<参考例1>
以下、センサシステムを、ファイバセンサに適用した参考例1について、図1〜図6を参照しつつ説明する。なお、前後方向については、図1の左上方(奥方)を前方として説明する。
本参考例のセンサシステム100は、図1に示すように、断面略コ字状をなすレールLを跨って隣接して配置される複数(例えば、3個)のセンサ本体110と、それらの各センサ本体110に対して着脱自在に嵌合可能な複数(例えば、3個)のコネクタ130(130A〜130C)とからなり、このうちの電源線C1,C2の接続される親コネクタ130A(図1の左端のコネクタ)を介して電力が供給されることで、下流側(図1の右方)のセンサ本体110へと順次電力が供給されるようになっている。
1.センサ本体の構成
センサ本体110は、幅方向(並び方向)に薄幅の略直方体状をなし、図1における左上方を向いた前面には、一対の光ファイバFが各基端部をセンサ本体110内に備えられた投光及び受光の両素子111,112にそれぞれ突き合わせた状態で差し込まれており、これにより投光素子111からの光が一方の光ファイバF内を伝わって検出対象物等に照射され、その反射光が他方の光ファイバFを通って受光素子112にて受光されるようになっている。
センサ本体110後面(光ファイバFの導出面と反対側)の略下半分は、図2に示すように、後方に開放する凹部が幅方向の全体に亘って形成されるとともに、この凹部の奥壁から4本の端子121〜124が突出してなるコネクタ嵌合部120が形成されており、このコネクタ嵌合部120にコネクタ130が嵌合されるようになっている。
コネクタ嵌合部120の4本の端子121〜124は高さ方向に三段に設けられており、上段には高圧側の電圧(V[V])を受電する1本の高圧側受電用端子121が設けられ、中段にはセンサ本体110内部の出力回路155からの信号を外部に送信するための1本の送信用端子122が設けられ、下段には低圧側の電圧(例えば、0[V])を受電する低圧側受電用端子123とコネクタ130側に低圧側の電圧を送る電力送出用端子124とが並んで設けられている。
ここで、低圧側受電用端子123と電力送出用端子124とは、図4に示すように、一体に成型されており、センサ本体110内部の後部にてコ字状に枝分かれすることで、並列な2本の端子123,124が電気的に接続(導通)された状態でコネクタ嵌合部120から突出するようになっている。
そして、これら4本の端子121〜124のうち高圧側受電用端子121と低圧側受電用端子123(電力送出用端子124)とはセンサ本体110内部の後述する電力供給回路156に電気的に接続される(連なる)とともに、送信用端子122は出力回路155に接続されている。
なお、図1に示すように、センサ本体110の一側面の上部中央には、光を投光する投光部113が設けられると共に、他方の側面の上部中央には、投光部113からの光を受光する受光部114が設けられており、隣のセンサ本体110の投光部113からの光を隣接する下流側のセンサ本体の受光部114が受光することで下流側のセンサ本体110に対して検出状態等の情報を送信できるようになっている。また、センサ本体110の底面には、長手方向の両端に一対の底面突部115,115が設けられ、それら底面突部115,115から互いに対向する向きに突出する一対の係止爪116A,116Bが、両レールLの端部に設けられた鍔部L1に係合可能となっている。これら一対の係止爪116A,116Bのうち、後方側の係止爪116Bは、前後に撓み変形する可撓部(図示しない)により、後方に移動可能となっており、センサ本体110を前方側に押し付けることで、両係止爪116A,116B間の間隔が拡がって前方側の係止爪116AとレールLとの係合が解除され、これによりセンサ本体110をレールLから取り外すことができる。
2.コネクタの構成
コネクタ130は、全体として略直方体状のコネクタハウジング138を有し、電源線C1,C2を介して電源からの電力の伝送される1つの親コネクタ130A(図1の左端のコネクタ)と、電源線C1,C2が接続されず隣接するコネクタ130A(130B)から電力が伝送される複数の子コネクタ130B(130C)とからなり、子コネクタ130B,130Cには、親コネクタ130と異なり、その一側面に電力伝送のための後述する一対の雄端子部141A,142Aが突出して形成されている。
コネクタ130の前面には、図4,5に示すように、センサ本体110の各端子121〜124が挿入される4つの端子挿入孔131〜134が各端子に対応して3段に設けられている。なお、コネクタ130の上面には片持ち梁状のロックアーム139Aが設けられており、このロックアーム139Aによりコネクタ130が着脱可能となっている。
子コネクタ130(以下、子コネクタのうち主に図1の子コネクタ130Bについて説明する)には、図4に示すように、上段の端子挿入孔131の高さ位置に、両側面間で断面が長方形(スリット)状に貫通する貫通孔135が形成されており、この貫通孔135の下流側(図4の左端側)はやや広く開放している。そして、この貫通孔135内に、長方形状の電極板からなり、貫通孔135のやや広くなった部分に対応して段差の形成されてなる高圧側の電圧を伝送するための板状端子147が上段の端子挿入孔131を横切るように設けられている。
板状端子147の上流側(図4の右方)は、センサ本体110B及び下流側のコネクタ130Cに高圧側電圧を給電するための高圧側給電端子141とされ、高圧側給電端子141の端部が子コネクタ130Bの側壁よりも長方形状に突出した雄端子部141A(これは、上流側(上位)のコネクタの中継端子と接続されて上流側の電力を受け取るものである)とされている。一方、下流側は、隣接するセンサ本体110C側に高圧側電圧を伝送するための伝送用端子148とされており、この伝送用端子148の一段低くなった部分の上面には、やや突出する接触部148Bが形成されており、下流側に隣接するコネクタ130Cの高圧側給電端子141の雄端子部141Aの下面が接触部148Bと接触することで電気的接続が図られるようになっている。なお、高圧側給電端子141(板状端子147)のうち、端子挿入孔131に対応する部分は片持ち状の弾性撓み片(図示しない)が設けられており、高圧側受電用端子121が挿入されると弾性撓み片に当接して弾性撓み片が撓み、これにより両端子121,141間の電気的接続が図られるようになっている。
また、下段の端子挿入孔133,134の高さには、端子挿入孔133,134の間を除くほぼ全幅に亘り両側面が長方形状に開口する貫通孔136(136A,136B)が形成されており、このうち下流側(図5の左端側)の貫通孔136Bは端部側が段差状にやや広く開放している。そして、これら各貫通孔136A,136B内に共に長方形状の電極板からなる板状の低圧側給電端子142と中継端子143とが配されて、低圧側給電端子142と中継端子143との間が電気的に絶縁された状態となっている。
低圧側給電端子142は、上流側に長方形状の雄端子部142Aが子コネクタ130Bの側壁から水平に突出しているとともに、下流側の端部が下段の端子挿入孔133にわずかに入り込むように配されており、端子挿入孔133にセンサ本体110の低圧側受電用端子123が挿入されると両端子間の123,142の電気的接続が図られるようになっている。
中継端子143は、その下流側に貫通孔136Bのやや広くなった部分に対応して段差が形成されるとともに、段差状に低くなった部分の上面には、やや突出する接触部143Aが形成されており、下流側に隣接するコネクタ130Cの低圧側給電端子142の雄端子部142Aが貫通孔136Bに挿入されて接触部143Aに接触することにより電気的接続が図られるようになっている。一方、上流側の端部は、下段の端子挿入孔134にわずかに入り込むように配されており、端子挿入孔134にセンサ本体110の電力送出用端子124が挿入されると両端子間の124,143の電気的接続が図られるようになっている。
これにより、コネクタ130がセンサ本体110に嵌合されると、分断(絶縁)されていた低圧側給電端子142と中継端子143との間が、センサ本体110の低圧側給電端子142と電力送出用端子124とを介して電気的に接続される(図4の矢印参照)。そして、各センサ本体110が隣接配置されると、子コネクタ130B(130C)の給電端子の雄端子部141A,142Aに上流側に隣接するコネクタ130A(130B)の接触部148B,143Aが接触することにより、隣り合うコネクタ130同士の低圧側電圧(グランド)がつながり、高圧側受電用端子121及び低圧側受電用端子123を介して下流側のセンサ本体110の電力供給回路156に電力が供給される。
なお、中段の端子挿入孔132内には、雌型端子金具からなる受信用端子(図示しない)が配されるとともに、この受信用端子は子コネクタ130の後面部に接続される信号線C3と電気的に接続されており、これによりセンサ本体110の送信用端子122と受信用端子とが接続されており、出力回路155からの検出結果等の信号が信号線C3を介して外部に出力されるようになっている。
一方、親コネクタ130は、子コネクタ130とは以下の部分が異なる。即ち、親コネクタ130には信号線C3に加えて外部電源(図示しない)に接続された高圧側と低圧側とからなる2本の電源線C1,C2が高圧側給電端子141と、端子挿入孔133内に配される雌端子金具133A(図5参照)とにそれぞれ電気的に接続されており、これら2本の電源線C1,C2と信号線C3とが1本のケーブルにまとめられている。これに伴い、親コネクタ130は隣接するコネクタ130から電源が供給される必要がないため、子コネクタ130B(130C)に設けられる上段と下段の端子挿入孔131,133から図4の右方に延びる部分の給電端子の雄端子部141A,142A及びその部分の貫通孔135,136Aとを有さず、上流(右端)側の側壁は平坦に形成されている。
これにより、外部電源からの電力が親コネクタ130Aに伝送されると、当該親コネクタ130Aと嵌合するセンサ本体110Aに電力が供給されるとともに、センサ本体110Aからの電力が親コネクタ130A及び隣接する子コネクタ130Bを介して当該子コネクタ130Bと嵌合するセンサ本体110Bに供給されるようになっている。また、同様に、当該子コネクタ130Bと嵌合するセンサ本体110Bからの電力が子コネクタ130B及び隣接する子コネクタ130Cを介して当該子コネクタ130Cと嵌合するセンサ本体110Cに供給されるようになっている。
3.センサシステムの電気的構成
センサシステム100の電気的構成について図6を参照しつつ説明する。
各センサ本体110の内部には、回路基板(図示しない)が収容されており、この回路基板には、図6に示すように、タイミング発生回路151で生成された所定のタイミングで投光素子111を駆動するための駆動回路152、受光素子112の出力信号を増幅させる増幅回路153、増幅された信号を所定の閾値と比較するコンパレータ154、受光素子112による検出結果を出力する出力回路155等が設けられており、出力回路155から出力される検出結果に応じた出力信号が送信用端子122及び受信用端子を介して外部に送られる。
また、センサ本体110内部の回路基板には、上記した各回路に電力を供給するための電力供給回路156が設けられており、電源からの電力が親コネクタ130Aの給電端子141及び雌端子金具133Aを介してセンサ本体110Aの電力供給回路156に供給される(図6の矢印A,B)。
ここで、電源からの電圧のうち、高圧側電圧については、親コネクタ130A内で分岐して伝送用端子148から隣接する各子コネクタ130B(130C)の板状端子147を介して順次下流側の各センサ本体110の電力供給回路156に与えられるようになっている。
一方、低圧側電圧については、低圧側受電用端子123と電力送出用端子124とが電気的(一体)に接続されているから、低圧側受電用端子123からの低電圧が電力送出用端子124に分岐し、親コネクタ130Aの中継端子143、隣接する下流側の低圧側給電端子142を介して隣接するセンサ本体110Bの電力供給回路156に与えられる(矢印C)。
これにより、下流側に隣接するセンサ本体110B(110C)の電力供給回路156に高電圧及び低電圧が印加されることになり、隣接するセンサ本体110の電力供給回路156に電力が供給される。
以下、同様に、子コネクタ130間においても、低圧側受電用端子123と電力送出用端子124とが電気的(一体)に接続されているから、低圧側受電用端子123からの低電圧が電力送出用端子124及び子コネクタ130の中継端子143を介して下流側に隣接する複数のセンサ本体110の電力供給回路156に与えられる。これにより、高電圧及び低電圧が電力供給回路156に印加されることになり、隣接するセンサ本体110の電力供給回路156への電力の供給が順次繰り返され、全てのセンサ本体110に電力が供給される(矢印D,E)。
4.センサシステム100の組み付け手順について説明する。
