JP4848460B2 - ガスタービン翼の再生方法及びガスタービン翼の再生装置 - Google Patents

ガスタービン翼の再生方法及びガスタービン翼の再生装置 Download PDF

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Description

本発明は、ガスタービン翼の再生方法及び再生装置に関する。
従来、タービンノズルセグメントのようなガスタービンエンジンの構成部品は、アルカリ洗浄剤で洗浄した後、酸性洗浄剤で洗浄することによって、補修やコーティングの再生を行っていた。特許文献1には、運転後のタービンノズルセグメントから酸化物を除去するために、水酸化ナトリウムと過マンガン酸ナトリウムとを含むアルカリ溶液でタービンノズルセグメントを洗浄した後、洗浄後のタービンノズルセグメントを60体積%〜80体積%の硝酸水溶液で洗浄する方法が開示されている。
特開2007−186786号公報(段落番号0010、0011)
高温の燃焼ガスからガスタービン翼の表面を保護するため、ガスタービン翼の表面に、例えば、Co、Ni、Cr、Al、Y合金(コニクラリー)のコーティングを形成し、その表面にセラミック系耐火物層を形成する。長時間使用したガスタービン翼は、コーティングやセラミック系耐火物層を再生・補修するが、この再生・補修に際して、コーティングを酸洗浄により除去する。
ここで、ガスタービンの運転中にガスタービン翼にひずみが発生することに起因して、ガスタービン翼に残留応力が生ずることがある。この場合、酸洗浄を実行すると、ガスタービン翼に応力腐食割れが生ずるおそれがある。このため、ガスタービン翼の応力腐食割れを防ぐために、熱処理によって酸洗浄前に翼に残留する応力を除去しておく必要がある。
一方、ガスタービンを長時間運転した後には、ガスタービン翼に腐食性の酸化物等のスケールが付着する。ガスタービン翼の内部に形成された冷却媒体通路の内壁には、例えば、Fe、NaSO、ZnSO、鉄ミョウバンなど(Iron Sulfate Hydroxide(K,Na)Fe3(SO4)2(OH)6)やIron Sulfate Hydrate((Na,K)2Fe(SO4)2・4H2O)のような化合物FeSO、NiO、Co、Cr、Al、CaO、SiOを含むスケールが付着する。これは、ガスタービンの運転において、燃焼に供する空気に含まれる微粒子をフィルターによって取り除くことによって、ガスタービン翼に付着する空気由来のスケールを極力少なくしても、ガスタービンの燃料その他に由来するスケールがガスタービン翼に付着するからである。例えば、ガスタービン翼内部の冷却媒体通路の内壁面にスケールが付着した場合、ガスタービン翼の外表面から前記冷却媒体通路の内壁面へ燃焼による熱が伝えられ、この熱によりスケールが前記冷却媒体通路の内壁面上に固着する。
前記冷却媒体通路の内壁面にスケールが残存した状態でガスタービン翼の残留応力を除去するための熱処理を行うと、ガスタービン翼母材の結晶粒界中に存在する炭化物がガスタービン翼の表面から深い領域にかけて消失するため、ガスタービン翼母材の機械的性質が変化するおそれがある。本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ガスタービン翼を補修・再生する際に、ガスタービン翼母材の機械的性質の変化を低減することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るガスタービン翼の再生方法は、運転後のガスタービン翼を、強アルカリ性洗浄液に浸漬して洗浄する強アルカリ性洗浄工程と、前記強アルカリ性洗浄液による洗浄後の前記ガスタービン翼を、水により洗浄する水洗工程と、前記水による洗浄後の前記ガスタービン翼を、弱酸性洗浄液に浸漬して洗浄する弱酸性洗浄工程と、前記弱酸性洗浄液による洗浄後の前記ガスタービン翼を、熱処理する熱処理工程と、前記熱処理した前記ガスタービン翼を強酸性洗浄液に浸漬して、前記ガスタービン翼の表面に形成されたコーティングの少なくとも一部を除去するコーティング除去工程と、を含み、前記弱酸性洗浄液は、クエン酸とクエン酸のアンモニウム塩との弱酸性水溶液であることを特徴とする。好ましくは、本発明に係るガスタービン翼の再生方法は、運転後のガスタービン翼を、強アルカリ性洗浄液、好ましくは酸化剤を含む強アルカリ性洗浄液に浸漬して洗浄する強アルカリ性洗浄工程と、前記強アルカリ性洗浄液による洗浄後の前記ガスタービン翼を、水により洗浄する水洗工程と、前記水による洗浄後の前記ガスタービン翼を、弱酸性洗浄液に浸漬して洗浄する弱酸性洗浄工程と、前記弱酸性洗浄液による洗浄後の前記ガスタービン翼を、水により洗浄する弱酸性洗浄後水洗工程と、弱酸性洗浄後水洗工程で水洗後の前記ガスタービン翼を熱処理する熱処理工程と、前記熱処理した前記ガスタービン翼を強酸性洗浄液に浸漬して、前記ガスタービン翼の表面に形成されたコーティングの少なくとも一部を除去するコーティング除去工程と、を含むことを特徴とする。
このガスタービン翼の再生方法では、熱処理前の洗浄によって、ガスタービン翼の内部に形成された冷却媒体通路の内壁面に付着したスケールを除去できるので、ガスタービン翼を補修・再生する際には、このスケールに起因するガスタービン翼母材の機械的性質の変化を低減できる。また、ガスタービン翼に付着したスケールの成分のうち、鉄酸化物を特に良く溶解除去でき、次の熱処理工程で、鉄酸化物が付着したまま熱処理した場合と比較して動翼母材が劣化しにくいという効果が得られる。ここで、強アルカリ性とは、pH10以上であることをいう。また、弱酸性とは、pH3以上からpH7未満の範囲にあることをいう。さらに、強酸性とは、pH3未満であることをいう。また、強アルカリ性洗浄液には酸化剤が含まれることが好ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記ガスタービン翼の再生方法において、前記強アルカリ性洗浄液は、過マンガン酸アルカリ金属塩を含むアルカリ金属水酸化物の水溶液であることが望ましい。これにより、前記強アルカリ性洗浄液が単純な組成となり、濃度管理をしつつ繰り返し使用できるという効果が得られる。
本発明の好ましい態様としては、前記ガスタービン翼の再生方法において、前記アルカリ金属水酸化物の水溶液は、過マンガン酸カリウムを含む水酸化ナトリウムの水溶液であることが望ましい。これにより、前記強アルカリ性洗浄液が単純な組成となり、濃度管理をしつつ繰り返し使用できるという効果が得られる。
本発明の好ましい態様としては、前記ガスタービン翼の再生方法において、前記強アルカリ性洗浄工程では、自然電位が200mVvsAg/AgCl_sat.KCl以上、すなわち400mVSHE以上である前記アルカリ金属水酸化物の水溶液を用いることが望ましい。これにより、前記強アルカリ性洗浄液の洗浄力の検査を短時間で簡便にすることができ、前記強アルカリ性洗浄を、洗浄力が基準以上の前記強アルカリ性洗浄液で確実に行うことができるという効果が得られる。
本発明の好ましい態様としては、前記ガスタービン翼の再生方法において、前記強アルカリ性洗浄工程では、前記強アルカリ性洗浄液の温度を、70℃以上95℃以下、好ましくは、72℃以上95℃以下に保持して前記ガスタービン翼を洗浄することが望ましい。これにより、強アルカリ性洗浄液の水分の激しい蒸発を抑え、かつガスタービン翼を短時間で洗浄できるという効果が得られる。
本発明の好ましい態様としては、前記ガスタービン翼の再生方法において、前記弱酸性洗浄工程で使用する前記弱酸性水溶液は、波長400nmにおける吸光度が0以上1.5以下、好ましくは0以上1.2以下であることが望ましい。これにより、クエン酸やアンモニウムの濃度を分析して洗浄力の検査をするよりも、短時間で簡便に洗浄力の検査ができ、前記弱酸性洗浄を、洗浄力が基準以上の前記弱酸性洗浄液で確実に行うことができるという効果が得られる。
