JP4842168B2 - プラスチック段ボールの溶着方法及びこの溶着方法に用いられるヒートチップ - Google Patents

プラスチック段ボールの溶着方法及びこの溶着方法に用いられるヒートチップ Download PDF

Info

Publication number
JP4842168B2
JP4842168B2 JP2007028973A JP2007028973A JP4842168B2 JP 4842168 B2 JP4842168 B2 JP 4842168B2 JP 2007028973 A JP2007028973 A JP 2007028973A JP 2007028973 A JP2007028973 A JP 2007028973A JP 4842168 B2 JP4842168 B2 JP 4842168B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat chip
plastic
welding
fusion
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007028973A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008188976A (ja
Inventor
明 菅野
和雄 松下
Original Assignee
ムネカタ株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ムネカタ株式会社 filed Critical ムネカタ株式会社
Priority to JP2007028973A priority Critical patent/JP4842168B2/ja
Publication of JP2008188976A publication Critical patent/JP2008188976A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4842168B2 publication Critical patent/JP4842168B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、プラスチック段ボールを重ね合わせて部分的に溶着しながら一体化するプラスチック段ボールの溶着方法と、この溶着方法に用いられるヒートチップに関するものである。
製品の搬送または保管として紙製の段ボール箱が用いられている。その用途の一つとして通箱と称する箱へ製品を収納して仕入れ先へ納入した後、通箱を回収し、再度利用するということが一般的行なわれている。
しかし、運送回数を重ねると、紙製であるため、変形したり、破損したりして強度が劣化する場合が多い。その場合廃棄処理されるが、廃棄の手間や廃棄処理費用などを含めてゴミとして扱われ、環境的に問題になるケースが生じる。
また、紙粉が発生して製品に付着したり、周囲に飛散したりしてクリーンルームに持ち込めないなどの品質的な問題もある。
この様な問題を解決する手段として、押出成形されたプラスチック段ボール(以下「プラ段」と称する)を箱形に組み合わせ、通箱又は保管箱として用いられるようになった。
このプラ段箱は、紙製段ボール箱に比べて、軽量であり、耐湿性もあるため、変形や耐衝撃性も優れている。したがって、紙製の段ボール箱に較べて耐久性が格段に高い。
さらに、使用に耐えなくなった時は、粉砕して成形材料に還元し、再度プラ段等に成形して再利用することができることから、省資源対策にもなり、また環境負荷を低減できる効果がある。
また、プラ段は、多色にカラー化できるため、色分けして収容製品の管理がしやすいようにできる利点がある。
しかし、前記利点の反面、プラ段は、その材料としてポリプロピレン(PP)樹脂を主に用いているため、プラ段同士を結合して製品を組立てる場合、接着剤による接着法を用いると、強度が不足するという問題がある。
そこで、従来のプラ段箱では、相互のプラ段を熱により溶かして融合させ、その融合部を冷却して固化させることにより、箱状に一体化するという組み立て方法が行なわれている。
その事例として、特開昭59−48118号公報には、熱可塑性樹脂製段ボールの接合方法が次の様に記載されている。
複数枚の熱可塑性樹脂段ボールを重ね合せ、この重ね合せ部の一部に加熱された加熱工具を押付け、該加熱工具により上記段ボールを軟化溶融させつつ該加熱工具の先端が上記段ボールの重ね合せ面を超えるように該加熱工具を上記重ね合せ部内に挿入し、隣り合う段ボール間の樹脂の溶融層を形成させた後、上記加熱工具を引抜き、上記溶融層を冷却固化させる。
