JP4850005B2 - 監視盤表示装置並びに監視盤表示方法 - Google Patents

監視盤表示装置並びに監視盤表示方法 Download PDF

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Description

本発明は、施設や設備群の状態を監視する監視盤を表示する監視盤表示装置並びに監視盤表示方法に関し、より詳細には、見易く視認性に優れた監視盤をコンピューターで取り扱うことのできる画像として表示する監視盤表示装置並びに監視盤表示方法に関する。
従来から、電力系統やプラントなどの施設や設備群の状態を監視する監視盤としては、施設や設備群の構成を模式的に表す図形や文字が描かれ、発光体を備えた多数のモザイクブロックを格子状に並べたモザイク式監視盤が用いられている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。モザイク式監視盤は、格子状に並べられたモザイクブロック間の接合部が線として視認され、自然と格子状の地模様を形成するので、この格子状の地模様がモザイクブロックに描かれた種々の施設や設備群を表す図形を視認する際の視点の基準となり、視認性が良いという利点を備えている。しかしながら、モザイク式監視盤は、電力系統やプラントなどの広範な施設や設備群を物理的に実体のある多数のモザイクブロックを用いて表示するものであるため、占有スペースが大きくなる上に、発光体を点灯させるための配線等を必要とし、作成やメンテナンスに費用と時間が掛かるという欠点があった。
一方、モザイク式監視盤の上記欠点を解決するために、大型のビデオプロジェクターや液晶パネルなどを1台または複数台並べた表示装置に、コンピュータを用いて作成された単線結線図を表示して、監視盤とすることも提案されている(たとえば、特許文献3参照)。しかしながら、この大型ビデオプロジェクターや液晶パネルによって表示される監視盤は、施設や設備群の配置状況と接続関係とを、単に図形とそれらを接続する線からなる平面的な二次元画像として表示するだけのものであるので、監視盤としてのリアルさに欠け、しかもモザイク式監視盤にはあった格子状の地模様もないので、視認性が悪いという欠点がある。
実開昭62−104515号公報 特開平9−19006号公報 特開平10−94171号公報
本発明は、上記のような従来技術の欠点を解消するために為されたもので、作成やメンテナンスが容易で、しかも従来のモザイク式監視盤と同じくリアルで臨場感があり、視認性に優れた監視盤を提供することを課題とするものである。
本発明は、施設または設備群の状態を監視する監視盤を画像として表示する監視盤表示装置であって、表示される監視盤画像は、施設又は設備群の構成を模式的に示す背景画像と、外部からのテレメータ信号に基づいて変化する前記施設または設備群の状態を表す表示器画像とを含み、(1)背景画像を構成する1又は複数個の細分背景画像を記憶する背景画像記憶手段と、背景画像記憶手段から細分背景画像を読み出す手段とを備えた背景画像読み出し手段;(2)表示器画像を記憶する表示器画像記憶手段と、外部からのテレメータ信号に基づいて、表示器画像記憶手段から表示すべき表示器画像を読み出す手段とを備えた表示器画像読み出し手段;(3)読み出された細分背景画像に対応する背景三次元モデル及び読み出された表示器画像に対応する表示器三次元モデルを生成する三次元モデル生成手段;(4)生成された背景三次元モデルを、対応する細分背景画像の背景画像中の位置に基づいて三次元空間内の所定の位置に配置するとともに、生成された表示器三次元モデルを、対応する表示器画像の背景画像中の位置に基づいて、背景三次元モデルが配置されているのと同じ三次元空間内の所定の位置に配置する手段と、背景三次元モデルと表示器三次元モデルとにそれぞれ対応する細分背景画像及び表示器画像をテクスチャマッピングする手段と、前記三次元空間内に配置された背景三次元モデルと表示器三次元モデルとから指定された表示部分に対応した二次元画像を得る手段とを備えたレンダリング手段;(5)前記レンダリング手段によって得られた、背景画像上に表示器画像が表示された二次元画像を表示する表示手段;とを含む、監視盤表示装置を提供することによって、上記の課題を解決するものである。
また、本発明は、施設または設備群の状態を監視する監視盤を画像として表示する監視盤表示方法であって、表示される監視盤画像は、施設又は設備群の構成を模式的に示す背景画像と、外部からのテレメータ信号に基づいて変化する前記施設または設備群の状態を表す表示器画像とを含み、(a)背景画像記憶手段に記憶されている背景画像を構成する細分背景画像を読み出すステップ、(b)読み出された細分背景画像に対応する背景三次元モデルを生成するステップ、(c)(a)〜(b)のステップを一つの背景画像を構成する全ての細分背景画像について行うステップ;(d)表示器画像を記憶する表示器画像記憶手段から、外部からのテレメータ信号に基づいて、表示すべき表示器画像を読み出すステップ、(e)読み出された表示器画像に対応する表示器三次元モデルを生成するステップ;(f)(d)〜(e)のステップを表示すべき全ての表示器画像について行うステップ;(g)生成した背景三次元モデルを、対応する細分背景画像の背景画像中の位置情報に基づいて三次元空間内の指定された位置に配置するステップと、生成した表示器三次元モデルを、対応する表示器画像の背景画像中の位置情報に基づいて、前記三次元空間内における背景三次元モデルの背景画像が形成される面よりも手前側の所定の位置に配置するステップと、背景三次元モデルの背景となる面に表示すべき細分背景画像をテクスチャマッピングするステップと、表示器三次元モデルの表示器となる面に表示すべき表示器画像をテクスチャマッピングするステップと、三次元空間内に配置された背景三次元モデルと表示器三次元モデルとから、指定された表示部分に対応した二次元画像を得るステップとを含む、レンダリングステップ;及び(前記レンダリングステップにおいて得られた、背景画像上に表示器画像が表示された二次元画像を記憶ないしは表示するステップ;とを含む、監視盤表示方法を提供することによっても、上記の課題を解決するものである。
本発明の監視盤表示装置並びに表示方法において、表示器画像は、施設または設備の種類、状態、及び/又は名称を表す図形、数字、記号、符号、文字、もしくはこれらの2以上の組み合わせを含み、必要に応じて色彩が付与された画像である。これらの画像は、その都度作成されても良いが、表示器画像を記憶する表示器画像記憶手段に記憶されているのが好ましく、外部からのテレメータ信号に基づいて、表示器画像記憶手段から適宜読み出される。表示器画像には、表示器画像記憶手段からの読み出しに際して、予め定められた文字などの画像を重ね合わせることも可能である。また、読み出された表示器画像を適宜拡大したり、縮小したりすることも随意である。
読み出された表示器画像は、その表示器画像に対応する表示器三次元モデルにテクスチャマッピングされる。表示器画像に対応する表示器三次元モデルとは、当該表示器画像をテクスチャマッピングする面を備えた三次元モデルであり、そのような三次元モデルは、その都度、生成するようにしても良いし、予め記憶手段に記憶させておいて随時読み出すことによって生成しても良い。また、当該表示器画像をテクスチャマッピングする面とは、その表示器の種類にも依るけれども、通常は表示器画像の形状と同じか相似形の平面である。このような表示器画像の読み出しと、その表示器三次元モデルへのテクスチャマッピングは、表示すべき表示器画像の全てについて行われる。
一方、本発明の監視盤表示装置並びに表示方法において、施設又は設備群の構成を模式的に示す背景画像は、1又は複数個の細分背景画像として背景画像記憶手段に記憶されており、細分背景画像は、背景画像記憶手段から順次読み出されて、対応する背景三次元モデルの背景となる面にテクスチャマッピングされる。細分背景画像に対応する背景三次元モデルとは、当該細分背景画像をテクスチャマッピングする面を備えた三次元モデルであり、そのような三次元モデルは、その都度、生成するようにしても良いし、予め記憶手段に記憶させておいて随時読み出すことによって生成しても良い。また、当該細分背景画像をテクスチャマッピングする面とは、通常は細分背景画像の形状と同じか相似形の平面である。このような細分背景画像の背景三次元モデルへのテクスチャマッピングは、1の背景画像を構成している全ての細分背景画像について行われ、それによって、テクスチャマッピングされた細分背景画像によって、予め想定されている1の背景画像、すなわち監視盤画像が構成されることとなる。もしも1の背景画像が1の細分背景画像で構成されている場合には、細分背景画像の読み出しとそのテクスチャマッピングは1回行うだけで良いことは勿論である。