複数のセンサ本体110を組み付けるには、例えば、先に、各センサ本体110をレールLに組み付け、隣り合ったセンサ本体110同士を若干離しておく。そして、左端のセンサ本体110に、親コネクタ130を装着し、残りのセンサ本体110に子コネクタ130を装着する(図3参照)。
次いで、センサ本体110をレールLに沿ってスライドして、図1に示すように、センサ本体110同士を密接させると、これに伴い、コネクタ130同士も密接した状態になるから、子コネクタ130の一対の給電端子の雄端子部141A,142Aが貫通孔135,136B内に進入して隣接するコネクタ130の接触部148B,143Aと電気的に接続され、板状端子147同士及び低圧側給電端子142と中継端子143とが導通状態となり、全てのセンサ本体110に電力が供給される。
5.本参考例の効果
本参考例によれば、最初のセンサ本体110A(またはいずれかのセンサ本体)の電力供給回路156に電源電力が供給されるようになっていれば、隣接するセンサ本体110B,110Cに順次バトンタッチするようにして電力供給がなされるから、他のセンサ本体110B,110Cには電源線C1,C2を接続する必要がなく、センサシステムへの電源供給ラインが簡素化される。
また、複数のコネクタのみを介して電源電力を順次バトンタッチするように下流に供給するのではなく、例えば、コネクタ130B、センサ本体110B、コネクタ130Bというように、センサ本体110Bを挟んで順に電源電力を下流に供給する構成であるから、仮に、例えば一部のセンサ本体110Bがメンテナンス等のためにコネクタ130Bから外されていた場合には、そのセンサ本体110Bの受電用端子121,123と給電端子141,142との接続、および、電力送出用端子123と中継端子143との接続が外れ、その結果、そのセンサ本体110Bの下流のセンサ本体群には電力供給が遮断されることになる。このため、センサシステム全体として異常があることが明確になり、不用意に製造ラインを稼働させてしまうこと等がなく、安全である。
また、給電端子141,142は雄端子部141A,142Aが突出する突出型とし、中継端子143及び伝送用端子148はそれを貫通孔135,136B内に受け入れる非突出型に構成されるから、終端に位置するセンサ本体のコネクタから端子が突出することがなく、電源ラインが露出しないので安全である。
低圧側給電端子142と中継端子143とを離間させて低圧側給電端子142からセンサ本体110の低圧側受電用端子123を介してセンサ本体110に電圧を与え(電力供給して)センサ本体の低圧側受電用端子123とは離間した電力送出用端子124からコネクタ130の中継端子143に電圧(電力)を送る(戻す)構成とすることで、コネクタハウジング138内において低圧側給電端子142と中継端子143とが安定して離間固定されるから、コネクタの脱着時等における低圧側給電端子142と中継端子143との接触を防止することできる。
さらに、給電端子141,142を板状端子とすることでコネクタハウジング138内において給電端子141,142を安定して固定可能となるから、コネクタ130の脱着時等における給電端子141,142と中継端子143との接触を防止することできる。
また、一般に、親コネクタ130Aは、横並びしたセンサ本体群のうちの端部のセンサ本体110Aに装着されるが、センサ本体群のうちの端部以外(例えば、中間のセンサ本体110B)のセンサ本体に装着してもよく、この場合、左右両方のコネクタへ電力を送るための端子(中継端子)をもう一つ増やせばよい。
さらに、コネクタ130を介して電源供給を行うことができるから、センサ本体群のうちのどのセンサ本体110にまず電力供給を行うかを自在に設定することができ、外部電源からの電源ケーブルを配索する上での自由度が高くなるという利点がある。
<参考例2>
参考例2については、図7を参照して説明する。なお、参考例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
参考例1では、電源線C1,C2により外部電源と接続された親コネクタ130Aからの電力をセンサ本体110に供給する構成としたが、参考例2のセンサシステムは、図7に示すように、複数のセンサ本体110及びコネクタ230を側方から挟み込むようにエンドユニット200を配し、このエンドユニット200により複数のセンサ本体110及びコネクタ130の位置決めを行うとともに、一方のエンドユニット200Aから隣接するコネクタ230Aに電力を供給するように構成したものである。なお、参考例2では、電源線C1,C2が直接コネクタ130に接続される構成ではないため、本参考例のコネクタ230は全て参考例1の子コネクタ130と同様の構成となる。
具体的には、エンドユニット200は、コネクタ230が結合した状態のセンサ本体110とほぼ同形とされるとともに、一方のエンドユニット200Aに外部電源からの電源線C1,C2が引き込まれている。また、エンドユニット200Aのうち隣接するコネクタ130の給電端子141,142と対応(対向)する位置には、高圧側及び低圧側の電源線C1,C2のそれぞれと連なる(電気的に接続された)雌型の高圧側電源端子201及び低圧側電源端子202が上下一対設けられており、エンドユニット200Aの側面を、センサ本体110及びコネクタ130の側面に密着させることで電源端子201,202と給電端子141,142とが接することにより、エンドユニット200Aとコネクタ230Aとの間が電気的に接続(導通)されて給電が行われるようになっている。
このように、センサ本体群の端部にエンドユニット200を取り付けると、そこに設けた電源端子201,202がセンサ本体110Aに嵌合したコネクタ130Aの給電端子に接続されるため、外部電源からエンドユニット200Aを介して電源供給を行うことができる。エンドユニットを介して電力供給を行うから、コネクタとしては電源端子を備えた電源コネクタを使用する必要がなく、単一種類のコネクタによってセンサシステムを構成することが可能である。
なお、上下一対の高圧側電源端子及び低圧側電源端子は、エンドユニット200B側のみに取り付けてもよく、この場合、エンドユニット200B側の高圧側電源端子及び低圧側電源端子を雄型の端子としてもよく、また、エンドユニット200B側の高圧側電源端子及び低圧側電源端子を雌型とし、コネクタ230の給電端子と中継端子の位置を入れ替えて構成してもよい。
さらに、エンドユニット200A,200Bの両方に高圧側電源端子及び低圧側電源端子を取り付けて構成してもよい。
<参考例3>
センサシステムを、ファイバセンサに適用した参考例3について、図8〜図16を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、前後方向については、図8の左上方(奥方)を前方として説明する。
本参考例のセンサシステム300は、図8に示すように、断面略コ字状をなすレールLを跨って隣接して配置される複数(例えば、3個)のセンサ本体310と、それらの各センサ本体310に対して着脱自在に嵌合可能な複数(例えば、3個)のコネクタ330とからなり、このうちの電源線C1,C2の接続される親コネクタ330A(図8の左端のコネクタ)を介して電力が供給されることで、下流側(図8の右方)のセンサ本体310へと順次電力が供給されるようになっている。
1.センサ本体の構成
センサ本体310は、図8に示すように、幅方向(並び方向)に薄幅の略直方体状をなす本体ハウジング309(ケース)内に後述する長方形状の回路基板360(図9参照)が起立した姿勢で収容されており、右上方を向いた前面には、一対の光ファイバF,Fの各基端部が、センサ本体310内に備えられた投光及び受光の両素子311,312にそれぞれ突き合わせた状態で差し込まれており、これにより投光素子311からの光が一方の光ファイバF内を伝わるとともに、他方の光ファイバFからの光が受光素子312にて受光されるようになっている。
センサ本体310後面(光ファイバF,Fの導出面と反対側)の略下半分は、図9に示すように、後方に開放する凹部が幅方向の全体に亘って形成されるとともに、この凹部の幅方向のほぼ中間には回路基板360の後端部(端縁部361)が凹部内に突出(露出)してなるコネクタ嵌合部320が形成されており、このコネクタ嵌合部320に後述するコネクタ330が嵌合されるようになっている。
ここで、回路基板360には、図11に示すように、スクリーン印刷等により後述する各回路に連なる導電路が形成されており、このうち凹部内に露出する回路基板360の端縁部361のうち上流側の面360A(図9の左面)には高さ方向の3段に導電路(図11(A))が形成されるとともに、下流側の面360B(図9の右面)には高さ方向の2段の導電路(図11(B))が後述するスルーホール328A,328Bに至るまで形成されている。
上流側の面360Aに形成される3段の導電路321〜323の端縁部のうち、上段の導電路が高圧側の電圧(V[V])をコネクタ330側からうける高圧側受電用端子321Aとされるとともに、下段の導電路が低圧側の電圧(例えば、0[V])をコネクタ330側からうける低圧側受電用端子323Aとされて、それぞれの導電路が電力供給回路356に連なっている。なお、中段の導電路の端縁部は出力回路355からの信号を外部に送信するための送信用端子322とされており、出力回路355から出力される検出結果等の信号は、送信用端子322を介してコネクタ330から外部に導出される信号線C3により送出されるようになっている。
一方、下流側の面360Bに形成される2段の導電路324,325の端縁部のうち、上段の導電路が高圧側の電圧(V[V])をコネクタ330側に送出する高圧側電力送出用端子324Aとされるとともに、下段の導電路が低圧側の電圧(例えば、0[V])をコネクタ330側に送出する低圧側電力送出用端子325Aとされいる。
ここで、回路基板360の両面に形成された導電路のうち各面の上段の導電路321,324及び下段の導電路323,325上には、回路基板360を貫通するスルーホール328A,328Bが設けられており、スルーホール328A,328B内に埋設される導電部材を介して上段の導電路321,324同士及び下段の導電路323,325同士が電気的に接続された状態となっている(図11参照)。
なお、図8に示すように、センサ本体310の一側面の上部中央には、光を投光する投光部311が設けられると共に、他方の側面の上部中央には、投光部311からの光を受光する受光部312が設けられており、隣のセンサ本体310の投光部311からの光を隣接する下流側のセンサ本体310の受光部312が受光することで下流側のセンサ本体310に対して検出状態等の信号を送信できるようになっている。また、センサ本体310の底面には、長手方向の両端に一対の底面突部315,315が設けられ、それら底面突部315,315から互いに対向する向きに突出する一対の係止爪316A,316Bが、レールLの端部に設けられた鍔部L1を挟むように係合可能となっている。これら一対の係止爪316A,316Bのうち、後方側の係止爪316Bは、前後に撓み変形する可撓部(図示しない)により、後方に移動可能となっており、センサ本体310を前方側に押し付けることで、両係止爪316A,316B間の間隔が拡がって前方側の係止爪316AとレールLとの係合が解除され、これによりセンサ本体310をレールLから取り外すことができる。
2.コネクタの構成
コネクタ330は、図9に示すように、全体として略直方体状をコネクタハウジング338を有し、電源線C1,C2を介して電源からの電力の伝送される1つの親コネクタ330A(図8の左端のコネクタ330)と、電源線C1,C2が接続されず隣接するコネクタ330から電力が伝送される複数の子コネクタ330B,330C(親コネクタ以外のコネクタ330)とからなり、後述する子コネクタ330B,330Cには、親コネクタ330Aと異なり、その上流側の側面(側壁)からは上下一対の雄端子部341A,342Aが水平に突出形成されている。
コネクタ330には、前端部が段差状に幅狭となる基板接続部346が形成されており、この基板接続部346には、その幅方向の略中央部が上下方向の全体に亘って窪み形成されてなる基板収容溝347が形成されている。そして、コネクタ330がセンサ本体310のコネクタ嵌合部320に装着されると、回路基板360の後端縁部361が基板収容溝347内に収容されるようになっている。なお、コネクタ330の上面には片持ち梁状のロックアーム339Aが設けられており、このロックアーム339Aによりコネクタ330が着脱可能となっている。
次に、子コネクタ330B,330Cは、基板収容溝347の両側の内壁に上下3段設けられる板状の端子341〜346が内壁に沿うように前方に突出して設けられており(図15参照)、このうち上流側の内壁面に沿う上下段の端子はセンサ本体310側に給電するための高圧側給電端子341及び低圧側給電端子342とされる一方で、下流側の内壁面に沿う上下段の端子は、下流側のセンサ本体310側に電力を中継するための高圧側中継端子343及び低圧側中継端子344とされるとともに、給電端子341,342と中継端子343,344との間は離間されて電気的に絶縁されている。なお、両内壁面に沿う中段の端子は、子コネクタ330B,330Cの後面部に接続される信号線C3と電気的に接続された受信用端子349,349とされている。
