JP4844229B2 - 半導体装置およびその製造方法ならびに電子機器 - Google Patents
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Description
また、本発明の目的は、上記に記載の半導体装置を有する電子機器を提供することにある。
(1)半導体素子と基板または半導体素子と半導体素子とが接着剤を介して接合されており、前記半導体素子と、凹凸を有する前記基板とをボンディングワイヤーで電気的に接続した後に、前記半導体素子およびボンディングワイヤーを覆うように封止樹脂で封止してなる半導体装置であって、前記封止樹脂は、無機充填材を含有しており、前記接着剤は、熱硬化性樹脂と液状の硬化剤とを含む樹脂組成物で構成され、前記封止樹脂を封止する封止温度での弾性率が6MPa以上のものであり、前記半導体素子と前記基板との間における前記凹凸への前記接着剤の埋め込み性は、80%以上、100%以下であることを特徴とする半導体装置。
(2)前記接着剤は、ワイヤーボンディングする温度での弾性率が、5MPa以上である上記(1)に記載の半導体装置。
(3)前記接着剤は、130℃での溶融粘度が100Pa・s以下である上記(1)または(2)に記載の半導体装置。
(4)前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を含むものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の半導体装置。
(5)前記熱硬化性樹脂の含有量は、前記樹脂組成物全体の60〜85重量%である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の半導体装置。
(6)前記樹脂組成物は、さらに硬化触媒を含むものである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の半導体装置。
(7)前記硬化触媒は、イミダゾール化合物を含むものである上記(6)に記載の半導体装置。
(8)前記硬化触媒の融点が、150℃以上である上記(6)または(7)に記載の半導体装置。
(9)上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の半導体装置を有することを特徴とする電子機器。
(10)半導体素子と、凹凸を有する基板とを接着剤を介して仮接合体を得る仮接合工程と、前記仮接合体の前記半導体素子と前記基板とをボンディングワイヤーで電気的に接続するワイヤーボンディング工程と、前記半導体素子およびボンディングワイヤーを覆うように、無機充填材を含有する封止樹脂で封止する封止工程とを有し、前記接着剤は、熱硬化性樹脂と液状の硬化剤とを含む樹脂組成物で構成され、前記封止樹脂を封止する封止温度での弾性率が6MPa以上であるものを用いることを特徴とする半導体装置の製造方法。
(11)前記仮接合工程において、前記仮接合体での、前記半導体素子と前記基板との間における前記凹凸への前記接着剤の埋め込み性を、80%以上、100%以下にする上記(10)に記載の半導体装置の製造方法。
(12)さらに、前記仮接合体を構成する前記接着剤を所定の硬化度まで仮硬化させ、該接着剤の弾性率を5Mpa以上とする第1硬化工程を有するものである上記(10)または(11)に記載の半導体装置の製造方法。
(13)前記接着剤として、130℃での溶融粘度が100Pa・s以下であるものを用いる上記(10)ないし(12)のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(14)前記封止工程の後に、さらに前記封止樹脂を硬化すると共に、前記接着剤を前記硬化度以上に本硬化する第2硬化工程を有するものである上記(10)ないし(13)のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
また、本発明によれば、上記に記載の半導体装置を有する電子機器を得ることができる。
本発明の半導体装置は、半導体素子と基板または半導体素子と半導体素子とが接着剤を介して接合されており、前記半導体素子と、前記基板とをボンディングワイヤーで電気的に接続した後に、前記半導体素子およびボンディングワイヤーを覆うように封止樹脂で封止してなる半導体装置であって、前記封止樹脂は、無機充填材を含有しており、前記接着剤は、前記封止樹脂を封止する封止温度での弾性率が6MPa以上のものであることを特徴とする。
また、本発明の半導体装置の製造方法は、半導体素子と、基板とを接着剤を介して仮接合体を得る仮接合工程と、前記仮接合体の前記半導体素子と前記基板とをボンディングワイヤーで電気的に接続するワイヤーボンディング工程と、前記半導体素子およびボンディングワイヤーを覆うように封止樹脂で封止する封止工程とを有し、前記接着剤は、前記封止樹脂を封止する封止温度での弾性率が6MPa以上であるものを用いることを特徴とする。
