JP4854835B2 - 液晶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶媒体、ならびに電気光学用途におけるその使用およびこの媒体を含有するディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶は、特に表示デバイスで誘電体として使用される。この理由は、このような物質の光学的性質は、印加電圧により変更することができるからである。液晶に基づく電気光学デバイスは当業者に非常によく知られており、各種効果に基づくことができる。この種のデバイスの例には、動的散乱を有するセル、DAPセル(整列相の変形)、ゲスト/ホストセル、ねじれネマティック構造を有するTNセル、STNセル(スーパーツィストネマティック)、SBEセル(超複屈折効果)およびOMIセル(光学モード干渉)がある。最も慣用の表示デバイスは、シャット−ヘルフリッヒ効果に基づくものであり、ねじれネマティック構造を有する。
液晶材料は、良好な化学的安定性および熱に対する安定性を有し、さらにまた電場および電磁照射線に対する良好な安定性を有していなければならない。さらにまた、液晶材料は、低粘度を有するべきであり、またセルにおいて短い応答時間、低いしきい値電圧および大きいコントラストをもたらさなければならない。
【0003】
さらに、これらの材料は、標準的動作温度において、すなわち室温以上および室温以下の可能な限り最大範囲の動作温度において、適当な中間相、例えば上記セルに適するネマティックまたはコレステリック中間相を有していなければならない。液晶は一般に、複数の成分の混合物として使用されることから、これらの成分が相互に容易に混和することができることは重要である。導電性、誘電異方性および光学異方性などのさらに別の性質は、セルの種類および用途分野に応じて種々の要件に適合しなければならない。例えば、ねじれネマティック構造を有するセル用の材料は、正の誘電異方性および小さい導電性を有するべきである。
一例として、個々の画素を切換えるための集積非線型素子を備えたマトリックス液晶ディスプレイ(マトリックスLCD)は理想的には、大きい正の誘電異方性、広範囲のネマティック相、比較的小さい複屈折率、非常に大きい抵抗値、良好なUVおよび温度安定性、ならびに低い蒸気圧を有する媒体が要求まれる。
【0004】
このようなマトリックス液晶ディスプレイは公知である。各画素をそれぞれ切換えるために適する非線型素子には、アクティブ素子(すなわち、トランジスター)が包含される。このような配置は、「アクティブマトリックス」と称され、2つのタイプに分類することができる:
1.基板としてのシリコンウエファー上のMOS(金属酸化物半導体)またはその他のダイオード。
2.基板としてのガラス板上の薄膜トランジスター(TFT)。
基板材料として単結晶シリコンを使用すると、ディスプレイの大きさが制限される。これは、個々の部分表示をモジュラー集合させてさえも、接合部分に問題が生じるからである。
好適であって、さらに有望なタイプ2の場合、使用される電気光学効果は通常、TN効果である。この効果は2種の技術間に相違点を有する:すなわち化合物半導体、例えばCdSeなどからなるTFT、もしくは多結晶形または無定形シリコンを基材とするTFTである。後者の技術に関しては、格別の研究が世界中で行われている。
【0005】
TFTマトリックスは、当該ディスプレイの1方のガラス板の内側に施され、もう1方のガラス板の内側は透明な対向電極を担持している。画素電極の大きさと比較すると、TFTは非常に小さく、また像をほとんど妨害しない。この技術はまた、各フィルター素子が、1対1配置で切換え可能な画素と反対に位置するように、モザイク状の赤色、緑色および青色フィルターが配列されている場合、全色能力を有する画像表示にまで発展させることができる。
TFTディスプレイは通常、透過光内に交差偏光板を有するTNセルとして動作し、裏側からの照射が用いられる。
ここで、マトリックスLCDの用語は、集積非線型素子を備えたマトリックスディスプレイの全部を包含する。すなわちアクティブマトリックスに加えて、またバリスターまたはダイオード(MIM=金属−絶縁体−金属)などの受動的素子を備えたディスプレイを包含する。
【0006】
この種のマトリックスLCDは特に、TV用途(例えば、携帯型テレビ受像機)に、またはコンピューター用途(ラップトップ型)および自動車または航空機用の高度情報ディスプレイ用に適している。コントラストの角度依存性および切換え時間に関連する問題に加えて、マトリックスLCDでは、液晶混合物の不充分に大きい抵抗値による問題が存在する[TOGASHI,S.,SEKIGUCHI,K.,TANABE,H.,YAMAMOTO,E.,SORIMACHI,K.,TAJIMA,E.,WATANABE,H.,SHIMIZU,H. によるProc.Eurodisplay,84,1984年9 月:A 210 〜288; Matrix LCD Controlled by Double Stage Diode Rings,141頁以降、Paris; STROMER,M. によるProc.Eurodisplay,84,1984年9 月:Design of Thin Film Transistors for Matrix Addressing of Television Liquid Crystal Displays,145 頁以降、Paris ]。
【0007】
この抵抗値が減少するほど、マトリックスLCDのコントラストは悪化し、「残像消去」の問題が生じることがある。液晶混合物の抵抗値は一般に、マトリックスLCDの内部表面との相互作用によって、マトリックスLCDの寿命全体を短縮させることから、許容される作業寿命を得るためには、大きい(初期)抵抗値は非常に重要である。特に低電圧混合物の場合、非常に大きい抵抗値を達成することは従来、不可能であった。さらにまた、温度の上昇および熱および/またはUV照射線への露呈後における抵抗値の増加は、できるだけ小さいことがまた重要である。従来技術の混合物の低温物性はまた、特に不利な特徴を有する。低温でも結晶化および/またはスメクティック相が生じないことが要求され、また粘度の温度依存性ができるだけ少ないことが要求される。従って、従来技術によるマトリックスLCDは、現在の要求を満たすものではない。