これら各端子341〜344,349の先端部348は、図12に示すように、山形の頂点である接点部348Aが内方(回路基板360)側に向くようにくの字状に成型されている。そして、基板収容溝347内に回路基板360が収容されると、図13に示すように、各段ごとの一対の端子が回路基板360の端縁部361を弾性的に挟持することで、各段の導電路321〜325と各段の端子の接点部348Aとの電気的接続が図られるようになっている(図14の点線の経路が電気的に接続される)。
高圧側給電端子341及び低圧側給電端子342は、それぞれコネクタ330内部で上流側に向けて直交するように屈曲されるとともに、他端側がコネクタ330の側面から上下一対突出する雄端子部341A,342Aとされている。
一方、高圧側中継端子343及び低圧側中継端子344は、それぞれコネクタ330内部で下流側に向けて直交するように屈曲されるとともに、他端側がコネクタ330の側面に下流側に開放するように設けられる上下一対のスリット335,336内に配されるようになっている(図15参照)。
これにより、コネクタ330の嵌合前には給電端子341,342と中継端子343,344との間が電気的に絶縁されるとともに、コネクタ嵌合部320にコネクタ330を嵌合させると、給電端子341,342と中継端子343,344との間が回路基板360の導電路を介して電気的に接続された状態となる。
なお、送信用端子322は、出力回路355と接続された導電路の端縁部の受信用端子349と接続されることで検出結果等の信号が信号線C3を介して外部に出力されるようになっている。
一方、親コネクタ330Aは、子コネクタ330B,330Cとは以下の部分が異なる。即ち、親コネクタ330Aには信号線C3に加えて外部電源に接続された高圧側と低圧側とからなる2本の電源線C1,C2が高圧側給電端子341と低圧側給電端子342とにそれぞれ接続されており、2本の電源線C1,C2と信号線C3とが1本のケーブルにまとめられている。これに伴い、親コネクタ330Aは隣接するコネクタ330から電源を供給される必要がないため、給電端子341,342のうち一端側の側壁から突出する一対の雄端子部341A,342Aと、これに対応する部分のスリット335,336とを有さず、当該一端側の側壁は平坦に形成されている。
これにより、親コネクタ330Aには外部電源から直接電力が供給されることで、当該親コネクタ330Aと嵌合するセンサ本体310Aに電力が供給されるとともに、センサ本体310Aからの電力が親コネクタ330Aの中継端子343,344を介して隣接する子コネクタ330B,330Cの給電端子341,342に供給されて当該子コネクタ330Bと嵌合するセンサ本体310Bに供給されるようになっている。また、同様に、センサ本体310Bからの電力が子コネクタ330Bの中継端子343,344を介して隣接する子コネクタ330Cの給電端子341,342に供給されて当該子コネクタ330Cと嵌合するセンサ本体310Cに供給されるようになっている。
3.センサシステムの電気的構成
センサシステム300の電気的構成について図16を参照しつつ説明する。
各センサ本体310の内部の回路基板360には、図16に示すように、タイミング発生回路351で生成された所定のタイミングで投光素子311を駆動するための駆動回路352、受光素子312の出力信号を増幅させる増幅回路353、増幅された信号を所定の閾値と比較するコンパレータ354、受光素子312による検出結果を出力する出力回路355等が設けられており、出力回路355なら出力される検出結果に応じた出力信号が送信用端子322に送られるようになっている。
また、センサ本体310内部の回路基板360には、上記した各回路に電力を供給するための電力供給回路356が設けられており、電源からの電力が親コネクタ330Aの給電端子341,342とセンサ本体310Aの受電用端子321A,323Aとを介して電力供給回路356に供給される(矢印A,B)。
このとき、受電用端子321A,323Aと電力送出用端子324A,325Aとが導通されているから電力送出用端子324A,325Aと親コネクタ330Aの中継端子343,344とが導通状態となり、隣接する子コネクタ330Bの給電端子341,342,センサ本体310Bの受電用端子321A,323Aとを介して電力供給回路356に供給される(矢印C,D)。
以下、同様に、子コネクタ330B,330C間においても電力の供給が行われて、センサ本体310Cの電力供給回路356に電力が供給される(矢印E,F)。
4.センサシステム300の組み付け手順について説明する。
複数のセンサを組み付けるには、例えば、先に、各センサ本体310をレールLに組み付け、隣り合ったセンサ本体310同士を、若干離しておく。そして、左端のセンサ本体310Aに親コネクタ330Aを装着し、残りのセンサ本体310B,310Cに子コネクタ330B,330Cを装着する(図10参照)。
次いで、センサ本体310をレールLに沿ってスライドして、センサ本体310同士を密接させると(図8参照)、これに伴い、コネクタ330同士も密接した状態になるから、コネクタ330の一対の給電端子341,342が隣接するコネクタ330の上下のスリット335,336内に進入して隣接するコネクタ330間が電気的に接続され、全てのセンサ本体110に電力が供給される。
5.本参考例の効果
本参考例によれば、最初のセンサ本体310A(またはいずれかのセンサ本体)の電力供給回路356のみに電源電力が供給されるようになっていれば、隣接するセンサ本体310に順次バトンタッチするようにして電力供給がなされるから、他のセンサ本体310B,310Cには電源線C1,C2を接続する必要がなく、センサシステム300への電源供給ラインが簡素化される。
また、本参考例では、コネクタ330のみを介して電源電力を順次バトンタッチするように下流に供給するのではなく、コネクタ330、センサ本体310、コネクタ330と間にセンサ本体310を介して順に電源電力を下流に供給する構成であるから、仮に、例えば一部のセンサ本体310がメンテナンス等のためにコネクタ330から外されていた場合には、そのセンサ本体310の受電用端子321A,323Aと給電端子341,342との接続、および、電力送出用端子324A,325Aと中継端子343,344との接続が外れ、その結果、そのセンサ本体310の下流のセンサ本体310群には電力供給が遮断されることになる。このため、センサシステム300全体として異常があることが明確になり、不用意に製造ラインを稼働させてしまうこと等がなく、安全である。
さらに、親コネクタ330Aをいずれかのセンサ本体310のコネクタ嵌合部320に嵌合すれば、そのコネクタ330に設けた電源端子がコネクタ嵌合部320の受電用端子321A,323Aに接続されるから、外部電源から電源線C1,C2を介して電力供給を行うことができる。コネクタ330を介して電源供給を行うことができるから、センサ本体310群のうちのどのセンサ本体310にまず電力供給を行うかを自在に設定することができ、外部電源からの電源ケーブルを配索する上での自由度が高くなるという利点がある。
また、受電用端子321A,323A及び電力送出用端子324A,325Aを回路基板360を利用して形成できるから、コネクタ330接続のための構造が簡単になる。
さらに、回路基板360を挟む形状で給電端子341,342及び中継端子343,344を配置できるから、それらの端子の弾発力を利用して回路基板360を挟み付けることができ、したがってコネクタ330のコネクタ嵌合部320に対する装着構造を簡素化することができる。
<参考例4>
参考例4については、図17を参照して説明する。なお、参考例3と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
参考例3では、電源線C1,C2により外部電源と接続された親コネクタ330Aからの電力をセンサ本体310に供給する構成としたが、参考例4では、図17に示すように、複数のセンサ本体310及びコネクタ430を側方から挟み込むようにエンドユニット400(400A,400B)を配し、このエンドユニット400により複数のセンサ本体310及びコネクタ430の位置決めを行うとともに、一方のエンドユニット400Aから隣接するコネクタ430に電力を供給するように構成したものである。なお、参考例4では、電源線C1,C2が直接コネクタ430に接続される構成ではないため、本参考例のコネクタ430は全て参考例3の子コネクタ330B(330C)と同様の構成となる。
具体的には、エンドユニット400A,400Bは、コネクタ430が結合した状態のセンサ本体310とほぼ同形とされるとともに、一方のエンドユニット400Aに外部電源からの電源線C1,C2が引き込まれている。また、エンドユニット400Aのうち隣接するコネクタ430Aの給電端子341,342と対応(対向)する位置には、高圧側及び低圧側の電源線C1,C2のそれぞれと連なる(電気的に接続された)雌型の高圧側電源端子401及び低圧側電源端子402が上下一対設けられており、エンドユニット400Aの側面を、センサ本体310A及びコネクタ430Aの側面に密着させることで電源端子401,402と給電端子341,342とが接することにより、エンドユニット400Aとコネクタ430Aとの間が電気的に接続(導通)されて給電が行われるようになっている。
このように、センサ本体群の端部にエンドユニット400Aを取り付けると、そこに設けた電源端子401,402がセンサ本体310に嵌合したコネクタ430の給電端子341,342に接続されるため、外部電源からエンドユニット400Aを介して電源供給を行うことができる。エンドユニット400Aを介して電力供給を行うから、コネクタ430としては電源端子401,402を備えた電源コネクタを使用する必要がなく、単一種類のコネクタによってセンサシステムを構成することが可能である。
なお、上下一対の高圧側電源端子及び低圧側電源端子は、エンドユニット400B側のみに取り付けてもよく、この場合、エンドユニット400B側の高圧側電源端子及び低圧側電源端子を雄型の端子としてもよく、また、エンドユニット400B側の高圧側電源端子及び低圧側電源端子を雌型とし、コネクタ430の給電端子と中継端子の位置を入れ替えて構成してもよい。
さらに、エンドユニット400A,400Bの両方に高圧側電源端子及び低圧側電源端子を取り付けて構成してもよい。
<実施形態1>
以下、本発明(請求項1,2の発明に相当)のセンサシステムを、ファイバセンサに適用した実施形態1について、図18〜図25を参照しつつ説明する。なお、前後方向については、図18の左上方(奥方)を前方として説明する。
本実施形態のセンサシステム500は、図18に示すように、断面略コ字状をなすレールLを跨って隣接して配置される複数(例えば、3個)のセンサ本体510と、それらの各センサ本体510に対して着脱自在に嵌合可能な複数(例えば、3個)のコネクタ530とからなり、このうちの電源線C1,C2の接続される親コネクタ530Aを介して電力が供給されることで、下流側(図1の右方)のセンサ本体510B,510Cに順次電力が供給されるようになっている。
1.センサ本体の構成
センサ本体510は、幅方向(並び方向)に薄幅の略直方体状をなし、図18における左上方を向いた前面には、一対の光ファイバF,Fの各基端部が、センサ本体510内に備えられた投光及び受光の両素子511,512にそれぞれ突き合わせた状態で差し込まれており、これにより投光素子511からの光が一方の光ファイバF内を伝わるとともに、他方の光ファイバFからの光が受光素子512にて受光されるようになっている。
センサ本体510後面(光ファイバF,Fの導出面と反対側)の略下半分は、図19に示すように、後方に開放する凹部が幅方向の全体に亘って形成されるとともに、この凹部の奥壁から3本の端子が突出してなるコネクタ嵌合部520が形成されており、このコネクタ嵌合部520に後述するコネクタ530が嵌合されるようになっている。
コネクタ嵌合部520の3本の端子は高さ方向に三段に設けられており、上段には高圧側の電圧(V[V])を受電する高圧側受電用端子521が設けられ、中段にはセンサ本体510内部の出力回路555からの信号を外部に送信するための送信用端子522が設けられ、下段には低圧側の電圧(例えば、0[V])を受電する低圧側受電用端子523が設けられている。そして、これら3本の端子のうち高圧側受電用端子521と低圧側受電用端子523(電力送出用端子)とは本体ハウジング519(ケース)内部の後述する電力供給回路556に接続されている。