本発明の好ましい態様としては、前記ガスタービン翼の再生方法において、前記弱酸性洗浄工程では、前記弱酸性洗浄液の温度を、80℃以上99℃以下、好ましくは80℃以上95℃以下、さらに好ましくは90℃以上95℃以下に保持して前記ガスタービン翼を洗浄することが望ましい。これによって、弱酸性洗浄液の水分の激しい蒸発を抑え、かつガスタービン翼を短時間で洗浄できるという効果が得られる。
本発明の好ましい態様としては、前記ガスタービン翼の再生方法において、前記強酸性洗浄液は塩酸であることが望ましい。これによって、ガスタービン翼の表面に形成された、例えば、Co、Ni、Cr、Al、Y合金等の耐酸化コーティングをより確実に除去できる。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るガスタービン翼の再生装置は、運転後のガスタービン翼を支持する支持手段と、前記ガスタービン翼を洗浄する、強アルカリ性洗浄液が貯められ、かつ前記強アルカリ性洗浄液を加温する強アルカリ性洗浄液加温手段を備える強アルカリ性洗浄槽と、前記強アルカリ性洗浄槽で洗浄された前記ガスタービン翼を水洗する水洗槽と、前記水洗槽で水洗された前記ガスタービン翼を洗浄する弱酸性洗浄液が貯められ、かつ前記弱酸性洗浄液を加温する弱酸性洗浄液加温手段を備える弱酸性洗浄槽と、加熱手段を備え、前記弱酸性洗浄液で洗浄した後の前記ガスタービン翼を熱処理する熱処理装置と、前記熱処理装置で熱処理された前記ガスタービン翼表面のコーティングの少なくとも一部を除去する強酸性洗浄液が貯められ、かつ前記強酸性洗浄液を加温する強酸性洗浄液加温手段を備えるコーティング除去槽と、を含み、前記弱酸性洗浄液は、クエン酸とクエン酸のアンモニウム塩との弱酸性水溶液であることを特徴とする。好ましくは、本発明に係るガスタービン翼の再生装置は、前記ガスタービン翼を、前記弱酸性洗浄液で洗浄した後、前記熱処理装置で熱処理する前に水洗する弱酸性洗浄後水洗槽をさらに含むことを特徴とする。
このガスタービン翼の再生装置は、熱処理前の洗浄によって、ガスタービン翼の内部に形成された冷却媒体通路の内壁面に付着したスケールを除去できるので、ガスタービン翼を補修・再生する際には、このスケールに起因するガスタービン翼母材の機械的性質の変化を低減できる。なお、強アルカリ性洗浄液には酸化剤が含まれることが好ましい。
本発明の好ましい態様としては、前記ガスタービン翼の再生装置において、前記強アルカリ性洗浄槽は、さらに前記強アルカリ性洗浄液の温度を所定の温度に保持する強アルカリ性洗浄液温度制御手段を備えることが好ましい。これによって、強アルカリ性洗浄液の洗浄条件を一定に維持して、確実にスケールを除去できる。
本発明の好ましい態様としては、前記ガスタービン翼の再生装置において、前記弱酸性洗浄槽は、さらに前記弱酸性洗浄液の温度を所定の温度に保持する弱酸性洗浄液温度制御手段を備えることが好ましい。これによって、弱酸性洗浄液の洗浄条件を一定に維持して、確実にスケールを除去できる。
本発明によれば、ガスタービン翼を補修・再生する際に、ガスタービン翼母材の機械的性質の変化を低減できる。
図1は、ガスタービン動翼の断面を示す模式図である。 図2は、本実施形態に係るガスタービン翼の再生装置の概略図である。 図3は、本実施形態に係るガスタービン動翼の再生方法の手順を示すフローチャートである。 図4は、弱酸性洗浄液による洗浄の前後における弱酸性洗浄液の吸光度の一例を示す説明図である。
符号の説明
1 ガスタービン動翼
1B 冷却媒体通路分岐部
1E 取付部
1P 内部冷却媒体通路
1T 動翼先端
2 支持手段
2a 移動手段
3 強アルカリ性洗浄槽
11 強アルカリ性洗浄後水洗槽
12 強アルカリ性洗浄後加圧水洗装置
13 強アルカリ性洗浄後超音波水洗浄槽
16 弱酸性洗浄槽
24 弱酸性洗浄後水洗槽
25 弱酸性洗浄後加圧水洗装置
26 弱酸性洗浄後超音波水洗浄槽
29 熱処理装置
37 コーティング除去槽
48 中和槽
49 コーティング除去後水洗槽
50 湯洗浄槽
100 ガスタービン翼の再生装置(再生装置)
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この発明を実施するための最良の形態(以下実施形態という)により、本発明が限定されるものではない。また、以下の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。
本実施形態は、運転後のガスタービン翼を、強アルカリ性洗浄液、好ましくは酸化剤を含む強アルカリ性洗浄液に浸漬して洗浄し、次に前記ガスタービン翼を水洗し、次に前記ガスタービン翼を弱酸性洗浄液に浸漬して洗浄し、次に前記ガスタービン翼を熱処理する。そして、前記熱処理が終了した後の前記ガスタービン翼を強酸性洗浄液に浸漬して、前記ガスタービン翼の表面に形成されたコーティングを除去する点に特徴がある。まず、本実施形態に係るガスタービン翼の再生装置を説明する。
〔ガスタービン翼の再生装置〕
図1は、ガスタービン動翼の断面を示す模式図である。図2は、本実施形態に係るガスタービン翼の再生装置の概略図である。本実施形態に係るガスタービン翼の再生装置(以下再生装置という)100による再生対象はガスタービン翼であるが、本実施形態では、図1に示すガスタービン動翼1を再生対象とする。なお、再生装置100の再生対象はガスタービン動翼1に限定されるものではなく、ガスタービン静翼であってもよく、再生対象とするガスタービン動翼1やガスタービン静翼の段は問わない(以下同様)。
再生装置100は、支持手段2と、移動手段2aと、湯洗浄槽50と、強アルカリ性洗浄槽3と、強アルカリ性洗浄後水洗槽11と、強アルカリ性洗浄後加圧水洗装置12と、強アルカリ性洗浄後超音波水洗浄槽13と、弱酸性洗浄槽16と、弱酸性洗浄後水洗槽24と、弱酸性洗浄後加圧水洗装置25と、弱酸性洗浄後超音波水洗浄槽26と、熱処理装置29と、コーティング除去槽37と、中和槽48と、コーティング除去後水洗槽49とを含んで構成される。
支持手段2は、ガスタービン動翼1を洗浄するために支持するものであり、ガスタービン動翼1を、その長手方向を鉛直方向と略平行にして、取付部1E側を下、動翼先端1T側を上にして支持できるようになっている。ガスタービン動翼1の内部に形成されて、空気や蒸気等の冷却媒体が通過する冷却媒体通路(以下内部冷却媒体通路)1Pは、取付部1Eや冷却媒体通路分岐部1Bよりも狭くなっているため、動翼先端1T側が上になるように支持することによって、洗浄工程で内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1Bから剥離した酸化物等の固形物が、内部冷却媒体通路1Pを閉塞することを回避できる。
再生装置100及び本実施形態に係るガスタービン翼の再生方法では、強アルカリ性洗浄液や強酸性洗浄液を用いるので、支持手段2は、洗浄工程で腐食しにくい材料で構成される。支持手段2は、例えば、フッ素樹脂のコーティングが施された金属によって構成されている。支持手段2は、移動手段2aにより、洗浄液への浸漬、洗浄液からの引き揚げ、及び洗浄槽間の移動がなされる。移動手段2aとしては、例えば、クレーンやジャッキなどが用いられる。
