JP4852295B2 - 改質器及び燃料電池システム - Google Patents
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Description
上記燃料電池を有する燃料電池システムは、通常、改質器を備えている。この改質器は、炭化水素原料として、ナフサ、灯油等の石油系燃料や都市ガス等を用い、この炭化水素原料と水(適宜、水蒸気の形態を含むものとする。)とを混合してガス状の改質ガス燃料とし、この改質ガス燃料を改質触媒の作用により改質して、水素リッチな改質ガスを生成する。
このため、燃料電池システムは、炭化水素原料から改質ガスをいかに効率よく生成するかが重要課題であり、改質ガスを生成する改質器に関して、様々な技術が開示されている。
この技術によれば、装置をコンパクト化するとともに放熱量を大幅に低減させ、また起動時間を短縮できる。
上記熱交換能力を向上させる技術として、図示してないが、内円筒と外円筒からなる排ガス流路内に、スパイラル状の中空コイルを嵌入させ、ほぼ全ての燃焼排ガスを中空コイルに沿ってスパイラル状に流すことにより、ボイラーとしての熱交換能力を向上させる技術があった。
また、一般的に、燃料改質装置を小型化するとエネルギー効率が低下するが、小型化してもエネルギー効率が低下しない、好ましくは、エネルギー効率をより向上させることの可能な改質器が要望されていた。
さらに、一般家庭を販売ターゲットとする小型の燃料電池システムにおいては、エネルギー効率をより向上させるとともに、改質器の構造を単純化することも強く要望されていた。
このようにすると、熱交換能力に大きく影響する排ガス流路を、水が流れる内管の周囲に簡単かつ精度よく形成することができ、熱交換能力及び生産性を向上させることができる。
なお、生産性とは、作業性、量産性、品質管理における品質安定性などをいう。
このようにすると、排ガスが全て排ガス流路を流れるので、二重管ボイラーの熱交換能力を向上させることができる。
このようにすると、カバー内に、二重管ボイラーを省スペース化された状態で収納することができる。
このようにすると、省スペース化を図ることができるとともに、熱交換能力をより向上させることができる。
このようにすると、カバーを容易に取り外すことができ、メンテナンスする際の作業性を向上させることができる。
このように、本発明は、燃料電池システムとしても有効であり、エネルギー効率を向上させることができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる改質器の概略断面図を示している。
同図において、改質器1は、改質触媒20が収納された改質容器2と、改質容器2を加熱するためのバーナー5と、改質ガス燃料供給室30及び燃料供給管3を介して改質容器2と接続され、改質容器2に改質ガス燃料を供給する混合器6と、改質容器2,バーナー5及び混合器6が収容され、バーナー5の(燃焼)排ガスが放出されるカバー52と、カバー52内に設けられた二重管ボイラー7を備えている。
また、本実施形態の改質器1は、燃料電池システム(図示せず)の燃料改質装置として、ユニット化されていない構成としてある。すなわち、改質器1は、カバー52内に、シフト触媒容器やプロックス触媒容器を備えていない。
なお、改質器1は、上記構成に限定されるものではなく、たとえば、シフト触媒容器やプロックス触媒容器を、カバー52の内部に設けたり、あるいは、カバー52の外部に設けた構成としてもよい。
改質容器2は、カバー52の上方に位置する中空円筒状の密閉容器であり、内部に改質触媒20が充填されている。また、改質容器2は、所定の長さを有する複数(たとえば、8本)の燃料供給管3が、下板に連結されており、この燃料供給管3を経由して、炭化水素原料及び水を含む改質ガス燃料が改質容器2に供給される。改質容器2に供給された改質ガス燃料は、改質容器2内を上昇しながら改質触媒20によって水素リッチな改質ガスに改質される。
なお、本実施形態は、炭化水素原料として灯油を使用しているが、灯油は一例であり、灯油に限定されるものではない。
