによって噴霧した霧を衝突させ、微細化させる緩衝バルブと、ミスト発生器内に配置され、緩衝バルブに衝突して微細化された微粒子(ミスト)を導入して、粒子を選別する粒子選別器とを備えていることを特徴とする。マイクロミストは、粒子選別器によって所定のサイズのみが選別されたもののみが系外に放出される。なお、本発明のミストエッチング装置において、マイクロミスト発生装置は、必要に応じて、その他の構成を採用してもよい。
さらにまた、本発明は、半導体ウエハの表面にエッチング液を噴霧してウエハ上の既存構造物をエッチングにより溶解除去するエッチング工程を少なくとも含む半導体装置の製造方法にある。
本発明による半導体装置の製造方法は、下記の工程:
半導体ウエハの1つの主たる表面に回路等の機能素子を形成する素子形成工程、
ミストエッチング工程に先行するエッチング工程において耐エッチング性マスキング材からなるマスクの存在下において半導体ウエハをエッチングしてその半導体ウエハのもう1つの主たる表面を選択的に蝕刻するとともに、ミストエッチングによって溶解除去されるべき使用済みのマスクを既存構造物として前記半導体ウエハの表面に露出させるウエハエッチング工程、
半導体ウエハの表面に形成された機能素子を少なくとも、粘着フィルムからなる保護材で被覆する素子保護工程、
保護材の存在下、エッチング液を微粒子化し不活性ガス中に霧状に分散させることによって形成されたマイクロミストを半導体ウエハの表面に噴霧してウエハ上の既存構造物をエッチングにより溶解除去するミストエッチング工程、及び
半導体ウエハの表面から保護材を除去する保護材除去工程
を含んでなることを特徴とする。ミストエッチング工程及びその後のウエハ洗浄工程は、好ましくは、同一のエッチングチャンバで実施することができる。本発明の半導体装置の製造方法において、上記のようにしてエッチング処理を終えた後の半導体ウエハは、常用の手法に従って後段の加工工程に供することができる。
上記したように、本発明は、エッチング液を、それを微粒子化し不活性ガス中に霧状に分散させることによって形成されたマイクロミストの形で使用する。不活性ガスは、形成されたミストを分散させる分散媒体としての働きと、形成されたミストをミスト発生装置からミストエッチング装置に搬送するための同伴ガスとしての働きを有することができる。ここで使用する不活性ガスは、好ましくは窒素ガスであるけれども、必要に応じてその他の不活性ガス、例えばアルゴンガスなどを使用してもよい。マイクロミストは、エッチング条件などに応じてその粒径を広い範囲で変更することができるが、基本的には、エッチング時、少量のエッチング液(マイクロミスト)で半導体ウエハの処理を完了することができるとともに、半導体ウエハに向かって噴射されたマイクロミストがウエハ表面に付着しそれを濡らすことなく反発し得るサイズであることが望ましい。本発明者らの知見によれば、好適なマイクロミストは、約10μmもしくはそれ以下の平均粒径を有する液体微粒子である。マイクロミストの粒径は、さらに好ましくは、約1〜6μmである。
エッチング液として上述のように十分に小さな粒径の微粒子(マイクロミスト)を用いているので、エッチング液の表面積を大幅に拡大することができるとともに、半導体ウエハに向けて効率良く拡散させることができ、常に新しいエッチング液のマイクロミスト(反応種)を、エッチング面に対して均一かつ高濃度で供給することができる。そして、使用するマイクロミストの濃度(供給量)によってエッチング量の制御を容易に行なうことが可能となる。また、マイクロミストの濃度は、温度等の条件によらず、マイクロミストの発生量の増減によって調整が可能であるので、エッチング液の薬品の組成による制約(例えば加熱によって組成が崩れる等)を受けにくい特長があり、広範囲に使用することができる。なお、エッチング液のマイクロミストは、不活性ガス中に分散されているので、エッチング面の酸化や汚染を防止することができる。
本発明によれば、以下の詳細な説明から理解されるように、半導体装置の製造において、使用済みのマスクをエッチング液由来のマイクロミストの使用により除去するので、少量のエッチング液の使用により効率よくかつ均一にエッチングを行うことができ、また、その際、半導体ウエハの回路面を傷害することがなく、多数の半導体ウエハをキャリア処理方式で一括して処理することが可能である。
また、本発明によれば、フッ酸等のエッチング液を数μmの粒径を有するマイクロミストに変換した後に半導体ウエハの処理面に作用させるので、被エッチング面の保護のために堅牢なレジスト剤等に代えて微粘着フィルムを使用することができ、作業が簡単になるばかりでなく、製造コストの低減にも寄与することができる。また、微粘着フィルムとして例えば汎用のダイシングテープなどを使用することができるので、容易に実施可能である。
さらに、本発明によれば、マイクロミストによるエッチングの汎用性と環境負荷低減性能を考慮しつつ、構造が簡単であり、生産性の高い設備構成をもったミストエッチング装置を提供することができる。特に本発明によれば、汎用のウエハキャリアを利用した浸漬式半導体処理装置の一工程に加えることのできるミストエッチング装置を提供することができる。
本発明のミストエッチング装置では特に、ウエハキャリアに収めた半導体ウエハを回転させる機構と、ウエハキャリアを装入するための開閉可能な開口部を持つ気密なエッチングチャンバと、マイクロミストを供給するミストチャンバとを組み合わせた構成とすることにより、従来の浸漬式のエッチング装置と同様の設備構成で、構造が簡単であり、生産性の高い設備構成をもったミストエッチング装置を提供することができる。さらに、窒化膜等のエッチングを行う場合、例えばフッ酸エッチングを行った後に水洗が必要となるが、本発明によれば、気密なチャンバの内部とミストチャンバの内部を洗浄する機構とミストエッチング装置内のフッ酸濃度の低下後に半導体ウエハを洗浄する制御機構とを組み込むことで、より簡単にかつ短時間に、かつより十分にミストエッチング装置の内部や半導体ウエハの洗浄を達成することができる。
さらにまた、本発明によれば、本発明によるミストエッチング方法の上述のような作用効果を踏襲しつつ、単純な構成の装置で、従来の製造ラインを大幅に変更することなく、簡単に、かつ高精度で歩留まりよく、例えば半導体センサ等の半導体装置を製造することができる。
本発明は、いろいろな形態で有利に実施することができる。以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明するが、下記の実施形態によって本発明が制限されることはない。