【0008】
従って、非常に大きい抵抗値を有し、同時に広い動作温度範囲、低温でさえも、短い切換え時間および低いしきい値電圧を有し、さらにまた上記の欠点を有していないか、または有していても少ない程度であるマトリックスLCDに対する格別の要求が継続して存在している。
TN(シャット−ヘルフリッヒ)セルの場合、媒体はセルにおいて下記の利点を有することが可能であることが望まれる:
−拡大されたネマティック相ドメイン(特に低温にまで低下されている)、
−格別に低い温度における切換え能力(野外用、自動車用、航空機用)、
−UV照射線に対する増大した安定性(より長い寿命)。
従来技術から利用できる媒体は、これらの利点の達成を可能にすると同時に、その他のパラメーターを保有するものではない。
スーパーツィストセル(STN)の場合、より大きい時分割特性および/またはより低いしきい値電圧および/またはより広いネマティック相範囲(特に低温における)を可能にする媒体が望ましい。この目的を達成するには、利用できるパラメーター範囲(透明点、スメクティック−ネマティック転移または融点、粘度、誘電パラメーター、弾性パラメーター)をさらに拡大することが格別に望まれる。
【0009】
【発明が解消しようとする課題】
本発明の課題は、特にマトリックスLCD、TNまたはSTNディスプレイ用の媒体であって、前記の欠点を有していないか、あるいは有していても少ない程度のみであり、好ましくは同時に、非常に大きい抵抗値および低いしきい値電圧を有する媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
ここに、本発明による媒体をディスプレイに使用すると、上記課題が解消されることが見出された。
従って、本発明は、正の誘電異方性を有する極性化合物の混合物を基材とする液晶媒体であって、1種または2種以上の一般式IAで表わされる化合物および1種または2種以上の式IBで表わされる化合物を含有することを特徴とする液晶媒体に関する:
【化10】
【0011】
各式中、
R、R* およびR**は、それぞれ相互に独立して、炭素原子1〜12個を有するアルキル基またはアルケニル基であり、この基は未置換であるか、もしくは置換基として、1個のCNまたはCF3 、もしくは少なくとも1個のハロゲンを有しており、さらにこの基中に存在する1個または2個以上のCH2 基は、それぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−または下記基により置き換えられていてもよく、
【化11】
および
【0012】
【化12】
は、それぞれ相互に独立して、下記基を表わし:
【化13】
zは、1または2であり、
Lは、HまたはFであり、および
【0013】
Yは、F、ClまたはCNであるか、もしくは9個までの炭素原子を有するハロゲン化されているアルキル基、ハロゲン化されているアルケニルオキシ基、ハロゲン化されているアルコキシ基またはハロゲン化されているアルケニル基である。
特に、小さい△nを有する混合物の場合、非常に高い透明点および小さい△nを有する化合物は、ほとんど常時、スメクティック相を有し、従って混合物にLTS問題(Low Temperature Stability;低温安定性)を、しばしばもたらす。式IBで表わされる化合物を用いることによって、良好な信頼性、良好なLTSおよび比較的小さい△nを有する極性混合物を製造することができる。さらにまた、本発明による混合物は、それらの良好な保持率の点で際立っている。
【0014】
式IAおよび式IBで表わされる化合物は、広い用途範囲を有する。置換基を選択することによって、これらの化合物は液晶媒体を主として構成する基材として使用することができる;しかしながら、式IAおよび式IBで表わされる化合物はまた、別の種類の化合物からの液晶基材に添加して、例えばこの種の誘電体の誘電異方性および/または光学異方性に影響を与えることができ、および/または△nを減少させることなく、混合物の回転粘度γ1 および/またはそのしきい値電圧を最適にすることができる。
式IAおよび式IBで表わされる化合物は、純粋な状態で無色であり、および電気光学用途に対して有利に位置する温度範囲で液晶中間相を形成する。これらの化合物は、化学的、熱的に、また露光に対して安定である。
式IAおよび式IBで表わされる化合物は、US 4,361,494およびWO 91/03450 に包含されている。本発明はまた、式IBで表わされる化合物に関する。
【0015】
R、R* またはR**がアルキル基および/またはアルコキシ基である場合、この基は直鎖状または分枝鎖状であることができる。この基は好ましくは、直鎖状であって、炭素原子2個、3個、4個、5個、6個または7個を有し、従って好ましくは、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシまたはヘプトキシであり、またメチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、メトキシ、オクトキシ、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシであることができる。
【0016】
オキサアルキルは好ましくは、直鎖状の2−オキサプロピル(=メトキシメチル)、2−(=エトキシメチル)または3−オキサブチル(=2- メトキシエチル)、2−、3−または4−オキサペンチル、2−、3−、4−または5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−または6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−または7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−オキサノニル、もしくは2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−オキサデシルであることができる。
