JP4858259B2 - テーラードブランク材における接合線設定方法、接合線設定装置、接合線設定プログラム及び記録媒体 - Google Patents

テーラードブランク材における接合線設定方法、接合線設定装置、接合線設定プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、テーラードブランク材における接合線設定方法、接合線設定装置、接合線設定プログラム及び記録媒体に関し、特に、異なる種類のブランク材を接合して形成されるテーラードブランク材における接合線を設定する技術に関する。
近年、自動車の安全性の確保と対環境性能に対する要請の高まりにより、自動車ボディについて、強度の向上と軽量化とを両立させつつコストを下げることが要求されている。
このような要求に応えるため、成形部品において高い強度を要求される部分にだけ、部分的に、板厚の厚いもの又は高強度の材質の素材を適用して成形することを目的としたテーラードブランク材が注目されている。
テーラードブランク材によれば、異なる種類の金属板(ブランク材)を接合することにより一枚の素材の中の特性を部分的に変えることができ、部品点数の削減及び軽量化を図ることが可能となる。
そして、テーラードブランク材における割れ等の欠陥の発生を低減又は管理する方法として、従来から多くの技術が開発されている。
例えば、ブランク材を溶接してテーラードブランク材として需要家に出荷する過程における欠陥の発生を低減及び管理する方法として、テーラードブランク材の素材情報及び溶接加工情報を関連付けた識別記号をレーザマーキング手段によってテーラードブランク材に記録する方法が開示されている(特許文献1参照)。かかる方法によれば、需要家でのプレス加工を経た後のテーラードブランク材の欠陥の発生時に、テーラードブランク材に記録された識別記号に基づき溶接加工からプレス加工に至るまでの欠陥の発生原因を究明することが可能となる。また、テーラードブランク材に記録された識別記号に基づき需要家がテーラードブランク材のプレス加工を行う際のプレス条件を管理することができ、プレス加工時の欠陥の発生を低減することが可能となる。
また、ブランク材を溶接してテーラードブランク材を形成する際における欠陥の発生を検査する方法として、入熱方向下流側の板面から突出する溶接ビードの先端までの突出高さを非破壊で測定し、当該突出高さから溶接の良否を判断する方法が開示されている(特許文献2参照)。一方、溶接時における欠陥の発生を低減する方法として、溶接されるブランク材が固定される冶具ベースに、ブランク材の溶接部に形成される溶接ビードに相対する位置に凹部を設ける方法が開示されている(特許文献3参照)。かかる方法によれば、冶具ベースに設けられた凹部により、溶融した溶接部及び溶接ビードが冶具ベースに溶着することを防ぐことができるとともに、溶接部にシール用ガスを流通させることができるため、溶接部における欠陥の発生を低減することが可能となる。
また、テーラードブランク材をプレス成形する際におけるテーラードブランク材の接合部での欠陥の発生を低減する方法として、テーラードブランク材の接合部の近傍に、周長が伸びる方向に変形する凹部を形成する方法が開示されている(特許文献4参照)。
さらに、テーラードブランク材の接合部の材料特性は、素材となったブランク材の材料特性と比較して低下するため、テーラードブランク材のプレス成形時に接合部で欠陥が発生し易くなる。かかる状況に鑑み、テーラードブランク材をプレス成形する際におけるテーラードブランク材の接合部での欠陥の発生を低減する方法として、残留オーステナイト分率が2体積%未満で強度が650MPa以上である高強度鋼板と、残留オーステナイトが2%以上の変態誘起塑性型鋼板との異種材料を接合してテーラードブランク材を形成する方法が開示されている(特許文献5参照)。
特開2006−65490号公報 特開2005−279653号公報 特開2005−279688号公報 特開2005−152975号公報 特開2004−211134号公報
ここで、テーラードブランク材では、ブランク材の接合部が母材と異なった特性を示すため、テーラードブランク材のプレス成形時に接合部で破断等の欠陥が生じやすい。したがって、テーラードブランク材のプレス成形時における欠陥の発生には、テーラードブランク材における接合線の位置の設定が非常に大きな影響を与えることとなる。
しかしながら、従来においては、テーラードブランク材を形成する際のテーラードブランク材における接合線の位置の設定は、経験とテーラードブランク材をプレス成形して得られる成形製品の特性とに基づいた技術者の勘により行われていた。そして、それによって得られたテーラードブランク材をプレス成形することにより発生する欠陥への対応は、テーラードブランク材の形成時におけるブランク材の溶接条件の変更又はテーラードブランク材のプレス成形時におけるプレス条件の変更により行われ、欠陥の発生を有効に低減することができない場合があるという問題がある。
本発明は上記した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、予めテーラードブランク材における欠陥発生危険部位を算出し、算出された欠陥発生部位を避けるようにテーラードブランク材における接合線の位置を設定することで、テーラードブランク材のプレス成形時における欠陥の発生を低減することが可能なテーラードブランク材における接合線設定方法、接合線設定装置、接合線設定プログラム及び記録媒体を提供することにある。
本発明のうち請求項1記載のテーラードブランク材における接合線設定方法は、板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材を形成するにあたって、
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定することを特徴とする。
また、本発明のうち請求項2記載のテーラードブランク材における接合線設定方法は、板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材を形成するにあたって、
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて仮接合線を設定する第一の工程と、
前記第一の工程で設定された仮接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する第二の工程とを有することを特徴とする。
また、本発明のうち請求項3記載のテーラードブランク材における接合線設定方法は、請求項2記載のテーラードブランク材における接合線設定方法において、前記第二の工程は、設定された前記接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定と前記プレス成形解析とを繰り返すことを特徴とする。
また、本発明のうち請求項4記載のテーラードブランク材における接合線設定方法は、請求項2又は3記載のテーラードブランク材における接合線設定方法において、前記第二の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
前記第二の工程における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項5記載のテーラードブランク材における接合線設定方法は、請求項2乃至4のうちいずれか1項記載のテーラードブランク材における接合線設定方法において、前記第二の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項6記載のテーラードブランク材における接合線設定方法は、請求項3又は4記載のテーラードブランク材における接合線設定方法において、前記第二の工程で設定された接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定と前記プレス成形解析とを繰り返す第三の工程を有し、
前記第二の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出がワンステップ法又はインクリメンタル法により行われ、
前記第三の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項7記載のテーラードブランク材における接合線設定方法は、請求項6記載のテーラードブランク材における接合線設定方法において、前記第二の工程から前記第三の工程への移行が自動により行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項8記載のテーラードブランク材における接合線設定方法は、請求項6又は7記載のテーラードブランク材における接合線設定方法において、前記第二の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出並びに前記第三の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
前記第二の工程における接合線の設定及び前記第三の工程における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項9記載のテーラードブランク材における接合線設定装置は、板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材における前記接合線を設定するテーラードブランク材における接合線設定装置であって、
