JP2022186123A - コネクタおよびコネクタ組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の相手側コンタクトの挿入力の低減を図りながらも相手側コネクタとの位置ずれを吸収しつつ相手側コネクタと嵌合することができるコネクタおよびコネクタ組立体を提供する。【解決手段】第2インシュレータ31内に移動可能に保持された複数の中継コンタクト61は、それぞれ、第2接点部66に接触している固定コンタクト41U、41Lの接続部42の先端部が、受け面67に接触することにより、嵌合方向に沿って固定コンタクトの方向に向かう移動が規制され、複数の固定コンタクト41U、41Lのうち少なくとも1つの固定コンタクトの接続部42の先端部は、他の固定コンタクトの接続部の先端部に対し嵌合方向において異なる位置に配置されている。【選択図】 図15

Description

この発明は、コネクタおよびコネクタ組立体に係り、特に、嵌合方向に沿って相手側コネクタの複数の相手側コンタクトが挿入されることにより複数のコンタクトが複数の相手側コンタクトに電気的に接続されるコネクタに関する。
また、この発明は、このようなコネクタと相手側コネクタからなるコネクタ組立体にも関している。
従来から、相手側コネクタに嵌合するコネクタであって、相手側コネクタの複数の相手側コンタクトが嵌合方向に沿ってコネクタに挿入されることで、相手側コネクタの複数の相手側コンタクトとコネクタの複数のコンタクトが電気的に接続されるコネクタが知られている。この種のコネクタにおいては、相手側コネクタをコネクタに嵌合する際に、相手側コネクタの複数の相手側コンタクトとコネクタの複数のコンタクトが同時に接続状態になると、コネクタに対する複数の相手側コンタクトの挿入力が増大するため、コネクタの操作性が低下するおそれがある。
そこで、例えば、特許文献1に開示されたコネクタ1においては、図30に示されるように、ハウジング2に保持された2つのコンタクト3および4が、互いに嵌合方向D1の異なる位置に接点3Aおよび4Aを有している。コンタクト3および4は、それぞれ、互いに対向し且つ弾性を有する2枚のビーム5を有しており、嵌合方向D1において、コンタクト3および4の中央部よりもいずれかの端部側に偏った位置に、2枚のビーム5の間隔が最小となる接点3Aおよび4Aが形成されている。コンタクト3および4は、互いに同一の構成を有しているが、嵌合方向D1に対して互いに反対向きにハウジング2に保持されることで、嵌合方向D1における接点3Aおよび4Aの位置は、互いに距離Lだけずれている。
このため、相手側コネクタの2つの相手側コンタクト6および7が嵌合方向D1に沿ってコネクタ1に挿入されると、まず、一方の相手側コンタクト6が、対応するコンタクト3の接点3Aの位置に到達し、その後、他方の相手側コンタクト7が、対応するコンタクト4の接点4Aの位置に到達する。
相手側コンタクト6および7が、それぞれ、対応するコンタクト3および4の接点3Aおよび4Aの位置に到達すると、接点3Aおよび4Aに接触して、コンタクト3および4を構成する2枚のビーム5の間隔を押し広げるように相手側コンタクト6および7が挿入されるため、所定の挿入力が必要となる。ただし、接点3Aおよび4Aは、互いに嵌合方向D1にずれた位置に配置されているので、相手側コンタクト6および7は、同時に接点3Aおよび4Aに接触することがなく、相手側コネクタとコネクタ1の嵌合に要する相手側コンタクト6および7の挿入力の最大値を小さく抑えることができる。
特開2000-77118号公報
しかしながら、嵌合方向D1におけるコンタクト3および4の接点3Aおよび4Aの位置を異ならせるために、ハウジング2に対して2つのコンタクト3および4を所定の位置に保持させる必要がある。このため、製造公差等に起因して、コンタクト3および4と相手側コンタクト6および7との間に、嵌合方向D1に直交する方向の位置ずれが生じている場合には、コンタクト3および4と相手側コンタクト6および7との間の接触抵抗にばらつきが生じて、コネクタ1と相手側コネクタによる電気接続の信頼性が低下するおそれがある。また、コンタクト3および4と相手側コンタクト6および7との間の位置ずれが大きい場合には、コネクタ1と相手側コネクタの嵌合が困難になるおそれもある。
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、複数の相手側コンタクトの挿入力の低減を図りながらも相手側コネクタとの位置ずれを吸収しつつ相手側コネクタと嵌合することができるコネクタおよびコネクタ組立体を提供することを目的とする。
この発明に係るコネクタは、
嵌合方向に沿って相手側コネクタに嵌合するコネクタであって、
ハウジングと、
それぞれハウジングに固定され且つ嵌合方向および嵌合方向に直交する第1の方向に沿って延びる平板状の接続部を有する複数の固定コンタクトと、
複数の固定コンタクトに対応し且つそれぞれハウジング内に移動可能に保持されると共に対応する固定コンタクトに電気的に接続される複数の中継コンタクトと
を備え、
複数の中継コンタクトは、それぞれ、
嵌合方向に延び且つ嵌合方向および第1の方向の双方に交差する第2の方向に間隔を隔てて互いに対向する第1伸長部および第2伸長部と、
第1伸長部および第2伸長部の嵌合方向における中間部を互いに連結する連結部と
第1伸長部および第2伸長部の嵌合方向における一端に配置され且つ相手側コネクタの対応する相手側コンタクトに接触して電気的に接続される第1接点部と、
第1伸長部および第2伸長部の嵌合方向における他端に配置され且つ対応する固定コンタクトの接続部に接触して電気的に接続される第2接点部と、
嵌合方向に沿って対応する固定コンタクトの接続部の先端部に向けられた受け面と
を有し、
複数の中継コンタクトは、それぞれ、第2接点部に接触している固定コンタクトの接続部の先端部が、受け面に接触することにより、嵌合方向に沿って対応する固定コンタクトの方向に向かう移動が規制され、
複数の固定コンタクトのうち少なくとも1つの固定コンタクトの接続部の先端部は、他の固定コンタクトの接続部の先端部に対し嵌合方向において異なる位置に配置されていることを特徴としている。
ハウジングは、
複数の固定コンタクトが固定される第1インシュレータと、
第1インシュレータに連結され且つ複数の中継コンタクトを移動可能に保持する第2インシュレータと
を有することが好ましい。
