JP4842654B2 - 輻射パネル用空調システムの制御方法 - Google Patents
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Description
また、水熱源ヒートポンプ式の輻射冷暖房が行われ、温水又は冷水を輻射パネルに流して冷暖房する輻射空調方式も利用され、輻射パネルの結露を未然に防止するものも知られている(例えば、特許文献3)。
この方式では空間に必要な熱の最大負荷を考慮して送水温度を設定しているが、季節の中間期等、負荷が少ない場合、室温が設定温度になると、ヒートポンプを停止するか、三方弁でバイパスし、輻射パネルへの送水を止めるようにしている。
したがって、送水停止により輻射の効果がなくなり、また輻射空調運転時間における輻射パネルの停止時間が長くなり、快適性が損なわるおそれがある。
特開平06−257835号公報に示す例では、輻射パネルと除湿器とを直列に接続し、輻射パネルの結露状態を結露センサで検出し、その信号により、結露の状態になった場合、除湿器運転を行い、結露状態ではない時に輻射パネル運転を行うように冷媒を流す回路としている(特許文献4)。
前記移行過程において、冷房運転に移行したとき、
前記第1の所定値が、−1より大であり、
前記第2の所定値が、−1以下であり、
前記第3の所定値が、−1より大、かつ、0以下であり、
前記第4の所定値が、0より大、かつ、1未満であり、
前記第5の所定値が、1以上であり、
前記第6の所定値が、−1であること、
を特徴とする構成を有している。
また、請求項2記載の発明は、熱交換器への熱媒流量を弁の開度により制御して熱交換し、輻射冷暖房用輻射パネルに熱媒用ポンプで熱媒を循環供給する制御方法であって、
熱媒温度及び室温を設定する過程と、
冷房及び暖房のいずれかを判断し、冷房運転及び暖房運転のいずれかに移行する移行過程と、
検知した室温と設定した上記室温との差が第1の所定値及び第2の所定値のいずれであるかを判断する過程と、
上記検知した室温と設定した室温との差が上記第1の所定値である場合、当該検知した室温と設定した室温との差が、第3の所定値であるとき熱媒温度を増加させ、第4の所定値であるとき熱媒温度をそのままとし、第5の所定値であるとき熱媒温度を減少させ、熱媒温度を新たに設定する過程と、
上記検知した室温と設定した室温との差が上記第2の所定値である場合、上記弁の開度を一定に制御する制御過程と、
検知した熱媒温度と上記増減及びそのままに設定された熱媒温度との差が、第6の所定値でないとき上記弁の開度制御をし、第6の所定値と等しいとき上記弁の開度を一定に制御する制御過程と、
を備え、
前記移行過程において、暖房運転に移行したとき、
前記第1の所定値が、1より小であり、
前記第2の所定値が、1以上であり、
前記第3の所定値が、−1以上であり、
前記第4の所定値が、−1より大、かつ、0未満であり、
前記第5の所定値が、0以上、かつ、1未満であり、
前記第6の所定値が、1であること、
を特徴とする構成を有している。
請求項5記載の発明は、移行過程において、暖房運転に移行したとき、第1の所定値が、1より小であり、第2の所定値が、1以上であり、第3の所定値が、−1以上であり、第4の所定値が、−1より大、かつ、0未満であり、第5の所定値が、0以上、かつ、1未満であり、第6の所定値が、1であること、を特徴とするものである。
請求項7記載の発明は、移行過程において冷房運転に移行しているとき、検知した室温及び湿度から露点を算出する過程と、検知した熱媒温度と算出した露点との差が、第1の所定値であるとき熱媒温度を増加させて熱媒用ポンプを運転し、第2の所定値であるときそのまま熱媒用ポンプの運転をし、第3の所定値であるとき熱媒用ポンプの運転を停止する過程と、を備える構成を有している。
請求項8記載の発明は、第1の所定値が、0より大、かつ、1以下であり、第2の所定値が、1より大であり、第3の所定値が、0以下であること、を特徴とするものである。