背景三次元モデルと表示器三次元モデルとは、コンピューター内の仮想された三次元空間に配置される。まず、背景三次元モデルは、その背景三次元モデルに対応する細分背景画像の背景画像中の位置に対応した位置に配置される。このとき、背景三次元モデルは、細分背景画像がテクスチャマッピングされる面が、同じ方向を向き、互いに連続して一つの面を形成するように配置されることは言うまでもない。細分背景画像の背景画像中の位置は、例えば、その細分背景画像のファイル名等に位置の情報を含ませておくことによって知ることができる。なお、背景三次元モデルへの細分背景画像のテクスチャマッピングは、背景三次元モデルを三次元空間に配置する前に行っても良いし、背景三次元モデルを三次元空間に配置した後に行っても良く、さらには、投影変換によって背景三次元モデルの二次元像が得られた後に行っても良い。いずれにせよ、三次元空間に配置された1又は複数個の背景三次元モデルは、そのテクスチャマッピングされる面によって、三次元空間内に1の背景画像となる面を構成することとなる。
次に、表示器三次元モデルが、背景三次元モデルと同じ三次元空間内の所定位置に配置される。所定位置とは、施設や設備群を模式的に表した背景画像における、当該表示器三次元モデルに対応する表示器画像を配置すべき位置である。この位置についての情報は、例えば、当該表示器画像に対応する外部からのテレメータ信号におけるデータの位置と、その表示器画像を表示すべき位置との対応関係を予め定めておくことによって、テレメータ信号に基づいて表示すべき表示器画像を読み出した時点で得ることができる。なお、表示器三次元モデルは、その表示器画像がテクスチャマッピングされる面を、背景三次元モデルにおける細分背景画像がテクスチャマッピングされる面と同じ側を向けて、しかも、背景三次元モデルにおける細分背景画像がテクスチャマッピングされる面よりも手前側に配置される。表示器三次元モデルへの表示器画像のテクスチャマッピングは、表示器三次元モデルを三次元空間に配置する前に行っても良いし、表示器三次元モデルを三次元空間に配置した後に行っても良く、さらには、投影変換によって表示器三次元モデルの二次元像が得られた後に行っても良い。このような表示器三次元モデルの三次元空間内への配置を表示すべき全ての表示器画像について行うことによって、三次元空間内の所定位置に、表示器画像がテクスチャマッピングされる面を備えた表示器三次元モデルを配置することができる。
本発明の監視盤表示装置並びに監視盤表示方法においては、レンダリング手段若しくはレンダリングステップが設けられており、上述した三次元空間内への背景三次元モデルと表示器三次元モデルの配置に加えて、それら三次元空間内に配置された背景三次元モデルと表示器三次元モデルに対し、表示器三次元モデルが背景三次元モデルよりも手前にくるような位置に視点を設定し、適当な光源を配置して、二次元座標系への変換を行い、さらには細分背景画像や表示器画像のテクスチャマッピングを行って、表示すべき二次元画像を得ることができる。表示すべき二次元画像のサイズにもよるけれども、通常、レンダリングに際して投影面となるビュースクリーンの大きさは、三次元空間内に形成される一つの背景画像となる面全体の大きさよりも小さいので、視点の位置を背景画像となる面と平行に移動させることによって、レンダリングされる部分、すなわち、表示すべき二次元画像の背景画像中の位置を選択することができる。また、視点の位置を、背景画像に対して垂直方向に移動させることによって、レンダリングによって得られる二次元画像の拡大、縮小を行うことができる。
本発明の監視盤表示装置並びに監視盤表示方法においては、背景画像記憶手段に、描画倍率の異なる細分背景画像のセットを複数セット記憶させておき、外部からの拡大又は縮小指示に応じて、背景画像記憶手段から読み出す細分背景画像のセットを選択する手段ないしはステップを備えておくことによって、表示される監視盤の表示倍率の変更を可能とすることができる。選択された細分背景画像の描画倍率に応じて、表示器画像並びにその表示器画像に対応する表示器三次元モデルの大きさも変更されることとなる。このとき、表示器画像に関しては、描画倍率の異なる細分背景画像のセットに対応させて、表示器画像記憶手段に、描画倍率の異なる表示器画像を複数セット記憶させておいても良いし、同じ表示器画像を適宜拡大若しくは縮小して使用するようにしても良い。
本発明の監視盤表示装置並びに監視盤表示方法においては、外部からのテレメータ信号に基づいて、テレメータ信号で指定された表示器画像の色彩を所定の周期で変化させる手段ないしはステップを備えているのが望ましい。例えば、特定の表示器画像について、その色彩を、点灯を示す「赤色」と消灯を示す「白色」とに交互に所定の周期で切り換えることによって、表示器画像をフリッカ表示させることが可能である。
本発明の監視盤表示装置並びに監視盤表示方法においては、少なくとも表示器画像について、表示すべき表示器画像の読み出しと対応する表示器三次元モデルの生成、及び、表示器三次元モデルの三次元空間内への配置やテクスチャマッピングを含めたレンダリングを、所定時間毎に繰り返す手段若しくはステップを備えることによって、逐次その状態が変化する可能性のある表示器の画像を所定の時間間隔で更新することができ、これにより、監視すべき施設ないしは設備群の状態をリアルタイムで表示することが可能となる。
本発明の監視盤表示装置並びに監視盤表示方法においては、外部からのテレメータ信号は、通常、監視すべき施設ないしは設備群の状態を示す実際のテレメータ信号であるけれども、場合によっては、訓練用の模擬テレメータ信号であっても良い。この場合には、本発明の監視盤表示装置を訓練用の監視盤表示装置として使用することができ、また、本発明の監視盤表示方法によって訓練用の監視盤を表示することができる。
本発明の監視盤表示装置並びに監視盤表示方法は、適宜の記憶装置、演算処理装置、及び入出力装置を備えたコンピューターと、そのコンピューターに所定の動作をさせるプログラムによって実現可能であり、コンピュータに本発明の監視盤表示方法を実行させる手順を記録したプログラムも、本発明の対象である。本発明のプログラムは適宜の記録媒体に記録されたものであっても、コンピュータの記憶装置内に存在するものであっても、通信手段を介して送信可能に準備されているものであっても良い。
本発明が対象とする監視盤には特に制限はなく、電力系統の状態を監視する電力系統監視盤はもとより、プラントの運転状態を監視する監視盤や、電車や列車などの運行状況を示す監視盤、道路の渋滞情報や事故の発生状況を示す監視盤などが挙げられ、本発明は、およそ、施設ないしは設備群の状態を監視するあらゆる監視盤を対象とするものである。また、本発明によって得られる監視盤画像は、監視盤画像として、液晶表示装置やCRT表示装置のような、コンピューターに付随する通常の表示装置に表示できることは勿論、これに限らず、大型のビデオプロジェクターや、大型の液晶表示装置やプラズマ表示装置はいうに及ばず、それらの複数台を列状に又はマトリックス状に配置したマルチスクリーンによる表示装置にも表示することが可能であり、さらには、監視対象の施設や設備群の構成や状態を表示したモニター画像として、コンピューターに付随する通常の表示装置に表示することも可能である。