また、特公昭51−40102号公報には、合成樹脂製多重構造体の製造方法が次の様に記載されている。
複数枚を積み重ねた同質の合成樹脂製ダンボールの最上層の上面複数箇所から各層の対接面板を貫通して加熱金属棒を圧層し、穿孔熔着する。
特開昭59−48118号公報 特公昭51−40102号公報
これらの公知例は、いずれも、加熱工具、加熱金属棒の様に、棒状の加熱体を重ね合せたプラ段に貫通するようにして差し込み、双方の樹脂を溶融して融合させ、更に融合した樹脂を冷却固化させて結合するという技術である。
しかし、前記公知例に記載された溶着方法の場合、簡単な溶着装置で結合することはできるが、問題点として、プラ段であるため、溶融する樹脂量が少ないために融合部の溶融層が薄くなり、その結果、結合部の強度が十分に得られない欠点がある。
また、溶融部が薄いため、部分的に結合層が形成されず、一部の製品においては溶着面に孔が開いてしまい、美観的にも優れない溶着状態の製品が発生したりしている。
また、前記公知例の場合、加熱工具でプラ段を溶融した後、加熱工具をそのまま引き抜くため、所謂糸引きが発生したり、引き抜いた跡の凹部の形状が崩れて一定とならないために、強度にバラツキが発生し、更に、自然冷却のため、生産性が悪い。
本発明の目的は、従来よりも高い溶着強度を得ることができると共に、生産性が高く、かつ、美観的にも優れたプラ段の溶着部における強化構造とその強化構造を得るためのヒートチップを提供することにある。
上記目標を達成するため、請求項1に記載の発明においては、プラスチック段ボールの溶着方法において、プラスチック段ボールを重ね合せて部分的に溶着して一体化する際、プラスチック段ボール同士を固定する箇所へ先端の加熱面にリブ形成用の凹溝を形成したヒートチップを上層のプラスチック段ボールから下層のプラスチック段ボールの一部まで挿入することにより、上層と下層のプラスチック段ボールを融合させたのち、前記ヒートチップ内に組み付けたエアーパイプから冷却用エアーをヒートチップ内に吹きつけてヒートチップを冷却し、かつ前記融合部の冷却固化を行い、その上でヒートチップを引き抜くことにより、この引き抜いた跡に融合凹部を形成すると共に、この融合凹部の底面に補強用のリブを形成したこと、を特徴とするものである。
プラ段は中空であるため、溶融しても樹脂量が少なく溶融層が薄く形成される。したがって、目的とする溶着強度を得ることができないが、本発明では、凹状の溶着部に溶融樹脂を集約して肉厚となる補強部、つまりリブを形成することにより、溶着強度を向上することができる。補強部のリブ形状としては、直線形状又はドーナッツ型の円形状との複合形状などでもよく、溶着部において、底面と側面及び側面同士とを結ぶ形成ならば、その形状にはこだわらない。
また、融合凹部の穴形状としては、平面視円形にこだわらず、三角、四角、六角形等の多角形の形状でもよい。したがって、この際のヒートチップの形状も同じような形状となる。
更に、請求項2に記載の発明においては、請求項1記載のプラスチック段ボールの溶着方法において、前記ヒートチップに形成されている補強用のリブは、融合凹部の底面の中心部から側面に繋がる平面視十字形状からなることを特徴とするものである。
この発明によると、融合凹部に底面と側面に繋がるようにリブの形状が平面視十字形状となるため、複数の箇所で融合凹部の側面が対面と連結される。この結果、リブの分融合凹部の面積(肉厚)を増加させて溶着強度を高めることができる。
更に、請求項3に記載の発明においては、請求項1記載のプラスチック段ボールの溶着方法において、前記ヒートチップに形成されている補強用のリブは、融合凹部の底面中央に形成された正面視ドーナッツ形の円形リブと、この円形リブから放射状に融合凹部の側面に繋がる複数本の直線リブからなることを特徴とするものである。
この発明によると、十字形状のリブに加えてさらに融合凹部の底面の中心にドーナッツ形状の円形リブが形成されるため、さらに融合凹部の面積を増加させて、溶着強度を高めることができる。
更に、請求項4に記載の発明は、プラスチック段ボールの溶着に用いられるヒートチップであって、このヒートチップの先端側の外径は先端面に向って先細りとなるようにテーパーがつけられていると共にこの先端面には、補強用リブを形成するための凹溝が形成されていること、
前記ヒートチップにおいて、前記凹溝の底部が位置する外周側面部には、溶融した樹脂の返し用として小径化した樹脂溜り段部が形成されていること、
前記ヒートチップ内は中空状に形成されていると共にこの中空内には冷却用エアーを吹き付けるためのエアーパイプが組み付けられていること、
前記内部が中空状に形成されたヒートチップの側面には、中空内に吹き付けた冷却用エアーを外に逃がすためのスリットが形成されていること、
