JP4858259B2 - テーラードブランク材における接合線設定方法、接合線設定装置、接合線設定プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Description
このような要求に応えるため、成形部品において高い強度を要求される部分にだけ、部分的に、板厚の厚いもの又は高強度の材質の素材を適用して成形することを目的としたテーラードブランク材が注目されている。
テーラードブランク材によれば、異なる種類の金属板(ブランク材)を接合することにより一枚の素材の中の特性を部分的に変えることができ、部品点数の削減及び軽量化を図ることが可能となる。
そして、テーラードブランク材における割れ等の欠陥の発生を低減又は管理する方法として、従来から多くの技術が開発されている。
さらに、テーラードブランク材の接合部の材料特性は、素材となったブランク材の材料特性と比較して低下するため、テーラードブランク材のプレス成形時に接合部で欠陥が発生し易くなる。かかる状況に鑑み、テーラードブランク材をプレス成形する際におけるテーラードブランク材の接合部での欠陥の発生を低減する方法として、残留オーステナイト分率が2体積%未満で強度が650MPa以上である高強度鋼板と、残留オーステナイトが2%以上の変態誘起塑性型鋼板との異種材料を接合してテーラードブランク材を形成する方法が開示されている(特許文献5参照)。
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定することを特徴とする。
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて仮接合線を設定する第一の工程と、
前記第一の工程で設定された仮接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する第二の工程とを有することを特徴とする。
前記第二の工程における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする。
前記第二の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出がワンステップ法又はインクリメンタル法により行われ、
前記第三の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする。
前記第二の工程における接合線の設定及び前記第三の工程における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする。
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出するプレス成形解析手段と、
前記プレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する接合線設定手段とを備えることを特徴とする。
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出する第一のプレス成形解析手段と、
前記第一のプレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて仮接合線を設定する仮接合線設定手段と、
前記仮接合線設定手段により設定された仮接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出する第二のプレス成形解析手段と、
前記第二のプレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する接合線設定手段とを備えることを特徴とする。
前記接合線設定手段が、前記第二のプレス成形解析手段により前記欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定を繰り返すことを特徴とする。
前記接合線設定手段における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする。
前記第三のプレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する第二の接合線設定手段とを備え、
前記第三のプレス成形解析手段が、前記第二の接合線設定手段により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、
前記第二の接合線設定手段が、前記第二のプレス成形解析手段により前記欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定を繰り返し、
前記第二のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出がワンステップ法又はインクリメンタル法により行われ、
前記第三のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする。
前記接合線設定手段における接合線の設定及び前記第二の接合線設定手段における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする。
コンピュータに、
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定するステップを実行させること特徴とする。
コンピュータに、
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて仮接合線を設定する第一のステップと、
前記第一のステップで設定された仮接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する第二のステップとを実行させることを特徴とする。
