JPH0675362B2 - 油入電気機器の製造方法 - Google Patents

油入電気機器の製造方法

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JPH0675362B2
JPH0675362B2 JP58093184A JP9318483A JPH0675362B2 JP H0675362 B2 JPH0675362 B2 JP H0675362B2 JP 58093184 A JP58093184 A JP 58093184A JP 9318483 A JP9318483 A JP 9318483A JP H0675362 B2 JPH0675362 B2 JP H0675362B2
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oil
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貞喜 向井
勝 神庭
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Nissin Electric Co Ltd
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Nissin Electric Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、油入電気機器の製造方法に関する。
従来から絶縁油を、コンデンサ、リアクトル、変圧器等
の電気機器の電気要素に充填含浸してなる油入電気機器
が使用されている。前記絶縁油としては、例えばアルキ
ルナフタレン、ジアリルアルカン、アルキルベンゼンな
どの芳香族系絶縁油か、リン酸エステル油を含有する難
燃性絶縁油などが用いられている。しかしこれらの絶縁
油は電気特性の長期安定性が不充分な場合がある。
この対策として絶縁油に安定剤を添加したり、あるいは
不純物を除去する前処理(例えば、白土吸着処理、静電
浄油処理、分留処理等)に付し、次いで脱気処理を経て
電気要素に充填含浸する方法が通常行なわれている。
しかし、安定剤としてエポキシ系安定剤を用い、かつ絶
縁油の不純物の除去処理として白土吸着処理を含む前処
理を適用した際には、安定剤を含有させたにもかかわら
ず、電気機器に含浸された絶縁油の長期安定性が意図す
るほど改善されないという問題点があつた。この点に関
し、本発明者らはエポキシ系安定剤の添加量、添加方
法、添加時期などについて種々検討・研究を行なつた結
果、驚くべきことにエポキシ系安定剤に限り、添加時期
を前記絶縁油の白土吸着処理後に行なうことにより、絶
縁油の長期安定性が顕著に改善され意図する絶縁特性が
得られる事実を見出し、この発明に到達した。
かくしてこの発明によれば、絶縁油に安定剤を添加し、
これを容器内に収納された電気要素に充填含浸して油入
電気機器を製造するに際し、絶縁油を白土吸着処理を含
む前処理に付し、次いでエポキシ系安定剤を添加して後
脱気処理し、その後、前記電気要素に充填含浸すること
を特徴とする油入電気機器の製造方法が提供される。
この発明における絶縁油とは、トリオクチルホスフエー
ト、トリブトキシエチルホスフエート、トリクレジルホ
スフエート、クレジルフエニールホスフエート、トリキ
シレニルホスフエート、トリ(イソプピルフエニル)ホ
スフエート、ジクレジル(オルソビフエニル)ホスフエ
ート等のリン酸エステル油、アルキルナフタレン、アル
キルジフエニルエタン等の芳香族系絶縁油や鉱油、更に
はこれらを混合した絶縁油が適当であるが、これ以外に
も電気機器の絶縁油として知られたものも適用すること
ができる。
この発明における白土吸着処理とは、上記絶縁油を酸性
白土や活性白土に接触させて絶縁油中の不純物を吸着除
去する処理を示す。この処理は絶縁油を、白土の充填塔
に通ずるか又は絶縁油に白土を混入して撹拌することに
より行なわれその処理条件は公知のものを採用すること
ができる。なお、白土吸着処理を含む前処理とは、白土
吸着処理のみであつてもよく、白土吸着処理と他の処理
例えば、当該分野で絶縁油の前処理として知られた静電
浄油処理や蒸留精製処理とを併用してもよく、少なくと
も前記白土吸着処理を含んでおればよい。ことに静電浄
油処理と白土吸着処理を併用して行なう前処理が好まし
い。
上記前処理の後、絶縁油を真空脱気処理に付して種々の
電気機器の電気要素(例えば、コンデンサ素子、変圧器
やリアクトルなどのコイル)に充填、含浸することによ
り油入電気機器が製造されるが、この発明においては従