なお、図18に示すように、センサ本体510の下流側の側面の上部中央には、光を投光する投光部513が設けられると共に、上流側の側面の上部中央には、投光部513からの光を受光する受光部514が設けられており、隣のセンサ本体510の投光部513からの光を隣接する下流側のセンサ本体510の受光部514が受光することで下流側のセンサ本体510に対して光信号を送信できるようになっている。また、センサ本体510の底面には、長手方向の両端に一対の底面突部515が設けられ、それら底面突部515から互いに対向する向きに突出する一対の係止爪516A,516Bが、両レールLの端部に設けられた鍔部を挟むように係合可能となっている。これら一対の係止爪516A,516Bのうち、後方側の係止爪516Bは、前後に撓み変形するばね等からなる可撓部(図示しない)により後方に移動可能となっており、センサ本体510を前方側に押し付けることで、両係止爪516A,516B間の間隔が拡がって前方側の係止爪516AとレールLとの係合が解除され、これによりセンサ本体510をレールLから取り外すことができる。
2.コネクタの構成
コネクタ530は、図21に示すように、全体として略直方体状をなすコネクタハウジング538の前面に、前記センサ本体510の各端子521,522,523が挿入される3つの端子挿入孔531,532,533が各端子に対応して3段に設けられている。なお、コネクタ530の上面には片持ち梁状のロックアーム539Aが設けられており、このロックアーム539Aによりコネクタ530をセンサ本体510のコネクタ嵌合部520に着脱可能となっている。
コネクタ530は、電源線C1,C2を介して外部電源(図示しない)からの電力の伝送される1つの親コネクタ530A(図18の左端のコネクタ)と、電源線C1,C2が接続されず隣接するコネクタ530から電力が伝送される複数の子コネクタ530B,530C(親コネクタ以外のコネクタ)とからなり、図19に示すように、子コネクタ530B,530Cには、親コネクタ530Aと異なり、その一側面から一対の端子541,542が上流側に向けて突出形成されている。
子コネクタ530B,530C内には、図21に示すように、上段の端子挿入孔531及び下段の端子挿入孔533の高さの位置に、両側面間で断面が長方形(スリット)状に貫通する上下一対の貫通孔535,536が設けられており、これら貫通孔535,536は、図21の左端側(図18の右端側)がやや広く開放するように形成されている。これら貫通孔535,536内には、長方形状の電極板からなり、貫通孔535,536のやや広くなった部分に対応してやや低くなる段差の形成された板状端子が端子挿入孔531,533を横切るように設けられており、上側の貫通孔535に配される端子が隣接するコネクタ530から高電圧が与えられる高圧側給電端子541とされるとともに、下側の貫通孔536に配される端子は詳しくは後述するが、隣接する上流側のコネクタ530から低電圧が与えられる中継端子544とされている。
上下2段に設けられる高圧側給電端子541及び中継端子544の上流側(図21の右方)は子コネクタ530B,530Cの側壁よりも長方形状に突出した雄端子部541A,542Aとされている一方で、下流側の上面は貫通孔535,536の段差に対応して一段低くなった部分に、やや上方に突出する接点部541B,543Aが形成されている。そして、隣接する下流側のコネクタ530の雄端子部541A,542Aが上流側のコネクタ530の接点部541B,543Aと接触することで隣接するコネクタ530間の電気的接続が図られるようになっている。なお、高圧側給電端子541のうち、端子挿入孔531に対応する部分は高圧側受電用端子521の挿入方向に延びる片持ち状の弾性撓み片(図示しない)が設けられており、高圧側受電用端子521が挿入されると弾性撓み片に当接して弾性撓み片が撓み、これにより高圧側給電端子541と高圧側受電用端子521との間の電気的接続が図られるようになっている。
さて、中継端子544は、図22に示すように、2枚の略長方形状の電極板からなる端子(板状端子)が下段の端子挿入孔533内で互いに離間して配されることにより絶縁されており、その下流側(図22の左方)が隣接するコネクタ530に低電圧を中継するための第1中継端子543とされるとともに、上流側(図22の右方)は前記コネクタ530とは反対側に隣接するコネクタ530の第1中継端子543から低電圧を受ける第2中継端子542とされている。
ここで、第1中継端子543と第2中継端子542とが対向する部分(向き合う辺)には、互いに対向する方向に突出する第1及び第2突出部547が前後方向の位置がずらされた位置から突出しており、それらの先端部546A,547Aは、共に後方に向けてL字状に屈曲されている。
具体的には、第1突出部546は、第1中継端子543の前端部から突出するとともに、第2突出部547は、第1突出部546の先端546Bよりもわずかに後方(図22では中継端子542,543の前後の幅のほぼ略中央部)から突出している。
また、第1突出部546及び第2突出部547の後方に向けられた(低圧側受電用端子523の差込方向に並べられた)先端部546A,547Aは、共に上方に曲げ成型されて片持ち状に先端部546A,547Aが浮いた状態(低圧側受電用端子523の進入経路に突出)とされており、センサ本体510の低圧側受電用端子523が端子挿入孔533に挿入されると(図23(A)参照)、低圧側受電用端子523が第1突出部546と第2突出部547とにそれぞれ弾接(当接)して生じる弾発力によりこれらの端子の電気的接続が図られるようになっている(図23(B)の点線矢印参照)。したがって、第1突出部546及び第2突出部547が本発明の「端子接触部」に相当する。
これにより、センサ本体510の電力供給回路556には、低圧側受電用端子523を介して低電圧が与えられるとともに、低圧側受電用端子523により第2中継端子542と第1中継端子543との間が電気的に接続されて、第1中継端子543側に低電圧が与えられるようになっている。
なお、中段の端子挿入孔532内には、雌型端子金具(図示しない)からなる受信用端子(図示しない)が配されるとともに、この受信用端子は子コネクタ530B,530Cの後面部に接続される信号線C3と電気的に接続されており、これによりセンサ本体510の送信用端子522が受信用端子と接続されると、出力回路555からの検出結果等の信号が信号線C3を介して外部に出力されるようになっている。
一方、親コネクタ530Aは、子コネクタ530B,530Cとは以下の部分が異なる。即ち、親コネクタ530Aには信号線C3に加えて外部電源に接続された高圧側と低圧側とからなる2本の電源線C1,C2が高圧側給電端子541と第2中継端子542とにそれぞれ接続されており、2本の電源線C1,C2と信号線C3とが1本のケーブルにまとめられている。これに伴い、親コネクタ530Aは隣接するコネクタから電源が供給される必要がないため、上段と下段の端子挿入孔533から図24の右方に延びる部分の高圧側給電端子541及び第2中継端子542を有さず、当該一端(図24の右端)側の側壁は貫通孔535,536を有さず平坦に形成されている。
これにより、親コネクタ530Aに外部電源から直接電力が供給されることで、当該親コネクタ530Aと嵌合するセンサ本体510に電力が供給される。
また、外部電源からの高圧側電圧が高圧側給電端子541を介して親コネクタ530Aと隣接する子コネクタ530Bに与えられるとともに、外部電源からの低圧側電圧が親コネクタ530Aの第2中継端子542からセンサ本体510Aの低圧側受電用端子523、親コネクタ530Aの第1中継端子543を介して隣接する子コネクタ530B,530Cに与えられる。
また、同様に、当該子コネクタ530Bからの低圧側電圧が第2中継端子542から低圧側受電用端子523、子コネクタ530Bの第1中継端子543を介して隣接する子コネクタ530B,530Cに与えられる。
3.センサシステムの電気的構成
センサシステム500の電気的構成について図25を参照しつつ説明する。
各センサ本体510の内部には、回路基板(図示しない)が収容されており、この回路基板には、図25に示すように、タイミング発生回路551で生成された所定のタイミングで投光素子511を駆動するための駆動回路552、受光素子512の出力信号を増幅させる増幅回路553、増幅された信号を所定の閾値と比較するコンパレータ554、受光素子512による検出結果を出力する出力回路555等が設けられており、出力回路555から出力される検出結果に応じた出力信号が送信用端子522及び受信用端子を介して外部に送られる。
また、センサ本体510内部の回路基板には、上記した各回路に電力を供給するための電力供給回路556が設けられており、電源からの電力が親コネクタ530Aを介してセンサ本体510Aの電力供給回路556に供給される(矢印A,B)。
ここで、高圧側電圧は親コネクタ530A内で分岐して隣接する子コネクタ530Bを介してセンサ本体510Bの電力供給回路556に与えられるとともに、低圧側受電用端子523により第2中継端子542及び第1中継端子543が電気的に接続されているから、当該第1中継端子543からの低圧側電圧がさらに隣接する子コネクタ530Bの第2中継端子542を介して、当該隣接する子コネクタ530Bと嵌合するセンサ本体510Bの電力供給回路556に与えられる(矢印C)ことでセンサ本体510Bにも電力が供給される。
以下、同様に、子コネクタ530B,530C間においても低圧側電圧が下流側の子コネクタに与えられえることで(矢印D)、全てのセンサ本体510の電力供給回路556に電力が供給される。
4.センサシステムの組み付け手順について説明する。
複数のセンサを組み付けるには、例えば、先に、各センサ本体510をレールLに組み付け、隣り合ったセンサ本体510同士を若干離しておく。そして、左端のセンサ本体510Aに、親コネクタ530Aを装着し、残りのセンサ本体510B,510Cに子コネクタ530B,530Cを装着する(図20参照)。
次いで、センサ本体510をレールLに沿ってスライドして、センサ本体510同士を密接させると、これに伴い、コネクタ530同士も密接した状態になるから、子コネクタ530B,530Cの給電端子541及び第2中継端子542が隣接する上流側に隣接するコネクタ530の一対の貫通孔535,536内に入り込み、コネクタ間が導通状態となる(図24参照)。これにより、各コネクタ530を介して、全てのセンサ本体510に電力が供給される。
5.本実施形態の効果
本実施形態によれば、最初のセンサ本体510A(またはいずれかのセンサ本体)の電力供給回路556のみに電源電力が供給されるようになっていれば、隣接するセンサ本体510B,510Cに順次バトンタッチするようにして電力供給がなされるから、他のセンサ本体510B,510Cには電源線C1,C2を接続する必要がなく、センサシステム500への電源供給ラインが簡素化される。
また、本発明では、複数のコネクタ530のみを介して電源電力を順次バトンタッチするように下流に供給するのではなく、コネクタ530A、センサ本体510の低圧側受電用端子523、コネクタ530A,コネクタ530B,センサ本体510Bというようにセンサ本体510を介して電源電力を下流に供給する構成であるから、仮に、例えば一部のセンサ本体510がメンテナンス等のためにコネクタ530から外されていた場合には、そのセンサ本体510の高圧側受電用端子521と給電端子541との接続、および、低圧側受電用端子523と中継端子542,543との接続が外れ、その結果、そのセンサ本体510の下流のセンサ本体510群には電力供給が遮断されることになる。このため、センサシステム500全体として異常があることが明確になり、不用意に製造ラインを稼働させてしまうこと等がなく、安全である。
さらに、親コネクタ530Aをいずれかのセンサ本体510のコネクタ嵌合部520に嵌合すれば、そのコネクタ530に設けた電源端子がコネクタ嵌合部520の受電用端子521,523に接続されるから、外部電源から電源線C1,C2を介して電力供給を行うことができる。コネクタ530を介して電源供給を行うことができるから、センサ本体群のうちのどのセンサ本体510にまず電力供給を行うかを自在に設定することができ、外部電源からの電源ケーブルを配索する上での自由度が高くなるという利点がある。
<第2実施形態>
実施形態2(請求項3の発明に相当)については、図26を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成については説明を省略する。
実施形態1では、電源線C1,C2の接続された親コネクタ530Aに電力を伝送し、この親コネクタ530Aを介して複数のセンサ本体510に電力を供給する構成としたが、実施形態2では、図26に示すように、複数のセンサ本体510及びコネクタ630を側方から挟み込むようにエンドユニット600(600A,600B)を配し、電源線C1,C2に接続された一方のエンドユニット600Aから隣接するコネクタ630を介してセンサ本体510に電力を供給するように構成したものである。なお、参考例2では、電源線C1,C2が直接コネクタ630に接続される構成ではないため、本実施形態のコネクタ630は全て参考例1の子コネクタ530B,530Cと同様の構成となる。