なお、上記のS1〜S37は後記の図3及び図4のS1〜S37を示す。
なお、上記のS61〜S79は後記の図11のS61〜S79を示す。
特に、コンプレッサーなどで流体抵抗を低減する熱媒が、好ましい。
先ず、本発明の第1の実施形態に係る輻射パネル用空調システムの制御方法を適用する輻射パネル用空調システムの装置構成について説明する。
図1は輻射パネル用空調システムの概略装置構成図である。
図1を参照して、輻射パネル用空調システム10は、水熱源ヒートポンプ式空調機1と、水−冷媒熱交換器20を介して設けられた輻射パネル30と、送水ポンプ28と、熱源機25と、この熱源機25から供給される熱源水と熱交換する水熱交換器16と、各空調機1及び熱源機25を制御するシステムコントローラ(図示せず)とを備え、水熱交換器16及び水−冷媒熱交換器20が各空調機1に設けられており、熱源水が配管で形成された水循環回路4により各水熱交換器16を循環するようになっている。
水循環回路4(熱源水配管)は、各空調機1への配管損失抵抗を均等にして、各空調機1への基準水量を確保し、熱源水流量が変動しないように逆管水式の配管法が採られている。
冷房負荷と暖房負荷とが混在しているとき、例えば、一台の空調機が暖房運転をし、残りが冷房運転しているとき、暖房運転の空調機1は、熱源水から熱を奪って運転しているが、その熱量は他の一台の冷房運転している空調機1が熱源水に放出する熱量とほぼ同じである。
したがって、このような場合には、二台の空調機が相互に熱をやり取りしたことになり、クーリングタワー24の稼動は半分ですむ。
さらに冬期の場合、ほとんどの空調機1は暖房運転しているが、コンピュータ室や日の当たる所では冷房運転する必要があり、このような場合でも冷房運転している空調機1の排熱を暖房に有効利用できる。
以下、説明の便宜上、一台の空調機に絞り、本実施形態に係る輻射パネル用空調システムを詳細に説明する。
輻射パネル用空調システム10は、冷媒回路2と、第1水循環回路4と、第2水循環回路6と、制御系8とを備える。
第2水循環回路6は、第2水熱交換器20、送水ポンプ28、輻射パネル30及び水温センサ32を直列に有して冷水(冷房時)又は温水(暖房時)の一循環回路を構成して、第2水熱交換器20で冷媒と熱交換可能になっている。
なお、後記の図5及び図6の第2水熱交換器20についても同様で、出口は三方弁46側にするのが好ましい。
なお、第1水循環回路4及び第2水循環回路6の矢印は、水の循環方向を示す。
第1の実施形態では、圧縮機、減圧弁及び熱交換器を有して冷媒を循環させる冷媒回路と、この冷媒回路と熱交換可能な冷温水循環回路を有する輻射冷暖房用輻射パネルに熱媒用ポンプで循環供給する熱媒を制御する方法であって(図2)、熱媒温度及び室温を設定する過程と(S1、S2)、冷房及び暖房のいずれかを判断し、冷房運転及び暖房運転のいずれかに移行する移行過程と(S3)、検知した室温と設定した室温との差が第1の所定値及び第2の所定値のいずれであるかを判断する過程と(S4、S12)、検知した室温と設定した室温との差が第1の所定値である場合(S5、S13)、検知した室温と設定した室温との差が、第3の所定値であるとき熱媒温度を増加させ(S6、S16)、第4の所定値であるとき熱媒温度をそのままとし(S7、S15)、第5の所定値であるとき熱媒温度を減少させ(S8、S14)、熱媒温度を新たに設定する過程と(S6〜S8、S14〜S16)、検知した室温と設定した室温との差が第2の所定値である場合(S4、S12)、圧縮機を停止する過程と(S10、S18)、検知した熱媒温度と増減及びそのままに設定された熱媒温度との差が(S9、S17)、第6の所定値でないとき圧縮機を運転し(S11、S19)、第6の所定値と等しいとき圧縮機を停止する過程と(S10、S18)、を備えるものである。
以下、図2及び図3を参照して詳細に説明する。
図2及び図3を参照して、第1の実施形態に係る輻射パネル用空調システムの制御方法は、先ず、輻射パネル30への送水温度を設定する(ステップS1)。
