JP4741333B2 - 電気錠のクラッチ機構 - Google Patents
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(2)請求項1、請求項6及び請求項8の各構成を採用するとこにより、クラッチ歯車の一側面に形成した凹所内の設計の自由度が増した。その結果、駆動アームの係合部が移動する凹所内を幅広くすることができる。
(3)また、駆動アームの係合ポイントの切換えに関して、異常時、外部から駆動アームを操作すると、クラッチ板は、吸着力または付勢手段のバネ力によりクラッチ歯車のカム面に圧接する摺動片を介してクラッチの原点位置まで回転する(請求項1、請求項6)。その結果、駆動アームの係合ポイントをクラッチ板のガイド面へと切換えることができるので、駆動アームを所要位置(例えば解錠方向)へとスムースに案内することができる。
(4)さらに、先願発明のように、クラッチ板(係合板)の係合突起が駆動歯車(クラッチ歯車)の凹所の内周壁に圧接しないので、クラッチ板が滑らかに回転し、その結果、手動側の操作力の軽減化を図ることができる。
(5)加えて、クラッチ機構を構成する部材を、「二物品」にすると共に、係合関係(クラッチ関係)に樹脂バネを用いていないので、製作が容易である。また、各部材の組合せや錠箱への組込みが非常に簡単である。
図1で示す本発明の電気錠Xは、制御部1、駆動モータ2、歯車伝達手段3、クラッチ機構Y、クラッチ機構Yのクラッチ歯車11及びクラッチ板21、前記クラッチ歯車と係合する駆動アーム4、駆動アームに連動するダルマ5、ダルマに連動するクランクアーム6、クランクアームを介して進退動するデッドボルト7等を備えている。周知のように、駆動モータ2は制御部1に制御されて駆動し、駆動モータ2の駆動力は歯車伝達手段3、クラッチ機構Y及び駆動アーム4を介してダルマ5に伝達する。
まず、本願発明のクラッチ機構Yは、クラッチ歯車11と、該クラッチ歯車11の筒状中心軸部13に外嵌合する筒状嵌合部24を有するクラッチ板21とから成り、デッドボルト7の後方と錠箱の後壁9との間の空間部分に設けられている。クラッチ歯車11は錠箱に横設軸架されたクラッチ軸10に回転自在に設けられている。
図2は駆動アーム4の正面、図7は駆動アーム4を構成する係合アーム本体4aの左側面をそれぞれ示す。本実施例の駆動アーム4は、図2で示すように、上端部(一端部)にクラッチ歯車11の凹所15内に常時位置するピン状の係合突起31を有する係合アーム本体4aと、この係合アーム本体4aの下端部側の薄肉部分に複数本の固着具32を介して一体的に取付けられたやや逆L型形状の連結板4bとから成り、前記連結板4bの下端部は、可動枢支ピン33を介してダルマ5の第3連結突起39に連結されている。
図8で示すように、ダルマ5は、シリンダ錠又はサムターンの回転操作により所定量回転するように図示しない錠箱の支持座(軸受け)に配設されている。ダルマ5は、錠箱の中央部、後壁9寄りの部位等に配設することが可能であるが、一つの用途(例えば電気錠)を考慮して錠箱下部の後壁9寄りの部位に配設されている。
図2で示すように、クランクアーム6の一端部6aは、空洞状のデッドボルト7のデッド用第1可動ピン45に連結されていると共に、クランクアーム6の中間部分に設けられたクランク用第2可動ピン46は、例えば錠箱の案内部材51の案内部52に係合し、かつ、クランクアーム6の他端部6bは、ダルマ5の半径外方向突起する第1連結突起36に枢着されている。クランクアーム6に加味される新規的事項については、図面及び説明を割愛する。またデッドボルト7に連動する鎌片55の周知事項についての説明は割愛する。
制御部の制御による動力伝達機構は、錠箱内に設けられた制御部1に制御される駆動モータ(例えばマイクロモータ)2、この駆動モータ2の駆動力により回転する歯車伝達手段3、この歯車伝達手段3の伝動力により正逆方向へ回転するクラッチ機構Yのクラッチ歯車11、このクラッチ歯車11が所定量回転すると、該クラッチ歯車11の係止機能を有する被係合部17,18のいずれかに係合する係合部31を介して所定方向へと移動する駆動アーム4、この駆動アーム4と共働するように錠箱の軸受けに回動自在に設けられたダルマ5、このダルマ5に連結されかつデッドボルト7を押し出す又は引き戻すクランクアーム6とから成る。なお、本実施例のクラッチ歯車11は、例えば360度回転すると、解錠方向では一つの係止面17は駆動アーム4を引っ張り、一方、施錠方向では他の係止面18は駆動アーム4を押し込む。
