JP4847266B2 - 電気錠用のクラッチ機構 - Google Patents

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Description

本発明は電気錠用のクラッチ機構に関する。
出願人が提案した特許文献1には、クラッチ機構を備えた電気錠が記載されている。この電気錠は、制御部によって制御される駆動モータ、駆動モータの駆動力を伝える動力伝達手段、駆動力を伝え又は操作力を切断するクラッチ機構、クラッチ機構を介して回転しながら上下動する駆動アーム、駆動アームに連動するダルマ、ダルマに連動するクランクアーム、クランクアームを介して進退動するデッドボルトを備えている。
しかして、特許文献1に記載のクラッチ機構は、係止部と弧状の逃し溝を有するクラッチギヤと、このクラッチギヤに嵌め込まれるストッパーアームの「ニ物品」からなり、例えば組み合わせが容易であるという利点がある。
また、非特許文献には、「例えばクラッチ歯車の壁面に第1磁性体を設け、一方、この第1磁性体の極性に対応して吸着し得る第2磁性体及び案内部分を有するクラッチ板をクラッチ歯車に回転自在に組み合わせ、停電時、操作力により駆動アームの係合部がクラッチ歯車の一側面に形成した凹所内の被係合部から離れた瞬間に、クラッチ板は、第2磁性体が第1磁性体に吸着する位置まで回転して駆動アームの係合ポイントをクラッチ板の案内部分へと切換える電気錠のクラッチ機構」が記載されている。
この非特許文献に記載の発明は、異常時(例えば停電時)に於いて、サムターンや合鍵の操作により、突出しているデッドボルトを、強制的に解錠状態にすることができること、該強制解錠の操作に於いて、操作部材を操作すると、クラッチ部材に対する駆動アームの係合ポイントが簡単に切り替わること、樹脂バネを利用しないこと、クラッチ部材を簡単に組み合わせることができることなどを目的としている。本願発明は、非特許文献の延長線上に位置付けられる。
特開2006−193990号公報 特願2005−181786号
本発明の所期の目的は、非特許文献に記載の発明と同様に、異常時(例えば停電時)に於いて、サムターンや合鍵の操作により、突出しているデッドボルトを、強制的に解錠又は施錠状態にすることができることである。第2の目的は、操作部材を操作すると、クラッチ部材に対する駆動アームの係合ポイントが簡単に切り替わると共に、クラッチ機構の作動連結状態を確実に解くことができることである。第3の目的は、耐久性の観点から、樹脂バネを利用しないで、クラッチ機構の作動連結状態とその解消を図ることである。第4の目的は、クラッチ歯車に対して、クラッチ部材を簡単に組み合わせることができることである。
本発明の電気錠用のクラッチ機構は、クラッチ歯車の一側面上面に環状凹所を形成し、この環状凹所にクラッチ軸を介して係合ポイト切り替え用案内部分を有する第1クラッチピースと、この第1クラッチピースの裏側に位置すると共に、幅広部分の外周面と前記環状凹所の内周面との間にクサビ形状溝を形成しかつ端部に駆動アームの係合突部と係脱する被係合部を有する第2クラッチピースと、この第2クラッチピースと共働するロックピースとを組込み、駆動力でクラッチ歯車が回転するとき、ロックピースが作動連結状態となり、一方、クラッチ歯車が停止した状態に於いて、操作力により駆動アームの係合突部の係合ポイントを変位させてロックピースを摺動させると、前記作動連結状態が解かれることを特徴とする。
上記構成に於いて、ロックピースは、その捕捉部分にクサビ形状溝に位置するロックローラを備えている、又はクサビ形状溝に位置するロック部分を有していることを特徴とする。そして、望ましくは、作動連結状態を確実にするために、ロックピースはバネ部材によって連結方向に弾圧されていることを特徴とする。
