JP4853085B2 - 化粧シートの製造方法 - Google Patents

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本発明は、建築物の内装、建具の内装、車両の内装等に用いられる化粧シートに関する。さらに具体的には、真空成形や射出成形など熱がかかる成形方法において好適に用いることができる化粧シートに関する。
従来から、着色層が形成された樹脂層(第1樹脂層)と、これとは別の樹脂層(第2樹脂層)とを、着色層を挟むように接着剤により接着することにより形成した化粧シートが種々の用途で用いられている(例えば、特許文献1)。
現在においては、このような構成を有する化粧シートを用いて自動車の内装部品やシステムキッチンの各種部品等を装飾することが行われており、これらの部品は真空成形法や射出成形法などによって形成される場合が多い。そして、このような成形法を採用する場合、金型中に化粧シートを予め装着しておき、真空成形法や射出成形法を行う際に同時に当該化粧シートを成形品表面に接着する方法(いわゆる同時加飾)が採用されることが多い。
特開2001−232703号公報
図1は従来の化粧シートの問題を説明するための概略図である。
図1(a)に示すように、着色層13が形成された樹脂層11(第1樹脂層)と、これとは別の樹脂層12(第2樹脂層)とを、着色層13を挟むように接着剤14により接着することにより化粧シート10を形成する場合、当該接着剤14と樹脂層11との間に気泡Gが残留してしまう場合があり(エアがみ(噛み))、歩留まりなどを考慮すると、当該気泡Gの残留をゼロとすることは非常に困難であるのが現状である。
このような状況にあって、前述する真空成形法や射出成形法を用いた同時加飾を行った場合、図1(b)に示すように、当該成形法では化粧シート10が加熱されるため、化粧シート10内に残留した気泡Gが熱により膨張しつつ最終的には化粧シートの表面側に移動し、化粧シートの表面を荒らしてしまい、意匠性を損ねる原因となる場合があった。
本発明は、このような状況においてなされたものであり、接着剤を用いて樹脂を貼り合わせてなる化粧シートにおいて、いわゆるエアがみ(噛み)の発生を防止し、その結果、真空成形法や射出成形法のような、化粧シートが加熱されるような方法に用いた場合であっても意匠性が損なわれることがない化粧シートを提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、着色層が形成された第1樹脂層と、第2樹脂層とを有し、前記第1樹脂層に形成された着色層を挟むように、前記第1樹脂層と第2樹脂層とが接着剤により接着されてなる化粧シートであって、前記第1樹脂層に形成された着色層の表面の濡れ指数と前記接着剤の濡れ指数がともに35dyne/cm以上であることを特徴とする。
上記本発明の化粧シートにあっては、さらに、前記第2樹脂層の接着剤と接する面の濡れ指数も35dyne/cm以上であることが好ましい。
また、上記本発明の化粧シートにあっては、前記着色層にはバインダー樹脂としてアクリル系樹脂が含有されていることが好ましい。
また、上記本発明の化粧シートにあっては、前記接着剤にはウレタン系樹脂が含有されていることが好ましい。
また、上記本発明の化粧シートにあっては、前記第2樹脂層の接着剤と接する面にはコロナ処理が施されていることが好ましい。
また、上記本発明の化粧シートにあっては、真空成形品または射出成形品において用いてもよい。
本発明の化粧シートは、着色層が形成された第1樹脂層と、第2樹脂層とを有し、前記第1樹脂層に形成された着色層を挟むように、前記第1樹脂層と第2樹脂層とが接着剤により接着されてなり、前記第1樹脂層に形成された着色層の表面の濡れ指数と前記接着剤の濡れ指数の両方を35dyne/cm以上としている。このため、第1樹脂層に形成された着色層の表面に接着剤を塗布した際に、当該接着剤表面に接着剤がよくなじみ、塗布された接着剤の表面状態を平坦にすることができる。還元すれば、着色層は印刷パターン等により形成されているため、凹凸を有している場合がほとんどであるが、当該着色層の凹凸に関係なく、これに塗布された接着剤の表面は平坦に保つことができる。その結果、当該接着剤の表面に第2樹脂層を押しつけることにより化粧シートを形成しても、いわゆるエアがみ(噛み)が発生することを防止することができ、真空成形法や射出成形法においても好適な化粧シートとすることができる。