具体的には、エンドユニット600は、コネクタ630が結合した状態のセンサ本体510とほぼ同形でやや薄幅とされるとともに、一方のエンドユニット600Aに外部電源からの電源線C1,C2が引き込まれている。また、エンドユニット600Aのうち隣接するコネクタ630の給電端子541と対応する位置には、高圧側及び低圧側の電源線C1,C2とそれぞれ連なる(電気的に接続された)雌型の端子金具からなる高圧側電源端子601及び低圧側電源端子602が設けられており、これらの電源端子601,602が隣接するコネクタ630の対応する給電端子541及び中継端子544の雄端子部541A,542Aと嵌合することで下流側のセンサ本体510に電力が供給されるようになっている。
このように、センサ本体群の端部にエンドユニット600A,600Bを取り付けてセンサ本体510が位置決めされると、そこに設けた電源端子601,602がセンサ本体510Aに嵌合したコネクタ630の給電端子541及び中継端子544に接続されるため、外部電源からエンドユニット600Aを介して電源供給を行うことができる。エンドユニット600Aを介して電力供給を行うから、コネクタ630としては電源端子を備えた電源コネクタ630を使用する必要がなく、単一種類のコネクタ630によってセンサシステム500を構成することが可能である。
なお、上下一対の高圧側電源端子及び低圧側電源端子は、エンドユニット600B側のみに取り付けてもよく、この場合、エンドユニット600B側の高圧側電源端子及び低圧側電源端子を雄型の端子としてもよく、また、エンドユニット600B側の高圧側電源端子及び低圧側電源端子を雌型とし、コネクタの給電端子と中継端子の位置を入れ替えて構成してもよい。
さらに、エンドユニット600A,600Bの両方に高圧側電源端子及び低圧側電源端子を取り付けて構成してもよい。
<参考例5>
以下、センサシステムを、ファイバセンサに適用した参考例5について、図27〜図34を参照しつつ説明する。なお、前後方向については、図27の左上方(奥方)を前方として説明する。
本参考例のセンサシステム700は、図27に示すように、断面略コ字状をなすレールLを跨って隣接して配置される複数(例えば、3個)のセンサ本体710(710A,710B,710C)と、それらの各センサ本体710に対して取り外し不能に装着可能な複数(例えば、3個)の電源コネクタ730(730A,730B,730C)と、隣接する電源コネクタ730間で導通させるショート端子770とからなり、このうちの電源線C1,C2の接続される親電源コネクタ730Aを介して電力が供給されることで、下流側(図1の右方)のセンサ本体710へと順次電力が供給されるようになっている。
1.センサ本体の構成
センサ本体710は、幅方向(並び方向)に薄幅の略直方体状をなし、図27における左上方を向いた前面には、一対の光ファイバF,Fの各基端部が、センサ本体710内に備えられた投光及び受光の両素子711,712にそれぞれ突き合わせた状態で差し込まれており、これにより投光素子711からの光が一方の光ファイバF内を伝わるとともに、他方の光ファイバFからの光が受光素子712にて受光されるようになっている。
センサ本体710後面(光ファイバFの導出面と反対側)の略下半分は、図28に示すように、後方に開放する凹部が幅方向の全体に亘って形成されるとともに、この凹部の奥壁から3本の端子721〜723が突出してなるコネクタ嵌合部720が形成されており、このコネクタ嵌合部720に後述する電源コネクタ730が嵌合されるようになっている。
コネクタ嵌合部720の3本の端子は上下三段に設けられており、上段は高圧側の電圧(V[V])を受電する高圧側受電用端子721とされ、中段はセンサ本体710内部の出力回路755からの信号を外部に送信するための送信用端子722とされ、下段は低圧側の電圧(例えば、0[V])を受電する低圧側受電用端子723とされている。そして、これら3本の端子のうち高圧側受電用端子721と低圧側受電用端子723とは本体ハウジング719内部の後述する電力供給回路756に接続されている。
なお、センサ本体710の下流側の側面の上部中央には、光を投光する投光部713が設けられると共に、上流側の側面の上部中央には、投光部713からの光を受光する受光部714が設けられており、上流側に隣接する投光部713からの光を下流側に隣接する受光部714が受光することで上流側のセンサ本体710A(710B)から下流側のセンサ本体710B(710C)に対して検出状態等の信号を送信できるようになっている。また、図27に示すように、センサ本体710の底面には、長手方向の両端に一対の底面突部715が設けられ、それら底面突部715から互いに対向する向きに突出する一対の係止爪716A,716Bが、両レールLの端部に設けられた鍔部L1を挟むように係合可能となっている。これら一対の係止爪716A,716Bのうち、後方側の係止爪716Bは、前後に撓み変形する可撓部(図示しない)により後方に移動可能となっており、センサ本体710を前方側に押し付けることで、両係止爪716A,716B間の間隔が拡がって前方側の係止爪716AとレールLとの係合が解除され、これによりセンサ本体710をレールLから取り外すことができる。
2.電源コネクタの構成
電源コネクタ730は、図28に示すように、全体としてクランク状であって略後半部が階段状に低くなるとともに、一段高くなった前方側は嵌合凸部731とされており、この嵌合凸部731が前面側からセンサ本体710のコネクタ嵌合部720に嵌め込まれることでセンサ本体710に電源コネクタ730が装着されるようになっている。
嵌合凸部731の前面には、図29に示すように、前記センサ本体710の各端子が挿入される3つの端子挿入孔736〜738が各端子に対応して3段に設けられており、この端子挿入孔736〜738の内部にを有する雌型の端子金具732〜734が配されている。
ここで、上段と下段の端子挿入孔736,738内の端子金具はそれぞれ高圧側給電端子部732及び低圧側給電端子部734とされ、これらの給電端子部732,734を介してセンサ本体710に電力が供給されるようになっている。なお、中段の端子金具は受信用端子733とされ、電源コネクタ730の後端面に接続される信号線C3と電気的に接続されており、これによりセンサ本体710内部の出力回路755からの検出結果等の信号が信号線C3を介して外部に出力されるようになっている。
そして、この端子挿入孔736〜738にセンサ本体710の対応する段の端子721〜723が挿入されることで、各端子挿入孔736〜738内部の端子金具732〜734の一対の挟持片735(図29参照)に各端子721〜723が挟持されて各端子間の電気的接続が図られるようになっている。なお、電源コネクタ730の上面には、その前端部から後方側にやや上り勾配で延出される係止突部777が設けられており、この係止突部777の後端がコネクタ嵌合部720の上面の前内壁720A(開口縁部)に係止されることで一旦電源コネクタ730がコネクタ嵌合部720に装着されると取り外しできないようになっている。
電源コネクタ730の後部側は、段差状に低くなる段差部780が形成されるとともに、略後半部分にて一段低くなった平面部781が形成されている。
段差部780の中央部には電源供給部782が凹設されており、各電源供給部782の両端部には導電性部材からなる一対の開閉扉783(783A,783B)が左右対称に設けられ、共に外方側の端部を軸として開閉可能となっている。なお、開閉扉783については上下方向に開閉するシャッタのようなものであってもよい。要するにヨーロピアン端子部を備えている。
これらの開閉扉783は、一方(右方)が高圧側(V[V])の電源線C1と電気的に接続可能とされ、他方(左方)は低圧側(例えば、0[V])の電源線C2と電気的に接続可能とされている。なお、開閉扉783の開閉は、電源コネクタ730上面に左右一対設けられた螺子部784を回転させることにより行うことができ、それぞれの開閉扉783A,783Bを開けて電源線C1,C2をそれぞれ挿入し、開閉扉783を螺子部784を回転させて閉じると、電源線C1,C2と開閉扉783A,783Bとがそれぞれ電気的に接続されて、外部電源から電力が与えられるようになっている。
また、各開閉扉783は、電源コネクタ730内部で高圧側給電端子部732及び低圧側給電端子部734と電気的に接続されており、これにより電源からの電力がセンサ本体710内部の電力供給回路756に供給されるようになっている。
一方、平面部781において、その左右の両端部の上面には一対の短絡用スリット785(貫通孔)が前後2列設けられるとともに、電源コネクタ730内部におけるこの平面部781の下方には、隣接する下流側の電源コネクタ730B,730Cに電力を伝送するための中継端子部786が設けられている。
中継端子部786は、図32(B)に示すように、金属製のバスバーにより構成される導電路が両端部のスリット785間に相当する部分に亘って前後一対形成されており、このうち、前方が高圧側の電圧を中継する高圧側中継端子部786Aとされ、後方側が低圧側の電圧を中継する低圧側中継端子部786Bとされている。
これら中継端子部786(786A,786B)は、共に、図32(A)に示すように、電源コネクタ730内部において上方に開放するコ字状をなしており、中継端子部786の両先端部(上端部)は、内方側に折り返され、この折り返された部分が端子接触部787A,787Bとされている。そして、短絡用スリット785内に後述するショート端子770のタブ部771が挿入されると、タブ部771と端子接触部787A,787Bとが電気的に接続され、ショート端子770を介して下流側に電力が供給されるようになっている。
また、中継端子部786A,786Bは、図32(B)に示すように、それぞれ対応する給電端子部732,734に接続されるとともに、それぞれ対応する開閉扉783A,783Bとも電気的に接続されている。
これにより、開閉扉783に電源線C1,C2が接続されている場合には、センサ本体710の電力供給回路756に電力が与えられるとともに、中継端子部786を介して下流側の電源コネクタにも電力が与えられるようになっている。一方、上流側の電源コネクタ730Aから後述するショート端子770を介して中継端子部786に伝送される電力は、この中継端子部786から更に下流側の電源コネクタ730B(730C)に伝送されるとともに、中継端子部786にて分岐されてセンサ本体710の電力供給回路756に与えられるようになっている。
3.ショート端子の構成
ショート端子770は、図31に示すように、合成樹脂製で逆T字型をなす把持部770Aの下端から4本の平型の端子からなるタブ部771が左右に一対ずつ並んで下方に突出している。このうち前側の左右一対のタブ部771A及び後側の左右一対のタブ部771Bは、図33に示すように、把持部770A内部で一体に成型されており、これにより前側の左右一対のタブ部771A同士及び後側の左右一対のタブ部771B同士(図31参照)はそれぞれ電気的に接続された状態となっている(図33)。なお、電気的に接続されたタブ部771同士(左右のタブ部)の間隔は、隣接する2つの電源コネクタ730A,730Bの互いに対向する端部の短絡スリット785の間隔に等しくなっている(図31のX=Y)。
そして、図33(A)に示すように、隣接する電源コネクタ730A,730Bの互いに対向する端部の4つの短絡用スリット785A,785Bにショート端子770の4本の平型のタブ部771を挿入することで、隣接する電源コネクタ730A,730Bの高電圧側同士及び低電圧側同士がショート端子770を介して導通されて(図33(B)の矢印方向)、電源線C1,C2の接続された電源コネクタ730側から隣接する下流側の電源コネクタ730に順次電力が供給されるようになっている。
4.センサシステムの電気的構成
センサシステムの電気的構成について図34を参照しつつ説明する。
各センサ本体710の内部には、回路基板(図示しない)が収容されており、この回路基板には、図34に示すように、タイミング発生回路751で生成された所定のタイミングで投光素子711を駆動するための駆動回路752、受光素子712の出力信号を増幅させる増幅回路753、増幅された信号を所定の閾値と比較するコンパレータ754、受光素子712による検出結果を出力する出力回路755等が設けられており、出力回路755から出力される検出結果に応じた出力信号が送信用端子722及び受信用端子733を介して外部に送られる。
