JP4844865B2 - カーボンゲル複合材料 - Google Patents

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Description

本発明は、カーボンゲルを担体とする複合材料に関する。
従来、多孔体に関する様々な研究がなされており、その吸着性を利用して、触媒、電極材料等の担体への適用が検討されている。このような用途に使用されている多孔体としては様々なものが知られているが、代表的な多孔体の一つとして活性炭が挙げられる。
このような活性炭は、炭素原子により骨格が形成されている多孔体であり、高い比表面積を有しているが、この高い比表面積は従来、製造工程において賦活処理を行い、活性炭となる材料の表面に細孔を形成せしめることによって得られていた。この賦活処理としては、例えば、原料組成物を水蒸気、二酸化炭素等の雰囲気中で600〜1000℃に加熱するか、又は、原料組成物に塩化亜鉛、水酸化カリウム等を混合して不活性雰囲気下で加熱すること等が知られている。この賦活処理の過程において、活性炭となる材料の表面には多数の細孔が形成され、その結果比表面積の高い活性炭が得られるが、その細孔径は1nm以下のものが主であるため、比表面積の向上のみでは吸着性の向上に限界があり、未だ十分なものではなかった。
また、近年になっていわゆるメソ孔を有するメソポーラスカーボンが開発されており、A.Vinu et al.,“Adsorption of Cytochrome C on New Mesoporous Carbon Molecular Sieves”, J.Phys.Chem.B, 2003, Vol.107, p.8297〜8299(非特許文献1)には、メソポーラスカーボンモレキュラーシーブにチトクロームCを担持させることが開示されている。
しかしながら、非特許文献1に記載のようなメソポーラスカーボンモレキュラーシーブを担体として用いた場合であっても、そこに担持される成分に対する安定性及び活性化の向上に限界があり、未だ十分なものではなかった。
A.Vinu et al.,"Adsorption of Cytochrome C on New Mesoporous Carbon Molecular Sieves", J.Phys.Chem.B, 2003, Vol.107, p.8297〜8299
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、タンパク質、金属錯体又は金属という成分を高い担持量で担持しておりかつ担持成分の安定性及び活性にも優れており、触媒等として有用な炭素系複合材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、平均粒径が2〜50nmの一次粒子からなり、細孔径の均一性が高く、細孔が周期的配列構造を有しておらず、相互に連結した3次元的ネットワーク構造を有しているカーボンゲルを担体として用いることにより前記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
スキャン領域2θ=0.5〜10°(CuKα線)においてX線回折ピークが認められず、平均粒径が2〜50nmの一次粒子からなり、吸脱着等温線から計算された細孔径分布において、分布ピークトップの細孔径値が1nm以上10nm未満の範囲に存在する場合には該細孔径値(d)に対してd±2nmの細孔径領域に全細孔容量の60%以上が含まれており、また分布ピークトップの細孔径値が10nm以上50nm以下の範囲に存在する場合には該細孔径値(D)に対して(0.75×D)〜(1.25×D)nmの細孔径領域に全細孔容量の60%以上が含まれるカーボンゲルと、
前記カーボンゲルに担持されている、酸化還元酵素及び電子伝達タンパク質からなる群から選択される少なくとも一つのタンパク質と、
を備えることを特徴とするカーボンゲル複合材料である。
本発明のカーボンゲル複合材料においては、前記カーボンゲルの前記分布ピークトップの細孔径値が1〜20nmであることが好ましい。
また、本発明においては、前記カーボンゲルの前記分布ピークトップの細孔径値が前記担持成分の平均分子径の1〜1.25倍であることがより好ましい。
さらに、前記カーボンゲルの比表面積が100m2/g以上であることが好ましく、また、前記カーボンゲルの全細孔容量が0.1〜50ml/gであることが好ましい。
さらに、本発明のカーボンゲル複合材料に用いられる前記カーボンゲルが、その少なくとも表面近傍が含窒素炭素からなるものであってもよい。この場合、前記含窒素炭素における窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)が0.01〜0.4であることが好ましい。
本発明によれば、タンパク質、金属錯体又は金属という成分を高い担持量で担持しておりかつ担持成分の安定性及び活性にも優れており、触媒等として有用なカーボンゲル複合材料を提供することが可能となる。
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
(カーボンゲル)
本発明において担体として用いる炭素系多孔体は、以下の(i)〜(iii)の条件を満たすカーボンゲルである。
(i)X線回折測定(XRD)において、スキャン領域2θ=0.5〜10°(CuKα線)においてX線回折ピークが認められない。
(ii)平均粒径が2〜50nmの一次粒子からなる。
(iii)吸脱着等温線から計算された細孔径分布において、分布ピークトップの細孔径値が1nm以上10nm未満の範囲に存在する場合には該細孔径値(d)に対してd±2nmの細孔径領域に全細孔容量の60%以上が含まれており、また分布ピークトップの細孔径値が10nm以上50nm以下の範囲に存在する場合には該細孔径値(D)に対して(0.75×D)〜(1.25×D)nmの細孔径領域に全細孔容量の60%以上が含まれる。
ここで、X線回折ピークは、そのピーク角度に相当するd値の周期構造が試料中にあることを意味する。したがって、スキャン領域2θ=0.5〜10°(CuKα線)において1本以上のピークが認められる炭素系多孔体は、細孔が0.9〜17.7nmの周期で規則的に配列している、いわゆるメソポーラスカーボン(MPC)である。担体がこのようなメソポーラスカーボンの場合、担持される酵素等の成分に対する安定性及び活性化の十分な向上が達成されない。
一方、本発明において用いられるカーボンゲルは、スキャン領域2θ=0.5〜10°(CuKα線)においてX線回折ピークが認められないものであり、その細孔が周期的配列構造を有しておらず、相互に連結した3次元的ネットワーク構造を有しているものである。本発明においては、このようなカーボンゲルを酵素等の成分に対する担体として用いることにより、その理由は定かではないが、担持成分に対する安定性及び活性化が驚くべきことに向上する。