歯車伝達手段3の詳細は割愛するが、歯車伝達手段3は、電動力でデッドボルト7を進退動させる場合にその機能を発揮する。歯車伝達手段3は、駆動モータ2の出力軸2aに設けられたギヤ部或いは第1伝動歯車2b、この第1伝動歯車2bに噛合する第2伝動歯車、第2伝動歯車に噛合する第3伝動歯車、この第3伝動歯車に噛合する第4伝動歯車等の複数個の伝動歯車で構成されている。
本発明の作動態様について説明する。なお、駆動モータの駆動力で施・解錠する時の作動態様の説明は、重複的になるので割愛する。「停電時における手動操作」について説明する。
図10(b)は、電動で解錠し始めた所。つまり、クラッチ歯車11は、解錠方向(図面上、時計方向)へ回転開始。この段階では、まだ、クラッチ歯車11の一方の被係合部18は駆動アーム4の係合部(係合突起)31に当たっていない。
図12(a)は、解錠状態である。クラッチ歯車11とクラッチ板21は原点位置(図10参照)にある。したがって、クラッチ板21の摺動片22の内端面22aは、図6(a)で示すように、クラッチ歯車11のカム面19に面接触状態である。
Claims (8)
- クラッチ歯車は中心軸部にカム面を有すると共に、そのクラッチ軸を金属製若しくは磁性体にし、一方、中心部にクラッチ歯車に回転自在に嵌合する嵌合部を有するクラッチ板は、収納部内に半径方向に移動可能な摺動片を備えると共に、前記嵌合部から延びる駆動アーム用の案内部分を有し、該クラッチ板は、停電時、操作部材の操作力により回転するダルマを介して作動する駆動アームの係合部がクラッチ歯車に形成した被係合部から離れた瞬間に、前記クラッチ軸に対する吸着力によりカム面に圧接する前記摺動片を介して原点位置へと回転して、駆動アームの係合ポイントをクラッチ板の前記案内部分へと切り換えることを特徴とする電気錠のクラッチ機構。
- 請求項1に於いて、クラッチ板の案内部分は、クラッチ歯車の凹所の内周壁に沿って指先状に延びていることを特徴とする電気錠のクラッチ機構。
- 請求項2に於いて、クラッチ板の案内部分は、少なくとも一つであることを特徴とする電気錠のクラッチ機構。
- 請求項1に於いて、クラッチ歯車の凹所内には、駆動アームの先端部に突設した係合突起が係脱する複数個の被係合部が形成されていることを特徴とする電気錠のクラッチ機構。
- 請求項1に於いて、クラッチ板の嵌合部はクラッチ歯車の筒状中心軸部に外嵌合していることを特徴とする電気錠のクラッチ機構。
- クラッチ歯車は中心軸部にカム面を有し、一方、中心部にクラッチ歯車に回転自在に嵌合する嵌合部を有するクラッチ板は、収納部内に半径方向に移動可能な摺動片を含む付勢手段を備えると共に、前記嵌合部から延びる駆動アーム用の案内部分を有し、該クラッチ板は、停電時、操作部材の操作力により回転するダルマを介して作動する駆動アームの係合部がクラッチ歯車に形成した被係合部から離れた瞬間に、クラッチ軸に対する付勢手段のバネ力によりカム面に圧接する前記摺動片を介して原点位置へと回転して、駆動アームの係合ポイントをクラッチ板の前記案内部分へと切り換えることを特徴とする電気錠のクラッチ機構。
- 請求項6に於いて、クラッチ板の収納部は、クラッチ歯車の筒状中心軸部に外嵌合する嵌合部に半径外方向に連設形成され、収納部ないし嵌合部の段面形状は、一般的な鉤孔であることを特徴とする電気錠のクラッチ機構。
- クラッチ歯車は中心軸部に第1磁性体を有し、一方、中心部にクラッチ歯車に回転自在に嵌合する嵌合部を有するクラッチ板は、収納部内に半径方向に移動可能な第2磁性体を備えると共に、前記嵌合部から延びる駆動アーム用の案内部分を有し、該クラッチ板は、停電時、操作部材の操作力により回転するダルマを介して作動する駆動アームの係合部がクラッチ歯車に形成した被係合部から離れた瞬間に、前記第1磁性体の極性に対して吸着し得る前記第2磁性体の吸着力により原点位置へと回転して、駆動アームの係合ポイントをクラッチ板の前記案内部分へと切り換えることを特徴とする電気錠のクラッチ機構。
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