夏の冷房時の運転には、送水温度を、例えば16℃に設定し、冬の暖房時の運転には、送水温度を、例えば34℃に設定する。
設定された送水温度及び室温は、図2に示すコントローラ36が記憶し、コントローラ36は、プログラムされた本発明の制御方法により、設定された送水温度及び室温に基づいて圧縮機12を制御する。
この冷暖房の判断は、室温センサ34で検知した温度とコントローラ36が記憶している室温設定とを比較し、例えば室温センサ34で検知した温度が26℃以上であれば、冷房と判断し、22℃以下であれば暖房と判断する。
ここで、室温は室温センサ34で検知した温度であり、設定温度はステップS2で設定した冷房時の室温である。
ΔTが、ΔT≦−1℃のとき、圧縮機12を停止する(ステップS10)。
ΔTが、ΔT>−1℃のとき、ΔTの判断処理に進む(ステップS5)。
ΔTが、0℃<ΔT<1℃のとき、送水温度をそのまま[送水温度]に設定する(ステップS7)。
ΔTが、1℃≦ΔTのとき、送水温度を1℃下げ、[送水温度−1℃]に設定する(ステップS8)。
ここで、送水温度は水温センサ32で検知した温度であり、設定温度は直前のステップで設定した冷水の送水温度である。
ΔSが、ΔS=−1℃のとき、圧縮機12を停止する(ステップ10)。
ΔSが、ΔS≠−1℃とき、圧縮機12の運転を続け(ステップ11)、ステップS3に戻る。
ここで、室温は室温センサ34で検知した温度であり、設定温度はステップS2で設定した暖房時の室温である。
ΔTが、ΔT≧+1℃のとき、圧縮機12を停止する(ステップS18)。
ΔTが、ΔT<+1℃のとき、ΔTの判断処理をする(ステップS13)。
ΔTが、−1℃<ΔT<0℃のとき、送水温度をそのまま[送水温度]に設定する(ステップS15)。
ΔTが、−1℃≦ΔTのとき、送水温度を1℃上げ、[送水温度+1℃]に設定する(ステップS16)。
ここで、送水温度は水温センサ32で検知した温度であり、設定温度は直前のステップで設定した温水の送水温度である。
ΔSが、ΔS=+1℃のとき、圧縮機12を停止する(ステップS18)。
ΔSが、ΔS≠+1℃のとき、圧縮機12の運転を続け(ステップS19)、ステップS3に戻る。
したがって、第1の実施形態では、できる限り連続運転を行えるようになるので、輻射空調の快適性を損なうことがなく、また送水温度を変更することにより圧縮機入力を少なくできるので、省エネルギーを図りながら輻射空調を行うことができる。
以下、図2及び図4を参照して詳細に説明する。
図2及び図4を参照して、第2の実施形態に係る輻射パネル用空調システムの制御方法は、先ず、輻射パネル30への送水温度を設定する(ステップS21)。
夏の冷房時の運転には、送水温度を、例えば16℃に設定し、冬の暖房時の運転には、送水温度を、例えば34℃に設定し、冷暖兼用時には、例えば、24℃に設定する。
冷房時の室温設定を、例えば26℃に、暖房時の室温設定を、例えば22℃に、冷暖兼用時の室温設定を、例えば24℃に設定する。
設定された送水温度及び室温は、図2に示すコントローラ36が記憶し、コントローラ36は、プログラムされた本発明の制御方法により、設定された送水温度及び室温に基づいて圧縮機12を制御する。
この冷暖房の判断は、室温センサ34で検知した温度とコントローラ36が記憶している室温設定とを比較し、例えば室温センサ34で検知した温度が26℃以上であれば、冷房と判断し、22℃以下であれば暖房運転と判断し、22℃以上、26℃以下であれば冷暖兼用と判断する。
また冷暖兼用の時、送水設定温度を24℃として圧縮機12をインバータ制御により、[送水温度−0.5℃]を目標値としてPID制御を行い、ステップS24に進む。
また第1水熱交換器16には、冷房運転時には、温水ボイラ22が休止し、クーリングタワー24が動作して、例えば32℃の水が循環して凝縮器として機能し、暖房運転時には、温水ボイラ22が動作し、クーリングタワー24が休止して、例えば25℃の水が循環して蒸発器として機能する。