第2インシュレータは、第1インシュレータに脱着可能に連結されることができる。
また、複数の中継コンタクトは、互いに同一の構造を有することが好ましい。
複数の中継コンタクトは、それぞれ、互いに、第1の方向に間隔を隔てて配置された一対の受け面を有することが好ましい。
一対の受け面は、互いに嵌合方向において同一の位置に配置され、
固定コンタクトの接続部の先端部は、一対の受け面に接触する部分が、互いに嵌合方向において同一の位置に配置されているように構成することができる。
この場合、一対の受け面の間の第1の方向における最大距離は、それぞれの固定コンタクトの接続部の先端部の第1の方向における幅寸法よりも短いことが好ましい。
第2インシュレータは、複数の中継コンタクトを収容する複数の中継コンタクト収容部を有し、
それぞれの中継コンタクト収容部は、嵌合方向に沿って延び且つ互いに第1の方向に対向する一対の側壁部と、第1の方向に沿って一対の側壁部を連結する棒状の支持部とを有し、
支持部は、中継コンタクト収容部に収容される中継コンタクトの第1伸長部および第2伸長部の間で且つ連結部と第1接点部の間を通るように構成することができる。
この場合、複数の中継コンタクトは、嵌合方向および第2の方向に移動可能に複数の中継コンタクト収容部に収容されていることが好ましい。
それぞれの中継コンタクトは、屈曲された1枚の金属板から形成され、1つの第2伸長部と、第2伸長部の第1の方向の両側縁からそれぞれ第2の方向に延びる一対の連結部と、一対の連結部にそれぞれ接続された一対の第1伸長部とを有するように構成することができる。
この場合、受け面は、一対の連結部により形成されることができる。
それぞれの中継コンタクトは、屈曲された1枚の金属板から形成され、1つの第1伸長部と、1つの第2伸長部と、第1伸長部の第1の方向の一方の側縁と第2伸長部の第1の方向の一方の側縁とを連結し且つ第2の方向に延びる1つの連結部と、第1伸長部の第1の方向の他方の側縁および第2伸長部の第1の方向の他方の側縁のうち少なくとも一方から第2の方向に突出する突起とを有するように構成してもよい。
この場合、受け面は、連結部および突起により形成されることができる。
この発明に係るコネクタ組立体は、
上記のコネクタと、
コネクタに嵌合され且つ複数の中継コンタクトに電気的に接続される複数の相手側コンタクトを有する前記相手側コネクタと
を備え、
嵌合方向に沿って複数の中継コンタクトに面する複数の相手側コンタクトの先端部は、互いに嵌合方向において同一の位置に配置されていることを特徴としている。
なお、それぞれの中継コンタクトにおいて、対応する固定コンタクトの接続部に対する第2接点部の接触圧は、対応する相手側コンタクトに対する第1接点部の接触圧よりも高いことが好ましい。
この発明によれば、ハウジングに固定された複数の固定コンタクトと、ハウジング内に移動可能に保持され且つ対応する固定コンタクトに電気的に接続される複数の中継コンタクトとを備え、複数の中継コンタクトは、それぞれ、対応する相手側コンタクトに電気的に接続される第1接点部と、対応する固定コンタクトの接続部に電気的に接続される第2接点部と、嵌合方向に沿って対応する固定コンタクトの接続部の先端部に向けられた受け面とを有し、複数の中継コンタクトは、それぞれ、第2接点部に接触している固定コンタクトの接続部の先端部が、受け面に接触することにより、嵌合方向に沿って対応する固定コンタクトの方向に向かう移動が規制され、複数の固定コンタクトのうち少なくとも1つの固定コンタクトの接続部の先端部は、他の固定コンタクトの接続部の先端部に対し嵌合方向において異なる位置に配置されているので、複数の相手側コンタクトの挿入力の低減を図りながらも相手側コネクタとの位置ずれを吸収しつつ相手側コネクタと嵌合することが可能となる。
この発明の実施の形態1に係るコネクタを示す斜視図である。 実施の形態1に係るコネクタを示す平面図である。 実施の形態1に係るコネクタを示す正面図である。 実施の形態1に係るコネクタの分解斜視図である。 実施の形態1に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを示す斜視図である。 実施の形態1に係るコネクタに用いられる第1インシュレータを示す断面図である。 実施の形態1に係るコネクタに用いられる第2インシュレータを示す斜視図である。 実施の形態1に係るコネクタに用いられる第2インシュレータを示す断面図である。 実施の形態1に係るコネクタに用いられる固定コンタクトを示す斜視図である。 実施の形態1に係るコネクタに用いられる固定コンタクトを示す平面図である。 実施の形態1に係るコネクタに用いられる中継コンタクトを斜め上方から見た斜視図である。 実施の形態1に係るコネクタに用いられる中継コンタクトを斜め下方から見た斜視図である。 実施の形態1に係るコネクタに用いられる中継コンタクトを示す平面図である。 実施の形態1に係るコネクタに用いられる中継コンタクトを示す側面図である。 図2のA-A線断面図である。 互いに接続された固定コンタクトおよび中継コンタクトを示す平面図である。 互いに接続された固定コンタクトおよび中継コンタクトを示す側面図である。 実施の形態1に係るコネクタに相手側コネクタが位置合わせされた状態を示す斜視図である。 相手側コネクタを示す正面図である。 実施の形態1に係るコネクタと相手側コネクタの嵌合状態を示す斜視図である。 実施の形態1に係るコネクタと相手側コネクタの嵌合状態を示す平面図である。 実施の形態1に係るコネクタと相手側コネクタの嵌合状態を示す側面図である。 実施の形態1に係るコネクタと相手側コネクタの嵌合状態における固定コンタクトと中継コンタクトと相手側コンタクトを示す斜視図である。 実施の形態1に係るコネクタと相手側コネクタの嵌合状態における固定コンタクトと中継コンタクトと相手側コンタクトを示す側面図である。 実施の形態1に係るコネクタと相手側コネクタの嵌合状態を示す断面図である。 実施の形態2に係るコネクタに用いられる中継コンタクトを示す斜視図である。 実施の形態2に係るコネクタに用いられる中継コンタクトを別の角度から示す斜視図である。 実施の形態2に係るコネクタに用いられる中継コンタクトを示す側面図である。 固定コンタクトおよび相手側コンタクトに接続された、実施の形態2に係るコネクタに用いられる中継コンタクトを示す側面図である。 従来のコネクタを示す断面図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1~図3に、実施の形態1に係るコネクタ11を示す。コネクタ11は、ハウジング12を有しており、ハウジング12は、第1インシュレータ21と、第1インシュレータ21に取り付けられた第2インシュレータ31から構成されている。
