JP4506035B2 - 半導体基板と電界効果型トランジスタ並びにSiGe層の形成方法及びこれを用いた歪みSi層の形成方法と電界効果型トランジスタの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速MOSFET等に用いられる半導体基板と電界効果型トランジスタ並びに歪みSi層等を形成するために好適なSiGe層の形成方法及びこれを用いた歪みSi層の形成方法と電界効果型トランジスタの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、Si(シリコン)ウェーハ上にSiGe(シリコン・ゲルマニウム)層を介してエピタキシャル成長した歪みSi層をチャネル領域に用いた高速のMOSFET、MODFET、HEMTが提案されている。この歪みSi−FETでは、Siに比べて格子定数の大きいSiGeによりSi層に引っ張り歪みが生じ、そのためSiのバンド構造が変化して縮退が解けてキャリア移動度が高まる。したがって、この歪みSi層をチャネル領域として用いることにより通常の1.5〜8倍程度の高速化が可能になるものである。また、プロセスとしてCZ法による通常のシリコン基板を基板として使用でき、従来のCMOS工程で高速CMOSを実現可能にするものである。
【0003】
しかしながら、FETのチャネル領域として要望される上記歪みSi層をエピタキシャル成長するには、シリコン基板上に良質なSiGe層をエピタキシャル成長する必要があるが、SiとSiGeとの格子定数の違いから、転位等により結晶性に問題があった。このために、従来、以下のような種々の提案が行われていた。
【0004】
例えば、SiGeのGe組成比を一定の緩い傾斜で変化させたバッファ層を用いる方法、Ge(ゲルマニウム)組成比をステップ状(階段状)に変化させたバッファ層を用いる方法、Ge組成比を超格子状に変化させたバッファ層を用いる方法及びSiのオフカット基板を用いてGe組成比を一定の傾斜で変化させたバッファ層を用いる方法等が提案されている(U.S.Patent 5,442,205、U.S.Patent 5,221,413、PCT WO98/00857、特開平6-252046号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では、以下のような課題が残されている。
すなわち、上記従来の技術では、基板表面の貫通転位密度がまだ高く、貫通転位によるトランジスタの動作不良を防ぐために貫通転位の低減がさらに要望されている。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、SiGe層の貫通転位密度を低減した半導体基板と電界効果型トランジスタ並びにSiGe層の形成方法及びこれを用いた歪みSi層の形成方法と電界効果型トランジスタの製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の半導体基板は、Si基板と、該Si基板上の少なくとも表面が格子緩和したSiGe層とを備え、前記Si基板表面又は前記SiGe層の内部の少なくとも一部に、SiGe層の表面よりも不純物濃度を高くした高濃度領域としての貫通転位低減層が形成され、前記SiGe層は、少なくとも一部にGe組成比を表面に向けて漸次増加させた傾斜組成領域を備え、かつ、前記SiGe層の表面における不純物濃度が1×10 18 /cm 3 より小さいか、不純物を添加しないものとされ、前記貫通転位低減層が、ドーパントとして、B、C、N、Al、P、Ga、As、In、Sn、Sb、Tl、Pb、Bi及びこれらの組み合わせのものが添加され、前記高濃度領域としての貫通転位低減層の不純物濃度は、1×10 18 /cm 3 以上かつ1×10 21 /cm 3 以下であり、前記貫通転位低減層の膜厚が1μm以上であることを特徴とする。