そこで、下位概念のクラッチ機構は、駆動源の駆動力により回転するクラッチ歯車と、このクラッチ歯車の環状凹所に組み込まれたクラッチ部材とから成り、前記クラッチ部材は、クラッチ軸に嵌合すると共に係合ポイト切り替え用案内部分を有する第1クラッチピースと、この第1クラッチピースと重なるように前記クラッチ軸に嵌合すると共に、嵌合軸部に半径方向に連設する幅広部分の外周面と前記環状凹所の内周面との間にクサビ形状溝を形成し、かつ、端部に駆動アームの係合突部と係脱する被係合部を有する第2クラッチピースと、この第2クラッチピースに設けられた係合部分に係合すると共に、該第2クラッチピースと共働するロックピースと、このロックピースの捕捉部分に捕捉されていると共に、前記クサビ形状溝に位置するロックローラと、ロックローラを弾圧するバネ部材とを含む。そして、ロックピースの端部には、クラッチ歯車の停止時、手動の操作力により、駆動アームの係合突起の係合ポイトが切り替わったとき、前記係合突起と係合する受け部分が形成されている。
また、下位概念のクラッチ機構は、駆動源の駆動力により回転するクラッチ歯車と、このクラッチ歯車の環状凹所に組み込まれたクラッチ部材とから成り、前記クラッチ部材は、クラッチ軸に嵌合すると共に係合ポイト切り替え用案内部分を有する第1クラッチピースと、この第1クラッチピースと重なるように前記クラッチ軸に嵌合すると共に、嵌合軸部に半径方向に連設する幅広部分の外周面と前記環状凹所の内周面との間にクサビ形状溝を形成し、かつ、端部に駆動アームの係合突部と係脱する被係合部を有する第2クラッチピースと、この第2クラッチピースに設けられた係合部分に係合すると共に、該第2クラッチピースと共働するロックピースと、このロックピースの外周部に設けられ、かつ、前記クサビ形状溝に位置するロック部分と、ロックピースを弾圧するバネ部材とを含むことを特徴とする。
(a)解錠途中又は施錠途中に異常事態が発生した場合に於いて、サムターンや合鍵の操作により、駆動アームを動かし、クラッチ機構の作動連結状態を解き、デッドボルトを、例えば強制的に解錠状態にすることができる。
(b)前項aに於いて、クラッチ機構は第1クラッチピースを備えているので、駆動アームの係合ポイントを簡単に切り替えることができる。また、第2クラッチピースと共働するロックピースは、その捕捉部分でロックローラを捕捉しているので、ロックピースが駆動アームの係合突起に押されて移動すると、クサビ形状溝の先細部分に入り込んでいるロックローラの「かみ込み」が確実に外れる。
(c)耐久性の観点から、樹脂バネを利用しないで、クラッチ機構の作動連結状態とその解消を図ることができる。
(d)クラッチ歯車に対して、嵌合軸部等を介してクラッチ部材を簡単に組み合わせることができる。
以下、図1乃至図12に示す本発明を実施するための最良の形態(第1実施例)により説明する。
(1)電気錠Xとクラッチ機構Y
図1、図2は発明の実施の環境を示す概略説明図である。図1、図2に於いて、Xは本発明を適用した電気錠である。この電気錠Xは、駆動源(駆動モータ)2とダルマ5の間にクラッチ機構Yを備えている。
(2)電気錠Xの構成部材
図1、図2で示す電気錠Xは、検出手段の信号を取得する制御部1、制御部によって制御される駆動モータ2、駆動モータの駆動力を伝える動力伝達手段(例えば歯車伝達手段)3、駆動力を伝え又は操作力を切断するクラッチ機構Y、クラッチ機構Yを介して上下動する駆動アーム4、駆動アーム4に連動するダルマ5、ダルマ5に連動するクランクアーム6、クランクアーム6を介して進退動するデッドボルト7等を備えている。
その他、特に図示しないが、制御部1には、解錠リトライ機能及び施錠リトライ機能が加味されている。制御部1は、検出手段の信号を取得すると、例えば図示しない記憶部の情報に基づき、施・解錠信号(電圧印加)等を駆動モータ2に与える。
したがって、駆動モータ2は制御部1に制御されて駆動し、該駆動モータ2の駆動力は歯車伝達手段3に伝達され、該伝達力はクラッチ歯車とクラッチ部材を含むクラッチ機構Y及び駆動アーム4を介してダルマ5に作用する。本実施例では、デッドボルト7は、ダルマ5に連結されたクランクアーム6を介して錠箱8のフロントを基準に進退動する。
(3)クラッチ機構Y
クラッチ機構Yは、クラッチ軸10を中心に回転するクラッチ歯車11と、このクラッチ歯車に組み合わせられたクラッチ部材21,31,41とから成り、前記クラッチ部材は、施錠時又は解錠時、クラッチ歯車11に対するロックローラ(第1実施例)、又はロックピースのロック部分(第2実施例)の「クサビ作用」により、クラッチ歯車と共働回転する。