コネクタ11は、最大6系統の電気的接続を行うことができる電気コネクタで、図2に示されるように、第1インシュレータ21に、3個の固定コンタクト41Uと3個の固定コンタクト41Lが保持されている。また、3個の固定コンタクト41Uおよび3個の固定コンタクト41Lには、それぞれ、外部の配線部材を接続するための接続ボルト51が取り付けられている。
また、図1および図3に示されるように、第2インシュレータ31に、6個の差し込み口32が形成されている。6個の差し込み口32は、上下2列に分かれ、それぞれの列において3個の差し込み口32が配列されている。第2インシュレータ31の内部には、図3において、6個の差し込み口32を通してそれぞれ一部が見える6個の中継コンタクト61が保持されている。
なお、それぞれの差し込み口32は、図示しない相手側コネクタをコネクタ11に嵌合する際に、相手側コネクタの対応する相手側コンタクトを差し込むためのものである。
図4は、コネクタ11の分解斜視図である。3個の固定コンタクト41Uと3個の固定コンタクト41Lは、上下2列に分かれて、それぞれ配列されている。6個の中継コンタクト61は、上下2列に分かれ、それぞれの列において、3個の中継コンタクト61が配列されている。
固定コンタクト41Uは、固定コンタクト41Lとは異なるサイズを有しているが、3個の固定コンタクト41Uは、互いに同一の構造を有するものであり、3個の固定コンタクト41Lも、互いに同一の構造を有するものである。また、6個の中継コンタクト61は、互いに同一の構造を有している。
3個の固定コンタクト41Uおよび3個の固定コンタクト41Lが第1インシュレータ21に保持され、6個の中継コンタクト61が第2インシュレータ31に保持された状態で、第2インシュレータ31が第1インシュレータ21に取り付けられ、これにより、6個の中継コンタクト61が、3個の固定コンタクト41Uおよび3個の固定コンタクト41Lに接続される。
第1インシュレータ21および第2インシュレータ31は、それぞれ、絶縁性樹脂等の絶縁性材料から形成され、固定コンタクト41U、41Lおよび中継コンタクト61は、導電性を有する金属材料から形成されている。
ここで、便宜上、第2インシュレータ31から第1インシュレータ21に向かう方向を+Y方向、3個の固定コンタクト41Uの配列方向および3個の固定コンタクト41Lの配列方向をX方向、3個の固定コンタクト41Lから3個の固定コンタクト41Uに向かう方向を+Z方向と呼ぶものとする。+Y方向が、コネクタ11に対する図示しない相手側コネクタの嵌合方向となる。
図5に示されるように、第1インシュレータ21は、インシュレータ本体22と、インシュレータ本体22の-Y方向端部の近傍においてインシュレータ本体22からXZ面に沿って張り出すフランジ23を有している。インシュレータ本体22に、3個の固定コンタクト41Uを収容する3個の固定コンタクト収容部24Uと、3個の固定コンタクト41Lを収容する3個の固定コンタクト収容部24Lが形成されている。3個の固定コンタクト収容部24Uおよび3個の固定コンタクト収容部24Lは、それぞれX方向に配列されており、3個の固定コンタクト収容部24Lは、3個の固定コンタクト収容部24Uの-Z方向側に配置されている。
図6に示されるように、固定コンタクト収容部24Uおよび24Lは、それぞれ、Y方向に沿って延びている。固定コンタクト収容部24Uおよび24Lの-Y方向端部には、-Y方向に向かって開放され且つ矩形の断面形状を有する筒形状部24Aが形成され、筒形状部24Aの+Y方向側に位置する固定コンタクト収容部24Uおよび24Lの内壁には、Y方向に沿って延びる保持溝24Bが形成されている。固定コンタクト収容部24Uおよび24Lの+Y方向端部は、+Y方向および+Z方向に向かって開放されており、この+Y方向端部に、Z方向に延びるネジ孔25が形成されている。
固定コンタクト収容部24Uの筒形状部24Aと固定コンタクト収容部24Lの筒形状部24Aは、互いに同じY方向位置にあるが、固定コンタクト収容部24UのY方向長さは、固定コンタクト収容部24LのY方向長さよりも短く形成されている。このため、固定コンタクト収容部24Uの+Y方向端部に形成されたネジ孔25は、固定コンタクト収容部24Lの+Y方向端部に形成されたネジ孔25とZ方向に重なることなく、-Y方向側にずれて位置している。
また、図5および図6に示されるように、インシュレータ本体22は、フランジ23よりも-Y方向側に突出する突出部26を有しており、この突出部26の+Z方向側外縁部および-Z方向側外縁部に、それぞれ、複数の爪部27が形成されている。
図7に示されるように、第2インシュレータ31は、+Y方向に向かって開放された箱形状を有しており、第2インシュレータ31の内部に、6個の中継コンタクト収容部33が形成されている。6個の中継コンタクト収容部33は、Z方向に2列に分かれ、それぞれの列において、3個の中継コンタクト収容部33がX方向に配列されている。
それぞれの中継コンタクト収容部33は、Y方向に沿って延びており、互いにX方向に対向する一対の側壁部33Aを有している。+Y方向に向かって開放されている中継コンタクト収容部33の+Y方向端部には、X方向に沿って延び且つ一対の側壁部33Aを連結する棒状の支持部33Bが形成されている。
図8に示されるように、それぞれの中継コンタクト収容部33の-Y方向端部には、第2インシュレータ31に形成された差し込み口32が配置されている。
また、図7および図8に示されるように、+Y方向に向かって開放されている第2インシュレータ31の+Y方向端部の+Z方向側内縁部および-Z方向側内縁部に、それぞれ、複数の爪部34が形成されている。
第2インシュレータ31の複数の爪部34は、Z方向に弾性変位可能に支持されており、第2インシュレータ31の+Y方向端部を第1インシュレータ21の-Y方向端部に向けて押し付けたときに、第1インシュレータ21の複数の爪部27に引っ掛かることにより、第1インシュレータ21に対して第2インシュレータ31を脱着可能に保持するためのものである。