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出するプレス成形解析手段と、
前記プレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する接合線設定手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項10記載のテーラードブランク材における接合線設定装置は、板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材における前記接合線を設定するテーラードブランク材における接合線設定装置であって、
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出する第一のプレス成形解析手段と、
前記第一のプレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて仮接合線を設定する仮接合線設定手段と、
前記仮接合線設定手段により設定された仮接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出する第二のプレス成形解析手段と、
前記第二のプレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する接合線設定手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項11記載のテーラードブランク材における接合線設定装置は、請求項10記載のテーラードブランク材における接合線設定装置において、前記第二のプレス成形解析手段が、前記接合線設定手段により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、
前記接合線設定手段が、前記第二のプレス成形解析手段により前記欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定を繰り返すことを特徴とする。
また、本発明のうち請求項12記載のテーラードブランク材における接合線設定装置は、請求項10又は11記載のテーラードブランク材における接合線設定装置において、前記第二のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
前記接合線設定手段における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項13記載のテーラードブランク材における接合線設定装置は、請求項10乃至12のうちいずれか1項記載のテーラードブランク材における接合線設定装置において、前記第二のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項14記載のテーラードブランク材における接合線設定装置は、請求項11又は12記載のテーラードブランク材における接合線設定装置において、前記接合線設定手段により設定された接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出する第三のプレス成形解析手段と、
前記第三のプレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する第二の接合線設定手段とを備え、
前記第三のプレス成形解析手段が、前記第二の接合線設定手段により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、
前記第二の接合線設定手段が、前記第二のプレス成形解析手段により前記欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定を繰り返し、
前記第二のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出がワンステップ法又はインクリメンタル法により行われ、
前記第三のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項15記載のテーラードブランク材における接合線設定装置は、請求項14記載のテーラードブランク材における接合線設定装置において、前記接合線設定手段から前記第三のプレス成形解析手段へのデータの移行が自動により行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項16記載のテーラードブランク材における接合線設定装置は、請求項14又は15記載のテーラードブランク材における接合線設定装置において、前記第二のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出並びに前記第三のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
前記接合線設定手段における接合線の設定及び前記第二の接合線設定手段における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項17記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムは、板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材における前記接合線を設定するテーラードブランク材における接合線設定プログラムであって、
コンピュータに、
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定するステップを実行させること特徴とする。
また、本発明のうち請求項18記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムは、板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材における前記接合線を設定するテーラードブランク材における接合線設定プログラムであって、
コンピュータに、
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて仮接合線を設定する第一のステップと、
前記第一のステップで設定された仮接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する第二のステップとを実行させることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項19記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムは、請求項18記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムにおいて、前記第二のステップは、設定された前記接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定と前記プレス成形解析とを繰り返すことを特徴とする。
また、本発明のうち請求項20記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムは、請求項18又は19記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムにおいて、前記第二のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
前記第二のステップにおける接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項21記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムは、請求項18乃至20のうちいずれか1項記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムにおいて、前記第二のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項22記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムは、請求項19又は20記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムにおいて、前記第二のステップで設定された接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定と前記プレス成形解析とを繰り返す第三ステップを有し、
前記第二のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出がワンステップ法又はインクリメンタル法により行われ、