また、改質ガス排出管4の下端が円環状の改質ガス排出室40と接続されている。この改質ガス排出室40は、底部に、改質ガス排出管4より流路面積の大きい改質ガス排出管4aが接続されており、改質ガス排出管4aを介して、改質容器2からの改質ガスをカバー52の外部に送出する。
また、バーナー5と改質容器2の間には、バーナー5からの炎50が改質容器2に直接当たらないように、改質容器2とほぼ同じ高さを有する内側輻射筒51が設けてある。なお、本実施形態では、バーナー5を内側輻射筒51に取り付けてある。
混合器6は、改質ガス燃料供給室30の下方に設けられており、水蒸気供給管61及び炭化水素原料供給管62が接続されている。この混合器6は、図示してないが、供給された水蒸気及び灯油をノズルから吹き出すことにより、灯油を気化させるとともに水蒸気と混合して、改質ガス燃料を生成し、生成した改質ガス燃料を改質ガス燃料供給室30に供給する。
二重管ボイラー7は、カバー52内に設けられたボイラーであり、水を蒸発させて混合器6に供給する内管71と、この内管71を内側に収容する、すなわち、内管71が貫入された状態となる外管72を備えている。外管72は、カバー52内部において上端73が開口され、かつ、下端が、カバー52の基台523の貫通孔に貫通された状態で、基台523に、例えば全周溶接するなどして、密閉した状態で固定してある。カバー52の内部は、外管72を介してカバー52の外部と連通しており、バーナー5によってカバー52内に放出された排ガスは、開口された外管72の上端73から入り込み、入り込んだ排ガスが、内管71の外側表面と外管72の内側表面によって形成された排ガス流路74を通って、カバー52の外部に排出される。これにより、熱交換能力に大きく影響する排ガス流路74を、簡単かつ精度よく設けることができ、熱交換能力が向上する。また、製造工程において、あるいは、使用中に、内管71が外管72に対して偏心したとしても、熱交換能力に大きな影響を及ぼさないことから、生産性を向上させることができる。
また、スパイラル状の二重管ボイラー7は、直管状の内管71を同じく直管状の外管72に貫入させ、内管71が貫入された外管72をスパイラル状に成形することにより、内管71をも容易にスパイラル状に成形することができる。すなわち、上述した高精度に加工された内円筒と外円筒を必要とする従来のボイラーと比べて、生産性を大幅に向上させることができる。なお、本実施形態では、二重管ボイラー7をスパイラル状に成形する構成としてあるが、これに限定されるものではなく、様々な形状に成形してもよい。
なお、本実施形態では、内管71の上端部が水蒸気供給管61と連結されており、水蒸気供給管61を介して、水蒸気が混合器6に供給される。
なお、本実施形態では、改質容器2,バーナー5,二重管ボイラー7,燃料供給管3,混合器6などの上下方向の配置位置を、改質容器2が最も上方に位置する構造としてあるが、この構造に限定されるものではない。
カバー52は、上端が閉止され、かつ、下端が開口されるとともに、下端部に円環状のフランジ部522が接合された筒状部材521と、この筒状部材521のフランジ部522を閉止する円板状の基台523を備えている。基台523は、改質容器2,バーナー5及び混合器6が設けられ、さらに、混合器6に灯油を供給する炭化水素原料供給管62,バーナー5に灯油を供給するバーナー用燃料供給配管501,バーナー5に空気を供給する空気供給配管502,改質ガスを送出する改質ガス排出管4a,及び,二重管ボイラー7の内管71と外管72が貫通した状態で取り付けられている。また、図示してないが、フランジ部522は、等間隔でボルト孔が配設してあり、基台523は、周縁部に、フランジ部522に対応するフランジ面を有している。これにより、筒状部材521は、ボルトによって基台523に着脱自在に取り付けられる。すなわち、筒状部材521を容易に取り外すことができるので、メンテナンスする際の作業性が向上する。