一方、施錠中又は解錠中に停電により駆動モータ2が停止した場合、サムターンや合鍵の操作力により回転するクラッチ部材21,31,41を利用してクラッチ部材のロックローラ又はロック部分の「クサビ作用」を解き、停止中の駆動モータ2ないしクラッチ歯車に対して、クラッチ部材を単独回転させる。
付言すると、クラッチ歯車11が停止した状態に於いて、クラッチ部材21,31,41を単独回転させて駆動アーム4を上下動させる。この時、駆動アーム4は、第1クラッチピース21の案内部分23を介して、駆動アーム4の係合突起4aを第2クラッチピース31の被係合部35からロックピース41の受け部分48へと切り替える。
そうすると、ロックピースが駆動アーム4の係合突起4aに押圧され、第2クラッチピース31と一緒にクサビ作用が解消する方向へ回転する。したがって、ダルマ5を操作力で回転する際、駆動アーム4に対する障害がなくなることから、ダルマ5を自由に回転させ、デッドボルト7を完全施錠位置又は完全解錠位置へと戻すことができる。
(4)クラッチ機構Y―クラッチ歯車
クラッチ機構Yの一例を説明する。クラッチ機構Yは、駆動源2の駆動力により回転するクラッチ歯車11と、このクラッチ歯車の環状凹所15に組み込まれたクラッチ部材21,31,41とから成り、デッドボルト7の後方と錠箱8の後壁9との間の空間部分に設けられている。また、周側部にギヤ部を有するクラッチ歯車11及びクラッチ部材21,31,41は、錠箱8に横設軸架されたクラッチ軸10に回転自在に設けられている。
図1を基準にすると、クラッチ歯車11の上方には、横方向の駆動モータ2の出力軸2aに設けられた歯車2bが位置している。一方、クラッチ歯車11の斜め下方には、ダルマ5が図示しない支持座を介して回転自在に位置している。そして、駆動アーム4の係合突起4aを有する上端部は、クラッチ歯車11の凹所15内の第1クラッチピース21及び第2クラッチピース31に選択的に係脱可能に位置し、一方、駆動アーム4の下端部はダルマ5に枢着されている。
第1クラッチピース21及び第2クラッチピース31は、本実施例では、金属製又はマグネットのクラッチ軸10に外嵌合した状態でクラッチ歯車11の環状凹所15に組み込まれている。
図3はククラッチ軸10と、クラッチ歯車11と、第1クラッチピース21の概略説明図である。また、図4の(a)はクラッチ歯車11の正面図、図4の(b)はクラッチ歯車11の断面図である。まず、これらの図面を参照にして、クラッチ歯車11の構成を説明する。
クラッチ歯車11は、不番の周側部の外周にギヤ部12が形成されていると共に、その中心部に貫通孔14を有する円形筒状中心軸部13が突出形成されている。この中心軸部13を基準にして、該中心軸部13の外周面13aと周側部の内周面15aとの間には環状凹所15が形成されている。ここで「周側部の内周面15a」とは、クラッチ歯車11の環状凹所15の内周面を意味する。したがって、環状凹所15の内壁底面15bを意味しない。
本実施例では、環状凹所15に回転可能なクラッチ部材を組み込むことから、環状凹所15の内壁底面15bには凹凸を形成せず、内壁底面15bはフラット面である。また、中心軸部13は、図4の(b)で示すように、クラッチ歯車11の周側部の一側面(図3では手前側)よりも若干低い。
(5)クラッチ機構Y―第1クラッチピース21
クラッチ部材は、第1クラッチピース21と、第2クラッチピース31と、ロックローラ45を拘束するロックピース41とから成る。
まず、第1クラッチピース21から説明する。第1クラッチピース21は、原点位置復帰用の単数の磁石(磁性摺動片)を用いた実施例の場合には、金属製のクラッチ軸10に吸着し得る。又は原点位置復帰用の複数個の磁石を適宜に配設した実施例の場合にも、第1クラッチピース21はクラッチ軸10の極性に対応して吸着し得る。例えば停電時に第1クラッチピース21を原点位置に戻す復帰手段は、磁石の極性を利用する場合の他、磁性摺動片を所定方向に付勢するバネを用いることもできる。