また、センサ本体710内部の回路基板には、上記した各回路に電力を供給するための電力供給回路756が設けられており、電源からの電力が電源コネクタ730Aの開閉扉783(783A,783B)、給電端子部732,734、センサ本体の710Aの受電用端子721,723を介してセンサ本体710Aの電力供給回路756に供給される(矢印A,B)。
また、電源から開閉扉783に送られた電力は、電源コネクタ730A内で電力供給回路756側に供給される電力とは分岐して第1中継端子部787Aに伝送され(矢印C,D)、この第1中継端子部787Aからショート端子770を介して隣接する電源コネクタ730Bの第2中継端子部786Aに伝送される(矢印E,F)。そして、この第2中継端子部787Bを介して当該センサ本体710の電力供給回路756に供給される(矢印G,H)とともに、当該電源コネクタ730B内で分岐した電力が電源コネクタ730Bの第1中継端子部787A、ショート端子770、隣接するコネクタ730Cの第2中継端子部787Bを介してコネクタ730Cの電力供給回路756に供給される(矢印L〜N)。
以下、同様に、更に隣接する電源コネクタ730間において電力の供給が行われて、全てのセンサ本体710の電力供給回路756に電力が供給される。
5.センサシステム700の組み付け手順について説明する。
まず、複数の電源コネクタ730のうち、例えば、1つの電源コネクタ730Aの開閉扉783に電源線C1,C2を接続する。そして、例えば、各センサ本体710をレールLに組み付け、隣り合ったセンサ本体710同士を若干離しておく。そして、各センサ本体710に電源線C1,C2の接続された1つの親電源コネクタ730Aと電源線C1,C2の接続されない複数の電源コネクタ730B,730Cとを装着する(図27参照)。
次いで、センサ本体710をレールLに沿ってスライドして、センサ本体710同士を密接させた状態とし、隣接する4つの短絡用スリット785にショート端子770のタブ部771を挿入する。これにより、電源接続された電源コネクタ730Aからの電力がセンサ本体710Aに供給されるとともに、隣接する下流側の電源コネクタ730B,730Cを介して、全てのセンサ本体710に電力が供給される。
6.本参考例の効果
本参考例によれば、隣接する電源コネクタ730A,730B間で、第1中継端子部787Aの端子接触部787Aと第2中継端子部787Bの端子接触部787Bとをショート端子770によって接続すると、各電源コネクタ730において第1中継端子部787Aと第2中継端子部787Bとは互いに導通状態であるから、全コネクタの第1及び第2の中継端子部787A,787Bは全て導通状態になって1本の電力ラインを形成した状態となり、いずれかの電源コネクタ730の開閉扉783(電源接続端子部)に外部電源からの電力線を接続すれば、その開閉扉783(電源接続端子部)は給電端子部732,734に導通しているから、各電源コネクタ730の給電端子部732,734およびセンサ本体710の受電用端子を介して各センサ回路に電力供給が可能になる。
また、例えば、横並びするセンサ本体群の途中で隙間が生じていたり、複数のセンサ本体群が離れた場所に配されている場合には、センサ本体やコネクタの端子と隣接する下流側のセンサ本体やコネクタの端子とを直接接続することが困難であるため、離れた箇所にあるセンサ本体(センサ本体群)のそれぞれについて、外部電源から電力を供給する必要がある。しかしながら、本構成によれば、たとえセンサ本体群が離れていても、それぞれに取り付けられる電源コネクタ730A,730Bの開閉扉783(電源接続端子部)同士をケーブル(図示しない)等の接続手段により接続(わたり配線)するだけで、全てのセンサ本体710に電力を供給することができる。
さらに、全ての電源コネクタ730に開閉扉783(電源接続端子部)が設けられているから、例えば、電源線C1,C2の接続される親コネクタと電源線の接続されない子コネクタとを区別する必要がなく、いずれの電源コネクタ730A,730Bにも電源線C1,C2を接続することができるから、両端の電源コネクタ730A,730Cからの電力の供給だけでなく、両端以外の電源コネクタ(例えば、中間の電源コネクタ730B)からでも電力を供給することができる。
また、レールL上に横並びに隣接配置される下流側のセンサ本体710B(710C)に電力を伝送するために、コネクタ(又はセンサ本体)の一方の側面から端子を側方に突出させるとともに、隣接する他のコネクタ(又はセンサ本体)の対向する面に前記端子を受け入れ可能に構成し、両端子を嵌合させることで両端子間を電気的に接続する場合には、センサ本体がレールLに沿う方向に移動する(ずれる)と両端子の嵌合がそれに伴って外れてしまい、電力の伝送ができなくなるおそれがあるため、センサ本体群の両側方から位置決めのためのエンドユニット(図示しない)で挟み込むことでセンサ本体を固定する必要がある。
本構成によれば、センサ本体710の並び方向とは直交する方向からショート端子770を取り付けることで、センサ本体710の並び方向への移動(ずれ)をエンドユニットを用いずに規制することができるから、部品点数を削減することができる。
<参考例6>
以下、センサシステムを、ファイバセンサに適用した参考例6について、図35〜図44を参照しつつ説明する。なお、前後方向については、図35の左上方(奥方)を前方として説明する。
本参考例のセンサシステム800は、図35に示すように、断面略コ字状をなすレールLを跨って隣接して配置される複数(例えば、3個)のセンサ本体810と、それらの各センサ本体810に対して取り外し不能に装着可能な複数(例えば、3個)の電源コネクタ830と、隣接する電源コネクタ830間を短絡させることで隣接する電源コネクタ830間を導通させるショート端子870とからなり、このうちの電源線C1,C2の接続される親電源コネクタ830Aを介して電力が供給されることで、下流側(図1の右方)のセンサ本体810へと順次電力が供給されるようになっている。
1.センサ本体の構成
センサ本体810は、幅方向(並び方向)に薄幅の略直方体状をなし、図35における左上方を向いた前面には、一対の光ファイバF,Fの各基端部が、センサ本体810内に備えられた投光素子811及び受光素子812にそれぞれ突き合わせた状態で差し込まれており、これにより投光素子811からの光が一方の光ファイバF内を伝わるとともに、他方の光ファイバFからの光が受光素子812にて受光されるようになっている。
センサ本体810後面(光ファイバF,Fの導出面と反対側)の略下半分は、図36に示すように、後方に開放する凹部が形成されるとともに、この凹部の奥壁から3本の端子が突出してなるコネクタ嵌合部820が形成されており、このコネクタ嵌合部820に後述する電源コネクタ830が嵌合されるようになっている。
コネクタ嵌合部820の3本の端子は高さ方向に三段に設けられており、上段には高圧側の電圧(V[V])を受電する高圧側受電用端子821が設けられ、中段にはセンサ本体810内部の出力回路855からの信号を外部に送信するための送信用端子822が設けられ、下段には低圧側の電圧(例えば、0[V])を受電する低圧側受電用端子823が設けられている。そして、これら3本の端子のうち高圧側受電用端子821と低圧側受電用端子823とはケース(本体ハウジング)内部の後述する電力供給回路856に接続されるとともに、送信用端子822は出力回路855に接続されている。
なお、図35に示すように、センサ本体810の一側面の上部中央には、光を投光する投光部813が設けられると共に、他方の側面の上部中央には、投光部813からの光を受光する受光部814が設けられており、隣のセンサ本体810の投光部813からの光を隣接する下流側のセンサ本体810の受光部814が受光することで下流側のセンサ本体810に対して検出状態等の信号を送信できるようになっている。また、センサ本体810の底面には、長手方向の両端に一対の底面突部815が設けられ、それら底面突部815から互いに対向する向きに突出する一対の係止爪816A,816Bが、両レールLの端部に設けられた鍔部を挟むように係合可能となっている。これら一対の係止爪816A,816Bのうち、後方側の係止爪816Bは、前後に撓み変形する可撓部(図示しない)により、後方に移動可能となっており、センサ本体810を前方側に押し付けることで、両係止爪816A,816B間の間隔が拡がって前方側の係止爪816AとレールLとの係合が解除され、これによりセンサ本体810をレールLから取り外すことができる。
2.電源コネクタの構成
電源コネクタ830は、図36に示すように、全体としてクランク状で略後半部が階段状に低くなるとともに、一段高くなった前方側は嵌合凸部831とされており、嵌合凸部831が前面側からセンサ本体810のコネクタ嵌合部820に嵌め込まれることでセンサ本体810に電源コネクタ830を装着されるようになっている。
嵌合凸部831の前面には、図38に示すように、前記センサ本体810の各端子が挿入される3つの端子挿入孔836〜838が各端子に対応して3段に設けられており、この端子挿入孔836〜838の内部にを有する雌型の端子金具832〜834が配されている。
ここで、上段と下段の端子挿入孔836,838内の端子金具はそれぞれ高圧側給電端子部832及び低圧側給電端子部834とされ、これらの給電端子部832,834を介してセンサ本体810に電力が供給されるようになっている。なお、中段の端子金具は受信用端子833とされ、電源コネクタ830の後端面に接続される信号線C3と電気的に接続されており、これによりセンサ本体810内部の出力回路855からの検出結果等の信号が信号線C3を介して外部に出力されるようになっている。
そして、この端子挿入孔836〜838にセンサ本体810の対応する段の端子821〜823が挿入されることで、各端子挿入孔836〜838内部の端子金具832〜834の一対の挟持片835に各端子821〜823が挟持されて各端子間の電気的接続が図られるようになっている。なお、電源コネクタ830の上面には、その前端部から後方側にやや上り勾配で延出される係止突部877が設けられており、この係止突部877の後端がコネクタ嵌合部820の上面の前内壁820A(開口縁部)に係止されることで一旦電源コネクタ830がコネクタ嵌合部820に装着されると取り外しできないようになっている。
電源コネクタ830の後部側は、段差状に低くなる段差部880が形成されるとともに、略後半部分にて一段低くなった平面部881が形成されている。
段差部880の中央部には電源供給部882が凹設されており、各電源供給部882の両端部には導電性部材からなる一対の開閉扉883(883A,883B)が左右対称に設けられ、共に外方側の端部を軸として開閉可能となっている。なお、開閉扉883については上下方向に開閉するシャッタのようなものであってもよい。要するにヨーロピアン端子部を備えている。
これらの開閉扉883は、例えば、一方(右方)が高圧側(V[V])の電源線C1と電気的に接続され、他方(左方)は低圧側(例えば、0[V])の電源線C2と電気的に接続されるようになっている。なお、開閉扉883の開閉は、電源コネクタ830上面に左右一対設けられた螺子部884を回転させることにより行うことができ、それぞれの開閉扉883A,883Bを開けて電源線C1,C2をそれぞれ挿入して開閉扉883を閉じると、電源線C1,C2と開閉扉883A,883Bとがそれぞれ電気的に接続されて、外部電源から電力が与えられるようになっている。
また、各開閉扉883は、電源コネクタ830内部で高圧側給電端子部832及び低圧側給電端子部834と電気的に接続されており、これにより電源からの電力がセンサ本体810内部の電力供給回路856に供給されるようになっている。
一方、平面部881には、前後方向に長い切れ目の8つのスリットが前後2列に分けて貫通形成されており、これらスリットのうち、角側の4つのスリットは、電気的に絶縁された状態のダミースリット889とされるとともに、中心側の4つのスリットは短絡用スリット885とされ、短絡用スリット885の下方における電源コネクタ830内部には、隣接する下流側の電源コネクタ830に電力を伝送するための中継端子部886A,886Bが設けられている。
ここで、これらスリット885,889の左右方向の間隔は、前後共に、中央部のスリットの間隔がやや広く、他は等しくなっており、図39に示すように、電源コネクタ830のダミースリット889間の間隔Xが、電源コネクタ830を隣接配置した状態における電源コネクタ830を跨ぐ短絡用スリット885Aと885Bとの間の間隔Yに等しくなるようになっている(図39のX=Y)。
中継端子部886A,886Bは、図40に示すように、電源コネクタ830内部においてコ字状をなし、高圧側の電圧を中継する高圧側中継端子部886Aと低圧側の電圧を中継する低圧側中継端子部886Bとが前後に並列に設けられており、これらの中継端子部886A,886Bの両先端部が上方に向けて配されることで先端部が対応する短絡用スリット885A,885Bの下方に位置するようなっている。