湯洗浄槽50は、湯洗浄容器51、加温手段52、液温検出手段53、液温制御手段54を含んで構成される。湯洗浄容器51には、湯が貯留されており、支持手段2により支持されたガスタービン動翼1が、移動手段2aによって湯洗浄容器51の湯の中に沈められる。本実施形態において、湯温は、加温手段52、液温検出手段53、液温制御手段54によって予め設定した一定の温度に保持される。再生装置100は、湯洗浄槽50を備えるので、ガスタービンの運転中にガスタービン動翼1に付着したスケールのうち、油分及び水溶性のものをある程度取り除くことができる。その結果、強アルカリ性洗浄液がスケールに浸透しやすくなり、アルカリ性洗浄の効果を上げることができる。
強アルカリ性洗浄槽3は、湯洗浄されたガスタービン動翼1を、強アルカリ性洗浄液、好ましくは酸化剤を含む強アルカリ性洗浄液で洗浄する槽である。再生装置100は、強アルカリ性洗浄槽3を備えるので、強アルカリ性洗浄液に溶解するスケールの成分が除去され、スケールがガスタービン動翼1から剥離しやすくなる。スケールの剥離及び除去が促進される結果、後述する熱処理装置29での熱処理において、ガスタービン動翼1の母材(ガスタービン翼母材)における結晶粒界中の炭化物が、ガスタービン動翼1の外表面及び内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1Bの内壁面から深い領域にかけて消失することを抑制できる。その結果、ガスタービン動翼1の機械的性質の変化(特に高温における機械的性質の変化)を抑制できるという効果が得られる。
さらに、ブラシ等の研磨手段が届かない場所、例えばガスタービン動翼1の冷却媒体通路分岐部1Bや内部冷却媒体通路1Pでも洗浄できるという効果が得られる。ここで、強アルカリ性洗浄槽3は、強アルカリ性洗浄液を撹拌する撹拌手段を備えることが好ましい。強アルカリ性洗浄槽3が撹拌手段を備えることによって、強アルカリ性洗浄液が撹拌されて濃度が均一となり、ガスタービン動翼1に洗浄ムラが生じることを防ぐという効果が得られる。
再生装置100の強アルカリ性洗浄槽3は、強アルカリ性洗浄容器4と、気泡導入管9と、送気装置10と、強アルカリ性洗浄液加温手段6と、強アルカリ性洗浄液温度検出手段8と、強アルカリ性洗浄液温度制御手段7と、強アルカリ性洗浄容器蓋5とを含んで構成される。湯洗浄されたガスタービン動翼1は、支持手段2により支持され、移動手段2aにより湯洗浄槽50から強アルカリ性洗浄槽3へ移動されて、強アルカリ性洗浄容器4に貯められた強アルカリ性洗浄液の中に沈められる。その後、強アルカリ性洗浄容器4に強アルカリ性洗浄容器蓋5がされる。強アルカリ性洗浄容器蓋5により、強アルカリ性洗浄液の蒸散を低減できるという効果が得られる。
洗浄中は、送気装置10より、気体(例えば空気)が強アルカリ性洗浄容器4の底面の直上に配置された気泡導入管9へ送られ、気泡導入管9に設けられた開口部から強アルカリ性洗浄容器4の内部へ導入された気泡が、ガスタービン動翼1に衝突しながら上昇する。強アルカリ性洗浄槽3が、送気装置10と、気泡導入管9とを備えることによって、強アルカリ性洗浄容器4内の強アルカリ性洗浄液を撹拌し、ガスタービン動翼1の洗浄ムラを抑制するという効果が得られる。また、気泡によって強アルカリ性洗浄液による洗浄を補助するという効果が得られる。また、使用する強アルカリ性洗浄液を減量して洗浄廃液を減らすという効果が得られる。強アルカリ性洗浄液の液温は、強アルカリ性洗浄液加温手段6、強アルカリ性洗浄液温度検出手段8、強アルカリ性洗浄液温度制御手段7により制御される。
強アルカリ性洗浄後水洗槽11は、強アルカリ性洗浄液で洗浄したガスタービン動翼1を水により洗浄する槽である。強アルカリ性洗浄後水洗槽11には水が貯められており、この水にガスタービン動翼1を浸漬することにより洗浄が行われる。再生装置100は強アルカリ性洗浄後水洗槽11を備えるので、ガスタービン動翼1に付着した強アルカリ性洗浄液を除去できるという効果が得られる。また、スケールが水により急冷されてガスタービン動翼1より除去されやすくなるという効果も得られる。強アルカリ性洗浄後水洗槽11は、強アルカリ性洗浄後水洗槽11内の水を撹拌する撹拌手段を備えることが好ましい。これによって、ガスタービン動翼1の表面を水が衝突するので、スケールを効果的に除去できる。
強アルカリ性洗浄後加圧水洗装置12は、強アルカリ性洗浄後水洗槽11で洗浄されたガスタービン動翼1を、加圧水流により洗浄する装置である。再生装置100が強アルカリ性洗浄後加圧水洗装置12を備えることにより、ガスタービン動翼1に付着した強アルカリ性洗浄液及びスケールの除去が容易になるという効果が得られる。強アルカリ性洗浄後加圧水洗装置12は、加圧水流ノズル12aを含んで構成される。加圧水流ノズル12aから加圧した水を噴出させて、内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1Bの内壁面及びガスタービン動翼1の外表面を洗浄する。なお、強アルカリ性洗浄後水洗槽11に加圧水流ノズルを設けて、強アルカリ性洗浄後水洗槽11が強アルカリ性洗浄後加圧水洗装置を兼ねるようにしてもよい。
強アルカリ性洗浄後超音波水洗浄槽13は、強アルカリ性洗浄後加圧水洗装置12により洗浄されたガスタービン動翼1を超音波水洗浄する槽である。再生装置100が強アルカリ性洗浄後超音波水洗浄槽13を備えることにより、ガスタービン動翼1に付着した強アルカリ性洗浄液及びスケールの除去が容易になるという効果が得られる。強アルカリ性洗浄後超音波水洗浄槽13は、強アルカリ性洗浄後超音波水洗浄容器13aと、発振器15と、振動子14とを含んで構成される。強アルカリ性洗浄後超音波水洗浄容器13aには水が貯められてガスタービン動翼1が沈められ、発振器15によって振動子14を振動させて超音波を発生させることにより、ガスタービン動翼1が洗浄される。なお、発振器15及び振動子14を強アルカリ性洗浄後水洗槽11に接続して、強アルカリ性洗浄後水洗槽11が強アルカリ性洗浄後超音波水洗浄槽を兼ねるようにしてもよい。
弱酸性洗浄槽16は、強アルカリ性洗浄後、水洗したガスタービン動翼1を弱酸性洗浄液で洗浄する槽である。再生装置100が弱酸性洗浄槽16を備えることにより、ガスタービン動翼1から弱酸性洗浄液に溶解するスケールの成分を除去できる。その結果、後述する熱処理装置29での熱処理で、ガスタービン翼母材の結晶粒界中の炭化物が、ガスタービン動翼1の外表面及び内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1Bの内壁面から深い領域にかけて消失することを抑制し、ガスタービン動翼1の機械的性質の変化(特に高温における機械的性質の変化)を抑制できるという効果が得られる。また、ブラシ等の研磨手段が届かない場所、例えばガスタービン動翼1の内部冷却媒体通路1P等でも洗浄できるという効果も得られる。ここで、弱酸性洗浄槽16は、弱酸性洗浄液を撹拌する撹拌手段を備えることが好ましい。弱酸性洗浄槽16が撹拌手段を備えることによって、弱酸性洗浄液が撹拌されて濃度が均一となり、ガスタービン動翼1の洗浄ムラを抑制できる。
弱酸性洗浄槽16は、弱酸性洗浄容器17と、気泡導入管22と、送気装置23と、弱酸性洗浄液加温手段19と、弱酸性洗浄液温度検出手段21と、弱酸性洗浄液温度制御手段20と、弱酸性洗浄容器蓋18とを含んで構成される。ガスタービン動翼1は、移動手段2aにより弱酸性洗浄容器17に貯められた弱酸性洗浄液の中に沈められる。その後、弱酸性洗浄容器17に弱酸性洗浄容器蓋18がされる。弱酸性洗浄容器蓋18により、弱酸性洗浄液の蒸散を抑制できるという効果が得られる。
洗浄中は、送気装置23より、気体、例えば空気が、弱酸性洗浄容器17の底面の直上に配置された気泡導入管22へ送られ、気泡導入管22に設けられた開口部から供給された気泡がガスタービン動翼1に衝突しながら上昇する。弱酸性洗浄槽16が送気装置23と気泡導入管22とを備えることによって、弱酸性洗浄容器17内の弱酸性洗浄液を撹拌するという効果、及び弱酸性洗浄液による洗浄を補助するという効果が得られ、さらに、ガスタービン動翼1の洗浄に使用する弱酸性洗浄液を減量して洗浄廃液を低減するという効果が得られる。弱酸性洗浄液の液温は、弱酸性洗浄液加温手段19、弱酸性洗浄液温度検出手段21、弱酸性洗浄液温度制御手段20により制御される。