【0017】
R、R* またはR**がアルキル基であり、この基中に存在するCH2 基が、−CH=CH−により置き換えられている場合、この基は直鎖状または分枝鎖状であることができる。好ましくは、この基は直鎖状であって、炭素原子2〜10個を有する。従って、この基は特に、ビニル、プロプ(prop)−1−またはプロプ−2−エニル(enyl)、ブト(but) −1−、2−またはブト−3−エニル、ペント(pent)−1−、2−、3−またはペント−4−エニル、ヘキシ(hex) −1−、2−、3−、4−またはヘキシ−5−エニル、ヘプト(hept)−1−、2−、3−、4−、5−またはヘプト−6−エニル、オクト(oxt) −1−、2−、3−、4−、5−、6−またはオクト−7−エニル、ノン(non) −1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−またはノン−8−エニル、もしくはデク(dec) −1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−またはデク−9−エニルである。これらの中で、ビニル、1E−アルケニル基および3E−アルケニル基は、好適である。
【0018】
R、R* またはR**がアルキル基であって、この基中に存在する1個のCH2 基が−O−により、および1個のCH2 基が−CO−により置き換えられている場合、これらの基は好ましくは、隣接している。従って、これらの基は、アシルオキシ基−CO−O−またはオキサカルボニル基−O−CO−を含有する。これらの基は、好ましくは直鎖状であって、炭素原子2〜6個を有する。従って、これらの基は特に、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、アセチルオキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチル、ペンタノイルオキシメチル、2−アセチルオキシエチル、2−プロピオニルオキシエチル、2−ブチリルオキシエチル、3−アセチルオキシプロピル、3−プロピオニルオキシプロピル、4−アセチルオキシブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、メトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、プロポキシカルボニルメチル、ブトキシカルボニルメチル、2−(メトキシカルボニル)エチル、2−(エトキシカルボニル)エチル、2−(プロポキシカルボニル)エチル、3−(メトキシカルボニル)プロピル、3−(エトキシカルボニル)プロピル、4−(メトキシカルボニル)ブチルである。
【0019】
R、R* またはR**がアルキル基であって、この基中に存在するCH2 基が、未置換または置換されている−CH=CH−により置換されており、また隣接するCH2 基が、COまたはCO−OまたはO−COにより置き換えられている場合、この基は、直鎖状または分枝鎖状であることができる。好ましくは、この基は直鎖状であって、炭素原子4〜12個を有する。従って、この基は特に、アクリロイルオキシメチル、2−アクリロイルオキシエチル、3−アクリロイルオキシプロピル、4−アクリロイルオキシブチル、5−アクリロイルオキシペンチル、6−アクリロイルオキシヘキシル、7−アクリロイルオキシヘプチル、8−アクリロイルオキシオクチル、9−アクリロイルオキシノニル、10−アクリロイルオキシデシル、メタアクリロイルオキシメチル、2−メタアクリロイルオキシエチル、3−メタアクリロイルオキシプロピル、4−メタアクリロイルオキシブチル、5−メタアクリロイルオキシペンチル、6−メタアクリロイルオキシヘキシル、7−メタアクリロイルオキシヘプチル、8−メタアクリロイルオキシオクチル、9−メタアクリロイルオキシノニルである。
【0020】
R、R* またはR**がアルキル基またはアルケニル基あって、この基が、CNまたはCF3 により置換されている場合、この基は好ましくは、直鎖状である。CNまたはCF3 による置換は、いずれかの位置であることができる。
R、R* またはR**がアルキル基またはアルケニル基あって、少なくとも1個のハロゲンにより置換されている場合、この基は好ましくは、直鎖状であり、またハロゲンは好ましくは、FまたはClである。多置換されている場合、ハロゲンは好ましくは、Fである。生成する基はまた、過フッ素化基を包含する。1個の置換基を有する場合、このフッ素または塩素置換基はいずれか所望の位置に存在することができるが、好ましくはω−位置に存在する。
重合反応に適する側鎖基R、R* 、R**を有する式IAおよび式IBで表わされる化合物は、液晶ポリマーの製造に適する。
【0021】
分枝鎖状側鎖基R、R* 、R**を有する式IAおよび式IBで表わされる化合物は、これらが標準的液晶基礎材料中で良好な溶解性を有することから、場合により重要であるが、特にこれらが光学活性である場合、カイラルドーピング剤として重要である。この種のスメクティック化合物は、強誘電性材料の成分として適している。
SA 相を有する式IAおよび/または式IBで表わされる化合物は、例えば熱によりアドレスされるディスプレイに適している。
この種の分枝鎖状基は一般に、1個よりも多くない鎖分枝を有する。好適な分枝鎖状基R、R* 、R**は、イソプロピル、2−ブチル(=1−メチルプロピル)、イソブチル(=2−メチルプロピル)、2−メチルブチル、イソペンチル(=3−メチルブチル)、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルペンチル、イソプロポキシ、2−メチルプロポキシ、2−メチルブトキシ、3−メチルブトキシ、2−メチルペントキシ、3−メチルペントキシ、2−エチルヘキソキシ、1−メチルヘキソキシおよび1−メチルヘプトキシである。
