JP4325139B2 - 半導体基板の製造方法及び電界効果型トランジスタの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高速MOSFET等に用いられる半導体基板の製造方法及び電界効果型トランジスタの製造方法並びに半導体基板及び電界効果型トランジスタに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、Si(シリコン)基板上にSiGe(シリコン・ゲルマニウム)層を介してエピタキシャル成長した歪みSi層をチャネル領域に用いた高速のMOSFET、MODFET、HEMTが提案されている。この歪みSi−FETでは、Siに比べて格子定数の大きいSiGeによりSi層に引っ張り歪みが生じ、そのためSiのバンド構造が変化して縮退が解けてキャリア移動度が高まる。したがって、この歪みSi層をチャネル領域として用いることにより通常の1.3〜8倍程度の高速化が可能になるものである。また、プロセスとしてCZ法による通常のSi基板を基板として使用でき、従来のCMOS工程で高速CMOSを実現可能にするものである。
【0003】
しかしながら、FETのチャネル領域として要望される上記歪みSi層をエピタキシャル成長するには、Si基板上に良質なSiGe層をエピタキシャル成長する必要があるが、SiとSiGeとの格子定数の違いから、転位等により結晶性に問題があった。このために、従来、以下のような種々の提案が行われていた。
【0004】
例えば、SiGeのGe組成比を一定の緩い傾斜で増加させたバッファ層を用いる方法、Ge(ゲルマニウム)組成比をステップ状(階段状)に変化させたバッファ層を用いる方法、Ge組成比を超格子状に変化させたバッファ層を用いる方法及びSiのオフカットウェーハを用いてGe組成比を一定の傾斜で変化させたバッファ層を用いる方法等が提案されている(U.S.Patent 5,442,205、U.S.Patent 5,221,413、PCT WO98/00857、特開平6-252046号公報等)。
【0005】
上記従来技術、例えば、Ge組成比を一定の緩い傾斜で増加させたバッファ層を用いる場合等では、発生した転位のため、転位線の分布を反映した凹凸(いわゆるクロスハッチ)が発生してしまう。この凹凸はデバイス製造工程のフォトリソグラフィ工程で問題となるため、従来は、通常のSi同様の研磨工程を用いて研磨が行われている。例えば、Si基板上にGe層(Ge100%)の膜を作製するにあたって、Ge組成比を0から漸次増加させたSiGeの傾斜組成層を成膜した場合、Ge組成比0.5のところでCMP(Chemical Mechanical Polishing)を施したものと、そのまま成膜したものとを比較して、CMPを施した方がGe100%となった最表面のラフネスが小さくなったことが開示されている(US6107653)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記技術の開示以降、クロスハッチによるラフネスを低減するために研磨を施す手段が用いられる場合があるが、SiGe層を厚く積んで削り代とする方法は、SiGe層を厚く積む程削り代を多く必要としていた。すなわち、SiGe層を厚く積む程、研磨前の表面ラフネスは悪化してしまい、削り代をより多く設定しなければならないという不都合があった。例えば、Ge組成比を0から0.3まで漸次増加させた傾斜組成層上に膜厚を変えてGe組成比0.3の緩和層を成膜し、その表面ラフネスをRMS値として測定した場合、図7に示すように、緩和層の膜厚が厚いほどRMS値が高くなっていることがわかる。また、Raman分光により決定したSiGe緩和層の緩和係数は、図8に示すように、いずれの膜厚の緩和層も十分に緩和していることがわかる。なお、緩和係数はSiGeが完全に緩和した時を100%とし、Siと同じ格子定数に歪んだときを0%として、エピタキシャル膜の緩和の度合いを表す係数である。さらに、Ge組成比0.3の緩和層を1.5μm成膜したサンプルを研磨したときと、0.75μm成膜したサンプルを研磨したときとの研磨量とラフネス(RMS値)との関係を、図9に示す。この図からも分かるように、ラフネスは研磨量と共に飽和し、到達ラフネスはほぼ同じ値となる。
以上の結果から、SiGe層を厚く積んで削り代とする方法は、SiGe層が厚いほど削り代を多く必要とするので、Ge組成比0.3の緩和層を削り残す際のマージンを考慮すれば、非常に精密な研磨が要求される。また、傾斜組成層の所まで削り込んでしまうと、例えば、その上にGe組成比0.3のSiGe層を成膜した場合、格子定数の違いに起因する新たな転位が発生する不都合が生じてしまう。