弱酸性洗浄後水洗槽24は、弱酸性洗浄液で洗浄したガスタービン動翼1を水により洗浄する槽である。弱酸性洗浄後水洗槽24には水が貯められ、これにガスタービン動翼1を浸漬することにより洗浄が行われる。再生装置100が弱酸性洗浄後水洗槽24を備えることにより、ガスタービン動翼1に付着した弱酸性洗浄液を洗浄し、除去するという効果が得られる。弱酸性洗浄後水洗槽24は、弱酸性洗浄後水洗槽24内の水を撹拌する撹拌手段を備えることが好ましい。これによって、ガスタービン動翼1の表面に水が衝突するので、弱酸性洗浄液の洗浄効果が向上し、洗浄時間を短縮できる。
弱酸性洗浄後加圧水洗装置25は、弱酸性洗浄後水洗槽24で洗浄されたガスタービン動翼1を加圧水流により洗浄する装置である。再生装置100が弱酸性洗浄後加圧水洗装置25を備えることにより、ガスタービン動翼1に付着した弱酸性洗浄液及びスケールの除去が容易になるという効果が得られる。弱酸性洗浄後加圧水洗装置25は、加圧水流ノズル25aを含んで構成される。加圧水流ノズル25aから、加圧した水を噴出させて、ガスタービン動翼1の冷却媒体通路分岐部1B等の内壁面及び外表面を洗浄する。なお、弱酸性洗浄後水洗槽24に加圧水流ノズルを設けて、弱酸性洗浄後水洗槽24が弱酸性洗浄後加圧水洗装置を兼ねるようにしてもよい。
弱酸性洗浄後超音波水洗浄槽26は、弱酸性洗浄後加圧水洗装置25により洗浄されたガスタービン動翼1を超音波水洗浄する槽である。再生装置100が弱酸性洗浄後超音波水洗浄槽26を備えることにより、ガスタービン動翼1に付着した弱酸性洗浄液を除去し、スケールの除去が容易になるという効果が得られる。弱酸性洗浄後超音波水洗浄槽26は、弱酸性洗浄後超音波水洗浄容器26aと、発振器28と、振動子27とを含んで構成される。弱酸性洗浄後超音波水洗浄容器26aには水が貯められてガスタービン動翼1が沈められ、振動子27が振動して超音波を発生させ、ガスタービン動翼1が洗浄される。なお、発振器28と振動子27とを弱酸性洗浄後水洗槽24に接続して、弱酸性洗浄後水洗槽24が弱酸性洗浄後超音波水洗浄槽を兼ねるようにしてもよい。
熱処理装置29は、弱酸性洗浄液で洗浄した後、好ましくは水により洗浄した後のガスタービン動翼1を熱処理する装置である。ガスタービン動翼1は、強アルカリ性洗浄槽3での洗浄、次いで水による洗浄、次いで弱酸性洗浄槽16での洗浄、次いで好ましくは水による洗浄を終えた後に熱処理される。再生装置100が熱処理装置29を備えることにより、ガスタービンの運転後にガスタービン動翼1に残留する応力を除去できるという効果が得られる。これによって、後述する強酸性洗浄液を用いたガスタービン動翼1のコーティング除去において、ガスタービン動翼1が応力腐食割れを起こすことを回避できるという効果が得られる。また、ガスタービン翼母材の組織を回復できるという効果も得られる。
本実施形態において、熱処理装置29は真空熱処理装置である。熱処理装置29は、熱処理容器30と、熱処理容器30を密閉する熱処理容器蓋31と、熱処理容器蓋31又は熱処理容器30に接続された排気管32と、排気管32を介して熱処理容器30内の空気を排気する排気手段33と、熱処理容器30内を加熱する熱処理容器加熱手段34と、熱処理容器内温度検知手段35と、熱処理容器内温度制御手段36とを含んで構成される。熱処理容器30内にガスタービン動翼1が納められ、熱処理容器蓋31がされて熱処理容器30が密閉される。熱処理容器30内の空気は、熱処理容器30又は熱処理容器蓋31に接続された排気管32を通って、排気手段33により抜き取られる。
熱処理装置29が排気手段33を備えることによって、熱処理中に、ガスタービン翼母材が空気中の成分、例えば酸素と反応することを抑制できる。熱処理容器30と熱処理容器蓋31とで囲まれる空間、すなわち熱処理容器30の内部は、熱処理容器加熱手段34と、熱処理容器内温度検知手段35と、熱処理容器内温度制御手段36とによって、所定の温度に加熱されて、熱処理容器30内部に納められたガスタービン動翼1が熱処理される。
コーティング除去槽37は、強酸性洗浄液によって、ガスタービン動翼1の表面のコーティングの少なくとも一部を除去する槽である。再生装置100がコーティング除去槽37を備えることにより、ガスタービン動翼1の表面のコーティングの少なくとも一部を除去することができ、その結果、ガスタービン動翼1に対して新たにコーティングを施すことができる。コーティング除去槽37は、強酸性洗浄液を撹拌する撹拌手段を備えることが好ましい。これによって、強酸性洗浄液が撹拌されて濃度が均一となり、ガスタービン動翼1のコーティング除去ムラを抑制できる。
再生装置100のコーティング除去槽37は、コーティング除去容器38と、気泡導入管46と、送気装置47と、強酸性洗浄液加温手段40と、強酸性洗浄液温検出手段41と、強酸性洗浄液温制御手段45と、コーティング除去容器蓋39とを含んで構成される。熱処理されたガスタービン動翼1は支持手段2により支持され、コーティング除去容器38に貯められた強酸性洗浄液の中に沈められる。その後、コーティング除去容器38にコーティング除去容器蓋39がされる。コーティング除去容器蓋39により、強酸性洗浄液の蒸散をなるべく少なくできるという効果が得られる。
洗浄中は、送気装置47より、気体、例えば空気が、コーティング除去容器38の底面の直上に配置された気泡導入管46へ送られ、気泡導入管46に設けられた開口部から導入された気泡が、ガスタービン動翼1に衝突しながら上昇する。コーティング除去槽37が、送気装置47と、気泡導入管46とを備えることによって、コーティング除去容器38内の強酸性洗浄液を撹拌できる。また、気泡によって、強酸性洗浄液によるコーティングの除去を補助して、コーティングの除去に要する時間を短縮できるという効果も得られる。さらに、使用する強酸性洗浄液を減量して洗浄廃液を低減できるという効果が得られる。強酸性洗浄液の液温は、強酸性洗浄液加温手段40、強酸性洗浄液温検出手段41、強酸性洗浄液温制御手段45により制御される。これによって、強酸性洗浄液による洗浄条件を一定に保ち、確実にコーティングを除去できる。
中和槽48は、コーティング除去槽37で、ガスタービン動翼1のコーティングの少なくとも一部が除去された後、ガスタービン動翼1に残留する強酸性洗浄液の酸性成分を中和する槽である。再生装置100が中和槽48を備えることにより、ガスタービン動翼1に残留する酸性成分を中和できる。中和槽48は、槽内の中和液を撹拌する撹拌手段を備えることが好ましい。これによって、ガスタービン動翼1に残留する酸性成分を早期に中和できる。
コーティング除去後水洗槽49は、中和槽48において酸性成分が中和されたガスタービン動翼1を水で洗浄する槽である。再生装置100がコーティング除去後水洗槽49を備えることにより、中和で生じたガスタービン動翼1に残る塩を除去できる。コーティング除去後水洗槽49は、槽内の水を撹拌する撹拌手段を備えることが好ましい。これによって、前記塩を早期に、かつ確実に除去できる。次に、本実施形態に係るガスタービン翼の再生方法を説明する。
〔ガスタービン翼の再生方法〕
図3は、本実施形態に係るガスタービン動翼の再生方法の手順を示すフローチャートである。本実施形態に係るガスタービン翼の再生方法は、ガスタービン翼を再生対象にするが、本実施形態では、図1に示すガスタービン動翼1を再生対象とする。ガスタービン動翼1は、例えば特許第2556198号に示されるNi基耐熱合金で構成されている。