本発明の監視盤表示装置並びに監視盤表示方法によれば、三次元コンピューターグラフィックスの手法を用いて、施設や設備群を模式的に表した背景画像上に各種の表示器が画像として表示されるので、背景画像だけでなく、逐次変化する表示器画像をも、監視員が通常見慣れているモザイク式監視盤を模した立体感のある画像として表示することが可能であり、従来のモザイク式監視盤とほぼ同等の見やすさと視認性とを備えた監視盤を提供することができるという優れた利点が得られる。しかも、本発明によって得られる監視盤画像は、コンピューター画像であるため、メンテナンスが容易であり、多数のモザイクブロックも発光体も必要とせず、監視すべき施設や設備群の構成の変更にも、背景画像や表示器画像を変更したり、外部からのテレメータ信号によって読み出される表示器画像の種類や表示位置を指定したテーブルを変更することによって、機敏に対応できるという利点を備えている。特に、背景画像や表示器画像、さらには外部からのテレメータ信号によって読み出される表示器画像の種類や表示位置を指定したテーブルを、監視すべき施設や設備群の種類に応じて予め複数種類用意しておく場合には、それらを適宜選択して使用することによって、監視盤に表示する施設や設備群を随時変更することができるので、極めて便利である。この利点は、例えば、訓練用の監視盤表示装置のように、表示する施設や設備群を種々変更する場合がある監視盤表示装置において、特に有用である。
このような本発明の監視盤表示装置並びに監視盤表示方法は、通常のコンピューターと、そのコンピューターに本発明の監視盤表示方法を実行させる手順を記述した本発明のプログラムによって実現可能であり、システムとしては極めてシンプルに構築することができる。本発明のプログラムは、市販のコンピューターグラフィックス用のアプリケーションプログラムインターフェイス(API)を用いて構築可能であり、個々の監視盤に合わせたユーザーサイドでの細部の変更や編集にも、柔軟に対応できるという利点を備えている。
以下、本発明を、最も典型的な監視盤である電力系統監視盤について図面を参照しながら説明するが、本発明が、図示した電力系統監視盤の表示装置並びに表示方法に限られるものではないことは勿論である。
図1は、本発明の監視盤表示装置の概略を示すブロック図であって、1は監視盤表示用コンピューターを示し、2は監視盤表示用コンピューター1のCPU、3は記憶装置である。記憶装置3は、背景画像記憶手段4、表示器画像記憶手段5、表示器のデザインを記憶したデザインテーブル6、及び、表示器のレイアウトを記憶したレイアウトテーブル7を備えている。これら背景画像記憶手段4、表示器画像記憶手段5、デザインテーブル6、及び、レイアウトテーブル7は、それら全てが記憶装置3の中の一部の記憶領域であっても良いし、いずれか1又は2以上が、別途独立した記憶装置であっても良く、さらには、ネットワークや通信手段を介して適宜監視盤表示用コンピューター1と接続される離れた場所にある記憶装置であっても良い。なお、記憶装置3には、監視盤表示用コンピューター1に本発明の監視盤表示方法を実行させる手順を記述した本発明のプログラムも記憶されている。監視盤表示用コンピューター1としては、通常のパーソナルコンピューター等、適宜のコンピューターを使用することができる。
8はグラフィックプロセッサユニット(GPU)であり、GPU8は、図示しない適宜のジオメトリックエンジンとレンダリングエンジンとを備えている。9はビデオメモリ、10は表示装置である。表示装置10には、監視盤画像を表示することができる限り、特段の制限はなく、液晶表示装置、プラズマ表示装置、ビデオプロジェクタ、CRT表示装置等、適宜の表示装置を用いることができる。11はバスであり、CPU2、記憶装置3、及びGPU8はバス11を介して互いに接続されている。12は監視盤コントローラーであり、遠隔地に存在する遠隔監視装置13a、13b、13c・・・から送信されてくる種々の計測信号データを、所定のフォーマットに合うように加工して、監視盤表示用コンピューター1のバスに供給するものである。なお、後述するとおり、本発明の監視盤表示装置を訓練用の監視盤表示装置として使用する場合には、遠隔監視装置13a、13b、13c・・・から送信されてくる種々の計測信号データに代えて、訓練用のコンピュータから送信されてくる模擬の計測信号データが監視盤コントローラー12に入力されることになる。或いは、訓練用コンピュータによって、既に所定のフォーマットに加工された計測信号データが、監視盤コントローラー12を介して、または介さずに、バス11に供給されても良い。
図2は、背景画像記憶手段4に記憶されている背景画像の一例を示す図である。背景画像14は、一つの監視盤の全体に相当し、主として、施設や設備群の種類や配置、相互の接続関係などの、短期間では変化しない半固定的な構成を図形等によって模式的に示すものである。この背景画像14は、本発明によって表示される監視盤画像においては、後述する表示器画像の背景として位置づけられるものである。背景画像14は、主として、半固定的な構成を図形等によって模式的に示すものであるけれども、テレメータ信号等に基づいて短期間に変化させなければならない部分についても、背景画像中に対応する図形等を描いておくことは一向に差し支えない。
図2に示す例の場合、背景画像14は、横はA〜Lの12列、縦は1〜6の6行からなる、12×6=72個の細分背景画像15から構成されている。各細分背景画像15、15、15・・・には、その背景画像14中に占める位置に対応して、A1、B2等の名称が付されており、この名称によって、その細分背景画像15が背景画像14中のどの位置に配置されるべきものであるかを知ることができる。例えば、図2においてF3で示された細分背景画像15は、図中破線で示すとおり、背景画像14において、F列、3行の位置を占めるものであり、例えば「細分背景画像F3」として表示することができる。
背景画像14を構成する細分背景画像15、15、15・・・は、通常のグラフィックツールを用いて描くことができるので、容易に編集ないしは変更が可能であり、監視すべき施設や設備群の変更に機敏に対応することができるという利点がある。また、細分背景画像15、15、15・・・は、背景画像記憶手段4内に、細分背景画像15ごとに個別のファイルとして記憶されるので、各細分背景画像15のファイルの名称に、上述した列と行とを表すアルファベットと数字の組み合わせを付しておくことによって、ファイルの読み出し時に、その背景画像14中に占めるべき位置を容易に知ることができる。或いは、逆にファイル名を指定することによって、背景画像14中の特定の位置の細分背景画像15を読み出すことも可能である。なお、背景画像14を構成する細分背景画像15の数は、表示すべき監視盤の大きさや、細分背景画像の大きさによって変化することは勿論であり、図2に示された72個よりも多くなることも、少なくなることもあり、極端な場合には、背景画像14はただ一つの細分背景画像15から構成されていても良い。
図3は、細分背景画像15の一例を拡大して示す図であり、図2におけるF3の位置の細分背景画像に相当するものである。図3において、16、16は設備の名称表示であり、短期的には変更が予定されておらず、しかもその設備自体は監視対象とされていないので、半固定的な背景画像として描かれている。17、17、17は各設備を結ぶ送電線であり、その状態は監視対象とはされていないため、半固定的な背景画像として描かれている。18はラインスイッチ、19a、19b、19cはサーキットブレーカーであり、これらもテレメータ信号に基づいて状態を変化させて表示しなければならない表示器に相当する図形ではあるけれども、細分背景画像15全体を見易くするために、便宜上描かれているものである。細分背景画像15に描かれたラインスイッチ18、サーキットブレーカー19a、19b、19cの画像の上には、後述するように、テレメータ信号に基づいて変化する表示器画像が三次元的に重ね合わされるので、細分背景画像15にラインスイッチ18、サーキットブレーカー19a、19b、19cの画像を描いておいても何ら差し支えない。
20は電気所名表示器である。電気所名表示器20は、テレメータ信号に基づいてその色彩等を変化させなければならない施設または設備の名称を表示する所名表示器に相当する部分であり、図3に示す細分背景画像15においては、白く、無地で残されている。21は、テレメータ信号に基づいて、電圧等の変化する数字を表示する数値表示器に相当する部分であり、数値表示器の形状を模した図形が描かれている。
上述した送電線17、ラインスイッチ18、サーキットブレーカー19a、19b、19c、名称表示器20、及び数値表示器21の図形は、いずれもモザイク式監視盤におけるそれらを表す図形を模したものであるので、従来のモザイク式監視盤を見慣れた監視員にも違和感を与えることがない。さらには、細分背景画像15には、モザイク式監視盤においてモザイクブロックの接合部によって形成される格子模様を模した図形22が描かれている。この格子模様が監視盤画像の背景に地模様として存在することによって、見る者に視点の基準を与えることができるので、全くの無地の背景に監視盤が描かれる場合に比べて、見やすさと視認性が向上するという利点がある。
