JP4848469B2 - 垂直磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ハードディスク装置等に用いられる垂直磁気記録媒体、垂直磁気記録媒体の製造方法、および垂直磁気記録媒体を備えた磁気記録再生装置に関する。
本願は、2008年3月28日に、日本に出願された特願2008−88146号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、磁気ディスク装置、フロッピー(登録商標)ディスク装置、及び磁気テープ装置等の磁気記録装置の適用範囲は著しく増大され、その重要性が増してきてる。それに伴い、これらの装置に用いられる磁気記録媒体の記録密度について、著しい向上が図られつつある。特にMRヘッド(磁気抵抗効果型ヘッド)の導入、及びPRML(PartialResponseMaximumLikelihood)技術の導入以来、単位面積あたりの情報量である面記録密度の上昇はさらに激しさを増している。近年では、さらにGMRヘッド(巨大磁気抵抗効果型ヘッド)、及びTMRヘッド(トンネル磁気抵抗型ヘッド)なども導入されており、1年に約100%の増加のペースで、記録密度の増加が続いている。
これらの磁気記録媒体については、今後更なる高面記録密度を達成することが要求されている。そのためには、磁気記録層の高保磁力化と高分解能、及び高い信号対雑音比(高SN比)を達成することが要求される。近年では、高面記録密度を達成するために媒体の絶対膜厚が薄くなってきており、これに伴い、記録磁化が熱的擾乱によって弱められる現象が問題となっている。
特に記録の熱的安定性は、大きな技術的課題である。とりわけ、前述のSN比を改善しようとすると、この熱的安定性が低下するケースが多いため、SN比と熱的安定性の2つの両立は、今後の開発の目標となっている。SN比に優れた媒体では、一般的に磁性層を構成する磁性粒子の結晶粒サイズが微細であることが多い。微細である事は媒体ノイズの軽減に有効である反面、磁性の熱的安定性の観点からは、微細である事は不安定領域に近い状態であると考えられる。上記の性質が、SN比を改善しようとすると熱的安定性が低下する理由の一つとなっていると思われる。
また、近年では、線記録密度の向上と同時に、トラック密度の増加を行う事によって、面記録密度を上昇させる努力も続けられている。最新の磁気記録装置では、トラック密度は110kTPIにも達している。しかし、トラック密度を上げていくと、密度が上がった事に起因して、隣接するトラック間の磁気記録情報が互いに干渉し合う現象がおきる。その結果、その境界領域にある磁化遷移領域が影響を受けてノイズ源となり、SN比が損なわれるという問題が生じやすい。上記問題は、そのままビットエラーレート(BitErrorrate)の低下につながるため、記録密度の向上に対して障害となっている。
また、トラック密度が増加するとトラック間距離が小さくなる。このために、磁気記録装置は、極めて高精度のトラックサーボ技術を要求される。またそれと同時に、記録を幅広く実行し、かつ再生を行う際に隣接トラックからの影響をできるだけ排除するために、記録時よりもトラック幅を狭く実行する方法が一般的に用いられている。しかしながらこの方法では、トラック間の影響を最小限に抑えることができる反面、再生出力を十分得ることは困難である。そのため、十分なSN比を確保することがむずかしいという問題があった。
以上のような高面記録密度の媒体において好ましいSN比を確保しつつかつ熱的安定性を確保するために、従来の面内磁気記録方式とは異なり、薄膜媒体の膜面に対して垂直方向に磁化記録を行う、垂直磁気記録媒体が近年用いられている。
現在、垂直磁気記録媒体は、一般には、例えば順に基板、軟磁性底層(SUL)、中間層、垂直磁気記録層、及び必要に応じて保護膜などを有し、高記録密度化のための技術として用いられている。しかしながら、この垂直磁気記録媒体においてもさらなる高記録密度化が要求されている。この要求に対応するためには、垂直磁気記録媒体においてもトラック密度を増加する必要がある。トラック密度を増加させるには、垂直磁気記録媒体における、記録部の端部の書きにじみ(フリンジ)を低減させる必要がある。
フリンジの問題を解決する方法の一つとしては、ディスクリートトラック媒体が挙げられる(例えば、特許文献1、2参照)。
特許文献1には、データを記録するための記録部分が凸部であり、隣接する記録部分を区分するためのガードバンド部分が凹部である、ディスク状媒体が記載されている。(凸部と凹部とは、高い部分と低い部分、例えばpeak部位とvalley部位のように理解されても良い。)
また、特許文献2には、磁性部材でつくられた記録トラック部と、互いに隣接する記録トラック部間にあるガードバンド部とを有し、かつガードバンド部内に設けられた非磁性の材料で形成された分離領域部材を具備する磁気ディスクが提案されている。また、特許文献2には、分離領域部材として、酸化物、窒化物、炭化物、又は硼化物を、あるいは、C系、CH系、及びCF系のうちのいずれかの重合化合物を、使用する事が例示されている。さらに、特許文献2には、ガードバンドスペースが埋まるまでスパッタすることにより、ディスク表面をSiO2膜で覆い、その後、記録トラック部の記録磁性部材の上面が露出するまでSiO2膜を研磨すると同時にSiO2膜を平坦化することにより、記録磁性部材および分離領域部材が交互に表面にあらわれたディスクを得る技術が記載されている。
特許文献1に記載のディスク状媒体では、記録部分が凸部でありガードバンドは凹部であるので、ディスク表面に凹凸が存在する。ディスク表面に凹凸を有するディスク状媒体では、表面の凹凸が、記録再生ヘッドの浮上特性に影響を与えるという問題があった。
一方、特許文献2に記載された磁気ディスクでは、記録磁性部材と分離領域部材との段差がないので、表面の凹凸による記録再生ヘッドの浮上特性への影響がないという点で好ましい。
しかしながら、特許文献2に記載された磁気ディスクでは、記録磁性部材と分離領域部材とにおいて、製造プロセスに起因する構成元素の相互拡散が生じやすく、そのために磁気ディスクの電磁変換特性が経時的に悪化する、という問題があった。
また、特許文献2では、特許文献2の磁気ディスクを製造するために、分離領域部材を形成する膜を表面に設けた後、イオンビームエッチング等によって、記録磁性部材の上面が露出するまで、分離領域部材を形成する膜をエッチングして平坦化する。しかしながらこの時に、エッチング後の記録トラック部間にある分離領域部材の表面が荒れてしまい、表面の平滑性が不十分になるという問題があった。この問題を解決するためには、エッチング後の表面上に保護膜を形成することも考えられる。しかしながら、エッチング後の分離領域部材の表面既に荒れているため、エッチング後の製品の表面上に保護膜を形成したとしても、表面の平滑性が十分に得られない場合があった。また、分離領域部に金属を用いた場合でも、スパッタ等により成膜した膜表面に不均一が生じ、その平坦化が難しいという問題があった。