前記第二のステップにおける接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする。
前記第二のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出がワンステップ法又はインクリメンタル法により行われ、
前記第三のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項23記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムは、請求項22記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムにおいて、前記第二のステップから前記第三のステップへの移行が自動により行われることを特徴とする。
前記第二のステップにおける接合線の設定及び前記第三のステップにおける接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする。
また、本発明のうち請求項25記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、請求項17乃至24のうちいずれか1項記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムを記録したことを特徴とする。
ここで、ブランク材の接合方法としては、種々の接合方法を用いることが可能であるが、テーラードブランク材の成形性等の観点から、一般的に溶接が用いられる。また、溶接方法としては、レーザ溶接、マッシュシーム溶接、プラズマ溶接等を用いることが可能であるが、以下においては、ブランク材の接合方法としてレーザ溶接を用いた場合を例にして説明する。
ブランク材としては、一般的な冷延鋼板、熱延鋼板に限定されず、亜鉛などのめっき鋼板、ステンレス鋼板、さらには、アルミニウム板、アルミニウム合金板、マグネシウム板等の非鉄金属も含む板が用いられる。
ここで、テーラードブランク材についてプレス成形実験を行った結果、テーラードブランク材の溶接線付近で欠陥が発生し易いことが確認された。この場合において、欠陥とは、割れ、ネッキング、シワ等をいうが、本実施形態においては主として割れをいう。そして、かかる欠陥が検出されたテーラードブランク材について解析を行った結果、テーラードブランク材の溶接線付近で発生する欠陥は、テーラードブランク材において強度の弱いブランク材が強度の強いブランク材に引っ張られることにより発生することがわかった。
次に、テーラードブランク材の形成の際に、レーザ溶接時のビート条件を変更してみたが、ビート張力を弱くするとテーラードブランク材にシワが発生し、テーラードブランク材のプレス成形時に所望の形状に成形することができなかった。
すなわち、まず、予め設定された仮溶接線により形成されたテーラードブランク材について有限要素法によるプレス成形解析を行い、仮溶接線付近に発生する欠陥を算出する。そして、仮溶接線付近に欠陥が算出された場合、かかる欠陥が算出されない位置に仮溶接線を再設定する。そして、再設定された仮溶接線により形成されたテーラードブランク材について有限要素法によるプレス成形解析を行い、仮溶接線付近に発生する欠陥を算出する。さらに、再設定された仮溶接線付近に欠陥が算出された場合には、かかる欠陥が算出されない位置に仮溶接線を再設定し、かかる仮溶接線により形成されたテーラードブランク材について有限要素法によるプレス成形解析を行う。そして、仮溶接線の設定及びプレス成形解析を繰り返し、最終的に仮溶接線付近に欠陥が算出されない仮溶接線を見出し、これを溶接線に設定する。
かかる方法によれば、テーラードブランク材のプレス成形時における欠陥の発生を低減することが可能となる。
図1は本発明の第一実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置の概略構成図である。図2はテーラードブランク材における接合線設定装置における処理を説明する図である。図3はテーラードブランク材における接合線設定装置における処理を説明する図である。図4はテーラードブランク材における接合線設定装置における処理の流れを説明するフローチャートである。
なお、テーラードブランク材における接合線設定装置10は、ハードウェア構成で実現可能であり、又はハードウェア構成とソフトウェア構成の組合せとしても実現可能となっている。後者の場合、ソフトウェア構成は、予めコンピュータ読み取り可能な記憶媒体又はネットワークから得られたプログラムがコンピュータにインストールされることにより、テーラードブランク材における接合線設定装置10としての各機能が実現される。
また、テーラードブランク材における接合線設定装置10におけるプレス成形解析は、解析対象となるブランク材又はテーラードブランク材を有限要素法解析用にモデル化して行う。
ブランク材選出手段11aは、テーラードブランク材1を形成する複数のブランク材2a,2bのうち、最も欠陥の発生し易いブランク材2aを選出する。ブランク材選出手段11aによるブランク材2aの選出は、各ブランク材2a,2bの引張強さと板厚との積の値が最も小さいものを選出する方法等が用いられる。
第二のプレス成形解析手段12aは、仮接合線設定手段11cにより形成された仮のテーラードブランク材1aを成形製品の形状にプレス成形した場合についての有限要素法によるプレス成形解析を行い、プレス成形された仮のテーラードブランク材1aにおける欠陥の発生部位3を算出する。また、第二のプレス成形解析手段12aは、後述する仮接合線設定部17により形成された仮のテーラードブランク材1aを成形製品の形状にプレス成形した場合についての有限要素法によるプレス成形解析を行い、プレス成形された仮のテーラードブランク材1aにおける欠陥の発生部位3を算出する。第二のプレス成形解析手段12aによるプレス成形解析及び欠陥の発生部位3の算出は、第一のプレス成形解析手段11bと同様の方法により行われる。