本実施形態に係るガスタービン動翼の再生方法を実行するにあたって、ガスタービン動翼1を、例えば実運転時間が5000時間から40000時間経過した後、タービンディスクから取り外し、図2に示す支持手段2により支持する。このとき、上述したように、ガスタービン動翼1を、その長手方向を鉛直方向と平行にして、タービン軸取付部1E側を下、動翼先端側を上にして支持することが好ましい。
まず、ステップS1において、ガスタービン動翼1を湯に浸漬する(湯洗工程)。湯洗工程(ステップS1)を行うことにより、ガスタービンの運転中にガスタービン動翼1に付着したスケールのうち、油分及び水溶性のものがある程度取り除かれる。このため、強アルカリ性洗浄液がスケールに浸透しやすくなって、強アルカリ性洗浄の効果を上げることができる。本実施形態において、湯洗工程での湯温は、例えば50℃以上80℃以下、好ましくは65℃前後である。湯洗工程は、後述する強アルカリ性洗浄工程の前に行うことが好ましい。
本実施形態では、後述する強アルカリ性洗浄工程(ステップS4)の前に、ステップS2において、強アルカリ性洗浄液の洗浄力が基準以上か否かを検査する(強アルカリ性洗浄液検査工程)。強アルカリ性洗浄液の洗浄力が基準以上であった場合(ステップS2、Yes)、強アルカリ性洗浄液をそのまま使用し、基準未満であった場合は(ステップS2、No)、ステップS3に進み、強アルカリ性洗浄液を基準以上のものに交換する(強アルカリ性洗浄液交換工程)。強アルカリ性洗浄液検査工程(ステップS2)及び強アルカリ性洗浄液交換工程(ステップS3)を行うことにより、次の強アルカリ性洗浄工程(ステップS4)では、洗浄力が基準以上である強アルカリ性洗浄液で確実にガスタービン動翼1を洗浄できるという効果が得られる。ここで、強アルカリ性洗浄液の洗浄力が基準以上か否かを判定する手法については後述する。
湯洗の後、ステップS4において、支持手段2により支持されたガスタービン動翼1を、図2に示す強アルカリ性洗浄槽3に貯められた強アルカリ性洗浄液、好ましくは酸化剤を含む強アルカリ性洗浄液に浸漬し、ガスタービン動翼1を強アルカリ性洗浄液で洗浄する(強アルカリ性洗浄工程)。強アルカリ性洗浄工程(ステップS4)を行うことにより、強アルカリ性洗浄液に溶解するスケールを除去することができ、後述する熱処理工程(ステップS14)において、ガスタービン翼母材の結晶粒界中の炭化物が、ガスタービン動翼1の外表面及び内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1Bの内壁面から深い領域にかけて消失することを抑制し、ガスタービン動翼1の機械的性質の変化(特に高温における機械的性質の変化)を抑制できるという効果が得られる。
強アルカリ性洗浄工程(ステップS4)では、例えば、気泡、プロペラのような撹拌手段を用いて強アルカリ性洗浄液を撹拌しながら洗浄することが好ましい。撹拌しながら洗浄することにより、ガスタービン動翼1の洗浄ムラを抑制できる。攪拌手段としては、特に、気泡を導入して行うことが好ましい。気泡を導入することによって、強アルカリ性洗浄液による洗浄を補助するという効果が得られる。また、強アルカリ性洗浄液の使用量を減少させることができるので、洗浄廃液を減少させることができるという効果が得られる。気泡は、例えば、図2に示す強アルカリ性洗浄容器4の底面の直上に配置された気泡導入管9によって、強アルカリ性洗浄容器4内の強アルカリ性洗浄液中へ導入できる。
強アルカリ性洗浄工程(ステップS4)においては、ガスタービン動翼1を強アルカリ性洗浄液に浸漬してから所定の時間(例えば30分)が経過する毎に、ガスタービン動翼1を強アルカリ性洗浄液から引き上げ、ガスタービン動翼1の内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1Bの強アルカリ性洗浄液が排出されたことを確認してから、再度浸漬することが好ましい。これにより、ガスタービン動翼1の内部冷却媒体通路1P内の強アルカリ性洗浄液を強制的に入れ替えることができるという効果が得られる。
本実施形態において、強アルカリ性洗浄工程(ステップS4)では、強アルカリ性洗浄液、好ましくは酸化剤を含む強アルカリ性洗浄液を用いる。強アルカリ性洗浄液を用いることによって、強アルカリ性洗浄液に溶解するスケールの成分を除去できるという効果が得られる。酸化剤を含む強アルカリ性洗浄液を用いることによって、スケールの成分の一部が酸化されて強アルカリ性洗浄液に溶解しやすくなる又はスケールがガスタービン動翼1から剥離しやすくなるという効果が得られる。また、ブラシ等の研磨手段が届かない場所、例えば動翼の内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1Bあっても洗浄できるという効果が得られる。
強アルカリ性洗浄液としては、Crを酸化溶解するものが好ましい。ガスタービン動翼1に付着するスケールの成分の中でもCrは動翼に特に強固に付着しているため、Crを酸化溶解する強アルカリ性洗浄液を用いてCrを酸化溶解させることにより、スケールが強アルカリ性洗浄液にいっそう溶解しやすくなる、又はスケールがガスタービン動翼1から剥離しやすくなる。また、強アルカリ性洗浄液は水溶液であることが好ましい。有機溶剤の溶液ではなく水溶液とすることによって、有機溶剤を大気に放散させずに翼を洗浄できる。
さらに、強アルカリ性洗浄液として、過マンガン酸アルカリ金属塩を含んだアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いることが好ましい。これにより、強アルカリ性洗浄液が単純な組成となり、濃度管理をしつつ繰り返し使用できるという効果が得られる。過マンガン酸アルカリ金属塩を含んだアルカリ金属水酸化物の水溶液として、過マンガン酸ナトリウム又は過マンガン酸カリウムを含んだ水酸化ナトリウムの水溶液などが挙げられる。強アルカリ性洗浄液として、過マンガン酸カリウムを含んだ水酸化ナトリウム水溶液を用いることがさらに好ましい。強アルカリ性洗浄液には、酸化剤の他に、適当な添加剤を加えてもよい。
強アルカリ性洗浄液に過マンガン酸アルカリ金属塩を含んだアルカリ金属水酸化物の水溶液を用いる場合、上述した強アルカリ性洗浄液検査工程(ステップS2)において、強アルカリ性洗浄液の洗浄力が基準以上か否かは、強アルカリ性洗浄液の自然電位によって判定することが好ましい。スケールの一成分であるCrは、酸化されてCrO 2−となって強アルカリ性洗浄液に溶解するため、強アルカリ性洗浄液の自然電位がCrを酸化するような電位であれば、強アルカリ性洗浄液の洗浄力は低下していないといえる。
強アルカリ性洗浄液検査工程(ステップS2)においては、強アルカリ性洗浄液の酸化還元電位を測定して行うことで、過マンガン酸アルカリ金属塩及びアルカリ金属水酸化物の濃度を測定して行う場合と比較して、強アルカリ性洗浄液の洗浄力を、短時間で簡便に検査できるという利点が得られる。
ここで、pH13からpH14付近のKMnOの溶液の自然電位は、約200mVvsAg/AgCl_sat.KClであるため、溶液の自然電位が約200mVvsAg/AgCl_sat.KCl以上の強アルカリ性洗浄液は、Crを酸化溶解する洗浄力があると判断できる。したがって、本実施形態では、強アルカリ性洗浄工程(ステップS4)において、自然電位が約200mVvsAg/AgCl_sat.KCl以上の強アルカリ性洗浄液を用いる。