なお、ここで「原点位置」とは、完全解錠時、完全施錠時、解錠リトライ開始時、停電時の手動操作等に於いて、第1クラッチピース21の摺動体25の内端面が第2クラッチピース31のカム面38に対して面接触状態に対向した位置を言う。
本発明では、第1クラッチピース21を原点位置に戻す復帰手段の具体的構成は、発明の特定要件ではないので、詳細な説明を割愛する。
本発明の特定要件は、クラッチ機構Yの具体的構成であるが、該クラッチ機構Yは、まず、第1クラッチピース21を有している。この第1クラッチピース21は、例えば停電時に於いて、手動力によりダルマ6を介して駆動アーム4を多少動かした場合には、例えば磁性摺動片25の吸着力により「原点位置」へ復帰する機能、手動時に駆動アーム4の係合ポイト(係合突起4aの当たる箇所)を第1クラッチピース21の被係合部35からロックピース41の受け部分48へと切り換える機能等を有している。
そこで、図3、図5、図7、図8を参照にして第1クラッチピース21の具体的構成を説明する。第1クラッチピース21は、外観上、全体として「船の錨形状」のイメージを彷彿させるような形態に形成され、その中心部にクラッチ軸10に外嵌合する筒状嵌合部22を有している。したがって、第1クラッチピース21は筒状嵌合部22を介してクラッチ歯車11に回転自在に設けられている。
しかして、前記筒状嵌合部22の内端部或いは外周壁には、半径外方向に不番の弧状板状部分が連設形成され、該弧状板状部分の両端部は、両腕を上げた如く延びる、或いは親指と人差し指を広げた如く延び、駆動アーム4の係合突起4aの係合ポイトを切り替える指先状案内部分23,23となっている。
さらに、第1クラッチピース21の前記弧状板部分の上面には、半径方向に設けられ、かつ、半径外方向及び半径内方向へ摺動可能な磁性摺動片25を収納する収納部24が設けられている。なお、磁性摺動片25の吸着力などを考慮して、収納部24の内端部の壁には適宜に開口を形成し、磁性摺動片25の内端部が該開口から突出できるように構成している。
ところで、前記案内部分23は、本実施例では左右対称に形成され、かつ、左右の案内部分23の内側のガイド面23a,23aは、クラッチ歯車11の環状凹所15の内周面15aに対して指先状に延びている。換言すると、左右のガイド面23aは環状凹所15の内周面15aまで至る。
(6)クラッチ機構Y―第2クラッチピース31
次に、第2クラッチピース31について説明する。ここでは、図5を正面図、図9を背面図とする。例えば図5の正面図を参照にして説明すると、本実施例の第2クラッチピース31は、中心部に嵌合軸部32を有する点、該嵌合軸部32の内端部或いは外周壁には半径外方向に弧状幅広部分(弧状板状部分)33が連設形成されている点、該弧状幅広部分33の外周面33aの中央部には、窓状に形成された係合部分34が半径外方向に突出形成されている点、弧状幅広部分33の両端部には駆動アームの係合突部4aと係脱する被係合部35が突出形成されている点、前記被係合部35と嵌合軸部32の外面に周設された鍔部分36との間には略半円形状の切欠部37が形成されている点、前記嵌合軸部32の一部が軸方向に切断され、その切断面が不番の開口を有するカム面38となっている点、さらに、前記被係合部35の先端面が湾曲状の係合面35aであると共に、その外周面35bが環状凹所15の内周面15aに摺接可能な曲率を有する突起部分となっている点など色々な特徴事項がある。
このような特徴事項を有する第2クラッチピース31は、第1クラッチピース21と重なるようにクラッチ軸10に外嵌合する、その嵌合軸部32は第1クラッチピース21の筒状嵌合部22の内側に嵌入する、第1クラッチピース21と環状凹所15の内壁底面15bとの間にサンドイッチ状態に配設される、環状凹所15の内周面15aと対向してクサビ形状溝39を形成する、切欠部37はポイントを切り替えの際に係合突起4aをロックピース41の受け部分48に係合させ得る、端部の被係合部35は駆動モータの駆動力でクラッチ歯車11が移転する際に前記係合突起4aと係合する等の色々な役割を果たすことから、前記嵌合軸部32の内径寸法や外径寸法、弧状幅広部分33の形状や外径寸法、弧状幅広部分33の外周面と環状凹所15の内周面15aの曲率、切欠部37や受け部分48の形成部位等を適宜に設計している。