また、前記第2樹脂層の接着剤と接する面の濡れ指数も35dyne/cm以上とすることにより、前述の効果をさらに発揮せしめることができる。
さらに、本発明の化粧シートを構成する着色層におけるバインダー樹脂にアクリル系樹脂が含有せしめたり、前記接着剤にウレタン系樹脂が含有せしめたり、前記第2樹脂層の接着剤と接する面にはコロナ処理を施こすことによっても上記の効果をさらに向上することができる。
このような本発明の化粧シートを真空成形品または射出成形品において用いることにより、本発明の化粧シートの利点を効果的に利用することができる。
以下、本発明の化粧シートについて図面を参照しつつ説明する。
図2は、本発明の化粧シートの一例の構成を示す概略断面図である。
図3は、本発明の化粧シートの別の構成を示す概略断面図である。
図2、3に示すように、本発明の化粧シート20は、ベタ着色層23aと絵柄着色層23bとからなる着色層23が形成された第1樹脂層21と、第2樹脂層22とを有し、前記第1樹脂層21に形成された着色層23を挟むように、前記第1樹脂層21と第2樹脂層22とが接着剤24により接着されて構成されており、前記第1樹脂層21に形成された着色層23の表面の濡れ指数と前記接着剤24の濡れ指数がともに35dyne/cm以上であることに特徴を有している。
ここで、図2と図3に示す化粧シート20は、着色層23が形成された第1樹脂層21を化粧シート20の表面側に配置するか、裏面側に配置するかの違いのみであり、何れを採用するかは化粧シートの利用分野等に応じて適宜選択することができる。
以下、本発明の化粧シート20をその構成毎に説明する。
(第1樹脂層)
第1樹脂層21は、本発明の化粧シート20に必須のものであり、化粧シート20のベースとなるものである。
第1樹脂層21に用いられる材料としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。このうち、表面性・成形性、および種々の物性の観点からアクリル系樹脂を用いることが好ましい。また、当該アクリル系樹脂は、製造後の化粧シートを焼却廃棄処分する際に塩素系のガスが発生しないため、安全性が高く、環境の面からも好ましく用いられる。
また、図2に示すように、第1樹脂層21を化粧シート20の表面側に配置する場合には、当該第1樹脂層21は透明であることが必要となる。当該第1樹脂層21に形成される着色層23を認識することができるようにするためである。
一方で、図3に示すように、第1樹脂層21を化粧シート20の裏面側(つまり化粧シートが被着される処理物と接する側)に配置する場合には、当該第1樹脂層21は有色不透明であることが好ましい。後述する着色層23の色調の安定性を確保することができ、また、当該化粧シートが被着される処理物の表面色相がばらついていた場合に、ばらついた表面の色相を良好に隠蔽することができるからである。
第1樹脂層21を形成節としては、透明なアクリル系樹脂を用いることが好ましく、具体的には、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸エチル、ポリ(メタ)アクリル酸プロピル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸メチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、(メタ)アクリル酸エチル−(メタ)アクリル酸ブチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等の(メタ)アクリル酸エステルを含む単独又は共重合体からなる樹脂が挙げられる。なお、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。これらのアクリル系樹脂は、単体又は2種以上の混合物として、単層又は2層以上の積層体として第1樹脂層21に用いられる。
また、上述した第1樹脂層21の材料には、必要に応じて着色剤、充填剤、発泡剤、難燃剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤等の各種の添加剤が配合されていてもよい。