また、特許文献2に記載された、非磁性の材料を用いた分離領域部材を具備する磁気ディスクは、研磨工程に起因して表面に傷が付きやすいという問題があった。例えば、磁気記録再生装置に組み込まれた後、偶発的に磁気ヘッドが衝突した際などに、表面に傷が付きやすい傾向があった。この問題を解決するためには、磁気ディスクの表面に保護膜を形成することも考えられる。しかしながら、磁気ディスクの表面に保護膜を形成した場合であっても、保護膜の耐衝撃性が不十分であると、保護膜が磁気ディスクの表面への磁気ヘッドの衝突に耐えられず、表面が傷つく恐れがあった。
特開平6−259709号公報 特開平9−97419号公報
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものである。本発明は、分離領域部表面の平滑性に優れ、高記録密度を実現でき、磁気記録再生装置に備えられた場合に、磁気ヘッドによる書きにじみがなく、長期に渡って安定した電磁変換特性が得られ、さらに、磁気ヘッドなどの衝突に対する耐衝撃性に優れた、垂直磁気記録媒体およびその製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、本発明の垂直磁気記録媒体を備え、分離領域部表面の平滑性に優れ、高記録密度を実現でき、磁気ヘッドによる書きにじみがなく、長期に渡って安定した電磁変換特性が得られ、磁気ヘッドなどの衝突に対する耐衝撃性に優れた、磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本願発明者は、グラニュラー構造の材料は微細な結晶構造を有するので、分離領域部をグラニュラー構造の材料を含む構造とすることで、分離領域部となる膜をエッチングおよび/または研磨した場合に、エッチングおよび/または研磨が均一に進行することを見出した。またその結果、エッチングおよび/または研磨後に生じる分離領域部表面の荒れの問題を解消でき、平滑で耐環境性に優れた分離領域部表面が得られることを見出した。また本願発明者の更なる検討により、グラニュラー構造の材料をドライプロセスを用いてエッチングした場合、その最初の表面に凹凸がある場合でも、エッチングが進行するに従い表面が平滑化することが明らかになった。
さらに、本願発明者は、さらに研究を重ねた結果、記録部をグラニュラー構造の磁性材料から形成される磁性層を含む構造とすることに加え、さらに分離領域部をグラニュラー構造の材料から形成される構造とし、さらに必要に応じて分離領域部を構成する材料の組成と磁性層を構成する材料の組成とを近似させることによって、分離領域部および磁性層における構成元素の相互拡散が防止できるともに、磁気ヘッドなどの衝突に対する耐衝撃性を向上させることができることを見出した。
本発明の第一の態様は、以下の垂直磁気記録媒体の製造方法である。
(1)非磁性基板上に、前記非磁性基板面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層が形成され、前記記録層が、複数の記録部と、隣接する前記記録部を分離する複数の分離領域部とを有する垂直磁気記録媒体の製造方法であって、
非磁性基板上に、非磁性基板面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層を形成する工程と、
前記記録層から、分離領域部となる領域を除去して凹溝を形成することによって、グラニュラー構造の磁性材料から形成される磁性層を含む複数の記録部と、隣接する前記記録部を分離する複数の凹溝と、を形成する工程と、
前記凹溝の形成された前記記録層上に、グラニュラー構造の非磁性材料を堆積させて前記凹溝に前記材料が充填された非磁性層からなる分離領域部を形成する工程と、
前記磁性層の表面が露出しかつ前記磁性層の表面の一部が除去されるまで、前記非磁性層を除去して、前記非磁性層の形成された表面上を平坦化する工程とを含む。
第一の態様の記録媒体において好ましい例を以下に述べる。
(2):上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法は、前記記録層上に、前記記録部と前記分離領域部とを覆う保護膜を形成する工程を有することが好ましい。
(3):上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法は、前記凹溝を形成する工程が、前記記録層上にレジストを塗布してレジスト層を形成し、スタンパーを用いて、前記分離領域部となる前記レジスト層の領域を除去し、前記レジスト層が除去された前記記録層の領域を除去する工程を備えることが好ましい。
(4):上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法は、前記凹溝を充填する工程において、スパッタ法を用いて前記凹溝にグラニュラー構造の非磁性材料を充填することが好ましい。
(5):上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法は、前記平坦化する工程において、イオンビームエッチング法を用いて前記非磁性層の形成された表面上を平坦化することが好ましい。
(6):上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法では、前記磁性層および前記分離領域部を、Crを含む材料で形成することが好ましい。
(7):上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法では、前記磁性層および前記分離領域部を、5〜40体積%の範囲内で酸化物を含む材料で形成することが好ましい。
(8):上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法では、前記磁性層および前記分離領域部を、SiO、SiO、Cr、CoO、Ta、及びTiOのいずれか一種以上を含む材料で形成することが好ましい。
分離領域部表面の平滑性に優れ、高記録密度を実現でき、さらに、磁気記録再生装置に備えられた場合に、磁気ヘッドによる書きにじみがなく、長期に渡って安定した電磁変換特性が得られ、磁気ヘッドなどの衝突に対する耐衝撃性に優れた垂直磁気記録媒体を提供できる。
図1Aは、本発明の垂直磁気記録媒体および本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する図である。 図1Bは、本発明の垂直磁気記録媒体および本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する図である。 図1Cは、本発明の垂直磁気記録媒体および本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する図である。 図1Dは、本発明の垂直磁気記録媒体および本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する図である。 図1Eは、本発明の垂直磁気記録媒体および本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する図である。 図1Fは、本発明の垂直磁気記録媒体および本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する図である。 図1Gは、本発明の垂直磁気記録媒体および本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する図である。 図1Hは、本発明の垂直磁気記録媒体および本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する図である。 図1Iは、本発明の垂直磁気記録媒体および本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する図である。 図2は、本発明の磁気記録再生装置として、ハードディスク装置の一例を示した斜視図である。