前記第三のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項23記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムは、請求項22記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムにおいて、前記第二のステップから前記第三のステップへの移行が自動により行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項24記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムは、請求項22又は23記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムにおいて、前記第二のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出並びに前記第三のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
前記第二のステップにおける接合線の設定及び前記第三のステップにおける接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項25記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、請求項17乃至24のうちいずれか1項記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムを記録したことを特徴とする。
本願請求項1に係るテーラードブランク材における接合線設定方法、請求項9に係るテーラードブランク材における接合線設定装置又は請求項17に係るテーラードブランク材における接合線設定プログラムによれば、テーラードブランク材のプレス成形時に接合線付近における欠陥の発生を低減することが可能な接合線を簡易に設定することが可能となる。
また、本願請求項2乃至5のうちいずれか1項に係るテーラードブランク材における接合線設定方法、請求項10乃至13のうちいずれか1項に係るテーラードブランク材における接合線設定装置又は請求項18乃至21のうちいずれか1項に係るテーラードブランク材における接合線設定プログラムによれば、テーラードブランク材のプレス成形時に接合線付近における欠陥の発生を低減することが可能な接合線を設定することが可能となる。
また、本願請求項6乃至8のうちいずれか1項に係るテーラードブランク材における接合線設定方法、請求項14乃至16のうちいずれか1項に係るテーラードブランク材における接合線設定装置又は請求項22乃至24のうちいずれか1項に係るテーラードブランク材における接合線設定プログラムによれば、テーラードブランク材のプレス成形時に接合線付近における欠陥の発生をより低減することが可能な接合線を設定するために必要となる時間を短縮することが可能となる。
テーラードブランク材とは、板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を接合して形成されたプレス素材をいう。
ここで、ブランク材の接合方法としては、種々の接合方法を用いることが可能であるが、テーラードブランク材の成形性等の観点から、一般的に溶接が用いられる。また、溶接方法としては、レーザ溶接、マッシュシーム溶接、プラズマ溶接等を用いることが可能であるが、以下においては、ブランク材の接合方法としてレーザ溶接を用いた場合を例にして説明する。
そして、テーラードブランク材は、接合対象となるブランク材の端面を所定の溶接線(接合線)で突き合わせ、溶接線に沿って両ブランク材を溶接することにより形成される。
ブランク材としては、一般的な冷延鋼板、熱延鋼板に限定されず、亜鉛などのめっき鋼板、ステンレス鋼板、さらには、アルミニウム板、アルミニウム合金板、マグネシウム板等の非鉄金属も含む板が用いられる。
そして、テーラードブランク材は、プレス成形により所望の形状に成形されて自動車の車体、部品等の成形製品とされる。
ここで、テーラードブランク材についてプレス成形実験を行った結果、テーラードブランク材の溶接線付近で欠陥が発生し易いことが確認された。この場合において、欠陥とは、割れ、ネッキング、シワ等をいうが、本実施形態においては主として割れをいう。そして、かかる欠陥が検出されたテーラードブランク材について解析を行った結果、テーラードブランク材の溶接線付近で発生する欠陥は、テーラードブランク材において強度の弱いブランク材が強度の強いブランク材に引っ張られることにより発生することがわかった。
そこで、まず、テーラードブランク材の形成の際に、レーザ溶接速度の変更、接合される両ブランク材の板厚中心のずれの解消等、レーザ溶接時の接合条件を変更し、得られたテーラードブランク材についてプレス成形実験を行った。しかしながら、上記場合と同様に、テーラードブランク材の溶接線付近で欠陥の発生が確認された。
次に、テーラードブランク材の形成の際に、レーザ溶接時のビート条件を変更してみたが、ビート張力を弱くするとテーラードブランク材にシワが発生し、テーラードブランク材のプレス成形時に所望の形状に成形することができなかった。
一方、テーラードブランク材の形成の際に、レーザ溶接の接合条件の変更は行わずに、テーラードブランク材における溶接線の位置を、テーラードブランク材をプレス成形して得られる成形製品の特性に影響のない範囲において数箇所に変更し、得られたテーラードブランク材についてプレス成形実験を行った。その結果、テーラードブランク材の溶接線付近で欠陥の発生が確認されない場合があることがわかった。また、この場合、テーラードブランク材の板厚、材質、接合等に問題はなかった。
そこで、プレス成形時に溶接線付近で欠陥が発生したテーラードブランク材について、テーラードブランク材における溶接線をずらした場合についてプレス成形実験を行った。その結果、成形製品の特性に影響がなく、割れない程度の板厚の低減及び歪はあっても、十分に割れ等の欠陥を発生させずにプレス成形を行うことが可能であることが明らかとなった。
上記実験結果により、本願発明者は、テーラードブランク材のブランク材同士の溶接線付近に発生する欠陥を低減する方法として以下の方法を考えた。
すなわち、まず、予め設定された仮溶接線により形成されたテーラードブランク材について有限要素法によるプレス成形解析を行い、仮溶接線付近に発生する欠陥を算出する。そして、仮溶接線付近に欠陥が算出された場合、かかる欠陥が算出されない位置に仮溶接線を再設定する。そして、再設定された仮溶接線により形成されたテーラードブランク材について有限要素法によるプレス成形解析を行い、仮溶接線付近に発生する欠陥を算出する。さらに、再設定された仮溶接線付近に欠陥が算出された場合には、かかる欠陥が算出されない位置に仮溶接線を再設定し、かかる仮溶接線により形成されたテーラードブランク材について有限要素法によるプレス成形解析を行う。そして、仮溶接線の設定及びプレス成形解析を繰り返し、最終的に仮溶接線付近に欠陥が算出されない仮溶接線を見出し、これを溶接線に設定する。
かかる方法によれば、テーラードブランク材のプレス成形時における欠陥の発生を低減することが可能となる。
次に、本発明の第一実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置10を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第一実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置の概略構成図である。図2はテーラードブランク材における接合線設定装置における処理を説明する図である。図3はテーラードブランク材における接合線設定装置における処理を説明する図である。図4はテーラードブランク材における接合線設定装置における処理の流れを説明するフローチャートである。
テーラードブランク材における接合線設定装置10は、図1に示すように、仮接合線設定ユニット11と、第一の接合線設定ユニット12とを備えている。
なお、テーラードブランク材における接合線設定装置10は、ハードウェア構成で実現可能であり、又はハードウェア構成とソフトウェア構成の組合せとしても実現可能となっている。後者の場合、ソフトウェア構成は、予めコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又はネットワークから得られたプログラムがコンピュータにインストールされることにより、テーラードブランク材における接合線設定装置10としての各機能が実現される。
ここで、テーラードブランク材における接合線設定装置10には、予め、テーラードブランク材1を形成するブランク材2a,2b(図2参照)の板厚、材料特性等の情報、形成されるテーラードブランク材1(図2参照)の形状情報、テーラードブランク材1を成形製品の形状にプレス成形する場合のプレス条件情報等が入力される。
また、テーラードブランク材における接合線設定装置10におけるプレス成形解析は、解析対象となるブランク材又はテーラードブランク材を有限要素法解析用にモデル化して行う。
仮接合線設定ユニット11は、ブランク材選出手段11aと、第一のプレス成形解析手段11bと、仮接合線設定手段11cとを備えている。
ブランク材選出手段11aは、テーラードブランク材1を形成する複数のブランク材2a,2bのうち、最も欠陥の発生し易いブランク材2aを選出する。ブランク材選出手段11aによるブランク材2aの選出は、各ブランク材2a,2bの引張強さと板厚との積の値が最も小さいものを選出する方法等が用いられる。