ここで、室温は室温センサ34で検知した温度であり、設定温度はステップS22で設定した冷房時の室温である。
なお、冷暖兼用の時、室温は室温センサ34で検知した温度であり、設定温度はステップS22で設定した冷暖兼用時の室温である。
ΔTが、ΔT>−1℃のとき、ΔT及び圧縮機のインバータ運転周波数の判断処理に進む(ステップS25)。
運転周波数が39Hz以下で、ΔTが、|ΔT|≦0.5℃のとき、又は、運転周波数が40Hz以上のとき、送水温度をそのまま[送水温度]に設定する(ステップS27)。
運転周波数が39Hz以下で、ΔTが、0.5℃<ΔTのとき、送水温度を1℃下げ、[送水温度−1℃]に設定する(ステップS28)。
そして、圧縮機の運転処理をし(ステップS29)、ステップ23に進む。
ここで、室温は室温センサ34で検知した温度であり、設定温度はステップS22で設定した暖房時の室温である。
ΔTが、ΔT≧+1℃のとき、圧縮機12を停止する(ステップS37)。
ΔTが、ΔT<+1℃のとき、ΔT及び運転周波数の判断処理をする(ステップS32)。
運転周波数が39Hz以下で、ΔTが、|ΔT|≦0.5℃のとき、又は、運転周波数が40Hz以上のとき、送水温度をそのまま[送水温度]に設定する(ステップS34)。
運転周波数が39Hz以下で、ΔTが、ΔT<−0.5℃のとき、送水温度を1℃上げ、[送水温度+1℃]に設定する(ステップS35)。
そして、圧縮機の運転処理をし(ステップS36)、ステップS23に進む。
先ず、空調機の装置構成を説明する。
図5は除湿機能付き輻射パネル用空調システムの概念図である。
図5に示す除湿機能付き輻射パネル用空調システム40は、図2で示した輻射パネル用空調システム10に、送風機42と、除湿用熱交換器44と、三方弁46とを追加したものであり、除湿用熱交換器44を使用しないときは、三方弁46の切り替えにより冷媒がバイパス可能になっている。
図5に示した空調機40では、図2又は図3に示した輻射パネル運転と同時に除湿用熱交換器44の除湿量制御を行う。
この除湿量制御は、除湿用熱交換器44の負荷に応じて送風機42の送風量を変え、又は冷媒量を変える制御を行う。
さらに、コントローラ36は、除湿用熱交換器44の負荷に基づいて圧縮機12及び送風機42を制御する。
このとき、圧縮機の運転回転数は、輻射パネル制御用の回転数と除湿用の回転数とを加えた回転数として運転する。
除湿量を変えたい場合は、除湿用の送風機の送風量を変えるか、除湿用に必要とする圧縮機の回転数を変えることにより冷媒量を変えればよい。
暖房運転時には、送風機42を停止して除湿用熱交換器44での室内空気との熱交換を行わないので、三方弁46により除湿用熱交換器44をバイパスする。
なお、図6中、54は、バイパス用の逆止弁を示す。
除湿用熱交換器44の除湿量と再熱用熱交換器52の再熱量の制御は、コントローラ36が、負荷に応じて送風機42の送風量を変え、又は冷媒量を変える制御を行う。
さらに、コントローラ36は、除湿用熱交換器44及び再熱用熱交換器52の負荷に基づいて圧縮機12及び送風機42を制御する。
さらに、冷却かつ除湿された室内空気は、送風機42によって再熱用熱交換器52に送風され、冷媒と熱交換して再熱された後、室内に送風される。
暖房運転時には、送風機42を停止して除湿用熱交換器44及び再熱用熱交換器52での室内空気との熱交換を行わないので、除湿用熱交換器44及び再熱用熱交換器52を三方弁46及び逆止弁54でバイパスする。
第3の実施形態では、冷房運転のとき(S41)、検知した室温及び湿度(S42)から露点を算出する過程と(S43)、検知した熱媒温度と算出した露点との差が(S44)、第1の所定値であるとき熱媒温度を増加させて(S45)圧縮機を運転し(S46)、第2の所定値であるとき圧縮機の運転をし(S46)、第3の所定値であるとき圧縮機の運転を停止する過程と(S47)を備える。