なお、図示してないが、筒状部材521に、断熱手段として、真空断熱手段や断熱材などを設けてもよい。また、本実施形態では、フランジ部522を筒状部材521に接合した構造としてあるが、これに限定されるものではなく、たとえば、フランジ部522と筒状部材521をプレス成形する構造としてもよい。
まず、改質器1は、バーナー用燃料供給配管501及び空気供給配管502を介して灯油及び空気がバーナー5に供給され、バーナー5が燃焼を開始する。バーナー5の排ガスは、内側輻射筒51を通って上昇した後、排ガス内側流路511及び排ガス外側流路512を流れ、改質容器2の両側面から改質容器2を加熱する。そして、改質容器2や二重管ボイラー7等が所定の温度まで加熱されると、定常運転動作に入る。
さらに、本発明は、燃料電池システムの発明としても有効である。本実施形態の燃料電池システムは、炭化水素原料及び水を含む改質ガス燃料から水素リッチな改質ガスを生成し、生成した前記改質ガス中の水素を原料として発電する燃料電池システムとしてあり、さらに、上述した改質器1を備えた構成としてある。すなわち、小型化及び高効率が要求される、たとえば、家庭用の燃料電池システムにおいては、エネルギー効率を向上させることができる。
例えば、改質器1は、外管72をスパイラル状に二巻きした構造としてあるが、この巻き数に限定されるものではなく、たとえば、混合器6に供給される水蒸気を所定の温度に加熱できる巻き数であればよい。
2 改質容器
3 燃料供給管
4,4a 改質ガス排出管
5 バーナー
6 混合器
20 改質触媒
26 空隙
30 改質ガス燃料供給室
40 改質ガス排出室
50 炎
51 内側輻射筒
52 カバー
61 水蒸気供給管
62 炭化水素原料供給管
71 内管
72 外管
73 上端
74 排ガス流路
501 バーナー用燃料供給配管
502 空気供給配管
511 排ガス内側流路
512 排ガス外側流路
521 筒状部材
522 フランジ部
523 基台
Claims (6)
- 炭化水素原料及び水を含む改質ガス燃料から水素リッチな改質ガスを生成する改質器において、
前記改質触媒が収納された改質容器と、
前記改質容器を加熱するためのバーナーと、
前記改質容器と接続され、前記炭化水素原料と水蒸気を混合し、前記改質容器に改質ガス燃料を供給する混合器と、
前記改質容器、バーナー及び混合器が収容されるカバーと、
前記カバー内に設けられ、前記改質ガス燃料に含まれる水が流れ、該水を水蒸気化して前記混合器に供給する内管、及び、前記内管を収容するとともに、一端が固定されることなく前記カバー内部において開口され、他端が前記カバーを貫通した状態で該カバーに密着固定された外管とを有し、前記外管の開口された一端から前記バーナーの排ガスが入り込み、入り込んだ前記排ガスが、前記内管の外側表面と前記外管の内側表面によって形成された排ガス流路を流れる二重管ボイラーと
を具備したことを特徴とする改質器。 - 前記二重管ボイラーの前記外管の開口された一端を、前記改質容器の近傍に位置させたことを特徴とする請求項1記載の改質器。
- 前記二重管ボイラーをスパイラル状に成形したことを特徴とする請求項1又は2記載の改質器。
- 前記改質容器に改質ガス燃料を供給する複数の燃料供給管を備え、前記複数の燃料供給管の周囲に、前記二重管ボイラーが設けられたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の改質器。
- 前記カバーが、一方の端部が閉止され、かつ、他方の端部が開口された筒状部材と、前記改質容器,バーナー及び混合器の取り付けられた基部を有し、前記筒状部材が、フランジにより基部に着脱自在に取り付けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の改質器。
- 炭化水素原料及び水を含む改質ガス燃料から水素リッチな改質ガスを生成し、生成した前記改質ガス中の水素を原料として発電する燃料電池システムにおいて、
上記請求項1〜5に記載された改質器を備えたことを特徴とする燃料電池システム。
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