符号の説明
A 垂直磁気記録媒体、
1 非磁性基板、
2 軟磁性裏打ち層、
3 配向性御層
4 磁性層
6 記録層
7 レジスト層
8 媒体
9 スタンパー
9a 凹部
10 凹凸部
11b 凹溝
12 非磁性層
14 分離領域部
15 記録部
16 保護膜
17 潤滑層
以下、本発明の好ましい例を説明するが、本発明はこれら例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
以下に本発明の優れた効果について述べる。
本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に、非磁性基板面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層が形成され、記録層が、複数の記録部と、隣接する前記記録部を分離する分離領域部とを有する垂直磁気記録媒体であり、分離領域部がグラニュラー構造の材料、好ましくは非磁性材料、から構成される。このため、平滑で耐環境性に優れた表面を有する分離領域部が容易に得られる。より詳細には、グラニュラー構造の材料は、微細な結晶構造を有するので、グラニュラー構造の材料からなる分離領域部を得るために分離領域部となる膜をエッチングおよび/または研磨した場合、分離領域部となる膜のエッチングおよび/または研磨が均一に進行する。その結果、エッチングおよび/または研磨後に生じる分離領域部表面の荒れの問題が解消され、平滑で耐環境性に優れた表面を有する分離領域部が得られる。
また、本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に、非磁性基板面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層が形成され、記録層が、複数の記録部と、隣接する前記記録部を分離する分離領域部とを有するので、高記録密度を実現できる。また、磁気記録再生装置に備えられた場合に、磁気ヘッドによる書きにじみが少ない優れたものとなる。トラック密度を増加させることも可能である。
本発明の垂直磁気記録媒体は、記録部が、グラニュラー構造の磁性材料からなる磁性層を含み、かつ、分離領域部が、グラニュラー構造の非磁性材料からなることが好ましい。その場合には、分離領域部を構成する材料の組成と磁性層を構成する材料の組成とを近似させることもできる。その結果、分離領域部および磁性層における構成元素の相互拡散を防止できる。したがって、このような垂直磁気記録媒体とすることで、磁気記録再生装置に備えられた場合に、長期に渡って安定した電磁変換特性が得られるものとなる。
また、分離領域部と磁性層との材料の組成を近似させることができるので、分離領域部と磁性層との硬度や密度を近似させることができる。柔らかい部分と硬い部分の両方が存在すると、一般には柔らかい部分が亀裂の起点となってしまう。しかしながら本発明では、記録部内における硬度差や密度差が小さく前述のような起点が発生しにくい。このことから、磁気ヘッドなどの衝突に対する耐衝撃性に優れたものとなる。また、記録部の最上層に磁性層が配置されている垂直磁気記録媒体に、記録部と分離領域部とを覆う保護膜を設けた場合、保護膜の下地層となって保護膜を支える記録部および分離領域部は、本発明では、その硬度や密度が互いに近似している。よって、前述のように亀裂の起点ができにくいという理由から、保護膜が損傷を受けにくいものとなり、より一層耐衝撃性に優れる。
本発明の垂直磁気記録媒体は、記録部が、グラニュラー構造の磁性材料から構成される磁性層を含むものであり、かつ分離領域部がグラニュラー構造の非磁性材料から構成される事が好ましい。またその場合には、分離領域部と磁性層との材料の組成を近似させることが好ましい。その結果、分離領域部と磁性層とのエッチングレートや研磨レートを近似させることができる。近似によって、記録部の最上層に磁性層が配置されている垂直磁気記録媒体を製造するために、分離領域部と磁性層とを同時にエッチングしたり研磨したりした場合に、分離領域部と磁性層との境界部分に段差が生じにくい。従って、分離領域部上と磁性層上とを、連続した平滑面とすることができ、優れた表面の平滑性を有する記録層が容易に得られる。垂直磁気記録媒体の記録層が、表面の平滑性に優れたものであると、垂直磁気記録媒体が磁気記録再生装置に備えられた場合に、磁気ヘッドの浮上量を小さくすることができる。
本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法は、本発明の垂直磁気記録媒体を製造することができる。
また、本発明の磁気記録再生装置は、本発明の垂直磁気記録媒体を備えるので、分離領域部表面の平滑性に優れ、高記録密度を実現でき、磁気ヘッドによる書きにじみがなく、長期に渡って安定した電磁変換特性が得られ、磁気ヘッドなどの衝突に対する耐衝撃性に優れる。
次に、本発明の垂直磁気記録媒体および垂直磁気記録媒体の製造方法、磁気記録再生装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。
「磁気記録媒体」
図1(A)〜図1(I)は、本発明の垂直磁気記録媒体および本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する図である。図1(I)は本発明の垂直磁気記録媒体を示した拡大断面図である。なお、図1(I)においては、円盤状の垂直磁気記録媒体の一部のみを拡大して示している。
図1(I)に示す垂直磁気記録媒体Aは、非磁性基板1と、非磁性基板1上に形成された記録層6と、記録層6上に形成された保護膜16と、保護膜16上に形成された潤滑層17とを備えている。
記録層6は、非磁性基板1面に対して垂直方向に磁気異方性を有し、図1(I)に示されるように、磁気記録される複数の記録部15と、隣接する記録部15を分離する、分離領域部14とを有している。記録部15は、同心円状の所定の幅で形成された記録トラック部またはビット部であり、図1(I)に示されるように、軟磁性裏打ち層2と配向制御層3と磁性層4とが順次積層されている。
本実施形態において、記録部15中の最上層として磁性層4が配置されている。したがって、記録層6の上表面は、磁性層4の表面部分と分離領域部14の表面部分から構成されている。記録部15上表面(磁性層4の上表面)と分離領域部14上表面は、保護膜16に覆われている。