以下、図7を参照して詳細に説明する。
図7を参照して、第3の実施形態に係る結露防止制御方法は、先ず、冷房運転開始か否かを判断する(ステップS41)。
この判断は、図3のステップS3又は図4のステップS23と同様の処理であり、室温センサ34で検知した温度とコントローラ36が記憶している室温設定とを比較し、例えば室温センサ34で検知した温度が26℃以上であれば、冷房運転開始と判断する。
そして、測定した室温及び湿度から露点を算出する(ステップS43)。
ここで、送水温度は、図3のステップS1又は図4のステップS21で設定したものであり、露点はステップS43で算出した値である。
ΔWが、0<ΔW≦1℃のとき、送水温度を1℃上げ、[送水温度+1℃]に設定し(ステップS45)、送水ポンプ28の運転処理をして(ステップS46)、ステップS42に進む。
ΔWが、1℃<ΔWのとき、送水ポンプ28の運転処理をして(ステップ46)、ステップS42に進む。
このとき、送水温度と室内空気の露点温度との比較により、露点温度以上になるようにして、送水温度を上げるようにするために圧縮機の回転数を変化させる。
ΔWが、ΔW≦0℃のとき、送水ポンプ28を停止する(ステップS47)。
したがって、本実施形態では、輻射パネルの送水制御と除湿制御とを同時にすることにより、輻射空調運転と除湿運転を同時に行うことができる。
また、本実施形態では、輻射パネルの送水制御と除湿再熱制御とを同時にすることにより、輻射空調運転と除湿再熱運転を同時に行うことができる。
このように本実施形態では、空調機停止により快適性を損なうことがない。
第1〜第3の実施形態は、水熱源ヒートポンプ式の輻射パネル用空調システムであるが、第4の実施形態として中央熱源式の輻射パネル用空調システムを説明する。
なお、S61〜S79は図11中のS61〜S79を示す。
以下、第4の実施形態を図8〜図12により詳細に説明する。
図8〜図10を参照して、中央熱源式輻射パネル用空調システム60は、冷温水発生器、冷凍機、ボイラー等を備えた中央熱源機(図示せず)から、例えば四管式で冷水又は温水を輻射パネルに供給して輻射空調をするものであり、中央熱源機(図示せず)と、ステーション62と、輻射パネル30と、第1電磁三方弁64と、第2電磁三方弁66とを有し、ステーション62は、第1熱交換器72と、第2熱交換器74と、送水ポンプ73とを備え、コントローラ36によって、第1電磁三方弁64、第2電磁三方弁66及び送水ポンプ73が水温センサ32、室温センサ34及び湿度センサ35の信号に基づいて制御されている。
ここで、三方弁として電磁式の電磁三方弁を例に挙げたが、電磁式でなくとも弁を制御駆動可能であればよく、例えば空圧式、電動式の三方弁でもよい。
また、冷水回路78は、送水ポンプ79、第2電磁三方弁66及び第2熱交換器74を直列に有して冷水の一循環回路を構成しており、第2電磁三方弁66は、第2熱交換器74へ流す冷水流量とバイパスさせる冷水流量とを弁の開度制御により調節可能になっている。
図8に示した中央熱源式輻射パネル用空調システム60では、三個所のステーション62と、三台の輻射パネル30とを有している。
以下、中央熱源式輻射パネル用空調システムの装置構成を詳細に説明する。
第1電磁三方弁64及び第2電磁三方弁66の弁の開度は、コントローラ36が水温センサ32の信号に基づいてPID制御しており、例えば、第2電磁三方弁66の開度を制御して7℃の冷水の流量を制御することにより、第2熱交換器74で熱交換後の輻射パネル30を流れる冷水の送水温度を16℃に制御し、また、第1電磁三方弁64の開度を制御して45℃の温水の流量を制御することにより、第1熱交換器で熱交換後の輻射パネル30を流れる温水の送水温度を34℃に制御するようになっている。