を特徴とするものである。
本発明のヒートチップは、電圧を印加するとジュール熱で発熱する抵抗発熱体で形成されており、このヒートチップのプラ段に挿入する箇所の側面は、先端に向かって細くなるテーパー形状で、その角度は様々な試験の結果、35〜40度に形成されている。この角度より小さい場合は、融合凹部の側面に孔が開いてしまう場合があり、大きい場合はプラ段への挿入がスムーズに行なわれない弊害が生じる。さらに、ヒートチップの側面において、端面に近い場所に一段絞り込んだ段部を形成している。この段部は、ヒートチップの先端で溶融した樹脂の一部がヒートチップの側面に沿ってプラ段の表面までせり上がることを防止するものである。そして、この段部により、プラ段の表面までせり上がる樹脂を押さえるため、先端に形成した溝内へ溶融した樹脂が流入するのを助けると共に、溶着跡の美観を高める効果がある。
また、ヒートチップは、中空状を呈していて、その内部にはヒートチップを冷却するエアーを吹き付けるためのエアーパイプが組み付けられているため、ヒートチップを樹脂中に挿入したまま電圧の印加を停止し、同時にエアーパイプからエアーを吹きかけることにより、ヒートチップを急速に冷却し、同時に溶融した樹脂も冷却して固化することができる。その後、ヒートチップを上昇し、プラ段から離脱させても、樹脂は固化しているため、糸引き及び引き抜いた跡の穴形状に変形が発生しない。この結果、高い溶着精度及び強度が得られると共に、穴あき現象の発生も防止できる。
さらに、本発明では、ヒートチップを2等分する位置であって、ヒートチップの開口部から下方に向かって縦にスリットが形成されているため、ヒートチップを冷却したエアーはこのスリットから外部へ逃れてエアーがスムーズに流れて冷却効果を高めることができると共に、スリットから排出されたエアーは同時に融合凹部を冷却する効果もある。
請求項1から請求項4に記載された発明の効果は次の通りである。
プラスチック段ボールの溶着方法及びヒートチップは、次の効果を奏する。
1.融合凹部の底面に補強用のリブを形成するため、溶着部の強度が向上する。
2.リブの形状を選択することにより、最適な溶着強度を得ることができる。
3.ヒートチップの側面に樹脂溜り効果が得られる段差を設けたことにより、ヒートチップ先端のリブ形成用溝内に溶融樹脂を流入させて樹脂圧を高め、リブ中の樹脂密度を高めてリブ強度の向上を図ることが出来ると共に、プラ段の表面に逃げ場を失った溶融樹脂が吹き出すことがなく、きれいな溶着部の形状を得ることができる。
4.ヒートチップにエアーパイプから冷却用のエアーを吹きつけるため、ヒートチップを瞬時に冷却することができるので、離脱時に糸引き、あるいは融合凹部の変形による強度のバラツキといった不具合が発生するのを防止できる。
プラスチック段ボールを重ね合せて一体に結合する際、プラスチック段ボール同士を固定する箇所に発熱したヒートチップを押しつけて加熱しながら樹脂中に挿入することにより、双方の樹脂を融合し、その後、冷却してプラスチック段ボールの融合部を固化させて結合させる。このとき、ヒートチップの挿入により形成された融合凹部の底面には、相互のプラスチック段ボールが融合されて形成された補強用のリブが形成されているため、溶着強度の強化が図れる。
(十字形状リブ)
請求項1及び請求項2に記載の発明について、その実施例を図1乃至図7を用いて説明する。
図1は溶着部で融合凹部の平面図、図2は融合凹部の斜視図、図3は融合凹部の断面図であって、図3(a)は図1におけるA−A´線断面図、図3(b)は図1におけるB−B´線断面図である。
いずれもPP樹脂からなる上層プラ段A及び下層プラ段Bの2枚を重ね合せた後、上層プラ段Aの一部に発熱させたヒートチップ(図8以下で説明)を押しつけて樹脂を溶融させながら、さらに下層プラ段Bの一部に到達するまで挿入する。この挿入により、上層プラ段Aと下層プラ段Bの樹脂は、ヒートチップにより加熱されて、融合し、融合凹部が形成される。その後、エアーによりヒートチップ及び融合凹部は強制的に冷却されて樹脂が固化し、上層プラ段Aと下層プラ段Bは結合し、一体化される。
本実施例1における融合凹部について図1を基に説明すると、上層プラ段Aと下層プラ段Bにはすり鉢型の融合凹部1が形成され、その底面2には十字形状のリブ3が融合凹部1の側面4と対向する側面4間に形成されている。リブ3は他の部分より肉厚であるため、補強の効果が得られ溶着強度が向上する。なお、5は溶融した樹脂がリブ3に集約するためと、上層プラ段Aの表面に吹き出ないようにヒートチップに形成した樹脂返し段部の跡である。
上記図1〜図3の形状の融合凹部1について、その溶着強度を測定した。測定方法を図12に示す。上層プラ段Aと下層プラ段Bの各試験片の一箇所を実施例1の溶着構造に形成し、その後、矢印に示すように上下方向へ引っ張り溶着部が破断した時の力を測定した。
