JP4854822B1 - 電気絶縁油の検査方法、電気絶縁油の処理方法、および、油入電気機器のメンテナンス方法 - Google Patents

電気絶縁油の検査方法、電気絶縁油の処理方法、および、油入電気機器のメンテナンス方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、電気絶縁油中に抑制剤消費物質が含まれるか否かを判断するための電気絶縁油の検査方法であって、前記抑制剤消費物質は、前記電気絶縁油中に浸漬された絶縁紙上への硫化銅生成を抑制するために前記電気絶縁油中に添加される抑制剤の濃度を経時的に低減させる原因となる物質であり、前記電気絶縁油を所定の条件で保存して抑制剤濃度を測定し、所定期間内に抑制剤濃度の初期濃度に対する減少量が一定量以上に達した場合は、抑制剤消費物質が存在すると判断する、電気絶縁油の検査方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、油入変圧器などの油入電気機器に使用される電気絶縁油の検査方法、電気絶縁油の処理方法、および、油入電気機器のメンテナンス方法に関する。
より詳細には、電気絶縁油中に浸漬された絶縁紙上への硫化銅生成を抑制するための抑制剤を添加する場合において、電気絶縁油中の抑制剤濃度を経時的に低減させる原因となる物質(以下、「抑制剤消費物質」と略す。)が存在するか否かを判断するための検査方法に関する。また、そのような電気絶縁油の検査方法により電気絶縁油中に抑制剤消費物質が存在すると判断された場合に、電気絶縁油に対して白土処理などのフィルタ処理を行い、抑制剤消費物質を電気絶縁油から除去して抑制剤を有効に機能させるための電気絶縁油の処理方法に関する。さらに、そのような電気絶縁油の処理方法を用いた油入電気機器のメンテナンス方法に関する。
油入変圧器などの油入電気機器では、通電媒体としてコイル銅を使用している。このコイルには絶縁紙が巻きつけられており、電気的な絶縁を確保して、隣り合うターン間でコイルが電気的に短絡しない構造となっている。
一方、油入変圧器には、一般的に鉱油などからなる電気絶縁油が用いられている。鉱油などには微量の硫黄成分が含まれており、この硫黄成分が電気絶縁油中に配置されたコイル銅と反応して導電性の硫化銅が生成され、コイル絶縁紙表面に生成することが知られている。硫化銅が生成することで、コイル絶縁紙の絶縁性能が低下し、ターン間でコイルが短絡して絶縁破壊に至る場合があることが知られている(例えば、非特許文献1)。
そして、硫化銅生成の主な原因物質は、鉱油に含まれる硫黄成分のジベンジル・ジスルフィドであることが知られている(例えば、非特許文献2)。その生成メカニズムとして、ジベンジル・ジスルフィドがコイル銅と反応して生成した錯体が油中を拡散して絶縁紙に吸着した後、分解して硫化銅として生成することも知られている(例えば、非特許文献3)。
上記の生成メカニズムに基づき、ジベンジル・ジスルフィドとコイル銅との反応を抑制することで、硫化銅生成を抑制する方法が知られており、電気絶縁油に抑制剤を添加する方法が広く用いられている。抑制剤としては、1,2,3−ベンゾトリアゾール(BTA)やIrgamet39などのベンゾトリアゾール化合物が知られている(例えば、非特許文献4)。
硫化銅生成の抑制剤を電気絶縁油中に添加すると、抑制剤がコイル銅と反応してコイル銅表面に膜を形成する。この形成された膜により、ジベンジル・ジスルフィドとコイル銅との反応が遮断・抑制されるので、硫化銅生成を抑制することができる(例えば、非特許文献4)。
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本発明者らは、20年以上、実稼動した油入変圧器から採取した電気絶縁油(鉱油)を用いて、他の共存材料を含まず抑制剤のみを添加した状態で、変圧器の運転温度に近い温度(40℃〜60℃)に維持し、電気絶縁油中の抑制剤濃度を定期的に分析した結果、油中の抑制剤濃度は経時的に低下する場合があることが分かった。一方で、新油に抑制剤を添加した場合では、経時変化によらず抑制剤濃度はほぼ一定している。
このように、電気絶縁油に添加された硫化銅生成の抑制剤の濃度は、電気絶縁油が新油である場合には、ほとんど経時的に減少することはないが、経年油である場合には、急激に低下してしまう場合があることが分かった。これは、油入電気機器が経年劣化している場合、電気絶縁油中の抑制剤濃度を経時的に低減させる原因となる物質(抑制剤消費物質)が電気絶縁油中に生成されるため、電気絶縁油中の抑制剤濃度が経時的に低下することによるものと考えられる。