図1(I)に示されるように、磁性層4と分離領域部14との境界部分には段差がなく、記録層6の表面は、磁性層4の表面部分と分離領域部14の表面部分とから構成される、連続した平滑面となっている。記録層6の表面粗さ(Ra)は小さい方が好ましく、具体的には、1nm以下が好ましく、0.5nm以下がより好ましく、0.3nm以下がさらに好ましい。記録層6の表面粗さが小さい程、記録層6上に形成される保護膜16および潤滑層17の表面粗さを小さくすることができ、表面の平坦性に優れた垂直磁気記録媒体Aとすることができる。表面の平坦性に優れた垂直磁気記録媒体Aは、磁気記録再生装置に備えられた際に、磁気ヘッドの浮上量を小さくすることが可能であるので、より一層の高密度磁気記録を実現できる。
非磁性基板1は必要に応じて選択できる。例えばAl−Mg合金等のAlを主成分としたAl合金基板や、結晶化ガラス、アモルファスガラス、シリコン、チタン、セラミックス、カーボン、または各種樹脂からなる基板など、非磁性基板であれば任意のものから選択して用いることができる。結晶化ガラスからなる基板としては、リチウム系結晶化基板を用いることができ、アモルファスガラスからなる基板としては、ソーダライムガラスやアルミノシリケートガラスの基板を挙げることができる。
非磁性基板1の平均表面粗さRaは小さい方が好ましい。具体的には、1nm以下、好ましくは0.5nm以下である事が、磁性層4の垂直配向性が良好なものとなる点や、後述するようにスタンパーを高圧でプレスする際における圧力分布を小さくすることができ、加工の均一性が向上する点などから好ましい。また、非磁性基板1の表面の微小うねりWaが0.3nm以下、より好ましくは0.2nm以下であると、スタンパーを高圧でプレスする際における圧力分布が小さくなり、加工の均一性が向上する点から好ましい。基板の厚さは必要に応じて選択できる。
軟磁性裏打ち層2は、軟磁性材料から形成される。必要に応じて選択して良いが、具体例としては、軟磁性裏打ち層2の材料として、Fe、Co、及びNiの少なくとも一つを含む材料を挙げることができる。軟磁性裏打ち層2に用いられるFe、Co、及び/またはNiを含む材料としては、FeCo合金(FeCoB、FeCoSiB、FeCoZr、及びFeCoZrBなど)、FeTa合金(FeTaN、及びFeTaCなど)、Co合金(CoTaZr、CoZrNb、及びCoBなど)を挙げることができる。
軟磁性裏打ち層2は、単層でもよいが、積層構造を有することも好ましい。必要に応じて設計して良いが、例えば、2つの軟磁性膜の間に、Ru、Re、及びCuのいずれかからなる層を設け、所定の厚さにすることで、上下に設けられた軟磁性膜を反強磁性結合させることができる。軟磁性裏打ち層2をこのような積層構成とすることで、垂直磁気記録媒体特有の問題であるWATE(Wide Area Track Erasure)の現象を改善することが可能となる。軟磁性裏打ち層2の厚さは必要に応じて選択できるが、10〜200nmが好ましく、20〜100nmがより好ましい。
配向制御膜3は、磁性層4の下地層として、磁性層4の結晶配向性や結晶サイズを制御するために設けられる。配向制御膜3に用いられる材料は必要に応じて選択して良いが、hcp構造またはfcc構造を有する元素が好適であり、特にRuが好ましい。また、配向制御膜3の厚さは30nm以下であることが好ましい。配向制御膜3の厚さが30nmを超えると、図1(I)に示すような、垂直磁気記録媒体Aを備えた磁気記録再生装置とした場合に、記録再生時における磁気ヘッドと軟磁性裏打ち層2との距離が大きくなるため、OW(オーバーライト)特性や再生信号の分解能が低下するため好ましくない。配向制御膜3の厚さは必要に応じて選択できるが1〜100nmが好ましく、10〜50nmがより好ましい。
磁性層4は、グラニュラー構造の磁性材料から構成される事が好ましい。グラニュラー構造の磁性材料とは、マトリックスとしての酸化物の中に、複数の磁性材料粒子が分散した構造を意味する。換言すれば、複数の磁性材料粒子の周囲を酸化物が覆った構造を有する。なお、磁性材料粒子は柱状であってもよいが、柱状以外の、球状等のその他の形状であっても良い。磁性層4の膜厚よりも磁性材料粒子が大きくてもよく、例えば磁性材料粒子は磁性層4を貫く、磁性層4の膜厚よりも大きい柱状の形状であってもよい。磁性材料粒子は必要に応じて選択される材料で形成されて良い。好ましい例としてはCo、Cr、及び/又は、Pe等を含む材料などが挙げられる。磁性材料粒子の形状やサイズは必要に応じて選択されえる。好ましい形状は柱状などがある。好ましいサイズは、長さ1〜50nm、幅1〜10nm程度である。磁性層4は、磁性材料粒子を99〜70at%の範囲内で、より好ましくは95〜85at%の範囲内で、含むものであることが好ましい。また、本願発明におけるグラニュラー構造の磁性材料は、磁性材料粒子の周囲が完全に酸化物で覆われた構造の材料であってもよいが、一部のみが酸化物で覆われた構造の材料であってもよい。例えば、酸化物の層を上下に貫く柱状晶(磁性材料粒子)が含まれるような、磁性材料粒子の側面のみが酸化物に覆われた構造の材料であってもよい。
磁性層4を構成するグラニュラー構造の磁性材料は必要に応じて選択できるが、特に、少なくともCoとPtと酸化物とを含んだ磁性材料を用いることが好ましい。Coの量は必要に応じて選択されるが、磁性材料粒子全体に対して50〜80原子%であることが好ましい。Ptの量は磁性材料粒子全体に対して10〜20原子%であることが好ましい。さらに、SNR特性(SN比)を改善するためなどの目的で、磁性材料に、Cr、B、Cu、Ta、及びZrなどの元素を必要に応じて添加してもよい。これら元素の量は必要に応じて選択されるが、それぞれ、磁性材料粒子全体に対して5〜25原子%であることが好ましい。
磁性層4を構成するグラニュラー構造の磁性材料に含まれる酸化物は必要に応じて選択できる。例えば、SiO、SiO、Cr、CoO、Ta、及びTiOのいずれか一種以上などを挙げることができる。
また、磁性層4は、〜40体積%の範囲内で、より好ましくは15〜25体積%の範囲内で、酸化物を含むものであることが好ましい。酸化物の体積が15体積%未満であると、SNR特性が不十分となる恐れがあるため好ましくない。また、酸化物の体積が40体積%を超えると、高記録密度に対応するだけの保磁力を得ることができない恐れがあるため好ましくない。
また、磁性層4のニュークリエーション磁界(−Hn)は、1.5(kOe)以上であることが好ましい。−Hnが1.5(kOe)未満であると、熱揺らぎが発生する恐れがあるので好ましくない。
また、磁性層4の厚さは、6〜18nmであることが好ましい。磁性層4の厚さを上記範囲とすることで、OW特性の悪化を生じさせることなく、十分な出力を確保することができ、好ましい。