この実施例1の溶着強度測定値を表1に示す。
(十字形状リブ+円形リブ)
請求項3に記載した発明の実施例について、図4〜図6を用いて詳細に説明する。
図4は融合凹部1の平面図、図5は融合凹部1の斜視図、図6は融合凹部1の断面図であって、図6(a)は図4におけるC−C´線断面図、図6(b)は図4におけるD−D´線断面図である。
本実施例2における融合凹部1について図4〜図6を基に説明すると、上層プラ段Aと下層プラ段Bにすり鉢型の融合凹部1が形成され、その底面2には中心にドーナッツ形の円形リブ3aとこの円形リブ3aから放射状に融合凹部1の側面4に延びる直線リブ3bが形成されている。実施例1の十字形状リブ3に加えてさらに融合凹部1の底面2の中心にドーナッツ形状の円形リブ3aを追加形成したことにより、さらに融合樹脂量及び面積が増加し、溶着強度を高めることができる。
実施例2の溶着強度測定値を表1に示す。試験方法は実施例1と同じである。
(十字形状リブ形成用ヒートチップ)
請求項4に記載したヒートチップの実施例を図7及び図8を用いて詳細に説明する。
図7は、実施例1に記載した溶着を行うためのヒートチップ10を示し、図7(a)はヒートチップ10の側面図、図7(b)は正面図、図7(c)は図7(b)におけるE−E´線断面図である。
本実施例におけるヒートチップ10は、ステンレス材を用いて切削加工されており、全体的には中空のカップ型形状である。ヒートチップ10は、開口部11から先端にかけて、大径部12、中径部13、傾斜面部14、先端加工部15と4ブロックに別れており、上端の開口部11から大径部12、中径部13にかけて、左右に2分割するように縦にスリット16、16aが形成されている。なお、傾斜部14は、先端に向かって細くなるテーパー形状で、その角度は37°である。
傾斜部14と先端加工部15との境には、一段絞り込んだ段部17が形成されている。この段部17は、樹脂溜りとなって、ヒートチップ10の先端で溶融した樹脂がヒートチップ10の側面に沿って上層プラ段Aの表面までせり上がることを防止すると共に、溶融した樹脂を先端加工部15に形成されたスリット形成用の溝15aへ流入させる役目を持っている。
先端加工部15には、融合凹部1のリブ3を形成するための溝15aが正面視十字形状に形成されている。本実施例3における溝15aの深さ及び幅の寸法は両方とも2mmである。
以上説明したヒートチップ10には、図8に示す様に、電線19、19aを接続し、冷却エアー供給用のパイプ20を固定部部材(図示せず)によりヒートチップ10内へ組み込み、更にヒートチップ10の大径部11の周囲を囲むように耐熱樹脂(例えば、金属粉入りエポキシ樹脂)からなるカバー21が被覆されていて、溶着装置Cを構成している。
(十字形状リブ+円形リブ用ヒートチップ)
請求項4に記載したヒートチップに係る発明の実施例として、実施例2及び3に記載した融合凹部1形成用のヒートチップ10について説明する。図9(a)はヒートチップ10の正面図、図9(b)は先端面の正面図、図9(c)は図9(b)におけるF−F´線断面図、図9(d)は図9(b)におけるG−G´線断面図、である。
基本的には実施例3と同一であるが、先端加工部15が異なるので先端加工部15についてのみ説明する。22はドーナッツ形状の円形リブ3aの中心である薄肉部を形成する突起である。その周囲を囲むように円周溝23が形成され、さらにその円周溝23から外に向けて一段低い放射状の溝24が四方に形成されている。
傾斜面14と先端加工部15との境においては、一段絞り込んだ段部17が形成されているが、この段部17、円周溝23、及び放射状溝24で囲まれた部分には、一段高い突状の円弧状段部17aが形成されている。
突起22と円弧状段部17aの高さは突起22の方を0.5mm高くしている。これは、溶着の際、突起22を上層プラ段Aに先当たりすることにより溶融した樹脂を四方へ均等に行き渡らせる効果を奏するためのものである。
以上説明したヒートチップ10を用いたプラ段A、Bの溶着は、図4〜図6に示したヒートチップ10の先端加工部15における円周溝23で円形リブ3aを、放射状溝24で円形リブ3aから融合凹部1の側面4に延びる直線リブ3bを形成することができる。
(溶着工程の実施例)
本実施例5では、本発明の溶着装置Cを用いてプラ段A、Bを溶着する工程を説明する。ヒートチップ10は実施例4に示したものを用いた。