固定コンタクト41Uの構成を図9および図10に示す。固定コンタクト41Uは、嵌合方向であるY方向に延びており、固定コンタクト41Uの-Y方向端部に、Y方向およびY方向に直交するX方向(第1の方向)に沿って延びる平板状の接続部42が形成されている。
接続部42は、中継コンタクト61に接続されるもので、接続部42の-Y方向の先端部は、X方向に沿って直線状に延びており、X方向に幅寸法W1を有している。
また、固定コンタクト41Uの+Y方向端部の近傍には、固定コンタクト41UをZ方向に貫通する貫通孔43が形成され、固定コンタクト41UのY方向の中間部におけるX方向の両側部には、それぞれX方向に突出する凸部44が形成されている。貫通孔43は、接続ボルト51を通すためのものであり、凸部44は、固定コンタクト41Uを第1インシュレータ21の固定コンタクト収容部24Uに挿入したときに、保持溝24Bの内面に押し付けられることで、固定コンタクト41Uを固定コンタクト収容部24Uに圧入して固定するためのものである。
固定コンタクト41Uは、図5および図6に示される第1インシュレータ21の固定コンタクト収容部24Uの-Y方向端部から固定コンタクト収容部24U内に挿入され、固定コンタクト41Uの凸部44が保持溝24Bに押し込まれるまで、固定コンタクト41UのX方向の両側部を固定コンタクト収容部24Uの保持溝24Bに沿って+Y方向に移動させることにより、固定コンタクト収容部24Uに固定される。このとき、固定コンタクト41Uの接続部42は、固定コンタクト収容部24Uの筒形状部24A内に位置することとなる。
また、第1インシュレータ21の固定コンタクト収容部24Lに収容される固定コンタクト41Lは、図9および図10に示される固定コンタクト41UよりもY方向に長く形成されており、第1インシュレータ21の固定コンタクト収容部24Lに対応するY方向長さを有している。固定コンタクト41Lは、Y方向長さ以外については、固定コンタクト41Uと同じ構成を有しており、固定コンタクト41Uと同様にして、第1インシュレータ21の固定コンタクト収容部24Lに収容される。
図11および図12に示されるように、中継コンタクト61は、屈曲され且つ弾性を有する1枚の金属板から形成され、それぞれY方向に延びる一対の第1伸長部62と、一対の第1伸長部62に対してZ方向(第2の方向)に間隔を隔てて対向する第2伸長部63と、一対の第1伸長部62のY方向における中間部をそれぞれ第2伸長部63のY方向における中間部に連結する一対の連結部64を有している。一対の連結部64は、第2伸長部63のX方向の両側縁からそれぞれZ方向に延びて一対の第1伸長部62に接続されている。
一対の第1伸長部62の-Y方向端部と第2伸長部63の-Y方向端部により、図示しない相手側コネクタの相手側コンタクトを+Z方向および-Z方向から挟んで相手側コンタクトに接触する第1接点部65が形成されている。また、第2伸長部63の+Y方向端部は、互いにX方向に間隔を隔てて、それぞれ+Y方向に延びる一対の腕部63Aが形成されており、一対の第1伸長部62の+Y方向端部と第2伸長部63の一対の腕部63Aにより、固定コンタクト41U、41Lの接続部42を+Z方向および-Z方向から挟んで接続部42に接触する第2接点部66が形成されている。
なお、中継コンタクト61に外力が作用しない自然の状態において、第1接点部65を形成する第1伸長部62の-Y方向端部と第2伸長部63の-Y方向端部のZ方向の間隔は、第2インシュレータ31の中継コンタクト収容部33に形成されている支持部33BのZ方向の厚さ寸法より小さく形成され、連結部64の近傍における第1伸長部62と第2伸長部63のZ方向の間隔は、支持部33BのZ方向の厚さ寸法より大きく形成されている。
また、連結部64の-Y方向側に位置する第1伸長部62および第2伸長部63のX方向の幅は、第2インシュレータ31の中継コンタクト収容部33の一対の側壁部33AのX方向の間隔よりも狭く形成されている。
また、第2接点部66を形成する第1伸長部62の+Y方向端部と第2伸長部63の一対の腕部63AのZ方向の間隔は、固定コンタクト41U、41Lの接続部42のZ方向の厚さより小さく形成されている。
さらに、図13および図14に示されるように、一対の連結部64の+Y方向端部には、互いに、X方向に間隔を隔てて配置されると共に+Y方向に向けられた一対の受け面67が形成されている。一対の受け面67は、互いにY方向において同一の位置に配置されている。
なお、一対の受け面67の間のX方向における最大距離W2は、図10に示されるような固定コンタクト41Uおよび41Lの接続部42の-Y方向の先端部におけるX方向の幅寸法W1よりも短くなるように設定されている。
中継コンタクト61を、図7および図8に示される第2インシュレータ31の中継コンタクト収容部33内に向けて+Y方向から-Y方向に移動させると、まず、第1伸長部62の-Y方向端部と第2伸長部63の-Y方向端部の間に中継コンタクト収容部33の支持部33Bが接触する。この状態で、中継コンタクト61を-Y方向に押し込むと、支持部33Bにより第1伸長部62の-Y方向端部と第2伸長部63の-Y方向端部が互いにZ方向に離れるように第1伸長部62および第2伸長部63が弾性変形し、中継コンタクト61の第1接点部65が支持部33Bを乗り越えて支持部33Bよりも-Y方向側に位置したところで、弾性変形していた第1伸長部62および第2伸長部63が元の状態に復帰する。
これにより、支持部33Bは、中継コンタクト61の第1伸長部62および第2伸長部63の間で且つ連結部64と第1接点部65の間をX方向に通り、中継コンタクト61は、嵌合方向であるY方向と嵌合方向に直交するZ方向およびX方向に移動可能に中継コンタクト収容部33に収容され、保持されることとなる。
このようにして6個の中継コンタクト61が保持された第2インシュレータ31を、3個の固定コンタクト41Uおよび3個の固定コンタクト41Lが固定された第1インシュレータ21に対して-Y方向から取り付けることにより、図1~図3に示されるコネクタ11が組み立てられる。
コネクタ11の組み立ての際には、図15に示されるように、第2インシュレータ31に保持されている6個の中継コンタクト61のうち、+Z方向側に位置する3個の中継コンタクト61の第1伸長部62の+Y方向端部と第2伸長部63の+Y方向端部が、第1インシュレータ21に保持されている3個の固定コンタクト41Uの接続部42の先端部に接触して、互いにZ方向に離れるように第1伸長部62および第2伸長部63が弾性変形し、それぞれの中継コンタクト61の第2接点部66が、対応する固定コンタクト41Uの接続部42の+Z方向側の面および-Z方向側の面に所定の接触圧で接触する。