また、中継端子部886A,886Bの両先端部(上端部)は、内方側に折り返されており、この折り返された部分が端子接触部887A,887Bとされている。そして、短絡用スリット885A,885B内に後述するショート端子870のタブ部871が挿入されると、タブ部871と端子接触部887A,887Bとが電気的に接続され、下流側に電力が与えられるようになっている。
3.ショート端子の構成
ショート端子870は、図37に示すように、略直方体状で合成樹脂製の把持部870Aの下端部から4本の平型(縦長)の端子からなるタブ部871が左右に一対ずつ並んで下方に突出しており、この把持部870Aをつかんで4本のタブ部871を短絡用スリット885A,885B内に差し込むことで電源コネクタ830間を電気的に接続するようになっている。なお、把持部870Aの後端部は後方に突出したけ係止部とされ、ショート端子870を外す際にこの係止部に指先を係止させることで外しやすいようになっている。
4本のタブ部871のうち前側の左右一対のタブ部871A及び後側の左右一対のタブ部871Bは、図41に示すように、それぞれ把持部870A内部で一体に形成されており、これにより前側のタブ部871A同士及び後側のタブ部871A同士は電気的に接続された状態となっている。なお、左右一対のタブ部871の左右の間隔は、図39に示すように、ダミースリット889の左右の間隔X(電源コネクタ830を隣接配置した状態における電源コネクタ830を跨ぐ短絡用スリット885Aと短絡用スリット885Bとの間の間隔Y)に等しくなっている。
そして、図41(A)に示すように、隣接する電源コネクタ830間の4つの短絡用スリット885(同電位同士をつなぐように配されたスリット)にショート端子870の4本のタブ部871を電源コネクタ830間を跨ぐように挿入することで、隣接する電源コネクタ830の高電圧側同士及び低電圧側同士がショート端子870を介して導通されて(図41(B)の矢印方向)、電源線C1,C2の接続された電源コネクタ830側から隣接する電源コネクタ830側に順次電力が供給されるようになっている。
なお、センサ本体810を隣接配置せず単独で使用する場合には、図42,C9に示すように、ショート端子870をダミースリット889に差し込むことで、ショート端子870の管理が容易になる。
4.センサシステムの電気的構成
センサシステムの電気的構成について図44を参照しつつ説明する。
各センサ本体810の内部には、回路基板(図示しない)が収容されており、この回路基板には、図44に示すように、タイミング発生回路851で生成された所定のタイミングで投光素子811を駆動するための駆動回路852、受光素子812の出力信号を増幅させる増幅回路853、増幅された信号を所定の閾値と比較するコンパレータ854、受光素子812による検出結果を出力する出力回路855等が設けられており、出力回路855から出力される検出結果に応じた出力信号が送信用端子822及び受信用端子833を介して外部に送られる。
また、センサ本体810内部の回路基板には、上記した各回路に電力を供給するための電力供給回路856が設けられており、電源からの電力が親電源コネクタ830Aの開閉扉883及び給電端子部832,834、受電用端子821,823を介してセンサ本体810Aの電力供給回路856に供給される(矢印A,B)。
また、電源から開閉扉883に送られた電力は、電源コネクタ830A内で電力供給回路856側に供給される電力とは分岐して中継端子部886に送られ(矢印C,D)、この中継端子部886からショート端子870を介して電源コネクタ830B側に送られる(矢印E,F)。
そして、電源コネクタ830B側の中継端子部886を介して当該センサ本体810Bの電力供給回路856に供給される(矢印G,H)。また、当該電源コネクタ830B内の中継端子部886で分岐した電力(矢印J,I)がショート端子870を介して下流側の電源コネクタ830C側に送られる(矢印K,L)。
以下、同様に、隣接する電源コネクタ830間において電力の供給が行われて、全てのセンサ本体810の電力供給回路856に電力が供給される(矢印MN等)。
5.センサシステムの組み付け手順について説明する。
まず、複数の電源コネクタ830のうち、例えば、1つの電源コネクタ830の開閉扉883A,883Bに電源線C1,C2を接続する。そして、例えば、各センサ本体810をレールLに組み付け、隣り合ったセンサ本体810同士を若干離しておく。そして、各センサ本体810に電源線C1,C2の接続された1つの電源コネクタ830と電源線C1,C2の接続されない複数の電源コネクタ830とを装着する。
次いで、センサ本体810をレールLに沿ってスライドして、センサ本体810同士を密接させた状態とし、短絡用スリット885A,885Bにショート端子870を挿入する。これにより、電源接続された電源コネクタ830からの電力がセンサ本体810に供給されるとともに、隣接する下流側の電源コネクタ830を介して、全てのセンサ本体810に電力が供給される。
6.本参考例の効果
本参考例によれば、隣接するコネクタ830A(830B),830B(830C)間で、第1中継端子部887Aと第2中継端子部887Bとをショート端子870によって電気的に接続すると、各コネクタにおいて第1中継端子部887Aと第2中継端子部887Bとは互いに導通状態であるから、全コネクタの第1及び第2の中継端子部887A,887Bは全て導通状態になって1本の電力ラインを形成した状態となり、いずれかのコネクタの開閉扉883(電源接続端子部)に外部電源からの電力線を接続すれば、その開閉扉883A(電源接続端子部)は給電端子部832,834に導通しているから、各コネクタの給電端子部832,834およびセンサ本体810の受電用端子821,823を介して各センサ回路に電力供給が可能になる。
また、例えば、横並びするセンサ本体群の途中で隙間が生じていたり、複数のセンサ本体群が離れた場所に配されている場合には、センサ本体やコネクタの端子と隣接する下流側のセンサ本体やコネクタの端子とを直接接続することが困難であるため、離れた箇所にあるセンサ本体(センサ本体群)のそれぞれについて、外部電源から電力を供給する必要がある。しかしながら、本構成によれば、たとえセンサ本体群が離れていても、それぞれに取り付けられる電源コネクタ830A,830Bの開閉扉883(電源接続端子部)同士をケーブル(図示しない)等の接続手段により接続(わたり配線)するだけで、全てのセンサ本体810に電力を供給することができる。
さらに、全ての電源コネクタ830に開閉扉883(電源接続端子部)が設けられているから、例えば、電源線C1,C2の接続される親コネクタと電源線の接続されない子コネクタとを区別する必要がなく、いずれの電源コネクタ830A,830Bにも電源線C1,C2を接続することができるから、両端の電源コネクタ830A,830Cからの電力の供給だけでなく、両端以外の電源コネクタ(例えば、中間の電源コネクタ830B)からでも電力を供給することができる。
また、レールL上に横並びに隣接配置される下流側のセンサ本体810B(810C)に電力を伝送するために、コネクタ(又はセンサ本体)の一方の側面から端子を側方に突出させるとともに、隣接する他のコネクタ(又はセンサ本体)の対向する面に前記端子を受け入れ可能に構成し、両端子を嵌合させることで両端子間を電気的に接続する場合には、センサ本体がレールLに沿う方向に移動する(ずれる)と両端子の嵌合がそれに伴って外れてしまい、電力の伝送ができなくなるおそれがあるため、センサ本体群の両側方から位置決めのためのエンドユニット(図示しない)で挟み込むことでセンサ本体を固定する必要がある。
本構成によれば、センサ本体810の並び方向とは直交する方向からショート端子870を取り付けることで、センサ本体810の並び方向への移動(ずれ)をエンドユニットを用いずに規制することができるから、部品点数を削減することができる。
また、各コネクタ830間を接続するには、各コネクタ830毎に1対のショート端子870を要するから、予めショート端子870を1つのコネクタのダミースリット889間に装着しておき、それを使用するときには隣接する2つのコネクタの第1中継端子部887Aと第2中継端子部887Bとの間に装着すればよい。ショート端子870の不使用時には、ダミースリット889に装着しておけば、紛失等の恐れがない。
<参考例7>
センサシステムを、ファイバセンサに適用した参考例7について、図45〜図52を参照しつつ説明する。なお、前後方向については、図45の左上方(奥方)を前方として説明する。
本参考例のセンサシステム900は、図45に示すように、断面略コ字状をなすレールLを跨って隣接して配置される複数(例えば、3個)のセンサ本体910と、それらの各センサ本体910に対して着脱自在に嵌合可能な複数(例えば、3個)のコネクタ930とからなり、このうちの電源線C1,C2の接続される親コネクタ930Aを介してこの親コネクタ930Aと嵌合するセンサ本体910に電力が供給されるとともに、このセンサ本体910から下流側(図45の右方)のセンサ本体910へと順次電力が供給されるようになっている。
1.センサ本体の構成
センサ本体910は、幅方向(並び方向)に薄幅の略直方体状をなし、図45における左上方を向いた前面には、一対の光ファイバF,Fの各基端部が、センサ本体910内に備えられた投光素子911及び受光素子912にそれぞれ突き合わせた状態で差し込まれており、これにより投光素子911からの光が一方の光ファイバF内を伝わるとともに、他方の光ファイバFからの光が受光素子912にて受光されるようになっている。
センサ本体910の後端部(光ファイバF,Fの導出面と反対側)の略下半分は、図46に示すように、後方に開放するように設けられる凹部918が幅方向の全体に亘って形成されており、この凹部918に後述する嵌合部材970が嵌め込まれるようになっている。
凹部918から突出する3本の端子は高さ方向に三段に設けられており、上段は高圧側の電圧(V[V])を受電する高圧側受電用端子921とされ、中段はセンサ本体910内部の出力回路955からの信号を外部に送信するための送信用端子922とされ、下段には低圧側の電圧(例えば、0[V])を受電する低圧側受電用端子923とされている。そして、これら3本の端子のうち高圧側受電用端子921と低圧側受電用端子923とは本体ハウジング内部の後述する電力供給回路956に接続されている。
嵌合部材970は、親用嵌合部材970Aと子用嵌合部材970B,970Cとの2種類があり、共に略直方体状で薄厚の合成樹脂からなり、凹部918の底部(奥端部)にほぼ密着状態ではめ込めるようになっている。なお、嵌合部材970の上面部における両側端部には後方側に向けて上り勾配となり角状に突出する係止突部977が嵌合部材970の後面よりも後方に突き出るように設けられており、この係止突部の後端が凹部918の上面の前内壁920A(開口縁部)に係止されることで一旦はめ込まれる抜け止め(嵌め殺し)がされるようになっている。
子用嵌合部材970B,970Cには、前後に貫通する端子貫通穴961〜963がセンサ本体910の各端子に対応して上下三段に形成されている。
このうち上段の端子貫通穴961及び下段の端子貫通穴963の高さ位置には、後方に開放する上下一対の溝部964,965が全幅に亘って形成されており、この溝部964,965うち下流側(図48の左端側)はやや幅広になっている。
これら溝部964,965内には、長方形状の電極板からなり、溝部964,965のやや広くなった部分に対応して段差の形成された板状端子947が、端子貫通穴961〜963を横切るように各溝部964,965内に配されている。
板状端子947のうち、段差状に一段低くなった上流側(図48の右方)は電力受け入れのための電力受け入れ用端子973,974とされ、長方形状の上下一対の雄端子部973A,974Aが子コネクタ930の側壁よりも上流側に突出している。一方、段差状に一段高くなった下流側(図48の左方)は溝部964,965内に挿入される下流側の電力受け入れ用端子973,974を介して電力を送り出すための電力送出用端子975A,975Bとされており、この電力送出用端子975A,975Bの下面には、やや下方に突出する接触部976A,976Bが形成されている。
そして、センサ本体910を隣接配置した際には、接触部976A,976Bが下流側に隣接する嵌合部材970の雄端子部973A,974Aの上面と接触することで隣接する嵌合部材970間が導通状態となり、下流側の嵌合部材970を介して下流側のセンサ本体910に電力が供給されるようになっている。
また、電力受け入れ用端子973,974の上面のうち、端子貫通穴961〜963に対応する位置には、受電用端子921,923の挿入方向に片持ち状に延びる弾性撓み片(図示しない)が設けられており、受電用端子921,923を挿入すると、受電用端子921,923との当接により弾性撓み片が弾性撓みすることで受電用端子921,923と電力受け入れ用端子973,974との間の電気的接続が図られるようになっている。