【0022】
R、R* またはR**がアルキル基であって、この基中に存在する2個または3個以上のCH2 基が、−O−および/または−CO−O−により置き換えられている場合、この基は、直鎖状または分枝鎖状であることができる。好ましくは、この基は分枝鎖状であって、炭素原子3〜12個を有する。従って、この基は特に、ビスカルボキシメチル、2,2−ビスカルボキシエチル、3,3−ビスカルボキシプロピル、4,4−ビスカルボキシブチル、5,5−ビスカルボキシペンチル、6,6−ビスカルボキシヘキシル、7,7−ビスカルボキシヘプチル、8,8−ビスカルボキシオクチル、9,9−ビスカルボキシノニル、10,10−ビスカルボキシデシル、ビス(メトキシカルボニル)メチル、2,2−ビス(メトキシカルボニル)エチル、3,3−ビス(メトキシカルボニル)プロピル、4,4−ビス(メトキシカルボニル)ブチル、5,5−ビス(メトキシカルボニル)ペンチル、6,6−ビス(メトキシカルボニル)ヘキシル、7,7−ビス(メトキシカルボニル)ヘプチル、8,8−ビス(メトキシカルボニル)オクチル、ビス(エトキシカルボニル)メチル、2,2−ビス(エトキシカルボニル)エチル、3,3−ビス(エトキシカルボニル)プロピル、4,4−ビス(エトキシカルボニル)ブチル、5,5−ビス(エトキシカルボニル)ペンチルである。
式IAで表わされる化合物において、Yは好ましくは、
【0023】
【化14】
【0024】
【化15】
である。
【0025】
式IAおよび式IBで表わされる化合物は、刊行物(例えば Houben-Weylによる Methoden der Organishen Chemie,Georg-Thieme出版社、Stuttgart などの標準的学術書)に記載されているようなそれ自体公知の方法により、当該反応に適する公知の反応条件の下に製造することができる。本明細書には詳細に記載されていないが、それ自体は公知である変法をここで使用することも包含される。
式IBで表わされる化合物は、例えば下記のとおりにして製造することができる:
【0026】
【化16】
スキーム 1
【0027】
【化17】
スキーム 2
【0028】
本発明はまた、このような媒体を含有する電気光学ディスプレイ(特に、外枠と一緒になってセルを形成している2枚の面平行基板、この基板上の各画素を切り換えるための集積非線型素子、およびセル内に存在している正の誘電異方性および大きい抵抗値を有するネマティック液晶混合物を備えたSTNディスプレイまたはマトリックスLCD、およびこれらの媒体の電気光学用途における使用に関する。
本発明による液晶混合物は、利用できるパラメーター範囲の格別の拡大を可能にする。
透明点、低温における粘度、熱および紫外線安定性および誘電異方性について達成することができる組合わせは、現時点の従来技術の材料に比較して、はるかに優れている。
【0029】
本発明による液晶混合物は、−20℃に低下、好ましくは−30℃に低下、特に好ましくは−40℃に低下しても、ネマティック相を保持しながら、80℃以上、好ましくは90℃以上、特に好ましくは100℃以上の透明点の達成を可能にし、同時に、△ε≧3、好ましくは≧4の誘電異方性値および大きい抵抗値の達成を可能にする。このことは、優れたSTNディスプレイおよびマトリックスLCDを得ることができることを意味する。特に、この混合物は、低い動作電圧を有するという特徴を有する。TNしきい値は、2.4V以下、好ましくは2.2V以下、特に好ましくは<2.0Vである。
本発明による混合物は、成分を適当に選択することによって、他の有利な物性を保有しながら、高いしきい値電圧と組合わされている高い透明点(例えば、110゜以上)を達成することができ、もしくは低いしきい値電圧と組合わされている、低い透明点を達成することができることは言うまでもない。
【0030】
同様に、粘度を対応して少し増加させた場合、大きい△ε値を有し、従って比較的低いしきい値を有する混合物を得ることができる。本発明によるマトリックスLCDは好ましくは、グーチおよびタリイ(Gooch and Tarry)の第一透過率極小値で動作する[C.H.Gooch and H.A.Tarry によるElectron.Lett.,10, 2〜4,1974; C.H.Gooch and H.A.Tarrによる Appl.Phys.,Vol.8,1575〜1584,1975]。この場合、例えば特性曲線の急峻な傾斜およびコントラストの小さい角度依存性などの特に好ましい電気光学的性質が得られる(ドイツ国特許 3022818)ばかりでなく、また類似ディスプレイにおけるしきい値電圧と同一のしきい値電圧と組合わされて、より小さい誘電異方性値でも、第二極小値において充分である。従って、シアノ化合物を含有する混合物を使用した場合に比較して、本発明による混合物を使用することによって第一極小値において際立って大きい抵抗値を得ることができる。当業者は簡単で慣用の方法を使用して、各成分およびそれらの重量割合を適当に選択することによって、予め定められた層厚さのマトリックスLCDに必要な複屈折値を調整することができる。
【0031】
20℃における流動粘度v20は好ましくは、<60mm2 /秒、特に好ましくは<50mm2 /秒である。そのネマティック相ドメインは好ましくは、少なくとも90゜、特に少なくとも100゜である。このドメインは好ましくは、少なくとも−20℃から+80℃まで拡大している。
尺度「容量保持率」(HR)[S.Matsumoto 等による Liquid Crystals,5,1320(1989); K.Niwa 等による Proc.SID Conference,San Francisco,1984 年 6月、304 頁(1984); G.Weber 等による Liquid Crystals,5,1381(1989)]の測定値は、式IBで表わされる化合物の代わりに、式:
【0032】
【化18】
で表わされるシアノフェニルシクロヘキサン化合物または式:
【化19】
で表わされるエステル化合物を含有する類似混合物に比較して、式IAおよび式IBで表わされる化合物を含有する本発明による混合物が、温度上昇に付随するHR値の減少について、格別に少ないことを示すことを証明する。
本発明による混合物の紫外線安定性はまた、格別に良好である、すなわちこれらの混合物が紫外線照射にさらされた場合に示すHRの減少は際立って少ない。
【0033】
本発明による媒体は好ましくは、複数(好ましくは2種、3種、4種または5種以上)の式IAおよび/または式IBで表わされる化合物を基礎材料とするものである。すなわちこれらの化合物の割合は、5〜95%、好ましくは10〜60%、特に好ましくは20〜50%の範囲にある。
本発明による媒体に使用することができる式IA、式IB、式II〜XVIおよびそれらの付属式で表わされる化合物はそれぞれ、公知であるか、またはこれらの化合物は、公知化合物の方法と同様の方法で製造することができる。
好適態様を以下に示す:
−式IAで表わされる化合物は、化合物IA1〜IA10からなる群から選択すると好ましい:
【0034】
【化20】
【0035】
【化21】
【0036】
各式中、Rは、請求項1に記載の意味を有するが、好ましくは直鎖状アルキル、ビニル、1E−アルケニルまたは3E−アルケニルであり、特にメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチルまたはn−ヘキシルである。
−式IBで表わされる化合物において、R* およびR**は、それぞれ相互に独立して、好ましくは直鎖状アルキル、アルコキシ、アルケニルまたはアルケニルオキシであり、特に炭素原子1〜5個を有するアルキルである。
−好適液晶混合物は、2種または3種の式IBで表わされる化合物を含有する。特に好ましい混合物は、2種または3種の式IB1〜IB6で表わされる化合物を含有する:
【0037】
【化22】
【0038】
−媒体は、一般式II〜VIIIからなる群から選択される、1種または2種以上の化合物をさらに含有する:
【化23】
【0039】
各式中、各基は、下記の意味を有する:
R0 :9個までの炭素原子を有するn−アルキル、オキサアルキル、フルオロアルキル、アルケニルオキシまたはアルケニル、
X0 :FまたはCl、もしくは炭素原子1〜6個を有するハロゲン化されているアルキル、アルケニルまたはアルコキシ、
Z0 :−C2 H4 −、−CH2 O−、−OCH2 −、−CF2 O−、−OCF2 −、−CF=CF−または−C2 F4 −、
Y1 〜Y4 :それぞれ相互に独立して、HまたはF、
r:0または1。
式IVで表わされる化合物は、好ましくは下記化合物である:
【0040】
【化24】
【0041】
この場合、式IIおよび式IVで表わされる化合物は、式IAで表わされる化合物と、同一ではない。
−媒体は、一般式IX〜XVIからなる群から選択される1種または2種以上の化合物をさらに含有する:
【化25】
【0042】
【化26】
【0043】
各式中、R0 、X0 、Y1 およびY2 は、それぞれ相互に独立して、請求項2に記載の意味の一つを有する。X0 は好ましくは、F、Cl、CF3 、OCF3 、OCHF2 、OCHFCF3 、OC2 F5 であり、またOCH=CF3 、OCF=CF2 、OCF=CHF、OCH=CH−CF3 、OCF2 CHF2 、C2 F5 、C3 F7 、OCH2 CH2 CF3 である。R0 は好ましくは、それぞれ6個までの炭素原子を有するアルキル、オキサアルキル、フルオロアルキル、アルケニルオキシまたはアルケニルである。
−媒体は、1種または2種以上の式RI、式RII、式RIII、式RIVまたは式RVで表わされる化合物をさらに含有する:
【0044】
【化27】
【0045】
各式中、R0 は、上記の意味を有し、好ましくは炭素原子1〜6個を有する直鎖状アルキルであり、ならびにalkenylおよびalkenyl* は、炭素原子2〜9個を有する直鎖状または分枝鎖状アルケニル基であり、それぞれ好ましくは、相互に独立して、ビニル、もしくは9個までの炭素原子を有する1E−アルケニル、3E−アルケニルまたは4−アルケニルであり、alkylおよびalkyl* は、炭素原子1〜9個を有する直鎖状アルキルであり、bは、0、1または2である。
−全体としての混合物中の式IA、式IBおよび式II〜VIで表わされる化合物の割合は、一緒になって、少なくとも50重量%である;
−全体としての混合物中の式IAおよび式IBで表わされる化合物の割合は、10〜100重量%である;
−全体としての混合物中の式IBで表わされる化合物の割合は、2〜30重量%、好ましくは4〜20重量%である;
−全体としての混合物中の式II〜VIIIで表わされる化合物の割合は、10〜50重量%である;
【0046】
【化28】
【0047】
−媒体は好ましくは、式IAおよび式IBで表わされる化合物に加えて、1種または2種以上、好ましくは2種、3種または4種の式II、式III、式IV、式V、式VI、式VIIおよび/または式VIIIで表わされる化合物を含有する;
−本発明による媒体は好ましくは、1種または2種以上の下記式で表わされる化合物を含有する:
【0048】
【化29】
【0049】
【化30】
【0050】
−R0 は、炭素原子2〜7個を有する直鎖状アルキルまたはアルケニルである;
−媒体は基本的に、式IA、式IBおよび式II〜VIIIで表わされる化合物からなる;
−媒体は、好ましくは一般式XVII〜XXからなる下記群から選択される化合物をさらに含有する:
【0051】
【化31】
【0052】
各式中、R0 、Y1 およびY2 は、上記意味を有し、およびその1,4−フェニレン環は、1個または2個のCN、塩素またはフッ素原子により置換されていてもよい。好ましくは、この1,4−フェニレン環は、置換基として、1個または2個以上のフッ素原子を有する。