来と異なり、前記白土吸着処理の後でかつ脱気処理の前
に絶縁油へエポキシ系安定剤が添加される。
上記エポキシ系安定剤としては、ブチルグリシジルエー
テル、フエニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジ
ルエーテル、α,β−エポキシスチレン、アリルグリシ
ジルエーテル、2,3−エポキシオクタン、1,2−エポキシ
ドデカン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−
エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート、ビニルシ
クロヘキセンジオキサイド、ジビニルベンゼンジオキサ
イド、ブタジエンジオキサイド、α−ピネンオキサイ
ド、ジメチルペンタンジオキサイド、2−グリシジルフ
エニルグリシジルエーテル等の当該分野で知られた種々
のエポキシ結合を有する化合物が挙げられ、二種以上を
組合せて用いてもよく、他の安定剤を併用してもよい。
これらの添加量は通常、絶縁油100重量部に対して0.1〜
1重量部が適当であるが、場合によつては増減してもよ
い。なお、脱気処理は、油入電気機器中の気泡の混入に
より絶縁性能が低下することを防止することの点で必要
である。
このようにして得られた油入電気機器における長期間の
tanδは安定したものであり、従来の方法で製造したも
のに比して顕著に絶縁特性が改善されたものである。な
お、かかる効果が発揮される理由は、定かではないがエ
ポキシ系安定剤を従来法で用いた場合には、絶縁油の白
土吸着処理時に吸着除去され、これにより含浸される安
定剤の量が減少してしまうためではないかと考えられ
る。
一方、前記エポキシ系安定剤は市販品をそのまま用いて
もよいが、ことにその添加前に、高沸点及び低沸点成分
を除去したものを用いると絶縁性能の安定性のみならず
tanδ値がより改善される事実も見出された。上記高沸
点成分や低沸点成分はエポキシ結合を有する化合物のダ
イマー、トリマー、テトラマー等の重合成分や水分、溶
剤成分等からなるものであり、エポキシ系安定剤製造時
に混入が避け得ない成分であるが、これらの成分を除去
した後絶縁油に添加した際には、除去しない場合、すな
わち直接用いた場合に比してtanδが改善される。
上記除去処理は、減圧蒸留により行なわれる。例えば、
好ましいエポキシ系安定剤の一つである3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサ
ン)カルポキシレートを用いる場合、0.5mmHg以下の減
圧蒸留を行ない低沸点成分を留去した後沸点130〜160℃
(真空度0.05〜0.5mmHg)のものを回収することにより
上記低、高沸点成分の除去されたエポキシ系安定剤とす
ることができる。また他のエポキシ系安定剤についても
同様である。
このようにして得られた油入電気機器は、前述した絶縁
性能の安定化に加えtanδがより改善されたものであ
る。
以下、この発明を実施例により詳説するが、これにより
この発明は限定されるものではない。
実施例1 リン酸エステルとしてトリクレジルフオスフエート(TC
P)を使用し、これに芳香族系絶縁油としてアルキルナ
フタレン(AN)を使用してTCP:ANが6:4のリン酸エステ
ル系絶縁油を調製した。
この絶縁油を白土吸着処理塔を併設する静電浄油処理装
置により精製処理を行なつた。静電浄油処理条件は電極
間30mm,印加電圧直流17KVである。また白土吸着処理塔
には粒状活性白土(商品名:ガレオナイト,水沢化学
製)を使用した。
このようにして前処理を行なつた絶縁油100重量部に3,4
−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシク
ロヘキサン)カルポキシレート(エポキシ系安定剤:CY
−179チバガイギー社製)を0.5重量部とフエノール系安
定剤である2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.5
重量部とを添加し、これを減圧下で充分に脱気したのち
オールフイルムのコンデンサ素子に減圧法により充填含
浸させて油入コンデンサを製造した。なおこのコンデン
サ素子は7μmのアルミニウム箔間に18μmのポリプロ
ピレンフイルムを3枚積層して薄葉誘電体を形成したも
のを用いた。
このようにして得た油入コンデンサの初期のtanδは80
℃において0.09%であつたが、加熱課電試験の結果(図
中、C)100日後においても絶縁性能の低下は認められ