また、本発明のSiGe層の形成方法は、Si基板上に少なくとも格子緩和したSiGe層をエピタキシャル成長する方法であって、前記Si基板表面又は前記SiGe層の内部の少なくとも一部にSiGe層の表面よりも不純物濃度を高くした高濃度領域としての貫通転位低減層を1μm以上の膜厚で形成し、前記貫通転位低減層が、ドーパントとして、B、C、N、Al、P、Ga、As、In、Sn、Sb、Tl、Pb、Bi及びこれらの組み合わせのものが添加され、前記SiGe層のうち少なくとも一部にGe組成比を表面に向けて漸次増加させた傾斜組成領域を形成するとともに、前記SiGe層の表面における不純物濃度が1×10 18 /cm 3 より小さいか、不純物を添加しないものとされ、前記高濃度領域としての貫通転位低減層の不純物濃度は、1×1018/cm3以上かつ1×1021/cm3以下であることを特徴とする。また、本発明の半導体基板は、Si基板上に少なくとも表面が格子緩和したSiGe層が形成された半導体基板であって、上記本発明のSiGe層の形成方法により前記SiGe層が形成されていることを特徴とする。
【0008】
これらの半導体基板及びSiGe層の形成方法では、Si基板表面又はSiGe層の内部の少なくとも一部に、SiGe層の表面よりも不純物濃度を高くした高濃度領域(貫通転位低減層)が形成されるので、転位が高濃度領域の局所的な歪みや格子欠陥等により誘発、捕捉あるいは終端され、SiGe層表面の貫通転位を低減することができると共に、いわゆるクロスハッチ等に起因した表面ラフネスも減少する。詳述すると、高濃度領域のドーパント原子の近傍には、原子配置の局所的な歪みや点欠陥、クラスター状の欠陥あるいは析出が存在し、成膜中に発生するミスフィット転位等の転位は高濃度領域側で発生しやすくなり、SiGe層の表面での転位の発生が低減される。また、発生した転位は高濃度領域側に運動しやすく、ドーパント原子近傍の局所的歪みや欠陥により捕捉あるいは終端されやすく、SiGe層の最表面に現れて貫通転位となる転位の数が減少する。
なお、SiGe層の表面は、不純物濃度が高濃度領域(貫通転位低減層)より低いため、表面側に作製されるデバイスの特性悪化を防ぐことができる。なお、本発明における「格子緩和」は、完全にSiGeの格子定数まで格子緩和したものだけでなく、少しでも格子緩和した状態も含むものとする。
【0009】
本発明の半導体基板は、前記高濃度領域(貫通転位低減層)の不純物濃度が1×1018/cm3 以上かつ1×1021/cm3 以下であることが好ましい。また、本発明のSiGe層の形成方法は、前記高濃度領域(貫通転位低減層)の不純物濃度を1×1018/cm3 以上かつ1×1021/cm3 以下にすることが好ましい。
【0010】
これらの半導体基板及びSiGe層の形成方法では、高濃度領域の不純物濃度が1×1018/cm3以上かつ1×1021/cm3以下とされるので、後述するように1×1018/cm3以上では大幅に貫通転位の低減されると共に、1×1021/cm3以下であるため、良好な結晶性を維持することができる。
【0011】
本発明の半導体基板は、前記SiGe層の少なくとも一部にGe組成比を表面に向けて漸次増加させた傾斜組成領域を備えていることが好ましい。
また、本発明の歪みSi層の形成方法は、前記SiGe層のうち少なくとも一部にGe組成比を表面に向けて漸次増加させた傾斜組成領域を形成することが好ましい。
【0012】
これらの半導体基板及びSiGe層の形成方法では、SiGe層のうち少なくとも一部にGe組成比を表面に向けて漸次増加させた傾斜組成領域が形成されるので、SiGe層中の転位の発生や成長を抑制することができ、最終的なSiGe層表面の転位密度を低減することができる。
【0013】
本発明の半導体基板は、上記本発明の半導体基板の前記SiGe層上に直接又は他のSiGe層を介して配された歪みSi層を備えていることを特徴とする。
また、本発明の歪みSi層の形成方法は、Si基板上にSiGe層を介して歪みSi層を形成する方法であって、前記Si基板上のSiGe層を、上記本発明のSiGe層の形成方法により成膜することを特徴とする。
【0014】
上記半導体基板では、上記本発明の半導体基板の前記SiGe層上に直接又は他のSiGe層を介して配された歪みSi層を備え、また上記歪みSi層の形成方法では、Si基板上のSiGe層を、上記本発明のSiGe層の形成方法により成膜するので、例えば歪みSi層をチャネル領域とするMOSFET等を用いた集積回路用の歪みSi層又は半導体基板として好適である。