図1は、本発明の半導体装置の製造方法のフロー図である。
図2ないし5は、本発明の半導体装置の製造工程を示す断面図である。
仮接合工程では、図2に示すように予め接着フィルム1が貼付された半導体素子3と、基板2とを仮接合して仮接合体10’を得る(図3)。また、仮接合工程では、接着フィルム1を基板2の凹凸に埋め込む(初期埋め込み)を行う。仮接合は、具体的には基板2、接着フィルム1および半導体素子3を順次搭載し、熱プレスにて熱圧着して行う。ここで、接着フィルム1は、予め半導体素子3に接合していても良いし、基板2に接合していても良い。
仮接合の条件は、特に限定されないが、80〜250℃×0.01〜10MPaで、0.1〜100秒間プレスする条件が挙げられる。
この接着フィルム1の130℃での溶融粘度は、特に限定されないが、100Pa・s以下であることが好ましく、特に50〜80Pa・sであることが好ましい。溶融粘度が前記範囲内であると、特に仮接合時における初期埋め込み性に優れる。
このように、130℃での接着フィルムの溶融粘度が前記範囲内であると初期埋め込み性に優れる理由は、下記の通りである。
接着フィルム1の130℃での溶融粘度が前記上限値以下であると、基板と半導体素子等を熱圧着する時の流動性に優れ、接着フィルム1が基板に設けられた回路との間の空隙(凹凸)の充填性(埋め込み性)に優れる。一方、130℃での溶融粘度が前記下限値以上であると、必要以上に半導体用接着フィルムがフローしてしまうことを抑制できるため半導体素子を汚染する危険が低くなる。さらに、接着フィルム1を加熱硬化させる場合に、接着フィルム1が基板から発生するガス成分を巻き込むことによるボイドの発生を抑制できる。
前記熱硬化性樹脂としては、例えばフェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、スチルベン型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。これらの中でもエポキシ樹脂が好ましい。これにより、耐熱性および密着性をより向上することができる。
前記融点は、例えば示差走査熱量計を用いて、常温から昇温速度5℃/分で昇温した結晶融解の吸熱ピークの頂点温度で評価することができる。
前記硬化剤としては、例えばジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、メタキシレリレンジアミン(MXDA)等の脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン(DDM)、m−フェニレンジアミン(MPDA)、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)等の芳香族ポリアミン、ジシアンジアミド(DICY)、有機酸ジヒドララジド等を含むポリアミン化合物等のアミン系硬化剤、ヘキサヒドロ無水フタル酸(HHPA)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸(MTHPA)等の脂環族酸無水物(液状酸無水物)、無水トリメリット酸(TMA)、無水ピロメリット酸(PMDA)、ベンゾフェノンテトラカルボン酸(BTDA)等の芳香族酸無水物等の酸無水物系硬化剤、フェノール樹脂等のフェノール系硬化剤が挙げられる。これらの中でもフェノール系硬化剤が好ましく、具体的にはビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)メタン(通称テトラメチルビスフェノールF)、4,4’−スルホニルジフェノール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタンおよびこれらの内ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフェニル)メタンの3種の混合物(例えば、本州化学工業(株)製、ビスフェノールF−D)等のビスフェノール類、1,2−ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジオール、1,4−ベンゼンジオール等のジヒドロキシベンゼン類、1,2,4−ベンゼントリオール等のトリヒドロキシベンゼン類、1,6−ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類の各種異性体、2,2’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール等のビフェノール類の各種異性体等の化合物が挙げられる。
前記硬化触媒としては、例えばイミダゾール類、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン等アミン系触媒、トリフェニルホスフィン等リン系触媒等が挙げられる。これらの中でもイミダゾール類が好ましい。これにより、特に速硬化性と保存性を両立することができる。