本実施例では、第2クラッチピース31をクラッチ歯車11の環状凹所15に組み込んだ場合には、幅広部分33の外周面33aと前記環状凹所15の内周面15aとの間に、図6で示すようにクサビ形状溝39を形成する。
(7)クラッチ機構Y―ロックピース41
本実施例のクラッチ歯車11は、例えば時計方向及び反時計方向にそれぞれ回転して施錠と解錠を繰り返すタイプなので、同一形状のロックピース41がバネ部材42を基準に環状凹所15の周方向に一対配設されている。したがって、同一構成の2個のロックピース41には、それぞれ同一の符号を付して説明する
また、図6では、一方(図面上、下方)のロックピース41を第2クラッチピース31の係合部分34に係合した場合、図11は両方のロックピース41を第2クラッチピース31の係合部分34に対称的に係合した場合を示す。
図6、図11で示すように、ロックピース41の弧状幅広摺動部43は、第2クラッチピース31の弧状幅広部分33の裏側に位置する。すなわち、ロックピース41の弧状幅広部分43は環状凹所15の内壁底面15bに位置していることから、前記内壁底面15bを第2クラッチピース31を介して摺動すると共に、弧状幅広部分33の外周面に突出形成した2個の挟み状捕捉部分44でロックローラ45を常に捕捉してクサビ機能を確実に働かせ及びクサビ機能を確実に解く機能を果たす。したがって、ロックピース41は、第2クラッチピース31と共働する。
また、ロックピース41は、弧状幅広部分43の一端部の外側部位に第2クラッチピース31の区画窓状の係合部分34に係合する係合突起46やバネ端受け部47を有している。一方、その他端部の内側部位には、クラッチ歯車11の停止時、手動の操作力により、駆動アーム4の係合突起4aの係合ポイトが切り替わったとき、前記係合突起4aと係合する受け部分48が形成されている。付言すると、ロックピース41の受け部分48は、第2クラッチピース31の切欠部37の下に位置している。
(8)クラッチ機構Y―作動連結状態
ロックローラ45は、例えば小球体であり、第2クラッチピース31の外周面33aと環状凹所15の内周面15aとの間にできたクサビ形状溝39の先細部分に位置し、かつ、バネ部材42により、直接又は間接的(本実施例)に弾圧されていることから、図11で示すように、今仮に、駆動モータの駆動力(電動力)により、クラッチ歯車11が所定方向(例えば矢印A方向)に回転し始めた場合には、いずれか一方のロックローラ45(下方のロックローラ)は先細部分に押し込まれて、いわゆる「作動連結状態」となる。ここではクラッチ歯車11、クラッチ部材、駆動アーム4等の詳細な動きの図面は割愛するが、クラッチ歯車11が電動力により解錠方向(又は施錠方向)に回転し始めると、一方のロックローラ45がクサビ形状溝39内でクサビ機能が働く。そして、本実施例では、いずれか一方のロックローラ45のクサビ機能が働くと、他方のロックローラ45のクサビ機能は働かない。
図11では、クラッチ歯車11が、例えば反時計方向Aに回転すると、クラッチ部材がロックローラ45を捕捉する一方のロックピース41介してクラッチ歯車11と共に共働回転する旨を示す。
一方、解錠途中又は施錠途中に停電し、クラッチ歯車11が止まった場合に於いて、第1クラッチピース21の案内部分23を介して駆動アーム4の係合突起4aの係合ポイトが切り替わったとき、ロックピース41がその受け部分48を介して係合突起4aに押圧されて、かつ、バネ部材42のバネ力に抗して時計方向Bに回転し始める。そうすると、一方のロックピース41のロックローラ45の連結状態が解かれる。したがって、ラッチ歯車11が停止したままの状態で、クラッチ部材のみがクラッチ軸10を中心に回転する。
(9)例えば解錠途中に停電した場合
図12の(a)〜(d)は、解錠途中に停電した場合に於いて、図示しない合鍵又はサムターンを操作して、一方のロックピース41のロックローラ45の連結状態を解く旨の流れを示す。