なお、本発明においては、X線回折測定(XRD)においてバックグラウンドノイズ強度に対するピーク強度の比が3未満のものはX線回折ピークと認めない。すなわち、「スキャン領域2θ=0.5〜10°(CuKα線)においてX線回折ピークが認められない」とは、スキャン領域2θ=0.5〜10°(CuKα線)において、バックグラウンドノイズ強度に対するピーク強度の比が3以上のX線回折ピークは1本も観測されないことをいう。
本発明にかかるカーボンゲルは、平均粒径が2〜50nmの一次粒子からなるものであり、より好ましくは平均粒径が4〜20nmの一次粒子からなるものである。カーボンゲルを構成する一次粒子の平均粒径が2nm未満では、細孔の大きさが担持成分の大きさよりも小さくなることが多くなり、吸着性が低下してしまい、他方、50nmを超えると、比表面積の低下を招き、吸着性が低下してしまう。
また、本発明にかかるカーボンゲルは、前記一次粒子からなる凝集体であり、吸脱着等温線から計算された細孔径分布において、(iii−1)分布ピークトップの細孔径値が1nm以上10nm未満の範囲に存在する場合には該細孔径値(d)に対してd±2nmの細孔径領域に全細孔容量の60%以上が含まれており、また、(iii−2)分布ピークトップの細孔径値が10nm以上50nm以下の範囲に存在する場合には該細孔径値(D)に対して(0.75×D)〜(1.25×D)nmの細孔径領域に全細孔容量の60%以上が含まれるものである。細孔径の均一性がこれより悪いと、酵素等の担持に最適な細孔径以外の細孔の成分が多くなり、得られる効果が低減する。
さらに、本発明にかかるカーボンゲルの前記分布ピークトップの細孔径値は1〜20nmであることが好ましい。カーボンゲルの前記細孔径値が1nm未満では、細孔の大きさが担持成分の大きさよりも小さくなることが多くなり、吸着性が低下してしまい、他方、50nmを超えると、比表面積の低下を招き、吸着性が低下してしまう。また、カーボンゲルの前記細孔径値が20nmを超えると、一部のタンパク質を担持する際に不都合が生じ易くなる傾向にある。
なお、担持成分の担持量の低減を防止する観点から、本発明にかかるカーボンゲルの前記分布ピークトップの細孔径値は担持成分の平均分子径より大きいことが好ましく、担持成分の平均分子径の1〜1.25倍程度であることがより好ましい。
また、本発明にかかるカーボンゲルの比表面積は、100m2/g以上であることが好ましく、500〜1000m2/gであることが更に好ましい。カーボンゲルの比表面積が100m2/g未満の場合には、担持成分との接触面積の低下及び担持成分を取り込む細孔の減少が生じ、吸着性が低いものとなってしまう傾向にある。
更に、本発明にかかるカーボンゲルの全細孔容量は、上記比表面積及び前記分布ピークトップの細孔径値によっても変動するため特に制限されないが、0.1〜50ml/gであることが好ましく、0.2〜2.5ml/gであることがより好ましい。
本発明にかかるカーボンゲルの比表面積及び細孔容量は、以下に述べる一般的な容量法測定により求めることができる。すなわち、カーボンゲルを容器に入れて液体窒素温度(−196℃)に冷却し、容器内に窒素ガスを導入して容量法によりその吸着量を求める。次いで、導入する窒素ガスの圧力を徐々に変化させることで、各平衡圧に対する窒素ガスの吸着量をプロットして窒素吸脱着等温線を得る。この窒素吸脱着等温線を用い、SPE(Subtracting Pore Effect)法により比表面積及び細孔容量を算出することができる(K.Kaneko, C.Ishii, M.Ruike, H.Kuwabara, Carbon 30, 1075, 1986)。上記SPE法とは、αS−プロット法、t−プロット法等によってミクロ細孔解析を行い、ミクロ細孔の強いポテンシャル場の効果を取り除いて比表面積等を算出する方法であり、ミクロ細孔性多孔体の比表面積等の算出においてBET法よりも精度の高い方法である。また、細孔径分布及び分布ピークトップの細孔径値は、上記で得られた窒素吸脱着等温線からBJH解析により計算することで求めることができる(Barrett E.P., Joyner L.G., Halenda
P.H., Journal of American Chemical Society 73, 373, 1951)。
以上説明した本発明にかかるカーボンゲルを製造する方法は特に制限されず、従来公知の方法を用いて本発明にかかるカーボンゲルを適宜得ることが可能である。このようなカーボンゲルの製造方法としては、例えば、以下に説明する方法が挙げられる。
すなわち、先ず、例えば、R.W.Pekala et al., J.Non-cryst.Solids, vol.145, p.90(1992)に記載の方法に準じて有機ゲルを合成する。すなわち、レゾルシノール等のフェノール類とホルムアルデヒド等のアルデヒド類をアルカリ触媒又は酸触媒の存在下で反応させ、熟成させてフェノール樹脂からなる有機ゲルを得る。次に、得られた有機ゲルを乾燥させた後、不活性雰囲気下で焼成して炭素化せしめることにより、本発明にかかるカーボンゲルを得ることが可能である。
(含窒素カーボンゲル)
本発明において担体として用いるカーボンゲルは、上述の通り、基本的に炭素からなるものであるが、その少なくとも表面近傍が含窒素炭素からなる含窒素カーボンゲルであってもよい。本発明にかかるカーボンゲルの少なくとも表面近傍が含窒素炭素となっていると、担持成分の担持量がより向上し、それら担持成分の安定性及び活性がより優れたものとなる傾向にある。
このような含窒素炭素における窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)の上限値は0.4であることが好ましく、0.3であることがより好ましい。一方、その下限値は0.01であることが好ましく、0.05であることがより好ましい。窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)が0.01未満の場合には、窒素原子が減少し、担持成分と相互作用することが可能な吸着サイトとしての機能が低下するため、窒素原子による吸着性の向上が得られなくなる傾向にある。他方、窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)が0.4を超える場合には、炭素骨格の強度が低下し、細孔構造を維持することが困難となるため、比表面積の低下を招き、吸着性が低下してしまう傾向にある。なお、このような含窒素炭素における窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)は、CHN元素分析又はXPSによって求めることができる。