上述した強アルカリ性洗浄液検査工程(ステップS2)では、強アルカリ性洗浄液の自然電位が約200mVvsAg/AgCl_sat.KCl以上である場合に洗浄力が基準以上であると判定される(ステップS2、Yes)。また、強アルカリ性洗浄液の自然電位が約200mVvsAg/AgCl_sat.KCl未満である場合に洗浄力が基準未満であると判定される(ステップS2、No)。これによって、本実施形態の強アルカリ性洗浄工程(ステップS4)では、Crを酸化溶解する洗浄力を有する強アルカリ性洗浄液を常時用いて、確実にCrを酸化溶解させることができる。Crは酸化力の高い過マンガン酸によって酸化溶解が促進される。洗浄条件下における過マンガン酸(MnO4 2-:7価)と二酸化マンガン(MnO2:4価)の平衡電位は約200mVvsAg/AgCl_sat.KClであることから、自然電位が200mVvsAg/AgCl_sat.KCl以上の場合、過マンガン酸によるCrの酸化溶解作用が十分発揮されると予想される。
強アルカリ性洗浄工程(ステップS4)は、強アルカリ性洗浄液を70℃以上95℃以下、好ましくは72℃以上95℃以下に保持して行うことが好ましい。強アルカリ性洗浄液を95℃以下に保持することで、強アルカリ性洗浄液の水分の過度な蒸発を抑制できる。強アルカリ性洗浄液が70℃未満では、Crの酸化溶解に要する時間は、強アルカリ性洗浄液を70℃以上としたときより20%多く必要となる。したがって、強アルカリ性洗浄液を70℃以上に保持することで、ガスタービン動翼1に付着したスケールを短時間で洗浄できるという効果が得られる。強アルカリ性洗浄液を72℃以上に保持することで、70℃以上に保持するときよりもさらにスケールを短時間で洗浄できるという効果が得られる。
特に、強アルカリ性洗浄液は、70℃以上80℃以下、好ましくは72℃以上78℃以下に保持して使用することが好ましい。80℃より高温に保持すると、強アルカリ性洗浄液の劣化が促進されやすくなって洗浄力の低下が早くなる。このため、強アルカリ性洗浄液の温度を80℃以下、好ましくは78℃以下に保持することで、80℃より高温に保持したときと比較して強アルカリ性洗浄液の寿命が長くなる。強アルカリ性洗浄液の液温を、78℃以下に保持すると、78℃より高温に保持したときと比較してさらに強アルカリ性洗浄液の寿命が長くなる。その結果、強アルカリ性洗浄液を繰り返し使用できるという利点がある。これによって、強アルカリ性洗浄液の廃液を低減できる。
強アルカリ性洗浄工程(ステップS4)は、例えば、強アルカリ性洗浄液として、NaOH濃度が10重量%から35重量%であり、KMnO濃度が3重量%である水溶液を用い、洗浄液の温度を72℃以上78℃以下に保持し、浸漬時間が1時間という条件で行うことができる。この条件では、洗浄前における強アルカリ性洗浄液の自然電位は、364.4mVvsAg/AgCl_sat.KClであり、試験片の洗浄に10回使用した後の強アルカリ性洗浄液の酸化還元電位は、297.8mVvsAg/AgCl_sat.KClであり、いずれも200mVvsAg/AgCl_sat.KCl以上である。この条件で洗浄を行うと、10回洗浄を繰り返した後であっても、強アルカリ性洗浄液が十分な洗浄力を維持できるという結果が得られた。
本実施形態では、強アルカリ性洗浄工程(ステップS4)の後、ステップS5でガスタービン動翼1を水で洗浄する(水洗工程)。水洗工程(ステップS5)を行うことによって、上述したように、ガスタービン動翼1が急冷されてスケールがガスタービン動翼1から剥離しやすくなり、また、ガスタービン動翼1に残留する強アルカリ性洗浄液を除去できるという効果が得られる。水洗工程(ステップS5)は、水を洗浄液として使う工程であり、本実施形態においては、ガスタービン動翼1を水に浸漬する。また、水洗工程(ステップS5)は、加圧水流による洗浄や、水を媒体にした超音波洗浄であってもよい。
水に浸漬する場合、浸漬の途中でガスタービン動翼1を水から引き上げ、ガスタービン動翼1の内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1B内の水が排出されてから、再び水に浸漬するという操作を数回繰り返すことが好ましい。これにより、内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1B内の水を強制的に入れ替えることができる。また、水洗工程(ステップS5)は、撹拌手段によって水を撹拌しながら行うことが好ましい。
水洗工程(ステップS5)の後、ステップS6で、ガスタービン動翼1の外表面及び内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1Bの内壁面を加圧水流で洗浄(加圧水流洗浄工程)し、次にステップS7で、水を貯めた超音波洗浄槽で超音波水洗浄を行う(超音波水洗浄工程)ことが好ましい。加圧水流洗浄工程及び超音波水洗浄工程を行うことにより、より多くの水溶性のスケール成分や、強アルカリ性洗浄工程で剥離したスケール、あるいは強アルカリ性洗浄液を除去できる。
ここで、本実施形態では、後述するステップS10の弱酸性洗浄工程の前に、ステップS8において、弱酸性洗浄液の洗浄力が基準以上か否かを検査する(弱酸性洗浄液検査工程)。弱酸性洗浄液の洗浄力が基準以上であった場合(ステップS8、Yes)、弱酸性洗浄液をそのまま使用し、弱酸性洗浄液の洗浄力が基準未満であった場合は(ステップS8、No)、弱酸性洗浄液を基準以上のものに交換する(ステップS9、弱酸性洗浄液交換工程)。弱酸性洗浄液検査工程及び弱酸性洗浄液交換工程を行うことにより、後述するガスタービン動翼1の弱酸性洗浄工程(ステップS10)においては、洗浄力が基準以上の弱酸性洗浄液で確実にガスタービン動翼1を洗浄できる。弱酸性洗浄液の洗浄力が基準以上か否かを判定する手法については後述する。
ステップS10において、ガスタービン動翼1を弱酸性洗浄槽16に貯められた弱酸性洗浄液に浸漬する(弱酸性洗浄工程)。弱酸性洗浄工程を行うことによって、弱酸性洗浄液に溶解するスケールを除去することができ、次で述べるステップS14の熱処理工程において、ガスタービン翼母材の結晶粒界中の炭化物が、ガスタービン動翼1の外表面及び内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1Bの内壁面から深い領域にかけて消失することを抑制し、ガスタービン動翼1の機械的性質の変化、特に高温における機械的性質の変化を抑制できる。
弱酸性洗浄工程(ステップS10)では、例えば、気泡、プロペラ等の撹拌手段によって、弱酸性洗浄液を撹拌しながらガスタービン動翼1を洗浄することが好ましい。弱酸性洗浄液を撹拌しながら洗浄することにより、ガスタービン動翼1に生ずる洗浄ムラを抑制できる。弱酸性洗浄液の撹拌は、特に、弱酸性洗浄液に気泡を導入して行うことが好ましい。気泡を導入することによって、簡易に弱酸性洗浄液を撹拌できるとともに、強アルカリ性洗浄液による洗浄を補助するという効果も得られる。また、弱酸性洗浄液の使用量を減少させることができ、したがって、洗浄廃液を減少させることができるという効果が得られる。気泡は、例えば、図2に示す弱酸性洗浄容器17の底面の直上に配置された気泡導入管22によって、弱酸性洗浄容器17内の弱酸性洗浄液中へ導入できる。
弱酸性洗浄液に浸漬したガスタービン動翼1は、浸漬してから所定の時間(例えば30分から1時間)が経過する毎に、いったん弱酸性洗浄液から引き上げ、ガスタービン動翼1の内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1B内の弱酸性洗浄液が排出されたことを確認してから、再度弱酸性洗浄液に浸漬することが好ましい。これにより、ガスタービン動翼1の内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1B内の弱酸性洗浄液を強制的に入れ替えることができるという効果が得られる。