添加剤として用いられる着色剤は、化粧シートとして必要な色彩を第1樹脂層21に持たせる役割を果たす。用途に応じて着色剤を選択し、第1樹脂層21を有色透明に着色することもできるし、有色不透明に着色することもできる。着色剤としては、チタン白、亜鉛華、弁柄、朱、群青、コバルトブルー、チタン黄、カーボンブラック等の無機顔料、イソインドリノン、バンザイエローA、キナクリドン、パーマネントレッド4A、フタロシアニンブルー等の有機顔料あるいは染料、アルミニウム、真鍮等の箔粉からなる金属顔料、二酸化チタン被覆雲母、塩基性炭酸亜鉛等の箔粉からなる真珠光沢顔料等が用いられる。また、必要に応じて、無機充填剤を添加してもよく、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク、シリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)等の粉末等が挙げられる。着色剤の添加量は、通常、上述の第1樹脂層21用の樹脂材料100重量部に対し、1〜50重量部程度である。
第1樹脂層21は、上述した樹脂材料を、カレンダー法、インフレーション法、Tダイ押出し法等の成膜方法により、シートとすることができる。
形成した第1樹脂層21の厚さは、化粧シートが使用される用途や要求される性能に基づいて任意に設定される。例えば、20〜300μm程度の範囲のものが適用される。
こうして形成された第1樹脂層21の表面には、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理等の易接着処理を施すことしてもよい。
(着色層)
着色層23は、前述の第1樹脂層21上に形成される層であり、図示するように、ベタ着色層23aおよび/または絵柄着色層23bから構成される。
ベタ着色層23aは、化粧シート全体にわたって意匠性を付与する目的(図2、3参照)や、第1樹脂層の地肌の隠蔽等の目的(図3参照)で設けられ、通常は模様のない全ベタ状の着色層として形成される。一方、絵柄着色層23bは、図形、文字、記号、色彩、それらの組み合わせ等により、所望の模様ないし色彩を有し、ベタ着色層23aの表面側に、平面状、凹凸状、凸状(図2、3を参照)の層として形成される。なお、絵柄着色層23bがベタ着色層23aの作用を兼ねる場合もあり、ベタ着色層23aのみ、または絵柄着色層23bのみから着色層23が構成されることもある。
本発明の化粧シートにあっては、図2に示すように、着色層23を、ベタ着色層23aと絵柄着色層23bとから構成し、第1樹脂層21に絵柄着色層23bを設けた後、これを覆うようにベタ着色層23aを形成してよい。一方で、図3に示すように、第1樹脂層21にベタ着色層23aを形成した後、絵柄着色層23bを形成してもよい。
ここで、本発明の化粧シート20にあっては、着色層23の表面(図2に示すような場合にあっては、ベタ着色層23a表面、一方、図3に示すような場合にあっては、ベタ着色層23aと絵柄着色層23b両方の表面)の濡れ指数が35dyne/cm以上であることに特徴を有している。このように、着色層23の表面の濡れ指数を35dyne/cm以上とすることにより、この後で説明する接着剤24が当該着色層23上に塗布された場合に、当該接着剤24とのなじみを良くし、塗布された接着剤14の表面を平坦に保つことができる。
本発明における濡れ指数とは、JIS K6768に規定されている濡れ性試験法により測定した値である。具体的には、市販されている濡れ性標準試薬を綿棒に浸し、これを着色層23の表面に塗布することにより測定した値である。
このような着色層23は、バインダー樹脂を主成分とし、溶媒、その他の添加剤から構成される着色層23用塗工剤により形成される。溶媒として水または/および水溶性有機溶剤を用いた水系塗工剤や、溶媒として非水溶性有機溶剤等を用いた溶剤系塗工剤を用いることができる。なお、着色層23用塗工剤として、溶媒を用いたタイプの塗料の他、無溶剤タイプの塗料を用いることも可能である。
水系塗工剤により着色層23が形成された場合には、化粧シートから有機溶剤が時間をかけて染み出さず、例えば住宅等の建築物の内装材に化粧シートを使用しても、染みだした有機溶剤が室内に放出され人体へ悪影響を及ぼす懸念が起きないため、好ましく用いられる。