図1は、本発明によるミストエッチング装置の好ましい1形態を示した模式断面図である。ミストエッチング装置100は、大別して、3つのユニットから構成されている。すなわち、ミストエッチング装置100は、汎用のウエハキャリア(図示せず)を処理チャンバ内に出し入れする開口部10aを上部に設けた、蓋体11を閉じることで気密状態を形成可能な処理チャンバ10と、マイクロミストを発生し、それを処理チャンバ10に供給可能なマイクロミスト発生装置40と、処理チャンバ10において処理に使用された後のマイクロミストを吸収により捕集し回収するためのミスト回収槽30とから構成されている。ここで、ミスト回収槽30は、使用後のマイクロミストを純水に希釈して排液として排出するものであり、希釈槽と呼ぶこともできる。本発明のミストエッチング装置において、それを構成するそれぞれの部品は、いろいろな材料から形成することができるけれども、マイクロミストとして使用するエッチング液がフッ酸等の腐食性の液体であることを考慮して、耐食性にすぐれ、任意の形状に加工し易い材料、特に金属材料やプラスチック材料を有利に使用することができる。もちろん、構成部品がすべて同一の材料から形成される必要はなく、部品、部品によって異なる材料から形成されていてもよい。例えば、ある部品は金属材料で、別の部品はプラスチック材料やセラミック材料であってもよい。一例を示すと、構成部品に好適な金属材料は、例えば、ステンレス鋼、ニッケルなどであり、好適なプラスチック材料は、例えば、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレンなどである。
汎用のウエハキャリア4は、例えば図2に断面を示しかつ図3に側面を示すような、複数個の半導体ウエハ1を一括して立設し得るような構成を有することができる。なお、図2では、理解を容易にするため、図1に示したキャリア受け13にウエハキャリア4を載置した状態が示されている。図示されるように、ウエハキャリア4は、その底部が処理チャンバ11内にすでに形成されているキャリア受け13の上に安定に載置されるような形状を有している。キャリア受け13の形状及び寸法は、ウエハキャリア4の形状及び寸法に合わせて任意に変更可能である。また、ウエハキャリア4は、キャリア受け13も同様であるが、エッチングミストとして使用する耐食性をもったマイクロミストによって容易に腐蝕されられてはならず、例えば、耐食性の金属材料やプラスチック材料、例えばフッ素樹脂などから、射出成形などによって有利に形成することができる。また、図示の例において、ウエハキャリア4は、それぞれの半導体ウエハ1をほぼ垂直に保持し、固定しているが、必要に応じて、所望の角度で傾けた状態でそれぞれの半導体ウエハ1を固定してもよい。いずれにしても、本発明では、図2に示されるように、離間して配置された2本の回転ロール14の上にそれぞれの半導体ウエハ1を載置し、マイクロミストMをそれらの回転ロール14間に供給することによって、半導体ウエハ1の回転下にミストエッチングを実施することが好ましい。供給されたマイクロミストMは、ウエハキャリア4内をくまなく流動し、それぞれの半導体ウエハ1に対して均一に接触することができるからである。なお、回転ロール14の構成及び駆動は、図6及び図7を参照しながら以下で説明する。
図4は、図2及び図3に示した半導体ウエハ、すなわち、回路等を粘着フィルムからなる保護材で保護した半導体ウエハの正面図であり、そして図5は、図4に示した半導体ウエハの線分B−Bに沿った断面図である。
半導体ウエハ1は、通常、保護治具3によって保護された状態で使用され、ウエハ1付きの保護治具3の複数個を1基のウエハキャリア4に取り付けた後、図1に示したミストエッチング装置100のキャリア受け13に載置される。なお、保護治具3は、必要に応じて、1枚だけを1基のウエハキャリア4に取り付けてもよいが、通常、少なくとも2枚以上の保護治具3をウエハキャリア4に収納することが好ましい。
本発明の実施において、半導体ウエハは特に限定されるものではない。適当なウエハとして、例えば、シリコンウエハ、SIOウエハ、ガリウム砒素ウエハ、 などを挙げることができる。必要に応じて、半導体ウエハに代えてその他の材料を同様な目的で使用することができる。例えば、半導体装置の製造において、半導体基板に代えてガラス基板などを使用してもよく、また、半導体装置以外のデバイスの製造に本発明を利用してもよい。半導体ウエハのサイズも同様である。商業的に入手可能な半導体ウエハのサイズに応じて、任意のサイズの半導体ウエハを使用することができる。半導体ウエハの典型的なサイズ(直径)は、5インチ(125mm)、8インチ(200mm)、12インチ(300mm)などである。
半導体ウエハ1は、図4及び図5に示されるように、多数固の半導体チップにスライスする前の1個の半導体ウエハの形で使用される。ところで、これらの図面には示されていないが、半導体ウエハ1は、例えば図9を参照して先に説明したように、その片面のそれぞれのチップに相当する領域にセンサ回路、電極、配線等の各種の機能素子が作り込まれて回路面を構成している。なお、「機能素子」とは、それを本願明細書において使用した場合、得られる半導体装置やその他のデバイスにおいて有効に作用しうる任意の構成要素を指し、その典型例が、上述のようなセンサ回路、電極、配線等である。その他の機能素子の例として、例えば、キャパシタ、レジスタ、インダクタなどを挙げることができる。
また、半導体ウエハ1において、その回路面に対向する反対側の面には、そのほぼ中央に凹部をもった形状パターンを形成している。例えば半導体センサを作製しようとする場合、その凹部をもってセンシング部であるダイヤフラムを形成することができる。なお、回路面に対向するこの面の形状は、凹部パターンに限定されるものではなく、半導体装置に求められている形状に応じてその他の形状パターンであってもよい。
さらに、半導体ウエハ1において、その回路面に対向する反対側の面には、形状パターンの形成時にマスクとして使用された部分が残存構造物として残存している。残存構造物は、形状パターンを形成する際、半導体ウエハ1の一方の表面において、形状パターン形成領域を除く非エッチング部分をエッチング液から保護した耐エッチング性のあるマスキング材料そのものである。この残留構造物は、通常、シリコン酸化物等の酸化膜、窒化ケイ素等の窒化膜などからなるが、これらのマスキング材料のみに限定されるわけでなない。すなわち、本発明の場合、広義には、ミストエッチングにより除去されるべき部分あるいは部位のすべてを残留構造物とみなすことができる。残存構造物は、得られる形状パターンに応じて任意のパターンで存在することができ、また、その膜厚は、所望とする結果に応じて任意に変更することができる。残存構造物の膜厚は、通常、約0.2〜2μmの範囲である。
再び図4及び図5を参照すると、半導体ウエハ1は、保護治具3によって保護された状態で使用される。保護治具3は、半導体ウエハ1を保護治具3のほぼ中央に配置し、かつ半導体ウエハ1をウエハキャリアに取り付ける際に作業性を改良するのに有効であり、図示の場合、環状のウエハ固定用リング2からなっている。もちろん、ウエハ固定用リング2は、必要に応じて、環状以外の形態であってもよい。半導体ウエハ1は、図示されるように、保護治具3のほぼ中央に配置され、粘着フィルム5によってウエハ固定用リング2に固定されている。さらに、半導体ウエハ1は、その裏面の全体に粘着フィルム5が貼付されており、回路面に形成された機能素子(図示せず)をエッチング時のマイクロミストから保護している。
