JP4846636B2 - 容器 - Google Patents

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本発明は、容器に関するものである。
この種の容器として、例えば下記特許文献1に示されるような、開口部を有するカップ体と、このカップ体の開口端縁からその径方向外方に張り出したフランジ状部と、このフランジ状部の外周縁に前記径方向外方に向けて突設された平板状の引き上げ片と、外周縁部が、フランジ状部および引き上げ片の各表面に剥離可能に接着されて、前記開口部を閉塞するシール材と、が備えられるとともに、引き上げ片は、前記開口部の開口方向に折り曲げられたときに破断する弱化部を介してフランジ状部の外周縁に連結された構成が知られている。なお、この容器には、例えばコーヒー用ミルク若しくはゼリー等の食品が収納される。
この容器を開封するには、まず、引き上げ片を、シール材のうちこの引き上げ片の表面に接着されている引き上げ片部分とともに、前記開口部の開口方向に引き上げることにより、弱化部を折り曲げて破断し、その後さらに、この引き上げ片をシール材の前記引き上げ片部分とともに、カップ体の径方向内方に向けて引き上げ、シール材をフランジ状部の表面から剥がすことによって、前記開口部を開放させカップ体の内部と外部とを連通させる。
特開2003−285854号公報
しかしながら、前記従来の容器では、前述のように開封したときに、この容器の内容物若しくはその液分が飛び出して周囲が汚れるという問題があった。
このような問題を解決するために、例えば上記特許文献1に示されるように種々の手段が提案されているが、このような手段を講じても、容器の内容物若しくはその液分が飛び出す量は低減できるものの、飛び出すこと自体を防止することはできなかった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、開封時に内容物若しくはその液分が飛び出しても、周囲が汚れるのを抑制することができる容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明の容器は、開口部を有するカップ体と、このカップ体の開口端縁からその径方向外方に張り出したフランジ状部と、このフランジ状部の外周縁に前記径方向外方に向けて突設された平板状の引き上げ片と、外周縁部が、前記フランジ状部および引き上げ片の各表面に剥離可能に接着されて、前記開口部を閉塞するシール材と、が備えられるとともに、前記引き上げ片は、前記開口部の開口方向に折り曲げられたときに破断する弱化部を介して前記フランジ状部の外周縁に連結された容器であって、前記引き上げ片の裏面における前記弱化部側の基端部に、その幅方向に沿って延びる受板が垂設されていることを特徴とする。
この発明によれば、引き上げ片の裏面における基端部に、その幅方向に沿って延びる受板が垂設されているので、この容器を開封したときに内容物若しくはその液分が外部に飛び出しても、この内容物等を受板で受け止めることが可能になり、周囲が汚れるのを防ぐことができる。
ここで、前記フランジ状部の表面において前記引き上げ片に前記カップ体の径方向で連なる部分には、前記カップ体の開口端縁から前記径方向の外方に向けて延びる溝部が形成されてもよい。
この場合、フランジ状部の表面において引き上げ片にカップ体の径方向で連なる部分に前記溝部が形成されているので、この容器を開封したときに内容物若しくはその液分が飛び出す方向、およびその幅を、前記溝部が延在する方向、およびこの溝部の幅に近付けることが可能になり、前述の作用効果が確実に奏功されることになる。
また、前記溝部は前記受板よりも前記幅方向の大きさが小さく、かつそれぞれの前記幅方向の中央部が一致してもよい。
この場合、容器の開封時に飛び出した内容物若しくはその液分をより一層確実に受板で受け止めることが可能になる。
この発明に係る容器によれば、開封時に内容物若しくはその液分が飛び出しても、周囲が汚れるのを抑制することができる。
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。
本実施形態に係る容器10は、図1から図3に示されるように、開口部11を有するカップ体12と、カップ体12の開口端縁からその径方向外方に張り出したフランジ状部13と、このフランジ状部13の外周縁に前記径方向外方に向けて突設された平板状の引き上げ片14と、外周縁部が、フランジ状部13および引き上げ片14の各表面に剥離可能に接着されて、開口部11を閉塞するシール材15と、を備えている。そして、引き上げ片14は、開口部11の開口方向Aに折り曲げられたときに破断する弱化部16を介してフランジ状部13の外周縁に連結されている。
なお、フランジ状部13は、カップ体12の開口端縁の全周にわたって連結されている。また、引き上げ片14の表面とフランジ状部13の表面とはほぼ面一となっている。さらに、カップ体12の横断面視形状は円環状となっている。そして、これらのカップ体12、フランジ状部13および引き上げ片14は同一の材質で一体に形成されており、これら全体の上面視形状およびその寸法は、シール材15の平面視形状およびその寸法とほぼ同等となっている。また、弱化部16は、フランジ状部13の外周縁と引き上げ片14との連結部分における裏面に、この引き上げ片14の幅方向Bの全長にわたって連続して延設された薄肉部となっている。
そして、本実施形態では、引き上げ片14の裏面における弱化部16側の基端部に、その幅方向Bに沿って延びる受板17が垂設されている。図示の例では、受板17は、引き上げ片14の基端部における前記幅方向Bの全長にわたって延在している。
また、フランジ状部13の表面において引き上げ片14にカップ体12の径方向で連なる部分には、図2に示されるように、カップ体12の開口端縁から前記径方向の外方に向けて延びる溝部18が形成されている。これにより、溝部18は、カップ体12の内部と開口部11を介して連通している。図示の例では、溝部18は、フランジ状部13の表面における前記径方向の全長にわたって延在している。