第一のプレス成形解析手段11bは、ブランク材選出手段11aにより選出されたブランク材2aを用いて成形製品の形状にプレス成形した場合についての有限要素法によるプレス成形解析を行い、プレス成形されたブランク材2aにおける欠陥の発生部位3を算出する。ここで、欠陥の発生部位3は、実際に欠陥が発生している欠陥発生部位に加え、実際に欠陥が発生していないが欠陥が発生する危険のある欠陥発生危険部位を含むものとする(以下、全ての実施形態及び実施例において同様)。また、第一のプレス成形解析手段11bによる欠陥の発生部位3の算出は、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図(以下、FLDという)における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準にして、所定の閾値との対比において算出される。ここで、相当応力とは、単軸相当の応力をいう。
仮接合線設定手段11cは、プレス成形されたブランク材2aにおいて、第一のプレス成形解析手段11bにより算出された欠陥の発生部位3を避ける位置に仮溶接線L1を設定する。仮接合線設定手段11cによる仮溶接線L1の設定は、成形製品の特性より必要な条件を満たすように行われる。そして、仮接合線設定手段11cは、プレス成形されたブランク材2aを展開した状態の仮溶接線L1を用いてブランク材2aと別のブランク材2bとを接合し、仮のテーラードブランク材1aを形成する。
第一の接合線設定ユニット12は、第二のプレス成形解析手段12aと、第一の接合線設定手段12bとを備えている。
第二のプレス成形解析手段12aは、仮接合線設定手段11cにより形成された仮のテーラードブランク材1aを成形製品の形状にプレス成形した場合についての有限要素法によるプレス成形解析を行い、プレス成形された仮のテーラードブランク材1aにおける欠陥の発生部位3を算出する。また、第二のプレス成形解析手段12aは、後述する仮接合線設定部17により形成された仮のテーラードブランク材1aを成形製品の形状にプレス成形した場合についての有限要素法によるプレス成形解析を行い、プレス成形された仮のテーラードブランク材1aにおける欠陥の発生部位3を算出する。第二のプレス成形解析手段12aによるプレス成形解析及び欠陥の発生部位3の算出は、第一のプレス成形解析手段11bと同様の方法により行われる。
第一の接合線設定手段12bは、判定部15と、接合線設定部16と、仮接合線設定部17とを備える。
判定部15は、第二のプレス成形解析手段12aにより算出された欠陥の発生部位3に基づき、仮のテーラードブランク材1aの仮溶接線L1付近における欠陥の発生部位3の算出を判定する。判定部15による仮のテーラードブランク材1aの仮溶接線L1付近における欠陥の発生部位3の算出の判定は、仮溶接線L1から所定の範囲内にあるメッシュに欠陥の発生部位3が算出されたか否かにより行われる。ここで、仮溶接線L1から所定の範囲内とは、仮のテーラードブランク材1aの板厚の10から20倍の距離の範囲内をいう。
接合線設定部16は、判定部15により仮溶接線L1付近において欠陥の発生部位3が算出されないと判定された場合に、仮溶接線L1をテーラードブランク材1における溶接線Lに設定する。そして、接合線設定部16は、溶接線Lを用いてブランク材2aと別のブランク材2bとを接合し、テーラードブランク材1を形成する。
仮接合線設定部17は、判定部15により仮溶接線L1付近における欠陥の発生部位3が算出されたと判定された場合に、プレス成形された仮のテーラードブランク材1aにおいて、算出された欠陥の発生部位3を避けることが可能となる仮溶接線L1を再設定する。仮接合線設定部17による仮溶接線L1の再設定は、板厚減少率、相当応力又は塑性歪の値が最小となるメッシュ要素の代表点又は境界を通るように行われる。また、仮接合線設定部17による仮溶接線L1の再設定は、FLDにおける最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を通るように行っても構わない。なお、仮接合線設定部17による仮溶接線L1の再設定は、成形製品の特性より必要な条件を満たすように行われる。そして、仮接合線設定部17は、プレス成形された仮のテーラードブランク材1aを展開した状態の仮溶接線L1を用いてブランク材2aと別のブランク材2bとを接合し、仮のテーラードブランク材1aを再形成する。
ここで、第一のプレス成形解析手段11b及び第二のプレス成形解析手段12aにおけるプレス成形解析による欠陥の発生部位3の算出は、ワンステップ法、インクリメンタル等の簡易な計算方法を用いて行うことも可能であるが、陽解法による逐次成形解析等の詳細な計算方法を用いて行うことが好ましい。なお、ワンステップ法とは、成形製品の形状をテーラードブランク材の表面に投影し、要素寸法の変更結果をもとに応力やひずみを計算する方法をいう。また、インクリメンタル法とは、プレス金型の生産工程プロセスを高精度にシミュレーションする方法をいう。また、陽解法とは、有限要素法における運動方程式の解法の一種で、連立方程式の求解操作は行わず、運動方程式をそのまま解いて、時刻tにおける運動方程式を基に時刻t+Δtにおける運動方程式の解を近似的に求める方法をいう(「弾塑性力学の基礎」 吉田総仁著 共立出版株式会社 参照)。
次に、テーラードブランク材における接合線設定装置10により溶接線Lを設定する際の処理の流れを説明する。
テーラードブランク材における接合線設定装置10により溶接線Lを設定する際には、図1から図4に示すように、まず、ブランク材選出手段11aが、テーラードブランク材1を形成する複数のブランク材2a,2bのうち、最も欠陥の発生し易いブランク材2aを選出する(ステップS101)。
次に、図2(a)に示すように、第一のプレス成形解析手段11bが、ブランク材選出手段11aにより選出された最も欠陥の発生し易いブランク材2aを用いて成形製品の形状にプレス成形した場合についてのプレス成形解析を行い、プレス成形されたブランク材2aにおける欠陥の発生部位3を算出する(ステップS102)。
そして、仮接合線設定手段11cが、プレス成形されたブランク材2aにおいて、第一のプレス成形解析手段11bにより算出された欠陥の発生部位3を避ける位置に仮溶接線L1を設定する(ステップS103)。
また、図2(b)に示すように、仮接合線設定手段11cが、プレス成形されたブランク材2aを展開した状態の仮溶接線L1を用いてブランク材2aと別のブランク材2bとを接合し、仮のテーラードブランク材1aを形成する(ステップS104)。
ここで、簡易に溶接線Lを設定したい場合には、仮接合線設定手段11cが設定した仮溶接線L1をテーラードブランク材1における溶接線Lに設定する構成としても構わない。
さらに、図3(a)に示すように、第二のプレス成形解析手段12aが、仮接合線設定手段11cにより形成された仮のテーラードブランク材1aを成形製品の形状にプレス成形した場合についてのプレス成形解析を行い、プレス成形された仮のテーラードブランク材1aにおける欠陥の発生部位3を算出する(ステップS105)。
そして、判定部15が、第二のプレス成形解析手段12aにより算出された欠陥の発生部位3に基づき、仮のテーラードブランク材1aの仮溶接線L1付近における欠陥の発生部位3の算出を判定する(ステップS106)。
そして、判定部15により仮溶接線L1付近における欠陥の発生部位3が算出されないと判定された場合には、接合線設定部16が、仮溶接線L1をテーラードブランク材1における溶接線Lに設定する(ステップS110)。また、接合線設定部16は、溶接線Lを用いてブランク材2aと別のブランク材2bとを接合し、テーラードブランク材1を形成する。
一方、判定部15により仮溶接線L1付近における欠陥の発生部位3が算出されたと判定された場合には、仮接合線設定部17が、プレス成形された仮のテーラードブランク材1aにおいて、第二のプレス成形解析手段12aにより算出された欠陥の発生部位3を避けることが可能となる仮溶接線L1を再設定する(ステップS107)。
この場合、図3(b)に示すように、仮接合線設定部17が、プレス成形された仮のテーラードブランク材1aを展開した状態の仮溶接線L1を用いてブランク材2aと別のブランク材2bとを接合し、仮のテーラードブランク材1aを再形成する(ステップS108)。
そして、再びステップS105の処理に戻され、第二のプレス成形解析手段12aが、仮接合線設定部17により再形成されたテーラードブランク材1aを成形製品の形状にプレス成形した場合についてのプレス成形解析を行い、プレス成形されたテーラードブランク材1aにおける欠陥の発生部位3を算出する。
そして、ステップS106で判定部15により仮溶接線L1付近における欠陥の発生部位3が算出されないと判定されるまでステップS105からステップS108を繰り返す。
なお、ステップS105からステップS108を繰り返しても、初期に設定された成形製品の特性より必要となる条件を満たす溶接線Lが設定されない場合には、最適な溶接線Lとしての解がないものとして、成形製品の再設計を実施する必要がある。
このように、テーラードブランク材における接合線設定装置10によれば、予めテーラードブランク材1aにおける欠陥の発生部位3を算出し、算出された欠陥の発生部位3を避けるようにテーラードブランク材1における溶接線Lの位置を設定することで、テーラードブランク材1のプレス成形時に溶接線L付近における欠陥の発生を低減することが可能な溶接線Lを設定することができる。