このように含窒素炭素を含むカーボンゲルを製造する方法は特に制限されず、従来公知の方法を用いて適宜得ることが可能である。このような含窒素カーボンゲルの製造方法としては、例えば、以下に説明する(i)一酸化窒素を用いてカーボンゲルを構成する炭素骨格に窒素原子を導入する方法や、(ii)熱CVD法によりカーボンゲル表面に含窒素炭素を析出させる方法が挙げられる。
先ず、(i)一酸化窒素(NO)を用いてカーボンゲルを構成する炭素骨格に窒素原子を導入する方法について説明する。
このようにカーボンゲルを構成する炭素骨格への窒素原子の導入は、例えば、P.Chambrion et al., Energy & Fuels vol.11, p.681-685(1997)に記載の方法に準じて実施することが可能である。すなわち、石英反応管中にカーボンゲルを設置し、ヘリウム気流下で950℃程度に加熱する。その後、ヘリウムで希釈されたNO(濃度1000ppm程度)を反応管へ導入し、600〜900℃程度の反応温度で反応せしめる。この反応に要する反応時間に特に制限されないが、反応時間を延長すれば炭素骨格中に取り込まれる窒素の量は向上する。
次に、(ii)熱CVD法によりカーボンゲル表面に含窒素炭素を析出させる方法について説明する。
この方法は、カーボンゲルの細孔内に含窒素有機化合物を導入し、その含窒素有機化合物を熱分解せしめることによってカーボンゲル表面に含窒素炭素を析出せしめる方法である。すなわち、先ず、反応管中にカーボンゲルを設置し、窒素又はアルゴン等の不活性ガスを反応管内に導入しながら所定の温度まで加熱する。次に、加熱状態を維持したまま、気体状態の含窒素有機化合物を反応管内に導入することによって、カーボンゲルの細孔内に含窒素有機化合物を導入せしめながら、所定時間のCVD反応を行う。これによって、カーボンゲルの細孔内に炭素原子及び窒素原子により骨格が形成されている含窒素炭素を析出せしめることができる。上記熱CVD法による析出工程は、反応雰囲気が酸化雰囲気である場合には炭素の燃焼が起こるため、通常、窒素又はアルゴン等の不活性雰囲気で行われる。
ここで用いられる含窒素有機化合物としては、窒素原子を含む有機化合物であれば特に制限はなく、例えば、含窒素複素環式化合物、アミン類、イミン類、ニトリル類等が挙げられる。上記含窒素複素環式化合物としては、含窒素複素単環化合物及び含窒素縮合複素環化合物が挙げられ、含窒素複素単環化合物としては、5員環化合物であるピロール及びその誘導体、ピラゾールやイミダゾール等のジアゾール類及びその誘導体、トリアゾール類及びその誘導体、並びに、6員環化合物であるピリジン及びその誘導体、ピリダジンやピリミジンやピラジン等のジアジン類及びその誘導体、トリアジン類及び、メラミンやシアヌル酸等のトリアジン類誘導体等が挙げられる。また、含窒素縮合複素環化合物としては、キノリン、フェナントロリン、プリン等が挙げられる。
上記アミン類としては、第1級〜第3級アミン、ジアミン類、トリアミン類、ポリアミン類及びアミノ化合物等が挙げられる。第1級〜第3級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン及びトリメチルアミン等の脂肪族アミン、並びに、アニリン等の芳香族アミン及びその誘導体等が挙げられ、ジアミン類としては、エチレンジアミン等が挙げられ、アミノ化合物としては、エタノールアミン等のアミノアルコール等が挙げられる。また、上記イミン類としては、ピロリジン及びエチレンイミン等が挙げられる。さらに、上記ニトリル類としては、アセトニトリル等の脂肪族ニトリル及びベンゾニトリル等の芳香族ニトリル等が挙げられる。また、その他の含窒素有機化合物としては、ナイロン等のポリアミド類、ガラクトサミン等のアミノ糖、ポリアクリロニトリル等の含窒素高分子化合物、アミノ酸及びポリイミド類等が挙げられる。
上記熱CVD法による析出工程において、含窒素有機化合物が常温で液体状態である場合には、バブラ、マスフローポンプ等を用い、蒸気蒸発によって含窒素有機化合物を気体状態として反応管内に導入することができる。また、このときに窒素又はアルゴン等をキャリヤガスとして用いて気体状態の含窒素有機化合物の導入を行うことが好ましい。更に、一度反応管内を流通させた気体が、反応管の出口側から逆流しないように、反応管出口側に流動パラフィン等を入れたバブラを設置する等して逆流を防ぐことが好ましい。
上記含窒素有機化合物が常温で固体状態である場合には、加熱蒸発(昇華)器を反応管入口側に設置し、加熱によって含窒素有機化合物を気体状態として反応管へ導入することができる。また、このときの蒸発器の温度は、含窒素有機化合物が熱分解しない温度に調整する必要がある。
また、上記含窒素有機化合物が重合性を有する場合には、予めカーボンゲルの細孔内において重合を行っておき、その後、反応管中、不活性雰囲気下で熱分解するという方法をとることもできる。
更に、上記含窒素有機化合物が加熱によって気化しないものである場合には、溶液吸着法や蒸発乾固法等によって、カーボンゲルの細孔内に予め含窒素有機系化合物を導入し、これを不活性雰囲気下で熱分解することによって、カーボンゲルの細孔内に炭素原子及び窒素原子により骨格が形成されている含窒素炭素を析出せしめることができる。
上記熱CVD法による析出工程における反応温度は、含窒素有機化合物が熱分解及び炭素化する温度であれば特に制限されないが、300〜1000℃であることが好ましく、500〜700℃の範囲であることがより好ましい。反応温度が300℃未満の場合には、含窒素有機化合物の熱分解が起こりにくくなるため、含窒素炭素の析出速度が遅くなってしまい、反応時間及びエネルギー消費が大きくなる傾向がある。また、反応温度が1000℃を超える場合には、炭素骨格中に窒素が残留し難いため、N/C原子比が低下する傾向にある。
このような析出工程において、カーボンゲルの細孔内に析出させる含窒素炭素の析出量は、特に制限されないが、カーボンゲル1g当りの比表面積をYmとした場合、(0.0001×Y)g以上であることが好ましい。含窒素炭素の析出量が(0.0001×Y)g未満の場合には、析出量が少ないため、窒素原子による吸着性の向上が得られなくなる傾向にある。
また、上記析出量は、CVD反応時間と相関関係があり、CVD反応時間を調整することによって析出量を制御することが可能となる。更に、上記析出量は、CVD反応温度、カーボンゲルの種類、含窒素有機化合物の種類、及び含窒素有機化合物を導入する際の流量等によっても変化するが、それぞれの場合でCVD反応時間を適宜調整することによって析出量を制御することが可能となる。
(カーボンゲル複合材料)
本発明のカーボンゲル複合材料は、前述のカーボンゲル(前記含窒素カーボンゲルを含む)を担体とし、そこにタンパク質、金属錯体及び金属からなる群から選択される少なくとも一つの成分(担持成分)が担持されてなるものである。