水系塗工剤用のバインダー樹脂としては、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系モノマー、アクリロニトリル、メタクリルニトリル等のニトリル系モノマー、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド系モノマー、該アミド系モノマーのN−アルコキシ置換体、同N−メチロール置換体、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系モノマー、ジアリルフタレート、アリルグリジジルエーテル、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系モノマー、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン等の重合性二重結合を有するモノマー等の1種ないし2種以上と、カルボキシル基を有するアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、その他等の不飽和カルボン酸の一種ないしそれ以上との共重合体からなるアルカリ溶液可溶性(メタ)アクリル系共重合体を使用することができる。
その他の水系塗工剤用のバインダー樹脂としては、例えば、ポリアルリルアミド系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、ポリエチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系樹脂、水溶性ポリウレタン系樹脂(2液硬化型ポリウレタン系樹脂)、水溶性ポリエステル系樹脂、水溶性ポリアミド系樹脂、水溶性アミノ系樹脂、水溶性フェノール系樹脂、その他等の水溶性合成樹脂、ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類、等の水溶性天然高分子、その他等も使用することができる。
また、その他の水系塗工剤用のバインダー樹脂としては、例えば、天然ゴム、合成ゴム、ポリ酢酸ビニル系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリウレタン−ポリアクリル系樹脂変性ないし混合樹脂、その他の樹脂を使用することができる。上記のような樹脂は1種ないし2種以上を使用する。
さらには、水系塗工剤用のバインダー樹脂としては、アクリル変性ウレタン樹脂、ポリエステル変性ウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体変性ウレタン樹脂等のウレタン系樹脂、ポリオール系樹脂、或いは塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体とアクリル系樹脂との混合樹脂等を使用することができる。
上記水系塗工剤用のバインダー樹脂は、溶解、エマルション化、マイクロカプセル化、その他の方法で水性化されて、水系塗工剤に用いられる。
水系塗工剤を構成するにあっては、上記種々のバインダー樹脂を任意に用いることができるが、特にアクリル系樹脂を含有せしめて用いることが好ましい。これは、前述の如く第1樹脂層21を構成する樹脂としてはアクリル樹脂が好ましく、この場合、バインダー樹脂として第1樹脂層21と同様のアクリル系樹脂を用いることにより、塗工剤を塗布した際になじみ良く塗布することができるからである。
水系塗工剤の溶媒としては、水やアルコール等の水溶性有機溶剤を用いることができる。水としては、通常の工業用水を使用することができる。また、水とアルコール等からなる水溶性有機溶剤として、水のほかにメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、N−プロピルアルコール等の低級アルコール、グリコール類およびそのエステル類等を使用して調整することができる。なお、該低級アルコール、グリコール類およびそのエステル類等は、5〜20重量%位の割合で含有していることが望ましい。なお、これら低級アルコール、グリコール類およびそのエステル類等の溶剤は、インキの流動性改良、被印刷体である基材シートへの濡れの向上、乾燥性の調整等の目的で使用されるものであり、その目的に応じてその種類、使用量等が決定されるものである。