ここで、本実施形態における計算方法としては、オリジナルの計算ソフト、汎用の計算ソフト又はオリジナルの計算ソフトと汎用の計算ソフトとを組み合わせたものを用いても構わない。
また、設定される仮溶接線L1及び溶接線Lはテーラードブランク材の加工性より直線であることが好ましいが、直線に限定されるものではなく、多直線で構成される接合線、曲線を含む接合線、打ち抜き又はこれらを組み合わせて構成される接合線であっても構わない。
次に、本発明の第二実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置20を図面を参照して説明する。図5は本発明の第二実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置の概略構成図である。図6はテーラードブランク材における接合線設定装置における処理の流れを説明するフローチャートである。
テーラードブランク材における接合線設定装置20の基本構成は、テーラードブランク材における接合線設定装置10と同様であるため、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
テーラードブランク材における接合線設定装置20は、図5に示すように、テーラードブランク材における接合線設定装置10の構成に加え、第二の接合線設定ユニット13を備えている。
また、テーラードブランク材における接合線設定装置20では、接合線設定部16により設定された溶接線Lを仮溶接線L2、接合線設定部16により形成されたテーラードブランク材1を仮のテーラードブランク材1bとして第二の接合線設定ユニット13における処理を継続する。
なお、テーラードブランク材における接合線設定装置20は、ハードウェア構成で実現可能であり、又はハードウェア構成とソフトウェア構成の組合せとしても実現可能となっている。後者の場合、ソフトウェア構成は、予めコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又はネットワークから得られたプログラムがコンピュータにインストールされることにより、テーラードブランク材における接合線設定装置20としての各機能が実現される。
第二の接合線設定ユニット13は、第三のプレス成形解析手段13aと、第二の接合線設定手段13bとを備える。
第三のプレス成形解析手段13aは、接合線設定部16により形成された仮のテーラードブランク材1bを成形製品の形状にプレス成形した場合についての有限要素法によるプレス成形解析を行い、プレス成形されたテーラードブランク材1bにおける欠陥の発生部位3を算出する。第三のプレス成形解析手段13aによるプレス成形解析及び欠陥の発生部位3の算出は、第一のプレス成形解析手段11bと同様の方法により行われる。
第二の接合線設定手段13bは、第二の判定部21と、第二の接合線設定部22と、第二の仮接合線設定部23とを備える。
第二の判定部21は、第三のプレス成形解析手段13aにより算出された欠陥の発生部位3に基づき、仮のテーラードブランク材1bの仮溶接線L2付近における欠陥の発生部位3の算出を判定する。第二の判定部21による仮のテーラードブランク材1bの仮溶接線L2付近における欠陥の発生部位3の算出の判定は、判定部15と同様の方法により行われる。
第二の接合線設定部22は、第二の判定部21により仮溶接線L2付近において欠陥の発生部位3が算出されないと判定された場合に、仮溶接線L2をテーラードブランク材1における溶接線Lに設定する。そして、第二の接合線設定部22は、溶接線Lを用いてブランク材2aと別のブランク材2bとを接合し、テーラードブランク材1を形成する。
第二の仮接合線設定部23は、第二の判定部21により仮溶接線L2付近における欠陥の発生部位3が算出されたと判定された場合に、プレス成形された仮のテーラードブランク材1bにおいて、算出された欠陥の発生部位3を避けることが可能となる仮溶接線L2を再設定する。第二の仮接合線設定部23による仮溶接線L2の再設定は、仮接合線設定部17による仮溶接線L1の設定と同様の方法により行われる。そして、第二の仮接合線設定部23は、プレス成形された仮のテーラードブランク材1bを展開した状態の仮溶接線L2を用いてブランク材2aと別のブランク材2bとを接合し、仮のテーラードブランク材1bを再形成する。
ここで、接合線設定装置20では、第一のプレス成形解析手段11b及び第二のプレス成形解析手段12aにおけるプレス成形解析による欠陥の発生部位3の算出を簡易な計算方法を用いて行っている。ここで、簡易な計算方法としては、ワンステップ法、インクリメンタル法等を用いることが可能である。一方、第三のプレス成形解析手段13aにおけるプレス成形解析による欠陥の発生部位3の算出を詳細な計算方法を用いて行っている。ここで、詳細な計算方法としては、陽解法による逐次成形解析等を用いることが可能である。
次に、テーラードブランク材における接合線設定装置20により溶接線Lを設定する際の処理の流れを説明する。
テーラードブランク材における接合線設定装置20により溶接線Lを設定する際には、図6に示すように、まず、図4に示すテーラードブランク材における接合線設定装置10と同様の手順により、溶接線Lを設定するとともにテーラードブランク材1を形成する。この場合、第一のプレス成形解析手段11b及び第二のプレス成形解析手段12aにおけるプレス成形解析による欠陥の発生部位3の算出は簡易な計算方法を用いて行われる。そして、テーラードブランク材における接合線設定装置20では、接合線設定部16により設定された溶接線Lを仮溶接線L2、接合線設定部16により形成されたテーラードブランク材1を仮のテーラードブランク材1bとする(ステップS201)。
次に、第三のプレス成形解析手段13aが、接合線設定部16により形成された仮のテーラードブランク材1bを成形製品の形状にプレス成形した場合についてのプレス成形解析を行い、プレス成形された仮のテーラードブランク材1bにおける欠陥の発生部位3を算出する(ステップS202)。この場合、第三のプレス成形解析手段13aにおけるプレス成形解析による欠陥の発生部位3の算出は詳細な計算方法を用いて行われる。
そして、第二の判定部21が、第三のプレス成形解析手段13aにより算出された欠陥の発生部位3に基づき、仮のテーラードブランク材1bの仮溶接線L2付近における欠陥の発生部位3の算出を判定する(ステップS203)。
そして、第二の判定部21により仮溶接線L2付近における欠陥の発生部位3が算出されないと判定された場合には、第二の接合線設定部22が、仮溶接線L2をテーラードブランク材1における溶接線Lに設定する(ステップS206)。また、第二の接合線設定部22は、溶接線Lを用いてブランク材2aと別のブランク材2bとを接合し、テーラードブランク材1を形成する。
一方、第二の判定部21により仮溶接線L2付近における欠陥の発生部位3が算出されたと判定された場合には、第二の仮接合線設定部23が、プレス成形された仮のテーラードブランク材1bにおいて、第三のプレス成形解析手段13aにより算出された欠陥の発生部位3を避けることが可能となる仮溶接線L2を再設定する(ステップS204)。
この場合、第二の仮接合線設定部23が、プレス成形された仮のテーラードブランク材1bを展開した状態の仮溶接線L2を用いてブランク材2aと別のブランク材2bとを接合し、仮のテーラードブランク材1bを再形成する(ステップS205)。
そして、再びステップS202の処理に戻され、第三のプレス成形解析手段13aが、第二の仮接合線設定部23により再形成されたテーラードブランク材1bを成形製品の形状にプレス成形した場合についてのプレス成形解析を行い、プレス成形されたテーラードブランク材1bにおける欠陥の発生部位3を算出する。
そして、ステップS203で第二の判定部21により仮溶接線L2付近における欠陥の発生部位3が算出されないと判定されるまでステップS202からステップS205を繰り返す。
なお、ステップS202からステップS205を繰り返しても、初期に設定された成形製品の特性より必要となる条件を満たす溶接線Lが設定されない場合には、最適な溶接線Lとしての解がないものとして、成形製品の再設計を実施する必要がある。
このように、テーラードブランク材における接合線設定装置20によれば、簡易な計算方法を用いて仮溶接線L1付近における欠陥の発生部位3が算出されない仮のテーラードブランク材1aを形成し、最後に詳細な計算方法を用いて溶接線Lを設定する構成により、溶接線Lの設定に必要となる時間を短縮することが可能となる。
ここで、本実施形態における計算方法としては、オリジナルの計算ソフト、汎用の計算ソフト又はオリジナルの計算ソフトと汎用の計算ソフトとを組み合わせたものを用いても構わない。
また、設定される仮溶接線L1,L2及び溶接線Lはテーラードブランク材の加工性より直線であることが好ましいが、直線に限定されるものではなく、多直線で構成される接合線、曲線を含む接合線、打ち抜き又はこれらを組み合わせて構成される接合線であっても構わない。
ここで、簡易な計算方法を用いた仮溶接線L1の設定(ステップS201)から第三のプレス成形解析手段13aによるプレス成形解析(ステップS202)への処理の移行を自動的に行う構成とすれば、溶接線Lの設定に必要となる時間をさらに短縮することが可能となる。