前記イミダゾール類としては、例えば1−ベンジル−2メチルイミダゾール、1−ベンジル−2フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−ウンデシルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−エチル−4'メチルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1')]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−ビニル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物等が挙げられる。これらの中でも2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾールまたは2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールが好ましい。これにより、保存性を特に向上することができる。
融点が150℃以上の硬化触媒としては、例えば2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えばポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等のポリイミド系樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等のポリアミド系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの中でもアクリル系樹脂が好ましい。アクリル系樹脂は、ガラス転移温度が低いため接着フィルムの初期埋め込み性をより向上することができる。
また、アクリル系樹脂の中でもエポキシ基、水酸基、カルボキシル基、ニトリル基等を持つ化合物(共重合モノマー成分)を有するアクリル系樹脂(特に、アクリル酸エステル共重合体)が好ましい。これにより、半導体素子等の被着体への密着性をより向上することができる。前記官能基を持つ化合物として、具体的にはグリシジルエーテル基を持つグリシジルメタクリレート、水酸基を持つヒドロキシメタクリレート、カルボキシル基を持つカルボキシメタクリレート、ニトリル基を持つアクリロニトリル等が挙げられる。
前記カップリング剤としてはシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらの中でもシラン系カップリング剤が好ましい。これにより、耐熱性をより向上することができる。
接着フィルム1の厚さは、特に限定されないが、3〜100μmが好ましく、特に5〜70μmが好ましい。厚さが前記範囲内であると、特に厚さ精度の制御を容易にできる。なお、接着フィルム1の特性については、後述する。
第1硬化工程では、仮接合体10’を加熱処理等して接着フィルム1を構成する樹脂組成物を所定の硬化度まで仮硬化する。これにより、後述するワイヤーボンディング工程でのワイヤー接着力を向上することができる。
具体的に所定の硬化度とは、例えば接着フィルム1を示差熱量計で測定して得られる全硬化発熱量の50〜80%の発熱を終えた状態である場合をいう。
また、前記第1硬化工程を経た後の接着フィルム1の175℃(例えばワイヤーボンディングする温度)での弾性率は、特に限定されないが、5.0MPa以上とすることが好ましく、特に6.0〜8.0MPaとすることが好ましい。これにより、ワイヤーボンディング性を向上することができる。
前記第1硬化工程は、接着フィルム1を構成する樹脂組成物の組成によっては不要であるが、後述するワイヤーボンディング工程の安定性の観点では、第1硬化工程を有することが好ましい。
ワイヤーボンディング工程では、半導体素子3の電極(不図示)と、基板2の電極(不図示)とをボンディングワイヤー4で電気的に接続する(図4)。
ボンディングワイヤー4の接続は、例えばEAGLE60(ASM製)等を用いて行うことができる。
ここで、ワイヤーボンディング工程は、通常150〜250℃の温度で行われる。そこで、初期埋め込み性に優れるような接着フィルム1の場合、接着フィルム1の弾性率が低い傾向があり、接着フィルム1がクッションとなりワイヤーボンディング強度が低下し、不良の原因となる場合がある。そのため、前述の第1硬化工程により、接着フィルム1の硬化度をある程度向上させることが好ましい。
ここで、ワイヤーボンディングする温度(例えば150〜200℃)での接着フィルム1の弾性率は、特に限定されないが、5MPa以上であることが好ましく、特に6.0〜8.0MPaとすることが好ましい。これにより、ワイヤーボンディング性を向上することができる。