本発明の実施において、従来常用の堅牢なレジスト剤に代えて保護材として使用される粘着フィルムが重要である。粘着フィルムは、例えば汎用のダイシングテープに代表されるように、比較的に安価であり、かつ商業的に容易に入手可能であり、また、ダイシングテープは。僅かな粘着性しか有しないのが一般的であるけれども、ミストエッチングに対する保護材として使用したときに、驚くべきことに十分に満足しうる保護機能を奏することができ、下地の機能素子の部分にマイクロミストが侵入して素子特性が劣化したり素子が破壊されたりすることがない。加えて、かかる粘着テープは、その使用後、半導体ウエハから容易に剥離し、糊残りを生じることなく除去することができる。
保護材として使用される粘着フィルムの詳細は、本発明の実施において保護材として有効に作用し得る限りにおいて特に限定されるものではない。粘着フィルムは、通常、基材とその片面に形成された粘着剤層とからなる。粘着剤層は、通常、その表面を剥離紙、リリースライナーなどで覆っており、使用前に粘着剤層が任意の物品に不用意に付着するのを防止することができる。粘着フィルムは、そのまま、あるいは所定の大きさに切断した後、半導体ウエハの回路面に機械的に貼付することができ、但し、貼付部位が複雑な形状を有するときなどは、必要に応じて手作業に頼ってもよい。
粘着フィルムの基材は、各種のプラスチック材料からなるのが一般的である。但し、基材は、上記したように、ミストエッチングに使用されるマイクロミストに対して十分な耐性を有する必要がある。また、基材は、取扱い性の観点から、適度の伸縮性や可とう性を有していることが好ましい。さらに、基材は、単層フィルムであってもよく、2層以上のフィルムからなら多層フィルムであってもよい。基材の形成に好適なプラスチック材料として、以下に列挙するものに限定されないが、ポリオレフィン類、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル類、例えばポリエチレンテレフタレートなどを挙げることができる。これらの基材は、いろいろな厚さで使用することができるが、基材の典型的な厚さは、約5〜500μmの範囲であり、さらに好ましくは、約10〜100μmn範囲であり、最も好ましくは、約10〜50μmの範囲である。基材の厚さが上記の範囲を外れると、粘着フィルムの取り扱いが低下してしまう。
粘着フィルムを形成するために基材上に形成される粘着剤層も、各種の粘着剤から任意の厚さで形成することができる。例えば、粘着剤は、感圧接着剤(PSA)であってもよく、非感圧接着剤(非PSA)であってもよい。これらの接着剤も、基材と同様に、ミストエッチングに使用されるマイクロミストに対して十分な耐性を有する必要がある。適当な接着剤として、例えば、以下に列挙するものに限定されないが、アクリル系接着剤、ビニル系接着剤、ポリビニルエーテル系接着剤、エステル系接着剤、ウレタン系接着剤、ゴム系接着剤などを挙げることができる。これらの接着剤を例えばナイフコーティング、リバースロールコーティングなどの塗布法によって基材上に塗布し、所定の温度で乾燥することによって粘着剤層を形成することができる。粘着剤層の厚さは、基材の厚さと同様に広い範囲で変更することができるが、通常、約10〜200μmの範囲であり、さらに好ましくは、約50〜100μmの範囲である。なお、粘着剤層は、それに例えば光架橋剤を混入することによって光硬化性を付与することもできる。半導体装置の製造中、例えば紫外線の照射によって粘着剤層を硬化させ得るという点で便宜である。
本発明の実施において、半導体ウエハは、それらの複数枚をウエハキャリアに収納した状態でミストエッチングに供する。本発明では、半導体ウエハを静止させた状態でエッチングするのではなくて、回転条件下で実施するので、より迅速に処理を進行させることができかつ半導体ウエハの処理面全体にマイクロミストを均一に噴霧できる。半導体ウエハの回転にはいろいろな手法を用いることができるが、通常、ウエハキャリアを載置可能なキャリア受けの下方に、それに収納された半導体ウエハの下端が接触可能なように2本の回転ロールを離間して配置し、これらの回転を通じて半導体ウエハを同時に回転させることが推奨される。回転ロールは、処理チャンバの外部に設けたモータ、駆動ギア等を介して回転させることが推奨される。また、その際、半導体ウエハに対するマイクロミストの確実かつ高効率の噴霧を達成するため、処理チャンバとミストチャンバを二分するとともに、それらのチャンバを分離する隔壁部にミスト導入口を設け、そのミスト導入口の上方にキャリア受け、そして回転ロールを配置することが推奨される。
図6及び図7は、ミストエッチング工程において半導体ウエハ1の回転に用いられる回転ロール14の構成及び駆動を説明するためのものである。処理チャンバ10及びミストチャンバ20は、ミストチャンバ20の上壁20bによって隔離されており、また、上壁20bには、マイクロミストを処理チャンバ10に導入するための開口がミスト導入口20aとして設けられている。また、ミストチャンバ20の上壁20bには、ミスト導入口20aを跨ぐようにキャリア受け13が取り付けられている。キャリア受け13には、複数枚の半導体ウエハ1を収納したウエハキャリア4を安定に載置可能である。半導体ウエハ1は、前記したように、その回路面に貼付された粘着フィルム5を介して保護治具3に取り付けられている。
図示の例では、2本の回転ロール14がミストチャンバ20の上壁20bの上に離間して取り付けられている。ここで、回転ロール14は、その材料や形状、寸法などが特に限定されるものではなく、ウエハキャリア4等のサイズや所望とする結果などに応じて任意に変更可能である。一例を示すと、回転ロールは、例えばフッ素樹脂などから製造することができ、そのサイズは、直径が約20〜30mm、長さが約250〜320mmである。回転ロール14は、そのシャフトを軸受23で支承した状態で上壁20bに取り付けられており、駆動装置であるモータ15の働きにより回転可能である。回転ロール14の回転速度は、ロールのサイズやその他のファクタに応じて広い範囲で変更可能であるが、通常、約2〜10rpmである。
モータ15の回転により、次のようにして回転ロール14を回転させることができる:モータ15は、カップリング16により接続されたシャフトが処理チャンバ10の内部に延在しており、駆動ギア19及びギア22を介して回転ロール14を回転させることができる。また、モータ15のシャフトは、軸受17によって支承され、さらに、処理チャンバ10の内部を気密に保つため、処理チャンバ10の側壁10bをOリング18を介して貫通している。回転ロール14が回転する結果、それに接した半導体ウエハ1の回転が引き起こされる。半導体ウエハ1の回転中、ミストチャンバ20内のマイクロミストが、そのミストチャンバ20の上壁20bに形成されたミスト導入口20aを通って上方の処理チャンバ10に供給される。供給されたマイクロミストは、2本の回転ロール14の中間を経てそれぞれの半導体ウエハ1の処理面に噴射される。それぞれの半導体ウエハ1は適度の間隔をあけて配置され、しかも適度の速度で回転されているため、それぞれの半導体ウエハ1に対してマイクロミストを迅速かつ均一に適用することができる。また、この処理の間、半導体ウエハ1とそれに貼付された粘着フィルム5の隙間にマイクロミストが浸入し、回路面の機能素子に悪影響を及ぼすことはない。