さらに、溝部18は、カップ体12の開口端縁からカップ体12の径方向外方に向けて、引き上げ片14の表面において弱化部16および受板17の各配設位置と対応する部分を通り、さらにこの引き上げ片14の先端部にまで到達している。また、本実施形態では、溝部18の前記幅方向Bにおける大きさは、引き上げ片14の基端部および受板17それぞれの前記幅方向Bの大きさよりも小さくなっている。さらに、これらの溝部18、および引き上げ片14それぞれの前記幅方向Bの中央部は一致している。
以上のように構成された容器10では、その開封に際し、まず、引き上げ片14を、シール材15のうちこの引き上げ片14の表面に接着されている引き上げ片部分とともに、開口部11の開口方向Aに引き上げ、弱化部16を折り曲げて破断する。この際、溝部18が、フランジ状部13の表面における前記径方向の全長にわたって延在しているので、カップ体12の内部と外部とが、溝部18のうちフランジ状部13の表面に形成された部分を介して連通する。
その後さらに、この引き上げ片14をシール材15の前記引き上げ片部分とともに、カップ体12の径方向内方に向けて引き上げることによって、シール材15においてフランジ状部13の表面に接着されている部分を剥がして、開口部11を開放させる。
以上説明したように本実施形態に係る容器10によれば、引き上げ片14の裏面における基端部に、その幅方向Bに沿って延びる受板17が垂設されているので、この容器10を開封したときに内容物若しくはその液分が外部に飛び出しても、この内容物等を受板17で受け止めることが可能になり、周囲が汚れるのを防ぐことができる。
また、本実施形態では、フランジ状部13の表面において引き上げ片14にカップ体12の径方向で連なる部分に溝部18が形成されているので、この容器10を開封したときに内容物若しくはその液分が飛び出す方向、およびその幅を、溝部18が延在する方向、およびこの溝部18の幅に近付けることが可能になり、前述の作用効果が確実に奏功されることになる。
さらに、本実施形態では、溝部18が受板17よりも幅が小さく、かつそれぞれの幅方向Bの中央部が一致しているので、容器10の開封時に飛び出した内容物若しくはその液分をより一層確実に受板17で受け止めることが可能になる。
さらにまた、本実施形態では、溝部18が、フランジ状部13の表面において引き上げ片14にカップ体12の径方向で連なる部分における前記径方向の全長にわたって延在しているので、前述のように弱化部16を折り曲げて破断するのと同時に、カップ体12の内部と外部とが、溝部18のうちフランジ状部13の表面に形成された部分を介して連通することになる。すなわち、容器10を開封する過程において、この容器10の内容物若しくはその液分が外部に飛び出し易い、カップ体12の内部と外部とを初めて連通させる開口部、つまり溝部18のうちフランジ状部13の表面に形成された部分に対して受板17を近接させておくことが可能になり、この内容物若しくはその液分を確実に受板17で受け止めさせることができる。
なお、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前記実施形態では、フランジ状部13の表面において引き上げ片14にカップ体12の径方向で連なる部分に、カップ体12の径方向における全長にわたって延びる溝部18を形成したが、この溝部18は形成しなくてもよいし、あるいは溝部18は、カップ体12の開口端縁からその径方向の外方に延在していれば、フランジ状部13の前記径方向における全長にわたって形成しなくてもよい。
さらに、溝部18の幅を受板17よりも小さくしたが、受板17と同等にしてもよい。
また、溝部18および受板17の前記幅方向Bにおける各中央部を一致させたが、それぞれの幅方向位置を互いに異ならせてもよい。
さらに、前記実施形態では、弱化部16として、フランジ状部13の外周縁と引き上げ片14との連結部分における裏面に、この引き上げ片14の幅方向Bの全長にわたって連続して延設された薄肉部を示したが、これに代えて例えば、断続的に点在させた薄肉部若しくは貫通孔としてもよいし、あるいはこの弱化部16を前記連結部分の表面に形成してもよい。
開封時に内容物若しくはその液分が飛び出しても、周囲が汚れるのを抑制することができる。
本発明に係る一実施形態として示した容器の縦半断面図である。 図1に示す容器において、カップ体、フランジ状部および引き上げ片の上面図である。 図1および図2に示す容器において、開封して内容物若しくはその液分が外部に飛び出している状態を示す縦半断面図である。
符号の説明
10 容器
11 開口部
12 カップ体
13 フランジ状部
14 引き上げ片
15 シール材
16 弱化部
17 受板
18 溝部
A 開口方向
B 幅方向

Claims (3)

  1. 開口部を有するカップ体と、
    このカップ体の開口端縁からその径方向外方に張り出したフランジ状部と、
    このフランジ状部の外周縁に前記径方向外方に向けて突設された平板状の引き上げ片と、
    外周縁部が、前記フランジ状部および引き上げ片の各表面に剥離可能に接着されて、前記開口部を閉塞するシール材と、が備えられるとともに、
    前記引き上げ片は、前記開口部の開口方向に折り曲げられたときに破断する弱化部を介して前記フランジ状部の外周縁に連結された容器であって、
    前記引き上げ片の裏面における前記弱化部側の基端部に、その幅方向に沿って延びる受板が垂設されていることを特徴とする容器。
  2. 請求項1記載の容器であって、
    前記フランジ状部の表面において前記引き上げ片に前記カップ体の径方向で連なる部分には、前記カップ体の開口端縁から前記径方向の外方に向けて延びる溝部が形成されていることを特徴とする容器。
  3. 請求項2記載の容器であって、
    前記溝部は前記受板よりも前記幅方向の大きさが小さく、かつそれぞれの前記幅方向の中央部が一致していることを特徴とする容器。
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