【0007】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、研磨により表面ラフネスを低減する技術で、SiGe層の削り代を少なくすることができる半導体基板の製造方法及び電界効果型トランジスタの製造方法並びに半導体基板及び電界効果型トランジスタを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の半導体基板の製造方法は、Si基板上にSiGe層をエピタキシャル成長させた半導体基板の製造方法であって、前記Si基板上に前記SiGe層をエピタキシャル成長するSiGe成膜工程と、該SiGe成膜工程後に前記SiGe層上にSi層を成膜するSi成膜工程と、該Si成膜工程後に前記Si層表面から前記SiGe層の途中まで研磨する研磨工程と、前記研磨工程前に前記Si層を800℃以上の温度で熱処理するアニール工程とを有することを特徴とする。
また本発明は、Si基板上にSiGe層をエピタキシャル成長させた半導体基板の製造方法であって、前記Si基板上に前記SiGe層をエピタキシャル成長するSiGe成膜工程と、該SiGe成膜工程後に前記SiGe層上にSi層を成膜するSi成膜工程と、該Si成膜工程後に前記Si層表面から前記SiGe層の途中まで研磨する研磨工程とを有することができる。
【0009】
この半導体基板の製造方法では、SiGe成膜工程後にSiGe層上にSi層を成膜するSi成膜工程と、該Si成膜工程後にSi層表面からSiGe層の途中まで研磨する研磨工程とを有するので、SiGe層の場合と異なりSi層を厚く積んでもラフネスは悪化せず、Si層により十分な削り代を得ることができると共に少ないSiGe層の削り代で良好な表面ラフネスを得ることができる。
【0010】
また、本発明の半導体基板の製造方法は、前記研磨工程前に前記Si層を800℃以上の温度で熱処理するアニール工程を有する技術が採用される。すなわち、この半導体基板の製造方法では、研磨工程前にSi層を800℃以上の温度で熱処理するアニール工程を有するので、最表面のSi原子が表面拡散し、再配置する効果により表面ラフネスが低減する。したがって、より表面ラフネスが小さくなったSi層から研磨することができるので、研磨工程でSiGe層のより良好な表面ラフネスを得ることができる。
【0011】
さらに、本発明の半導体基板の製造方法は、前記アニール工程において、水素雰囲気中で前記熱処理を行うことが好ましい。すなわち、この半導体基板の製造方法では、水素雰囲気中で熱処理を行うので、Si原子の再配置効果がより促進されて、さらに表面ラフネスが低減される。
【0012】
また、本発明の半導体基板の製造方法は、前記Si成膜工程において、前記SiGe層を0.3μm以上の膜厚で成膜し、前記Si成膜工程において、前記Si層を0.1μm以上の膜厚で成膜し、前記研磨工程において、前記Si層表面から0.2μm以上の厚さを研磨することが好ましい。すなわち、この半導体基板の製造方法では、SiGe層及びSi層を0.3μm以上及び0.1μm以上の膜厚でそれぞれ成膜し、Si層表面から0.2μm以上の厚さを研磨することにより、厚いSi層により十分な削り代が得られると共に、SiGe層が十分に残った状態でラフネスの小さい基板を得ることができる。
【0013】
また、本発明の半導体基板の製造方法は、前記SiGe成膜工程において、前記SiGe層のうち少なくとも一部にGe組成比を表面に向けて漸次増加させた傾斜組成領域を形成することが好ましい。すなわち、この半導体基板の製造方法では、SiGe層のうち少なくとも一部にGe組成比を表面に向けて漸次増加させた傾斜組成領域を形成するので、傾斜組成領域においてGe組成比が漸次増えるために、転位がSiGe層に沿った方向にのび易くなってSiGe層中の特に表面側で転位の密度を抑制することができ、表面ラフネスがより改善される。
【0014】
本発明の半導体基板は、Si基板上にSiGe層が形成された半導体基板であって、上記本発明の半導体基板の製造方法により作製されたことを特徴とする。すなわち、この半導体基板は、上記本発明の半導体基板の製造方法により作製されているので、良好な表面ラフネスを有している。
【0015】