ミストチャンバ20にマイクロミストを供給する機構も、マイクロミストの発生機構も含めて、本発明の範囲内においていろいろに変更することができる。特にマイクロミストの発生機構が重要で、本発明の実施において、好ましくは、次のようにしてマイクロミストを発生させることができる。
本発明の実施において、マイクロミストを発生させるため、発生室内に貯留されているエッチング液を、導入した加圧ガスを使用して噴射ノズルによって噴霧し、緩衝バルブに衝突させて微細化して発生器内に保持するとともに、この微細化した微粒子を粒子選別器内に導入して衝突プレートに衝突させ、反発した粒子をマイクロミストとして系外に放出することが推奨される。エッチング液のマイクロミスト化により、エッチング液を使用する場合、エッチング液の表面積を上げることができるので、エッチング液の使用量を節減することができ、製造コストの低下、環境悪化の防止を達成できる。また、エッチング液がマイクロミストの形態であるので、半導体ウエハに対するきめの細かい噴霧を均一に、かつ迅速に実施することができる。図8は、このようなマイクロミスト発生方法を有利に実施することのできるマイクロミスト発生装置の一例を示したものである。図示のマイクロミスト発生装置40は、発生室52、緩衝バルブ54、粒子選別器55などから構成されている。
発生室52は、マイクロミストの原料であるエッチング液、純水、蒸留水等の液体60の貯留と、発生室52内で発生した発生ミストの保持とを行うために気密構造となっている。噴射機構は、発生室52の内部に配置されており、外部から例えば加圧窒素のような加圧ガスを導入する導入管61と、発生室52内に貯留されている液体60を吸い上げる給液管62と、噴射ノズル63とを有している。導入管61は射出オリフィス64によって噴射ノズル63に、また給液管62は給液オリフィス65によって噴射ノズル63にそれぞれ接続している。したがって、噴射ノズル63内は、一種の混合器として作用するとともに、導入される加圧ガスの急激な膨張と拡散作用により、吸引した液体60を霧化し、発生室52内に噴霧する。図示の例では、噴射ノズル63の内径はφ2mmで長さは4mmであり、射出オリフィス64の径はφ0.6mmで、給液オリフィス65の径はφ0.8mmであるが、これに限定されるものではない。
発生室52内には、噴射ノズル63と対面するように緩衝バルブ54が配置されている。緩衝バルブ54は、発生室52の一方の側壁52aに貫通するように設けられており、図示されるように、左右方向に摺動可能である。例えば、緩衝バルブ54と発生室52の側壁52aとは螺合されていて、緩衝バルブ54を回すことによって左右方向に移動できる。なお、他の移動方式を採用することも適宜可能である。緩衝バルブ54の噴射ノズル63と対面する側の端面54aは、平坦に形成されている。本例では、この端面54aの径はφ4mmとなっているが、これに限定されるものではない。このようにして、噴射ノズル63と緩衝バルブ54との対面距離が調整できるようになっている。したがって、噴射ノズル63によって噴霧された霧は、緩衝バルブ54の端面54aに衝突し、微細化されて発生室52内に保持される。
発生室52内には、更に粒子選別器55が設けられている。粒子選別器55は、粒子選別空間を形成する本体部71と、本体部71内に設けられる衝突プレート72、本体部71内で分離された液滴を発生室52内の液体60の貯留部に戻す分離液戻り管73及び本体部71内に導入される微粒子の流速を調整する調整ネジ74とを有している。また、本体部71には、発生室52内に保持された微粒子を粒子選別空間に導くための導入口75と、粒子選別空間で選別されたマイクロミスト(10μm以下の粒子)を外部に放出する放出口76とが形成されている。
導入口75は、内方に向って開口面積が挟められる、所謂絞りの形をしていて、この導入口75と向かい合うようにして衝突プレート72が配置されている。更に、衝突プレート72と対面するようにして調整ネジ74が、発生室52の他方の側壁52bに左右方向に摺動可能に取り付けられている。この場合でも、調整ネジ74は側壁52bに螺合しており、調整ネジ74を回すことによって調整ネジ74は左右方向に移動できる。さらに、調整ネジ74の先端部77は、円錐形をしており、この先端部77が導入口75内に臨んでいる。したがって、調整ネジ74を移動することによって、導入口75の開口面積を変えることができ、その結果、粒子選別器55の粒子選別空間内に導入される微粒子の流速を調整することができる。
上記のようにして、発生室52内に保持された発生ミストは、粒子選別器55の導入口75から粒子選別器55内に導入され、調整された流速で衝突プレート72に衝突する。衝突速度は、例えば、約2〜4m/秒の範囲で調整することができる。この衝突によって発生ミスト内の大きな粒子は衝突プレート72に付着し、小さな粒子は反発してマイクロミスト、好ましくは約10μm以下の液体微粒子として放出口76から外部へ放出される。衝突プレート72に付着した大きな粒子は、液滴となって分離液戻り管73を通って発生室52内の液体60の貯留部に回収される。
本発明のミストエッチング方法は、好ましくは、図1に模式的に示すような処理システムを使用して有利に実施することができる。図示されるように、ミストエッチング装置100は、大別して、3つのユニット、すなわち、図2及び図3を参照して先に説明した処理チャンバ10と、マイクロミストMを発生し、それを処理チャンバ10に供給可能なマイクロミスト発生装置40と、処理チャンバ10で処理に使用された後のマイクロミストを吸収により捕集し回収するためのミスト回収槽30とから構成されている。処理チャンバ10は、半導体ウエハを装填したウエハキャリア(図示せず)を装入及び搬出するための開口部10aを上部に備えており、その開口部10aは、処理チャンバ10の蓋体11を閉じることで閉塞し、処理チャンバ10を気密状態で保持することができる。
処理チャンバ10は、好ましくは、それに組み合わせてミストチャンバ20を有している。ミストチャンバ20には、マイクロミスト発生装置40で発生したマイクロミストが導入されるように、ミスト供給バルブ41を通じて配管が接続されている。処理チャンバ10は、その下方に配置されたミストチャンバ20と、ミストチャンバ20の上壁20bによって隔離されている。マイクロミストMを図中矢印で示すようにミストチャンバ20から処理チャンバ10に導入するため、ミストチャンバ20の上壁20bには矩形の開口、すなわち、ミスト導入口20aが設けられている。ミスト導入口20aは、ウエハキャリア(図示せず)とキャリア受け13の接続部にあわせた形状及び寸法を有している。