次に、本発明の第三実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置を説明する。
本発明の第三実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置は、図1に示すテーラードブランク材における接合線設定装置10と同一の構成となっている。そして、本発明の第三実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置は、図4に示すテーラードブランク材における接合線設定装置10と同一の手順により溶接線Lが設定される。
ここで、本発明の第三実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置では、第一の接合線設定手段12bの判定部15におけるプレス成形解析による欠陥の発生部位3の算出の判定が自動で行われる構成となっている。
すなわち、第二のプレス成形解析手段12aがプレス成形解析による欠陥の発生部位3を算出する際に、仮溶接線L1付近の各メッシュに欠陥判定基準値を設定する。そして、第二のプレス成形解析手段12aがプレス成形解析を行った結果、各メッシュについて欠陥判定基準値を超える場合に、判定部15が自動的に欠陥の発生部位3の算出を判定する。この場合、欠陥判定基準値は、板厚減少率、相当応力、塑性歪及びFLDにおける最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準にして、所定の閾値として設定される。
また、本発明の第三実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置では、第一の接合線設定手段12bの仮接合線設定部17による仮溶接線L1の設定が自動で行われる構成となっている。
すなわち、仮接合線設定部17は、判定部15により仮溶接線L1付近のメッシュに欠陥の発生部位3の算出が判定された場合には、予め設定された所定の値だけ溶接線を自動的に移動して仮溶接線L1を再設定する。ここで、所定の値とは、板厚減少率、相当応力、塑性歪及びFLDの最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量等において、所定の範囲の外にあるメッシュとの差分を取り、その値を所定の値で規格化して、さらに0.5から1.5を掛け合わせた値をいう。
そして、仮溶接線L1付近における欠陥の発生部位3が算出されず溶接線Lが設定されるまで、仮溶接線L1の再設定を自動的に繰り返す。
本発明の第三実施形態に係るテーラードブランク材における溶接線設定装置によれば、溶接線Lが設定されるまで仮溶接線L1の再設定を自動的に繰り返す構成により、溶接線Lの設定を簡便に行うことが可能となる。
次に、本発明の第四実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置を説明する。
本発明の第四実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置は、図5に示すテーラードブランク材における接合線設定装置20と同一の構成となっている。そして、本発明の第四実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置は、図6に示すテーラードブランク材における接合線設定装置20と同一の手順により溶接線Lが設定される。
ここで、本発明の第四実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置では、第一の接合線設定手段12bの判定部15及び第二の接合線設定手段13bの第二の判定部21におけるプレス成形解析による欠陥の発生部位3の算出の判定が自動で行われる構成となっている。
すなわち、第二のプレス成形解析手段12a及び第三のプレス成形解析手段13aがプレス成形解析による欠陥の発生部位3を算出する際に、仮溶接線L1,L2付近の各メッシュに欠陥判定基準値を設定する。そして、プレス成形解析手段12a,13aがプレス成形解析を行った結果、各メッシュについて欠陥判定基準値を超える場合に、判定部15,21が自動的に欠陥の発生部位3の算出を判定する。この場合、欠陥判定基準値は、板厚減少率、相当応力、塑性歪及びFLDにおける最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準にして、所定の閾値として設定される。
また、本発明の第四実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置では、第一の接合線設定手段12bの仮接合線設定部17及び第二の接合線設定手段13bの第二の仮接合線設定部23による仮溶接線L1,L2の設定が自動で行われる構成となっている。
すなわち、仮接合線設定部17,23は、判定部15,21により仮溶接線L1,L2付近のメッシュに欠陥の発生部位3の算出が判定された場合には、予め設定された所定の値だけ溶接線を自動的に移動して仮溶接線L1,L2を再設定する。ここで、所定の値とは、板厚減少率、相当応力、塑性歪及びFLDの最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量等において、所定の範囲の外にあるメッシュとの差分を取り、その値を所定の値で規格化して、さらに0.5から1.5を掛け合わせた値をいう。
そして、仮溶接線L1,L2付近における欠陥の発生部位3が算出されず仮溶接線L2又は溶接線Lが設定されるまで、仮溶接線L1,L2の再設定を自動的に繰り返す。
本発明の第四実施形態に係るテーラードブランク材における溶接線設定装置によれば、仮溶接線L2又は溶接線Lが設定されるまで仮溶接線L1,L2の再設定を自動的に繰り返す構成により、溶接線Lの設定を簡便に行うことが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明はこれに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、本発明の実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置10,20では主としてワレ欠陥の低減を目的としているが、判定条件を変更することにより、溶接線付近のシワ及び微小な面ひずみ等の低減にも応用することが可能である。そして、複数の欠陥に対応した複数の判定条件を設定することにより、欠陥を発生させることのない完全な溶接線を求めることも可能である。
また、本発明の実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置10,20ではブランク材の接合方法としてレーザ溶接を用いた場合を例にして説明しているが、実際には解析における溶接線の形態を変更することで、アーク溶接を用いた場合にも適用が可能となる。
また、本発明の実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置10,20ではレーザ溶接による溶接線を設定する場合を例にして説明しているが、溶接以外の他の接合方法による接合線の設定に適用することも可能である。
また、本発明の実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置10,20により形成されるテーラードブランク材1では、溶接線近傍の熱履歴により実際のテーラードブランク材と特性が若干異なる場合があるが、それに関しては細かいメッシュを設定し、各メッシュに特性を入れることでさらに詳細に解析が可能となる。特に、非常に強度の高い980MPa以上のブランク材により形成されたのテーラードブランク材の場合には、細かいメッシュを設定し、各メッシュに特性を入れて詳細に解析を行うことが好ましい。
また、欠陥の発生部位3を算出するための判定条件および閾値については、材料特性が異なる材料毎に個別に設定するのが望ましい。
次に、本発明の実施例に係るテーラードブランク材における接合線設定方法を用いてテーラードブランク材を形成した場合と、比較例に係る経験と成形製品の特性に基づいた技術者の勘とにより溶接線を設定する方法(以下、従来方法という)を用いてテーラードブランク材を形成した場合とを比較してその効果を説明する。
図7(a)は本実施例で使用した各ブランク材の特性を示す図である。図7(b)から図7(e)は本発明の実施例に係るテーラードブランク材における接合線設定方法を用いてテーラードブランク材を形成した場合と、比較例に係る成形製品の特性に基づいた技術者の勘により溶接線を設定する方法を用いてテーラードブランク材を形成した場合とのプレス成形解析の結果を示す図である。
以下に説明する実施例では、図7(a)に特性を示した鋼板を用いて検討を行った。すなわち、0.7mm厚の冷延鋼板(記号1)をブランク材2a、1.4mm厚の冷延鋼板(記号2)をブランク材2bとして溶接線Lの設定を行った。
また、プレス成形解析は、ドローのみで欠陥の発生部位3の算出を判定した(トリムから、リストライク成形までは実施せず)。また、プレス成形時のブランクホルダーの圧力は690kNに設定し、シングルアクションでプレス成形を実施した。さらに、特別な方法は使用せず、丸ビードによる流入調整を行った。
また、テーラードブランク材1は、シート形状を1000×1050mmに設定し、ドアインナーを模して形成した。