図10は図9(b)におけるF−F´線を断面箇所としたヒートチップ10を用いて行う工程図で、図10(a)は溶着前の説明図、図10(b)は上層プラ段Aにヒートチップ10を少し押し込んでいる説明図、図10(c)は所定の位置までヒートチップ10を押し込んで溶融している説明図、図10(d)はヒートチップ10を離脱させたときの溶着部(融合凹部1)の説明図である。また、図11は図9(b)におけるG−G´線を断面箇所とした場合で、図11(a)は所定の位置までヒートチップ10を押し込んで溶融している説明図、図11(b)はヒートチップ10を離脱させたときの溶着部(融合凹部1)の説明図である。
順を追って説明すると、いずれもPP樹脂からなる上層プラ段Aと下層プラ段Bを重ね合せる。この時、プラ段A、Bの目の方向については規制が無いが、図2の様に直交方向が望ましい。次に、図10(a)の様に、電線19、19aから電圧を印加してヒートチップ11を発熱させ、これを上層プラ段Aの表面に押し当てると、ヒートチップ10の突起22が先当たりして樹脂の溶融が始まる。
次に、図10(b)に示す様にヒートチップ10を押し進め、ヒートチップ10の周囲の樹脂を溶融させる。溶融した樹脂はヒートチップ10の段部17の効果にて、ヒートチップ11の先端で溶融した樹脂がヒートチップ10の側面に沿ってプラ段Aの表面までせり上がるのを防止すると共に、溶融した樹脂を先端加工部15に形成された円周溝23や放射状溝24へ流動させる。
更に、図10(c)の様にヒートチップ10を押し込むと、先端加工部15が上層プラ段Aを突きぬけ、更に、下層プラ段Bまで侵入すると、上昇プラ段Aの樹脂と下層プラ段Bの樹脂が溶融することにより融合される。下層プラ段Bにおける板厚の約1/3まで侵入させ、ヒートチップ10の円周溝23や放射状溝24内に溶融した樹脂が充填された後、電圧の印加を停止すると共に、エアーパイプ20へ外部から冷却用エアーを供給し、その冷却用エアーをヒートチップ10の裏面に吹き付けてヒートチップ10を冷却する。冷却用エアーはスリット16、16aから外部へ放出されるため、ヒートチップ10を効率よく冷却することができる。この冷却により、溶融した樹脂は固化し、冷却時間経過後、ヒートチップ10を離脱すると、図10(d)に示す円形リブ3aと直線リブ3bとが形成された溶着構造をもつ、上層プラ段Aと下層プラ段Bが溶着された複合プラ段を得ることができた。
図11は、図10から45°の位置における断面の説明図で、この位置にはヒートチップ10に放射状溝24がなく円形リブ3aのみが形成されている。図11(b)に溶着構造を示す。
以上説明した様に、溶着構造として、ヒートチップ10の放射状溝24で直線リブ3b及び円周溝23で円形リブ3aが形成され、融合凹部1に融合凹部1の側面4につながる肉厚部が形成されたため、従来に比較して溶着部における溶着強度が向上した複合プラ段を得ることができた。
また、融合凹部1の側面4にはヒートチップ10の適切なテーパーにより孔は生じなかった。
[比較例1]
比較例として、従来行なわれている熱棒を用いてプラ段A、Bの溶着を行なった。プラ段A、Bについては実施例1と同一である。
ヒータに組み込まれた熱棒を上層プラ段Aに押付け、軟化溶融させつつ熱棒の先端がプラ段の重ね合せ面を超えるように下層プラ段Bへ挿入し、溶融層を形成させた後、熱棒を引抜き、溶融層を冷却固化させて2枚のプラ段A、Bを一体化させた。
熱棒を挿入すると、上層プラ段Aの表面に溶融した樹脂が吹きだし、溶着部の開口部周囲に盛り上がってしまい、取り除くために後加工が必要であった。
また、熱棒を引抜くと、糸引きがおこり、その処理も必要であった。
比較例1の溶着強度測定値を表1に示す。試験方法は実施例1と同じである。
Figure 0004842168
実施例1の融合凹部の平面図 実施例1の融合凹部の斜視図 実施例1の断面を示し、(a)はA−A´線、(b)はB−B´線断面図 実施例2の融合凹部の平面図 実施例2の融合凹部の斜視図 実施例2の融合凹部の断面を示し、(a)はC−C´線、(b)はD−D´線断面図 実施例3のヒートチップを示すもので、(a)は正面図、(b)は先端面の正面図、(c)はE−E´線断面図 溶着装置の説明図 実施例4のヒートチップを示すもので、(a)は正面図、(b)は先端面の正面図、(c)はF−F´線断面図、(d)はG−G´線断面図 溶着工程を示すもので、(a)は溶着直前、(b)は溶着開始時、(c)は溶着終了時、(d)はヒートチップを引き上げた時の融合凹部の断面図 実施例4のヒートチップを用いて行う溶着工程を示すもので、(a)は溶着終了時、(b)は融合凹部の断面図 上層段プラAと下層段プラBを溶着し、強度試験を行う場合の力のかけ方向(矢印)を示す説明図
1 融合凹部
2 底面
3 リブ
4 側面
5 段部
10 ヒートチップ
15 先端加工部
15a 溝
16、16a スリット
A 上層プラ段
B 下層プラ段
C 溶着装置