分離領域部14は、グラニュラー構造の材料から構成される事が好ましい。前記グラニュラー構造の材料は、グラニュラー構造の非磁性材料と記載することもできる。本発明において“非磁性材料”や“非磁性材料粒子”とは、磁気的に完全に非磁性である必要はない。すなわち“非磁性材料”や“非磁性材料粒子”とは、磁気記録部を分離し、かつ、磁気記録部に対して磁気記録及び再生を行う事を可能とするのに十分な程度に、磁気を低下させた材料である。すなわち非磁性材料は、磁気記録部の磁性材料よりも磁気が低い材料である。分離領域部で用いられるグラニュラー構造の材料とは、マトリックスとしての酸化物の中に、複数の材料粒子、すなわち非磁性材料粒子、が分散した構造を意味する。換言すれば、複数の非磁性材料粒子の周囲を酸化物が覆った構造を有する。なお、非磁性材料粒子は球状であってもよいが、球状でない、柱状などのその他の形状であっても良い。分離領域部14の膜厚よりも非磁性材料粒子が大きくてもよく、非磁性材料粒子は分離領域部14を貫く、磁性層4の膜厚よりも大きい柱状の形状であってもよい。非磁性材料粒子は必要に応じて選択される材料で形成されて良いが、好ましい例としてはCo、Cr、及び/又は、Pe等を含む材料などが挙げられる。サイズや形状は必要に応じて選択して良いが、好ましいサイズは、長さ1〜50nm、幅1〜10nm程度である。分離領域14は、材料粒子を99〜70at%の範囲内で、より好ましくは95〜85at%の範囲内で、含むものであることが好ましい。グラニュラー構造の非磁性材料に含まれる酸化物は必要に応じて選択できる。
また、本願発明におけるグラニュラー構造の非磁性材料は、非磁性材料粒子の周囲が完全に酸化物で覆われた構造の材料であってもよいが、一部のみが酸化物で覆われた構造の材料であってもよい。例えば、非磁性材料粒子の側面のみが酸化物に覆われた構造の材料であってもよい。
分離領域部14を構成するグラニュラー構造の材料としては、少なくともCrを含むグラニュラー構造の非磁性材料を用いることがより好ましい。Crを含むグラニュラー構造の材料は、ドライエッチングが容易なものとなるため、平滑で耐環境性に優れた表面を有する分離領域部14を容易に得られる。Crの割合は必要に応じて選択できるが、非磁性粒子に対して、25〜50原子%であることが好ましい。また、量が多くなければ磁性を示す元素を含んでも良い。
また、グラニュラー構造の非磁性材料に含まれる酸化物としては、SiO、SiO、Cr、CoO、Ta、及びTiOのいずれか一種以上などを挙げることができる。これらの酸化物を含むグラニュラー構造の非磁性材料とすることで、ドライエッチング等が容易なものとなるため好ましい。
また、分離領域部14は、〜40体積%の範囲内で、より好ましくは20〜30体積%の範囲内で、酸化物を含むものであることが好ましい。分離領域部14に含まれる酸化物の体積率を上記範囲とすることにより、分離領域部14を形成する際のドライエッチングを容易とすることができ、ドライエッチング後に得られる分離領域部14の表面の粗さを均一にすることができる。
「磁性層4と分離領域部14との材料のさらなる近似」
本実施形態においては、磁性層4を構成する材料と分離領域部14を構成する材料とを互いにさらに近似させるために、磁性層4および分離領域部14を構成する材料を、少なくとも以下の(1)〜(5)に示すいずれかの構成とすることがより好ましい。
(1)同一の酸化物を、磁性層4を構成する材料および分離領域部14を構成する材料に使用する。同一の酸化物を含有させることにより、含まれる酸化物の違いに起因して、磁性層4と分離領域部14との間で、酸素と酸化物を構成する元素との共有結合の大きさが異なる事をなくすことができる。このことによって、磁性層4と分離領域部14とにおいて、酸素と酸化物を構成する元素との共有結合の大きさの違いによって生じる酸素原子の相互拡散(すなわち、記録トラック部15の酸化物から分離領域部14への酸素原子の移動、または分離領域部14の酸化物から記録トラック部15への酸素原子の移動)が起こりにくくなる。例えば、図1(I)に示すような垂直磁気記録媒体Aを備えた磁気記録再生装置において、含まれる酸化物の違いに起因して磁性層4と分離領域部14と間で酸素原子の移動が起きると、磁性層4および分離領域部14を長期間高温で保持した後に、SNR特性や保磁力といった特性が変化するという問題が生じる場合がある。しかし、磁性層4および分離領域部14で同一の酸化物を含むことで、上記の問題を解決できる。
(2)磁性層4を構成する材料および分離領域部14を構成する材料の一つとして、Crを含む。Crを含むことにより、図1(I)に示すような垂直磁気記録媒体Aを備えた磁気記録再生装置とした場合に、SNR特性を改善できるとともに、磁性層4および分離領域部14のドライエッチングが容易となる。その結果、分離領域部14と磁性層4とを同時にドライエッチングした場合に、優れた表面の平滑性を有する記録層6が容易に得られる。
(3)磁性層4を構成する材料および分離領域部14を構成する材料に、5〜40体積%の範囲内で、好ましくは10〜20体積%の範囲内で、酸化物を含む。酸化物の量は互いに同じ、又は近い値も好ましいが、この範囲でならば異なっていても良い。上記範囲で酸化物を含むことにより、分離領域部14と磁性層4とのエッチングレートや研磨レートをより一層近似させることができる。よって、分離領域部14と磁性層4とを同時にエッチングおよび/または研磨した場合に、分離領域部14と磁性層4との境界部分に段差を生じさせることはなく、分離領域部14上と磁性層4上とを容易に連続した平滑面とすることができる。
(4)磁性層4を構成する材料および分離領域部14を構成する材料の酸化物として、SiO、SiO、Cr、CoO、Ta、及びTiOのいずれか一種以上を含む。磁性層と分離領域部で、互いに同じ化合物を含む事が好ましいが、互いに異なるものを含んでいても良い。このことにより、磁性層4をグラニュラー構造とし、磁性粒子の孤立化と微細化を実現することができ、磁性層4の磁気特性を向上させることができる。また、分離領域部14を構成する非磁性材料のエッチング特性をより一層向上させることができ、平滑なエッチング面を得ることが可能となる。
(5)本実施形態においては、さらに、磁性層4と分離領域部14との材料を近似させるために、磁性層4および分離領域部14に、CoやPt等を添加してもよい。互いに同じものを加えられることが好ましいが、異なっていても良い。添加された場合、磁性層4を、よりノイズ特性の優れたグラニュラー構造の磁性層とすることが可能となる。また、分離領域部14が磁性層4と近似した組織となり、両者におけるエッチング特性を同じようにすることが可能となる。
また、磁性層4および分離領域部14に、CoやPt等を添加する場合、分離領域部14における非磁性粒子は、第一主成分としてCoを含むCr合金であることが好ましい。
保護膜16は必要に応じて選択できる。一般的な磁気記録媒体の保護膜として使用されているものを適宜用いることができる。例えば、DLC(Diamond Like Carbon)の薄膜などが用いられる。また、保護層16としては、DLCの薄膜の他に、C、水素化C、窒素化C、アルモファスC、またはSiC等の炭素質層や、SiO、Zr、またはTiNなどからなる薄膜を用いることができる。また、保護層16は、2層以上の薄膜層から構成されていてもよい。
保護層16の膜厚は1〜10nmであることが好ましく、1〜5nmとすることがさらに好ましく、十分な耐久性を確保できる範囲でできるだけ薄く設定することが好ましい。
潤滑層17としては必要に応じて選択して良く、フッ素系潤滑剤、炭化水素系潤滑剤及びこれらの混合物等から選択されるものを使用して形成されるものが挙げられる。潤滑層17の厚みは必要に応じて選択してよいが、通常1〜4nmとされる。