同様に、6個の中継コンタクト61のうち、-Z方向側に位置する3個の中継コンタクト61の第1伸長部62の+Y方向端部と第2伸長部63の+Y方向端部が、第1インシュレータ21に保持されている3個の固定コンタクト41Lの接続部42の先端部に接触して、互いにZ方向に離れるように第1伸長部62および第2伸長部63が弾性変形し、それぞれの中継コンタクト61の第2接点部66が、対応する固定コンタクト41Lの接続部42の+Z方向側の面および-Z方向側の面に所定の接触圧で接触する。
このとき、それぞれの中継コンタクト61の第2接点部66が、対応する固定コンタクト41Uまたは41Lの接続部42に接触するものの、第2インシュレータ31の対応する支持部33Bが、中継コンタクト61の第1伸長部62および第2伸長部63の間で且つ連結部64と第1接点部65の間をX方向に通り、中継コンタクト61は、対応する中継コンタクト収容部33内で移動可能な状態にある。
また、中継コンタクト61の第1接点部65は、第2インシュレータ31の対応する差し込み口32の+Y方向側に位置している。
なお、第1インシュレータ21における固定コンタクト収容部24Uと固定コンタクト収容部24LのY方向長さの違い、および、固定コンタクト41Uと固定コンタクト41LのY方向長さの違いに起因して、第1インシュレータ21に保持されている3個の固定コンタクト41Uの接続部42の先端部は、3個の固定コンタクト41Lの接続部42の先端部に対して、距離dYだけ-Y方向側にずれて異なる位置に配置されている。
また、中継コンタクト61の一対の受け面67の間のX方向における最大距離W2は、固定コンタクト41Uおよび41Lの接続部42の-Y方向の先端部におけるX方向の幅寸法W1よりも短い。このため、移動可能に保持されている6個の中継コンタクト61のうち、+Z方向側に位置する中継コンタクト61が+Y方向に移動すると、図16および図17に示されるように、中継コンタクト61の一対の受け面67が、固定コンタクト41Uの接続部42の-Y方向の先端部に接触し、中継コンタクト61は、それ以上の+Y方向に向かう移動が規制された状態となる。
ここで、中継コンタクト61の一対の受け面67は、互いにY方向において同一の位置に配置され、固定コンタクト41Uの接続部42の-Y方向の先端部は、X方向に沿って直線状に延びている。すなわち、接続部42の-Y方向の先端部において、一対の受け面67に接触する部分が、互いにY方向に同一の位置に配置されている。このため、一対の受け面67が接続部42の-Y方向の先端部に接触することで、中継コンタクト61は、嵌合方向であるY方向に対して傾斜することなくY方向に沿って延びる姿勢となる。
同様に、移動可能に保持されている6個の中継コンタクト61のうち、-Z方向側に位置する中継コンタクト61が+Y方向に移動すると、中継コンタクト61の一対の受け面67が固定コンタクト41Lの接続部42の-Y方向の先端部に接触し、中継コンタクト61は、それ以上の+Y方向に向かう移動が規制された状態となり、また、Y方向に対して傾斜することなくY方向に沿って延びる姿勢となる。
このようにして、第2インシュレータ31が第1インシュレータ21に取り付けられると、第2インシュレータ31の複数の爪部34が、第1インシュレータ21の複数の爪部27に引っ掛かり、これにより、第2インシュレータ31は第1インシュレータ21に対してロックされ、第1インシュレータ21から外れることが防止される。
コネクタ11には、例えば図18に示されるような相手側コネクタ71を嵌合させることができる。
相手側コネクタ71は、絶縁性樹脂等の絶縁性材料から形成されたハウジング72に6個のバスバー73が保持された構造を有しており、6個のバスバー73は、それぞれハウジング72から+Y方向に突出する6個の相手側コンタクト74を有している。6個の相手側コンタクト74は、コネクタ11の6個の差し込み口32および6個の中継コンタクト61に対応している。
図19に示されるように、6個の相手側コンタクト74は、Z方向に2列に分かれ、それぞれの列において、3個の相手側コンタクト74がX方向に配列されている。なお、6個の相手側コンタクト74の+Y方向の先端部は、互いに同一のY方向位置に配置されている。
相手側コネクタ71のハウジング72から+Y方向に突出する6個の相手側コンタクト74を、コネクタ11の6個の差し込み口32にそれぞれ差し込んで、相手側コネクタ71をコネクタ11に向けて+Y方向に押し込むことにより、図20~図22に示されるように、相手側コネクタ71がコネクタ11に嵌合されたコネクタ組立体が形成される。
このとき、図23および図24に示されるように、それぞれのバスバー73の相手側コンタクト74が、対応する中継コンタクト61に向かって+Y方向に押し込まれ、中継コンタクト61の第1接点部65が、相手側コンタクト74の+Z方向側の面および-Z方向側の面に所定の接触圧で接触する。
これにより、相手側コネクタ71の6個の相手側コンタクト74のうち、+Z方向側に位置する相手側コンタクト74は、対応する中継コンタクト61を介して固定コンタクト41Uに電気的に接続され、-Z方向側に位置する相手側コンタクト74は、対応する中継コンタクト61を介して固定コンタクト41Lに電気的に接続される。
なお、図23および図24では、相手側コネクタ71の2個のバスバー73と、これらのバスバー73に電気的に接続されるコネクタ11の1個の固定コンタクト41Uおよび1個の固定コンタクト41Lのみが示されているが、同様にして、相手側コネクタ71の6個のバスバー73が、コネクタ11の3個の固定コンタクト41Uおよび3個の固定コンタクト41Lに電気的に接続される。
互いに嵌合されたコネクタ11と相手側コネクタ71の断面図を図25に示す。相手側コネクタ71をコネクタ11に向けて+Y方向に押し込むと、まず、6個の相手側コンタクト74の+Y方向の先端部が、それぞれ、対応する中継コンタクト61の-Y方向端部に接触する。このため、コネクタ11の第2インシュレータ31に移動可能に保持されている中継コンタクト61は、相手側コンタクト74の+Y方向の先端部により押されて+Y方向へと移動する。そして、中継コンタクト61の一対の受け面67が固定コンタクト41Uまたは41Lの接続部42の-Y方向の先端部に接触し、中継コンタクト61は、それ以上の+Y方向に向かう移動が規制された状態となる。