次に、溶剤系塗工剤について説明する。溶剤系塗工剤用のバインダー樹脂として、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、セルロース系樹脂等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を混合して用いられ
溶剤系塗工剤を構成するにあっても、上記種々のバインダー樹脂を任意に用いることができるが、上記水系塗工剤の場合と同様の理由により、特にアクリル系樹脂を含有せしめて用いることが好ましい。
溶剤系塗工剤の溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の非水溶性有機溶剤、またはこれらの混合溶剤等が用いられる。
添加剤は、水系塗工剤、溶剤系塗工剤に共通に用いられる。添加剤としては、顔料等の色素(着色剤または着色顔料ともいう。)、ワックス類、分散剤、消泡剤、レベリング剤、安定剤、充填剤、潤滑剤、滑剤等が挙げられる。
着色顔料としては、通常使用される有機又は無機系の顔料が使用できる。黄色顔料としては、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、イソインドリノン等の有機顔料、黄鉛、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、チタンイエロー、アンチモン黄等の無機顔料が使用できる。赤色顔料としては、モノアゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、キナクリドン等の有機顔料、弁柄、朱、カドミウムレッド、クロムバーミリオン等の無機顔料が使用できる。青色顔料としては、フタロシアニンブルー、インダスレンブルー等の有機顔料、紺青、群青、コバルトブルー等の無機顔料が使用できる。黒色顔料としては、アニリンブラック等の有機顔料、カーボンブラック等の無機顔料が使用できる。白色顔料としては、二酸化チタン、亜鉛華、三酸化アンチモン等の無機顔料が使用できる。
着色層23用塗工剤は、溶媒を用いる場合には、樹脂組成物(バインダー樹脂)と、必要に応じてその他の添加剤を溶媒に含有させて、公知の方法により溶解、分散、混合させて調製される。
着色層23は、着色層23用塗工剤を塗工または印刷等によって設けた後、乾燥、硬化させて形成される。このうち、ベタ着色層23aは、塗工や印刷により設けられ、絵柄着色層23bは、通常、印刷により設けられる。着色層23用塗工剤を塗工する場合には公知の各種方法、例えばロールコート、カーテンフローコート、ワイヤーバーコート、リバースコート、グラビアコート、グラビアリバースコート、エアナイフコート、キスコート、ブレードコート、スムーズコート、コンマコート、スプレーコート、かけ流しコート、刷毛塗り等の方法を用いることができ、通常、乾燥時において1.0〜10.0μm程度の膜厚に塗工される。また、着色層23用塗工剤を印刷する場合は、クラビア、活版、フレキソ等の凸版印刷、平版オフセット,ダイリソ印刷等の平版印刷、シルクスクリーン等の孔版印刷、静電印刷、インキジェットプリント、転写シートからの転写印刷等の公知の各種方法や、その他に手描き法等を用いることができ、通常、乾燥時において1.0〜10.0μm程度の膜厚に塗工される。
ここで、本発明にあっては、上記で説明した着色層23用塗工剤を用いて着色層23を形成するにあたり、その表面の濡れ指数を35dyne/cm以上とすることが必要であり、従って、バインダー樹脂や溶媒を選択するにあっては、当該濡れ指数を考慮する必要がある。また、着色層23の濡れ指数をコントロールする方法としては、例えばコロナ処理による表面改質等を挙げることができる。
(接着剤)
次に接着剤(層)24について説明する。
接着剤(層)24は、上述した着色層23が形成された第1樹脂層21と、後述する第2樹脂層22とを接着して化粧シート20を形成するために必須の層である。当該接着剤(層)24は、第1樹脂層21に形成された着色層23と第2樹脂層との密着性を向上させるプライマー層ないしアンカー層としての役割を有するものであり、耐久性や長期にわたる外観維持性を向上させる作用がある。こうした作用は、形成された絵柄を長期間保持することができ、極めて有効である。