「垂直磁気記録媒体の製造方法」
次に、本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一例として、図1(I)に示す垂直磁気記録媒体Aの製造方法を、図1(A)〜図1(H)を用いて説明する。
図1(A)は、非磁性基板上に記録層を形成した状態を示す拡大断面図である。図1(B)は、前記記録層上にレジスト層を形成した状態を示す拡大断面図である。図1(C)は、スタンパーを用いて、分離領域部となる領域に該当するレジスト層部分を除去した状態を示す拡大断面図である。図1(D)は、レジスト層全体が除去され、記録部(記録層)に、記録部を複数に分離する複数の凹溝が形成された状態を示す拡大断面図である。図1(F)は、凹溝が形成された記録部上に、グラニュラー構造の非磁性材料の層が堆積された状態を示す拡大断面図である。図1(G)は、非磁性材料の層の表面を除去し、記録層の表面が平滑化された状態を示す拡大断面図である。図1(H)は、平滑化された記録層の表面に、保護層が形成された状態を示す拡大断面図である。
図1(I)に示す垂直磁気記録媒体Aを製造するには、まず、図1(A)に示すように、円盤状の非磁性基板1上に、軟磁性裏打ち層2と配向制御層3と磁性層4とを順次形成することにより、積層である記録層6を形成する(記録層形成工程)。
次いで、記録層6上に、図1(B)に示すように、例えば、カーボンからなるマスク層5を、スパッタ法やCVD法などにより設ける。マスク層5は、分離領域部14に該当する記録層6の部分を除去する際に、記録部15となる記録層6の部分をより確実に遮蔽するために、必要に応じて設けられる。
その後、マスク層5の設けられた記録層6上にレジストを塗布し、図1(B)に示すように、レジスト層7の形成された媒体8を形成する。レジスト層7の形成に用いられるレジストは必要に応じて選択でき、工業的に使用されているフォトレジストなどを広く使用できる。レジスト層7は、通常、スピンコートなどを用いてレジストを薄く均一に塗布した後、必要に応じて、オーブンを用いて所定の温度および時間で焼成し、不要な有機溶剤などを除去する方法によって形成できる。なお、レジスト層7の形成方法は、使用するレジストの性質などに合わせて適宜調整してよい。
続いて、スタンパー9を、媒体8の表面に密着させ、高圧でプレスすることにより、分離領域部14となる領域のレジスト層7の部分を除去し、図1(C)に示されるように、媒体8の表面に所望の形状、例えば所望のトラック形状またはビット形状、を有する凹凸部10を形成する。
スタンパー9は必要に応じて選択できる。例えば、円盤状の非磁性基板1に合致する円盤状スタンパーであって、図1(I)に示す垂直磁気記録媒体Aの記録部15の表面形状に対応する凹部9aが表面に形成されたスタンパーなどを用いることができる。スタンパー9は、例えば、金属プレート上に電子線描画などの方法を用いて、微細な凹部9a形状を形成することによって得られる。スタンパー9の材料としては、十分な硬度および耐久性を有するものであればよく、特に限定されないが、例えばNiなどの金属が使用される。
その後、イオンビームエッチング(IBE:Ion Bean Etching)法やイオンミリングなどの方法を用いて、レジスト層7が除去された領域(分離領域部14となる領域)にある記録層6およびマスク層5を除去することにより、磁性層4を含む複数の記録部15と、隣接する記録部15を分離する複数の凹溝11bとを形成する。図1(D)に示されるように、記録部15上に残っているレジスト層7が除去される(凹溝形成工程)。記録部15と、凹溝11bの形状や位置やサイズは必要に応じて選択される。なお、ここで得られた記録層6は、記録部15と、記録部15の間に位置する凹溝11bとが、直径方向に互い違いに形成された構造となっている。
その後、図1(E)に示すように、記録部15上に残っているマスク層5を、酸素プラズマエッチングやイオンミリング等により除去する。
続いて、凹溝11bの形成された記録層6上に、図1(F)に示すように、グラニュラー構造の非磁性材料を堆積させて非磁性層12を形成(非磁性層形成工程)する。このことにより、少なくとも凹溝11b内にグラニュラー構造の非磁性材料が充填されて、分離領域部14を形成する(凹溝充填工程)。凹溝11bにグラニュラー構造の非磁性材料を充填する際には、スパッタ法を用いることが好ましい。スパッタ法を用い、堆積速度やガス圧などの条件を適宜調節することにより、極めて微細で深い凹溝11bの底まで、グラニュラー構造の非磁性材料を容易に充填することできる。
なお、凹溝11b内にグラニュラー構造の非磁性材料が充填されていない部分があると、記録部15間の磁気的相互作用が十分に遮断されず、十分な記録再生特性が得られない場合がある。また、凹溝11b内のグラニュラー構造の非磁性材料が充填されていない部分が、大気中の酸素などのガスと接触することにより、垂直磁気記録媒体Aの耐食性に悪影響を及ぼす懸念がある。
その後、図1(G)に示されるように、形成された非磁性層12の表面上を平坦化するために、磁性層4の一部と非磁性層12の一部とを同時に除去して、磁性層4を露出させる(平坦化工程)。このことにより、分離領域部14により区画された、露出した各記録部15が形成される。非磁性層12はグラニュラー構造の非磁性材料からなるので、平坦化前の非磁性層12の初期表面に凹凸があり不均一である場合でも、研磨やエッチングによる平坦化が進行するに従って、表面の凹凸が緩和されて表面を平滑化できる。
非磁性層12が形成された後に表面上を平坦化する際に、非磁性層12と同時に除去される磁性層4の除去厚みは、特に限定されない。例えば、非磁性層12と磁性層4とを同時に除去する平坦化効果が十分に得られるように、1nm以上除去されることが好ましい。
平坦化工程では、得られる垂直磁気記録媒体Aの性能を損なうことがなく、かつ記録部15と分離領域部14を含む記録層6の表面を垂直磁気記録媒体Aに使用されるのに十分な程度に平滑に加工できる方法であれば、いかなる方法を用いてもよい。例えば、CMP(Chemical mechanical polish)法による研磨や、イオンビームエッチング法等のドライエッチングを用いることができるが、イオンビームエッチング法を用いることが好ましい。イオンビームエッチング法を用いて記録層6の表面上を平坦化した場合、エッチング面の汚染を低減できる。
その後、図1(H)に示すように、プラズマCVD法などの成膜方法を用いて、平坦化した記録部15と分離領域部14とを覆う保護膜16である、DLC膜を成膜する。
その後、保護膜16上に潤滑層17をさらに形成することにより、図1(I)に示す垂直磁気記録媒体Aが得られる。
本実施形態の垂直磁気記録媒体Aでは、非磁性基板1上に、非磁性基板1面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層6が形成され、記録層6が、複数の記録部15と、隣接する記録部15を分離する分離領域部14とを有する。前記記録部15が、好ましくはグラニュラー構造の磁性材料から形成される磁性層4を含み、前記分離領域部14がグラニュラー構造の非磁性材料から構成されると、以下の(A)〜(D)に示す効果が得られる。