判定部15は、第二のプレス成形解析手段12aにより算出された欠陥の発生部位3に基づき、仮のテーラードブランク材1aの仮溶接線L1付近における欠陥の発生部位3の算出を判定する。判定部15による仮のテーラードブランク材1aの仮溶接線L1付近における欠陥の発生部位3の算出の判定は、仮溶接線L1から所定の範囲内にあるメッシュに欠陥の発生部位3が算出されたか否かにより行われる。ここで、仮溶接線L1から所定の範囲内とは、仮のテーラードブランク材1aの板厚の10から20倍の距離の範囲内をいう。
テーラードブランク材における接合線設定装置10により溶接線Lを設定する際には、図1から図4に示すように、まず、ブランク材選出手段11aが、テーラードブランク材1を形成する複数のブランク材2a,2bのうち、最も欠陥の発生し易いブランク材2aを選出する(ステップS101)。
そして、仮接合線設定手段11cが、プレス成形されたブランク材2aにおいて、第一のプレス成形解析手段11bにより算出された欠陥の発生部位3を避ける位置に仮溶接線L1を設定する(ステップS103)。
ここで、簡易に溶接線Lを設定したい場合には、仮接合線設定手段11cが設定した仮溶接線L1をテーラードブランク材1における溶接線Lに設定する構成としても構わない。
そして、判定部15が、第二のプレス成形解析手段12aにより算出された欠陥の発生部位3に基づき、仮のテーラードブランク材1aの仮溶接線L1付近における欠陥の発生部位3の算出を判定する(ステップS106)。
この場合、図3(b)に示すように、仮接合線設定部17が、プレス成形された仮のテーラードブランク材1aを展開した状態の仮溶接線L1を用いてブランク材2aと別のブランク材2bとを接合し、仮のテーラードブランク材1aを再形成する(ステップS108)。
そして、ステップS106で判定部15により仮溶接線L1付近における欠陥の発生部位3が算出されないと判定されるまでステップS105からステップS108を繰り返す。
このように、テーラードブランク材における接合線設定装置10によれば、予めテーラードブランク材1aにおける欠陥の発生部位3を算出し、算出された欠陥の発生部位3を避けるようにテーラードブランク材1における溶接線Lの位置を設定することで、テーラードブランク材1のプレス成形時に溶接線L付近における欠陥の発生を低減することが可能な溶接線Lを設定することができる。
また、設定される仮溶接線L1及び溶接線Lはテーラードブランク材の加工性より直線であることが好ましいが、直線に限定されるものではなく、多直線で構成される接合線、曲線を含む接合線、打ち抜き又はこれらを組み合わせて構成される接合線であっても構わない。
テーラードブランク材における接合線設定装置20の基本構成は、テーラードブランク材における接合線設定装置10と同様であるため、同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
また、テーラードブランク材における接合線設定装置20では、接合線設定部16により設定された溶接線Lを仮溶接線L2、接合線設定部16により形成されたテーラードブランク材1を仮のテーラードブランク材1bとして第二の接合線設定ユニット13における処理を継続する。
第三のプレス成形解析手段13aは、接合線設定部16により形成された仮のテーラードブランク材1bを成形製品の形状にプレス成形した場合についての有限要素法によるプレス成形解析を行い、プレス成形されたテーラードブランク材1bにおける欠陥の発生部位3を算出する。第三のプレス成形解析手段13aによるプレス成形解析及び欠陥の発生部位3の算出は、第一のプレス成形解析手段11bと同様の方法により行われる。
第二の判定部21は、第三のプレス成形解析手段13aにより算出された欠陥の発生部位3に基づき、仮のテーラードブランク材1bの仮溶接線L2付近における欠陥の発生部位3の算出を判定する。第二の判定部21による仮のテーラードブランク材1bの仮溶接線L2付近における欠陥の発生部位3の算出の判定は、判定部15と同様の方法により行われる。
テーラードブランク材における接合線設定装置20により溶接線Lを設定する際には、図6に示すように、まず、図4に示すテーラードブランク材における接合線設定装置10と同様の手順により、溶接線Lを設定するとともにテーラードブランク材1を形成する。この場合、第一のプレス成形解析手段11b及び第二のプレス成形解析手段12aにおけるプレス成形解析による欠陥の発生部位3の算出は簡易な計算方法を用いて行われる。そして、テーラードブランク材における接合線設定装置20では、接合線設定部16により設定された溶接線Lを仮溶接線L2、接合線設定部16により形成されたテーラードブランク材1を仮のテーラードブランク材1bとする(ステップS201)。
そして、第二の判定部21により仮溶接線L2付近における欠陥の発生部位3が算出されないと判定された場合には、第二の接合線設定部22が、仮溶接線L2をテーラードブランク材1における溶接線Lに設定する(ステップS206)。また、第二の接合線設定部22は、溶接線Lを用いてブランク材2aと別のブランク材2bとを接合し、テーラードブランク材1を形成する。
この場合、第二の仮接合線設定部23が、プレス成形された仮のテーラードブランク材1bを展開した状態の仮溶接線L2を用いてブランク材2aと別のブランク材2bとを接合し、仮のテーラードブランク材1bを再形成する(ステップS205)。
そして、ステップS203で第二の判定部21により仮溶接線L2付近における欠陥の発生部位3が算出されないと判定されるまでステップS202からステップS205を繰り返す。