なお、欠陥の発生部位3の算出の判定は、板厚減少率、相当応力、塑性歪及びFLD(成形限界線図)における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量を基準として行った。ここで、破断限界は、Hillの理論より引張試験によって得られたn値を用いて求め、さらにその値に10%のマージンをのせて得られた値とした(以下、全ての実施例において同様)。
まず、本発明の第一実施例を図面を参照して説明する。
本発明の第一実施例に係るテーラードブランク材における接合線設定方法(以下、第一実施例に係る方法という)では、上記本発明の第一実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置10により溶接線Lを設定した。
この場合、欠陥の発生部位3の算出の判定では、塑性歪が0.5以上、相当応力が0.35GPa以上、板厚減少率が0.35以上の場合に欠陥の発生部位3の算出を判定する構成とした。
図7(b)に示すように、従来方法(記号B2)では、一部の箇所において欠陥が発生しているのに対して、第一実施例に係る方法(記号B1)では全ての欠陥の発生を防ぐことが可能となっている。
ただし、従来方法の解析を実施したトータルの時間と第一実施例に係る方法の解析を実施したトータルの時間とを比較すると、非常に大きな開きがあり、従来方法では33時間で済んでいるのに対して、第一実施例に係る方法では231時間必要となっている。
次に、本発明の第二実施例を図面を参照して説明する。
本発明の第二実施例に係るテーラードブランク材における接合線設定方法(以下、第二実施例に係る方法という)では、上記本発明の第二実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置20により溶接線Lを設定した。
この場合、欠陥の発生部位3の算出の判定では、塑性歪が0.5以上、相当応力が0.35GPa以上、板厚減少率が0.35以上の場合に欠陥の発生部位3の算出を判定する構成とした。
図7(c)に示すように、従来方法(記号B2)では、一部の箇所において欠陥が発生しているのに対して、第二実施例に係る方法(記号C1)では全ての欠陥の発生を防ぐことが可能となっている。
また、第二実施例に係る方法によれば、第一実施例に係る方法と比較して解析時間を大きく短縮することが可能となり、従来方法の解析時間と大差なく溶接線Lの設定を行うことが可能となっている。
次に、本発明の第三実施例を図面を参照して説明する。
本発明の第三実施例に係るテーラードブランク材における接合線設定方法(以下、第三実施例に係る方法という)では、上記本発明の第三実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置により溶接線Lを設定した。
この場合、欠陥の発生部位3の算出の判定では、塑性歪が0.5以上、相当応力が0.35GPa以上、板厚減少率が0.35以上の場合に欠陥の発生部位3の算出を判定する構成とした。
図7(d)に示すように、従来方法(記号B2)では、一部の箇所において欠陥が発生しているのに対して、第二実施例に係る方法(記号D1)では全ての欠陥の発生を防ぐことが可能となっている。
また、第三実施例に係る方法によれば、第一実施例に係る方法と比較して解析時間を大きく短縮することが可能となっている。
次に、本発明の第四実施例を図面を参照して説明する。
本発明の第四実施例に係るテーラードブランク材における接合線設定方法(以下、第四実施例に係る方法という)では、上記本発明の第四実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置により溶接線Lを設定した。
この場合、欠陥の発生部位3の算出の判定では、塑性歪が0.5以上、相当応力が0.35GPa以上、板厚減少率が0.35以上の場合に欠陥の発生部位3の算出を判定する構成とした。
図7(e)に示すように、従来方法(記号B2)では、一部の箇所において欠陥が発生しているのに対して、第二実施例に係る方法(記号E1)では全ての欠陥の発生を防ぐことが可能となっている。
また、第四実施例に係る方法によれば、第二実施例に係る方法と比較して解析時間を大きく短縮することが可能となっている。
本発明の第一実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置の概略構成図である。 テーラードブランク材における接合線設定装置における処理を説明する図である。 テーラードブランク材における接合線設定装置における処理を説明する図である。 テーラードブランク材における接合線設定装置における処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の第二実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置の概略構成図である。 テーラードブランク材における接合線設定装置における処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明の実施例に係るテーラードブランク材における接合線設定方法を用いてテーラードブランク材を形成した場合と、比較例に係る経験と成形製品の特性に基づいた技術者の勘とにより溶接線を設定する方法を用いてテーラードブランク材を形成した場合とを比較する図である。
符号の説明
1 テーラードブランク材
1a 仮のテーラードブランク材
2a ブランク材
2b ブランク材
L 溶接線
L1 仮溶接線
L2 仮溶接線
3 欠陥の発生部位
10 テーラードブランク材における接合線設定装置
11 仮接合線設定ユニット
11a ブランク材選出手段
11b 第一のプレス成形解析手段
11c 仮接合線設定手段
12 第一の接合線設定ユニット
12a 第二のプレス成形解析手段
12b 第一の接合線設定手段
15 判定部
16 接合線設定部
17 仮接合線設定部
20 テーラードブランク材における接合線設定装置
13 第二の接合線設定ユニット
13a 第三のプレス成形解析手段
13b 第二の接合線設定手段
21 第二の判定部
22 第二の接合線設定部
23 第二の仮接合線設定部

Claims (25)

  1. 板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材を形成するにあたって、
    接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定することを特徴とするテーラードブランク材における接合線設定方法。
  2. 板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材を形成するにあたって、
    接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて仮接合線を設定する第一の工程と、
    前記第一の工程で設定された仮接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する第二の工程とを有することを特徴とするテーラードブランク材における接合線設定方法。
  3. 前記第二の工程は、設定された前記接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定と前記プレス成形解析とを繰り返すことを特徴とする請求項2記載のテーラードブランク材における接合線設定方法。
  4. 前記第二の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
    前記第二の工程における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする請求項2又は3記載のテーラードブランク材における接合線設定方法。
  5. 前記第二の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか1項記載のテーラードブランク材における接合線設定方法。
  6. 前記第二の工程で設定された接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定と前記プレス成形解析とを繰り返す第三の工程を有し、
    前記第二の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出がワンステップ法又はインクリメンタル法により行われ、
    前記第三の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする請求項3又は4記載のテーラードブランク材における接合線設定方法。
  7. 前記第二の工程から前記第三の工程への移行が自動により行われることを特徴とする請求項6記載のテーラードブランク材における接合線設定方法。
  8. 前記第二の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出並びに前記第三の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
    前記第二の工程における接合線の設定及び前記第三の工程における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする請求項6又は7記載のテーラードブランク材における接合線設定方法。