【0015】
本発明の電界効果型トランジスタは、SiGe層上の歪みSi層にチャネル領域を有する電界効果型トランジスタであって、上記本発明の半導体基板の前記歪みSi層に前記チャネル領域を有することを特徴とする。
また、本発明の電界効果型トランジスタの製造方法は、SiGe層上にエピタキシャル成長された歪みSi層にチャネル領域が形成される電界効果型トランジスタの製造方法であって、上記本発明の歪みSi層の形成方法により前記歪みSi層を形成することを特徴とする。
また、本発明の電界効果型トランジスタは、SiGe層上にエピタキシャル成長された歪みSi層にチャネル領域が形成される電界効果型トランジスタであって、上記本発明の歪みSi層の形成方法により前記歪みSi層が形成されていることを特徴とする。
【0016】
上記本発明の半導体基板の前記歪みSi層に前記チャネル領域を有し、また上記電界効果型トランジスタの製造方法では、上記本発明の歪みSi層の形成方法により前記歪みSi層を形成し、また上記電界効果型トランジスタでは、上記本発明の歪みSi層の形成方法により前記歪みSi層が形成されるので、良質な歪みSi層により高特性な電界効果型トランジスタを高歩留まりで得ることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る一実施形態を、図1及び図2を参照しながら説明する。
【0018】
図1は、本発明の半導体ウェーハ(半導体基板)W0及び歪みSi層を備えた半導体ウェーハ(半導体基板)Wの断面構造を示すものであり、この半導体ウェーハW0及び歪みSi層を備えた半導体ウェーハWの構造をその製造プロセスと合わせて説明すると、まず、図1及び図2に示すように、Si基板1上に、高濃度ドープSi層(高濃度領域としての貫通転位低減層)2を減圧CVD法によりエピタキシャル成長する。
【0019】
この高濃度ドープSi層2は、不純物濃度が1×1018/cm3以上かつ1×1021/cm3以下の範囲内に設定され、ドーパントとして例えば、B(ボロン)、C(炭素)、N(窒素)、Al(アルミニウム)、P(リン)、Ga(ガリウム)、As(ヒ素)、In(インジウム)、Sn(スズ)、Sb(アンチモン)、Tl(タリウム)、Pb(鉛)、Bi(ビスマス)及びこれらの組み合わせのものが添加される。なお、上記に例示したように、ドーピングする元素は、その導電性に関わらず任意に選択可能であり、特に表面層ではなく内部にドーピングするため、不純物の導電性によるデバイス特性への影響が少ない。
【0020】
次に、高濃度ドープSi層2上に、Ge組成比xが0から0.3まで成膜方向に(表面に向けて)傾斜をもって漸次増加する傾斜組成層である第1のSiGe層3をエピタキシャル成長する。
さらに、第1のSiGe層3上に、該第1のSiGe層3の最終的なGe組成比(0.3)で一定組成層かつ緩和層である第2のSiGe層4をエピタキシャル成長し、半導体ウェーハW0を製作する。なお、第1のSiGe層3及び第2のSiGe層4は、減圧CVD法によりエピタキシャル成長し、キャリアガスとしてH2を用い、ソースガスとしてSiH4及びGeH4を用いている。
これらの第1及び第2のSiGe層2、3は、歪みSi層を成膜するためのバッファ層として機能する。なお、第1のSiGe層3及び第2のSiGe層4には、デバイス作製において必要となる導電性制御を目的として1×1018/cm3以下のさまざまな濃度で不純物添加してよく、不純物は添加しなくてもよい。いずれの場合も、高濃度ドープSi層2は、表面の第2のSiGe層4よりも不純物濃度が高い高濃度領域となる。
【0021】
さらに、この半導体ウェーハW0の第2のSiGe層4上にSiをエピタキシャル成長して歪みSi層5を形成し、歪みSi層を備えた半導体ウェーハWを作製する。
なお、各層の膜厚は、例えば、高濃度ドープSi層2が1μm、第1のSiGe層3が1.5μm、第2のSiGe層4が0.75μm、歪みSi層5が15〜22nmである。
【0022】