先ず、タンパク質が担持されている本発明のカーボンゲル複合材料について説明する。ここで用いられるタンパク質としては、特に制限されず、各種の電子伝達タンパク質、各種の酸化還元酵素、各種の転移酵素、蛋白質分解酵素等の加水分解酵素(サチライシン、リパーゼ等)、カルボキシ(carboxylyase)やアルデヒド(aldehydelyase)等の脱離酵素、各種異性化酵素、リガーゼ等が挙げられる。中でも、電子の効率的授受が可能となるという観点から、電子伝達タンパク質及び酸化還元酵素からなる群から選択される少なくとも一つのタンパク質が好ましい。このような電子伝達タンパク質としては、チトクロームC、フェレドキシン等が挙げられる。また、酸化還元酵素としては、(i)電子伝達タンパク質を電子受容体又は電子供与体にする酸化還元酵素として、フェレドキシンNADPレダクターゼ、チトクロームCオキシダーゼ等、(ii)電子伝達分子(補酵素類、メチルビオロゲン類、ABTS等)を電子受容体あるいは電子供与体にする酸化還元酵素として、ラッカーゼ、ジアホラーゼ、リポキシアミドデヒドロゲナーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、グルコースオキシダーゼ(他の糖を基質にするオキシダーゼを含む)、グルコースデヒドロゲナーゼ(他に糖を基質にするデヒドロゲナーゼを含む)、(iii)その他の酸化還元酵素としてマンガンペルオキシダーゼ、等が挙げられる。
本発明のカーボンゲル複合材料においてカーボンゲルに担持されているタンパク質の量は特に制限されないが、得られるカーボンゲル複合材料においてタンパク質が十分な活性を示すようになるという観点から、酵素活性が示されれば特に制限はないが、カーボンゲル100重量部に対してタンパク質の担持量が0.01〜80重量部程度であることが好ましい。
また、カーボンゲルにタンパク質を担持せしめて本発明のカーボンゲル複合材料を得る方法も特に制限されず、昇華法、含浸法等の方法が用いることが可能であるが、以下の含浸法がより好適である。すなわち、先ず、タンパク質を沈殿が生じない濃度(好ましくは0.1mg/ml〜1000mg/ml)となるように水又は緩衝液に溶解させる。そして、その溶液が凍結することなく、またタンパク質が変性することのない温度(好ましくは0℃〜50℃)でカーボンゲルを懸濁させて、少なくとも5分以上、好ましくは30分以上タンパク質とカーボンゲルとを接触させることによりカーボンゲルの細孔内にタンパク質が固定化されて本発明のカーボンゲル複合材料が得られる。
上記溶液にカーボンゲルを懸濁させる際の濃度は特に制限されないが、0.1〜1000mg/ml程度とすることが好ましい。また、上記担持工程の後に、更に、遠心分離等を行ってカーボンゲル複合材料を溶液と分離して取り出す工程を有していてもよく、また、乾燥等を行って液体成分を除去した状態のカーボンゲル複合材料を得る工程を有していてもよい。
次に、金属錯体が担持されている本発明のカーボンゲル複合材料について説明する。ここで用いられる金属錯体としては、特に制限されず、Pt、Pd、Ru、Os、Ir、Rh、Au、Fe、Ni、Cr、Mn、Co、Cu、Ti、Zn及びVからなる群から選択される少なくとも一つの金属を中心金属としかつ有機配位子を有する金属錯体が好ましいものとして挙げられる。このような有機配位子も特に制限されないが、ポルフィリン、フタロシアニン、サレン、ビピリジル等が挙げられる。
本発明のカーボンゲル複合材料においてカーボンゲルに担持されている金属錯体の量は特に制限されないが、得られるカーボンゲル複合材料において金属錯体が十分な活性を示すようになるという観点から、カーボンゲル100重量部に対して金属錯体の担持量が0.1〜40重量部程度であることが好ましい。
また、カーボンゲルに金属錯体を担持せしめて本発明のカーボンゲル複合材料を得る方法も特に制限されないが、例えば以下の方法が好適に採用される。すなわち、先ず、前記金属錯体を溶媒に溶解及び/又は分散させた溶液を調製する。次に、その溶液にカーボンゲルを懸濁させ、溶液中の金属錯体をカーボンゲルに担持せしめて本発明のカーボンゲル複合材料が得られる。
ここで用いられる溶媒は、金属錯体を溶解及び/又は分散させることが可能なものであればよく、特に制限されないが、例えば、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム等の塩素系溶媒;メタノール、エタノール、1−ブタノール等のアルコール系溶媒;アセトン、2−ブタノン等のアルキルケトン系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族系炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒が挙げられる。
上記溶液における金属錯体の濃度は特に制限されないが、0.1〜30mM程度とすることが好ましい。また、上記溶液にカーボンゲルを溶解及び/又は分散させる際の濃度は特に制限されないが、0.1〜35mg/ml程度とすることが好ましい。
金属錯体をカーボンゲルに担持させる際の吸着方法や条件等は特に制限はなく、例えば、溶液中にカーボンゲルを投入し、10〜100℃程度で所定時間撹拌することによって金属錯体をカーボンゲルに担持させることができる。また、上記担持工程の後に、更に、遠心分離等を行ってカーボンゲル複合材料を溶液と分離して取り出す工程を有していてもよく、また、乾燥等を行って液体成分を除去した状態のカーボンゲル複合材料を得る工程を有していてもよい。
次に、金属が担持されている本発明のカーボンゲル複合材料について説明する。ここで用いられる金属としては、特に制限されず、各種の貴金属や卑金属が用いられ、このような金属がカーボンゲルに担持される際の状態としては、金属微粒子の状態であっても、金属イオンの状態であってもよい。
先ず、前記金属が金属微粒子の状態で担持されているカーボンゲル複合材料について説明する。この場合に用いられる金属としては、微粒子を形成するものであればよく、特に制限されないが、Pt、Pd、Ru、Os、Ir、Rh、Au、Fe、Ni、Cr、Mn、Co、Cu、Ti、Zn及びVからなる群から選択される少なくとも一つの金属が好ましく、中でも触媒活性等の観点からPt、Pd、Ru、Os、Ir、Rh及びAuからなる群から選択される少なくとも一つの貴金属が好ましい。
本発明のカーボンゲル複合材料における金属微粒子の平均粒径も特に制限されないが、10nm以下であることが好ましく、1〜5nmであるとより好ましい。また、本発明のカーボンゲル複合材料においてカーボンゲルに担持されている金属微粒子の量は特に制限されないが、得られるカーボンゲル複合材料において金属微粒子が十分な活性を示すようになるという観点から、カーボンゲル100重量部に対して金属微粒子の担持量が0.1〜70重量部程度であることが好ましい。