封止工程では、半導体素子3および半導体素子3の電極と基板2の電極とを接合しているボンディングワイヤー4を覆うように封止樹脂で封止する。これにより、半導体素子3を保護、絶縁性および防湿性を向上することができる。封止条件は、例えばトランスファー成形機を用いて、150〜200℃、50〜100kg/mm2の高温、高圧で行われる。
従来の接着剤では、封止工程で封止樹脂に含まれる充填材が半導体素子と基板の間(または半導体素子が複数積層される場合は、半導体素子間)の接着剤に混入してしまい、半導体素子の割れや欠け等の不良を発生する場合があった。
この原因について検討した結果、本発明者らは封止工程(封止温度)において接着剤(本実施の形態では、接着フィルム1に相当)が軟化し、かつ圧力がかかるために充填材が混入しやすくなっていることを見出した。そこで、本発明は、半導体素子と基板とまたは半導体素子と半導体素子とを接合する接着剤の封止温度での弾性率を6MPa以上とすることを特徴とする。これにより、封止する温度においても接着剤がある程度の硬さを有しているために、充填材が混入することを防止できるものである。
具体的に封止温度での弾性率は、12MPa以上が特に好ましく、15〜50MPaが最も好ましい。このような弾性率は、例えば動的粘弾性測定装置(DMA)で測定することができる。
前記弾性率は、例えばセイコーインスツルメント社製動的粘弾性装置を用い、昇温3℃/min、周波数10Hzで動的粘弾性を測定し、貯蔵弾性率を測定した。
前記熱硬化性樹脂としては、例えばフェノール樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂等が使用できるが、通常エポキシ系樹脂が使用される。その含有量としては、例えば封止樹脂5全体の5〜50重量%であることが好ましい。
第2硬化工程では、封止樹脂5を硬化すると共に、接着フィルム1を前記硬化度以上に本硬化する。これにより、最終的な半導体装置10を得ることができる。
第2硬化条件は、封止樹脂5が硬化し、かつ接着フィルム1の硬化が促進される条件であれば特に限定されないが、例えば100〜160℃×5〜180分間が好ましく、特に120〜130℃×10〜100分間が好ましい。
半導体装置10は、基板2と半導体素子3とが接着フィルム1を介して接合されている。
基板2の電極(不図示)と、半導体素子3の電極(不図示)とは、ボンディングワイヤー4で電極的に接続されている。
半導体素子3とボンディングワイヤー4とは、封止樹脂5によって封止されている。
基板2としては、例えばガラス繊維にエポキシ樹脂を含浸した基板、ポリイミド基板およびビスマレイミド−トリアジン樹脂基板等を用いることができる。
このように、接着フィルム1を用いると初期埋め込み性に優れ、かつ封止工程での半導体素子の損傷を低減することができる。
また、本実施の形態では、基板と半導体素子とを接合する場合について説明したが、これに限定されず、半導体素子と半導体素子とを接合するために使用しても良い。
されるものではない。
まず、接着フィルムの実施例および比較例について説明する。
1.接着フィルム樹脂ワニスの調製
熱可塑性樹脂(A)としてアクリル酸エステル共重合体(エチルアクリレート−アクリロニトリル−グリシジルメタクリレート−N,Nジメチルアクリルアミド共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−80HDR、Tg:10℃、重量平均分子量:350,000)19.92重量%と、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(EOCN−1020−80(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)19.32重量%と、NC6000(エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)29.08重量%、硬化剤として液状フェノール化合物(MEH−8000H、水酸基当量141g/OH基、明和化成(株)製)21.91重量%、固形フェノール樹脂(PR−HF−3、水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト(株)製)9.36重量%、硬化促進剤(E)としてイミダゾール化合物(2P4MHZ−PW、四国化成工業(株)製、融点195℃)0.15重量%、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業(株)製)0.26重量%をメチルエチルケトン(MEK)に溶解して樹脂固形分49%の樹脂ワニスを得た。
コンマコーターを用いて上述の樹脂ワニスを、基材フィルム(I)であるポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)製、品番MRX50、厚さ50μm)に塗布した後、90℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの接着フィルムを得た。