このように、テーラードブランク材における接合線設定装置20によれば、簡易な計算方法を用いて仮溶接線L1付近における欠陥の発生部位3が算出されない仮のテーラードブランク材1aを形成し、最後に詳細な計算方法を用いて溶接線Lを設定する構成により、溶接線Lの設定に必要となる時間を短縮することが可能となる。
また、設定される仮溶接線L1,L2及び溶接線Lはテーラードブランク材の加工性より直線であることが好ましいが、直線に限定されるものではなく、多直線で構成される接合線、曲線を含む接合線、打ち抜き又はこれらを組み合わせて構成される接合線であっても構わない。
ここで、簡易な計算方法を用いた仮溶接線L1の設定(ステップS201)から第三のプレス成形解析手段13aによるプレス成形解析(ステップS202)への処理の移行を自動的に行う構成とすれば、溶接線Lの設定に必要となる時間をさらに短縮することが可能となる。
本発明の第三実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置は、図1に示すテーラードブランク材における接合線設定装置10と同一の構成となっている。そして、本発明の第三実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置は、図4に示すテーラードブランク材における接合線設定装置10と同一の手順により溶接線Lが設定される。
すなわち、第二のプレス成形解析手段12aがプレス成形解析による欠陥の発生部位3を算出する際に、仮溶接線L1付近の各メッシュに欠陥判定基準値を設定する。そして、第二のプレス成形解析手段12aがプレス成形解析を行った結果、各メッシュについて欠陥判定基準値を超える場合に、判定部15が自動的に欠陥の発生部位3の算出を判定する。この場合、欠陥判定基準値は、板厚減少率、相当応力、塑性歪及びFLDにおける最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準にして、所定の閾値として設定される。
すなわち、仮接合線設定部17は、判定部15により仮溶接線L1付近のメッシュに欠陥の発生部位3の算出が判定された場合には、予め設定された所定の値だけ溶接線を自動的に移動して仮溶接線L1を再設定する。ここで、所定の値とは、板厚減少率、相当応力、塑性歪及びFLDの最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量等において、所定の範囲の外にあるメッシュとの差分を取り、その値を所定の値で規格化して、さらに0.5から1.5を掛け合わせた値をいう。
本発明の第三実施形態に係るテーラードブランク材における溶接線設定装置によれば、溶接線Lが設定されるまで仮溶接線L1の再設定を自動的に繰り返す構成により、溶接線Lの設定を簡便に行うことが可能となる。
本発明の第四実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置は、図5に示すテーラードブランク材における接合線設定装置20と同一の構成となっている。そして、本発明の第四実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置は、図6に示すテーラードブランク材における接合線設定装置20と同一の手順により溶接線Lが設定される。
ここで、本発明の第四実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置では、第一の接合線設定手段12bの判定部15及び第二の接合線設定手段13bの第二の判定部21におけるプレス成形解析による欠陥の発生部位3の算出の判定が自動で行われる構成となっている。
すなわち、仮接合線設定部17,23は、判定部15,21により仮溶接線L1,L2付近のメッシュに欠陥の発生部位3の算出が判定された場合には、予め設定された所定の値だけ溶接線を自動的に移動して仮溶接線L1,L2を再設定する。ここで、所定の値とは、板厚減少率、相当応力、塑性歪及びFLDの最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量等において、所定の範囲の外にあるメッシュとの差分を取り、その値を所定の値で規格化して、さらに0.5から1.5を掛け合わせた値をいう。
本発明の第四実施形態に係るテーラードブランク材における溶接線設定装置によれば、仮溶接線L2又は溶接線Lが設定されるまで仮溶接線L1,L2の再設定を自動的に繰り返す構成により、溶接線Lの設定を簡便に行うことが可能となる。
例えば、本発明の実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置10,20では主としてワレ欠陥の低減を目的としているが、判定条件を変更することにより、溶接線付近のシワ及び微小な面ひずみ等の低減にも応用することが可能である。そして、複数の欠陥に対応した複数の判定条件を設定することにより、欠陥を発生させることのない完全な溶接線を求めることも可能である。
また、本発明の実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置10,20ではレーザ溶接による溶接線を設定する場合を例にして説明しているが、溶接以外の他の接合方法による接合線の設定に適用することも可能である。
また、欠陥の発生部位3を算出するための判定条件および閾値については、材料特性が異なる材料毎に個別に設定するのが望ましい。
図7(a)は本実施例で使用した各ブランク材の特性を示す図である。図7(b)から図7(e)は本発明の実施例に係るテーラードブランク材における接合線設定方法を用いてテーラードブランク材を形成した場合と、比較例に係る成形製品の特性に基づいた技術者の勘により溶接線を設定する方法を用いてテーラードブランク材を形成した場合とのプレス成形解析の結果を示す図である。