図1に戻って、本発明の監視盤表示装置によって、まず監視盤の背景画像が形成される手順を説明する。図示しない入出力装置を介して、或いは起動された本発明のプログラムによって、CPU2が背景画像作成の命令を受け取ると、CPU2は、背景画像記憶手段4から細分背景画像15A1、15B1、15C1・・・を順次読み出して、GPU8に送る。GPU8は、順次送られてくる細分背景画像15A1、15B1、15C1・・・の順序またはそのファイル名に付与されたアルファベットと数字の組み合わせから、その細分背景画像の背景画像14中の位置を認識する。GPU8は、さらに、送られてきた細分背景画像15A1、15B1、15C1・・・に対応する背景三次元モデルを作成し、その対応する細分背景画像の背景画像14中の位置に基づいて、座標変換を行い、仮想された三次元空間内に配置する。なお、背景三次元モデルは、必要時にその都度生成するようにしても良いし、予め記憶されている背景三次元モデルを記憶装置から読み出すことによって生成するようにしても良い。
背景三次元モデルの三次元形状は、細分背景画像をテクスチャマッピングする面が設けられている限り、特段の制限はないけれども、無用の複雑さを避けるためには、細分背景画像の二次元形状に合わせた表面を備えた立方体ないしは直方体形状の三次元モデルとするのが良く、その立方体ないしは直方体の一つの表面を細分背景画像をテクスチャマッピングする面とするのが好ましい。また、背景三次元モデルの表現法にも特に制限はないけれども、三次元モデルの生成の容易さからは、三角形ないしは四角形のポリゴンによる表現が好ましい。
背景三次元モデルの三次元空間内への配置の仕方は、それぞれの背景三次元モデルにおける細分背景画像がテクスチャマッピングされる面が、全て同じ方向を向き、テクスチャマッピングされる画像が互いに連続して全体として1つの背景画像を構成するように配置されるものであることはいうまでもない。なお、個々の細分背景画像15A1、15B1、15C1・・・の対応する背景三次元モデルへのテクスチャマッピングは、背景三次元モデルを三次元空間内の所定位置に配置する前に行っても良いし、配置した後に行っても良いし、後述する視点の設定後、二次元画像への変換が終わってから行うようにしても良い。
図4は、表示器画像記憶手段5に記憶されている図形の表示器画像の一例を示す図である。表示器画像は、細分背景画像と同じく格子状の地模様のある背景画像上に画像として定義されている。図4に示すように、各図形の表示器画像には、その種類に対応して、それぞれ「TYPE1」、「TYPE2」、・・・等の符号が付されている。例えば、「TYPE1」はサーキットブレーカー19を、[TYPE2」はラインスイッチ18を、「TYPE3」はアースを、「TYPE4」〜「TYPE7」は電気所母線を、「TYPEn」は大型の所名表示器を、「TYPEm」は小型の所名表示器を、それぞれ表す図形であり、図4の例においては、各タイプごとに4色の図形(図4では色彩の違いを「白」、「黒」、「細かいハッチング」、及び「粗いハッチング」で表している)が画像として定義され、表示器画像記憶手段5に記憶されている。表示器画像記憶手段5からの表示器画像の読み出しは、図中矢印で示すように、該当する表示器画像に相当する部分だけを切り出すことによって行われる。
図5は、表示器画像記憶手段5に記憶されている数字や符号の表示器画像の一例を示す図である。図5に示すように、0から9までの数字と、プラス、マイナスの符号、上又は下向きの矢印、左又は右向きの矢印、及び小数点のセットが複数セット(C1〜C7)定義され、記憶されているが、例えばC1のセットは「緑」、C2のセットは「赤」、C3のセットは「黄」というように、各セットは色彩が異なっている。C0はブランクの図形のセットであり、数字や符号を何も表示しない場合には、このC0のブランクの図形のセットが使用される。図5においてEの行に示される「E」の文字は「エラー」を表し、「EEEEEEE」と表示されたその一文字一文字は異なる色彩の「E」である。「EEEEEEE」の列の一番左には、「E」の文字のないブランクの図形が定義されており、これはエラー表示を行わない場合に使用される。数字や符号の表示器画像の読み出しも、図4に示した表示器画像の読み出しと同様に、数字「1」であれば「1」の部分だけを、また符号「+」であれば「+」の部分だけを切り出すことによって行われる。図4及び図5に示す図形や数字、文字、符号等の画像は、あくまでも例示であり、図4及び図5に示される以外の図形や数字、文字、符号、記号等を図形として定義して、表示器画像記憶手段5に記憶させても良いことは言うまでもない。
本発明において、外部からのテレメータ信号に基づく、表示器画像記憶手段5からの表示器画像の読み出しは、例えば、以下のようにして行われる。すなわち、図1に示すように、遠隔地に存在する遠隔監視装置13a、13b、13c・・・から送信されてくる種々の計測信号データは、監視盤コントローラー12によって、所定のフォーマットに整えられ、一連のテレメータ信号データとして、監視盤表示用コンピューター1のバスに供給される。一方、監視盤表示用コンピューター1には、レイアウトテーブル7が設けられており、レイアウトテーブル7には、送られてくるテレメータ信号中のデータの位置と、表示すべき表示器との対応関係が定められている。例えば、テレメータ信号データのデータ部分の1ビット目から2ビット目までのデータは、TYPE1のサーキットブレーカーの状態を示すデータであり、そのサーキットブレーカーは、背景画像14中のどの位置に表示すべきものであるのかがレイアウトテーブル7には記述されている。また、デザインテーブル6には、例えばTYPE1の色彩の異なる4種の表示器画像は、それぞれ、表示器画像記憶手段5のどの場所に記憶されているかが記載されている。
したがって、CPU2は、テレメータ信号を受け取ると、レイアウトテーブル7に基づいて、テレメータ信号中のデータ部の1ビット目から2ビット目までのデータは、TYPE1のサーキットブレーカーについてのデータであると認識し、この表示すべき表示器のタイプについての情報と、1ビット目から2ビット目までのデータ中に含まれている色彩についての情報と、デザインテーブル6に記載されているTYPE1の表示器画像の表示器記憶手段5における記憶場所についての情報とに基づいて、表示器画像記憶手段5から、TYPE1の指定された色のサーキットブレーカーの表示器画像を読み出し、その表示器画像と、レイアウトテーブル7に指定されている背景画像14中の表示すべき位置についての情報とを対応づけて、GPU8に伝えることができる。
同様にして、CPU2は、例えば、テレメータ信号中のデータ部の3ビット目から4ビット目までのデータは、TYPE2のラインスイッチについてのデータであると認識し、この表示すべき表示器のタイプについての情報と、3ビット目から4ビット目までのデータ中に含まれている色彩についての情報と、デザインテーブル6に記載されているTYPE2の表示器画像の表示器記憶手段5における記憶場所についての情報とに基づいて、表示器画像記憶手段5から、TYPE2の指定された色のラインスイッチの表示器画像を読み出し、その表示器画像と、レイアウトテーブル7に指定されている背景画像14中の表示すべき位置についての情報とを対応づけて、GPU8に伝えることとなる。なお、サーキットブレーカーやラインスイッチの表示器画像においては、その色彩、すなわち色が、状態を表すシンボルである。例えば「緑」であれば「切り」の状態にあり、「赤」であれば「入り」の状態にある等であり、これらの対応関係は予め定めておくことができる。
レイアウトテーブル7には、テレメータ信号中のデータの位置と表示すべき表示器画像のタイプとの関係に加えて、そのタイプの表示器画像中に表示すべき文字についての情報を含めることができる。例えば、テレメータ信号中のデータ部の5ビット目から6ビット目までのデータは、TYPEnの電気所の名称を表示する所名表示器画像についてのデータであり、その所名表示器画像には、「浜松」という文字を表記するという指定をレイアウトテーブル7において定めておくことができる。この指定には、表示すべき文字のフォントやサイズ、その所名表示器画像中の位置などについての情報も含めることができる。