なお、得られた接着フィルム(基材フィルム無し)を120℃で1時間処理後の175℃(後述するワイヤーボンディングする温度)での弾性率は、10MPaであった。
また、得られた接着フィルム(基材フィルム無し)を硬化した後(175℃×2時間熱処理後)の175℃(後述する封止樹脂の封止温度)での弾性率は、45MPaであった。
ここで弾性率は、セイコーインスツルメント社製動的粘弾性装置を用い、予めフィルム状接着剤に前述の処理を行った後、昇温3℃/min、周波数10Hzで動的粘弾性を測定し、175℃での貯蔵弾性率を測定した。
接着フィルムの130℃での溶融粘度は、80Pa・sであった。
接着フィルムの樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
熱可塑性樹脂(A)としてアクリル酸エステル共重合体(エチルアクリレート−アクリロニトリル−グリシジルメタクリレート−N,Nジメチルアクリルアミド共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−80HDR、Tg:10℃、重量平均分子量:350,000)29.87重量%と、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(EOCN−1020−80(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)16.93重量%と、NC6000(エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)25.49重量%、硬化剤として液状フェノール化合物(MEH−8000H、水酸基当量141g/OH基、明和化成(株)製)19.12重量%、固形フェノール樹脂(PR−HF−3、水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト(株)製)8.17重量%、硬化促進剤(E)としてイミダゾール化合物(2P4MHZ−PW、四国化成工業(株)製、融点195℃)0.15重量%、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業(株)製)0.26重量%をメチルエチルケトン(MEK)に溶解して樹脂固形分49%の樹脂ワニスを得た。
なお、得られた接着フィルムを120℃で1時間処理後の175℃での弾性率は、8MPaであった。
また、得られた接着フィルムを硬化した後(175℃×2時間熱処理後)の175℃での弾性率は、30MPaであった。
接着フィルムの130℃での溶融粘度は、100Pa・sであった。
接着フィルム樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
熱可塑性樹脂(A)としてアクリル酸エステル共重合体(エチルアクリレート−アクリロニトリル−グリシジルメタクリレート−N,Nジメチルアクリルアミド共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−80HDR、Tg:10℃、重量平均分子量:350,000)19.92重量%と、硬化性樹脂としてエポキシ樹脂(EOCN−1020−80(オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂)、エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)19.32重量%と、NC6000(エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)29.08重量%、硬化剤として液状フェノール化合物(MEH−8000H、水酸基当量141g/OH基、明和化成(株)製)21.91重量%、固形フェノール樹脂(PR−HF−3、水酸基当量104g/OH基、住友ベークライト(株)製)9.36重量%、硬化促進剤(E)としてイミダゾール化合物(2PZ−CN、四国化成工業(株)製)0.15重量%、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業(株)製)0.26重量%をメチルエチルケトン(MEK)に溶解して樹脂固形分49%の樹脂ワニスを得た。
なお、得られた接着フィルムを120℃で1時間処理後の175℃での弾性率は、12MPaであった。
また、得られた接着フィルムを硬化した後(175℃×2時間熱処理後)の175℃での弾性率は、48MPaであった。
接着フィルムの130℃での溶融粘度は、80Pa・sであった。
接着フィルム樹脂ワニスの配合を以下のようにした以外は、実施例1と同様にした。