また、本発明の半導体基板の製造方法は、Si基板上にSiGe層を介して歪みSi層が形成された半導体基板の製造方法であって、上記本発明の半導体基板の製造方法により作製された半導体基板の前記SiGe層上に直接又は他のSiGe層を介して前記歪みSi層をエピタキシャル成長することを特徴とする。
また、本発明の半導体基板は、Si基板上にSiGe層を介して歪みSi層が形成された半導体基板であって、上記本発明の歪みSi層が形成された半導体基板の製造方法により作製されたことを特徴とする。
【0016】
これらの半導体基板の製造方法及び半導体基板では、SiGe層上に直接又は他のSiGe層を介して歪みSi層がエピタキシャル成長されるので、表面ラフネスの小さな良質な歪みSi層が得られ、例えば歪みSi層をチャネル領域とするMOSFET等を用いた集積回路用として好適な半導体基板を得ることができる。
【0017】
本発明の電界効果型トランジスタの製造方法は、SiGe層上にエピタキシャル成長された歪みSi層にチャネル領域が形成される電界効果型トランジスタの製造方法であって、上記本発明の歪みSiを有する半導体基板の製造方法により作製された半導体基板の前記歪みSi層に前記チャネル領域を形成することを特徴とする。
また、本発明の電界効果型トランジスタは、SiGe層上にエピタキシャル成長された歪みSi層にチャネル領域が形成される電界効果型トランジスタであって、上記本発明の電界効果型トランジスタの製造方法により作製されたことを特徴とする。
【0018】
これらの電界効果型トランジスタの製造方法及び電界効果型トランジスタは、上記本発明の歪みSi層を有する半導体基板の製造方法により作製された半導体基板の歪みSi層にチャネル領域を形成するので、良好な表面ラフネスの歪みSi層により高特性な電界効果型トランジスタを高歩留まりで得ることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る第1実施形態を、図1から図6を参照しながら説明する。
【0020】
図1は、本発明の半導体ウェーハ(半導体基板)Wの断面構造を工程順に示すものであり、この半導体ウェーハの構造をその製造プロセスと合わせて説明すると、まず、CZ法等で引上成長して作製されたp型あるいはn型Si基板1上に、図1の(a)及び図2に示すように、表面に向けて層内のGe組成比を0から0.3まで漸次増加させた第1のSiGe層(傾斜組成領域)2を、例えば減圧CVD法によりエピタキシャル成長する。
【0021】
次に、第1のSiGe層2上に、該第1のSiGe層2の最終的なGe組成比0.3で一定組成比の第2のSiGe層3を、緩和層としてエピタキシャル成長する。さらに、第2のSiGe層3上にSiをエピタキシャル成長して研磨用Si層4を形成する。なお、各層の膜厚は、例えば、第1のSiGe層2が1.5μm、第2のSiGe層3が0.75μm、研磨用Si層4が0.25μmである。また、上記減圧CVD法による成膜は、例えばキャリアガスとしてH2を用い、ソースガスとしてSiH4及びGeH4を用いている。
【0022】
上記研磨用Si層4の厚さを変えて成膜した場合のRMS値及びRaman分光により決定した第2のSiGe層3の緩和係数を、図3及び図4に示す。すなわち、上記成膜直後のウェーハは、その表面にクロスハッチ、すなわち数μm周期で数十nmの大きな凹凸が生じているが、研磨用Si層4を厚く積んでも、図4に示すように、ラフネスは悪化しない。また、第2のSiGe層3は、図5に示すように、いずれも十分に緩和していることが分かる。
【0023】
クロスハッチを取り除くため、次に、CMPにより研磨用Si層4表面から第2のSiGe層3の途中まで、図1の(b)に示すように、研磨を行い、ラフネスを低減しておく。例えば、研磨量を0.5μmとし、第2のSiGe層3が十分に残った状態とする。
このとき、研磨量とRMS値との関係から、図4に示すように、研磨量0.5μmでは、十分にラフネスが小さい基板が得られる。
【0024】
さらに、研磨後の第2のSiGe層3上に、図1の(c)に示すように、Siをエピタキシャル成長して歪みSi層5を15〜22nmの膜厚で形成して、本実施形態の歪みSi層を備えた半導体ウェーハWを作製する。この半導体ウェーハWの歪みSi層5表面におけるラフネスを測定した結果、上記研磨直後とほぼ同じ値が得られた。
【0025】
このように本実施形態の半導体ウェーハWでは、第2のSiGe層3の成膜後に第2のSiGe層3上に研磨用Si層4を成膜し、さらに該研磨用Si層4の成膜後に研磨用Si層4表面から第2のSiGe層3の途中まで研磨するので、研磨用Si層4により十分な削り代を得ることができると共に、第2のSiGe層3の少ない削り代で良好な表面ラフネスを得ることができる。