また、プレス成形解析は、ドローのみで欠陥の発生部位3の算出を判定した(トリムから、リストライク成形までは実施せず)。また、プレス成形時のブランクホルダーの圧力は690kNに設定し、シングルアクションでプレス成形を実施した。さらに、特別な方法は使用せず、丸ビードによる流入調整を行った。
なお、欠陥の発生部位3の算出の判定は、板厚減少率、相当応力、塑性歪及びFLD(成形限界線図)における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量を基準として行った。ここで、破断限界は、Hillの理論より引張試験によって得られたn値を用いて求め、さらにその値に10%のマージンをのせて得られた値とした(以下、全ての実施例において同様)。
本発明の第一実施例に係るテーラードブランク材における接合線設定方法(以下、第一実施例に係る方法という)では、上記本発明の第一実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置10により溶接線Lを設定した。
この場合、欠陥の発生部位3の算出の判定では、塑性歪が0.5以上、相当応力が0.35GPa以上、板厚減少率が0.35以上の場合に欠陥の発生部位3の算出を判定する構成とした。
ただし、従来方法の解析を実施したトータルの時間と第一実施例に係る方法の解析を実施したトータルの時間とを比較すると、非常に大きな開きがあり、従来方法では33時間で済んでいるのに対して、第一実施例に係る方法では231時間必要となっている。
本発明の第二実施例に係るテーラードブランク材における接合線設定方法(以下、第二実施例に係る方法という)では、上記本発明の第二実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置20により溶接線Lを設定した。
この場合、欠陥の発生部位3の算出の判定では、塑性歪が0.5以上、相当応力が0.35GPa以上、板厚減少率が0.35以上の場合に欠陥の発生部位3の算出を判定する構成とした。
また、第二実施例に係る方法によれば、第一実施例に係る方法と比較して解析時間を大きく短縮することが可能となり、従来方法の解析時間と大差なく溶接線Lの設定を行うことが可能となっている。
本発明の第三実施例に係るテーラードブランク材における接合線設定方法(以下、第三実施例に係る方法という)では、上記本発明の第三実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置により溶接線Lを設定した。
この場合、欠陥の発生部位3の算出の判定では、塑性歪が0.5以上、相当応力が0.35GPa以上、板厚減少率が0.35以上の場合に欠陥の発生部位3の算出を判定する構成とした。
また、第三実施例に係る方法によれば、第一実施例に係る方法と比較して解析時間を大きく短縮することが可能となっている。
本発明の第四実施例に係るテーラードブランク材における接合線設定方法(以下、第四実施例に係る方法という)では、上記本発明の第四実施形態に係るテーラードブランク材における接合線設定装置により溶接線Lを設定した。
この場合、欠陥の発生部位3の算出の判定では、塑性歪が0.5以上、相当応力が0.35GPa以上、板厚減少率が0.35以上の場合に欠陥の発生部位3の算出を判定する構成とした。
図7(e)に示すように、従来方法(記号B2)では、一部の箇所において欠陥が発生しているのに対して、第二実施例に係る方法(記号E1)では全ての欠陥の発生を防ぐことが可能となっている。
また、第四実施例に係る方法によれば、第二実施例に係る方法と比較して解析時間を大きく短縮することが可能となっている。
1a 仮のテーラードブランク材
2a ブランク材
2b ブランク材
L 溶接線
L1 仮溶接線
L2 仮溶接線
3 欠陥の発生部位
10 テーラードブランク材における接合線設定装置
11 仮接合線設定ユニット
11a ブランク材選出手段
11b 第一のプレス成形解析手段
11c 仮接合線設定手段
12 第一の接合線設定ユニット
12a 第二のプレス成形解析手段
12b 第一の接合線設定手段
15 判定部
16 接合線設定部
17 仮接合線設定部
20 テーラードブランク材における接合線設定装置
13 第二の接合線設定ユニット
13a 第三のプレス成形解析手段
13b 第二の接合線設定手段
21 第二の判定部
22 第二の接合線設定部
23 第二の仮接合線設定部
Claims (25)
- 板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材を形成するにあたって、
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定することを特徴とするテーラードブランク材における接合線設定方法。 - 板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材を形成するにあたって、
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて仮接合線を設定する第一の工程と、
前記第一の工程で設定された仮接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する第二の工程とを有することを特徴とするテーラードブランク材における接合線設定方法。 - 前記第二の工程は、設定された前記接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定と前記プレス成形解析とを繰り返すことを特徴とする請求項2記載のテーラードブランク材における接合線設定方法。
- 前記第二の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