図12(a)は解錠途中に停電した場合、図12(b)はダルマ5を介して駆動アーム4を上方へと持ち上げ、その係合突起4aを第1クラッチピース21の案内部分23並びに第2クラッチピース31の被係合部35から離した場合、図12(c)は係合突起4aの係合ポイトを切り替えるために、手動操作力により、今度はダルマ5を介して駆動アーム4を下方へ下げた場合、図12(d)は一方のロックピース41を押してロックローラ45の連結状態を解く場合をそれぞれ示している。
図12の(a)〜(d)の流れについて、さらに付言すると、図12(b)の場合に駆動アーム4を上方へと持ち上げると、駆動アーム4の係合突起4aは第1クラッチピース21の案内部分23から離れるから、第1クラッチピース21は、本実施例では磁性摺動片25の吸着力により「原点位置」へ復帰する。また、図12(c)の場合に駆動アーム4はフラフラの状態となるため、手動操作によりダルマ5を時計方向に回すと駆動アーム4は内側に寄り、その下降中に係合突起4aは第1クラッチピース21のガイド面23aに案内されて、一方のロックピース41の受け部分48に係合する。したがって、係合突起4aの係合ポイトを切り替わる。図12(d)の場合には駆動アーム4の係合突起4aは一方のロックピース41を押し込むので、一方のロックピース41はバネ部材42のバネ力に抗して時計方向へ摺動する。この時、一方のロックピース41の拘束部分44に拘束されているロックローラ45は、クサビ形状溝39の拡大部分に押し出されるから、いわゆる「かみ込み」が外れる。
なお、ここでは、図12を参照にして解錠途中に停電した場合について説明したが、電動で施錠中に「停電」した時も同様である。電動停電におけるクサビ機能の解消については、重複的となるので、説明を割愛する。したがって、本発明のクラッチ機構Yの作動連結の解消に関しては、停電時、手動により、駆動アーム、ダルマ等の各部材を「解錠位置」又は「施錠位置」のいずれかに動かすことができる。
第1実施例では、クサビ形状溝39の先細部分に位置するロックローラ45は、第2クラッチピース31の窓状係合部分34内に位置するバネ部材42に間接的に弾圧されるが、もちろん、バネ部材42の位置を置換し、例えばクサビ形状溝の拡大部分にロックローラ45に位置付け、該ロックローラ45直接弾圧しても良い。また、ロックローラ45の形状をピン状に形成することも出来る。
次に、本発明の第2実施例について説明する。図13及び図14は、本発明の第2実施例を示す各概略説明図である。なお、この第2実施例の説明に当たって、前記第1実施例と同一又は同様(機能が同一)の部分には、同一又は同様の符号を付し、重複する説明を省略する。
第2実施例のクラッチ部材も、第1クラッチピースと、環状凹所の内周面との間にクサビ形状溝39を形成する第2クラッチピースと、第2クラッチピースと共働するロックピース41Aとから成る点は同じである。
しかしながら、この第2実施例が前記第1実施例と異なる点は、第1実施例では、ロックピース41とロックローラ45とは別体であり、ロックローラ45はロックピース41の捕捉部分44に常に捕捉されているのに対し、第2実施例のロックピース41Aは、ロックローラ45を捕捉していない。その代わり、ロックピース41Aの弧状幅広摺動部43の外周部には、突起状のロック部分45Aが設けられている。付言すると、第2実施例のクラッチ部材は、ロックローラ(あるいはロックピン)無しの形式であり、前記突起状ロック部分45Aは、クサビ形状溝39に位置する拡大部分乃至先細部分を有している。このように設計変更しても、第1実施例と同一の作用・効果がある。
本発明は、主に錠前や建具の業界で利用される。
図1乃至図12は本発明の最良の実施例を示す各説明図。図13乃至図14は本発明の第2実施例。
実施の環境状態を示す概略説明図。 図1に於いて、主要部を拡大した概略説明図。 ククラッチ軸10、クラッチ歯車11、第1クラッチピース21の概略説明図。 図4の(a)はクラッチ歯車11の正面図、図4の(b)はクラッチ歯車11の断面図。 クラッチ部材を構成する部品の説明図。 クラッチ部材を組み合わせた(第1クラッチピース21を除く)場合の概略説明図。 第1クラッチピース21を側面から見た説明図。 図5の第1クラッチピース21の8−8線断面図。 第2クラッチピースの背面図。 図9の10−10線断面図。 作用を説明する概念図。 図12の(a)〜(d)は、作用の一例を示す概略説明図。 第2実施例の要部(ロックピース)を示す説明図。 図6と同様の説明図。
