JP4848469B2 - 垂直磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents
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Description
本願は、2008年3月28日に、日本に出願された特願2008−88146号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
特に記録の熱的安定性は、大きな技術的課題である。とりわけ、前述のSN比を改善しようとすると、この熱的安定性が低下するケースが多いため、SN比と熱的安定性の2つの両立は、今後の開発の目標となっている。SN比に優れた媒体では、一般的に磁性層を構成する磁性粒子の結晶粒サイズが微細であることが多い。微細である事は媒体ノイズの軽減に有効である反面、磁性の熱的安定性の観点からは、微細である事は不安定領域に近い状態であると考えられる。上記の性質が、SN比を改善しようとすると熱的安定性が低下する理由の一つとなっていると思われる。
以上のような高面記録密度の媒体において好ましいSN比を確保しつつかつ熱的安定性を確保するために、従来の面内磁気記録方式とは異なり、薄膜媒体の膜面に対して垂直方向に磁化記録を行う、垂直磁気記録媒体が近年用いられている。
フリンジの問題を解決する方法の一つとしては、ディスクリートトラック媒体が挙げられる(例えば、特許文献1、2参照)。
また、特許文献2には、磁性部材でつくられた記録トラック部と、互いに隣接する記録トラック部間にあるガードバンド部とを有し、かつガードバンド部内に設けられた非磁性の材料で形成された分離領域部材を具備する磁気ディスクが提案されている。また、特許文献2には、分離領域部材として、酸化物、窒化物、炭化物、又は硼化物を、あるいは、C系、CH系、及びCF系のうちのいずれかの重合化合物を、使用する事が例示されている。さらに、特許文献2には、ガードバンドスペースが埋まるまでスパッタすることにより、ディスク表面をSiO2膜で覆い、その後、記録トラック部の記録磁性部材の上面が露出するまでSiO2膜を研磨すると同時にSiO2膜を平坦化することにより、記録磁性部材および分離領域部材が交互に表面にあらわれたディスクを得る技術が記載されている。
一方、特許文献2に記載された磁気ディスクでは、記録磁性部材と分離領域部材との段差がないので、表面の凹凸による記録再生ヘッドの浮上特性への影響がないという点で好ましい。
また、特許文献2では、特許文献2の磁気ディスクを製造するために、分離領域部材を形成する膜を表面に設けた後、イオンビームエッチング等によって、記録磁性部材の上面が露出するまで、分離領域部材を形成する膜をエッチングして平坦化する。しかしながらこの時に、エッチング後の記録トラック部間にある分離領域部材の表面が荒れてしまい、表面の平滑性が不十分になるという問題があった。この問題を解決するためには、エッチング後の表面上に保護膜を形成することも考えられる。しかしながら、エッチング後の分離領域部材の表面既に荒れているため、エッチング後の製品の表面上に保護膜を形成したとしても、表面の平滑性が十分に得られない場合があった。また、分離領域部に金属を用いた場合でも、スパッタ等により成膜した膜表面に不均一が生じ、その平坦化が難しいという問題があった。
また、本発明は、本発明の垂直磁気記録媒体を備え、分離領域部表面の平滑性に優れ、高記録密度を実現でき、磁気ヘッドによる書きにじみがなく、長期に渡って安定した電磁変換特性が得られ、磁気ヘッドなどの衝突に対する耐衝撃性に優れた、磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
(1)非磁性基板上に、前記非磁性基板面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層が形成され、前記記録層が、複数の記録部と、隣接する前記記録部を分離する複数の分離領域部とを有する垂直磁気記録媒体の製造方法であって、
非磁性基板上に、非磁性基板面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層を形成する工程と、
前記記録層から、分離領域部となる領域を除去して凹溝を形成することによって、グラニュラー構造の磁性材料から形成される磁性層を含む複数の記録部と、隣接する前記記録部を分離する複数の凹溝と、を形成する工程と、
前記凹溝の形成された前記記録層上に、グラニュラー構造の非磁性材料を堆積させて前記凹溝に前記材料が充填された非磁性層からなる分離領域部を形成する工程と、
前記磁性層の表面が露出しかつ前記磁性層の表面の一部が除去されるまで、前記非磁性層を除去して、前記非磁性層の形成された表面上を平坦化する工程とを含む。