(A)分離領域部14がグラニュラー構造の非磁性材料からなるので、分離領域部14が微細な結晶構造を有する。結晶組織が微細なためエッチングの進行も均一となり、その結果、分離領域部14を得るために非磁性層12をエッチングおよび/または研磨した場合、非磁性層12のエッチングおよび/または研磨が均一に進行できる。エッチングおよび/または研磨後には、平滑で耐環境性に優れた表面を有する分離領域部14が得られる。
(B)分離領域部14と磁性層4との材料の組成が近似しているので、分離領域部14と磁性層4とのエッチングレートや研磨レートも近似する。その結果、エッチングおよび/または研磨後に得られる、分離領域部14および磁性層4の表面状態も近似したものとなる。このため、エッチングおよび/または研磨を行う際には、分離領域部14と磁性層4とを同時に容易に除去することができ、分離領域部14上表面と磁性層4上表面とを連続した平滑面とすることができ、優れた表面の平滑性を有する記録層6が容易に得られるものとなる。
(C)分離領域部14を構成する材料組成と磁性層4を構成する材料組成とを近似させることができるので、両領域のポテンシャルが近似し、分離領域部14および磁性層4の間における構成元素の相互拡散が発生しにくくなる。したがって、本実施形態の垂直磁気記録媒体Aは、磁気記録再生装置に備えられて長期間高温で保持された場合でも、SNR特性や保磁力といった特性が変化しにくく、長期に渡って安定した電磁変換特性が得られる。また、本実施形態の垂直磁気記録媒体Aは、分離領域部14および磁性層4との間における構成元素の相互拡散が発生しにくく、磁気記録再生装置に備えられた場合に、磁気ヘッドによる書きにじみが少ない。
(D)分離領域部14と磁性層4との材料の組成を近似させることができるので、分離領域部14と磁性層4との硬度や密度も近似させることができる。その結果、表面全体の硬度や密度がほぼ均一にすることができ、分離領域部14と磁性層4とからなる記録層6の表面の耐衝撃性が向上して、磁気ヘッドなどの衝突に対する耐衝撃性に優れたものとなる。
さらに、本実施形態の垂直磁気記録媒体Aでは、記録部15の最上層に磁性層4が配置され、記録部15と分離領域部14とを覆う保護膜16が設けられているが、保護膜16の下地層となって保護膜16を支える記録部15および分離領域部14は、その硬度や密度が互いに近似している。よって、保護膜16は、磁気ヘッドなどが偶発的に接触した場合に、表面全域において均一に衝撃を吸収できる、損傷を受けにくく非常に耐衝撃性に優れたものとなる。したがって、垂直磁気記録媒体Aは、非常に優れた耐衝撃性有するものとなる。
また、本実施形態の垂直磁気記録媒体Aの製造方法は、本実施形態の垂直磁気記録媒体Aを製造できる。また、平坦化工程後には、分離領域部14上と磁性層4上とが連続した平滑面を得ることができる。また、本実施形態においては、記録部15と分離領域部14とからなるパターン形状を、容易に高精度で形成できる。
「磁気記録再生装置」
次に、本発明の磁気記録再生装置の一例として、図1(I)に示す垂直磁気記録媒体Aを備えた磁気記録再生装置を、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の磁気記録再生装置の一例である、ハードディスク装置を示した斜視図である。図2に示す磁気記録再生装置Bは、上面側が開口した矩形箱状の筐体21と、筐体21の開口を塞ぐ図示略のトップカバーとを有する。筐体21内には、図1(I)に示す垂直磁気記録媒体Aと、スピンドルモータ23と、磁気ヘッド24(単磁極ヘッド)と、ヘッドアクチュエータ25と、ボイスコイルモータ27と、ヘッドアンプ回路28とが収納されている。
スピンドルモータ23は、垂直磁気記録媒体Aを支持して回転させる駆動手段である。
また、磁気ヘッド24は、記録部と再生部とを有し、垂直磁気記録媒体Aに対して磁気信号の記録および再生を行う。磁気ヘッド24は必要に応じて選択でき、例えばGMRヘッドあるいはTMRヘッドを用いることができる。磁気ヘッド24としてGMRヘッドあるいはTMRヘッドを用いた場合、高記録密度においても十分な信号強度を得ることができ、高記録密度を持った磁気記録再生装置Bを実現することができる。また、磁気ヘッド24の浮上量は必要に応じて選択でき、例えば0.005μm〜0.020μmとすることで、出力を向上させることができ、また高い装置S/N比が得られ、その結果、大容量で高い信頼性を有する磁気記録再生装置Bとすることができる。
ヘッドアクチュエータ25は、磁気ヘッド24を磁気記録媒体22に対して移動自在に支持する。ヘッドアクチュエータ25は、磁気ヘッド24を先端に搭載したサスペンションを有しており、回転軸26によって回転自在に支持されている。
また、ボイスコイルモータ27は、回転軸26を介してヘッドアクチュエータ25を回転させるとともに位置決めする。
また、磁気記録再生装置Bにおいて、最尤復号法による信号処理回路を組み合わせることで、さらに記録密度を向上できる。例えば、トラック密度100kTPI以上、線記録密度1000kbpI以上、及び1平方インチ当たり100Gビット/インチ以上の記録密度で記録及び再生する場合にも、十分なS/N比が得られるものとなる。
図2に示す磁気記録再生装置Bは、図1(I)に示す垂直磁気記録媒体Aを備えた装置である。よって高記録密度を実現でき、磁気ヘッド24による書きにじみがなく、長期に渡って安定した電磁変換特性が得られ、磁気ヘッド24などの衝突に対する耐衝撃性に優れたものとなる。
「実施例」
以下に示す製造方法により、図1(I)に示される垂直磁気記録媒体Aを作製した。
まず、非磁性基板1として、洗浄済み円盤状のHD用ガラス基板(オハラ(株)製、外径0.85インチ)を用意し、あらかじめ1.0×10−5Pa以下に真空排気した真空チャンバ内に設置した。そして、非磁性基板1上に、65Fe−25Co−10B(原子%)を加熱なしで50nm、Ruを0.8nm、65Fe−25Co−10B(原子%)を50nm順に成膜することにより、軟磁性裏打ち層2を形成した。続いて、軟磁性裏打ち層2上に、Ruからなる厚み20nmの配向制御層3を形成した。前記配向制御層3上に更に65Co−10Cr−15Pt−10SiO(原子%)からなる厚み12nmの磁性層4を形成することにより、記録層6を形成した。この磁性層4は、Co、Cr及びPtからなる磁性材料粒子がSiO中に分散した、グラニュラー構造を有する。
次に、記録層6が形成された非磁性基板1を真空チャンバ内から取り出し、記録層6上にカーボンからなる厚み4nmのマスク層5を形成した。その後、マスク層5の形成された記録層6上に、スピンコートを用いてレジストを塗布した。その後、レジストの塗布された非磁性基板1を約100℃の恒温槽で20分焼成して余分な溶剤を除去することにより、レジスト層を得た。