前記第二の工程における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする請求項2又は3記載のテーラードブランク材における接合線設定方法。 - 前記第二の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする請求項2乃至4のうちいずれか1項記載のテーラードブランク材における接合線設定方法。
- 前記第二の工程で設定された接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定と前記プレス成形解析とを繰り返す第三の工程を有し、
前記第二の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出がワンステップ法又はインクリメンタル法により行われ、
前記第三の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする請求項3又は4記載のテーラードブランク材における接合線設定方法。 - 前記第二の工程から前記第三の工程への移行が自動により行われることを特徴とする請求項6記載のテーラードブランク材における接合線設定方法。
- 前記第二の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出並びに前記第三の工程におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
前記第二の工程における接合線の設定及び前記第三の工程における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする請求項6又は7記載のテーラードブランク材における接合線設定方法。 - 板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材における前記接合線を設定するテーラードブランク材における接合線設定装置であって、
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出するプレス成形解析手段と、
前記プレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する接合線設定手段とを備えることを特徴とするテーラードブランク材における接合線設定装置。 - 板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材における前記接合線を設定するテーラードブランク材における接合線設定装置であって、
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出する第一のプレス成形解析手段と、
前記第一のプレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて仮接合線を設定する仮接合線設定手段と、
前記仮接合線設定手段により設定された仮接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出する第二のプレス成形解析手段と、
前記第二のプレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する接合線設定手段とを備えることを特徴とするテーラードブランク材における接合線設定装置。 - 前記第二のプレス成形解析手段が、前記接合線設定手段により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、
前記接合線設定手段が、前記第二のプレス成形解析手段により前記欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定を繰り返すことを特徴とする請求項10記載のテーラードブランク材における接合線設定装置。 - 前記第二のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
前記接合線設定手段における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする請求項10又は11記載のテーラードブランク材における接合線設定装置。 - 前記第二のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする請求項10乃至12のうちいずれか1項記載のテーラードブランク材における接合線設定装置。
- 前記接合線設定手段により設定された接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出する第三のプレス成形解析手段と、
前記第三のプレス成形解析手段により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する第二の接合線設定手段とを備え、
前記第三のプレス成形解析手段が、前記第二の接合線設定手段により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、
前記第二の接合線設定手段が、前記第二のプレス成形解析手段により前記欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定を繰り返し、
前記第二のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出がワンステップ法又はインクリメンタル法により行われ、
前記第三のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする請求項11又は12記載のテーラードブランク材における接合線設定装置。 - 前記接合線設定手段から前記第三のプレス成形解析手段へのデータの移行が自動により行われることを特徴とする請求項14記載のテーラードブランク材における接合線設定装置。
- 前記第二のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出並びに前記第三のプレス成形解析手段におけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
前記接合線設定手段における接合線の設定及び前記第二の接合線設定手段における接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする請求項14又は15記載のテーラードブランク材における接合線設定装置。 - 板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材における前記接合線を設定するテーラードブランク材における接合線設定プログラムであって、
コンピュータに、
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定するステップを実行させること特徴とするテーラードブランク材における接合線設定プログラム。 - 板厚及び材質のうち少なくとも一方が異なる複数のブランク材を所定の接合線で接合して形成され、プレス成形により所望の形状に成形されるテーラードブランク材における前記接合線を設定するテーラードブランク材における接合線設定プログラムであって、
コンピュータに、
接合される前記ブランク材にてプレス成形解析を行う際に、接合される前記ブランク材のうち最も欠陥の発生し易いブランク材の諸特性を用いて前記所望の形状をプレス成形した場合の欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を算出し、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて仮接合線を設定する第一のステップと、
前記第一のステップで設定された仮接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により算出された欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位を避けて前記接合線を設定する第二のステップとを実行させることを特徴とするテーラードブランク材における接合線設定プログラム。 - 前記第二のステップは、設定された前記接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定と前記プレス成形解析とを繰り返すことを特徴とする請求項18記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラム。
- 前記第二のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
前記第二のステップにおける接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする請求項18又は19記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラム。 - 前記第二のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする請求項18乃至20のうちいずれか1項記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラム。
- 前記第二のステップで設定された接合線により形成されたテーラードブランク材を用いて前記所望の形状のプレス成形解析を行い、該プレス成形解析により欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位が算出されなくなるまで前記接合線の設定と前記プレス成形解析とを繰り返す第三ステップを有し、
前記第二のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出がワンステップ法又はインクリメンタル法により行われ、
前記第三のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が陽解法により行われることを特徴とする請求項19又は20記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラム。 - 前記第二のステップから前記第三のステップへの移行が自動により行われることを特徴とする請求項22記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラム。
- 前記第二のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出並びに前記第三のステップにおけるプレス成形解析による欠陥発生危険部位及び欠陥発生部位の算出が、板厚減少率、相当応力、塑性歪及び成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量のうち1つ以上を基準として行われ、
前記第二のステップにおける接合線の設定及び前記第三のステップにおける接合線の設定が、板厚減少率、相当応力若しくは塑性歪が最小又は成形限界図における最大主歪み方向における破断限界までのひずみ余裕量が最大となるメッシュ要素の代表点又は境界を結んで行われることを特徴とする請求項22又は23記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラム。 - 請求項17乃至24のうちいずれか1項記載のテーラードブランク材における接合線設定プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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