第一の態様の記録媒体において好ましい例を以下に述べる。
(2):上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法は、前記記録層上に、前記記録部と前記分離領域部とを覆う保護膜を形成する工程を有することが好ましい。
(3):上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法は、前記凹溝を形成する工程が、前記記録層上にレジストを塗布してレジスト層を形成し、スタンパーを用いて、前記分離領域部となる前記レジスト層の領域を除去し、前記レジスト層が除去された前記記録層の領域を除去する工程を備えることが好ましい。
(4):上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法は、前記凹溝を充填する工程において、スパッタ法を用いて前記凹溝にグラニュラー構造の非磁性材料を充填することが好ましい。
(5):上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法は、前記平坦化する工程において、イオンビームエッチング法を用いて前記非磁性層の形成された表面上を平坦化することが好ましい。
(6):上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法では、前記磁性層および前記分離領域部を、Crを含む材料で形成することが好ましい。
(7):上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法では、前記磁性層および前記分離領域部を、5〜40体積%の範囲内で酸化物を含む材料で形成することが好ましい。
(8):上記(1)に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法では、前記磁性層および前記分離領域部を、SiO2、SiO、Cr2O3、CoO、Ta2O3、及びTiO2のいずれか一種以上を含む材料で形成することが好ましい。
1 非磁性基板、
2 軟磁性裏打ち層、
3 配向性御層
4 磁性層
6 記録層
7 レジスト層
8 媒体
9 スタンパー
9a 凹部
10 凹凸部
11b 凹溝
12 非磁性層
14 分離領域部
15 記録部
16 保護膜
17 潤滑層
本発明の垂直磁気記録媒体は、非磁性基板上に、非磁性基板面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層が形成され、記録層が、複数の記録部と、隣接する前記記録部を分離する分離領域部とを有する垂直磁気記録媒体であり、分離領域部がグラニュラー構造の材料、好ましくは非磁性材料、から構成される。このため、平滑で耐環境性に優れた表面を有する分離領域部が容易に得られる。より詳細には、グラニュラー構造の材料は、微細な結晶構造を有するので、グラニュラー構造の材料からなる分離領域部を得るために分離領域部となる膜をエッチングおよび/または研磨した場合、分離領域部となる膜のエッチングおよび/または研磨が均一に進行する。その結果、エッチングおよび/または研磨後に生じる分離領域部表面の荒れの問題が解消され、平滑で耐環境性に優れた表面を有する分離領域部が得られる。
また、本発明の磁気記録再生装置は、本発明の垂直磁気記録媒体を備えるので、分離領域部表面の平滑性に優れ、高記録密度を実現でき、磁気ヘッドによる書きにじみがなく、長期に渡って安定した電磁変換特性が得られ、磁気ヘッドなどの衝突に対する耐衝撃性に優れる。
「磁気記録媒体」
図1(A)〜図1(I)は、本発明の垂直磁気記録媒体および本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一例を説明する図である。図1(I)は本発明の垂直磁気記録媒体を示した拡大断面図である。なお、図1(I)においては、円盤状の垂直磁気記録媒体の一部のみを拡大して示している。
記録層6は、非磁性基板1面に対して垂直方向に磁気異方性を有し、図1(I)に示されるように、磁気記録される複数の記録部15と、隣接する記録部15を分離する、分離領域部14とを有している。記録部15は、同心円状の所定の幅で形成された記録トラック部またはビット部であり、図1(I)に示されるように、軟磁性裏打ち層2と配向制御層3と磁性層4とが順次積層されている。
図1(I)に示されるように、磁性層4と分離領域部14との境界部分には段差がなく、記録層6の表面は、磁性層4の表面部分と分離領域部14の表面部分とから構成される、連続した平滑面となっている。記録層6の表面粗さ(Ra)は小さい方が好ましく、具体的には、1nm以下が好ましく、0.5nm以下がより好ましく、0.3nm以下がさらに好ましい。記録層6の表面粗さが小さい程、記録層6上に形成される保護膜16および潤滑層17の表面粗さを小さくすることができ、表面の平坦性に優れた垂直磁気記録媒体Aとすることができる。表面の平坦性に優れた垂直磁気記録媒体Aは、磁気記録再生装置に備えられた際に、磁気ヘッドの浮上量を小さくすることが可能であるので、より一層の高密度磁気記録を実現できる。