次に、トラックピッチ(Track pitch)150nmの同心円状の凹部が形成されているNi製のスタンパーを用いて、分離領域部14となる領域のレジスト層を除去し、基板1上に所望の凹凸部を形成した。その後、凹凸部を有するレジスト層が形成された非磁性基板1を高真空チャンバ内に設置し、イオンビームエッチング法を用いて、レジスト層の形成されていない領域(分離領域部14となる領域)の記録層6およびマスク層5を除去して、同心円状の凹溝11bを形成した。その後、記録部15上に残っているマスク層5およびレジスト層7を除去した。
その後、凹溝11bが形成された記録層6上に、RF(高周波)スパッタ法を用いて、グラニュラー構造の非磁性材料である40Co−35Cr−15Pt−10SiO(原子%)膜を堆積させて、Co、Cr及びPtからなる非磁性材料粒子がSiO中に分散した、平均膜厚80nmの非磁性層を形成した。なおこの非磁性材料は、磁性材料と比較して構成する元素の種類は同じだが、Coの量が少ない為、非磁性を示す。その結果、凹溝11bにグラニュラー構造の非磁性材料が充填されている分離領域部14を形成した。グラニュラー構造を有している事はSEM写真やTEM写真によって確認できる。
続いて、イオンビームエッチングを用いて形成された非磁性層の表面上を平坦化するとともに、非磁性層と磁性層4の表面から1nm程度とを同時に除去して磁性層4を露出させた。
その後、記録層6上に、プラズマCVD法にて厚さ4nmのDLC膜からなる保護膜16を形成し、保護膜16上に、2nmの潤滑材を塗布して潤滑層17を形成することにより、図1(I)に示す垂直磁気記録媒体Aを得した。
「比較例1〜比較例4」
分離領域部14の材料として、表1に示すSiO、Si、Cr、またはCrを用いたこと以外は、上述の実施例と同様にして垂直磁気記録媒体を作製した。
なお比較例1〜比較例4では、分離領域部に充填されたものはもちろんグラニュラー構造を有しない。
Figure 0004848469
このようにして得られた実施例、比較例1〜比較例4の垂直磁気記録媒体について、以下に示す評価を行った。
(電磁変換特性の経時変化評価)
実施例および比較例1〜4の垂直磁気記録媒体を、温度80℃、湿度80%の環境下のオーブンに投入して、720時間保持した。オーブンに投入する前と後における、実施例および比較例1〜4の垂直磁気記録媒体の信号対雑音比(SNR)および保磁力(Hc)を測定した。その結果を表1に示す。
なお、SNRの評価では、GUZIK社製リードライトアナライザRWA1632、およびスピンスタンドS1701MPを用い、書き込み部にシールディッドタイプヘッド、及び再生部にGMR素子を用いた磁気ヘッドを使用し、160kFCI、および、960kFCIの信号を書き込んだ際のrms値(rootmean square-inches)で評価を行った。
表1より、分離領域部14がグラニュラー構造の非磁性材料から構成される実施例では、記録部15と分離領域部14との相互拡散が防止されるため、SNRおよび保磁力の経時変化がほとんどないことがわかる。一方、比較例1〜4では、経時変化によりSNRも保磁力も実施例と比較して大きく低下しており、好ましくないことがわかる。
(垂直磁気記録媒体表面の耐衝撃性評価)
実施例および比較例1〜4の垂直磁気記録媒体を5600rpmで回転させ、その表面の一定半径の箇所に、磁気ヘッドを0.5秒ずつ1000回接触させ、垂直磁気記録媒体の表面が受けるダメージを比較した。
ダメージの評価は、垂直磁気記録媒体の表面を300倍のノルマルスキー微分干渉光学顕微鏡で観察し、観察される傷の本数を計測することにより行った。その結果を表1に示す。
表1より、実施例の垂直磁気記録媒体は傷がなく、表面の耐衝撃性が優れていることがわかる。これに対し、比較例1〜4の垂直磁気記録媒体では傷が観察され、実施例と比較して耐衝撃性が低いことがわかる。
なお前述の耐衝撃性評価(スクラッチ評価)によって間接的に平滑性も評価される。本発明では平滑性に優れるため接触によるダメージがなく傷が発生せず、一方比較例では平滑性に劣るため接触によるダメージが大きく、発生した傷の本数が多い。
分離領域部表面の平滑性に優れ、高記録密度を実現でき、磁気記録再生装置に備えられた場合に、磁気ヘッドによる書きにじみがなく、長期に渡って安定した電磁変換特性が得られ、磁気ヘッドなどの衝突に対する耐衝撃性に優れた垂直磁気記録媒体を提供できる。

Claims (8)

  1. 非磁性基板上に、前記非磁性基板面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層が形成され、前記記録層が、複数の記録部と、隣接する前記記録部を分離する複数の分離領域部とを有する垂直磁気記録媒体の製造方法であって、
    非磁性基板上に、非磁性基板面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層を形成する工程と、
    前記記録層から、分離領域部となる領域を除去して凹溝を形成することによって、グラニュラー構造の磁性材料から形成される磁性層を含む複数の記録部と、隣接する前記記録部を分離する複数の凹溝と、を形成する工程と、
    前記凹溝の形成された前記記録層上に、グラニュラー構造の非磁性材料を堆積させて前記凹溝に前記材料が充填された非磁性層からなる分離領域部を形成する工程と、
    前記磁性層の表面が露出しかつ前記磁性層の表面の一部が除去されるまで、前記非磁性層を除去して、前記非磁性層の形成された表面上を平坦化する工程とを含む、垂直磁気記録媒体の製造方法。
  2. 前記記録層上に、前記記録部と前記分離領域部とを覆う保護膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  3. 前記凹溝を形成する工程が、前記記録層上にレジストを塗布してレジスト層を形成し、スタンパーを用いて、前記分離領域部となる前記レジスト層の領域を除去し、前記レジスト層が除去された前記記録層の領域を除去する工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  4. 前記凹溝を充填する工程において、スパッタ法を用いて前記凹溝にグラニュラー構造の非磁性材料を充填することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  5. 前記平坦化する工程において、イオンビームエッチング法を用いて前記非磁性層の形成された表面上を平坦化することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  6. 前記磁性層および前記分離領域部を、Crを含む材料で形成することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  7. 前記磁性層および前記分離領域部を、5〜40体積%の範囲内で酸化物を含む材料で形成することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
  8. 前記磁性層および前記分離領域部を、SiO、SiO、Cr、CoO、Ta、及びTiOのいずれか一種以上を含む材料で形成することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
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