【0026】
なお、第2のSiGe層3及び研磨用Si層4を0.3μm以上及び0.1μm以上の膜厚でそれぞれ成膜し、研磨用Si層4表面から0.2μm以上の厚さを研磨することにより、厚いSi層により十分な削り代が得られると共に、第2のSiGe層3が十分に残った状態でラフネスの小さい基板を得ることができる。
【0027】
次に、本発明の上記半導体ウェーハWを用いた電界効果型トランジスタ(MOSFET)を、その製造プロセスと合わせて図6を参照して説明する。
【0028】
図6は、本発明の電界効果型トランジスタの概略的な構造を示すものであって、この電界効果型トランジスタを製造するには、上記の製造工程で作製した半導体ウェーハW表面の歪みSi層5上にSiO2のゲート酸化膜6及びゲートポリシリコン膜7を順次堆積する。そして、チャネル領域となる部分上のゲートポリシリコン膜7上にゲート電極(図示略)をパターニングして形成する。
【0029】
次に、ゲート酸化膜6もパターニングしてゲート電極下以外の部分を除去する。さらに、ゲート電極をマスクに用いたイオン注入により、歪みSi層5及び第2のSiGe層3にn型あるいはp型のソース領域S及びドレイン領域Dを自己整合的に形成する。この後、ソース領域S及びドレイン領域D上にソース電極及びドレイン電極(図示略)をそれぞれ形成して、歪みSi層5がチャネル領域となるn型あるいはp型MOSFETが製造される。
【0030】
このように作製されたMOSFETでは、上記製法で作製された半導体ウェーハW上の歪みSi層5にチャネル領域が形成されるので、表面ラフネスが低減された良質な歪みSi層5により高特性なMOSFETを高歩留まりで得ることができる。
【0031】
次に、本発明に係る第2実施形態を、図7を参照しながら説明する。
【0032】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では研磨用Si層4を成膜後にそのまま研磨用Si層4を研磨処理しているのに対し、第2実施形態では、図7の(a)に示すように、研磨用Si層4を成膜した後、図7の(b)に示すように、この状態の基板を水素雰囲気中において800℃以上の温度(例えば、1000℃10分)で熱処理して研磨用Si層4をアニール処理し、その後に、図7の(c)に示すように、第1実施形態と同様に研磨処理を行う点である。
【0033】
すなわち、本実施形態では、研磨工程前に研磨用Si層4を水素雰囲気中において800℃以上の温度で熱処理するので、最表面のSi原子が表面拡散し、再配置する効果により表面ラフネスが低減する。したがって、より表面ラフネスが小さくなった研磨用Si層4を研磨することになるので、研磨工程でより表面ラフネスが小さい第2のSiGe層3を得ることができる。
【0034】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0035】
例えば、上記実施形態では、研磨方法としてSiウェーハの仕上げ研磨におけるCMP技術を用いたが、その他の研磨手段を用いても構わない。例えば、多層配線技術等におけるCMP技術やイオンスパッタ法等による研磨手段でも良い。また、上記実施形態では、削り代となる研磨用Si層が単結晶膜であるが、多結晶膜であっても構わない。
また、緩和層である第2のSiGe層はGe組成比0.3としたが、目的に応じてGe組成比が0.05から1(5%Geから100%Ge)までの値に設定しても構わない。
【0036】
また、上記実施形態の半導体ウェーハの歪みSi層上に、さらにSiGe層を成膜しても構わない。
また、上記実施形態では、MOSFET用の基板としてSiGe層を有する半導体ウェーハを作製したが、他の用途に適用する基板としても構わない。例えば、本発明の半導体基板の製造方法及び半導体基板を太陽電池や光素子用の基板に適用してもよい。すなわち、上述した各実施形態のSi基板上に最表面で65%から100%Geあるいは100%Geとなるように第1のSiGe層及び第2のSiGe層を成膜し、上記酸化膜形成、酸化膜除去及び仕上げ研磨した表面上にInGaP(インジウムガリウムリン)あるいはGaAs(ガリウムヒ素)やAlGaAs(アルミガリウムヒ素)を成膜することで、太陽電池や光素子用基板を作製してもよい。この場合、良好な表面ラフネスで高特性の太陽電池用基板が得られる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