また、カーボンゲルに金属微粒子を担持せしめて本発明のカーボンゲル複合材料を得る方法も特に制限されないが、例えば以下の方法が好適に採用される。すなわち、先ず、前記金属微粒子を構成する金属(好ましくは金属塩)の溶液を調製する。次に、カーボンゲル及び前記金属溶液を含有する懸濁液を調製し、十分に攪拌混合した後、還元剤を加え、カーボンゲル表面上に金属を還元析出せしめることにより金属微粒子が担持された本発明のカーボンゲル複合材料が得られる。
ここで用いられる溶媒としては、前記金属(好ましくは金属塩)を溶解するものであればよく、特に制限されないが、水を用いることが好ましい。また、前記還元剤も特に制限されず、過酸化水素、水素化ホウ素ナトリウム等の水素化合物、次亜リン酸化合物等のリン化合物、硫化ナトリウム等のイオウ化合物、水和ヒドラジン等のヒドラジン誘導体等、従来公知の還元剤を適宜選択して使用することができる。
上記懸濁液における金属の濃度は特に制限されないが、0.01〜100mM程度とすることが好ましい。また、上記懸濁液におけるカーボンゲルの濃度も特に制限されないが、0.01〜50mg/ml程度とすることが好ましい。
前記懸濁液中の金属をカーボンゲルに担持せしめる際の吸着方法や条件等に特に制限はなく、例えば、前記懸濁液を20〜100℃程度で所定時間撹拌することによって金属をカーボンゲルに担持させることができる。また、上記担持工程の後に、更に、遠心分離等を行ってカーボンゲル複合材料を溶液と分離して取り出す工程を有していてもよく、また、乾燥等を行って液体成分を除去した状態のカーボンゲル複合材料を得る工程を有していてもよい。さらに、カーボンゲル複合材料に担持された金属を還元せしめる方法及び条件等も特に制限はなく、例えば、カーボンゲル複合材料を水素気流中で150〜300℃程度で所定時間還元せしめる方法が好適に採用される。
次に、前記金属が金属イオンの状態で担持されているカーボンゲル複合材料について説明する。この場合に用いられる金属イオンとしては、炭素骨格中の窒素原子と配位結合を形成することが可能な金属イオンであればよく、Fe、Ni、Cr、Mn、Co、Cu、Ti、Zn及びVからなる群から選択される少なくとも一つの金属が好ましい。
本発明のカーボンゲル複合材料においてカーボンゲルに担持されている金属イオンの量は特に制限されないが、得られるカーボンゲル複合材料において金属イオンが十分な活性を示すようになるという観点から、カーボンゲル100重量部に対して金属イオンの担持量が0.1〜50重量部程度であることが好ましい。
また、カーボンゲルに金属イオンを担持せしめて本発明のカーボンゲル複合材料を得る方法も特に制限されないが、例えば以下の方法が好適に採用される。すなわち、先ず、前記金属(好ましくは金属塩)を溶媒に溶解させた溶液を調製する。次に、その溶液にカーボンゲルを懸濁させ、溶液中の金属イオンをカーボンゲルに担持せしめて本発明のカーボンゲル複合材料が得られる。
ここで用いられる溶媒は、金属(好ましくは金属塩)を溶解させることが可能なものであればよく、特に制限されないが、例えば、酢酸、水、エチレングリコール、DMSO、DMF等が挙げられる。
上記溶液における金属の濃度は特に制限されないが、0.01〜100mM程度とすることが好ましい。また、上記溶液にカーボンゲルを分散させる際の濃度は特に制限されないが、0.01〜100mg/ml程度とすることが好ましい。
金属イオンをカーボンゲルに担持させる際の吸着方法や条件等は特に制限はなく、例えば、溶液中にカーボンゲルを投入し、好ましくは減圧下で25〜200℃程度で所定時間撹拌することによって金属イオンをカーボンゲルに担持させることができる。また、上記担持工程の後に、遠心分離等を行ってカーボンゲル複合材料を溶液と分離して取り出す工程を有していてもよく、また、乾燥等を行って液体成分を除去した状態のカーボンゲル複合材料を得る工程を有していてもよく、更に、カーボンゲル複合材料を不活性雰囲気(例えばAr)中で400〜1000℃程度で所定時間熱処理せしめる工程を有していてもよい。
本発明のカーボンゲル複合材料の使用方法は特に制限されず、例えば、触媒担体等の様々な用途においてその一般的な使用方法で適用することが可能である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(合成例1〜4)
先ず、R.W.Pekala et al., J.Non-cryst.Solids, vol.145, p.90(1992)に記載の方法に準じて有機ゲルを合成した。すなわち、レゾルシノール5.5g(和光純薬)及び炭酸ナトリウム26.5mg(和光純薬)を蒸留水16.9gに溶解し、その後37%ホルムアルデヒド水溶液8.1g(和光純薬)を加え、攪拌混合した。混合溶液は薄黄色透明となった。なお、上記各成分のモル比は以下の通りである。
レゾルシノール:炭酸ナトリウム:ホルムアルデヒド=200:1:400。
続いて、上記で調製した混合溶液を更に水で希釈することにより、細孔径を制御しつつ有機ゲルを得た。すなわち、上記で調製した混合溶液と共に、それを更に水で3〜12倍(体積比)に希釈した溶液を調製し(合成例1:希釈なし、合成例2:希釈倍率3倍、合成例3:希釈倍率6倍、合成例4:希釈倍率12倍)、これらの溶液をバイアル瓶に入れて密栓し、室温で24時間、50℃で24時間、更に90℃で72時間静置することで、水和された有機ゲルを得た。
次に、上記で得られた有機ゲルを、以下のようにして乾燥せしめた。すなわち、先ず、有機ゲル中の水分を除去するために交換溶媒であるアセトン(和光純薬)中に、水和された有機ゲルを浸漬した。有機ゲル中の水分がアセトン中に拡散することで、有機ゲル中の水分は完全にアセトンに置換された。この際、置換溶媒であるアセトンを数度にわたり、新品と交換することにより、さらに水分の置換率が向上した。続いて、浸漬溶媒をn−ペンタン(和光純薬)に変更し、上記と同様にして有機ゲル中のアセトンがn−ペンタンに完全に入れ替わるまで、溶媒交換−浸漬の処理を繰り返した。そして、n−ペンタンに溶媒置換された有機ゲルを風乾することで、乾燥有機ゲルを得た。
次いで、上記で得られた乾燥有機ゲルを以下のようにして炭素化せしめてカーボンゲルを得た。すなわち、乾燥有機ゲルを、窒素気流下(流量300ml/min)、1000℃で加熱することで、有機ゲルを炭素化せしめた。なお、その際の加熱時間は6時間とした。
(比較合成例1)