弱酸性洗浄工程(ステップS10)で使用する弱酸性洗浄液は、水溶液であることが好ましい。このように、弱酸性洗浄液を有機溶剤の溶液ではなく水溶液とすることによって、有機溶剤を大気に放散させずにガスタービン動翼1を洗浄できるという効果が得られる。弱酸性洗浄液として、有機又は無機の酸の水溶液が挙げられ、例えば、クエン酸とクエン酸塩との適切な濃度の水溶液や、酢酸、蟻酸、スルファミン酸の水溶液等が挙げられる。このように、本実施形態で用いる弱酸性洗浄液は、複数の種類の酸を混合した溶液であってもよく、また、適当な種々の塩を含んでいても良い。
弱酸性洗浄液で洗浄することにより、ガスタービン動翼に付着したスケールの成分のうち、強アルカリ性洗浄液及び水による洗浄では除去できないが、弱酸性洗浄液には溶解する成分を除去できる。また、ブラシ等の研磨手段が届かない場所、例えばガスタービン動翼1の内部冷却媒体通路1P等であっても、弱酸性洗浄液には溶解する成分を除去できるという効果が得られる。
ここで、弱酸性洗浄液としては、クエン酸とクエン酸のアンモニウム塩との水溶液が好ましい。これにより、スケールの成分のうち、鉄酸化物を特に良く溶解除去でき、次の熱処理工程で、鉄酸化物が付着したまま熱処理した場合と比較してガスタービン翼母材が劣化しにくいという効果が得られる。また、弱酸性洗浄液には、酸以外にも適当な添加剤を加えることができる。
弱酸性洗浄液としてクエン酸とクエン酸のアンモニウム塩との水溶液を使用する場合、上述した弱酸性洗浄液検査工程(ステップS8)では、弱酸性洗浄液の、波長390nmから410nmにおける吸光度、好ましくは、波長400nmの吸光度を測定することによって酸性洗浄液の洗浄力を検査することが好ましい。これにより、クエン酸やアンモニウム塩の濃度を分析して弱酸性洗浄液の洗浄力を判定する方法よりも、短時間かつ簡便に弱酸性洗浄液の洗浄力の検査ができる。
図4は、弱酸性洗浄液による洗浄の前後における弱酸性洗浄液の吸光度の一例を示す説明図である。図4に示す例では、弱酸性洗浄液としてクエン酸5重量%とクエン酸(II)アンモニウム5重量%との水溶液を用いる。そして図4には、洗浄に使用する前における弱酸性洗浄液の吸光度曲線AC1と、試験片を10回洗浄した後における弱酸性洗浄液の吸光度曲線AC2と、を示している。
波長400nmにおいて、使用前における水溶液の吸光度は0に近いのに対し、10回洗浄後における水溶液の吸光度は1.0以上から1.5以下の範囲にある。このように、クエン酸とクエン酸のアンモニウム塩との水溶液を弱酸性洗浄液として用いる場合、弱酸性洗浄液の400nmの吸光度を、弱酸性洗浄液の洗浄力の指標にすることができる。波長400nmにおける吸光度が1.5より大きいクエン酸とクエン酸のアンモニウム塩との水溶液を用いる場合には、浸漬時間を長くしなければならず、浸漬時間を長くすることによりタービン翼のマトリックスの粒界などが酸で腐食されるおそれがある。酸による腐食のおそれがあるために、波長400nmにおける吸光度が1.5以下であるクエン酸とクエン酸のアンモニウム塩との水溶液を用いることが好ましいことを実験により見出した。洗浄処理の実際の管理のためには、クエン酸とクエン酸のアンモニウム塩との水溶液の、波長400nmにおける吸光度が1.2以下であることがさらに好ましい。
本実施形態では、弱酸性洗浄工程(ステップS10)において、波長400nmの吸光度が0以上1.5以下好ましくは0以上1.2以下である弱酸性洗浄液を洗浄に用いる。これにより、弱酸性洗浄工程(ステップS10)においては、洗浄力が基準以上の弱酸性洗浄液を用いることができるので、ガスタービン動翼1を確実に洗浄できる。
ここで、ステップS8においては、弱酸性洗浄液の波長400nmの吸光度が0以上1.5以下好ましくは0以上1.2以下である場合に、弱酸性洗浄液の洗浄力が基準以上であると判定する(ステップS8、Yes)。一方、ステップS8においては、弱酸性洗浄液の波長400nmの吸光度が1.5好ましくは1.2よりも大きい場合に、弱酸性洗浄液の洗浄力は基準未満であると判定する(ステップS8、No)。
弱酸性洗浄工程(ステップS10)は、弱酸性洗浄液を75℃以上95℃以下、望ましくは80℃以上95℃以下、さらに望ましくは90℃以上95℃以下に保持して行うことが好ましい。弱酸性洗浄液を95℃以下に保持することで、弱酸性洗浄液の水分が過度に蒸発することを抑制できる。また、弱酸性洗浄液を90℃以上に保持すると、ガスタービン動翼1に付着するスケールの成分のうち、弱酸性洗浄液に溶解する成分の溶解速度は、弱酸性洗浄液が90℃未満である場合よりも速くなるため、より短時間でガスタービン動翼1を洗浄できるという効果が得られる。
本実施形態において、弱酸性洗浄工程(ステップS10)は、例えば、弱酸性洗浄液として、クエン酸が5重量%、クエン酸(II)アンモニウムが5重量%の水溶液を用い、弱酸性洗浄液の温度を90℃以上95℃以下に保持し、浸漬時間が1時間から5時間という条件で行うことができる。なお、弱酸性洗浄液は、強アルカリ性洗浄液と比較して高温劣化の程度が小さいので、弱酸性洗浄液の温度が90℃以上95℃以下であれば、弱酸性洗浄液を繰り返し使用できるという利点がある。これによって、弱酸性洗浄液の廃液を低減できる。
弱酸性洗浄工程(ステップS10)の後、ステップS11で、ガスタービン動翼1を水洗する(弱酸性洗浄後水洗工程)ことが好ましい。弱酸性洗浄後水洗工程(ステップS11)を行うことによって、弱酸性洗浄液及び水溶性のスケール成分を洗い流すことができる。
水洗は、ガスタービン動翼1を水に浸漬することによって行うことができる。水に浸漬する場合、浸漬途中でガスタービン動翼1を水から引き上げ、ガスタービン動翼1の内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1B内の水が排出されてから、再び水に浸漬するという操作を数回繰り返してもよい。この操作により、ガスタービン動翼1の内部冷却媒体通路1Pや冷却媒体通路分岐部1B内の水を強制的に入れ替えることができる。また、弱酸性洗浄後水洗工程(ステップS11)は、撹拌手段により水を撹拌しながら行うことが好ましい。
弱酸性洗浄後水洗工程(ステップS11)の後、ステップS12で、ガスタービン動翼1の外壁面及び内壁面を加圧水流で洗浄し(弱酸性洗浄後加圧水流洗浄工程)、次に、ステップS13で、水を貯めた超音波洗浄槽で超音波水洗浄を行う(弱酸性洗浄後超音波水洗浄工程)ことが好ましい。これにより、より多くの水溶性のスケール成分及び弱酸性洗浄液を除去できる。
弱酸性洗浄後超音波水洗浄工程(ステップS13)でガスタービン動翼1を洗浄した後、ステップS14で、ガスタービン動翼1を熱処理する(熱処理工程)。この熱処理は、ガスタービン翼母材に析出するγ’層の一部が溶解する温度に所定の時間保持した後、徐冷する処理である。これにより、ガスタービン動翼1に残留する応力を除去できるので、ステップS15でガスタービン動翼1の表面のコーティングを除去する際に用いる強酸性洗浄液によるガスタービン動翼1の応力腐食割れの発生を減少できる。また、ステップS14の熱処理によって、ガスタービン翼母材の組織が回復する。
ステップS14の熱処理は、真空熱処理であることが好ましい。これにより、空気中の酸素が高温下でガスタービン翼母材と反応することを抑制できる。ステップS14の熱処理は、例えば、1000℃以上1200℃以下、0.05torr以上0.7torr以下(0.05×133.322Pa以上0.7×133.322Pa以下)、1.0時間以上10時間以下の条件で行うことができる。
