JP4845666B2 - 操作釦を具えた電気機器及び該操作釦の取付け方法 - Google Patents

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本発明は、操作釦を具えた電気機器及び該操作釦の取付け方法に関し、具体的には録画、再生等の操作釦を具えたデジタルカメラに関する。
従来の操作釦を具えた電気機器としては、図10に示すものがある(例えば、特許文献1参照)。
これは、キャビネット(1)に開設された開口(10)に操作釦(2)を上下に出没自在に嵌めている。キャビネット(1)の裏面には、受け板(80)が設けられ、該受け板(80)上に揺動レバー(8)が配備される。操作釦(2)の裏面は、揺動レバー(8)に接して、該揺動レバー(8)はキャビネット(1)の奥部に配備されたスイッチ(SW)を押す。
操作釦(2)をキャビネット(1)に取り付けるには、キャビネット(1)の開口(10)に操作釦(2)を嵌める。操作釦(2)の周縁から延びた止め片(26)が開口(10)の周縁部内側に接して操作釦(2)はキャビネット(1)からの抜けが防止される。この後、揺動レバー(8)を枢支した受け板(80)をキャビネット(1)に取り付け、最後にスイッチ(SW)をキャビネット(1)の奥部に取り付ける。
特開平9−167026号公報
従来の構成では、操作釦(2)をキャビネット(1)の裏側から取り付けるから、操作釦(2)が開口(10)から露出する部分は、開口(10)よりも小さい。従って、操作性を良くするために、操作釦(2)を大きくせんとすれば、キャビネット(1)の全体を大きくする必要があり、機器全体の小型化を求める市場のニーズに反する。
本発明の目的は、機器全体の小型化の要請を充たしつつ、操作釦のサイズを大きくすることにある。
本発明にかかる電子機器は、開口(10)が開設されたキャビネット(1)、開口
(10)に嵌められる弾性部材、および弾性部材(3)に貼り付けられ操作釦(2)を具え、
弾性部材(3)は、周縁部が撓み変形して、キャビネット(1)の前方から開口(10)の
周縁部に嵌められ、操作釦(2)の周縁部の少なくとも一部は、開口(10)の周縁部
より外側に位置していることを特徴とする。
1.弾性部材(3)を撓ませて、キャビネット(1)の前から開口(10)の周縁部に取り付けることにより、弾性部材(3)のサイズが開口(10)より大きくても、キャビネット(1)に取り付けることができる。従って、機器全体の小型化の要請を充たしつつ、操作釦(2)のサイズを大きくすることができる。これにより、操作釦(2)の操作性を向上させることができる。
2.操作釦(2)に隣接する空間にキャビネット(1)に固定される保持片(4)を設け、操作釦(2)と保持片(4)を嵌合させる。保持片(4)はキャビネット(1)に固定されているから、操作釦(2)を単に弾性部材(3)に接着する構成に比して、操作釦(2)の弾性部材(3)に対する剥離強度を高めることができる。
以下、本発明の一実施例を図を用いて詳述する。
図1は、電気機器であるデジタルカメラの斜視図である。キャビネット(1)には、周知の如く、液晶パネル(19)が設けられ、該液晶パネル(19)の側部に、録画、再生等の複数の操作釦(2)(2)及び操作釦(2)に囲まれた保持片(4)が設けられている。
図2は、図1の分解斜視図である。操作釦(2)(2)はシリコンゴム製の板である弾性部材(3)にタイル状に接着剤又は両面テープ等にて貼り付けられる。キャビネット(1)には弾性部材(3)の周縁部が嵌まる開口(10)が開設され、該開口(10)の奥部にタクトスイッチ(SW)(SW)を取り付けた基板(5)が設けられる。弾性部材(3)には操作釦(2)に押される表突面(31)(31)が設けられている。
操作釦(2)の上下端部には、引掛け爪(22)が設けられ、該引掛け爪(22)は開口(10)の上下縁に開設された嵌合穴(12)に嵌まる。
図3は、弾性部材(3)の裏面図である。弾性部材(3)には表突面(31)(31)に対応した裏突面(32)(32)及び保持片(4)が通る透孔(33)が開設されている。
図4は、図1をA−A線を含む面にて破断した断面図、図5は、図1をB−B線を含む面にて破断した断面図である。キャビネット(1)の開口(10)の周縁部からは庇片(11)が内向きに突出し、弾性部材(3)の側部は、庇片(11)の下側に嵌まって開口(10)からの抜けを防止される。即ち、弾性部材(3)は庇片(11)によって開口(10)からの抜けを防止される。操作釦(2)が下向きに押されると、表突面(31)及び裏突面(32)が下向きに押され、タクトスイッチ(SW)を押す。
図5に示すように、保持片(4)からは支え棒(40)が下向きに延び、該支え棒(40)の下端部は弾性部材(3)の透孔(33)を通って基板(5)に固定される。保持片(4)の側部には嵌め穴(41)が凹設され、操作釦(2)の側部から突出した突片(20)が該嵌め穴(41)に嵌まる。これにより、操作釦(2)の弾性部材(3)に対する剥離強度を高めることができる。即ち、操作釦(2)の弾性部材(3)に対する接着強度が弱くても、突片(20)が嵌め穴(41)に嵌まることにより、操作釦(2)が弾性部材(3)から外れることが防止される。
尚、上記とは逆に、操作釦(2)に嵌め穴(41)を開設し、保持片(4)に突片(20)を設けてもよい。また、弾性部材(3)の周部には接着剤(6)が塗布されて、キャビネット(1)は防滴構造となっている。