このとき、冷水回路78は7℃の冷水を供給しているが、第2電磁三方弁66の開度制御により流量を、20SLM(標準状態ntp質量流量、20リットル/分を意味する。以下「SLM」の意味同様)流して、残りをバイパスさせ、第2熱交換器74にて7℃の冷水が熱交換して13℃の水になり、輻射パネル30には、16℃の冷水が60SLM循環して、輻射パネル30を18℃に冷やす。
このとき、温水回路76は45℃の温水を供給しているが、第1電磁三方弁64の開度制御により流量を、13.3SLM流して、残りをバイパスさせ、第1熱交換器72にて45℃の温水が熱交換して36℃の水になり、輻射パネル30には、34℃の温水が60SLM循環して、輻射パネル30を32℃に温める。
図11は第4の実施形態に係る中央熱源式輻射パネル用空調システムの制御方法のフローチャートである。
図11に示すフローチャートは、図3のフローチャートの圧縮機運転(ステップS11、ステップS19)又は圧縮機停止(ステップS10、ステップS18)が、第1若しくは第2電磁三方弁の開度制御(ステップS71、ステップS79)又は第1若しくは第2電磁三方弁の開度一定制御(ステップS70、ステップ78)に変わるだけで、同様の制御を行っている。
夏の冷房時の運転には、送水温度を、例えば16℃に設定し、冬の暖房時の運転には、送水温度を、例えば34℃に設定する。
設定された送水温度及び室温は、図9又は図10に示すコントローラ36が記憶し、コントローラ36は、プログラムされた本発明の制御方法により、設定された送水温度及び室温に基づいて第1電磁三方弁64及び第2電磁三方弁66の弁の開度を制御する。
この冷暖房の判断は、室温センサ34で検知した温度とコントローラ36が記憶している室温設定とを比較し、例えば室温センサ34で検知した温度が26℃以上であれば、冷房と判断し、22℃以下であれば暖房と判断する。
ここで、室温は室温センサ34で検知した温度であり、設定温度はステップS62で設定した冷房時の室温である。
ΔTが、ΔT≦−1℃のとき、第2電磁三方弁66の弁の開度を一定に制御、つまり、そのままにする(ステップS70)。
ΔTが、ΔT>−1℃のとき、ΔTの判断処理に進む(ステップSS5)。
ΔTが、0℃<ΔT<1℃のとき、送水温度をそのまま[送水温度]に設定する(ステップS67)。
ΔTが、1℃≦ΔTのとき、送水温度を1℃下げ、[送水温度−1℃]に設定する(ステップS68)。
ここで、送水温度は水温センサ32で検知した温度であり、設定温度は直前のステップで設定した冷水の送水温度である。
ΔSが、ΔS=−1℃のとき、第2電磁三方弁66の弁の開度を一定に制御、つまり、そのままにする(ステップS70)。
ΔSが、ΔS≠−1℃とき、第2電磁三方弁66の弁の開度を制御して所定流量の冷水を分流し(ステップ11)、ステップS63に戻る。
ここで、室温は室温センサ34で検知した温度であり、設定温度はステップS62で設定した暖房時の室温である。
ΔTが、ΔT≧+1℃のとき、第1電磁三方弁64の弁の開度を一定に制御、つまり、そのままにする(ステップS78)。
ΔTが、ΔT<+1℃のとき、ΔTの判断処理をする(ステップS73)。
ΔTが、−1℃<ΔT<0℃のとき、送水温度をそのまま[送水温度]に設定する(ステップS75)。
ΔTが、−1℃≦ΔTのとき、送水温度を1℃上げ、[送水温度+1℃]に設定する(ステップS76)。
ここで、送水温度は水温センサ32で検知した温度であり、設定温度は直前のステップで設定した温水の送水温度である。
ΔSが、ΔS=+1℃のとき、第1電磁三方弁64の弁の開度を一定に制御、つまり、そのままにする(ステップS78)。
ΔT又はΔSの温度範囲及び送水温度の上げ下げの程度は例示であり、ここに掲げた値に限られるものではない。
また、開度一定には、開度0も含まれる。
したがって、第4の実施形態では連続運転を行えるので、輻射空調の快適性を損なうことがなく、省エネルギーを図りながら輻射空調を行うことができる。