  9. 板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材における前記接合線を設定するテーラードブランク材における接合線設定装置であって、
    接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出するプレス成形解析手段と、
    前記プレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する接合線設定手段とを備えることを特徴とするテーラードブランク材における接合線設定装置。
  10. 板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材における前記接合線を設定するテーラードブランク材における接合線設定装置であって、
    接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出する第一のプレス成形解析手段と、
    前記第一のプレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて仮接合線を設定する仮接合線設定手段と、
    前記仮接合線設定手段により設定された仮接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出する第二のプレス成形解析手段と、
    前記第二のプレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する接合線設定手段とを備えることを特徴とするテーラードブランク材における接合線設定装置。
  11. 前記第二のプレス成形解析手段が、前記接合線設定手段により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、
    前記接合線設定手段が、前記第二のプレス成形解析手段により前記欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定を繰り返すことを特徴とする請求項10記載のテーラードブランク材における接合線設定装置。
  12. 前記第二のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
    前記接合線設定手段における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする請求項10又は11記載のテーラードブランク材における接合線設定装置。
  13. 前記第二のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする請求項10乃至12のうちいずれか1項記載のテーラードブランク材における接合線設定装置。
  14. 前記接合線設定手段により設定された接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出する第三のプレス成形解析手段と、
    前記第三のプレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する第二の接合線設定手段とを備え、
    前記第三のプレス成形解析手段が、前記第二の接合線設定手段により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、
    前記第二の接合線設定手段が、前記第二のプレス成形解析手段により前記欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定を繰り返し、
    前記第二のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出がワンステップ法又はインクリメンタル法により行われ、
    前記第三のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする請求項11又は12記載のテーラードブランク材における接合線設定装置。
  15. 前記接合線設定手段から前記第三のプレス成形解析手段へのデータの移行が自動により行われることを特徴とする請求項14記載のテーラードブランク材における接合線設定装置。
  16. 前記第二のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出並びに前記第三のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
    前記接合線設定手段における接合線の設定及び前記第二の接合線設定手段における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする請求項14又は15記載のテーラードブランク材における接合線設定装置。
  17. 板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材における前記接合線を設定するテーラードブランク材における接合線設定プログラムであって、
    コンピュータに、
    接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定するステップを実行させること特徴とするテーラードブランク材における接合線設定プログラム。
  18. 板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材における前記接合線を設定するテーラードブランク材における接合線設定プログラムであって、
    コンピュータに、
    接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて仮接合線を設定する第一のステップと、
    前記第一のステップで設定された仮接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する第二のステップとを実行させることを特徴とするテーラードブランク材における接合線設定プログラム。
  19. 前記第二のステップは、設定された前記接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定と前記プレス成形解析とを繰り返すことを特徴とする請求項18記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラム。
  20. 前記第二のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
    前記第二のステップにおける接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする請求項18又は19記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラム。
  21. 前記第二のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする請求項18乃至20のうちいずれか1項記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラム。
  22. 前記第二のステップで設定された接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定と前記プレス成形解析とを繰り返す第三ステップを有し、
    前記第二のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出がワンステップ法又はインクリメンタル法により行われ、
    前記第三のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする請求項19又は20記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラム。
  23. 前記第二のステップから前記第三のステップへの移行が自動により行われることを特徴とする請求項22記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラム。
  24. 前記第二のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出並びに前記第三のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
    前記第二のステップにおける接合線の設定及び前記第三のステップにおける接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする請求項22又は23記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラム。
  25. 請求項17乃至24のうちいずれか1項記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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