非磁性基板1の平均表面粗さRaは小さい方が好ましい。具体的には、1nm以下、好ましくは0.5nm以下である事が、磁性層4の垂直配向性が良好なものとなる点や、後述するようにスタンパーを高圧でプレスする際における圧力分布を小さくすることができ、加工の均一性が向上する点などから好ましい。また、非磁性基板1の表面の微小うねりWaが0.3nm以下、より好ましくは0.2nm以下であると、スタンパーを高圧でプレスする際における圧力分布が小さくなり、加工の均一性が向上する点から好ましい。基板の厚さは必要に応じて選択できる。
また、磁性層4は、5〜40体積%の範囲内で、より好ましくは15〜25体積%の範囲内で、酸化物を含むものであることが好ましい。酸化物の体積が15体積%未満であると、SNR特性が不十分となる恐れがあるため好ましくない。また、酸化物の体積が40体積%を超えると、高記録密度に対応するだけの保磁力を得ることができない恐れがあるため好ましくない。
また、磁性層4の厚さは、6〜18nmであることが好ましい。磁性層4の厚さを上記範囲とすることで、OW特性の悪化を生じさせることなく、十分な出力を確保することができ、好ましい。
また、本願発明におけるグラニュラー構造の非磁性材料は、非磁性材料粒子の周囲が完全に酸化物で覆われた構造の材料であってもよいが、一部のみが酸化物で覆われた構造の材料であってもよい。例えば、非磁性材料粒子の側面のみが酸化物に覆われた構造の材料であってもよい。
また、グラニュラー構造の非磁性材料に含まれる酸化物としては、SiO2、SiO、Cr2O3、CoO、Ta2O3、及びTiO2のいずれか一種以上などを挙げることができる。これらの酸化物を含むグラニュラー構造の非磁性材料とすることで、ドライエッチング等が容易なものとなるため好ましい。
また、分離領域部14は、5〜40体積%の範囲内で、より好ましくは20〜30体積%の範囲内で、酸化物を含むものであることが好ましい。分離領域部14に含まれる酸化物の体積率を上記範囲とすることにより、分離領域部14を形成する際のドライエッチングを容易とすることができ、ドライエッチング後に得られる分離領域部14の表面の粗さを均一にすることができる。
本実施形態においては、磁性層4を構成する材料と分離領域部14を構成する材料とを互いにさらに近似させるために、磁性層4および分離領域部14を構成する材料を、少なくとも以下の(1)〜(5)に示すいずれかの構成とすることがより好ましい。
また、磁性層4および分離領域部14に、CoやPt等を添加する場合、分離領域部14における非磁性粒子は、第一主成分としてCoを含むCr合金であることが好ましい。
保護層16の膜厚は1〜10nmであることが好ましく、1〜5nmとすることがさらに好ましく、十分な耐久性を確保できる範囲でできるだけ薄く設定することが好ましい。
次に、本発明の垂直磁気記録媒体の製造方法の一例として、図1(I)に示す垂直磁気記録媒体Aの製造方法を、図1(A)〜図1(H)を用いて説明する。
図1(A)は、非磁性基板上に記録層を形成した状態を示す拡大断面図である。図1(B)は、前記記録層上にレジスト層を形成した状態を示す拡大断面図である。図1(C)は、スタンパーを用いて、分離領域部となる領域に該当するレジスト層部分を除去した状態を示す拡大断面図である。図1(D)は、レジスト層全体が除去され、記録部(記録層)に、記録部を複数に分離する複数の凹溝が形成された状態を示す拡大断面図である。図1(F)は、凹溝が形成された記録部上に、グラニュラー構造の非磁性材料の層が堆積された状態を示す拡大断面図である。図1(G)は、非磁性材料の層の表面を除去し、記録層の表面が平滑化された状態を示す拡大断面図である。図1(H)は、平滑化された記録層の表面に、保護層が形成された状態を示す拡大断面図である。
その後、マスク層5の設けられた記録層6上にレジストを塗布し、図1(B)に示すように、レジスト層7の形成された媒体8を形成する。レジスト層7の形成に用いられるレジストは必要に応じて選択でき、工業的に使用されているフォトレジストなどを広く使用できる。レジスト層7は、通常、スピンコートなどを用いてレジストを薄く均一に塗布した後、必要に応じて、オーブンを用いて所定の温度および時間で焼成し、不要な有機溶剤などを除去する方法によって形成できる。なお、レジスト層7の形成方法は、使用するレジストの性質などに合わせて適宜調整してよい。