また、ミストチャンバ20の上壁20bには、ミスト導入口20aを跨ぐようにキャリア受け13が取り付けられている。キャリア受け13には、ここでは図示しないが、図2及び図3を参照して先に説明した、複数枚の半導体ウエハを収納したウエハキャリアが載置されてミストエッチングが行われる。ミストエッチングの間、回転ロール14の回転によって半導体ウエハが回転され、回転中の半導体ウエハに対してマイクロミストが噴射される。すなわち、図6及び図7を参照して先に説明したように、回転ロール14は、処理チャンバ10の外部に設けたモータ、駆動ギア等によって回転可能に構成されており、処理チャンバ10の下部に設けられたキャリア受け13で支持されたウエハキャリア内の半導体ウエハを回転させることができる。なお、先に説明したように、半導体ウエハは、単独でウエハキャリアに収納するのでなくて、保護治具を併用して収納することで、取扱い性や損傷の回避を達成することができる。
処理チャンバ10及びミストチャンバ20は、それぞれ、その側壁にチャンバ内を洗浄するための洗浄ノズル12を備えている。図示の例では、供給源(図示せず)からの純水を配管を介してそれぞれの洗浄ノズル12に供給可能である。エッチング処理の完了後、それぞれのチャンバの内壁、ウエハキャリア、半導体ウエハ等を純水により洗浄することができる。処理チャンバ10の下部領域は、ミストチャンバ20の洗浄ノズル12によっても洗浄可能である。
また、ミストチャンバ20の洗浄ノズル12は、ミストチャンバ20におけるミスト封水層20の形成に寄与することができる。なぜなら、ミストチャンバ20の下部は図示されるように処理チャンバ10の下部と小さな隙間Gを介して互いに連通しているので、なんらの障壁もないと、ミストチャンバ20のマイクロミストの一部が処理チャンバ10の内部に流入してしまい、先に説明したミスト導入口20aを介したマイクロミストの供給量が低下せしめられ、さらには、以下で説明するように、チャンバ内の良好な洗浄を達成できないからである。本発明では、これらの欠点を防止するため、ミストチャンバ20の下部に洗浄ノズル12からの洗浄用の純水を溜めることでミスト封水層21を構成している。ミストチャンバ20の下部から処理チャンバ10へのマイクロミストの流入が阻止されるので、ミストチャンバ20に導入したマイクロミストを、ミスト導入口20aからウエハキャリア内の半導体ウエハにもっぱら供給することができる。さらに、ミストチャンバ20の下部に形成されたミスト封水層21において、その下部には排水バルブ22が設けてあるので、必要に応じて、ミスト封水層21の封水液を抜き出して、下方のミスト回収槽30に集めることができる。同様に、処理チャンバ10の下部にも排水バルブ22が設けてあるので、処理チャンバ10の洗浄時、排水バルブ22を閉めて処理チャンバ10に洗浄水を溜めたり、使用後の洗浄水を後段のミスト回収槽30に集めたりすることができる。
処理チャンバ10の側面にはチャンバ排気口16が設けてあり、チャンバ排気管17を通じてミスト回収槽30に接続されている。ミスト回収槽30は、処理チャンバ10の下部にそれとは独立に設けた気密の液体槽である。ミスト回収槽30は、本例でエッチング液として使用したフッ酸のミストを洗浄で用いた洗浄用の純水に吸収して排水する機能と、洗浄工程で高濃度のフッ酸が直接排水処理系に流出しないように希釈する機能を奏することができる。よって、先の排水バルブ22や、マイクロミスト発生装置40のフッ酸ドレンバルブ42、フッ酸オバーフロー管43などもこのミスト回収槽30に接続されている。ミスト回収槽30は、図示されるように水封式のオバーフロー構成を有しているので、ミスト回収槽30に集められた溜め水を、それが所定の水位に達するごとに排水処理設備(図示せず)に排水することができる。また、必要に応じて、ミスト回収槽30の溜め水をドレンバルブ31から排水することもできる。さらに、マイクロミストを発生した際に使用した窒素ガス等は、本発明の場合、排水系に流出しない構造となっており、よって、ミスト回収槽30の上部空間が排気管31に接続され、さらにその排気管31が排ガス処理装置(図示せず)に接続されている。
マイクロミスト発生装置40は、好ましくは、先に図8を参照して説明した構成とすることができる。すなわち、窒素(N)ガスを駆動源として好ましくは約10μm以下の粒径を有するフッ酸のマイクロミストを連続供給する装置である。このマイクロミスト発生装置40では、ミスト発生バルブ44の開閉によってマイクロミストの発生を制御することができる。また、マイクロミスト発生装置40は、処理チャンバ10の内部を純水で洗浄中にその洗浄水が装置内に逆流しないようにすると同時に洗浄水にフッ酸が混入するのを防止するためにミスト供給バルブ41を備えている。さらに、ミスト供給バルブ41からの配管を掃気するため、窒素源(図示せず)からの掃気バルブ45も併設されている。
以上の説明から理解できるように、図1に示したミストエッチング装置100では、次のようにして多数枚の半導体ウエハの一括エッチング処理を行うことができる。
(1)処理チャンバ10に、その上方の蓋体11を開けて、開口部10aからウエハキャリアを装入し、キャリア受け13上に載置する。ウエハキャリアは、複数枚の半導体ウエハを縦型で並列に収納しており、また、その収納の便宜を図るため、それぞれの半導体ウエハには保護治具が取り付けられている。処理チャンバ10の内部は、処理の開始前に窒素ガスでパージされていることが好ましい。
(2)マイクロミスト装置40においてマイクロミストを発生させ、ミスト供給バルブ41を開けて、同伴ガスである窒素ガスとともにミストチャンバ20に供給する。マイクロミストは、約10μm以下の粒径をもったフッ酸微粒子であり、微細な粒子が窒素ガスに均一に分散した状態でミストチャンバ20に供給することができる。
(3)ミストチャンバ20へのマイクロミストの供給に同期するように、処理チャンバ10内に収納した半導体ウエハを回転させる。半導体ウエハの回転は、図6及び図7を参照して先に説明したように、モータの回転を処理チャンバ10内の回転ロール14に伝達することで有利に実施することができる。半導体ウエハは、それぞれ、回転ロール14に回転可能に支承されており、回転ロール14の回転にあわせて回転可能である。
(4)半導体ウエハの回転下、ミストチャンバ20のマイクロミストMを、を図中矢印で示されるように、ミスト導入口20aから処理チャンバ10に導入する。導入されたマイクロミストは、2本の回転ロール14の上で回転している半導体ウエハのそれぞれにくまなく行きわたる形で均一に噴霧される。また、半導体ウエハ間をすり抜けたマイクロミストの一部は、ミストチャンバ20内で沈降し、新たに半導体ウエハに噴霧される。酸化膜、窒化膜等のマスクを完全に除去するのに十分な時間にわたってこのミストエッチングが継続される。ミストエッチングの時間は、エッチングされるべきマスクとその厚さ、エッチング液の種類などの種々のファクタに応じて広い範囲で変更しうるけれども、通常、約11〜13分間である。また、使用後のマイクロミストは、チャンバ排気管17を経由してミスト回収槽30に案内可能である。