−(IA+IB):(II+III+IV+V+VI+VII+VIII)重量比は、好ましくは1:10〜10:1である。
−媒体は基本的に、一般式IA、式IB、式II〜XVI、式RI、式RII、式RIII、式RIVおよび/または式RVからなる群から選択される化合物からなる。
−全体としての混合物中の式RI、式RIIおよび/または式RIIIで表わされる化合物の割合は、5〜60重量%、好ましくは10〜40重量%である。
【0053】
慣用の液晶材料に、特に1種または2種以上の式II、式III、式IV、式V、式VI、式VIIおよび/または式VIIIで表わされる化合物と混合されている、式IAおよび式IBで表わされる化合物は、比較的少ない割合でさえも、しきい値電圧の格別の減少および低い複屈折値を導き、また低いスメクティック−ネマティック転移温度を有する広ドメインのネマティック相が同時に見出され、これにより貯蔵安定性が改良される。特に好ましい混合物は、1種または2種以上の式IAおよび式IBで表わされる化合物に加えて、1種または2種以上の式IVで表わされる化合物、特に式IVaにおいて、X0 がFまたはOCF3 である化合物を含有する。式IA、式IBおよび式II〜VIIIで表わされる化合物は、無色であり、安定であり、また相互におよび他の液晶材料と容易に混和する。
「alkyl 」および「alkyl * 」の用語は、炭素原子1〜6個を有する直鎖状および分枝鎖状アルキル基を包含し、特に直鎖状基、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルおよびヘキシルを包含する。炭素原子2〜5個を有する基は一般に好適である。
【0054】
「alkenyl 」および「alkenyl * 」の用語は、炭素原子2〜9個を有する直鎖状および分枝鎖状アルケニル基、特に直鎖状基を包含する。アルケニル基は特に、C2 〜C7 −1E−アルケニル、C4 〜C7 −3E−アルケニル、C5 〜C7 −4−アルケニル、C6 〜C7 −5−アルケニルおよびC7 −6−アルケニル、特にC2 〜C7 −1E−アルケニル、C4 〜C7 −3E−アルケニルおよびC5 〜C7 −4−アルケニルである。好適アルケニル基の例には、ビニル、1E−プロペニル、1E−ブテニル、1E−ペンテニル、1E−ヘキセニル、1E−ヘプテニル、3E−ブテニル、3E−ペンテニル、3E−ヘキセニル、3E−ヘプテニル、4−ペンテニル、4Z−ヘキセニル、4E−ヘキセニル、4Z−ヘプテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニルなどがある。5個までの炭素原子を有する基は一般に好適である。
【0055】
「フルオロアルキル」の用語は好ましくは、末端にフッ素を有する直鎖状基、すなわちフルオロメチル、2−フルオロエチル、3−フルオロプロピル、4−フルオロブチル、5−フルオロペンチル、6−フルオロヘキシルおよび7−フルオロヘプチルを包含する。しかしながら、フッ素の別の位置も除外されない。
「オキサアルキル」の用語は好ましくは、式Cn H2n+1−O−(CH2 )m で表わされる直鎖状基(式中、nおよびmは、それぞれ相互に独立して、1〜6の範囲にある)を包含する。好ましくは、n=1であり、またmは1〜6である。
R0 およびX0 の意味を適当に選択することによって、応答時間、しきい値電圧、透過特性曲線の急峻度などを所望に応じて改変することができる。例えば、1E−アルケニル基、3E−アルケニル基、2E−アルケニルオキシ基などは一般に、アルキル基またはアルコキシ基に比較して、短い応答時間、改良されたネマティック相形成傾向および弾性定数K33(ベンド)とK11(スプレイ)との大きい比をもたらし、またアルキル基およびアルコキシ基に比較して、低いしきい値電圧および小さいK33/K11値を一般にもたらす。
【0056】
−CH2 CH2 基は、1個の共有結合に比較して、より大きいK33/K11値をもたらす。K33/K11値が大きいほど、例えば90゜のねじれを有するTNセル(中間調を得るため)における透過特性曲線の急峻度は小さくなり、またSTN、SBEおよびOMIセル(より大きい時分割特性)における透過特性曲線は、より急峻になり、その逆も真である。
式(IA+IB)で表わされる化合物と式II+式III+式IV+式V+式VI+式VII+式VIIIで表わされる化合物との最適量比は、所望の性質、式IA、式IB、式II、式III、式IV、式V、式VI、式VIIおよび/または式VIIIで表わされる成分の選択、および存在するいずれかその他の成分の選択にほとんど依存する。上記範囲内の適当な量比は、場合毎に容易に決定することができる。
【0057】
本発明による混合物中の式IA、式IB、式II〜XVIで表わされる化合物の総量に制限はない。従って、これらの混合物は、1種または2種以上の追加の成分を含有することができ、これにより種々の性質を最適にすることができる。しかしながら、応答時間およびしきい値電圧に対して見出される効果は一般に、式IA、式IB、式II〜XVIで表わされる化合物の総濃度が高いほど大きくなる。
特に好ましい態様において、本発明による媒体は、式II〜VIII(好ましくは、式II、式IIIおよび/または式IV、特に式IVa)において、X0 が、F、OCF3 、OCHF2 、OCH=CF2 、OCF=CF2 またはOCF2 −CF2 Hである化合物を含有する。式IAで表わされる化合物と式IBで表わされる化合物との有益な相乗効果は、特に有利な性質をもたらす。
【0058】
偏光板、電極基板および表面処理された電極を包含する本発明によるマトリックスLCDの構造は、このようなディスプレイの標準的デザインに相当する。本明細書内において、「標準的デザイン」の用語は、広く解釈されるべきであり、誘導型および改変型のマトリックスLCDの全部、特に例えばポリ−Si、TFTまたはMIMに基づくマトリックス表示素子を包含する。