したがって、CPU2は、レイアウトテーブル7に基づいて、テレメータ信号中のデータ部の5ビット目から6ビット目までのデータは、TYPEnの所名表示器についてのデータであると認識し、この表示すべき表示器のタイプについての情報と、5ビット目から6ビット目までのデータ中に含まれている色彩についての情報と、デザインテーブル6に記載されているTYPEnの所名表示器画像の表示器記憶手段5における記憶場所についての情報とに基づいて、表示器画像記憶手段5から、TYPEnの指定された色の所名表示器の画像を読み出し、さらに、レイアウトテーブル7に指定されている表記すべき文字についての情報に基づいて、読み出された所名表示器の画像に指定された文字を重ね合わせ、その文字が重ね合わせられた画像を表示器画像として、レイアウトテーブル7に指定されている背景画像14中の表示すべき位置についての情報と対応づけて、GPU8に伝えることとなる。
表示器画像が数値表示器であっても基本的に同様である。ただし、数値表示器に関しては、表示すべき数値の桁数、上下左右の矢印記号や、プラス・マイナスなどの符号の表示の要否などに応じて、表示器画像のタイプが定められている。また、数値表示器に関しては、レイアウトテーブル7には、テレメータ信号中のデータの位置と、表示すべき数値表示器のタイプとの対応関係、その数値表示器の背景画像中の位置についての情報に加えて、指定された位置のビットの状態と表示すべき数字等の色彩との対応関係や、指定された位置のビットの状態と表示すべき小数点の位置との対応関係などの情報を含ませることができる。
したがって、CPU2は、テレメータ信号を受け取ると、レイアウトテーブル7に基づいて、テレメータ信号中のデータ部の、例えば11ビット目から26ビット目までのデータは、上下いずれかの矢印に数字3桁を表示するタイプの数値表示器についてのデータであると認識し、この表示すべき数値表示器のタイプについての情報と、11ビット目から26ビット目までのデータ中に含まれている表示すべき数字等の色彩についての情報と、表示すべき符号についての情報と、表示すべき数値についての情報と、表示すべき小数点の位置についての情報と、デザインテーブル6に記載されている数字等の画像の表示器記憶手段5における記憶場所についての情報とに基づいて、表示器画像記憶手段5から、指定された色彩の上向き又は下向きの矢印の画像を読み出し、続いて、指定された色彩の指定された数字の画像を3桁分順次読み出し、それら矢印と3つの数字の画像をワンセットの表示器画像として、レイアウトテーブル7に指定されている背景画像14中の表示すべき位置についての情報と対応づけて、GPU8に伝えることとなる。
GPU8は、順次送られてくる表示器画像に対応する表示器三次元モデルを作成し、その対応する表示器画像の背景画像14中の位置に基づいて、座標変換を行い、仮想された三次元空間内に配置する。このような表示器三次元モデルの生成と、三次元空間への配置は、表示すべき全ての表示器について行われる。なお、表示器三次元モデルは、必要時にその都度生成するようにしても良いし、予め記憶されている表示器三次元モデルを記憶装置から読み出すことによって生成するようにしても良い。
表示器三次元モデルの三次元形状は、背景三次元モデルと同様に、表示器画像をテクスチャマッピングする面が設けられている限り、特段の制限はないけれども、無用の複雑さを避けるためには、表示器画像の二次元形状に合わせた表面を備えた立方体ないしは直方体形状の三次元モデルとするのが良く、その立方体ないしは直方体の一つの表面を表示器画像をテクスチャマッピングする面とするのが好ましい。また、表示器三次元モデルの表現法にも特に制限はないけれども、三次元モデルの生成の容易さからは、背景三次元モデルと同様に、三角形ないしは四角形のポリゴンによる表現が好ましい。なお、数値表示器の表示器画像に関しては、読み出された個々の符号や数字毎に1つの表示器三次元モデルを生成し、それら表示器三次元モデルを所定の数だけ並べて、1つの数値表示器に対応する表示器三次元モデルとしても良いし、複数の符号又は数字画像によって構成される1つの数値表示器に対し、1つの表示器三次元モデルを生成するようにしても良い。
表示器三次元モデルの三次元空間内への配置の仕方は、それぞれの表示器三次元モデルにおける表示器画像がテクスチャマッピングされる面が、背景三次元モデルにおける背景画像がテクスチャマッピングされる面と同じ方向を向くように行われる。なお、表示器画像の対応する表示器三次元モデルへのテクスチャマッピングは、表示器三次元モデルを三次元空間内の所定位置に配置する前に行っても良いし、配置した後に行っても良いし、後述する視点の設定後、二次元画像への変換が終わってから行うようにしても良い。
上述のようにして、背景三次元モデルと表示器三次元モデルの三次元空間内への配置が終わると、GPU8は、通常のレンダリングの手法にしたがって、三次元空間内に視点の設定と、光源の設定を行う。図6に、三次元空間内に配置された背景三次元モデル23と、表示器三次元モデル24、並びに視点25との関係を簡略化して模式的に示す。図6において背景三次元モデル23は単一の薄い直方体として表現されているけれども、実際には多数の背景三次元モデルによって構成されており、テクスチャマッピングされた場合には、その視点25に向けた面の全体で1つの背景画像、すなわち、1つの監視盤画像を構成することとなる。表示器三次元モデル24は、同じくテクスチャマッピングされる面を視点25の側に向けて、背景三次元モデルよりも手前側に配置されている。なお、図6においては表示器三次元モデル24、24、24は薄い直方体として表現されているけれども、表示器三次元モデルが図示の形状に限られるものでないことは言うまでもない。
このような三次元空間内に視点25が設定される。視点25は、図示のように、表示器三次元モデルが背景三次元モデルよりも手前なるような位置に設定され、図示しない光源は、背景三次元モデル及び表示器三次元モデルのテクスチャマッピングされる面が均等に照らされるような位置に設定される。視点25から伸びる一点鎖線で囲まれた領域がビューボリュームであり、そのビューボリューム内に位置する背景三次元モデル及び表示器三次元モデルが、適宜の位置に設定されたビュースクリーン26上に投影され、隠面処理がされて、二次元画像に変換される。二次元画像に変換される領域は、背景三次元モデル23上では、実線で四角く囲ったAで示される領域となる。二次元画像への変換後に、背景三次元モデル及び表示器三次元モデルのそれぞれに、背景画像及び表示器画像をテクスチャマッピングすることにより、表示すべき監視盤画像が得られることとなる。GPU8は、このようにして作成された監視盤画像を、適宜ビデオメモリ9に記憶させ、また表示装置10に表示させることができる。なお、テクスチャマッピングは、適宜のタイミングで行うことができ、背景三次元モデル及び表示器三次元モデルの三次元空間内への配置前に行っても良いし、視点を設定して二次元画像に変換する前に行っても良い。
図7は、上述のようにして作成された監視盤画像の一例を、図3に示した1つの細分背景画像に対応する部分だけ取り出して示したものである。図7に示されるように、図3においては空白であった電気所名表示器20には、「浜松」の文字が入り、その地色は「白」である。この電気所名表示器20の表示器画像は、例えば図4においてTYPEnとして示されるタイプの所名表示器画像のうちの最上段にある「白」の所名表示器画像である。CPU2は、この所名表示器画像を読み出すに際し、レイアウトテーブル7の指定に基づいて、「浜松」の文字を重ね合わせて、GPU8に送ったことになる。
一方、ラインスイッチ18及びサーキットブレーカー19aは、「赤」(図では「黒」)で表示されており、これは、例えばラインスイッチ18が「入り」状態、サーキットブレーカー19aが「入り」状態にあることを示している。また、サーキットブレーカー19b、19cは「緑」(図では「白」)で表示されており、これは、例えばサーキットブレーカー19b、19cが「切り」状態にあることを示している。数値表示器21にも「777」の数字が表示されており、これは、例えば符号Vで表される電圧値が「777キロボルト」であることを示している。