このようにして、+Y方向に向かう移動が規制された中継コンタクト61に対し、相手側コンタクト74がさらに+Y方向に押し込まれることで、相手側コンタクト74が、対応する中継コンタクト61の第1接点部65に接触する。
ここで、図15に示されるように、コネクタ1において、固定コンタクト41Uの接続部42の-Y方向の先端部は、固定コンタクト41Lの接続部42の-Y方向の先端部に対して、距離dYだけ-Y方向側にずれた位置に配置されている。このため、図25に示されるように、一対の受け面67が固定コンタクト41Uの接続部42の-Y方向の先端部に接触している中継コンタクト61の第1接点部65は、一対の受け面67が固定コンタクト41Lの接続部42の-Y方向の先端部に接触している中継コンタクト61の第1接点部65よりも、距離dYだけ-Y方向側にずれた位置にある。
一方、相手側コネクタ71における6個の相手側コンタクト74の+Y方向の先端部は、互いに同一のY方向位置に配置されている。従って、相手側コネクタ71がコネクタ11に向けて+Y方向に押し込まれる際に、相手側コネクタ71の6個の相手側コンタクト74は、コネクタ11の6個の中継コンタクト61に同時に接触するのではなく、6個の相手側コンタクト74のうち、+Z方向側に位置する3個の相手側コンタクト74が、それぞれ、固定コンタクト41Uに接続されている中継コンタクト61に接触した後に、-Z方向側に位置する3個の相手側コンタクト74が、それぞれ、固定コンタクト41Lに接続されている中継コンタクト61に接触することとなる。
その結果、コネクタ11に対する相手側コネクタ71の嵌合に要する6個の相手側コンタクト74の挿入力を時間的に2つに分散することができ、挿入力の最大値を小さく抑えることが可能となる。
また、コネクタ11の6個の中継コンタクト61は、それぞれ、移動可能に第2インシュレータ31に保持されているので、製造公差等に起因して、コネクタ11の3個の固定コンタクト41Uおよび3個の固定コンタクト41Lと相手側コネクタ71の6個の相手側コンタクト74との間に、嵌合方向に直交するX方向およびZ方向の位置ずれが生じていても、位置ずれは中継コンタクト61により吸収され、コネクタ11と相手側コネクタ71の間に信頼性の高い電気接続を確立することができる。
なお、コネクタ11に嵌合している相手側コネクタ71を-Y方向に移動させてコネクタ11から引き抜くことにより、コネクタ11と相手側コネクタ71の間を電気的に遮断することができる。
ここで、コネクタ11の6個の中継コンタクト61のそれぞれにおいて、対応する固定コンタクト41U、41Lの接続部42に対する第2接点部66の接触圧は、対応する相手側コンタクト74に対する第1接点部65の接触圧よりも高くなるように設定されていることが望ましい。
第2接点部66による接触圧が第1接点部65による接触圧よりも高ければ、例えば、コネクタ11に対して嵌合状態にある相手側コネクタ71をコネクタ11から引き抜く際に、中継コンタクト61の受け面67が固定コンタクト41U、41Lの接続部42の先端部に接触した状態を維持したまま、相手側コンタクト74を中継コンタクト61の第1接点部65から抜きやすくなる。
このため、相手側コンタクト74に引きずられて中継コンタクト61が-Y方向に移動することを効果的に防止することができる。さらに、その結果、-Y方向に移動した中継コンタクト61により第2インシュレータ31が-Y方向に押されて、第1インシュレータ21から外れることが防止される。
なお、上記の実施の形態1では、計6個の固定コンタクトのうち、3個の固定コンタクト41Uの接続部42の-Y方向の先端部を、3個の固定コンタクト41Lの接続部42の-Y方向の先端部に対してY方向にずれた位置に配置することにより、嵌合に要する6個の相手側コンタクト74の挿入力を時間的に2つに分散させたが、これに限るものではない。
例えば、計6個の固定コンタクトのうち、少なくとも1つの固定コンタクトの接続部の先端部が、他の固定コンタクトの接続部の先端部に対して嵌合方向であるY方向に異なる位置に配置されていれば、相手側コンタクト74の挿入力を分散させて、挿入力の最大値を小さく抑えることができる。また、計6個の固定コンタクトの接続部の先端部を、すべて互いにY方向に異なる位置に配置することもできる。
また、上記の実施の形態1では、中継コンタクト61が、一対の連結部64の+Y方向端部に形成された一対の受け面67を有しているが、必ずしも一対の受け面67を有する必要はなく、1つの受け面67のみを有していてもよい。この場合でも、1つの受け面67が固定コンタクト41Uまたは41Lの接続部42の-Y方向の先端部に接触することで、中継コンタクト61は、それ以上の+Y方向に向かう移動が規制された状態となる。
ただし、中継コンタクト61がX方向に間隔を隔てて配置された一対の受け面67を有していれば、一対の受け面67が固定コンタクト41Uまたは41Lの接続部42の-Y方向の先端部に接触することにより、中継コンタクト61が嵌合方向であるY方向に対して傾斜することが防止されるので、中継コンタクト61の第1接点部65と相手側コンタクト74との電気的接続の信頼性が向上する。
上記の実施の形態1では、中継コンタクト61の第1伸長部62と第2伸長部63とが、互いにZ方向に間隔を隔てて対向しているが、必ずしもZ方向に対向する必要はなく、嵌合方向であるY方向と固定コンタクト41Uおよび41Lの接続部42の幅方向であるX方向の双方に交差する方向に間隔を隔てて対向すればよい。
ただし、中継コンタクト61の第2接点部66を、接続部42の+Z方向側の面および-Z方向側の面に所定の接触圧で接触させるために、中継コンタクト61の第1伸長部62と第2伸長部63は、互いにZ方向に間隔を隔てて対向することが好ましい。
第1インシュレータ21に固定されている固定コンタクト41U、41Lの接続部42の-Y方向の先端部は、X方向に沿って直線状に延びているが、これに限るものではない。例えば、接続部42の-Y方向の先端部は、中継コンタクト61の一対の受け面67に対応して、互いに、X方向に間隔を隔てて配置され且つY方向において同一の位置に配置された一対の押し当て面を有し、これら一対の押し当て面が、互いにY方向において同一の位置に配置されていれば、X方向に沿って直線状に延びていなくてもよい。