熱可塑性樹脂(B)としてアクリル酸共重合体(エチルアクリレート−ブチルアクリレート−アクリロニトリル−アクリル酸−ヒドロキシエチルメタクリレート共重合体、ナガセケムテックス(株)製、SG−708−6DR、Tg:6℃、重量平均分子量:800,000)19.92重量%と、熱硬化性樹脂としてクレゾールノボラックエポキシ樹脂(EOCN−1020−80、エポキシ当量200g/eq、日本化薬(株)製)5.97重量%と、硬化促進剤としてイミダゾール化合物(2PHZ−PW、四国化成工業(株)製、平均粒径約2μm、分解温度330℃)0.04重量%と、カップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(KBM403E、信越化学工業(株)製)0.20重量%とを用いた。
なお、得られた接着フィルムを120℃で1時間処理後の175℃での弾性率は、1MPaであった。
また、得られた接着フィルムを硬化した後(175℃×2時間熱処理後)の175℃での弾性率は、12MPaであった。
接着フィルムの130℃での溶融粘度は、1,100Pa・sであった。
1.耐熱性
得られた接着フィルムの耐熱性は、熱機械分析(TMA)により硬化後の接着フィルムのガラス転移温度(Tg)で評価した。
得られた接着フィルムの保存性は、加速試験として接着フィルムを50℃で1日間処理した後の硬化発熱量を測定し、初期硬化発熱量(mJ/mg)に対する保存処理後の硬化発熱量(mJ/mg)の百分率で評価した。単位は%。この値が100%に近いほど保存性が高いことを示す。硬化発熱量の評価は、示差走査熱量計(DSC)を用いた。
◎:硬化発熱量の比が、90%以上である。
○:硬化発熱量の比が、70%以上〜90%未満である。
△:硬化発熱量の比が、50%以上〜70%未満である。
×:硬化発熱量の比が、50%未満である。
また、実施例1および2の接着フィルムは、保存性にも特に優れていた。
(実施例1a〜実施例3a)
(1)半導体用接着フィルムの製造
各実施例で得られた接着フィルム樹脂ワニスをコンマコーターで、基材フィルム(I)であるポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱化学ポリエステルフィルム(株)社製、品番MRX50、厚さ50μm)に塗布した後、90℃、5分間乾燥して、厚さ25μmの半導体用接着フィルムを得た。
基材フィルム(II)としてクリアテックCT−H717((株)クラレ製)を、押し出し機で、厚み100μmのフィルムに形成し、表面をコロナ処理した。次に、アクリル酸2−エチルヘキシル50重量部、アクリル酸ブチル10重量部、酢酸ビニル37重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル3重量部とを共重合して得られた重量平均分子量500,000の共重合体を剥離処理した厚さ38μmのポリエステルフィルム(粘着層のカバーフィルムに相当)に乾燥後の厚さが10μmになるように塗工し、80℃で5分間乾燥し、粘着剤層を得た。その後、この粘着剤層を基材フィルム(II)のコロナ処理面にラミネートして基材フィルム(II)および粘着剤層を得た。
上述の半導体用接着フィルム(基材フィルム(I)付きの接着フィルム)のフィルム状接着剤層のみ(ウエハーと接合される部分のみ残す)をハーフカットし、上述の粘着層からカバーフィルムを剥離して、半導体用接着フィルムの接着フィルム層と粘着層とが接合するように貼り付けた。これにより、基材フィルム(II)、粘着剤層、接着フィルム、基材(I)とがこの順に構成されてなるダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムを得た。
このダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムの基材(I)を剥離して、接着フィルム面を5インチ200μmウエハーの裏面に温度40℃、圧力0.3MPaで貼り付けし、ダイシングシート機能付きダイアタッチフィルムが付いたウエハーを得た。
その後、このウエハーを、ダイシングソーを用いて、スピンドル回転数30,000rpm、切断速度50mm/secで5mm×5mm角の半導体素子のサイズにダイシング(切断)した。次に、ダイシング機能付きダイアタッチフィルムの裏面から突上げし、粘着剤層と接着フィルムとの間で剥離し接着剤層(接着フィルム)が接着した半導体素子を得た。この半導体素子を、ソルダーレジスト(太陽インキ製造(株)製:商品名:AUS308)をコーティングしたビスマレイミド−トリアジン樹脂基板(回路段差5〜10μm)に、130℃、5N、1.0秒間圧着して、ダイボンディングし、120℃、1時間熱処理を行い、接着フィルム部を半硬化させた、175℃でワイヤーボンディングした後、175℃で封止樹脂EME−G760を封止し、175℃で2時間熱処理を行い、封止樹脂を硬化させて10個の半導体装置を得た。
接着フィルムとして、比較例1で得られた接着フィルムを用いた以外は、実施例1aと同様にした。