電気絶縁油中の抑制剤の濃度が低下すると、硫化銅生成を抑制する抑制剤の効果が薄れるので、抑制剤を追加添加する必要が生じる。しかし、抑制剤は多量に添加すると油の帯電特性に影響するため、所定量以上添加することは望ましくない。また、頻繁に抑制剤を添加すると、その度に停電作業が発生するため、作業に手間がかかり、電力の供給障害に繋がりかねないという問題がある。このため、油入電気機器で使用中の経年油に硫化銅生成の抑制剤を添加して使用を継続する場合、必要なタイミングで必要最小限の量の抑制剤を添加することが望ましい。
本発明は、かかる事情に鑑みて、油入電気機器の電気絶縁油に硫化銅生成の抑制剤を添加して継続使用する場合において、硫化銅生成の抑制剤を添加する必要性を判断するために、電気絶縁油中に抑制剤消費物質が含まれているかどうかを判断するための検査方法を提供することを目的とする。
本発明は、電気絶縁油中に抑制剤消費物質が含まれるか否かを判断するための電気絶縁油の検査方法であって、
前記抑制剤消費物質は、前記電気絶縁油中に浸漬された絶縁紙上への硫化銅生成を抑制するために前記電気絶縁油中に添加される抑制剤の濃度を経時的に低減させる原因となる物質であり、
前記電気絶縁油を所定の条件で保存して抑制剤濃度を測定する第1ステップと、
所定期間内に抑制剤濃度の初期濃度に対する減少量が一定量以上に達した場合は、抑制剤消費物質が存在すると判断する第2ステップとを含む、電気絶縁油の検査方法である。
本発明においては、電気絶縁油を所定の条件で保存して抑制剤濃度を測定し、所定期間内に抑制剤濃度の初期濃度に対する減少量が一定量以上に達した場合は、抑制剤消費物質が存在すると判断することにより、電気絶縁油の経時変化をあかじめ予測することが可能となる。
実施の形態1において、電気絶縁油中に抑制剤消費物質が含まれるか否かを判断するための手順を示すフローチャートである。 実施の形態1に用いられる検査装置のブロック図である。 実施例1の分析結果を示すグラフである。 実施例2の分析結果を示すグラフである。
[電気絶縁油の検査方法]
本発明の電気絶縁油の検査方法は、電気絶縁油中に抑制剤消費物質が含まれるか否かを判断するための電気絶縁油の検査方法である。ここで、「抑制剤消費物質」とは、電気絶縁油中に添加される抑制剤の濃度を経時的に低減させる原因となる物質である。
「抑制剤」とは、電気絶縁油中に浸漬された絶縁紙上への硫化銅生成を抑制するために、電気絶縁油中に添加される物質である。抑制剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール化合物が挙げられる。特に油に対する溶解性の高いベンゾトリアゾール化合物を好適に用いることができ、このようなベンゾトリアゾール化合物としては、例えば、1,2,3−ベンゾトリアゾールまたはIrgamet39(商品名)などが挙げられる。
本発明の電気絶縁油の検査方法においては、電気絶縁油を所定の条件で保存して抑制剤濃度を測定し、所定期間内に抑制剤濃度の初期濃度に対する減少量が一定量以上に達した場合は、抑制剤消費物質が存在すると判断する。
上記所定の条件としては、例えば温度条件が挙げられる。本発明の検査方法においては室温より高い温度条件が好ましい。短期間の試験で迅速に所望の結果を得ることができるからである。また、60℃以下である温度条件が好ましい。60℃を超えると、抑制剤消費物質の存在とは無関係に、抑制剤の分解による減少が進行し、抑制剤の減少傾向から抑制剤消費物質の有無を見極めることが困難になるからである。
他の条件としては、遮光条件とすることが挙げられる。抑制剤は光によっても分解されるため、電気絶縁油および抑制剤を混入する容器は、遮光性を有するものであることが好ましい。
抑制剤濃度を測定する方法としては、種々公知の油中物質の測定方法を用いることができ、例えば、ガスクロマトグラフィー、GC−MASS、HPLCなどを用いることができる。
上記検査方法においては、電気絶縁油中の抑制剤濃度の減少率が10%より多い場合、電気絶縁油中に抑制剤消費物質が含まれていると判断することが好ましい。減少率が10%以下の場合に電気絶縁油中に抑制剤消費物質が含まれていると判断すると、測定誤差により誤った判断がなされる危険性が高くなるからである。
上記検査方法は、容器中に上記電気絶縁油のみを収容し、コイル銅や絶縁紙などの他の共存材料を含まない状態で行われることが好ましい。容器中に抑制剤と反応したり、抑制剤を吸着するような他の材料が存在すると、抑制剤の減少傾向から抑制剤消費物質の有無を見極めることが困難になるからである。