(5)ミストエッチングの完了後、処理チャンバ10へのマイクロミストの導入を停止する。マイクロミストの導入の停止は、ミストチャンバ20に至るミスト供給バルブ41を閉じることによって容易に行うことができる。マイクロミストの導入を停止した状態で、処理チャンバ10及びミストチャンバ20の内部と半導体ウエハ及びそれを収納したウエハキャリア等を純水で洗浄する。この洗浄工程は、洗浄ノズル12から洗浄用の純水を噴射することで容易に行うことができる。純水は、例えば蒸留水、脱イオン水などである。必要に応じて、その他の液体を洗浄用に使用してもよい。洗浄用の純水の噴射量及び噴射時間は、洗浄ノズルの本数、取り付け場所、ノズルのサイズなどに応じて広く変更することができるけれども、通常、約15L/分(噴射量)及び約3〜5分間(噴射時間)である。洗浄水は、その使用後、それぞれのチャンバに取り付けられた排水バルブ22からミスト回収槽30に送られる。
(6)上記した一連の処理を完了した後、処理後の半導体ウエハを処理チャンバ10から取り出す。半導体ウエハは、取り出した後に通常、約2000rpmで約3〜7分間スピンナ乾燥される。
(7)引き続いて、半導体ウエハの回路面に残留している粘着フィルムを取り除く。この作業は、手作業で行ってもよく、機械的に連続的に行ってもよい。マスクとして使用した粘着フィルムを剥離した後、半導体ウエハの回路面の機能素子に何等の損傷や欠陥を認めることはない。
本発明は、さらに、上記したような本発明のミストエッチング方法を一工程として含む半導体装置の製造方法にある。本発明の半導体装置の製造方法は、したがって、下記の工程:
半導体ウエハの1つの主たる表面に回路等の機能素子を形成する素子形成工程、
ミストエッチング工程に先行するエッチング工程において耐エッチング性マスキング材からなるマスクの存在下において半導体ウエハをエッチングしてその半導体ウエハのもう1つの主たる表面を選択的に蝕刻するとともに、ミストエッチングによって溶解除去されるべき使用済みのマスクを既存構造物として半導体ウエハの表面に露出させるウエハエッチング工程、
半導体ウエハの表面に形成された機能素子を少なくとも、粘着フィルムからなる保護材で被覆する素子保護工程、
保護材の存在下、エッチング液を微粒子化し不活性ガス中に霧状に分散させることによって形成されたマイクロミストを半導体ウエハの表面に噴霧してウエハ上の既存構造物をエッチングにより溶解除去するミストエッチング工程、及び
半導体ウエハの表面から保護材を除去する保護材除去工程
を少なくとも含むことを特徴とする。本発明の半導体装置の製造方法において、上記した工程は、ミストエッチング工程を本発明に従って実施しなければならないという点を除いて、基本的には従来常用の手法にしたがって実施することができ、よって、ここでの詳細な説明を省略する。
例えば、素子形成工程は、有利には、半導体装置の製造において一般的に利用されているフォトリソグラフィ法を使用して容易に製造することができる。簡単に述べると、半導体ウエハの素子形成領域を除いた部分にフォトレジストなどのマスクを適用し、露出した素子形成領域において回路等の機能素子を形成する。素子形成は、例えば、蒸着、スパッタリング、エッチング、化学的機械的研磨(CMP)などの常用の技法を利用して行うことができる。素子形成の完了後、使用済みのフォトレジストなどのマスクを有機溶媒の噴射やその他の技法によって除去する。
ウエハエッチング工程は、半導体装置の製造において一般的に用いられているマスクの存在下におけるウエットエッチングのよって実施することができる。但し、本発明ではこのエッチングによって使用されたマスクを後段の工程において除去するものであるので、マスクは、本発明のミストエッチングによって除去されるものでなければならない。この工程で使用するマスクは、例えば酸化膜、窒化膜などであり、また、エッチング液は、例えば水酸化カリウム等のアルカリ液である。
素子保護工程では、先の工程で半導体ウエハの表面に形成された機能素子を本発明に従い粘着フィルムからなる保護材で被覆する。粘着フィルムは、例えば微粘着性のダイシングテープなどであることができる。粘着フィルムを半導体ウエハの回路面に貼付する際、粘着フィルムは、回路面の全体に貼付してもよく、機能素子を覆う形で部分的に貼付してもよい。一般的には、半導体ウエハの全面を覆うように粘着フィルムを貼付するのが便宜であり、高められた保護効果を達成することができる。
半導体ウエハの回路面を保護材で被覆した後、本発明に従って、上記したような手順及び装置を使用してミストエッチングを行う。ミストエッチング工程は、保護材の存在下、エッチング液を微粒子化し不活性ガス中に霧状に分散させることによって形成された本発明のマイクロミストを半導体ウエハの表面に噴霧してウエハ上の酸化膜、窒化膜等のマスクをエッチングにより溶解除去する。エッチング液には、これに限定されないが、フッ酸の水溶液を有利に使用することができる。本発明では、有利なことに、このミストエッチングで複数枚の半導体ウエハを一括して迅速かつ均一の処理することができる。
ミストエッチング工程の完了後、使用済みの保護材を半導体ウエハから除去する。この保護材除去工程は、使用している保護材が粘着フィルムであるので、半導体ウエハから容易に剥離することができる。剥離作業は、手作業で行ってもよく、機械的に連続して、あるいは間欠的に行ってもよい。必要ならば、治具を使用した剥離作業を促進してもよい。
得られた半導体ウエハは、そのまま、もしくは追加の加工工程を経て半導体装置の製造に使用することができる。
本発明方法によって得られる半導体装置は、特に限定されるものではないが、好ましくは、自動車やその他の車両に搭載されるべき半導体センサ、例えば圧力センサ、加速度センサなどである。
本実施例は、半導体ウエハ上の酸化膜、窒化膜等をフッ酸のマイクロミストでエッチングを行った場合、そのマイクロミスト表面の蒸気によって酸化膜、窒化膜等のエッチング反応を起こす点に着目して実施したものである。なお、本発明は、下記の実施例に限定されるものではない。
使用した半導体ウエハ:
先のウエットエッチング工程でマスクとして使用された膜厚1μmの窒化膜がパターン状に片面に残留している5インチ径の市販のシリコンウエハを使用した。シリコンウエハの窒化膜保持面とは反対側には、センサ回路が作り込まれていた。シリコンウエハの回路面の全体を厚さ0.08mmのダイシングテープ(日立化成工業株式会社製、商品名「HAE−1503」)で被覆した。
ウエハキャリアの準備:
保護治具として8インチ径のステンレス鋼(SUS304)製のリングを用意した。このリングに、この貼り付けのため、シリコンウエハの回路面を覆うために使用したものと同じダイシングテープでシリコンウエハを貼り付けた。得られたウエハ付きの保護治具を市販のテフロン(登録商標)(商品名)製8インチ汎用ウエハキャリアに12枚セットした。
ウエハキャリアの装填:
図1に模式的に示したミストエッチング装置を用意した。処理チャンバの上方の蓋体を付属の駆動装置により開けて、開口部からウエハキャリアを装入し、キャリア受け上に載置した。次いで、蓋体を閉じて処理チャンバ内で気密状態を形成した。
マイクロミストの導入:
図8に模式的に示したマイクロミスト発生装置を用意した。窒素ガスの存在下、フッ酸水溶液からマイクロミストを発生させた。キャリア装入口を閉じた後、マイクロミスト発生装置のミスト供給バルブを開き、さらにミスト発生バルブを開いてミストチャンバ内にマイクロミストを導入した。ここで、ミストチャンバの下部に設けてあるミストチャンバと処理チャンバとの連結口がミスト封水層の純水によって封止されているため、ミストチャンバ内のマイクロミストは、ミストチャンバの上方に設けられたミスト導入口から緩やかに上昇し、すでに設置してあるテフロン(登録商標)製8インチウエハキャリア内の各シリコンウエハの処理面に流入した。