弾性部材の取付け
弾性部材(3)は以下の手順で、キャビネット(1)に取り付けられる。図6は、図1をC方向から見た右側面の断面図である。先ず、弾性部材(3)上にて操作釦(2)(2)の境い目である2箇所を外向きに折り曲げる。開口(10)の前方から、操作釦(2)の引掛け爪(22)を嵌合穴(12)に嵌めて押し込む。次に、弾性部材(3)を後方、即ち内向きに押し込み、弾性部材(3)を庇片(11)の内側に入れる。
図7(a)に示すように、弾性部材(3)の側部が庇片(11)に接して撓む。この状態で、ピンセット等の治具(図示せず)にて弾性部材(3)の側部を摘み、庇片(11)の下側に引き出す。弾性部材(3)の側部は弾性復帰して、図7(b)に示すように、水平状態となって、庇片(11)の下側に接する。弾性部材(3)の開口(10)からの抜けが防止される。尚、治具にて弾性部材(3)の側部を引き出さずに、弾性部材(3)を押し込み、弾性部材(3)自体の弾性力によって自然に撓み復帰させてもよい。
弾性部材(3)の全周縁部を撓ませて、キャビネット(1)の前から開口(10)の周縁部に取り付けることにより、弾性部材(3)のサイズが開口(10)より大きくても、キャビネット(1)に取り付けることができる。従って、機器全体の小型化の要請を充たしつつ、操作釦(2)のサイズを大きくすることができる。これにより、操作釦(2)の操作性を向上させることができる。
次に、図8に示すように、操作釦(2)に隣接し操作釦(2)(2)にて囲まれた空間(25)に、保持片(4)を挿入する。このとき、前記の如く、操作釦(2)の突片(20)を保持片(4)の嵌め穴(41)に嵌める。また、操作釦(2)からは2つの爪(24)(24)が突出しており、該爪(24)(24)が保持片(4)の嵌め穴(図示せず)に嵌まる。保持片(4)の支え棒(40)は、基板(5)の裏側からネジ止めされて基板(5)に固定される。これにより、前記の如く、操作釦(2)の弾性部材(3)に対する剥離強度を高めることができる。
尚、図示の便宜上、図2では突片(20)及び爪(24)(24)の図示を省いている。また、図8に示されていない方の空間(25)にも、保持片(4)が挿入される。
複数の操作釦(2)がタイル状に配列された従来からの電気機器としては、図9に示すように、携帯電話機が挙げられる。かかる携帯電話機にあっても、複数の操作釦(2)(2)は弾性部材(3)に貼り付けられて、該弾性部材(3)が開口(10)に嵌められる。ここで、開口(10)の周縁部に対向した操作釦(2)から例えば突片を突出させて開口(10)の周縁部に嵌合させることにより、弾性部材(3)との剥離強度を高めることも考えられる。
しかし、開口(10)の周縁部から離れたX、Yで示す操作釦(2)の接着強度は、弾性部材(3)との接着剤との強度に依存しているのが現状である。本願の如く、操作釦(2)にて囲まれた空間にキャビネット(1)に固定される保持片(4)を設け、操作釦(2)と保持片(4)を嵌合させることにより、操作釦(2)を単に弾性部材(3)に接着する構成に比して、操作釦(2)の弾性部材(3)に対する剥離強度を高めることができる。
上記実施例の説明は、本発明を説明するためのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能であることは勿論である。
実施例では、電気機器としてデジタルカメラ、携帯電話機を例示したが、これらに限定されない。
電気機器であるデジタルカメラの斜視図である。 図1の分解斜視図である。 弾性部材の裏面図である。 図1をA−A線を含む面にて破断した断面図である。 図1をB−B線を含む面にて破断した断面図である。 図1をC方向から見た右側面の断面図であり、弾性部材の開口周縁部への取付けを示す。 (a)、(b)は、弾性部材の開口周縁部への取付けを示す断面図である。 保持片のキャビネットへの取付けを示す斜視図である。 従来の携帯電話機の操作釦を示す正面図である。 従来の操作釦を示す断面図である。
符号の説明
(1) キャビネット
(2) 操作釦
(3) 弾性部材
(4) 保持片
(10) 開口

Claims (4)

  1. 開口が開設されたキャビネット、
    前記開口に嵌められる弾性部材、および
    前記弾性部材に貼り付けられた操作釦を具え、
    前記弾性部材は、周縁部が撓み変形して、前記キャビネットの前方から前記
    開口の周縁部に嵌められ、前記操作釦の周縁部の少なくとも一部は、前記開口
    の周縁部より外側に位置していることを特徴とする電気機器。
  2. 弾性部材上にて操作釦に隣接する空間には、キャビネットに固定される保持
    片が嵌まり、保持片と操作釦は周部が互いに嵌合する請求項1に記載の電気機
    器。
  3. キャビネット内にはスイッチを設けた基板が設けられ、操作釦は弾性部材を
    介して基板上のスイッチを押す請求項1又は2に記載の電気機器。
  4. 操作釦を貼り付けた弾性部材を用意する工程と、
    該弾性部材を開口を開設したキャビネットの前方に配備する工程と、
    弾性部材を開口に向けて押し込み、弾性部材の周縁部を撓み変形させて、開
    口の周縁部に押し当てる工程と、
    開口の裏側から、弾性部材の周縁部を引き出し、開口の周縁部に嵌める工程
    を有する操作釦の取付け方法。
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