なお、中段の端子貫通穴962には電極が設けられておらず、端子を貫通させるために形成されている。
センサ本体910の凹部918のうち、嵌合部材970の後方でやや浅底となって残された部分は、嵌合部材970の後面(奥壁)から上記した3本の端子の先端部が突出してなるコネクタ嵌合部920が形成されており、このコネクタ嵌合部920にコネクタ930が嵌合されるようになっている。
一方、親用嵌合部材970Aは、子用嵌合部材970B,970Bとは異なり、隣接する上流側の嵌合部材970から電力が与えられるではなく、後述するコネクタ930(親コネクタ930A)から伝送されるから、上段と下段の端子貫通穴961,963から図48の右方に延びる部分の電力受け入れ用端子973,974の雄端子部973A,974A及びその部分の溝部964,965とを有さず、上流(図49の右端)側の側壁は平坦に形成されている。
なお、図45に示すように、センサ本体910の一側面の上部中央には、光を投光する投光部913が設けられると共に、他方の側面の上部中央には、投光部913からの光を受光する受光部914が設けられており、上流側に隣接するセンサ本体910の投光部913からの光を、下流側に隣接するセンサ本体910の受光部914が受光することで下流側のセンサ本体910に対して検出状態等の信号を送信できるようになっている。また、センサ本体910の底面には、長手方向の両端に一対の底面突部915が設けられ、それら底面突部915から互いに対向する向きに突出する一対の係止爪916A,916Bが、両レールLの端部に設けられた鍔部を挟むように係合可能となっている。これら一対の係止爪916A,916Bのうち、後方側の係止爪916Bは、前後に撓み変形する可撓部(図示しない)により、後方に移動可能となっており、センサ本体910を前方側に押し付けることで、両係止爪916A,916B間の間隔が拡がって前方側の係止爪916AとレールLとの係合が解除され、これによりセンサ本体910をレールLから取り外すことができる。
2.コネクタの構成
コネクタ930は、図45に示すように、電源線C1,C2を介して電源からの電力の伝送される1つの親コネクタ930A(図45の左端のコネクタ930)と、電源線C1,C2が接続されない複数の子コネクタ930(親コネクタ930A以外のコネクタ930)とからなり、センサ本体910のコネクタ嵌合部920に嵌合可能となっている。
コネクタ930には、全体としてやや薄い略直方体状をなすコネクタ930ハウジングの前面に、前記センサ本体910の各端子が挿入される3つの端子挿入孔931〜933が各端子に対応して3段に設けられている。コネクタ930の上面には片持ち梁状のロックアーム939Aが設けられており、このロックアーム939Aによりコネクタ930が着脱可能となっている。
子コネクタ930には、3段の端子挿入孔931〜933のうち、中段の端子挿入孔932内に雌型端子金具からなる受信用端子(図示しない)が配されるとともに、この受信用端子は子コネクタ930の後面部に接続される信号線C3と電気的に接続されており、これによりセンサ本体910の出力回路からの検出結果等の信号が信号線C3を介して外部に出力されるようになっている。また、上段と下段の端子挿入孔931,933内には、雌型端子金具が設けられているがこの雌型端子金具は他の電線等と接続されておらず電気的に絶縁された状態となっている。なお、上段と下段の端子挿入孔931,933内に雌型端子金具を設けずに、端子挿入孔931,933内を電気的に絶縁する構成としてもよい。
一方、親コネクタ930Aは、子コネクタ930とは以下の部分が異なる。即ち、親コネクタ930Aには信号線C3に加えて外部電源に接続された高圧側と低圧側とからなる2本の電源線C1,C2が接続されるとともに、上段と下段の端子挿入孔931,933内に雌型端子金具からなる電源端子(図示しない)が配されており、各電源端子が2本の電源線C1,C2のそれぞれと電気的に接続されている。
これにより、親コネクタ930Aに外部電源から直接電力が供給されることで、当該親コネクタ930Aと嵌合するセンサ本体910Aに電力が供給されるとともに、外部電源からの電力がセンサ本体910Aの親用嵌合部材970Aの電力送出用端子975A,975Bを介して下流側に隣接する子用嵌合部材970B(970C)の電力受け入れ用端子973,974に供給されるようになっている。
なお、嵌合させるコネクタ930としては、予めケーブル(電源線C1,C2や信号線C3)が接続されたコネクタ930でなくてもよく、例えば、図52に示すように、ケーブルを後付けするタイプのもの(例えば、M8コネクタ980タイプ)であってもよい。
3.センサシステムの電気的構成
センサシステム900の電気的構成について図51を参照しつつ説明する。
各センサ本体910の内部には、回路基板(図示しない)が収容されており、この回路基板には、図51に示すように、タイミング発生回路951で生成された所定のタイミングで投光素子911を駆動するための駆動回路952、受光素子912の出力信号を増幅させる増幅回路953、増幅された信号を所定の閾値と比較するコンパレータ954、受光素子912による検出結果を出力する出力回路955等が設けられており、出力回路955から出力される検出結果に応じた出力信号が送信用端子922に送られるようになっている。
また、センサ本体910内部の回路基板には、上記した各回路に電力を供給するための電力供給回路956が設けられており、親コネクタ930Aの高圧側電源及び低圧側電源からの電力がセンサ本体910の高圧側受電用端子921及び低圧側受電用端子923を介して電力供給回路956に供給される(矢印A,B)。
ここで、高圧側電源及び低圧側電源からの電力は、親用嵌合部材970A内にて分岐されて親用嵌合部材970Aの電力送出用端子975A,975Bと隣接する下流側の子用嵌合部材970B,970Bの電力受け入れ用端子973,974とを介して子用嵌合部材970B,970Bの装着されたセンサ本体910Bの電力供給回路956に供給される(矢印C,D)。
さらに、子用嵌合部材970B,970B内にて分岐されて子用嵌合部材970B,970Bの電力送出用端子975A,975Bと隣接する下流側の子用嵌合部材970B,970Bの電力受け入れ用端子973,974とを介して子用嵌合部材970B,970Bの装着されたセンサ本体910の電力供給回路956に供給される(矢印E,F)。
以下、更に隣接配置された場合も同様に、隣接配置されたセンサ本体910間において電力の供給が行われて、全てのセンサ本体910の電力供給回路956に電力が供給される。
4.センサシステム900の組み付け手順について説明する。
複数のセンサを組み付けるには、例えば、先に、各センサ本体910をレールLに組み付け、隣り合ったセンサ本体910同士を若干離しておく。そして、左端のセンサ本体910Aに、親用嵌合部材970Aを装着し、残りのセンサ本体910B,910Cに子用嵌合部材970B,970Cを装着する(図46,A6参照)。次に、親コネクタ930Aを親用嵌合部材970Aの後方からコネクタ嵌合部920に装着し、子コネクタ930B,930Cを子用嵌合部材970B,970Bの後方からコネクタ嵌合部920に装着する。
次いで、センサ本体910をレールLに沿ってスライドして、図45に示すように、センサ本体910同士を密接させると、これに伴い、嵌合部材970同士も密接した状態になるから、子用嵌合部材970B,970Cの一対の電力受け入れ用端子973,974が隣接するコネクタ930の一対の溝部964,965内に入り込み、電力送出用端子975A,975Bと電力受け入れ用端子973,974とが導通状態となる(図48参照)。これにより、各嵌合部材970を介して、全てのセンサ本体910に電力が供給される。
5.本参考例の効果
本参考例によれば、最初のセンサ本体910(またはいずれかのセンサ本体910)の電力供給回路956のみに電源電力が供給されるようになっていれば、隣接するセンサ本体910に順次バトンタッチするようにして電力供給がなされるから、他のセンサ本体910には電源線C1,C2を接続する必要がなく、センサシステム900への電源供給ラインが簡素化される。
また、本参考例では、コネクタ930のみを介して電源電力を順次バトンタッチするように下流に供給するのではなく、センサ本体910に嵌めこまれた嵌合部材970を介して順に電源電力を下流に供給する構成であるから、仮に、例えば一部のセンサ本体910が嵌合部材970とともにメンテナンス等のためにコネクタ930から外されていた場合には、そのセンサ本体910の受電用端子921,923と電力送出用端子975A,975B(電力受け入れ用端子973,974)との接続が外れ、その結果、そのセンサ本体910の下流のセンサ本体910群には電力供給が遮断されることになる。このため、センサシステム900全体として異常があることが明確になり、不用意に製造ラインを稼働させてしまうこと等がなく、安全である。
さらに、親コネクタ930Aをいずれかのセンサ本体910のコネクタ嵌合部920に嵌合すれば、そのコネクタ930に設けた電源端子がコネクタ嵌合部920の受電用端子921,923に接続されるから、外部電源から電源線C1,C2を介して電力供給を行うことができる。コネクタ930を介して電源供給を行うことができるから、センサ本体910群のうちのどのセンサ本体910にまず電力供給を行うかを自在に設定することができ、外部電源からの電源ケーブルを配索する上での自由度が高くなるという利点がある。
なお、親用嵌合部材970Aを横並びに配されたセンサ本体のうちの端部のセンサ本体910Aに取付けられることとしたが、端部のセンサ本体910A以外(例えば、中間のセンサ本体910B)に取付けられるものであってもよく、端部のセンサ本体以外に取付けられる場合には、親用嵌合部材の両端部に溝部を形成し、この溝部内に電力送出用端子を配するとともに、両側に隣接する子嵌合部材には共に親嵌合部材側に突出する電力受け入れ用端子を設け、各電力受け入れ用端子が親用嵌合部材の両端部の溝部内に挿入されることで、下流側(親嵌合部材が上流で左右が共に下流側)に電力を供給する構成としてもよい。
<参考例8>
参考例8については、図53を参照して説明する。なお、参考例1と同一の構成については説明を省略する。
参考例7では、親コネクタ930Aに供給した電力を子コネクタ930B,子コネクタ930C及びセンサ本体910に供給する構成としたが、参考例8では、図53に示すように、複数のセンサ本体910を側方から挟み込むようにエンドユニット1000A,1000Bを配し、電源線C1,C2と接続した一方のエンドユニット1000Aから隣接する嵌合部材1070Aを介してセンサ本体910に電力を供給するように構成したものである。なお、参考例8では、電源線C1,C2が直接コネクタ930に接続される構成ではないため、本参考例のコネクタ1030及び嵌合部材1070は全て参考例7の子コネクタ930B,930B及び子用嵌合部材970B,970Cと同様の構成となる。
具体的には、エンドユニット1000A,1000Bは、コネクタ930が結合した状態のセンサ本体910とほぼ同形でやや薄幅とされるとともに、一方のエンドユニット1000Aに外部電源からの電源線C1,C2が引き込まれている。また、エンドユニット1000Aのうち隣接するコネクタ1030Aの電力受け入れ用端子973,974の雄端子部973A,974Aと対応する位置には、高圧側及び低圧側の電源線C1,C2と連なる(電気的に接続された)雌型の端子金具からなる高圧側電源端子1001及び低圧側電源端子1002が設けられており、これらの電源端子1001,1002が隣接する嵌合部材970の対応する電力受け入れ用端子973,974に接続可能となっている。
このように、センサ本体910群の端部にエンドユニット1000Aを取り付けると、そこに設けた電源端子1001,1002がセンサ本体910に嵌合した嵌合部材1070の電力受け入れ用端子973,974に接続されるため、外部電源からエンドユニット1000Aを介して電源供給を行うことができる。また、エンドユニット1000Aを介して電力供給を行うから、コネクタ930としては電源端子1001,1002を備えた電源コネクタを使用する必要がなく、単一種類のコネクタによってセンサシステムを構成することが可能である。
なお、上下一対の高圧側電源端子1001及び低圧側電源端子1002は、エンドユニット1000B側のみに取り付けてもよく、この場合、エンドユニット1000B側の高圧側電源端子1001及び低圧側電源端子1002を雄型の端子としてもよく、また、エンドユニット1000B側の高圧側電源端子及び低圧側電源端子を雌型とし、コネクタ930の電力受け入れ用端子と電力送出用端子の位置を入れ替えて構成してもよい。
さらに、エンドユニットの両方に高圧側電源端子及び低圧側電源端子を取り付けて構成してもよい。
<他の実施形態>
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。