マイクロミストエッチング:
処理チャンバ内へのマイクロミストの導入によってマイクロミストエッチングが開始された。ここで、シリコンウエハを支えるリングは図2に示したように2本の回転ロールによって支えられているため、回転ロールの回転により、ウエハキャリア内でシリコンウエハも緩やかに回転した。その結果、シリコンウエハ全体にマイクロミストが供給されエッチング処理が行われた。
ここで、エッチング速度について説明する。本実施例では、49重量%のフッ酸水溶液をエッチング液として用意した。このフッ酸水溶液を窒素1リットル(L)あたり0.009gの量でミスト化した後、流量50L/分で処理チャンバに供給した。一方、シリコンウエハ付きの保護冶具は、回転数4rpmで回転させた。このような条件下でシリコンウエハ上の窒化膜をエッチングしたところ、95±7.8nm/分のエッチング速度が得られた。
エッチング処理の間、ウエハキャリアの側面や上部の開口から流出したマイクロミストは、処理チャンバ内に蓄積され、時間の経過と共にチャンバ排気口の高さまで上昇した。よって、余分のマイクロミストは、チャンバ排気口からチャンバ排気管を通ってミスト回収槽の上部空間に流入した。ミスト回収槽の上部空間は十分な広さがあるため、移動速度を失ったマイクロミストは、そのミスト回収槽に貯留した純水由来の排液中に溶解した。また、マイクロミストを流動搬送してきた窒素ガスや、反応ガスおよび吸収されなかったフッ酸ガスは、ミスト回収槽の排気管から排気された。ここで、マイクロミストは、窒素ガスより重いために次第に処理チャンバの下部に沈降するけれどもわずかな気流の変化によって流動したため、シリコンウエハの回転によって均一に分散し、処理を完了することができた。
後処理工程:
12分間にわたってエッチング処理を行った後、ミスト発生バルブを閉じ、ミスト供給バルブを閉じることでマイクロミストの発生を停止した。次いで、掃気バルブを開いてミストチャンバ及び処理チャンバ内のマイクロミストを掃気することで各チャンバ内の乾燥を行った。酸化膜のエッチングの場合はこの段階でシリコンウエハを取り出すことができるが、本例では、窒化膜のフッ酸によるエッチングを行ったため、副産物として生成された水溶性の残渣物を除去するために純水洗浄を実施した。純水洗浄のため、処理チャンバ及びミストチャンバで開口した純水洗浄ノズルを利用した。
処理チャンバ内の洗浄:
本実施例で使用したダイシングテープは、微粘着フィルムであり、フッ酸蒸気の浸透に耐えても、希釈されたフッ酸水溶液の浸透は完全に防止できないため、シリコンウエハを純水洗浄する前に処理チャンバ内のフッ酸を洗浄しておく必要があった。そのため、本実施例では次のような制御シーケンスによって処理チャンバ内を洗浄した(図1を参照されたい)。
洗浄ノズル12−1を開き処理チャンバ10の内面を洗浄した。また、洗浄ノズル12−2からミストチャンバ20の内部に洗浄水(純水)を供給することでミストチャンバ20の内部を洗浄した。処理チャンバ10とミストチャンバ20は下方の連結口Gでつながっているため、同じ液高さとなって上昇した。洗浄水がミスト導入口20aに達した後、洗浄ノズル12−1及び12−2の両方を止め、排水バルブ22−1及び22−2を開き洗浄水を排水した。この動作を3回繰り返すことで、ミストチャンバ20及び処理チャンバ10の内壁および下面に堆積したフッ酸水溶液を完全に洗浄し、洗い流した。
次いで、排水バルブ22−1及び22−2を止めた状態で洗浄ノズル12−1及び12−2を開いた。この結果、処理チャンバ10内の洗浄水の液面が上昇していった。上昇した洗浄水は、チャンバ排気口からチャンバ排気管を通ってミスト回収槽に排水された。このような排水システムを確立することで、シリコンウエハ及びウエハキャリア全体の洗浄を行うことができた。この洗浄の際も、回転ロール14によってシリコンウエハを回転させることで、洗浄むらが出ないようにすることができた。
引き続いて、先ほどのミストチャンバ20内の洗浄と同様に、洗浄ノズル12−1及び12−2を止め、排水バルブ22−1及び22−2を開いて洗浄水を排水した。この動作を3回繰り返してシリコンウエハの洗浄を行った。3回目の洗浄のとき、排水バルブ22−2を閉めて排水バルブ22−1のみを開いて排水を行った。このようにすることで、ミストチャンバ20の底部に洗浄水が残り、処理チャンバ10とミストチャンバ20の封水が行われた。以上の洗浄シーケンスの後、回転ロール14の回転を停止し、キャリア装入口を開いてウエハキャリアを処理チャンバ10から取り出した。これにより、エッチングシーケンスを完了した。
以上の一連の動作によって、ミスト回収槽に貯留した洗浄水は低濃度のフッ酸しか含まない洗浄水と更新されたため、次サイクルのエッチング処理時にも導入されるフッ酸ミストを依然として吸収することができた。また、このような構成とすることで、高濃度のフッ酸が設備外に排出することを防止することもできた。
〔考察〕
以上に述べたように、本発明の方法及び装置を実施すれば、汎用のウエハキャリアとダイシングテープなどの安価で容易に剥離できる粘着フィルムを使用することによって高度なマイクロミストエッチングを実現することができ、また、そればかりか、これまで培ってきた汎用のキャリア式表面処理装置に本発明のマイクロミストエッチング装置を容易に組み込むことが可能となる。
また、上記の実施例では5インチのシリコンウエハを保護リングで固定したものを8インチのウエハキャリアに収納した例を示して本発明を説明したが、ウエハの種類及びサイズを限定するものではなく、いろいろな種類及びサイズのウエハを任意に混合して使用してもよい。
さらに、保護リングを使わずに、5インチのウエハを粘着フィルムでマスキングし、そのまま5インチのウエハキャリアに入れてエッチングに供することも可能である。なお、マスキングの必要がないウエハのエッチングは、これらの保護処理を行わずに実施してもよい。
さらにまた、上記の実施例ではウエハの処理枚数を12枚として説明をしたが、処理時間の適正化やミスト量の調整により処理枚数を増減してもよいしウエハキャリアの数を増やすこともできる。
その他に、上記の実施例で使用した処理チャンバにはその上壁にウエハキャリアのための装入口を設けたが、使用する処理設備の形態によっては、側壁に装入口を設け、その開口部からのウエハキャリアの投入及び取り出しを実施してもよい。また、エッチング後の洗浄を純水の浸漬洗浄で説明したが、純水のシャワーやバブリング等を併用してもよい。
本発明によるミストエッチング装置の好ましい1形態を示した模式断面図である。 図1のミストエッチング装置で用いられた、複数個の半導体ウエハを保持したウエハキャリアの断面図である。 図2に示したウエハキャリアの側面図である。 回路等を粘着フィルムからなる保護材で保護した半導体ウエハの正面図である。 図4に示した半導体ウエハの線分B−Bに沿った断面図である。 図1のミストエッチング装置で用いられたウエハ回転機構を説明した上面図である。 図6に示したウエハ回転機構の側面図である。 図1のミストエッチング装置で用いられたミスト発生装置の構成を説明した模式図である。 従来の浸漬式エッチング方法を工程順に示した断面図である。