符号の説明
X…電気錠、Y…クラッチ機構、2…駆動源(駆動モータ)、4…駆動アーム、4a…係合突起、5…ダルマ、8…錠箱、10…クラッチ軸、11…クラッチ歯車、12…ギヤ部、13…中心軸部、15…環状凹所、15a…内周面、21…第1クラッチピース、22…筒状嵌合部、23…案内部分、24…収納部、25…摺動片、31…第2クラッチピース、32…嵌合軸部、33…幅広部分、33a…外周面、34…係合部分、35…被係合部、37…切欠部、38…カム面、39…クサビ形状溝、41、41A…ロックピース、42…バネ部材、43…幅広摺動部、44…捕捉部分、45…ロックローラ、45A…ロック部分、48…受け部分。

Claims (6)

  1. クラッチ歯車の一側面上面に環状凹所を形成し、この環状凹所にクラッチ軸を介して係合ポイト切り替え用案内部分を有する第1クラッチピースと、この第1クラッチピースの裏側に位置すると共に、幅広部分の外周面と前記環状凹所の内周面との間にクサビ形状溝を形成しかつ端部に駆動アームの係合突部と係脱する被係合部を有する第2クラッチピースと、この第2クラッチピースと共働するロックピースとを組込み、駆動力でクラッチ歯車が回転するとき、ロックピースが作動連結状態となり、一方、クラッチ歯車が停止した状態に於いて、操作力により駆動アームの係合突部の係合ポイントを変位させてロックピースを摺動させると、前記作動連結状態が解かれることを特徴とする電気錠用のクラッチ機構。
  2. 駆動源の駆動力により回転するクラッチ歯車と、このクラッチ歯車の環状凹所に組み込まれたクラッチ部材とから成り、前記クラッチ部材は、クラッチ軸に嵌合すると共に係合ポイト切り替え用案内部分を有する第1クラッチピースと、この第1クラッチピースと重なるように前記クラッチ軸に嵌合すると共に、嵌合軸部に半径方向に連設する幅広部分の外周面と前記環状凹所の内周面との間にクサビ形状溝を形成し、かつ、端部に駆動アームの係合突部と係脱する被係合部を有する第2クラッチピースと、この第2クラッチピースに設けられた係合部分に係合すると共に、該第2クラッチピースと共働するロックピースと、このロックピースの捕捉部分に捕捉されていると共に、前記クサビ形状溝に位置するロックローラと、ロックローラを弾圧するバネ部材とを含むことを特徴とする電気錠用のクラッチ機構。
  3. 請求項2に於いて、ロックピースの端部には、クラッチ歯車の停止時、手動の操作力により、駆動アームの係合突起の係合ポイトが切り替わったとき、前記係合突起と係合する受け部分が形成されていることを特徴とする電気錠用のクラッチ機構。
  4. 請求項2に於いて、ロックピースは、バネ部材を基準に環状凹所の周方向に一対配設されていることを特徴とする電気錠用のクラッチ機構。
  5. 駆動源の駆動力により回転するクラッチ歯車と、このクラッチ歯車の環状凹所に組み込まれたクラッチ部材とから成り、前記クラッチ部材は、クラッチ軸に嵌合すると共に係合ポイト切り替え用案内部分を有する第1クラッチピースと、この第1クラッチピースと重なるように前記クラッチ軸に嵌合すると共に、嵌合軸部に半径方向に連設する幅広部分の外周面と前記環状凹所の内周面との間にクサビ形状溝を形成し、かつ、端部に駆動アームの係合突部と係脱する被係合部を有する第2クラッチピースと、この第2クラッチピースに設けられた係合部分に係合すると共に、該第2クラッチピースと共働するロックピースと、このロックピースの外周部に設けられ、かつ、前記クサビ形状溝に位置するロック部分と、ロックピースを弾圧するバネ部材とを含むことを特徴とする電気錠用のクラッチ機構。
  6. 請求項5に於いて、第1クラッチピースは、原点位置に戻る復帰手段を備えていることを特徴とする電気錠用のクラッチ機構。
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