このように、本実施形態では、Si基板1上にSiGe層の最表面である第2のSiGe層4よりも不純物濃度を高くした高濃度ドープSi層2が形成されるので、転位が高濃度ドープSi層2の局所的な歪みや格子欠陥等により誘発、捕捉あるいは終端され、SiGe層表面の貫通転位を低減することができると共に、いわゆるクロスハッチ等に起因した表面ラフネスも減少する。
また、高濃度ドープSi層2の不純物濃度が1×1018/cm3以上かつ1×1021/cm3以下とされるので、後述する実施例で示すように、1×1018/cm3以上では大幅に貫通転位の低減されると共に、1×1021/cm3以下であるため、良好な結晶性を維持することができる。
【0023】
次に、本発明の上記歪みSi層を備えた半導体ウェーハWを用いた電界効果型トランジスタ(MOSFET)を、その製造プロセスと合わせて図3を参照して説明する。
【0024】
図3は、本発明の電界効果型トランジスタの概略的な構造を示すものであって、この電界効果型トランジスタを製造するには、上記の製造工程で作製した歪みSi層を備えた半導体ウェーハW表面の歪みSi層5上にSiO2のゲート酸化膜6及びゲートポリシリコン膜7を順次堆積する。そして、チャネル領域となる部分上のゲートポリシリコン膜7上にゲート電極(図示略)をパターニングして形成する。
【0025】
次に、ゲート酸化膜6もパターニングしてゲート電極下以外の部分を除去する。さらに、ゲート電極をマスクに用いたイオン注入により、歪みSi層5及び第2のSiGe層3にn型あるいはp型のソース領域S及びドレイン領域Dを自己整合的に形成する。この後、ソース領域S及びドレイン領域D上にソース電極及びドレイン電極(図示略)をそれぞれ形成して、歪みSi層5がチャネル領域となるn型あるいはp型MOSFETが製造される。
【0026】
このように作製されたMOSFETでは、上記製法で作製された歪みSi層を備えた半導体ウェーハWの歪みSi層5にチャネル領域が形成されるので、良質な歪みSi層5により動作特性に優れたMOSFETを高歩留まりで得ることができる。
また、第2のSiGe層4の表面は、不純物濃度が低いため、表面側に作製されるデバイスの特性悪化を防ぐことができる。
【0027】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、Si基板上に高濃度ドープSi層をエピタキシャル成長して高濃度領域を形成したが、SiGe層の内部の少なくとも一部にSiGe層表面よりも不純物濃度が高い高濃度領域を形成しても構わない。例えば、第1のSiGe層のような傾斜組成層に第2のSiGe層表面に比べて高濃度に不純物をドーピングしてもよい。さらに、高濃度領域となるSiGe層は、Ge組成比の変調が連続でも不連続でもよい。
また、上記実施形態では、Si基板上に高濃度ドープSi層をエピタキシャル成長して高濃度領域を有するSi基板としたが、Si基板表面に不純物をイオン注入して表面に高濃度領域を形成したSi基板を用いても構わない。さらに、基板全体に高濃度の不純物も混ぜたSi基板をCZ法で作製して用いても構わない。
【0028】
また、上記実施形態の歪みSi層を備えた半導体基板の歪みSi層上に、さらにSiGe層を備えた半導体基板も本発明に含まれる。また、第2のSiGe層上に直接歪みSi層を成膜したが、第2のSiGe層上にさらに他のSiGe層を成膜し、該SiGe層を介して歪みSi層をエピタキシャル成長しても構わない。
【0029】
また、上記実施形態では、MOSFET用の基板としてSiGe層を有する半導体基板を作製したが、他の用途に適用する基板としても構わない。例えば、本発明のSiGe層の形成方法及び半導体基板を太陽電池用の基板に適用してもよい。すなわち、上述した各実施形態のいずれかのシリコン基板上に最表面で100%GeとなるようにGe組成比を漸次増加させた傾斜組成層のSiGe層を成膜し、さらにこの上にGaAs(ガリウムヒ素)を成膜することで、太陽電池用基板を作製してもよい。この場合、低転位密度で高特性の太陽電池用基板が得られる。
【0030】
【実施例】
次に、本発明に係る半導体基板を実際に作製した際の貫通転位密度の測定結果を、図4を参照して説明する。