以下のようにして、1次元細孔型メソポーラスカーボン(MPC)を合成した。すなわち、先ず、トリブロックコポリマー(Pluonic P123)4gを30mlの水に加え、3時間撹拌して均一溶液を得た。これに120mlの2M HCl水溶液を加え、更に2時間撹拌した。この溶液に9gのオルト珪酸テトラエチルを加え、313Kにて24時間撹拌した。撹伴終了後、373Kにて48時間静置することにより、固形分が析出した。
次に、生成した固形分をろ過し、さらにイオン交換水で充分に洗浄した後に、空気中で373Kにて乾燥を行なった。さらに、得られた乾燥試料を空気中で823Kで焼成することによって有機物(P123)を分解除去し、細孔鋳型となるシリカメソ多孔体(SBA−15)を得た。
次いで、上記で得られたシリカメソ多孔体(SBA−15)1gに、5gの水に溶解したスクロース1.25gと硫酸0.14gを加えて混合し、373Kで6時間、更に433Kで6時間加熱した。硫酸の脱水作用により、スクロースの一部が炭化され、茶褐色の粉末が得られた。この反応物に、更に5gの水に溶解したスクロース0.3gと硫酸0.03gを加えて混合し、先の操作と同様に373Kで6時間、更に433Kで6時間加熱した。得られた粉末を窒素気流下、1173Kで加熱することにより、細孔内に存在するスクロースを完全に炭素化せしめた。
このようにして得られたシリカメソ多孔体炭素複合体を、室温下、5wt%のフッ酸で処理することにより、シリカ成分のみを溶解せしめ、1次元細孔型メソポーラスカーボン(MPC)を得た。
<X線回折測定(XRD)>
合成例1〜4で得られたカーボンゲル及び比較合成例1で得られたメソポーラスカーボンについてX線回折を測定したところ、合成例1〜4で得られたカーボンゲルにおいてはスキャン領域2θ=0.5〜10°(CuKα線)におけるX線回折ピークは確認されなかった。このことから、合成例1〜4で得られたカーボンゲルにおいては細孔が周期的配列構造を有しておらず、細孔が相互連結した構造になっており、3次元的なネットワーク構造を有していることが確認された。
これに対し、比較合成例1で得られたメソポーラスカーボンにおいては、2θ=0.96°に主ピーク、さらに1.68°、1.94°に弱いピークが観察された。これらのピークは2次元ヘキサゴナル構造(p6mm)に由来するピークであり、それぞれ(100)、(110)、(200)回折によるものである。それぞれのピークのd値は9.1、5.2、4.6nmとなる。またこれらのX線回折ピークは、鋳型であるSBA−15にも観察されたことから、比較合成例1で得られたメソポーラスカーボンにおいてはSBA−15の細孔構造が反映されていることが確認された。2次元ヘキサゴナル構造はシリンダー細孔の配列から形成されていることが知られており、このことから、SBA−15の細孔構造を反映した比較合成例1で得られたメソポーラスカーボンは1次元細孔を有していることが確認された。
<細孔径分布等の測定>
合成例1〜4で得られたカーボンゲルについて窒素吸脱着測定を行い、得られた窒素吸脱着等温線に基づいてカーボンゲルの細孔径分布を求めた。得られた結果は図1に示す通りであり、合成例1〜4で得られたカーボンゲルの細孔径は2〜15nmの範囲に存在しており、またその分布形状から、いずれのカーボンゲルも分布ピークトップの細孔径値に対し、分布ピークトップの細孔径値が1nm以上10nm未満の範囲においては該細孔径値(d)に対してd±2nmの範囲に、また分布ピークトップの細孔径値が10nm以上50nm以下の範囲においては該細孔径値(D)に対して(0.75×D)〜(1.25×D)nmの範囲に全細孔容量の60%以上が含まれる細孔均一性の高いものであることが確認された。また、合成例1〜4で得られたカーボンゲルの分布ピークトップの細孔径値及び一次粒子の平均粒径は表1に示す通りであった。
また、比較合成例1で得られたメソポーラスカーボンについても同様に細孔径分布を求めたところ、合成例2で得られたカーボンゲルと同様の形状であり、またその分布ピークトップの細孔径値は7.5nmであった。
Figure 0004844865
(実施例1及び比較例1〜2)
酵素として白色腐朽菌由来のマンガンペルオキシダーゼ(MnP、分子径6.8nm)を蒸留水に溶解し、酵素濃度が1mg/mlの酵素溶液を調製した。次に、多孔体として実施例1においては合成例2で得られたカーボンゲル、比較例1においては比較合成例1で得られたメソポーラスカーボン(MPC)を用い、各多孔体200mgに酵素溶液10mlをそれぞれ加え、4℃で緩やかに一晩混和して酵素を多孔体に固定化せしめた。このようにして酵素を固定した多孔体を遠心分離により酵素溶液から分離・回収し、5mlの蒸留水(洗浄液)で3回洗浄を繰り返した。
<酵素の固定化量及び漏出量の測定>
固定化前後の酵素溶液中の酵素量を280nmの吸光度により求め、その結果に基づいて得られた多孔体に固定化された酵素の量を算出した。また、上記の洗浄液中に漏出した酵素量も同様に測定した。得られた結果を表2に示す。
表2に示した結果から明らかな通り、合成例2で得られたカーボンゲル及び比較合成例1で得られたメソポーラスカーボンのいずれにも十分量の酵素(MnP)が固定化され、漏出量も同程度であった。
Figure 0004844865
<固定化された酵素の熱安定性試験>
多孔体に固定化された酵素(MnP)(実施例1、比較例1)、並びに酵素溶液(比較例2)の熱安定性を以下のようにして評価した。すなわち、先ず、10mgの酵素を固定化した多孔体を0.5mlの50mMコハク酸緩衝液(pH=4.5)に懸濁せしめ、60℃で所定時間(30分又は60分)熱処理した後、氷中で十分冷却し、遠心分離により多孔体を回収した(実施例1、比較例1)。
また、同様にMnPを1mg/mlの濃度で50mMコハク酸緩衝液(pH=4.5)に溶解した酵素溶液を準備し、この酵素溶液を60℃で熱処理した後、氷中で十分冷却した(比較例2)。
次に、これらの多孔体及び酵素溶液それぞれに、基質溶液(0.5mM MnSO、2mM シュウ酸ナトリウム、0.1mM H、25mM コハク酸緩衝液(pH=4.5))を1ml添加し、37℃で15分間撹拌した後、冷却し、上清の270nmの吸光度を測定することにより残存活性を求めた。なお、60℃での熱処理を施さなかった場合についても同様に測定し、熱処理前の活性に対する相対活性として残存活性を求めた。得られた結果を表3に示す。
表3に示した結果から明らかな通り、多孔体に固定化しなかった比較例2で得られた酵素溶液においては30分の熱処理により酵素は殆ど失活していたのに対し、合成例2で得られたカーボンゲル及び比較合成例1で得られたメソポーラスカーボンのいずれに固定化した場合も酵素の熱安定性は十分に高かった。
Figure 0004844865
<固定化された酵素の比活性試験>