なかつた。
一方、比較例として、エポキシ系安定剤とフエノール系
安定剤の添加を、上記静電浄油処理及び白土吸着処理の
前に行なう以外同様にして油入コンデンサを製造してta
nδを測定したところ初期のtanδは80℃において0.03%
で良好であつたが、加熱課電試験の結果(図中、B)、
経日と共に絶縁性能の低下が認められ、長期間での安定
性が劣つていることが判つた。なお、この際絶縁油中の
エポキシ系安定剤の含有量を赤外吸光分析(1730cm-1
で測定したところほとんど検出されず、これにより初期
のtanδのみが良好であることが推量された。
なお、加熱課電試験(70℃,定格電圧の1.2倍)の結果
は合せて第1図に示した(図中、Aは安定剤無添加での
結果を示す)。
実施例2 エポキシ系安定剤CY−179を直接添加せず、減圧蒸留で
低沸点成分及び高沸点成分を除去したのちフエノル系の
安定剤と共に添加する以外実施例1と同様にして油入コ
ンデンサを製造した。
なお、減圧蒸留は、まず0.5mmHg以下の条件で行ない、
初留分を除去したのち130〜160℃の本留分3,4−エポキ
シシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサ
ン)カルボキシレートのモノマーに対応を回収して低沸
点成分及び高沸点成分を実質的に除去した。各留分の分
析値及び回収率を下表に示す。
上記、低沸点成分及び高沸点成分が除去された本留分を
用い実施例1と同様にして得た油入コンデンサのtanδ
は0.03%と良好であり、さらに第1図、Dに示すように
100日後においても絶縁性能の低下は認められなかつ
た。
なお、参考のために前記各留分を各々絶縁油に添加した
際の絶縁油自体のtanδを測定した結果はそれぞれ下表
の通りであつた。
本留分のみがtanδが優れているがその理由については
不明である。しかしモノマー(エポキサイドそのもの)
の純度を上げると電気特性も向上することも確認でき
た。
実施例3 リン酸エステルとしてトリ(イソプロピルフエニル)フ
オスフエート(TPPP)を使用し、これに芳香族系絶縁油
としてアルキルジフエニルエタン(ADE)を使用し、TPP
P:ADEが6:4のリン酸エステル系絶縁油を調整した。
この絶縁油を実施例1と同様に精製処理後、実施例2で
得られたCY−179蒸留品を0.5重量部を添加し、これを減
圧下で充分に脱気したのち、オールフイルムのコンデン
サ素子に減圧法により含浸させて油入コンデンサを製造
した。
得られたコンデンサの加熱課電試験の結果(図中E)、
絶縁性能の低下は認められなかつた。
従つてエポキシ系安定剤のみを使用した場合も本発明に
よれば、長期安定性に優れたコンデンサを得ることがで
きる。
実施例4 絶縁油としてJIS4種1号油(JIS C2320,1982)であるア
ルキルナフタレンを使用し、実施例1と同様にCY−179,
DBPCをそれぞれ0.5重量部添加した油入コンデンサを2
台製作した。
1台は白土処理前に添加、他の1台は、脱気処理前に添
加したものである。
この2台のコンデンサの加熱課電試験結果より、白土処
理前に添加されたものには(図中F)一部不安定なコン
デンサが含まれるに対し、脱気処理前に添加したものは
(図中G)極めて長期安定性に優れることが確認され
た。
【図面の簡単な説明】 第1図は、この発明の方法により製造された油入コンデ
ンサの加熱課電試験結果を比較例と共に示すグラフであ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁油に安定剤を添加し、これを容器内に
    収納された電気要素に充填含浸して油入電気機器を製造
    するに際し、 絶縁油を白土吸着処理を含む前処理に付し、次いでエポ
    キシ系安定剤を添加して後脱気処理し、その後、前記電
    気要素に充填含浸することを特徴とする油入電気機器の
    製造方法。
  2. 【請求項2】絶縁油に安定剤を添加し、これを容器内に
    収納された電気要素に充填含浸して油入電気機器を製造
    するに際し、 絶縁油を白土吸着処理を含む前処理に付し、次いでエポ
    キシ系安定剤として予め真空度0.05〜0.5mmHgでの減圧
    蒸留により160℃以上の高沸点成分及び130℃以下の低沸
    点成分を除去したものを添加して後、脱気処理し、その
    後前記電気要素に充填含浸することを特徴とする油入電
    気機器の製造方法。
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