ステップS14の熱処理工程が終了したら、ステップS15において、熱処理後のガスタービン動翼1を、図2に示すコーティング除去槽37に貯められた強酸性洗浄液に浸漬して、ガスタービン動翼1のコーティングの少なくとも一部を除去する(コーティング除去工程)。強酸性洗浄液でガスタービン動翼1を洗浄することにより、ガスタービン動翼1のコーティング(例えば、Co、Ni、Cr、Al、Y合金系コーティング)の少なくとも一部を除去できるという効果が得られる。
また、コーティング除去工程(ステップS15)は、例えば、気泡、プロペラ等の撹拌手段によって、強酸性洗浄液を撹拌しながら行うことが好ましい。撹拌しながらコーティングを除去することにより、ガスタービン動翼1のコーティング除去ムラを抑制できる。撹拌手段は、特に、強酸性洗浄液に気泡を導入する手法を用いることが好ましい。気泡を導入することによって、強酸性洗浄液によるコーティング除去を補助するという効果が得られる。また、強酸性洗浄液の使用量を減少させることができ、したがって、洗浄廃液を減少させることもできる。気泡は、例えば、図2に示すコーティング除去容器38の底面の直上に配置された気泡導入管46によって、コーティング除去容器38内の強酸性洗浄液中へ導入できる。
強酸性洗浄液としては、ガスタービン動翼1のコーティングの種類に応じた強酸性水溶液を用いることができるが、本実施形態では塩酸を用いる。また、強酸性洗浄液には、適当な添加剤を加えてもよい。本実施形態において、コーティング除去工程(ステップS15)は、例えば、強酸性洗浄液として、濃塩酸を10容量%以上40容量%以下として調製した塩酸を用いて、強酸性洗浄液温度を50℃以上80℃以下、好ましくは65℃以上70℃以下に保持し、浸漬温度が1時間以上10時間以下、好ましくは5時間という条件で行うことができる。
ステップS15において、ガスタービン動翼1を強酸性洗浄液で洗浄した後、ステップS16において、ガスタービン動翼1に残留する強酸性洗浄液を、適当なアルカリ水溶液、例えば5重量%のNaCO水溶液で中和する(中和工程)。そして、ステップS17において、ガスタービン動翼1を水で洗浄する(コーティング除去後水洗工程)。中和工程及びコーティング除去後水洗工程を行うことにより、酸性成分がガスタービン動翼1に残留することを回避できるという効果が得られる。
中和工程及びコーティング除去後水洗工程では、アルカリ水溶液又は水を、撹拌手段により撹拌しながら行うことが好ましい。コーティング除去後水洗工程(ステップS17)の次に、ステップS18において、ガスタービン動翼1の湯洗浄を行う(コーティング除去後湯洗工程)。コーティング除去後湯洗工程(ステップS18)を行うことにより、ガスタービン動翼1を早期に乾燥できるという効果が得られる。コーティング除去後湯洗工程(ステップS18)は、例えば、50℃以上80℃以下、好ましくは65℃の湯を用い、これにガスタービン動翼1を漬浸する。
以上、本実施形態では、運転後のガスタービン翼を、強アルカリ性洗浄液、好ましくは酸化剤を含む強アルカリ性洗浄液に浸漬して洗浄し、次に前記ガスタービン翼を水洗し、次に前記ガスタービン翼を弱酸性洗浄液に浸漬して洗浄し、次に前記ガスタービン翼を熱処理する。そして、この熱処理が終了した後の前記ガスタービン翼を強酸性洗浄液に浸漬して、前記ガスタービン翼の表面に形成されたコーティングを除去する。これによって、熱処理の前にガスタービン翼の外表面や、内部冷却流路等の内壁面に付着したスケールが除去できる。その結果、ガスタービン翼母材の結晶粒界中の炭化物が、ガスタービン動翼の外表面及び内部冷却媒体通路等の内壁面から深い領域にかけて消失することを抑制し、ガスタービン動翼の機械的性質の変化、特に高温における機械的性質の変化を抑制できる。また、強アルカリ性洗浄液や弱酸性洗浄液の適切な温度条件を見出したので、これらを繰り返し使用できる。
以上のように、本発明に係るガスタービン翼の再生方法及び再生装置は、ガスタービン翼の再生に有用であり、特に、ガスタービン翼母材の機械的性質の変化を低減することに適している。

Claims (11)

  1. 運転後のガスタービン翼を、強アルカリ性洗浄液に浸漬して洗浄する強アルカリ性洗浄工程と、
    前記強アルカリ性洗浄液による洗浄後の前記ガスタービン翼を、水により洗浄する水洗工程と、
    前記水による洗浄後の前記ガスタービン翼を、弱酸性洗浄液に浸漬して洗浄する弱酸性洗浄工程と、
    前記弱酸性洗浄液による洗浄後の前記ガスタービン翼を、熱処理する熱処理工程と、
    前記熱処理した前記ガスタービン翼を強酸性洗浄液に浸漬して、前記ガスタービン翼の表面に形成されたコーティングの少なくとも一部を除去するコーティング除去工程と、
    を含み、
    前記弱酸性洗浄液は、クエン酸とクエン酸のアンモニウム塩との弱酸性水溶液であることを特徴とするガスタービン翼の再生方法。
  2. 前記強アルカリ性洗浄液は、過マンガン酸アルカリ金属塩を含むアルカリ金属水酸化物の水溶液であることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン翼の再生方法。
  3. 前記アルカリ金属水酸化物の水溶液は、過マンガン酸カリウムを含む水酸化ナトリウムの水溶液であることを特徴とする請求項2に記載のガスタービン翼の再生方法。
  4. 前記強アルカリ性洗浄工程では、自然電位が200mVvsAg/AgCl_sat.KCl以上である前記アルカリ金属水酸化物の水溶液を用いることを特徴とする請求項2に記載のガスタービン翼の再生方法。
  5. 前記強アルカリ性洗浄工程では、前記強アルカリ性洗浄液の温度を、70℃以上95℃以下に保持して前記ガスタービン翼を洗浄することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスタービン翼の再生方法。
  6. 前記弱酸性洗浄工程で使用する前記弱酸性水溶液は、波長400nmにおける吸光度が0以上1.5以下であることを特徴とする請求項に記載のガスタービン翼の再生方法。
  7. 前記弱酸性洗浄工程では、前記弱酸性洗浄液の温度を、80℃以上95℃以下に保持して前記ガスタービン翼を洗浄することを特徴とする請求項又はに記載のガスタービン翼の再生方法。
  8. 前記強酸性洗浄液は塩酸であることを特徴とする請求項1に記載のガスタービン翼の再生方法。
  9. 運転後のガスタービン翼を支持する支持手段と、
    前記ガスタービン翼を洗浄する、酸化剤を含む強アルカリ性洗浄液が貯められ、かつ前記強アルカリ性洗浄液を加温する強アルカリ性洗浄液加温手段を備える強アルカリ性洗浄槽と、
    前記強アルカリ性洗浄槽で洗浄された前記ガスタービン翼を水洗する水洗槽と、
    前記水洗槽で水洗された前記ガスタービン翼を洗浄する弱酸性洗浄液が貯められ、かつ前記弱酸性洗浄液を加温する弱酸性洗浄液加温手段を備える弱酸性洗浄槽と、
    加熱手段を備え、前記弱酸性洗浄液で洗浄した後の前記ガスタービン翼を熱処理する熱処理装置と、
    前記熱処理装置で熱処理された前記ガスタービン翼表面のコーティングの少なくとも一部を除去する強酸性洗浄液が貯められ、かつ前記強酸性洗浄液を加温する強酸性洗浄液加温手段を備えるコーティング除去槽と、
    を含み、
    前記弱酸性洗浄液は、クエン酸とクエン酸のアンモニウム塩との弱酸性水溶液であることを特徴とするガスタービン翼の再生装置。
  10. 前記強アルカリ性洗浄槽は、さらに前記強アルカリ性洗浄液の温度を所定の温度に保持する強アルカリ性洗浄液温度制御手段を備えることを特徴とする請求項に記載のガスタービン翼の再生装置。
  11. 前記弱酸性洗浄槽は、さらに前記弱酸性洗浄液の温度を所定の温度に保持する弱酸性洗浄液温度制御手段を備えることを特徴とする請求項又は10に記載のガスタービン翼の再生装置。
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