多孔体として実施例1においては合成例2で得られたカーボンゲル、比較例1においては比較合成例1で得られたメソポーラスカーボン(MPC)を用い、前記と同様にして50mgの酵素(MnP)を100mgの多孔体に固定化した試料を得た。次に、酵素を固定化した多孔体をガラスカラム(5mmφ)に充填し、基質溶液(0.5mM MnSO、2mM シュウ酸ナトリウム、0.1mM H、25mM コハク酸緩衝液(pH=4.5))を様々な流速で流下し、37℃で連続的に反応を行った。みかけの反応活性は1分間にカラムから流出された反応液中に含まれる反応生成物の量を270nmの吸光度で測定することにより評価した。得られた結果を図2に示す。
図2に示した結果から明らかな通り、低流速域ではメソポーラスカーボンを用いた場合(比較例1)もカーボンゲルを用いた場合(実施例1)とほぼ同様の反応活性を示したが、基質の流下速度が上がるにしたがってメソポーラスカーボンを用いた場合(比較例1)は反応生成物量が徐々に減少した。一方、カーボンゲルを用いた場合(実施例1)は、この流速領域においても初期の活性が概ね維持され、活性に優れていることが確認された。
なお、多孔体に固定化した酵素においては、酵素自体の活性に加えて、基質や反応物の細孔内での拡散が見かけの反応活性に大きく影響する。今回の試験では低流速域における活性がほぼ同様であったことから、固定化された酵素自体の活性はほぼ同等と考えられる。しかしながら、基質等の拡散が反応律速となる高流速域で見かけの活性に違いが見られたことから、メソポーラスカーボンにおいて形成される1次元細孔に比べ、カーボンゲルにおいて形成される3次元細孔の方が、高効率で基質や反応物の拡散が起こるため、カーボンゲルを用いた場合(実施例1)の方が高流速域における反応性が高かったと考えられる。
(実施例2)
ヘキサヒドロキシ白金酸1.5gを水溶液に分散し、6%亜硫酸(HSO)水溶液を100ml投入して1時間攪拌した。その後、得られた分散液を120℃に加温したオイルバスに浸漬して残留亜硫酸を除去し、冷却してPt薬液(Pt濃度:4g/L)とした。
次に、合成例4で得られたカーボンゲル(比表面積:760m/g、細孔径分布:図3に示す、分布ピークトップの細孔径値:11.5nm)を3g秤量し、上記Pt薬液187mlを投入し、20%H水溶液を加えて120℃に加温したオイルバスに浸漬し、カーボンゲルにPtを担持せしめた。このようにしてPtを担持したカーボンゲルを、ろ過・乾燥・粉砕工程を経て水素気流中150〜500℃(好ましくは200〜400℃)で1〜3時間還元せしめ、Ptがカーボンゲルに担持されているPt/カーボンゲル触媒(A)を得た。
次いで、上記で得られたPt/カーボンゲル触媒(A)を秤量し、ポリマー含量5wt.%のNafion溶液(アルドリッチ社製、溶媒:エタノールと水との混合溶媒)と、触媒中のカーボンゲル重量とNafion溶液中のポリマー固形分の重量とが等しくなるように混合し、混練して触媒インク(A)を調製した。この触媒インク(A)を、テフロンシート(登録商標)上にPt量が0.3mg/cmとなるように塗布し、乾燥して触媒シート(A)を得た。そして、この触媒シート(A)をNafion112膜(デュポン社製、膜厚:約50μm)の片面に熱圧着した後、テフロンシートを剥離して、Nafion膜表面にカソード触媒層(cathode catalyst layer)を転写形成せしめた。
一方、前記カーボンゲルの代わりにカーボンブラック(ライオン社製、Ketjen Black、比表面積:800m/g、細孔径分布:図3に示す)を用いたこと以外は前記Pt/カーボンゲル触媒(A)を得た方法と同様にして、Pt/カーボンブラック触媒(B)を調製した。次いで、前記Pt/カーボンゲル触媒(A)の代わりにこのPt/カーボンブラック触媒(B)を用いたことと、Pt量が0.1mg/cmとなるようにしたこと以外は前記触媒シート(A)を得た方法と同様にして、触媒シート(B)を得た。そして、上記Nafion112膜のカソード触媒層を転写した面とは反対の面に、前記カソード触媒層を得た方法と同様にして触媒シート(B)を転写し、アノード触媒層(anode catalyst layer)を形成せしめた。
このようにして作製した電解質膜/電極接合体(Membrane-Electrode-Assembly、以下「MEA」という)を用いて、小型燃料電池(電極面積13cm)を作製した。
(実施例3)
カーボンゲルとして、比表面積が640m/g、分布ピークトップの細孔径値が30nm、一次粒子の平均粒径が8.5nmのものを用いたこと以外は実施例2と同様にしてMEAを作製し、そのMEAを用いて小型燃料電池を作製した。なお、このカーボンゲルにおいてはスキャン領域2θ=0.5〜10°(CuKα線)におけるX線回折ピークは確認されなかった。
(比較例3)
前記カーボンゲルの代わりに、比較合成例1で得られたメソポーラスカーボン(比表面積:780m/g)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてMEAを作製し、そのMEAを用いて小型燃料電池を作製した。
(比較例4)
カソード側の触媒として、前記Pt/カーボンゲル触媒(A)の代わりにPt/カーボンブラック触媒(B)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてMEAを作製し、そのMEAを用いて小型燃料電池を作製した。
<小型燃料電池の発電特性>
実施例2〜3及び比較例3〜4で得られた小型燃料電池の放電試験を以下のようにして行った。すなわち、アノードガスとして露点75℃の純水素ガス(圧力0.15MPa、流量100mL/min)、カソードガスとして露点65℃の空気(圧力0.15MPa、流量500mL/min)を用い、電池温度80℃の条件下で発電実験を行い、放電電流と電池電圧との関係(I−V特性)を調べた。得られた結果を図4に示す。
図4に示した結果から明らかな通り、本発明のカーボンゲル複合材料(実施例2〜3)を電極触媒とした燃料電池においては、比較例3〜4で得られた燃料電池に比べて高い電圧特性を示すことが確認された。このように本発明のカーボンゲル複合材料によって高い電圧特性が達成された要因として、本発明者らは以下のように推察する。
(i)比較例3で用いたメソポーラスカーボンにおいては孔が1次元的な構造であるため、Nafionや燃料電池反応の生成水によって孔の入り口が塞がれた場合に酸素等の反応物質の供給が妨げられやすい。一方、本発明にかかるカーボンゲルは3次元的な細孔ネットワーク構造を有しているため、細孔閉塞の影響を受けにくい。
(ii)比較例4においてカーボンブラックを使用した場合、表面積の多くの部分を占めている1nm以下の細孔内にはPt触媒は基本的に担持されず、また担持されたとしてもNafionが進入することができないのでそのPtは有効に活用されない。そのため、同じ担体表面積のカーボンゲルを用いた場合に比べ、カーボンブラックを用いた場合は実質的なPtの表面積が小さくなり、電圧特性が低下する。