Claims (4)

  1. プラスチック段ボールを重ね合せて部分的に溶着して一体化する際、プラスチック段ボール同士を固定する箇所へ先端の加熱面にリブ形成用の凹溝を形成したヒートチップを上層のプラスチック段ボールから下層のプラスチック段ボールの一部まで挿入することにより、上層と下層のプラスチック段ボールを融合させたのち、前記ヒートチップ内に組み付けたエアーパイプから冷却用エアーをヒートチップ内に吹きつけてヒートチップを冷却し、かつ前記融合部の冷却固化を行い、その上でヒートチップを引き抜くことにより、この引き抜いた跡に融合凹部を形成すると共に、この融合凹部の底面に補強用のリブを形成したこと、を特徴とするプラスチック段ボールの溶着方法
  2. 前記補強用のリブは、融合凹部の底面の中心部から側面に繋がる平面視十字形状からなることを特徴とする請求項1記載のプラスチック段ボールの溶着方法
  3. 前記補強用のリブは、融合凹部の底面中央に形成された正面視ドーナッツ形の円形リブと、この円形リブから放射状に融合凹部の側面に繋がる複数本の直線リブからなることを特徴とする請求項1記載のプラスチック段ボールの溶着方法
  4. プラスチック段ボールの溶着に用いられるヒートチップであって、このヒートチップの先端側の外径は先端面に向って先細りとなるようにテーパーがつけられていると共にこの先端面には、補強用リブを形成するための凹溝が形成されていること、
    前記ヒートチップにおいて、前記凹溝の底部が位置する外周側面部には、溶融した樹脂の返し用として小径化した樹脂溜り段部が形成されていること、
    前記ヒートチップ内は中空状に形成されていると共にこの中空内には冷却用エアーを吹き付けるためのエアーパイプが組み付けられていること、
    前記内部が中空状に形成されたヒートチップの側面には、中空内に吹き付けた冷却用エアーを外に逃がすためのスリットが形成されていること、
    を特徴とするプラスチック段ボールの溶着に用いられるヒートチップ。
JP2007028973A 2007-02-08 2007-02-08 プラスチック段ボールの溶着方法及びこの溶着方法に用いられるヒートチップ Expired - Fee Related JP4842168B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007028973A JP4842168B2 (ja) 2007-02-08 2007-02-08 プラスチック段ボールの溶着方法及びこの溶着方法に用いられるヒートチップ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007028973A JP4842168B2 (ja) 2007-02-08 2007-02-08 プラスチック段ボールの溶着方法及びこの溶着方法に用いられるヒートチップ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008188976A JP2008188976A (ja) 2008-08-21
JP4842168B2 true JP4842168B2 (ja) 2011-12-21