しかしながら、本発明によるディスプレイと現在まで慣用のねじれネマティックセルに基づくディスプレイとの基本的相違点は、その液晶層の液晶パラメーターの選択にある。
本発明に従い使用することができる液晶混合物は、それ自体慣用の方法により製造することができる。一般に、少ない方の量で使用する成分の所望量を、好ましくは高められた温度で、主要成分を構成する成分中に溶解する。別法では、有機溶剤、例えばアセトン、クロロホルムまたはメタノール中の成分の溶液を混合し、次いで充分に混合した後、例えば蒸留によって、溶剤を再度、分離する。
【0059】
誘電体はまた、当業者に公知であり、刊行物に記載されている追加の添加剤を含有することもできる。例えば、0〜15%の多色性染料またはカイラルドーピング剤を添加することができる。
Cは結晶相を表わし、Sはスメクティック相を表わし、SC はスメクティックCを表わし、Nはネマティック相を表わし、またIはアイソトロピック相を表わす。
V10は、10%透過率(基板表面に対して垂直方向の視覚)にかかわる電圧を表わす。tonは、V10値の2.5倍に相当する動作電圧におけるオン時間を表わし、またtoff は、オフ時間を表わす。△nは光学異方性を表わし、またn0 は屈折率を表わす。△εは誘電異方性を表わす(△ε=ε‖−ε⊥、この式において、ε‖は、分子の長軸に対して平行の誘電定数を表わし、またε⊥は、分子の長軸に対して垂直の誘電定数を表わす)。電気光学データは、別段の記載がないかぎり、20℃で第一極小値(すなわち、0.5のd・△n値)において、TNセルで測定した。光学データは、別段の記載がないかぎり、20℃で測定した。
【0060】
本特許出願書および下記の例において、液晶化合物の構造は頭文字で示されており、下記表AおよびBに従い、その化学式に変換することができる。基Cn H2n+1およびCm H2m+1は全部が、n個またはm個の炭素原子を有する直鎖状アルキル基である;nおよびmは、相互に独立して、整数、好ましくは0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12の整数を表わす。表Bによるコードは、自明である。表Aにおいて、基本構造に関わる頭文字のみが示されている。
各場合に、この基本構造に関わる頭文字の後に、ハイフンで分離して、置換基R1 、R2 、L1 およびL2 に関するコードが示されている:
【0061】
【表1】
【0062】
好適混合物成分を、表AおよびBに列挙する。
表 A:
【化32】
【0063】
【化33】
【0064】
表 B:
【化34】
【0065】
【化35】
【0066】
【化36】
【0067】
【実施例】
下記の例は、本発明を説明しようとするものであり、制限するものではない。本明細書全体をとおして、パーセンテージは、重量によるパーセントで示されている。全部の温度は、摂氏度で示されている。m.p.は、融点を意味し、c.p.=透明点である。その他の記号:C=結晶状態、N=ネマティック相、S=スメクティック相、およびI=アイソトロピック相。これらの記号間のデータは、転移温度を表わす。△nは、光学異方性を意味する(589nm、20℃)。流動粘度υ20(mm2 /秒)および回転粘度γ1(mPa・s)はそれぞれ、20℃で測定した。
【0068】
「標準仕上げ処理」は、必要に応じて、水を添加し、この混合物をジクロロメタン、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルまたはトルエンで抽出し、次いで相を分離させ、この有機相を乾燥させ、溶剤を蒸発させ、次いで生成物を、減圧における蒸留または結晶化および/またはクロマトグラフイにより精製する。下記の略語を用いる;
n−BuLi n−ヘキサン中のn−ブチルリチウムの1.6モル溶液
DMAP 4−(ジメチルアミノ)ピリジン
THF テトラヒドロフラン
DCC N,N´−ジシクロヘキシルカルボジイミド
【0069】
例1
工程1.1
【化37】
【0070】
トルエン200ml中の化合物A 80mmol、化合物B 80mmol、4−(ジメチルアミノ)ピリジン0.977gを、初期供給物として、5℃で導入する。トルエン70ml中のN,N´−ジシクロヘキシルカルボジイミド88mmolの溶液を、5〜10℃で滴下して添加する。この混合物を室温で一夜にわたり撹拌する。
最終仕上げは、標準的方法に従う。この生成物を、酢酸エチルから再結晶させる。
【0071】
工程1.2
【化38】
【0072】
化合物C 45mmolを、無水THF 200ml中の溶解し、次いで三フッ化ホウ素−THF錯体157.5mmolを、15〜25℃で滴下して添加し、この混合物を、氷で冷却させる。この溶液に、ジエチレングリコールジメチルエーテル100ml中のホウ水素化ナトリウム112.5mmolの溶液を次いで、15〜25℃で滴下して添加する。この混合物を室温まで温め、次いでさらに4時間、撹拌する。最終仕上げは、標準的方法に従う。この生成物を、酢酸エチルから再結晶させる。
同様の方法で、下記の化合物が製造される:
【0073】
【化39】
【0074】
【化40】
【0075】
【化41】
【0076】
【化42】
【0077】
【化43】
【0078】
【化44】
【0079】
【化45】
【0080】
混合物の例
例 M1
【表2】
【0081】
例 M2
【表3】
【0082】
例 M3
【表4】
【0083】
例 M4
【表5】
【0084】
例 M5
【表6】
【0085】
例 M6
【表7】
【0086】
例 M7
【表8】
【0087】
例 M8
【表9】
【0088】
例 M9
【表10】
【0089】
例 M10
【表11】
【0090】
例 M11
【表12】
【0091】
例 M12
【表13】
【0092】
例 M13
【表14】
【0093】
例 M14
【表15】
【0094】
例 M15
【表16】
【0095】
例 M16
【表17】
【0096】
例 M17
【表18】
【0097】
例 M18
【表19】
【0098】
例 M19
【表20】