この場合、中継コンタクト61の一対の受け面67が、固定コンタクト41U、41Lの接続部42の一対の押し当て面に接触することで、中継コンタクト61は、+Y方向に向かう移動が規制された状態となり、また、Y方向に対して傾斜することなくY方向に沿って延びる姿勢となる。
上記の実施の形態1に係るコネクタ11は、3個の固定コンタクト41Uと3個の固定コンタクト41Lを有しているので、例えば、ハイブリッド車両等において、三相交流用の2つの車載モータをインバータ回路に電気的に接続させるために用いることもできる。
ただし、この発明において、固定コンタクトの総数は、2個以上であればよく、6個に限るものではない。
さらに、複数の固定コンタクトは、上下2列に分けて配置される必要はなく、1列または3列以上に配列されていてもよい。さらに、複数の固定コンタクトが、列を形成せずに、ランダムに配置されていてもよい。
実施の形態2
実施の形態1に係るコネクタ11において、中継コンタクト61の代わりに、図26~図28に示される中継コンタクト81を用いることもできる。
中継コンタクト81は、屈曲され且つ弾性を有する1枚の金属板から形成され、それぞれY方向に延びる第1伸長部82と、第1伸長部82に対してZ方向(第2の方向)に間隔を隔てて対向する第2伸長部83と、第1伸長部82のY方向における中間部の-X方向側の側縁から第2伸長部83のY方向における中間部の-X方向側の側縁まで-Z方向に延びて第1伸長部82と第2伸長部83を連結する連結部84を有している。
さらに、第1伸長部82のY方向における中間部の+X方向側の側縁には、-Z方向に突出する突起85が形成され、第2伸長部83のY方向における中間部の+X方向側の側縁には、+Z方向に突出する突起86が形成されている。突起85は、突起86に対して-Y方向側にずれて配置されている。また、突起85の-Y方向端部は、連結部84の-Y方向端部と同じY方向位置に配置され、突起86の+Y方向端部は、連結部84の+Y方向端部と同じY方向位置に配置されている。
互いにZ方向に対向する第1伸長部82の-Y方向側部分と第2伸長部83の-Y方向側部分により、第1接点部87が形成され、互いにZ方向に対向する第1伸長部82の+Y方向側部分と第2伸長部83の+Y方向側部分により、第2接点部88が形成されている。
さらに、互いに同じY方向位置に配置されている連結部84の+Y方向端部と突起86の+Y方向端部により、互いに、X方向(第1の方向)に間隔を隔てて配置されると共に+Y方向に向けられた一対の受け面89が形成されている。一対の受け面89は、互いにY方向において同一の位置に配置されている。
図7および図8に示される第2インシュレータ31の支持部33Bが、中継コンタクト81の第1伸長部82および第2伸長部83の間で且つ連結部84および突起85と第1接点部87の間をX方向に通るように、中継コンタクト81を配置することにより、中継コンタクト81は、移動可能に第2インシュレータ31の中継コンタクト収容部33に収容され、保持される。
なお、中継コンタクト81の一対の受け面89の間のX方向における最大距離は、図10に示されるような固定コンタクト41Uおよび41Lの接続部42の-Y方向の先端部におけるX方向の幅寸法W1よりも短くなるように設定されているものとする。
図29に示されるように、中継コンタクト81の第2接点部88が固定コンタクト41Uの接続部42の+Z方向側の面および-Z方向側の面に所定の接触圧で接触した状態で、相手側コンタクト74を中継コンタクト81に向けて+Y方向に押し込むと、中継コンタクト81は、相手側コンタクト74により押されて+Y方向へと移動し、中継コンタクト81の一対の受け面89が固定コンタクト41Uの接続部42の-Y方向の先端部に接触し、中継コンタクト81は、それ以上の+Y方向に向かう移動が規制された状態となる。
+Y方向に向かう移動が規制された中継コンタクト81に対して、相手側コンタクト74がさらに+Y方向に押し込まれることで、相手側コンタクト74が、対応する中継コンタクト81の第1接点部87に接触し、中継コンタクト81を介して固定コンタクト41Uに電気的に接続される。
複数の固定コンタクト41Uおよび41Lのうち、少なくとも1つの固定コンタクトの接続部の先端部が、他の固定コンタクトの接続部の先端部に対して嵌合方向であるY方向に異なる位置に配置されていれば、このような中継コンタクト81を用いても、実施の形態1と同様に、複数の相手側コンタクト74の挿入力を時間的に分散させて、挿入力の最大値を小さく抑えることが可能となる。
また、中継コンタクト81は、移動可能に第2インシュレータ31に保持されるので、製造公差等に起因して、コネクタ11の複数の固定コンタクト41Uおよび41Lと相手側コネクタ71の複数の相手側コンタクト74との間に、嵌合方向に直交するX方向およびZ方向の位置ずれが生じていても、位置ずれは中継コンタクト81により吸収され、コネクタ11と相手側コネクタ71の間に信頼性の高い電気接続を確立することができる。
なお、実施の形態2における中継コンタクト81においても、対応する固定コンタクト41U、41Lの接続部42に対する第2接点部88の接触圧は、対応する相手側コンタクト74に対する第1接点部87の接触圧よりも高くなるように設定されていることが望ましい。
これにより、嵌合状態にある相手側コネクタ71を引き抜く際に、相手側コンタクト74に引きずられて中継コンタクト81が-Y方向に移動し、移動した中継コンタクト81により第2インシュレータ31が-Y方向に押されて、第2インシュレータ31が第1インシュレータ21から外れることを防止することができる。
また、実施の形態1および2において、中継コンタクト61、81は、屈曲された1枚の金属板から形成されているが、これに限るものではなく、第1接点部65、87および第2接点部66、88と一対の受け面67、89を有していれば、複数の部品の組立体から構成されていてもよい。