符号の説明
1 半導体ウエハ
2 ウエハ固定用リング
3 保護治具
4 ウエハキャリア
5 粘着フィルム
10 処理チャンバ
20 ミストチャンバ
30 ミスト回収槽
40 マイクロミスト発生装置

Claims (12)

  1. 半導体ウエハの表面にエッチング液を噴霧してウエハ上の既存構造物をエッチングにより溶解除去するミストエッチング方法において、
    前記半導体ウエハは、その表面に形成された回路等の機能素子が少なくとも、粘着フィルムからなる保護材で覆われており、
    前記既存構造物は、前記半導体ウエハの表面に露出した、先行するエッチング工程において耐エッチング性を有するマスクとして使用され、かつ前記ミストエッチングによって溶解除去されるべき使用済みのマスキング材であり、そして
    使用されるエッチング液は、前記エッチング液を微粒子化し不活性ガス中に霧状に分散させることによって形成されたマイクロミストの形態であり、そして
    複数個の半導体ウエハを1つのウエハキャリア上に保持し、一括してエッチングを行うことを特徴とするミストエッチング方法。
  2. それぞれの半導体ウエハを回転させながらエッチングを行うことを特徴とする請求項に記載のミストエッチング方法。
  3. 前記マイクロミストは、10μm以下の平均粒径を有するエッチング液の微粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のミストエッチング方法。
  4. 前記既存構造物は酸化膜又は窒化膜であり、前記エッチング液はフッ酸水溶液であり、そして前記不活性ガスは窒素ガスであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のミストエッチング方法。
  5. 半導体ウエハの表面にエッチング液を噴霧してウエハ上の既存構造物をエッチングにより溶解除去するミストエッチング装置において、
    前記半導体ウエハは、その表面に形成された回路等の機能素子が少なくとも、粘着フィルムからなる保護材で覆われており、前記既存構造物は、前記半導体ウエハの表面に露出した、先行するエッチング工程において耐エッチング性を有するマスクとして使用され、かつ前記ミストエッチングによって溶解除去されるべき使用済みのマスキング材であり、そして使用されるエッチング液は、エッチング液を微粒子化し不活性ガス中に霧状に分散させることによって形成されたマイクロミストの形態であること、及び下記の手段:
    前記半導体ウエハを保持するためのウエハキャリア、
    前記ウエハキャリアを装入可能な寸法及び形状を有しかつ該ウエハキャリアの装入後に密閉可能な開口部、前記半導体ウエハを保持したウエハキャリアを載置するキャリア受け、エッチングチャンバ内に前記マイクロミストを供給可能なミスト装入口及びエッチングチャンバから前記マイクロミストを排出可能なミスト排出口を少なくとも備えた、前記半導体ウエハを内部に収容可能なエッチングチャンバ、
    前記エッチングチャンバのミスト装入口に接続されたマイクロミスト発生装置、及び
    前記エッチングチャンバのミスト排出口に接続されたミスト回収槽
    を少なくとも備えてなり、そして
    前記半導体ウエハは複数個の半導体ウエハからなり、それらの半導体ウエハは1個のウエハキャリア上に保持されて前記エッチングチャンバ内に収容されていることを特徴とするミストエッチング装置。
  6. 前記ウエハキャリアは、離間して配置された2本の回転ロールをさらに有しており、かつ複数個の前記半導体ウエハは、それらの回転ロール上に載置され、回転されながらエッチングに供されることを特徴とする請求項に記載のミストエッチング装置。
  7. 前記エッチングチャンバは、処理チャンバと、処理チャンバから隔離して前記キャリア受けの下方に形成されたミストチャンバとに二分されており、かつ前記ミスト発生装置から前記ミスト装入口を介してミストチャンバに送られてきたミストは、該ミストチャンバの下部に形成された封水層の存在下、前記キャリア受けの近傍に形成されたミスト導入口を介して前記処理チャンバに供給されることを特徴とする請求項5又は6に記載のミストエッチング装置。
  8. 前記マイクロミスト発生装置は、液体の貯留と発生ミストの保持を行うために気密構造となっている発生室と、前記発生室内に配置され、導入される加圧ガスによって前記液体を前記発生室内に噴霧する噴射ノズルと、前記噴射ノズルによって噴霧した霧を衝突させ、微細化させる緩衝バルブと、前記発生器内に配置され、前記緩衝バルブに衝突して微細化された微粒子を導入して、粒子を選別する粒子選別器とを備えていて、前記粒子選別器によって選別されたマイクロミストを系外に放出することを特徴とする請求項のいずれか1項に記載のミストエッチング装置。
  9. 半導体ウエハの表面にエッチング液を噴霧してウエハ上の既存構造物をエッチングにより溶解除去するエッチング工程を含む半導体装置の製造方法において、下記の工程:
    半導体ウエハの1つの主たる表面に回路等の機能素子を形成する素子形成工程、
    ミストエッチング工程に先行するエッチング工程において耐エッチング性マスキング材からなるマスクの存在下において前記半導体ウエハをエッチングしてその半導体ウエハのもう1つの主たる表面を選択的に蝕刻するとともに、前記ミストエッチングによって溶解除去されるべき使用済みのマスクを既存構造物として前記半導体ウエハの表面に露出させるウエハエッチング工程、
    前記半導体ウエハの表面に形成された前記機能素子を少なくとも、粘着フィルムからなる保護材で被覆する素子保護工程、
    前記保護材の存在下、エッチング液を微粒子化し不活性ガス中に霧状に分散させることによって形成されたマイクロミストを前記半導体ウエハの表面に噴霧してウエハ上の既存構造物をエッチングにより溶解除去するミストエッチング工程、及び
    前記半導体ウエハの表面から前記保護材を除去する保護材除去工程
    を含んでなり、そして
    前記ミストエッチング工程において、複数個の半導体ウエハを1つのウエハキャリア上に保持し、一括してエッチングを行うことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  10. それぞれの半導体ウエハを回転させながらエッチングを行うことを特徴とする請求項に記載の半導体装置の製造方法。
  11. ミストエッチング工程及びその後のウエハ洗浄工程を同一のエッチングチャンバで実施することを特徴とする請求項9又は10に記載の半導体装置の製造方法。
  12. 前記半導体装置が半導体センサであることを特徴とする請求項11のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
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