[電気絶縁油の処理方法]
本発明は、あらかじめ上記検査方法により電気絶縁油中に抑制剤消費物質が存在するか否かを判断し、抑制剤消費物質が存在すると判断された場合は、電気絶縁油中から抑制剤消費物質を除去するためのフィルタ処理を実施する、電気絶縁油の処理方法にも関する。
かかる電気絶縁油の処理方法は、電気絶縁油(特に稼動中の油入電気機器内の電気絶縁油)中に硫化銅生成の抑制剤を添加する際に好適に用いることができる。あらかじめ上記検査方法により上記電気絶縁油中に抑制剤消費物質が存在するか否かを判断し、抑制剤消費物質が存在すると判断された場合は、上記電気絶縁油中から抑制剤消費物質を除去するためのフィルタ処理を実施した後に上記電気絶縁油中に抑制剤を添加することが好ましい。
特に海外においては、変圧器内の電気絶縁油をメンテナンスすることにより継続使用する需要があり、電気絶縁油を大量に廃棄することによる環境問題の発生も低減することができる。
上記フィルタ処理は、電気絶縁油中から抑制剤消費物質を除去することのできる処理であれば特に限定されず、種々公知のフィルタ処理(不純物等を濾過など物理的吸着により除去する処理)を用いることができる。例えば、白土処理や活性炭等の多孔性材料を用いた処理などが挙げられる。特に白土処理を行うことが好ましい。白土処理方法としては、種々公知の処理方法(例えば、特開昭59−23404号公報、特開昭59−217901号公報、特開昭63−257112号公報参照)を用いることができる。白土処理に用いる白土は、活性白土であることが好ましい。活性白土としては、市販のものを使用することができ、例えば、日本活性白土(株)製の白土を用いることができる。具体的な白土処理の方法としては、例えば、白土を140℃で4時間焼成したものを電気絶縁油に対して5重量%添加し、45℃で1時間バッチ接触した後、白土をろ別する方法などが挙げられる。
[油入電気機器のメンテナンス方法]
さらに、本発明は、上記電気絶縁油の処理方法を用いた油入電気機器のメンテナンス方法にも関する。
(実施形態1)
本発明の電気絶縁油の検査方法の一実施形態について説明する。図1は、電気絶縁油中に抑制剤消費物質が含まれるか否かを判断するための手順を示すフローチャートである。
電気絶縁油に硫化銅生成の抑制剤を添加する際、あらかじめ電気絶縁油中に抑制剤消費物質が含まれるか否かを判断する。図1に示すフローチャートに従い、油入電気機器の実器から電気絶縁油を採取し、抑制剤を添加した後、電気絶縁油中の抑制剤濃度を測定し、保存開始からt1経過後の時点における抑制剤濃度C1が管理値Ctを下回る場合は、電気絶縁油には抑制剤消費物質が含まれていると判断する。この場合、電気絶縁油を白土処理してから抑制剤を添加し、運転を再開する。この場合、電気絶縁油を白土処理した上で、再度同様の検査を実施し、電気絶縁油には抑制剤消費物質が含まれていないと判断してから、抑制剤を添加し、運転を再開するようにしてもよい。
一方、C1が管理値Ct以上である場合は、抑制剤消費物質が含まれていないと判断し、実器の電気絶縁油に抑制剤を添加し、運転を再開する。
一例として、t1が10分の場合、管理濃度Ctは、初期の抑制剤濃度に対して90%の濃度(抑制剤濃度の減少率が10%となる濃度)に設定することができる。
図2は、実施の形態1に用いられる検査装置のブロック図である。図2に示される検査装置は、油入電気機器の実器から採取した電気絶縁油の測定を行うことのできる測定装置、その測定値から電気絶縁油中に抑制剤消費物質が含まれるか否かを判断することのできる診断装置から構成される。上記検査方法は、かかる検査装置を用いて実施することが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
まず、試験容器中に電気絶縁油と抑制剤(BTA)とを混入し、スターラーで撹拌して抑制剤を電気絶縁油に溶解させた。抑制剤は光と反応すると分解されるため、試験容器として遮光性の赤褐色のメスフラスコを用いた。また、本試験は抑制剤消費物質の有無を見極めることを目的とするため、試験容器中に抑制剤と反応するコイル銅などの共存材料を含まれていない。抑制剤の初期濃度は30ppmとした。
電気絶縁油としては、市販の4種類の変圧器用鉱油を用いた。具体的には、経年油1、経年油2として、それぞれ運転後22年、27年経過した油入変圧器から採取したナフテン系鉱油を用いた。また、新油3として国内石油メーカーから調達したナフテン系鉱油、新油4として海外メーカーから調達したナフテン系鉱油を用いた。