図8は、監視盤画像の他の例を1つの細分背景画像に対応する部分だけ取り出して示したものである。図8に示されるとおり、電気所名表示器20は、図4に示すTYPEmの所名表示器画像の最上段の画像に「静岡」の文字が重ね合わされたものであり、数値表示器21に表示されている下向きの矢印と数字「0」は、テレメータ信号に基づいて、図5に示す表示器画像から指定された色の下向きの矢印の画像と、指定された色の数字「0」の画像とを読み出して、対応する表示器三次元モデルにテクスチャマッピングすることによって得られた画像である。この数値表示器21が、もしも上下いずれかの向きの矢印と、数字3桁とを表示するタイプであれば、数値表示器21における下向きの矢印と数字「0」との間には、ブランクを示す表示器画像が数字2個分存在していることになる。この数値表示器は、矢印の向きの通過電力を数値表示として表示するものである。27a〜27dは監視すべき電気所母線であり、図4におけるTYPE5の画像を対応する表示器三次元モデルにテクスチャマッピングすることによって得られた画像である。図8の場合、電気所母線27a〜27dは地色(図では「ハッチング」で表示)のままとして表示され、異常がないことを表している。サーキットブレーカー19a、19bは「赤」(図では「黒」で表示)で表示された「入り」状態にあり、他方、サーキットブレーカー19c、19dは「緑」(図では「白」で表示)で表示された「切り」状態にある。1B、2B、3Bは、変圧器であり、これらは背景画像として描かれている。
以上のようにして、本発明の監視盤表示装置並びに監視盤表示方法によれば、ある時点での監視すべき施設又は設備群の状態を監視盤画像として、適宜の表示装置10に表示することができる。一方、図1に示す遠隔監視装置13a、13b、13c・・・からは、監視対象である施設又は設備群の状態を表す種々の計測信号データが逐次、監視盤コントローラー12に送信されており、これをリアルタイムで監視盤画像として表示するためには、監視盤画像を一定の時間間隔ごとに書き換えることが必要となる。このため、CPU2は、一定の時間間隔、例えば0.5秒ごとに、監視盤コントローラー12にテレメータ信号データの送信を要求し、送信されてきたテレメータ信号データに基づいて、表示すべき全ての表示器画像の読み出しを行い、その読み出した表示器画像と、レイアウトテーブル7に指定されているその表示器画像の背景画像14中の表示すべき位置についての情報とを対応づけて、GPU8に伝えることとなる。
GPU8は、先に説明したのと同じ手順で、表示器三次元モデルを生成し、その生成した表示器三次元モデルをその表示すべき位置情報に基づいて三次元空間内に配置する。このとき、背景画像については書き換える必要がないので、背景三次元モデルに関しては、前回使用した三次元空間内への配置データをそのまま利用することができる。また、視点25及び光源の位置も変更する必要がないので、前回のデータをそのまま使用することができる。
GPU8は、続いて、先に説明したのと同じ手順で、二次元画像への変換を行い、細分背景画像及び表示器画像のテクスチャマッピングを行い、表示すべき監視盤画像を得る。前回使用した細分背景画像のテクスチャマッピングしたデータが利用できる場合には、細分背景画像に関してはテクスチャマッピングを省略することができる。GPU8の性能や、表示すべき監視盤画像の大きさにも依るけれども、通常、テレメータ信号に基づく表示器画像の読み出しからレンダリングによって表示すべき監視盤画像を得るまでに要する時間は0.5秒未満であり、0.5秒の時間間隔で監視盤画像を更新することには特段の問題はない。なお、監視盤画像を更新する時間間隔は、0.5秒に限られず、もっと長くても良いし、GPU8の性能が許すならば、もっと短くても良い。以上のように、所定の時間間隔で、少なくとも表示器画像についてデータを更新して、監視盤画像の作成を繰り返すことによって、監視すべき施設又は設備群の状態をリアルタイムで監視盤画像として表示することが可能となる。
図9は、図8に示した監視盤画像が更新された状態を示している。すなわち、上下二系統ある電気所母線27a、27bのうち、電気所母線27bに異常が生じ、そのため、電気所母線27bの表示は異常を示す「赤」(図では「黒」で表示)となっている。また、電気所母線27bに異常が発生したために、電気所母線27bと電気所母線27cとを結ぶ変圧器3Bのサーキットブレーカー19a、19bは「切り」状態となり、そのことがサーキットブレーカー19a及び19bの表示が「赤」から「緑」(図では「黒」から「白」)となったことによって示されている。なお、電気所母線27a、27c、27dには異常はなく、地色(図では「ハッチング」で表示)のままとして表示されている。同様に、電気所名表示器20における地の色が消灯状態を示す「白」から「アンバー」(図ではハッチングで表示)に変わり、異常があることを表示している。また、数値表示器21の数値は、変圧器の通過電力を数値表示として表示している。
なお、電気所母線27bの表示が、異常を示す「赤」に変わったことに監視員の注意を喚起するために、例えば、電気所母線27bの「赤」表示を所定の時間間隔で点滅させてフリッカ表示とすることができる。このフリッカ表示の指令は、例えば、テレメータ信号データ中にフリッカ表示の要否を指定するビットを設けることによって、テレメータ信号データ中に含ませることができる。このようなフリッカ表示の指令が特定の表示器画像についてあった場合、CPU2又はGPU8は、テレメータ信号データによる「赤」表示の指令とは別に、監視盤画像を更新する際、1回置きに消灯を示す「白」の表示を行うように、その表示器画像についての色の指定を変更する。例えば、異常のあった電気所母線27bについて、異常を示す「赤」表示の指令とともに、フリッカ表示の指令があった場合、CPU2又はGPU8は、電気所母線27bの表示を、監視盤画像の更新のタイミングに合わせて、「赤」→「白」→「赤」→「白」と切り替え、これにより監視盤画像においては電気所母線27bの表示が「赤」が点滅するフリッカ表示となる。なお、このようなフリッカ表示の指令は、電気所母線27bについてだけでなく、その他の表示器についても行うことができ、状態の変化した表示器、特に数値が変化した数値表示器などに監視員の注意を喚起するために利用することができる。フリッカ表示の終了は、異常状態の解消、所定の時間の経過、所定回数の監視盤画像の更新の終了、監視員による確認操作などによって行うことができる。
監視盤画像による表示領域の変更は、三次元空間内に設定される視点の位置の変更によって行うことができる。すなわち、図10に示すように、視点25を図示の位置に設定した場合には、ビュースクリーン26に投影される監視盤画像は図中Aで示す領域であるが、視点25を視点25’の位置まで背景三次元モデルのテクスチャマッピング面に平行に移動させると、監視盤画像は、ビュースクリーン26’に投影される図中A’で示される領域となる。これによって、広い監視盤の任意の領域を画像として表示することができる。なお、表示すべき領域の指定や移動は、マウスやキーボードなどの適宜の入力装置を介して表示画面上で行うことができる。また、背景画像や表示器画像として表示される施設や設備の名称の一覧テーブルを作成しておき、適宜表示画面上のウインドとして表示させ、その表示されたテーブル上の名称をマウス等で指定することによって、監視盤画像として表示される領域を変更するようにしても良い。さらには、音声入力装置を介して、監視盤画像として表示すべき施設や設備の名称を音声入力することによって、監視盤画像として表示される領域を変更するようにしても良い。
本発明の監視盤表示装置及び監視盤表示方法には、表示される監視盤画像の拡大、縮小を行う手段ないしはステップを設けることができる。すなわち、本発明の監視盤表示装置及び監視盤表示方法において、表示される監視盤画像の拡大、縮小は、背景画像記憶手段4に描画倍率の異なる複数の細分背景画像のセットを記憶させておき、指定された表示倍率ないしは拡大、縮小の指示に応じて、背景画像記憶手段4からの読み出すべき細分背景画像のセットを選択する手段ないしはステップを設けることによって行うことができる。例えば、図2に示す例では、横12列、縦6行の合計72個の細分背景画像によって1つの監視盤画像が構成されているけれども、1つの細分背景画像の大きさは変えずに、個々の細分背景画像に描かれる背景画像を拡大すれば、1つの監視盤画像を構成するのに要する細分背景画像の数は増し、例えば図10において、1つの監視盤画像を構成する背景三次元モデル23の大きさが、二次元領域に変換される領域A又はA’の大きさに比べて大きくなり、監視盤画像は拡大されたことになる。