Family

ID=39749519

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007028973A Expired - Fee Related JP4842168B2 (ja) 2007-02-08 2007-02-08 プラスチック段ボールの溶着方法及びこの溶着方法に用いられるヒートチップ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4842168B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200457383Y1 (ko) * 2009-06-16 2011-12-16 한일이화주식회사 열융착기의 융착팁

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5971817A (ja) * 1982-10-18 1984-04-23 Saneigumi:Kk 熱可塑性樹脂製段ボ−ルの接合方法
JP3137274B2 (ja) * 1992-06-18 2001-02-19 菊男 荻野 プラスチック段ボール箱の熱溶着固定法。
JP3741325B2 (ja) * 1996-10-03 2006-02-01 株式会社アパックス プラスチック段ボールの接合装置及び接合方法
JP3936669B2 (ja) * 2003-04-04 2007-06-27 名古屋中野物産株式会社 コンテナーおよびコンテナーの製造方法
JP3921228B2 (ja) * 2005-06-13 2007-05-30 有限会社 テクノ世紀 プラスチック製ダンボールの溶着装置及びプラスチック製ダンボール製品の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008188976A (ja) 2008-08-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6006822B2 (ja) 樹脂部材
US20160167288A1 (en) Systems and methods to reduce air pocket formation during welding
JP2008155587A (ja) 中空樹脂成形品の製造方法
JP4842168B2 (ja) プラスチック段ボールの溶着方法及びこの溶着方法に用いられるヒートチップ
JP4837707B2 (ja) 燃料タンクのインサート部品溶着成形方法および燃料タンク
JP2009274429A5 (ja)
JP2008155588A (ja) 中空樹脂成形品およびその製造方法
JP6979691B2 (ja) 収納容器およびその製造方法
JP4944918B2 (ja) 樹脂材および樹脂材のレーザー溶着方法
JP4673898B2 (ja) ベルトの継手加工方法
JP2008222255A (ja) 中空合成樹脂板を用いた函体およびその製造方法
JP6973136B2 (ja) 板材接合方法
JP2017100394A (ja) 接合体の製造方法
JP6098565B2 (ja) 金属部材と樹脂部材との接合方法
WO2020054215A1 (ja) 接合用発熱回路、接合体、接合用発熱回路の製造方法及び接合方法
JP6171248B2 (ja) 化粧板の製造方法
JP6785369B2 (ja) 熱かしめ装置
JPS6216814B2 (ja)
JP4693829B2 (ja) 樹脂板の接合方法
JP7252639B2 (ja) 収容容器を作成する方法及びその方法により作成された収容容器
JP2006326997A (ja) 超音波融着部位にシボを設けた一対の成形品
US20190337236A1 (en) Plastic Containing Assembly Having Filler Material Arrangement for Welding
JP6339395B2 (ja) 樹脂成形品の溶着方法
JP6056828B2 (ja) 金属部材と樹脂部材との接合方法およびその方法において使用される樹脂部材
JP3240272U (ja) 二重容器

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080724

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110519

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110712

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110728

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110802

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110818

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110908

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111005

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4842168

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141014

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees