JP4854871B2 - 半導体基板及び電界効果型トランジスタ並びにこれらの製造方法 - Google Patents

半導体基板及び電界効果型トランジスタ並びにこれらの製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速MOSFET等に用いられる半導体基板及び電界効果型トランジスタ並びにこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、Si(シリコン)基板上にSiGe(シリコン・ゲルマニウム)層を介してエピタキシャル成長した歪みSi層をチャネル領域に用いた高速のMOSFET、MODFET、HEMTが提案されている。この歪みSi−FETでは、Siに比べて格子定数の大きいSiGeによりSi層に引っ張り歪みが生じ、そのためSiのバンド構造が変化して縮退が解けてキャリア移動度が高まる。したがって、この歪みSi層をチャネル領域として用いることにより通常の1.3〜8倍程度の高速化が可能になるものである。また、プロセスとしてCZ法による通常のSi基板を基板として使用でき、従来のCMOS工程で高速CMOSを実現可能にするものである。
【0003】
しかしながら、FETのチャネル領域として要望される上記歪みSi層をエピタキシャル成長するには、Si基板上に良質なSiGe層をエピタキシャル成長する必要があるが、SiとSiGeとの格子定数の違いから、転位等により結晶性に問題があった。このために、従来、以下のような種々の提案が行われていた。
【0004】
例えば、SiGeのGe組成比を一定の緩い傾斜で変化させたバッファ層を用いる方法、Ge(ゲルマニウム)組成比をステップ状(階段状)に変化させたバッファ層を用いる方法、Ge組成比を超格子状に変化させたバッファ層を用いる方法及びSiのオフカットウェーハを用いてGe組成比を一定の傾斜で変化させたバッファ層を用いる方法等が提案されている(U.S.Patent 5,442,205、U.S.Patent 5,221,413、PCT WO98/00857、特開平6-252046号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では、以下のような課題が残されている。
すなわち、上記従来の技術では、SiGe層を形成したウェーハの表面ラフネスが大きいと共に、表面の貫通転位密度がまだ高く、トランジスタの動作不良を防ぐために貫通転位の低減がさらに要望されている。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、貫通転位密度が低く、表面ラフネスが小さなSiGe層を有する半導体基板、さらに歪みSi層を備えた半導体基板及び電界効果型トランジスタ並びにこれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の半導体基板の製造方法は、Si基板上にSiGe層をエピタキシャル成長させた半導体基板の製造方法であって、
前記SiGe層の成長前に、半導体素子が形成されるデバイス領域に隣接させて前記デバイス領域を有する半導体チップをチップサイズに切断分離するための切り代部分に対応して十字状パターンを複数縦横に配列した略格子状に前記Si基板表面近傍に水素イオンあるいはヘリウムイオンを注入して、前記SiGe層の成膜中に気泡や亀裂あるいは格子欠陥が形成されることで、前記Si基板と前記SiGe層の歪みを緩和する犠牲層となる注入領域を形成するとともに、
前記十字状パターンの配列方向を、前記Si基板表面の結晶方位<110>方向に対して斜めとすることを特徴とする。
本発明の半導体基板は、Si基板と、該Si基板上のSiGe層とを備え、前記Si基板表面近傍に、水素イオンあるいはヘリウムイオンが注入された注入領域を有することができる。また、本発明の半導体基板の製造方法は、Si基板上にSiGe層をエピタキシャル成長させた半導体基板の製造方法であって、前記SiGe層の成長前に、前記Si基板表面近傍に水素イオンあるいはヘリウムイオンを注入して注入領域を形成することができる。また、本発明の半導体基板は、Si基板上にSiGe層が形成された半導体基板であって、上記本発明の半導体基板の製造方法により作製されたことができる。
【0008】
これらの半導体基板及び半導体基板の製造方法では、Si基板表面近傍に水素イオンあるいはヘリウムイオンを注入した注入領域が形成されるので、注入領域に気泡や亀裂あるいは格子欠陥が形成され、該注入領域は、Si基板とSiGe層の歪みを緩和する犠牲層として有効に働く。また、水素あるいはヘリウム原子近傍の局所的な歪み、格子欠陥及び気泡等により転位が誘発、捕捉あるいは終端され、格子緩和が促進されるため、SiGe層表面の貫通転位を低減することができると共に、いわゆるクロスハッチ等に起因した表面ラフネスも減少する。特に、水素イオンあるいはヘリウムイオンの注入により注入領域に気泡が生じるため、単に他の不純物を注入した場合よりも転位の低減効果が高い。
【0009】
本発明の半導体基板は、前記注入領域がパターン状に形成されている技術を採用してもよい。
また、本発明の半導体基板の製造方法は、前記注入領域をパターン状に形成する技術を採用してもよい。
【0010】
これらの半導体基板及び半導体基板の製造方法では、注入領域をパターン状に形成した場合も膜全体の犠牲層として有効に働くため、水素あるいはヘリウムが注入されていない領域においても、SiGe層の最表面に現れて貫通転位となる転位の数が減少する。また、水素あるいはヘリウムが注入されていない領域で発生した転位は、注入領域に運動し、そこで捕捉あるいは消滅する効果もあるため、さらに、SiGe層の最表面に現れて貫通転位となる転位の数が減少する。
【0011】
本発明の半導体基板は、前記注入領域が、半導体素子が形成されるデバイス領域に隣接していることが好ましい。
また、本発明の半導体基板の製造方法は、前記注入領域を、半導体素子が形成されるデバイス領域に隣接させて形成することが好ましい。
【0012】
これらの半導体基板及び半導体基板の製造方法では、半導体素子が形成されるデバイス領域に隣接した位置に注入領域が配されるので、注入領域側での緩和を促進させることができ、さらに、デバイス領域のSiGe層内で発生した転位を効率的に注入領域で捕捉、終端、あるいは消滅させることができる。
【0013】
本発明の半導体基板では、前記注入領域が、前記デバイス領域を有する半導体チップをチップサイズに切断分離するための切り代部分に配されていることが好ましい。
また、本発明の半導体基板の製造方法は、前記注入領域を、前記デバイス領域を有する半導体チップをチップサイズに切断分離するための切り代部分に形成することが好ましい。
【0014】
これらの半導体基板及び半導体基板の製造方法では、注入領域が、デバイス領域を有する半導体チップをチップサイズに切断分離するための切り代部分に配されるので、デバイス領域に支障無く注入領域を形成することができ、デバイス作製上、無駄が生じることがなく、また回路設計に制約を課すこともない。
【0015】
本発明の半導体基板は、前記注入領域が、前記切り代部分に対応して十字状パターンを複数縦横に配列した略格子状に形成されることが好ましい。さらに、前記十字状パターンの配列方向は、前記Si基板表面の結晶方位<110>方向に対して斜めであることが好ましい。
また、本発明の半導体基板の製造方法は、前記注入領域が、前記切り代部分に対応して十字状パターンを複数縦横に配列した略格子状に形成されることが好ましい。さらに、前記十字状パターンの配列方向を、前記Si基板表面の結晶方位<110>方向に対して斜めとすることが好ましい。
【0016】
これらの半導体基板及び半導体基板の製造方法では、十字状パターンの内側に四角形のデバイス領域が得られ、デバイス作製上、無駄が生じることがなく、また回路設計に制約を課すこともない。さらに、十字状パターンの配列方向がSi基板表面の結晶方位<110>方向に対して斜めとなるので、転位が主に<110>方向にのびるため、隣接する十字状パターン間の開口部を走る転位が十字状パターンの注入領域に達し易くなり、開口部の影響を低減することができる。
【0017】
本発明の半導体基板は、前記SiGe層が、少なくとも一部にGe組成比を表面に向けて漸次増加する傾斜組成領域を有することが好ましい。
また、本発明のSiGe層の形成方法は、前記SiGe層のうち少なくとも一部にGe組成比を表面に向けて漸次増加させた傾斜組成領域を形成することが好ましい。
【0018】
これらの半導体基板及び半導体基板の製造方法では、SiGe層のうち少なくとも一部がGe組成比を表面に向けて漸次増加させた傾斜組成領域とされるので、傾斜組成領域においてGe組成比が漸次増えるために、SiGe層中の特に表面側で転位の密度を抑制することができると共に、転位がSiGe層に沿った方向にのび易くなって注入領域に達し易くなり、より転位を捕捉あるいは終端させることができる。
【0019】
本発明の半導体基板は、上記本発明の半導体基板の前記SiGe層上に直接又は他のSiGe層を介して配された歪みSi層を備えていることを特徴とする。
また、本発明の半導体基板の製造方法は、上記本発明の半導体基板の製造方法において、前記SiGe層上に直接又は他のSiGe層を介して歪みSi層をエピタキシャル成長することを特徴とする。
また、本発明の半導体基板は、Si基板上にSiGe層を介して歪みSi層が形成された半導体基板であって、上記本発明の歪みSi層を成長する半導体基板の製造方法により作製されたことを特徴とする。
【0020】
これらの半導体基板及び半導体基板の製造方法では、前記SiGe層上に直接又は他のSiGe層を介して歪みSi層をエピタキシャル成長するので、例えば歪みSi層をチャネル領域とするMOSFET等を用いた集積回路用の半導体基板及びその製造方法として好適である。
【0021】
本発明の電界効果型トランジスタは、SiGe層上の歪みSi層にチャネル領域を有する電界効果型トランジスタであって、上記本発明の半導体基板の前記歪みSi層に前記チャネル領域を有することを特徴とする。
また、本発明の電界効果型トランジスタの製造方法は、SiGe層上にエピタキシャル成長された歪みSi層にチャネル領域が形成される電界効果型トランジスタの製造方法であって、上記本発明の半導体基板の製造方法により作製された半導体基板の前記歪みSi層に前記チャネル領域を形成することを特徴とする。
また、本発明の電界効果型トランジスタは、SiGe層上にエピタキシャル成長された歪みSi層にチャネル領域が形成される電界効果型トランジスタであって、上記本発明の電界効果型トランジスタの製造方法により作製されたことを特徴とする。
【0022】
これらの電界効果型トランジスタ及び電界効果型トランジスタの製造方法では、上記本発明の半導体基板又は上記本発明の半導体基板の製造方法により作製された半導体基板の前記歪みSi層に前記チャネル領域が形成されるので、良質な歪みSi層により高特性な電界効果型トランジスタを高歩留まりで得ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る第1実施形態を、図1から図5を参照しながら説明する。
【0024】
図1及び図2は、本発明に係る第1実施形態の半導体ウェーハ(半導体基板)W0及び歪みSi層を備えた半導体ウェーハ(半導体基板)Wの断面構造を示すものであり、この半導体ウェーハW0及び歪みSi層を備えた半導体ウェーハの構造をその製造プロセスと合わせて説明すると、図1の(a)及び図3に示すように、Si基板1表面に水素イオンを注入することにより、Si基板1表面近傍に水素注入領域1aを形成する。すなわち、イオン注入により、Si基板1の表面から浅い領域に水素が高濃度にイオン注入され、水素により局所的な歪み、格子欠陥あるいは気泡等が生じた領域が表面近傍に形成される。なお、本実施形態では、例えば1015〜1017/cm2の注入量で水素イオン注入を行う。
【0025】
次に、イオン注入されたSi基板1上に、図1の(b)、図2及び図4に示すように、Ge組成比xが0から0.3まで成膜方向に(表面に向けて)傾斜をもって漸次増加する傾斜組成層である第1のSiGe層2を減圧CVD法によりエピタキシャル成長する。なお、上記減圧CVD法による成膜は、キャリアガスとしてH2を用い、ソースガスとしてSiH4及びGeH4を用いている。
【0026】
次に、第1のSiGe層2上に該第1のSiGe層2の最終的なGe組成比(0.3)で一定組成層かつ緩和層である第2のSiGe層3をエピタキシャル成長し、半導体ウェーハW0を製作する。これらの第1のSiGe層2及び第2のSiGe層3は、歪みSi層を成膜するためのSiGe層SGとして機能する。
このように傾斜組成層の第1のSiGe層2を成膜した後に一定組成層の第2のSiGe層3を成膜するので、第2のSiGe層3中の転位の発生や成長を抑制することができ、最終的な第2のSiGe層3表面の転位密度を低減することができる。
【0027】
また、SiGe層SGの成膜中に、水素注入領域1aに気泡や亀裂あるいは格子欠陥が形成され、該水素注入領域1aは、Si基板1とSiGe層SGの歪みを緩和する犠牲層として有効に働く。また、水素あるいはヘリウム原子近傍の局所的な歪み、格子欠陥及び気泡等により転位が誘発、捕捉あるいは終端され、格子緩和が促進されるため、SiGe層表面の貫通転位を低減することができると共に、いわゆるクロスハッチ等に起因した表面ラフネスも減少する。
【0028】
この後、さらに、この半導体ウェーハW0の第2のSiGe層3上にSiをエピタキシャル成長して歪みSi層4を形成し、歪みSi層を備えた半導体ウェーハWを作製する。
なお、各層の膜厚は、例えば、第1のSiGe層2が1.5μm、第2のSiGe層3が0.75μm、歪みSi層4が15〜22nmである。
【0029】
このように、本実施形態では、Si基板1表面近傍に水素イオンを注入した水素注入領域1aが形成されるので、SiGe層表面の貫通転位を低減することができると共に、表面ラフネスも減少する。特に、水素イオン注入により水素注入領域1aに気泡が生じるため、単に他の不純物を注入した場合よりも転位の低減効果が高い。
【0030】
次に、本発明の上記歪みSi層を備えた半導体ウェーハWを用いた電界効果型トランジスタ(MOSFET)を、その製造プロセスと合わせて図5を参照して説明する。
【0031】
図5は、本発明の電界効果型トランジスタの概略的な構造を示すものであって、この電界効果型トランジスタを製造するには、上記の製造工程で作製した歪みSi層を備えた半導体ウェーハW表面の歪みSi層4上にSiO2のゲート酸化膜5及びゲートポリシリコン膜6を順次堆積する。そして、チャネル領域となる部分上のゲートポリシリコン膜6上にゲート電極(図示略)をパターニングして形成する。
【0032】
次に、ゲート酸化膜5もパターニングしてゲート電極下以外の部分を除去する。さらに、ゲート電極をマスクに用いたイオン注入により、歪みSi層4及び第2のSiGe層3にn型あるいはp型のソース領域S及びドレイン領域Dを自己整合的に形成する。この後、ソース領域S及びドレイン領域D上にソース電極及びドレイン電極(図示略)をそれぞれ形成して、歪みSi層4がチャネル領域となるn型あるいはp型MOSFETが製造される。
【0033】
このように作製されたMOSFETでは、上記製法で作製された歪みSi層を備えた半導体ウェーハWの歪みSi層4にチャネル領域が形成されるので、良質な歪みSi層4により動作特性に優れたMOSFETを高歩留まりで得ることができる。
【0034】
次に、本発明に係る第2実施形態を、図6から図8を参照しながら説明する。
【0035】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態の水素イオン注入はSi基板1の表面全体に一様に行われるのに対し、第2実施形態では、図6の(a)に示すように、Si基板1表面に所定のパターンに開口したマスクM(例えば、レジスト等)を配し、その上方から水素イオン注入することにより、Si基板1表面にパターン状の水素注入領域1aを形成する点である。
【0036】
すなわち、本実施形態では、水素イオン注入により、マスクMの開口部のみに水素イオンが注入され、他の領域(デバイス領域1b)には水素が注入されない。また、上記パターニングされて形成された水素注入領域1aは、図7に示すように、半導体素子が形成されるデバイス領域1bに隣接し、デバイス領域1bを有する半導体チップをチップサイズに切断分離するための切り代部分(いわゆるスクライブラインであって、図7中の斜線領域)に形成されている。すなわち、水素注入領域1aは、その幅が例えばダイシングソーの刃幅等により決定される。
【0037】
デバイス領域1bの幅については、チップサイズと本発明の効果が得られる適切な幅を考慮して決定される。
また、水素注入領域1aは、切り代部分に対応して十字状パターンを複数縦横に配列した略格子状に形成され、十字状パターンの配列方向が、Si基板1表面の結晶方位<110>方向(図7中の矢印方向)に対して斜めであり、例えば45°となるように配されている。
なお、本実施形態においても、パターン状に水素イオン注入された上記Si基板1上に、第1実施形態と同様に、SiGe層SG及び歪みSi層が形成される。
【0038】
本実施形態では、図8に示すように、SiGe層SGの成膜中に発生したミスフィット転位等の転位DLが、成膜中にSiGe層SGの層方向に沿ってのび、水素注入領域1a上に到達すると共に、水素注入領域1aにおける水素原子近傍、欠陥近傍あるいは気泡近傍の局所的な歪みや点欠陥あるいは気泡内壁等により捕捉、あるいは消滅させることができる。
【0039】
また、水素注入領域1aが、デバイス領域1bを有する半導体チップをチップサイズに切断分離するための切り代部分に配されるので、デバイス領域1bに支障無く水素イオンの注入量が高い領域を形成することができ、デバイス作製上、無駄が生じることがなく、また回路設計に制約を課すこともない。
【0040】
デバイス領域1bの幅については、チップサイズと本発明の効果が得られる適切な幅を考慮して決定される。
また、複数の十字状パターンからなる水素注入領域1aの配列方向がSi基板1表面の結晶方位<110>方向に対して斜めとなるので、転位が主に<110>方向に運動するため、隣接する十字状パターン(水素注入領域1a)間の隙間部分(非イオン注入部)1cを走る転位が水素注入領域1aに達し易くなり、当該隙間部分1cの影響を低減することができる。
【0041】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0042】
例えば、上記実施の形態では、注入イオンを水素としたが、ヘリウムでも構わない。
また、上記水素イオン注入時に注入量が少ない場合、水素イオン注入を行った後に、熱処理等によるアニールを施して気泡化を促進させても構わない。
また、上記実施形態の歪みSi層を備えた半導体ウェーハWの歪みSi層上に、さらにSiGe層を備えた半導体ウェーハも本発明に含まれる。また、第2のSiGe層上に直接歪みSi層を成膜したが、第2のSiGe層上にさらに他のSiGe層を成膜し、該SiGe層を介して歪みSi層をエピタキシャル成長しても構わない。
【0043】
また、上記各実施形態では、MOSFET用の基板としてSiGe層を有する半導体ウェーハを作製したが、他の用途に適用する基板としても構わない。例えば、本発明のSiGe層の形成方法及び半導体基板を太陽電池用の基板に適用してもよい。すなわち、上述した各実施形態のSi基板上に最表面で100%GeとなるようにGe組成比を漸次増加させた傾斜組成層のSiGe層を成膜し、さらにこの上にGaAs(ガリウムヒ素)を成膜することで、太陽電池用基板を作製してもよい。この場合、低転位密度で高特性の太陽電池用基板が得られる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
本発明の半導体基板及び半導体基板の製造方法によれば、Si基板表面近傍に水素イオンあるいはヘリウムイオンを注入した注入領域が形成されるので、注入領域に気泡や亀裂あるいは格子欠陥が形成され、該注入領域は、Si基板とSiGe層の歪みを緩和する犠牲層として有効に働く。また、水素あるいはヘリウム原子近傍の局所的な歪み、格子欠陥及び気泡等により転位が誘発、捕捉あるいは終端され、格子緩和が促進されるため、SiGe層表面の貫通転位を低減することができると共に、クロスハッチ等に起因した表面ラフネスも減少させることができる。特に、水素イオンあるいはヘリウムイオンの注入により注入領域に気泡が生じるため、単に他の不純物を注入した場合よりも転位の低減効果が高い。
【0045】
また、本発明の歪みSi層を備えた半導体基板及びその製造方法によれば、前記SiGe層上に直接又は他のSiGe層を介して歪みSi層をエピタキシャル成長するので、表面状態が良好なSiGe層上にSi層を成膜でき、良質な歪みSi層を形成することができる。
【0046】
また、本発明の電界効果型トランジスタ及び電界効果型トランジスタの製造方法によれば、上記本発明の半導体基板又は上記本発明の半導体基板の製造方法により作製された半導体基板の前記歪みSi層に前記チャネル領域が形成されるので、良質な歪みSi層により高特性なMOSFETを高歩留まりで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1実施形態における半導体基板を製造工程順に示す断面図である。
【図2】 本発明に係る第1実施形態における歪みSi層を備えた半導体基板を示す要部の拡大断面図である。
【図3】 本発明に係る第1実施形態における水素イオン注入されたSi基板における厚さ方向の注入密度及び欠陥密度を概念的に示すグラフである。
【図4】 本発明に係る第1実施形態における歪みSi層を備えた半導体基板の膜厚に対するGe組成比を示すグラフである。
【図5】 本発明に係る第1実施形態におけるMOSFETを示す概略的な断面図である。
【図6】 本発明に係る第2実施形態における半導体基板を製造工程順に示す断面図である。
【図7】 本発明に係る第2実施形態における半導体基板を示す要部の平面図である。
【図8】 本発明に係る第2実施形態における転位を説明するための要部断面における概念図である。
【符号の説明】
1 Si基板
1a 水素注入領域
1b デバイス領域
2 第1のSiGe層
3 第2のSiGe層
4 歪みSi層
5 SiO2ゲート酸化膜
6 ゲートポリシリコン膜
S ソース領域
D ドレイン領域
DL 転位
SG SiGe層
M マスク
W 歪みSi層を備えた半導体ウェーハ(半導体基板)
W0 半導体ウェーハ(半導体基板)

Claims (4)

  1. Si基板上にSiGe層をエピタキシャル成長させた半導体基板の製造方法であって、
    前記SiGe層の成長前に、半導体素子が形成されるデバイス領域に隣接させて前記デバイス領域を有する半導体チップをチップサイズに切断分離するための切り代部分に対応して十字状パターンを複数縦横に配列した略格子状に前記Si基板表面近傍に水素イオンあるいはヘリウムイオンを注入し、前記SiGe層の成膜中に気泡や亀裂あるいは格子欠陥が形成されることで、前記Si基板と前記SiGe層の歪みを緩和する犠牲層となる注入領域を形成するとともに、
    前記十字状パターンの配列方向を、前記Si基板表面の結晶方位<110>方向に対して斜めとすることを特徴とする半導体基板の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体基板の製造方法において、
    前記SiGe層のうち少なくとも一部にGe組成比を表面に向けて漸次増加させた傾斜組成領域を形成することを特徴とする半導体基板の製造方法。
  3. 請求項1または2記載の半導体基板の製造方法において、
    前記SiGe層上に直接又は他のSiGe層を介して歪みSi層をエピタキシャル成長することを特徴とする半導体基板の製造方法。
  4. SiGe層上にエピタキシャル成長された歪みSi層にチャネル領域が形成される電界効果型トランジスタの製造方法であって、
    請求項3に記載の半導体基板の製造方法により作製された半導体基板の前記歪みSi層に前記チャネル領域を形成することを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。
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