スタンパー9は必要に応じて選択できる。例えば、円盤状の非磁性基板1に合致する円盤状スタンパーであって、図1(I)に示す垂直磁気記録媒体Aの記録部15の表面形状に対応する凹部9aが表面に形成されたスタンパーなどを用いることができる。スタンパー9は、例えば、金属プレート上に電子線描画などの方法を用いて、微細な凹部9a形状を形成することによって得られる。スタンパー9の材料としては、十分な硬度および耐久性を有するものであればよく、特に限定されないが、例えばNiなどの金属が使用される。
その後、図1(E)に示すように、記録部15上に残っているマスク層5を、酸素プラズマエッチングやイオンミリング等により除去する。
なお、凹溝11b内にグラニュラー構造の非磁性材料が充填されていない部分があると、記録部15間の磁気的相互作用が十分に遮断されず、十分な記録再生特性が得られない場合がある。また、凹溝11b内のグラニュラー構造の非磁性材料が充填されていない部分が、大気中の酸素などのガスと接触することにより、垂直磁気記録媒体Aの耐食性に悪影響を及ぼす懸念がある。
非磁性層12が形成された後に表面上を平坦化する際に、非磁性層12と同時に除去される磁性層4の除去厚みは、特に限定されない。例えば、非磁性層12と磁性層4とを同時に除去する平坦化効果が十分に得られるように、1nm以上除去されることが好ましい。
その後、保護膜16上に潤滑層17をさらに形成することにより、図1(I)に示す垂直磁気記録媒体Aが得られる。
さらに、本実施形態の垂直磁気記録媒体Aでは、記録部15の最上層に磁性層4が配置され、記録部15と分離領域部14とを覆う保護膜16が設けられているが、保護膜16の下地層となって保護膜16を支える記録部15および分離領域部14は、その硬度や密度が互いに近似している。よって、保護膜16は、磁気ヘッドなどが偶発的に接触した場合に、表面全域において均一に衝撃を吸収できる、損傷を受けにくく非常に耐衝撃性に優れたものとなる。したがって、垂直磁気記録媒体Aは、非常に優れた耐衝撃性有するものとなる。
次に、本発明の磁気記録再生装置の一例として、図1(I)に示す垂直磁気記録媒体Aを備えた磁気記録再生装置を、図2を用いて説明する。
図2は、本発明の磁気記録再生装置の一例である、ハードディスク装置を示した斜視図である。図2に示す磁気記録再生装置Bは、上面側が開口した矩形箱状の筐体21と、筐体21の開口を塞ぐ図示略のトップカバーとを有する。筐体21内には、図1(I)に示す垂直磁気記録媒体Aと、スピンドルモータ23と、磁気ヘッド24(単磁極ヘッド)と、ヘッドアクチュエータ25と、ボイスコイルモータ27と、ヘッドアンプ回路28とが収納されている。
また、磁気ヘッド24は、記録部と再生部とを有し、垂直磁気記録媒体Aに対して磁気信号の記録および再生を行う。磁気ヘッド24は必要に応じて選択でき、例えばGMRヘッドあるいはTMRヘッドを用いることができる。磁気ヘッド24としてGMRヘッドあるいはTMRヘッドを用いた場合、高記録密度においても十分な信号強度を得ることができ、高記録密度を持った磁気記録再生装置Bを実現することができる。また、磁気ヘッド24の浮上量は必要に応じて選択でき、例えば0.005μm〜0.020μmとすることで、出力を向上させることができ、また高い装置S/N比が得られ、その結果、大容量で高い信頼性を有する磁気記録再生装置Bとすることができる。
また、ボイスコイルモータ27は、回転軸26を介してヘッドアクチュエータ25を回転させるとともに位置決めする。
以下に示す製造方法により、図1(I)に示される垂直磁気記録媒体Aを作製した。
まず、非磁性基板1として、洗浄済み円盤状のHD用ガラス基板(オハラ(株)製、外径0.85インチ)を用意し、あらかじめ1.0×10−5Pa以下に真空排気した真空チャンバ内に設置した。そして、非磁性基板1上に、65Fe−25Co−10B(原子%)を加熱なしで50nm、Ruを0.8nm、65Fe−25Co−10B(原子%)を50nm順に成膜することにより、軟磁性裏打ち層2を形成した。続いて、軟磁性裏打ち層2上に、Ruからなる厚み20nmの配向制御層3を形成した。前記配向制御層3上に更に65Co−10Cr−15Pt−10SiO2(原子%)からなる厚み12nmの磁性層4を形成することにより、記録層6を形成した。この磁性層4は、Co、Cr及びPtからなる磁性材料粒子がSiO2中に分散した、グラニュラー構造を有する。
次に、トラックピッチ(Track pitch)150nmの同心円状の凹部が形成されているNi製のスタンパーを用いて、分離領域部14となる領域のレジスト層を除去し、基板1上に所望の凹凸部を形成した。その後、凹凸部を有するレジスト層が形成された非磁性基板1を高真空チャンバ内に設置し、イオンビームエッチング法を用いて、レジスト層の形成されていない領域(分離領域部14となる領域)の記録層6およびマスク層5を除去して、同心円状の凹溝11bを形成した。その後、記録部15上に残っているマスク層5およびレジスト層7を除去した。