接着剤(層)24は、樹脂組成物、溶媒、その他の添加剤とから構成される。溶媒は特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の非水溶性有機溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール等の水溶性有機溶剤、水、またはこれらの混合溶剤等が用いることができる。なお、接着剤として、溶媒を用いない無溶剤タイプの塗工剤を用いることも可能である。無溶剤タイプの塗工剤は、環境問題が配慮されたものであり、好ましく用いられる。
樹脂組成物としては、ゴム系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。このうち、ポリエステルウレタン系樹脂が好ましく用いられる。ポリエステルウレタン系樹脂を用いることにより、より強力な接着強度が得られ、可撓性に優れた化粧シートが提供できる。
ポリエステルウレタン樹脂の具体例としては、例えば特開昭60−115939号公報に開示されている樹脂を挙げることができる。当該公報には、(a)熱可塑性ポリエステルウレタンゴムおよび/または該熱可塑性ポリエステルウレタンゴムに不飽和ビニルモノマーをグラフト反応させた変性ポリエステルウレタンゴム、(b)塩素化ゴム、および(c)ポリイソシアネート架橋剤、からなる接着剤が開示されている。また、これとは別に、特開平1−103678号公報に開示されている樹脂を用いてもよい。当該公報には、(a)熱可塑性ポリエステルウレタンゴムにアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸およびメタクリル酸エステルの群から選ばれる少なくとも1種をグラフトしたもの、(b)末端もしくは側鎖に活性水素を持つ官能基を有する数平均分子量500〜100000のアクリル系オリゴマーもしくはポリマー、および(c)架橋剤としてイソシアネート化合物、からなる接着剤が開示されている。
接着剤は、溶媒を用いる場合には、樹脂組成物と、必要に応じてその他の添加剤を溶媒に含有させて、公知の方法により溶解、分散、混合させて調製される。
接着剤は、第1樹脂層21上の着色層23の表面に塗工し、乾燥、硬化させて形成される。塗工方法としては、公知の各種方法、例えば、ロールコート、グラビアコート、エアナイフコート、コンマコート等が用いられ、生産性の面から、グラビアコート、コンマコートが好ましく用いられる。
接着剤24は、乾燥後の塗工量が0.1〜20g/m、好ましくは1〜10g/m程度になるように塗工される。
ここで、本発明にあっては、当該接着剤24の濡れ指数も35dyne/cm以上であることが好ましい。ここで、接着剤24の濡れ指数とは、塗工・乾燥後の接着剤表面の濡れ指数のことであり、その測定方法は、前記の通りである。接着剤24の濡れ指数をコントロールする方法としては、前述と同様、コロナ処理による表面改質等を挙げることができる。
(第2樹脂層)
次に第2樹脂層22について説明する。
第2樹脂層22も、前記第1樹脂層21と同様に本発明の化粧シート20に必須の層である。
図2に示すように、第1樹脂層21を化粧シート20の表面側に配置した場合、当該第2樹脂層22は化粧シートが被着される処理物と接する側に位置することとなり、この場合には、いわゆるバッカー層として機能することとなる。一方で、図3に示すように、第1樹脂層21を化粧シート20の裏面側に配置した場合、当該第2樹脂層22は化粧シートの表面側に位置することとなり、この場合には、いわゆる表面保護創として機能することになる。従って、図2に示すように、いわゆるバッカー層として機能する場合には、有色不透明であることが好ましく、一方で、図3に示すように、いわゆる表面保護層として機能する場合には透明であることが好ましい。
このような第2樹脂層22の材質等については、前述の第1樹脂層21と同様とすることができ、前述の記載から適宜選択することができるので、ここでの説明は省略する。
ここで、本発明にあっては、当該第2樹脂層22の接着剤24と接する面の濡れ指数も35dyne/cm以上とすることが好ましい。接着剤24とのなじみを良くし、エアがみ(噛み)を防止することができるからである。
ここで濡れ指数のコントロール方法としては、接着剤24と接する面をコロナ処理することを挙げることができる。コロナ処理をすることにより、濡れ指数を増大することができ、濡れ指数を35dyne/cm以上とすることができるからである。