【0031】
作製した半導体基板は、上記実施形態の半導体ウェーハW0に対応するものであって、まず、高濃度ドープSi層の膜厚x(μm)を数種類変化させたサンプルについて測定した。なお、比較のために高濃度ドープSi層がなく第1のSiGe層及び第2のSiGe層だけのウェーハを標準試料として作製し、同様に測定した。また、各サンプルの高濃度ドープSi層には、ドーパントとしてP(リン)を1×1019/cm3の濃度となるように添加している。
【0032】
これらの半導体ウェーハの表面における貫通転位密度を測定した結果、図4に示すように、膜厚x=0の標準試料よりも全てのサンプルにおいて貫通転位密度が1桁低下していることがわかる。
【0033】
次に、上記実施形態の半導体ウェーハW0であって、高濃度ドープSi層の不純物濃度(ドーパントP)を数種類変化させたサンプルについて測定した。なお、各サンプルの高濃度ドープSi層は、その膜厚xを1μmとした。
これらの半導体ウェーハの表面における貫通転位密度を測定した結果、1×1018/cm3未満及び1×1021/cm3を越えた高濃度ドープSi層の不純物濃度の場合、貫通転位密度の低下効果が少ないが、1×1018/cm3から1×1021/cm3までの範囲内の不純物濃度では、貫通転位密度が顕著に低下した。これは、上記不純物濃度が1×1018/cm3未満ではドーパント原子近傍に生じる局所的歪みや欠陥が効果的に転位を発生し終端させるには少なく、また上記不純物濃度が1×1021/cm3を越えると膜全体の結晶性が悪化するためと考えられる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
本発明の半導体基板及びSiGe層の形成方法によれば、Si基板表面又はSiGe層の内部の少なくとも一部にSiGe層の表面よりも不純物濃度を高くした高濃度領域が形成されるので、高濃度領域のドーパント原子近傍の局所的な歪みや欠陥で転位が効果的に誘発、捕捉あるいは終端され、トランジスタの動作不良原因になる表面領域の貫通転位を低減することができると共に、クロスハッチ等に起因した表面ラフネスを減少させることができる。さらに、表面側の不純物濃度が低く作製されるためデバイスの特性悪化を防ぐことができる。
【0035】
また、本発明の歪みSi層の形成方法によれば、Si基板上のSiGe層を上記本発明のSiGe層の形成方法により成膜し、また本発明の半導体基板によれば、上記本発明の半導体基板の前記SiGe層上に直接又は他のSiGe層を介して配された歪みSi層を備えているので、表面状態が良好なSiGe層上にSi層を成膜でき、良質な歪みSi層を得ることができる。
【0036】
また、本発明の電界効果型トランジスタによれば、上記本発明の半導体基板の前記歪みSi層にチャネル領域が形成され、又は本発明の電界効果型トランジスタの製造方法によれば、上記本発明の歪みSi層の形成方法により、チャネル領域となる歪みSi層が形成されているので、良質な歪みSi層により高特性なMOSFETを高歩留まりで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る一実施形態における歪みSi層を備えた半導体基板を示す断面図である。
【図2】 本発明に係る一実施形態における歪みSi層を備えた半導体基板の膜厚に対するGe組成比を示すグラフである。
【図3】 本発明に係る一実施形態におけるMOSFETを示す概略的な断面図である。
【図4】 本発明に係る実施例における貫通転位密度の膜厚xに対する依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 Si基板
2 高濃度ドープSi層(高濃度領域)
3 第1のSiGe層
4 第2のSiGe層
5 歪みSi層
6 SiO2ゲート酸化膜
7 ゲートポリシリコン膜
S ソース領域
D ドレイン領域
W 歪みSi層を備えた半導体ウェーハ(半導体基板)
W0 半導体ウェーハ(半導体基板)
Claims (9)
- Si基板と、
該Si基板上の少なくとも表面が格子緩和したSiGe層とを備え、