逆に、1つの細分背景画像の大きさは変えずに、個々の細分背景画像に描かれる背景画像を縮小すれば、1つの監視盤画像を構成するのに要する細分背景画像の数は減少し、例えば図10において、1つの監視盤画像を構成する背景三次元モデル23の大きさが、二次元領域に変換される領域A又はA’の大きさと同じか、それより小さくなれば、監視盤の全体を1つの監視盤画像として表示することができる。この場合、監視盤画像は縮小されたことになる。本発明の監視盤表示装置並びに監視盤表示方法においては、描画倍率が段階的に異なる細分背景画像のセットを複数セット、背景画像記憶手段4に記憶させておき、表示倍率の変更指令に基づいて、背景画像記憶手段4から読み出す細分背景画像のセットを選択することによって、表示装置10に表示される監視盤画像を拡大したり縮小したりすることができる。
このように、本発明の監視盤表示装置並びに表示方法においては、表示倍率の変更指示又は表示画像の拡大若しくは縮小の指示に基づいて、単にソフトウエア上で画像の拡大又は縮小を行うのではなく、実際に拡大又は縮小して描かれた細分背景画像のセットを記憶させておき、それらを適宜切り換えて使用するようにしているので、表示画像を拡大しても画像が粗くなることがなく、また、表示画像を縮小しても、図形や文字が潰れたりすることがなく、常に鮮明が画像を表示することができる。
表示器画像に関しても、表示器画像記憶手段5に、描画倍率が段階的に異なる表示器画像のセットを複数セット記憶させておき、表示倍率の変更指令に基づいて、表示器画像記憶手段5から読み出す表示器画像のセットを選択するようにしても良いことは勿論である。しかしながら、表示器画像は、比較的単純な画像であり、ソフトウエア上で拡大、縮小しても、画像が乱れることが少ないので、背景画像記憶手段4から読み出される細分背景画像の描画倍率に合わせて、適宜ソフトウエア上で拡大ないしは縮小して使用することができる。なお、背景画像記憶手段4から読み出される細分背景画像の描画倍率が変更された場合には、背景画像についても、対応する背景三次元モデルの三次元空間内への配置やテクスチャマッピングを含め、レンダリング処理を行って、監視盤画像を更新する必要があることはいうまでもない。
上記のようにして、表示画像の大幅な拡大、縮小が可能であるが、僅かな拡大や縮小であれば、例えば図10において、視点25の位置を背景三次元モデル23に対して垂直な方向に移動させることによって行うことができる。すなわち、視点25を背景三次元モデル23に近づけると、ビュースクリーン26に投影される領域Aの大きさは小さくなるので、二次元変換された画像は拡大され、逆に、視点25を背景三次元モデル23から遠ざけると、ビュースクリーン26に投影される領域Aの大きさは大きくなるので、二次元変換された画像は縮小されたことになる。本発明の監視盤表示装置並びに表示方法においては、予め描画倍率の異なる細分背景画像のセットを複数用意しておき、これらを切り換えて使用することによる表示画像の拡大、縮小と、視点の移動による表示画像の拡大、縮小とを組み合わせて用いることによって、滑らかな画像の拡大、縮小を行うことができ、しかも、画像の鮮明さも損なわれることがないという利点が得られるものである。
なお、表示すべき監視盤画像が複数種類存在する場合には、それぞれの監視盤画像に対応した細分背景画像15、15、15・・・のセットを複数セット、背景画像記憶手段4に記憶させておくとともに、それぞれの監視盤画像に対応した表示器画像のセットを複数セット、表示器画像記憶手段5に記憶させておき、さらには、デザインテーブル6およびレイアウトテーブル7を複数種類、記憶装置3に記憶させておいて、使用する細分背景画像セット、表示器画像のセット、デザインテーブル6、およびレイアウトテーブル7を適宜変更することで、表示する監視盤画像を適宜変更することができる。表示器画像のセット、およびデザインテーブル6に関しては、監視盤画像を変更しても変更の必要がない場合には、変更しなくても良い。
図11は、本発明の監視盤表示装置を、訓練用の監視盤表示装置として用いる場合の訓練システムの概略を示すブロック図である。図1におけると同じものには同じ符号を付してある。図11において、28は訓練用コンピューターであり、29a、29b、29cは被訓練者のテーブル、30、30、30は被訓練者のテーブルに設置された被訓練者用モニター、31a、31b、31c、31dは訓練トレーナーのテーブル、32、32、32、32は訓練トレーナーのテーブルに設置されたトレーナー用モニターである。
訓練用コンピューター28は、訓練対象となっている電力系統における現在の状態を模擬した訓練用の模擬計測信号データを発生して、それを模擬テレメータ信号として監視盤コントローラー12に送り、監視盤10に訓練用の監視盤画像を表示させる。すなわち、監視盤コントローラー12は、訓練用コンピューター28から送られてきた模擬テレメータ信号を、所定のフォーマットに加工して、バス11に供給し、この供給された模擬テレメータ信号に基づいて、監視盤表示用コンピューター1は、上述した手順に沿って、監視盤10に監視盤画像を表示することになる。
訓練用コンピューター28は、被訓練者用モニター30、30、30には、例えば、実際の給電指令室における指令台のモニター画面と同様のモニター画像を表示させるとともに、トレーナー用モニター32、32、32、32にも、トレーナー用のモニター画像を表示させる。これらのモニター画像が、訓練用コンピューター28によって発生されている模擬計測信号データに基づいて監視盤10に表示されている電力系統の現在の状態に対応するものであることは勿論である。
訓練用コンピューター28は、予め設定されたプログラムに基づいて、或いは、訓練トレーナーのテーブル31a、31b、31c、31dからの指示に基づいて、訓練対象となっている電力系統の状態を変化させ、その変化を、模擬計測信号データの変化として、監視盤コントローラー12に送り、監視盤10は、その表示している監視盤画像を変化させる。同時に、被訓練者用モニター30、30、30に表示されるモニター画像も変化し、被訓練者は、変化した監視盤10の監視盤画像と、自身のテーブルに設置されている被訓練者用モニター30、30、30に表示されるモニター画像の変化に対応して、適切な操作や指示等を実行し、訓練が行われることになる。
このように、本発明の監視盤表示装置および監視盤表示方法によれば、外部からのテレメータ信号として、訓練用の模擬テレメータ信号を使用することにより、訓練用の監視盤を表示することができる。このとき、訓練対象となる電力系統等が複数存在する場合には、それぞれの電力系統等の監視盤画像に対応した細分背景画像15、15、15・・・のセットを複数セット、背景画像記憶手段4に記憶させておくとともに、それぞれの電力系統等の監視盤画像に対応した表示器画像のセットを複数セット、表示器画像記憶手段5に記憶させておき、さらには、デザインテーブル6およびレイアウトテーブル7を複数種類、記憶装置3に記憶させておいて、使用する細分背景画像セット、表示器画像のセット、デザインテーブル6、およびレイアウトテーブル7を適宜変更することで、表示する監視盤画像を変更し、訓練対象となる電力系統等の変更にも随時対応することができる。
なお、上述した例においては、本発明の監視盤表示装置および監視盤表示方法は、監視盤10に監視盤画像を表示させるためだけに用いられているけれども、本発明の監視盤表示装置および監視盤表示方法は、被訓練者用モニター30、30、30や、トレーナー用モニター32、32、32、32に、モニター画像を表示させるのにも使用することができる。被訓練者用および/またはトレーナー用のモニター画像を、本発明の監視盤表示装置または監視盤表示方法によって表示させる場合には、モニター画像と監視盤画像との対応関係がより明瞭となり、しかも、本発明の監視盤表示装置または監視盤表示方法によって表示される画像は、視認性が良く、臨場感にも優れているので、被訓練者および訓練トレーナーにとって極めて見易く、有用である。このことは、訓練用ではない、実際の給電指令室等におけるモニター画像においても同様であり、本発明の監視盤表示装置または監視盤表示方法によって給電指令室等におけるモニター画像を表示させる場合には、モニター画像と監視盤画像との対応関係がより明瞭となり、しかも、表示されるモニター画像は、視認性が良く、臨場感にも優れているので、極めて見易く、有用である。