初期埋め込み性(回路充填性)は、各実施例および比較例で得られる樹脂封止前の半導体装置を、走査型超音波探傷機(SAT)により、有機基板上の回路段差内に半導体用接着フィルムが充填されている率を評価した。各符号は、以下の通りである。
◎:充填率が、90%以上、100%であった。
○:充填率が、80%以上、90%未満であった。
△:充填率が、40%以上、80%未満であった。
×:充填率が、40%未満であった。
各実施例および比較例での、接着フィルムを厚み550μmのウエハー裏面に温度40℃、圧力0.3MPaで貼り付け後の180°ピール強度を評価した。
◎:ピール強度が、100N/m以上であった。
○:ピール強度が、50N/m以上、100N/m未満であった。
△:ピール強度が、30N/m以上、50N/m未満であった。
×:ピール強度が、30N/m未満であった。
封止樹脂で半導体素子とボンディングワイヤーを封止後、半導体装置の断面観察により
接着フィルムに充填材が入り混んでいないかを顕微鏡により観察した。各符号は、以下の通りである。
◎:接着フィルム中への充填材の混入が、ほとんど無かった。
×:接着フィルム中へ充填材が混入し、一部の半導体素子で割れ等があった。
また、実施例1および3の半導体装置では、接着フィルムの初期埋め込み性に特に優れていた。
2 基板
3 半導体素子
4 ボンディングワイヤー
5 封止樹脂
10’ 仮接合体
10 半導体装置
Claims (14)
- 半導体素子と基板または半導体素子と半導体素子とが接着剤を介して接合されており、
前記半導体素子と、凹凸を有する前記基板とをボンディングワイヤーで電気的に接続した後に、前記半導体素子およびボンディングワイヤーを覆うように封止樹脂で封止してなる半導体装置であって、
前記封止樹脂は、無機充填材を含有しており、
前記接着剤は、熱硬化性樹脂と液状の硬化剤とを含む樹脂組成物で構成され、前記封止樹脂を封止する封止温度での弾性率が6MPa以上のものであり、
前記半導体素子と前記基板との間における前記凹凸への前記接着剤の埋め込み性は、80%以上、100%以下であることを特徴とする半導体装置。 - 前記接着剤は、ワイヤーボンディングする温度での弾性率が、5MPa以上である請求項1に記載の半導体装置。
- 前記接着剤は、130℃での溶融粘度が100Pa・s以下である請求項1または2に記載の半導体装置。
- 前記熱硬化性樹脂は、エポキシ樹脂を含むものである請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体装置。
- 前記熱硬化性樹脂の含有量は、前記樹脂組成物全体の60〜85重量%である請求項1ないし4のいずれかに記載の半導体装置。
- 前記樹脂組成物は、さらに硬化触媒を含むものである請求項1ないし5のいずれかに記載の半導体装置。
- 前記硬化触媒は、イミダゾール化合物を含むものである請求項6に記載の半導体装置。
- 前記硬化触媒の融点が、150℃以上である請求項6または7に記載の半導体装置。
- 請求項1ないし8のいずれかに記載の半導体装置を有することを特徴とする電子機器。
- 半導体素子と、凹凸を有する基板とを接着剤を介して仮接合体を得る仮接合工程と、
前記仮接合体の前記半導体素子と前記基板とをボンディングワイヤーで電気的に接続するワイヤーボンディング工程と、
前記半導体素子およびボンディングワイヤーを覆うように、無機充填材を含有する封止樹脂で封止する封止工程とを有し、
前記接着剤は、熱硬化性樹脂と液状の硬化剤とを含む樹脂組成物で構成され、前記封止樹脂を封止する封止温度での弾性率が6MPa以上であるものを用いることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記仮接合工程において、前記仮接合体での、前記半導体素子と前記基板との間における前記凹凸への前記接着剤の埋め込み性を、80%以上、100%以下にする請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
- さらに、前記仮接合体を構成する前記接着剤を所定の硬化度まで仮硬化させ、該接着剤の弾性率を5Mpa以上とする第1硬化工程を有するものである請求項10または11に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記接着剤として、130℃での溶融粘度が100Pa・s以下であるものを用いる請求項10ないし12のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
- 前記封止工程の後に、さらに前記封止樹脂を硬化すると共に、前記接着剤を前記硬化度以上に本硬化する第2硬化工程を有するものである請求項10ないし13のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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