このように、本発明の化粧シートは、接着剤24が用いられる場合の欠点であるエアがみ(噛み)を防止するにあたり、当該接着剤24と接する面、具体的には第1樹脂層21に形成される着色層23、および第2樹脂層22の濡れ指数に着目し、当該濡れ指数を35dyne/cm以上とすることを最大の特徴としている。これにより、本発明の化粧シートは、従来の課題であったエアがみ(噛み)を効果的に防止することができ、その結果、真空成形や射出成形等の加熱を伴う成形法においても好適に用いることができる。
以下に、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明する。
(実施例1)
本発明の実施例1の化粧シートとして、図1に示すような層構成を有する化粧シートを作成した。具体的に以下の通りである。
第1樹脂層としては、厚さ75μmのアクリル樹脂製シートを用いた。また、第2樹脂層としては、厚さ400μmのABS樹脂製シートを用いた。
前記第1樹脂層には、ベタ着色層と絵柄着色層とからなる着色層を形成した。この着色層の形成にあっては、溶剤としてメチルエチルケトン(MEK)および酢酸エチルを含み、樹脂としてアクリル塩酢酸ビニル含む溶剤系塗工剤を用いた。
着色層が形成された第1樹脂層と第2樹脂層とを接着するための接着剤としては、溶剤として酢酸エチルを含むポリエステルウレタン系の接着剤を用いた。
このような本発明の実施例1の化粧シートにおける前記第1樹脂層に形成された着色層の表面の濡れ指数は47dyne/cmとし、また、前記接着剤の濡れ指数も48dyne/cmとした。さらに、第2樹脂層の接着剤と接する面の濡れ指数も、コロナ処理を施すことにより49dyne/cmとした。なお、当該濡れ指数の測定は、前述の通りの方法(JIS K6768)で行った。
このような本発明の実施例1の化粧シートについて、接着する際のエアがみが生じるか否かについての試験を行った。
なお、ここで、接着する際のエアがみが生じるか否かの試験とは、当該実施例1の化粧シートを形成する段階、つまり、着色層が形成された第1樹脂層と、第2樹脂層とを接着する際にエアがみが生じたか否かの試験であり、具体的にはラミネート後に当該化粧シートを180℃まで加熱して目視することにより行った。エアがみが生じている場合には、当該加熱によりエアが膨張してふくれあがることとなる。
上記実施例1の化粧シートにおける主要なパラメータ、および上記試験結果を以下の表1に示す。
(比較例1〜2)
上記実施例1の化粧シートと同じ要領にて、比較例1〜2の化粧シートを作成し、上記実施例1の化粧シートと同様の評価を行った。比較例1〜2における主要なパラメータ、および上記試験結果結果を、実施例1の化粧シートと同一の表1に示す。なお、表1中にないパラメータ等については、全て実施例1の化粧シートと同一である。
Figure 0004853085
上記実施例と比較例とを対比すれば明らかなように、本発明の化粧シートは形成時にエアがみが生じることがなく、従って射出成形法等の同時加飾において用いも意匠性に問題が生じることがない、優れた化粧シートであることが分かった。
従来の化粧シートの問題を説明するための概略図である。 本発明の化粧シートの一例の構成を示す概略断面図である。 本発明の化粧シートの他の一例の構成を示す概略断面図である。
符号の説明
10、20 … 化粧シート
11、21 … 第1樹脂層
12、22 … 第2樹脂層
13、23 … 着色層
14、24 … 接着剤

Claims (2)

  1. 第1樹脂層および第2樹脂層を準備し、
    前記第1樹脂層に着色層を形成し、
    当該第1樹脂層に形成された着色層の表面の濡れ指数を35dyne/cm以上とするとともに、前記第1樹脂層と第2樹脂層とを接着するための接着剤の濡れ指数も35dyne/cm以上とした上で、
    前記第1樹脂層に形成された着色層を挟むように、前記第1樹脂層と第2樹脂層とを前記接着剤により接着することを特徴とする化粧シートの製造方法。
  2. さらに、前記第2樹脂層の接着剤と接する面の濡れ指数も35dyne/cm以上とすることを特徴とする請求項1に記載の化粧シートの製造方法。
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