続いて、イオンビームエッチングを用いて形成された非磁性層の表面上を平坦化するとともに、非磁性層と磁性層4の表面から1nm程度とを同時に除去して磁性層4を露出させた。
分離領域部14の材料として、表1に示すSiO2、Si、Cr、またはCr2O3を用いたこと以外は、上述の実施例と同様にして垂直磁気記録媒体を作製した。
なお比較例1〜比較例4では、分離領域部に充填されたものはもちろんグラニュラー構造を有しない。
(電磁変換特性の経時変化評価)
実施例および比較例1〜4の垂直磁気記録媒体を、温度80℃、湿度80%の環境下のオーブンに投入して、720時間保持した。オーブンに投入する前と後における、実施例および比較例1〜4の垂直磁気記録媒体の信号対雑音比(SNR)および保磁力(Hc)を測定した。その結果を表1に示す。
なお、SNRの評価では、GUZIK社製リードライトアナライザRWA1632、およびスピンスタンドS1701MPを用い、書き込み部にシールディッドタイプヘッド、及び再生部にGMR素子を用いた磁気ヘッドを使用し、160kFCI、および、960kFCIの信号を書き込んだ際のrms値(rootmean square-inches)で評価を行った。
実施例および比較例1〜4の垂直磁気記録媒体を5600rpmで回転させ、その表面の一定半径の箇所に、磁気ヘッドを0.5秒ずつ1000回接触させ、垂直磁気記録媒体の表面が受けるダメージを比較した。
ダメージの評価は、垂直磁気記録媒体の表面を300倍のノルマルスキー微分干渉光学顕微鏡で観察し、観察される傷の本数を計測することにより行った。その結果を表1に示す。
なお前述の耐衝撃性評価(スクラッチ評価)によって間接的に平滑性も評価される。本発明では平滑性に優れるため接触によるダメージがなく傷が発生せず、一方比較例では平滑性に劣るため接触によるダメージが大きく、発生した傷の本数が多い。
Claims (8)
- 非磁性基板上に、前記非磁性基板面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層が形成され、前記記録層が、複数の記録部と、隣接する前記記録部を分離する複数の分離領域部とを有する垂直磁気記録媒体の製造方法であって、
非磁性基板上に、非磁性基板面に対して垂直方向に磁気異方性を有する記録層を形成する工程と、
前記記録層から、分離領域部となる領域を除去して凹溝を形成することによって、グラニュラー構造の磁性材料から形成される磁性層を含む複数の記録部と、隣接する前記記録部を分離する複数の凹溝と、を形成する工程と、
前記凹溝の形成された前記記録層上に、グラニュラー構造の非磁性材料を堆積させて前記凹溝に前記材料が充填された非磁性層からなる分離領域部を形成する工程と、
前記磁性層の表面が露出しかつ前記磁性層の表面の一部が除去されるまで、前記非磁性層を除去して、前記非磁性層の形成された表面上を平坦化する工程とを含む、垂直磁気記録媒体の製造方法。 - 前記記録層上に、前記記録部と前記分離領域部とを覆う保護膜を形成する工程を有することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
- 前記凹溝を形成する工程が、前記記録層上にレジストを塗布してレジスト層を形成し、スタンパーを用いて、前記分離領域部となる前記レジスト層の領域を除去し、前記レジスト層が除去された前記記録層の領域を除去する工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
- 前記凹溝を充填する工程において、スパッタ法を用いて前記凹溝にグラニュラー構造の非磁性材料を充填することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
- 前記平坦化する工程において、イオンビームエッチング法を用いて前記非磁性層の形成された表面上を平坦化することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
- 前記磁性層および前記分離領域部を、Crを含む材料で形成することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
- 前記磁性層および前記分離領域部を、5〜40体積%の範囲内で酸化物を含む材料で形成することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
- 前記磁性層および前記分離領域部を、SiO2、SiO、Cr2O3、CoO、Ta2O3、及びTiO2のいずれか一種以上を含む材料で形成することを特徴とする請求項1に記載の垂直磁気記録媒体の製造方法。
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