(実施例4)
カーボンゲル(比表面積:680m/g、分布ピークトップの細孔径値:3nm、一次粒子の平均粒径:8.2nm)を秤量し、ナスフラスコに移した。次に、2.9mg/L濃度のCo−テトラフェニルポルフィリン(CoTPP)/トルエン溶液を調製し、上記カーボンゲル1gあたり400mLの前記溶液を上記ナスフラスコに投入した。そして、得られた分散液を50℃で湯浴させながら減圧して溶媒を除去し、さらに100℃で一晩乾燥させ、その後取り出して粉砕し、CoTPPがカーボンゲルに担持されているCoTPP/カーボンゲル(A)触媒を調製した。なお、このカーボンゲルにおいてはスキャン領域2θ=0.5〜10°(CuKα線)におけるX線回折ピークは確認されなかった。
(実施例5)
カーボンゲルとして、合成例1で得られたカーボンゲル(比表面積:640m/g、分布ピークトップの細孔径値:5.2nm)を用いたこと以外は実施例4と同様にしてCoTPP/カーボンゲル(B)触媒を調製した。
(実施例6)
カーボンゲルとして、合成例4で得られたカーボンゲル(比表面積:760m/g、分布ピークトップの細孔径値:11.5nm)を用いたこと以外は実施例4と同様にしてCoTPP/カーボンゲル(C)触媒を調製した。
(比較例5)
前記カーボンゲルの代わりに、カーボンブラック(ライオン社製、Ketjen Black、比表面積:800m/g、細孔径分布:図3に示す)を用いたこと以外は実施例4と同様にしてCoTPP/カーボンブラック触媒を調製した。
<酸素還元反応のモデル試験>
実施例4〜6及び比較例5で得られた各触媒をグラッシーカーボン電極(GC電極)上に分散付着させた電極(作用極)を作製し、以下のようにして酸素還元反応のモデル試験を行った。得られた結果を図5に示す。
(1)モデル実験のセル構成
試験極:作用極は以下の手順で作製した。
(i)回転電極(GC電極の見かけの表面積:0.20cm)のGC面を鏡面に研磨した。
(ii)各触媒60mgと超純水10mlとを混合し、超音波で3分間分散処理した。
(iii)得られた懸濁液15μlをGC電極に滴下後、空気中80℃にて10分間乾燥した。
(iv)得られたGC電極上にさらにNafion/エタノール水溶液を滴下し、室温で15分間乾燥させた後、80℃にて30分間真空乾燥した。このときNafion塗布量は、乾燥ポリマ重量で3.2μg程度とした。
(v)得られたGC電極を炉外で自然放冷した後に装置に取り付けた。
対極:Pt板
参照極:RHE(可逆水素電極)。
(2)モデル実験手順
(i)25°Cで一定とした水槽に、0.05M硫酸水溶液の電解液を入れた電解槽を浸した。
(ii)電解液をArのバブリングで脱気(約20分以上)した。
(iii)掃引速度:10mV/s、掃引範囲:50mV〜1000mV、電極回転数:1000rpmの条件下で、10往復電位を1サイクルとし、10往復目のボルタモグラムを記録した。
(iv)バブリングガスを酸素に切替え、30分以上ガス置換した。その後、(iii)と同様の条件下で電位掃引を繰り返した。
(v)Ar中でのボルタモグラムとの電流の差が還元側に0.2mA/cm以上になる電位を調べ、酸素飽和下での電位走査を始めてからの時間に対してプロットしていった。
図5に示した結果から明らかな通り、テトラフェニルポルフィリン(TPP、平均分子径:約1nm)が入ることが可能な大きさの細孔が少ないカーボンブラックを用いた場合(比較例5)は触媒活性が時間とともに急速に低下していくが、本発明のカーボンゲル複合材料を用いた場合(実施例4〜6)は触媒活性の低下が抑制されることが確認された。また、錯体の平均分子径の1〜1.25倍程度の大きさの細孔を多く有するカーボンゲルを用いた場合(実施例4〜5)は、触媒活性の安定度がより向上することが確認された。
以上説明したように、本発明によれば、タンパク質、金属錯体又は金属という成分を高い担持量で担持しておりかつ担持成分の安定性及び活性にも優れているカーボンゲル複合材料を得ることができる。したがって、本発明によれば、触媒等の様々な用途に対して有用なカーボンゲル複合材料を提供することが可能となる。
合成例1〜4で得られたカーボンゲルの細孔径分布を示すグラフである。 実施例1において得られたカーボンゲル複合材料と、比較例1において得られたメソポーラスカーボン複合材料との比活性を示すグラフである。 実施例2で用いたカーボンゲル及びカーボンブラックの細孔径分布を示すグラフである。 実施例2〜3及び比較例2〜3で得られた小型燃料電池の放電試験の結果を示すグラフである。 実施例4〜6及び比較例5で得られた触媒についての酸素還元反応試験の結果を示すグラフである。

Claims (7)

  1. スキャン領域2θ=0.5〜10°(CuKα線)においてX線回折ピークが認められず、平均粒径が2〜50nmの一次粒子からなり、吸脱着等温線から計算された細孔径分布において、分布ピークトップの細孔径値が1nm以上10nm未満の範囲に存在する場合には該細孔径値(d)に対してd±2nmの細孔径領域に全細孔容量の60%以上が含まれており、また分布ピークトップの細孔径値が10nm以上50nm以下の範囲に存在する場合には該細孔径値(D)に対して(0.75×D)〜(1.25×D)nmの細孔径領域に全細孔容量の60%以上が含まれるカーボンゲルと、
    前記カーボンゲルに担持されている、酸化還元酵素及び電子伝達タンパク質からなる群から選択される少なくとも一つのタンパク質と、
    を備えることを特徴とするカーボンゲル複合材料。
  2. 前記カーボンゲルの前記分布ピークトップの細孔径値が1〜20nmであることを特徴とする請求項1に記載のカーボンゲル複合材料。
  3. 前記カーボンゲルの前記分布ピークトップの細孔径値が前記担持成分の平均分子径の1〜1.25倍であることを特徴とする請求項1又は2に記載のカーボンゲル複合材料。
  4. 前記カーボンゲルの比表面積が100m/g以上であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載のカーボンゲル複合材料。
  5. 前記カーボンゲルの全細孔容量が0.1〜50ml/gであることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載のカーボンゲル複合材料。
  6. 前記カーボンゲルの少なくとも表面近傍が含窒素炭素からなるものであることを特徴とする請求項1〜のうちのいずれか一項に記載のカーボンゲル複合材料。
  7. 前記含窒素炭素における窒素原子と炭素原子との原子比(N/C)が0.01〜0.4であることを特徴とする請求項に記載のカーボンゲル複合材料。
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