以上説明したように、本発明の監視盤表示装置並びに監視盤表示方法によれば、従来のモザイク式監視盤と同じくリアルで臨場感があり、しかも視認性に優れた監視盤画像を、適宜の表示装置にコンピューター画像として表示させることができる。本発明によって得られる監視盤画像は、コンピューター画像であるため、その作成やメンテナンスが容易で、監視すべき施設や設備群の変更にも柔軟に対応することができる。さらに、コンピューターに本発明の監視盤表示方法を実行させる手順を記述したプログラムは、市販のAPIを用いて作成、編集することが可能であり、ユーザーにおけるカスタマイズも容易であるという特徴がある。本発明によって得られる監視盤画像は、外部からのテレメータ信号として、模擬テレメータ信号を用いることによって、訓練用の監視盤表示装置並びに監視盤表示方法としても使用することができる。本発明の監視盤表示装置並びに監視盤表示方法は通常のコンピューターと市販のAPIを用いて作成されたプログラムによって、極めてシンプルなシステムとして構築することが可能である。本発明の監視盤表示装置並びに監視盤表示方法、及びプログラムは、電力系統はもとより、種々の施設ないしは設備群の監視を必要とする全ての業界にとって極めて有用であり、その産業上の利用可能性は多大である。
本発明の監視盤表示装置の概略を示すブロック図である。 記憶されている背景画像の一例を示す図である。 細分背景画像の一例を拡大して示す図である。 記憶されている表示器画像の一例を示す図である。 記憶されている表示器画像の一例を示す図である。 三次元空間における各三次元モデルと視点との関係を模式的に示す図である。 作成された監視盤画像の一例を1つの細分背景画像に対応する部分だけ取り出して示した図である。 作成された監視盤画像の一例を1つの細分背景画像に対応する部分だけ取り出して示した図である。 更新された監視盤画像の一例を1つの細分背景画像に対応する部分だけ取り出して示した図である。 三次元空間における視点の移動による効果を模式的に示す図である。 本発明の監視盤表示装置を、訓練用の監視盤の表示装置として用いる場合の概略を示すブロック図である。
符号の説明
1 監視盤表示用コンピューター
2 CPU
3 記憶装置
4 背景画像記憶手段
5 表示器画像記憶手段
6 デザインテーブル
7 レイアウトテーブル
8 GPU
9 ビデオメモリ
10 表示装置
11 バス
12 監視盤コントローラー
13a、13b・・・ 遠隔監視装置
14 背景画像
15 細分背景画像
16 名称表示
17 送電線
18 ラインスイッチ
19 サーキットブレーカー
20 電気所名表示器
21 数値表示器
22 格子模様
23 背景三次元モデル
24 表示器三次元モデル
25 視点
26 ビュースクリーン
27a、27b・・・ 電気所母線
28 訓練用コンピューター
29a、29b・・・ 被訓練者用テーブル
30 被訓練者用モニター
31a、31b・・・ 訓練トレーナー用テーブル
32 トレーナー用モニター
A 表示領域

Claims (9)

  1. 施設または設備群の状態を監視する監視盤を画像として表示する監視盤表示装置であって、表示される監視盤画像は、施設又は設備群の構成を模式的に示す背景画像と、外部からのテレメータ信号に基づいて変化する前記施設または設備群の状態を表す表示器画像とを含み、(1)背景画像を構成する1又は複数個の細分背景画像を記憶する背景画像記憶手段と、背景画像記憶手段から細分背景画像を読み出す手段とを備えた背景画像読み出し手段;(2)表示器画像を記憶する表示器画像記憶手段と、外部からのテレメータ信号に基づいて、表示器画像記憶手段から表示すべき表示器画像を読み出す手段とを備えた表示器画像読み出し手段;(3)読み出された細分背景画像に対応する背景三次元モデル及び読み出された表示器画像に対応する表示器三次元モデルを生成する三次元モデル生成手段;(4)生成された背景三次元モデルを、対応する細分背景画像の背景画像中の位置に基づいて三次元空間内の所定の位置に配置するとともに、生成された表示器三次元モデルを、対応する表示器画像の背景画像中の位置に基づいて、背景三次元モデルが配置されているのと同じ三次元空間内の所定の位置に配置する手段と、背景三次元モデルと表示器三次元モデルとにそれぞれ対応する細分背景画像及び表示器画像をテクスチャマッピングする手段と、前記三次元空間内に配置された背景三次元モデルと表示器三次元モデルとから指定された表示部分に対応した二次元画像を得る手段とを備えたレンダリング手段;(5)前記レンダリング手段によって得られた、背景画像上に表示器画像が表示された二次元画像を表示する表示手段;とを含む、監視盤表示装置。
  2. 前記表示器画像が、施設または設備の種類、状態、及び/又は名称を表す図形、数字、記号、符号、文字、もしくはこれらの2以上の組み合わせを含み、必要に応じて色彩が付与された画像である請求項1記載の監視盤表示装置。
  3. 前記背景画像読み出し手段が、描画倍率の異なる細分背景画像のセットを複数セット記憶している背景画像記憶手段と、外部からの拡大又は縮小指示に応じて、前記背景画像記憶手段から読み出す細分背景画像のセットを選択する手段を備えている請求項1又は2に記載の監視盤表示装置。
  4. 前記レンダリング手段が、外部から指定された監視盤画像中の表示すべき部分及び/又は表示倍率に応じて、三次元空間内に設定される視点の位置を変化させる手段を備えている請求項1〜のいずれかに記載の監視盤表示装置。
  5. 前記外部からのテレメータ信号が、訓練用の模擬テレメータ信号である請求項1〜のいずれかに記載の監視盤表示装置。
  6. 施設または設備群の状態を監視する監視盤を画像として表示する監視盤表示方法であって、表示される監視盤画像は、施設又は設備群の構成を模式的に示す背景画像と、外部からのテレメータ信号に基づいて変化する前記施設または設備群の状態を表す表示器画像とを含み、(a)背景画像記憶手段に記憶されている背景画像を構成する細分背景画像を読み出すステップ、(b)読み出された細分背景画像に対応する背景三次元モデルを生成するステップ、(c)(a)〜(b)のステップを一つの背景画像を構成する全ての細分背景画像について行うステップ;(d)表示器画像を記憶する表示器画像記憶手段から、外部からのテレメータ信号に基づいて、表示すべき表示器画像を読み出すステップ、(e)読み出された表示器画像に対応する表示器三次元モデルを生成するステップ;(f)(d)〜(e)のステップを表示すべき全ての表示器画像について行うステップ;(g)生成した背景三次元モデルを、対応する細分背景画像の背景画像中の位置情報に基づいて三次元空間内の指定された位置に配置するステップと、生成した表示器三次元モデルを、対応する表示器画像の背景画像中の位置情報に基づいて、前記三次元空間内における背景三次元モデルの背景画像が形成される面よりも手前側の所定の位置に配置するステップと、背景三次元モデルの背景となる面に表示すべき細分背景画像をテクスチャマッピングするステップと、表示器三次元モデルの表示器となる面に表示すべき表示器画像をテクスチャマッピングするステップと、三次元空間内に配置された背景三次元モデルと表示器三次元モデルとから、指定された表示部分に対応した二次元画像を得るステップとを含む、レンダリングステップ;及び(前記レンダリングステップにおいて得られた、背景画像上に表示器画像が表示された二次元画像を記憶ないしは表示するステップ;とを含む、監視盤表示方法。
  7. 前記背景画像記憶手段が、描画倍率の異なる細分背景画像のセットを複数セット記憶しており、背景画像記憶手段に記憶されている背景画像を構成する細分背景画像を読み出すステップが、外部からの拡大又は縮小指示に応じて、読み出す細分背景画像のセットを選択するステップを備えている請求項記載の監視盤表示方法。
  8. 前記外部からのテレメータ信号が、訓練用の模擬テレメータ信号である請求項6又は7に記載の監視盤表示方法。
  9. コンピューターに請求項6〜8のいずれかに記載の監視盤表示方法を実行させる手順を記述したプログラム。
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