図12を参照して、二方弁を使用して冷水又は温水の流路を切り替える空調システムでは、温水回路76と冷水回路78とを切り替える二方弁82、83、84、85と、熱交換器80へ分配する流量を制御する、例えば電磁三方弁88とを有し、二方弁82と二方弁83とが切り替わると同時に、二方弁84と二方弁85とが切り替わり、熱交換器80へ温水又は冷水が所定流量供給可能になっている。
例えば、冷房時には、二方弁82、84が閉、二方弁83、85が開であり、暖房時には、二方弁82、84が開、二方弁83、85が閉である。
このとき、送水温度と室内空気の露点温度との比較により、露点温度以上になるようにして、送水温度を上げるようにするために、第2電磁三方弁66の開度を変化させる。
またPMV値も快適とされる、−0.5〜+0.5の間になるような運転が得られる結果を得ている。
4 第1水循環回路
6 第2水循環回路
8 制御系
10 輻射パネル用空調システム
11 アキュームレータ
12 圧縮機
14 四方弁
16 第1水熱交換器
18 減圧弁
20 第2水熱交換器
22 温水ボイラ
24 クーリングタワー
26、28、73、77、79 送水ポンプ
30 輻射パネル
32 水温センサ
34 室温センサ
35 湿度センサ
36 コントローラ
40 除湿機能付き輻射パネル用空調システム
42 送風機
44 除湿用熱交換器
46 三方弁
50 除湿再熱機能付き輻射パネル用空調システム
52 再熱用熱交換器
54 逆止弁
60 中央熱源式輻射パネル用空調システム
62 ステーション
64 第1電磁三方弁
66 第2電磁三方弁
70 輻射水循環回路
72 第1熱交換器
74 第2熱交換器
76 温水回路
78 冷水回路
80 熱交換器
81 制御二方弁
82、83、84、85 二方弁
88 電磁三方弁
Claims (8)
- 熱交換器への熱媒流量を弁の開度により制御して熱交換し、輻射冷暖房用輻射パネルに熱媒用ポンプで熱媒を循環供給する制御方法であって、
熱媒温度及び室温を設定する過程と、
冷房及び暖房のいずれかを判断し、冷房運転及び暖房運転のいずれかに移行する移行過程と、
検知した室温と設定した上記室温との差が第1の所定値及び第2の所定値のいずれであるかを判断する過程と、
上記検知した室温と設定した室温との差が上記第1の所定値である場合、当該検知した室温と設定した室温との差が、第3の所定値であるとき熱媒温度を増加させ、第4の所定値であるとき熱媒温度をそのままとし、第5の所定値であるとき熱媒温度を減少させ、熱媒温度を新たに設定する過程と、
上記検知した室温と設定した室温との差が上記第2の所定値である場合、上記弁の開度を一定に制御する制御過程と、
検知した熱媒温度と上記増減及びそのままに設定された熱媒温度との差が、第6の所定値でないとき上記弁の開度制御をし、第6の所定値と等しいとき上記弁の開度を一定に制御する制御過程と、
を備え、
前記移行過程において、冷房運転に移行したとき、
前記第1の所定値が、−1より大であり、
前記第2の所定値が、−1以下であり、
前記第3の所定値が、−1より大、かつ、0以下であり、
前記第4の所定値が、0より大、かつ、1未満であり、
前記第5の所定値が、1以上であり、
前記第6の所定値が、−1であること、
を特徴とする輻射パネル用空調システムの制御方法。 - 熱交換器への熱媒流量を弁の開度により制御して熱交換し、輻射冷暖房用輻射パネルに熱媒用ポンプで熱媒を循環供給する制御方法であって、
熱媒温度及び室温を設定する過程と、
冷房及び暖房のいずれかを判断し、冷房運転及び暖房運転のいずれかに移行する移行過程と、
検知した室温と設定した上記室温との差が第1の所定値及び第2の所定値のいずれであるかを判断する過程と、
上記検知した室温と設定した室温との差が上記第1の所定値である場合、当該検知した室温と設定した室温との差が、第3の所定値であるとき熱媒温度を増加させ、第4の所定値であるとき熱媒温度をそのままとし、第5の所定値であるとき熱媒温度を減少させ、熱媒温度を新たに設定する過程と、
上記検知した室温と設定した室温との差が上記第2の所定値である場合、上記弁の開度を一定に制御する制御過程と、