1 コネクタ、2 ハウジング、3,4 コンタクト、3A,4A 接点、5 ビーム、6,7 相手側コンタクト、11 コネクタ、12 ハウジング、21 第1インシュレータ、22 インシュレータ本体、23 フランジ、24U,24L 固定コンタクト収容部、24A 筒形状部、24B 保持溝、25 ネジ孔、26 突出部、27 爪部、31 第2インシュレータ、32 差し込み口、33 中継コンタクト収容部、33A 側壁部、33B 支持部、34 爪部、41U,41L 固定コンタクト、42 接続部、43 貫通孔、44 凸部、51 接続ボルト、61,81 中継コンタクト、62,82 第1伸長部、63,83 第2伸長部、63A 腕部、64,84 連結部、65,87 第1接点部、66,88 第2接点部、67,89 受け面、71 相手側コネクタ、72 ハウジング、73 バスバー、74 相手側コンタクト、85,86 突起、W1 幅寸法、W2 最大距離、dY,L 距離、D1 嵌合方向。

Claims (15)

  1. 嵌合方向に沿って相手側コネクタに嵌合するコネクタであって、
    ハウジングと、
    それぞれ前記ハウジングに固定され且つ前記嵌合方向および前記嵌合方向に直交する第1の方向に沿って延びる平板状の接続部を有する複数の固定コンタクトと、
    前記複数の固定コンタクトに対応し且つそれぞれ前記ハウジング内に移動可能に保持されると共に対応する前記固定コンタクトに電気的に接続される複数の中継コンタクトと
    を備え、
    前記複数の中継コンタクトは、それぞれ、
    前記嵌合方向に延び且つ前記嵌合方向および前記第1の方向の双方に交差する第2の方向に間隔を隔てて互いに対向する第1伸長部および第2伸長部と、
    前記第1伸長部および前記第2伸長部の前記嵌合方向における中間部を互いに連結する連結部と
    前記第1伸長部および前記第2伸長部の前記嵌合方向における一端に配置され且つ前記相手側コネクタの対応する相手側コンタクトに接触して電気的に接続される第1接点部と、
    前記第1伸長部および前記第2伸長部の前記嵌合方向における他端に配置され且つ対応する前記固定コンタクトの前記接続部に接触して電気的に接続される第2接点部と、
    前記嵌合方向に沿って対応する前記固定コンタクトの前記接続部の先端部に向けられた受け面と
    を有し、
    前記複数の中継コンタクトは、それぞれ、前記第2接点部に接触している前記固定コンタクトの前記接続部の前記先端部が、前記受け面に接触することにより、前記嵌合方向に沿って対応する前記固定コンタクトの方向に向かう移動が規制され、
    前記複数の固定コンタクトのうち少なくとも1つの固定コンタクトの前記接続部の前記先端部は、他の固定コンタクトの前記接続部の前記先端部に対し前記嵌合方向において異なる位置に配置されていることを特徴とするコネクタ。
  2. 前記ハウジングは、
    前記複数の固定コンタクトが固定される第1インシュレータと、
    前記第1インシュレータに連結され且つ前記複数の中継コンタクトを移動可能に保持する第2インシュレータと
    を有する請求項1に記載のコネクタ。
  3. 前記第2インシュレータは、前記第1インシュレータに脱着可能に連結されている請求項2に記載のコネクタ。
  4. 前記複数の中継コンタクトは、互いに同一の構造を有する請求項1~3のいずれか一項に記載のコネクタ。
  5. 前記複数の中継コンタクトは、それぞれ、互いに、前記第1の方向に間隔を隔てて配置された一対の前記受け面を有する請求項1~4のいずれか一項に記載のコネクタ。
  6. 前記一対の前記受け面は、互いに前記嵌合方向において同一の位置に配置され、
    前記固定コンタクトの前記接続部の先端部は、前記一対の前記受け面に接触する部分が、互いに前記嵌合方向において同一の位置に配置されている請求項5に記載のコネクタ。
  7. 前記一対の前記受け面の間の前記第1の方向における最大距離は、前記固定コンタクトの前記接続部の先端部の前記第1の方向における幅寸法よりも短い請求項6に記載のコネクタ。
  8. 前記第2インシュレータは、前記複数の中継コンタクトを収容する複数の中継コンタクト収容部を有し、
    それぞれの前記中継コンタクト収容部は、前記嵌合方向に沿って延び且つ互いに前記第1の方向に対向する一対の側壁部と、前記第1の方向に沿って前記一対の側壁部を連結する棒状の支持部とを有し、
    前記支持部は、前記中継コンタクト収容部に収容される前記中継コンタクトの前記第1伸長部および前記第2伸長部の間で且つ前記連結部と前記第1接点部の間を通る請求項1~7のいずれか一項に記載のコネクタ。
  9. 前記複数の中継コンタクトは、前記嵌合方向および前記第2の方向に移動可能に前記複数の中継コンタクト収容部に収容されている請求項8に記載のコネクタ。
  10. それぞれの前記中継コンタクトは、屈曲された1枚の金属板から形成され、1つの前記第2伸長部と、前記第2伸長部の前記第1の方向の両側縁からそれぞれ前記第2の方向に延びる一対の前記連結部と、前記一対の前記連結部にそれぞれ接続された一対の前記第1伸長部とを有する請求項1~9のいずれか一項に記載のコネクタ。
  11. 前記受け面は、前記一対の前記連結部により形成されている請求項10に記載のコネクタ。
  12. それぞれの前記中継コンタクトは、屈曲された1枚の金属板から形成され、1つの前記第1伸長部と、1つの前記第2伸長部と、前記第1伸長部の前記第1の方向の一方の側縁と前記第2伸長部の前記第1の方向の一方の側縁とを連結し且つ前記第2の方向に延びる1つの前記連結部と、前記第1伸長部の前記第1の方向の他方の側縁および前記第2伸長部の前記第1の方向の他方の側縁のうち少なくとも一方から前記第2の方向に突出する突起とを有する請求項1~9のいずれか一項に記載のコネクタ。
  13. 前記受け面は、前記連結部および前記突起により形成されている請求項12に記載のコネクタ。
  14. 請求項1~13のいずれか一項に記載の前記コネクタと、
    前記コネクタに嵌合され且つ前記複数の中継コンタクトに電気的に接続される複数の前記相手側コンタクトを有する前記相手側コネクタと
    を備え、
    前記嵌合方向に沿って前記複数の中継コンタクトに面する前記複数の前記相手側コンタクトの先端部は、互いに前記嵌合方向において同一の位置に配置されていることを特徴とするコネクタ組立体。
  15. それぞれの前記中継コンタクトにおいて、対応する前記固定コンタクトの前記接続部に対する前記第2接点部の接触圧は、対応する前記相手側コンタクトに対する前記第1接点部の接触圧よりも高い請求項14に記載のコネクタ組立体。
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