【0099】
例 M20
【表21】
【0100】
例 M21
【表22】
【0101】
例 M22
【表23】
【0102】
例 M23
【表24】
【0103】
例 M24
【表25】
【0104】
例 M25
【表26】
【0105】
例 M26
【表27】
【0106】
例 M27
【表28】
【0107】
例 M28
【表29】
【0108】
例 M29
【表30】
【0109】
例 M30
【表31】
【0110】
例 M31
【表32】
【0111】
例 M32
【表33】
【0112】
例 M33
【表34】
【0113】
例 M34
【表35】
【0114】
例 M35
【表36】
【0115】
例 M36
【表37】
【0116】
例 M37
【表38】
【0117】
例 M38
【表39】
【0118】
例 M39
【表40】
【0119】
例 M40
【表41】
【0120】
例 M41
【表42】
【0121】
例 M42
【表43】
【0122】
例 M43
【表44】
【0123】
例 M44
【表45】
【0124】
例 M45
【表46】
【0125】
例 M46
【表47】
【0126】
例 M47
【表48】
【0127】
例 M48
【表49】
【0128】
例 M49
【表50】
【0129】
例 M50
【表51】
【0130】
例 M51
【表52】
【0131】
例 M52
【表53】
【0132】
例 M53
【表54】
【0133】
例 M54
【表55】
【0134】
例 M55
【表56】
【0135】
例 M56
【表57】
【0136】
例 M57
【表58】
Claims (16)
- 正の誘電異方性を有する極性化合物の混合物を基材とする液晶媒体であって、1種または2種以上の一般式IAで表わされる化合物および1種または2種以上の式IBで表わされる化合物を含有することを特徴とする、前記液晶媒体:
Rは、炭素原子1〜12個を有するアルキル基またはアルケニル基であり、この基は未置換であるか、もしくは置換基として、1個のCNまたはCF3、もしくは少なくとも1個のハロゲンを有しており、さらにこの基中に存在する1個または2個以上のCH2基は、それぞれ相互に独立して、酸素原子が相互に直接に結合しないものとして、−O−、−S−、−CO−、−CO−O−、−O−CO−、−O−CO−O−または下記基により置き換えられていてもよく:
Yは、F、ClまたはCNであるか、もしくは9個までの炭素原子を有するハロゲン化されているアルキル基、ハロゲン化されているアルケニルオキシ基、ハロゲン化されているアルコキシ基またはハロゲン化されているアルケニル基であり、および
zは、1または2である。 - R、R*およびR**が、それぞれ相互に独立して、炭素原子1〜12個を有する、未置換のアルキル基またはアルケニル基である、
請求項1に記載の媒体。 - R、R*およびR**が、それぞれ相互に独立して、炭素原子1〜12個を有する未置換のアルキル基である、
請求項1または2に記載の媒体。 - Lが、Fである、
請求項1〜4のいずれかに記載の媒体。 - Yが、Fまたは9個までの炭素原子を有するハロゲン化されているアルコキシ基である、
請求項1〜5のいずれかに記載の媒体。 - 一般式II、III、IV、V、VI、VIIおよびVIIIからなる群から選択される1種または2種以上の化合物をさらに含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の媒体:
R0:それぞれ9個までの炭素原子を有するn−アルキル、オキサアルキル、フルオロアルキル、アルケニルオキシまたはアルケニル、
X0:FまたはCl、もしくは炭素原子1〜6個を有するハロゲン化されているアルキル、アルケニルまたはアルコキシ、
Z0:−C2H4−、−CF=CF−、−CH2O−、−OCH2−、−CF2O−、−OCF2−または−C4F4−、
Y1〜Y4:それぞれ相互に独立して、HまたはF、
r:0または1、
ただし、式IIおよび式IVで表わされる化合物は、式IAで表わされる化合物と同一ではないものとする。 - 全体としての混合物中の式IAで表わされる化合物および式IBで表わされる化合物の割合は一緒になって、10〜95重量%であることを特徴とする、請求項8に記載の媒体。
- 全体としての混合物中の式II〜VIIIで表わされる化合物の割合は、10〜50重量%であることを特徴とする、請求項8または9のいずれかに記載の媒体。
- 混合物が、2種または3種の式IBで表わされる化合物を含有することを特徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載の媒体。
- X0が、FまたはOCF3であり、またY2が、HまたはFであることを特徴とする、請求項8〜12のいずれかに記載の媒体。
- 式IAで表わされる化合物において、Yが、F、Cl、CN、CF3、CF2H、OCF3、OCF2H、OCFHCF3、OCFHCFH2、OCFHCF2H、OCF2CH3、OCF2CFH2、OCF2CF2H、OCF2CF2CF2H、OCF2CF2CFH2、OCFHCF2CF3、OCFHCF2CF2H、OCF2CF2CF3、OCF2CHFCF3、OCClFCF2CF3またはOCH=CF2であることを特徴とする、請求項1〜5および8〜13のいずれかに記載の媒体。
- 請求項1に記載の液晶媒体の電気光学用途における使用。
- 請求項1に記載の液晶媒体を含有する電気光学液晶ディスプレイ。
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DE19927993.4 | 1999-06-18 | ||
DE19961305 | 1999-12-18 | ||
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Publications (2)
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