検知した熱媒温度と上記増減及びそのままに設定された熱媒温度との差が、第6の所定値でないとき上記弁の開度制御をし、第6の所定値と等しいとき上記弁の開度を一定に制御する制御過程と、
を備え、
前記移行過程において、暖房運転に移行したとき、
前記第1の所定値が、1より小であり、
前記第2の所定値が、1以上であり、
前記第3の所定値が、−1以上であり、
前記第4の所定値が、−1より大、かつ、0未満であり、
前記第5の所定値が、0以上、かつ、1未満であり、
前記第6の所定値が、1であること、
を特徴とする輻射パネル用空調システムの制御方法。 - 圧縮機、減圧弁及び熱交換器を有して冷媒を循環させる冷媒回路と、この冷媒回路と熱交換可能な冷温水循環回路を有する輻射冷暖房用輻射パネルに熱媒用ポンプで循環供給する熱媒を制御する方法であって、
熱媒温度及び室温を設定する過程と、
冷房及び暖房のいずれかを判断し、冷房運転及び暖房運転のいずれかに移行する移行過程と、
検知した室温と設定した上記室温との差が第1の所定値及び第2の所定値のいずれであるかを判断する過程と、
上記検知した室温と設定した室温との差が上記第1の所定値である場合、当該検知した室温と設定した室温との差が、第3の所定値であるとき熱媒温度を増加させ、第4の所定値であるとき熱媒温度をそのままとし、第5の所定値であるとき熱媒温度を減少させ、熱媒温度を新たに設定する過程と、
上記検知した室温と設定した室温との差が上記第2の所定値である場合、上記圧縮機を停止する過程と、
検知した熱媒温度と上記増減及びそのままに設定された熱媒温度との差が、第6の所定値でないとき圧縮機を運転し、第6の所定値と等しいとき圧縮機を停止する過程と、
を備える輻射パネル用空調システムの制御方法。 - 前記移行過程において、冷房運転に移行したとき、
前記第1の所定値が、−1より大であり、
前記第2の所定値が、−1以下であり、
前記第3の所定値が、−1より大、かつ、0以下であり、
前記第4の所定値が、0より大、かつ、1未満であり、
前記第5の所定値が、1以上であり、
前記第6の所定値が、−1であること、
を特徴とする請求項3記載の輻射パネル用空調システムの制御方法。 - 前記移行過程において、暖房運転に移行したとき、
前記第1の所定値が、1より小であり、
前記第2の所定値が、1以上であり、
前記第3の所定値が、−1以上であり、
前記第4の所定値が、−1より大、かつ、0未満であり、
前記第5の所定値が、0以上、かつ、1未満であり、
前記第6の所定値が、1であること、
を特徴とする請求項3記載の輻射パネル用空調システムの制御方法。 - 前記冷媒回路が送風機を有するとともに、再熱用熱交換器及び除湿器用熱交換器のいずれか、或いは両方を備えており、
上記再熱用熱交換器の再熱量の制御が、負荷に応じて送風量及び冷媒量のいずれか、或いは両方を変更可能な制御であり、
上記除湿器用熱交換器の除湿量の制御が、負荷に応じて送風量及び冷媒量のいずれか、或いは両方を変更可能な制御であり、
同時に、前記輻射冷暖房用輻射パネルの熱媒温度を制御可能であることを特徴とする請求項3に記載の輻射パネル用空調システムの制御方法。 - 前記移行過程において冷房運転に移行しているとき、
検知した室温及び湿度から露点を算出する過程と、
検知した熱媒温度と上記算出した露点との差が、第1の所定値であるとき熱媒温度を増加させて熱媒用ポンプを運転し、第2の所定値であるときそのまま熱媒用ポンプの運転をし、第3の所定値であるとき熱媒用ポンプの運転を停止する過程と、
を備えることを特徴とする請求項1、3、4及び6のいずれかに記載の輻射パネル用空調システムの制御方法。 - 前記第1の所定値が、0より大、かつ、1以下であり、
前記第2の所定値が、1より大であり、
前記第3の所定値が、0以下であること、
を特徴とする請求項7記載の輻射パネル用空調システムの制御方法。
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