次に、試験容器を恒温槽中に設置し、油入変圧器の運転温度に近い温度である40℃で保存し、恒温槽中に設置してから20日後までの各時点(1、2、4、6、10、12、15、18および20日経過時)において、試験容器から定期的に採油した各電気絶縁油中の抑制剤濃度を測定し、経時変化を分析した。なお、抑制剤濃度の測定は、HPLCを用いて行った。
上記各々の電機絶縁油についての抑制剤濃度の分析結果を図3に示す。図3において、縦軸は抑制剤残存率を、横軸は保存日数を示す。なお、初期に添加した抑制剤濃度を100%として、採油時の抑制剤濃度の初期の抑制剤濃度に対する比率を抑制剤残存率とした。
図3に示されるように、経年油1、経年油2に関しては、加熱20日で電気絶縁油中の抑制剤濃度が60%に低下している一方で、新油1、新油2に関しては、加熱20日経過しても電気絶縁油中の抑制剤濃度は100%付近で一定である。このことから、経年油においては電気絶縁油中の抑制剤濃度は低下する一方で、新油では、抑制剤濃度は一定していたことから、油入電気機器に使用する電気絶縁油の中には、経年劣化によって生成される抑制剤消費物質が含まれている油が存在することが分かった。
(実施例2)
恒温槽中での保存時の温度を60℃とした以外は実施例1と同様にして、上記各々の電機絶縁油についての抑制剤濃度の測定・分析を行った。分析結果を図4に示す。
図4に示される結果から、図3と同様に、経年油においては電気絶縁油中の抑制剤濃度は低下する一方で、新油では、抑制剤濃度は一定していたことから、油入電気機器に使用する電気絶縁油の中には、経年劣化によって生成される抑制剤消費物質が含まれている油が存在することが分かる。
以上の試験結果において、分析誤差は約5%であったことから、初期添加濃度に対する所定時間保存後の抑制剤濃度の減少率が、その倍の10%以上であれば、測定誤差等ではなく有意に抑制剤が減少していると判断できる。また、図3および図4のいずれにおいても、保存開始から10日後には、抑制剤濃度が初期添加濃度から10%以上減少している。以上を踏まえて、電気絶縁油を室温より高い温度から60℃以下で保存し、保存開始から10日後の電気絶縁油中の抑制剤濃度を測定して、初期の抑制剤濃度に対する減少率が10%以上であれば、電気絶縁油には抑制剤消費物質が含まれていると判断できると考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。

Claims (7)

  1. 電気絶縁油中に抑制剤消費物質が含まれるか否かを判断するための電気絶縁油の検査方法であって、
    前記抑制剤消費物質は、前記電気絶縁油中に浸漬された絶縁紙上への硫化銅生成を抑制するために前記電気絶縁油中に添加される抑制剤の濃度を経時的に低減させる原因となる物質であり、
    前記電気絶縁油を室温より高く、60℃以下の温度で保存して抑制剤濃度を測定する第1ステップと、
    所定期間内に抑制剤濃度の初期濃度に対する減少量が一定量以上に達した場合は、抑制剤消費物質が存在すると判断する第2ステップとを含
    前記抑制剤はベンゾトリアゾール化合物であり、
    前記第2ステップにおいて、試験開始から10日後の電気絶縁油中の抑制剤濃度の減少率が10%より多い場合、電気絶縁油中に抑制剤消費物質が含まれていると判断する、電気絶縁油の検査方法。
  2. 前記第1ステップにおいて、前記電気絶縁油は40℃で保存される、請求項1に記載の検査方法。
  3. 前記第1ステップは、容器中に前記電気絶縁油のみを収容し、他の共存材料を含まない状態で行われる、請求項1に記載の検査方法。
  4. あらかじめ請求項1に記載の検査方法により電気絶縁油中に抑制剤消費物質が存在するか否かを判断し、抑制剤消費物質が存在すると判断された場合は、前記電気絶縁油中から抑制剤消費物質を除去するためのフィルタ処理を実施する、電気絶縁油の処理方法。
  5. 電気絶縁油中に硫化銅生成の抑制剤を添加する際に、あらかじめ請求項1に記載の検査方法により前記電気絶縁油中に抑制剤消費物質が存在するか否かを判断し、抑制剤消費物質が存在すると判断された場合は、前記電気絶縁油中から抑制剤消費物質を除去するためのフィルタ処理を実施した後に前記電気絶縁油中に抑制剤を添加する、電気絶縁油の処理方法。
  6. 前記フィルタ処理は白土処理である、請求項4に記載の電気絶縁油の処理方法。
  7. 請求項4に記載の電気絶縁油の処理方法を用いた油入電気機器のメンテナンス方法。
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