本発明の半導体基板及び半導体基板の製造方法によれば、SiGe成膜工程後にSiGe層上にSi層を成膜するSi成膜工程と、該Si成膜工程後にSi層表面からSiGe層の途中まで研磨する研磨工程とを有するので、Si層により十分な削り代を得ることができると共に少ないSiGe層の削り代で良好な表面ラフネスを得ることができ、生産性に優れた基板を得ることができる。
さらに、このSiGe層上に歪みSi層を形成すれば、表面ラフネスの小さな良質な歪みSi層が得られ、例えば歪みSi層をチャネル領域とするMOSFET等を用いた集積回路用として好適な半導体基板を得ることができる。
【0038】
また、本発明の電界効果型トランジスタ及び電界効果型トランジスタの製造方法によれば、上記本発明の半導体基板又は上記本発明の半導体基板の製造方法により作製された半導体基板の前記歪みSi層に前記チャネル領域が形成されるので、良好な表面ラフネスで良質な歪みSi層により高特性なMOSFETを高歩留まりで得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1実施形態における半導体基板を工程順に示す断面図である。
【図2】 本発明に係る第1実施形態における第1のSiGe層及び第2のSiGe層の膜厚に対するGe組成比を示すグラフである。
【図3】 本発明に係る第1実施形態において、研磨用Si層の膜厚に対するRMS値を示すグラフである。
【図4】 本発明に係る第1実施形態において、研磨用Si層の膜厚に対するSiGe層の緩和係数を示すグラフである。
【図5】 本発明に係る第1実施形態において、研磨量に対するRMS値を示すグラフである。
【図6】 本発明に係る第1実施形態におけるMOSFETを示す概略的な断面図である。
【図7】 本発明に係る第2実施形態における半導体基板を工程順に示す断面図である。
【図8】 本発明に係る従来例において、SiGe層の膜厚に対するRMS値を示すグラフである。
【図9】 本発明に係る従来例において、SiGe層の膜厚に対するSiGeの緩和係数を示すグラフである。
【図10】 本発明に係る従来例において、SiGe層の研磨量に対するRMS値を示すグラフである。
【符号の説明】
1 Si基板
2 第1のSiGe層(傾斜組成領域)
3 第2のSiGe層
4 研磨用Si層
5 歪みSi層
6 SiO2ゲート酸化膜
7 ゲートポリシリコン膜
S ソース領域
D ドレイン領域
W 半導体ウェーハ(半導体基板)
Claims (6)
- Si基板上にSiGe層をエピタキシャル成長させた半導体基板の製造方法であって、
前記Si基板上に前記SiGe層をエピタキシャル成長するSiGe成膜工程と、
該SiGe成膜工程後に前記SiGe層上にSi層を成膜するSi成膜工程と、
該Si成膜工程後に前記Si層表面から前記SiGe層の途中まで研磨する研磨工程と、
前記研磨工程前に前記Si層を800℃以上の温度で熱処理するアニール工程とを有することを特徴とする半導体基板の製造方法。 - 請求項1に記載の半導体基板の製造方法において、
前記SiGe成膜工程は、前記SiGe層を0.3μm以上の膜厚で成膜し、
前記Si成膜工程は、前記Si層を0.1μm以上の膜厚で成膜し、
前記研磨工程は、前記Si層表面から0.2μm以上の厚さを研磨することを特徴とする半導体基板の製造方法。 - 請求項1又は2に記載の半導体基板の製造方法において、
前記アニール工程は、水素雰囲気中で前記熱処理を行うことを特徴とする半導体基板の製造方法。 - 請求項1から3のいずれかに記載の半導体基板の製造方法において、
前記SiGe成膜工程は、前記SiGe層のうち少なくとも一部にGe組成比を表面に向けて漸次増加させた傾斜組成領域を形成することを特徴とする半導体基板の製造方法。 - Si基板上にSiGe層を介して歪みSi層が形成された半導体基板の製造方法であって、
請求項1から4のいずれかに記載の半導体基板の製造方法により作製された半導体基板の前記SiGe層上に直接又は他のSiGe層を介して前記歪みSi層をエピタキシャル成長することを特徴とする半導体基板の製造方法。 - SiGe層上にエピタキシャル成長された歪みSi層にチャネル領域が形成される電界効果型トランジスタの製造方法であって、
請求項5に記載の半導体基板の製造方法により作製された半導体基板の前記歪みSi層に前記チャネル領域を形成することを特徴とする電界効果型トランジスタの製造方法。
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