前記Si基板表面又は前記SiGe層の内部の少なくとも一部に、SiGe層の表面よりも不純物濃度を高くした高濃度領域としての貫通転位低減層が形成され、
前記SiGe層は、少なくとも一部にGe組成比を表面に向けて漸次増加させた傾斜組成領域を備え、かつ、前記SiGe層の表面における不純物濃度が1×10 18 /cm 3 より小さいか、不純物を添加しないものとされ、
前記貫通転位低減層が、ドーパントとして、B、C、N、Al、P、Ga、As、In、Sn、Sb、Tl、Pb、Bi及びこれらの組み合わせのものが添加され、
前記高濃度領域としての貫通転位低減層の不純物濃度は、1×1018/cm3以上かつ1×1021/cm3以下であり、
前記貫通転位低減層の膜厚が1μm以上であることを特徴とする半導体基板。 - 請求項1に記載の半導体基板の前記SiGe層上に直接又は他のSiGe層を介して配された歪みSi層を備えていることを特徴とする半導体基板。
- SiGe層上の歪みSi層にチャネル領域を有する電界効果型トランジスタであって、
請求項2に記載の半導体基板の前記歪みSi層に前記チャネル領域を有することを特徴とする電界効果型トランジスタ。 - Si基板上に少なくとも表面が格子緩和したSiGe層をエピタキシャル成長する方法であって、
前記Si基板表面又は前記SiGe層の内部の少なくとも一部にSiGe層の表面よりも不純物濃度を高くした高濃度領域としての貫通転位低減層を1μm以上の膜厚で形成し、
前記貫通転位低減層が、ドーパントとして、B、C、N、Al、P、Ga、As、In、Sn、Sb、Tl、Pb、Bi及びこれらの組み合わせのものが添加され、
前記SiGe層のうち少なくとも一部にGe組成比を表面に向けて漸次増加させた傾斜組成領域を形成するとともに、前記SiGe層の表面における不純物濃度が1×10 18 /cm 3 より小さいか、不純物を添加しないものとされ、
前記高濃度領域としての貫通転位低減層の不純物濃度は、1×1018/cm3以上かつ1×1021/cm3以下であることを特徴とするSiGe層の形成方法。 - Si基板上にSiGe層を介して歪みSi層を形成する方法であって、
前記Si基板上のSiGe層を、請求項4に記載のSiGe層の形成方法により成膜することを特徴とする歪みSi層の形成方法。 - SiGe層上にエピタキシャル成長された歪みSi層にチャネル領域が形成される電界効果型トランジスタの製造方法であって、
請求項5に記載の歪みSi層の形成方法により前記歪みSi層を形成することを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。 - Si基板上に少なくとも表面が格子緩和したSiGe層が形成された半導体基板であって、
請求項4に記載のSiGe層の形成方法により前記SiGe層が形成されていることを特徴とする半導体基板。 - Si基板上にSiGe層を介して歪みSi層が形成された半導体基板であって、
請求項5に記載の歪みSi層の形成方法により前記歪みSi層が形成されていることを特徴とする半導体基板。 - SiGe層上にエピタキシャル成長された歪みSi層にチャネル領域が形成される電界効果型トランジスタであって、
請求項5に記載の歪みSi層の形成方法により前記歪みSi層が形成されていることを特徴とする電界効果型トランジスタ。
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JPH0982944A (ja) * | 1995-09-18 | 1997-03-28 | Toshiba Corp | 歪シリコン電界効果トランジスタ及びその製造方法 |
JP2000243946A (ja) * | 1998-12-24 | 2000-09-08 | Toshiba Corp | 半導体装置及び半導体装置の製造方法 |
JP2001110725A (ja) * | 1999-10-12 | 2001-04-20 | Hitachi Ltd | ヘテロ構造半導体多層薄膜の製造方法 |
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