JP4841802B2 - 粘着シートおよびその使用方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着シートに関し、さらに詳しくは表面に形成される凹凸差の大きな被着体の裏面加工時に、表面に貼着され、表面を保護するために好ましく使用される粘着シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体ウエハの裏面の研削工程においては、電気回路が形成されている表面は粘着シートによって保護されている。通常の回路の電極素子による回路の高低差は5〜20μm程度であった。このような通常の回路が形成されたウエハには、従来の表面保護シートを用いても充分に保護することができ、回路が破損したり、ウエハが割れることなく充分に対応できていた。
【0003】
ところが、近年、ICチップの実装方法が多様化しており、ICチップ回路面が下側に配置されるパッケージング方法がある。このパッケージング方法では、凸状の電極素子が回路表面より突出して形成されており、その高低差は30μm以上となり、また場合によっては100μmを超えるものも現れている。このような半導体ウエハの表面に形成される凸状部分はバンプと呼ばれている。
【0004】
バンプは通常1チップに対して2個以上形成され、多いものではバンプピッチ(バンプとバンプの間隔)は数百μmになるものも存在する。バンプピッチのパターンとチップの配列によっては、バンプが集中する密の部分とバンプのパターンが疎の部分ができる。特にウエハの外周部分はチップが存在しないため、特にバンプが疎の部分となりやすい。バンプの密の場所と疎の場所では粘着シートを貼ったウエハは厚さにかなりのバラツキが発生してしまう。この状態のものを研削するとその厚み差が研削後のウエハ厚みのバラツキとしてそのまま発生してしまう問題もある。
【0005】
このようなバンプが形成されたウエハ表面を、従来の表面保護シートで保護しつつ、その裏面研磨を行うと、バンプの形状に対応して、その裏面が深く研磨され、裏面に窪み状(ディンプル状)の凹部が形成され、ウエハの厚みが不均一になる。さらには、ディンプル部から亀裂が発生し、最終的にはウエハが破壊してしまうことがあった。
【0006】
また、このような問題は、ウエハ回路の検査後に不良回路にマーキングのために形成するインク(バッドマーク)においても同様に発生する。
【0007】
バンプの大きな半導体ウエハに対しては、表面保護シートの基材フィルムの硬度を軟らかくしたり、粘着シートを厚くしたりして対応していたが、充分ではなく、上記のような問題はなお解消されなかった。
【0008】
このため、特定の弾性率を有する中間層および粘着剤層を、基材、中間層、粘着剤層の順に積層してなる表面保護シートにおいて、中間層および粘着剤層として特定の弾性率を有する樹脂を用いることが提案されている(特許文献1参照)。特許文献1には、基材として、応力緩和性の高いフィルムを使用してもよい旨が記載されている。このような応力緩和性の高い基材を用いると残留応力が速やかに減少するので、内部ひずみに起因する上記問題を解消できる。また、中間層および粘着剤層が特定の弾性率を有することから、表面の凹凸差の大きな高バンプウエハにおいても充分に表面保護機能を達成することが期待される。
【0009】
また、近年、ICカードの普及が進み、さらなる薄型化が望まれている。このため、従来は厚さが350μm程度であった半導体チップを、厚さ50〜100μmあるいはそれ以下まで薄くする必要が生じている。
【0010】
このようなチップの薄厚化を達成する方法として、特許文献2には、ウエハの表面側から所定深さの溝を形成した後、この裏面側から研削する半導体チップの製造方法が開示されている。このようなプロセスは、「先ダイシング法」とも呼ばれている。ウエハの裏面研削時には、ウエハ表面の回路を保護し、またウエハ(チップ)を固定しておくために、溝が形成されているウエハ表面に表面保護シートが貼着されている。
【0011】
このような先ダイシング法においては、半導体チップの回路面にバンプが形成されている場合は、前述のような通常の方法による裏面研磨に加え別の問題が発生する。先ダイシング法においては、研磨の最終段階ではウエハは表面保護シート上でチップに分割される。回路面上にバンプが存在すると表面保護シートで各チップの周囲を完全に密着することが困難なため、チップどうしの隙間から研削水が滲入し回路面を汚染するおそれがでてくる。
【0012】
このため、先ダイシング法に使われる表面保護シートは、通常の方法に比べさらにバンプの形成された面に対する追従性が要求される。このような場合の対応手段として、特許文献1に記載のような表面保護シートの中間層の膜厚を増大することが検討されている。中間層の厚みを厚くすることで、ウエハ表面の凹凸差を中間層で吸収し、回路面への切削水の滲入を防止できる可能性がある。
【0013】
特許文献1における中間層は、その組成から溶剤型粘着剤を塗布乾燥することで形成されていることは当業者には明らかである。このような溶剤型粘着剤により十分な厚みの中間層を得るためには、粘着剤の塗布乾燥を複数回行う必要があり、経済性に劣ることになる。
【0014】
【特許文献1】
特開2000−212530号公報
【特許文献2】
特開平5−335411号公報
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、表面の凹凸差の大きな被着体の裏面加工時に、表面に貼着され、表面を保護するために好ましく使用され、特に極薄にまで被着体を研削しても均一な厚みで研削でき、ディンプルの発生を防止でき、しかも経済性良く製造できる粘着シートを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る粘着シートは、基材と、その上に形成された中間層と、該中間層の上に形成された粘着剤層とからなり、
該中間層が無溶剤型樹脂から形成され、かつ20%捻り応力付加の10秒後における応力緩和率が60%以上であるフィルムからなることを特徴としている。
【0017】
このような中間層は、単層であることが好ましい。
【0018】
また、該中間層が、無溶剤型のエネルギー線硬化型樹脂を製膜・硬化してなることが好ましく、特に該エネルギー線硬化型樹脂が、非エネルギー線重合性オリゴマーとエネルギー線重合性モノマーとからなることが好ましい。
【0019】
さらに、粘着剤層がエネルギー線硬化型粘着剤からなる場合には、該粘着剤層の厚みが該中間層の厚みの10%以上であることが好ましい。
【0020】
本発明の粘着シートは、表面保護シートとして好ましく用いられ、具体的には、上記粘着シートを被着体の表面に表面保護シートとして貼付し、該被着体表面の保護を行ないつつ、その裏面加工を行う工程を含むプロセスに好ましく用いられる。
【0021】
特に、本発明の粘着シートは、バンプを有する回路が表面に形成された半導体ウエハの裏面研削時の回路面保護シートとして好ましく用いられ、具体的には、上記粘着シートを、バンプを有する回路が表面に形成された半導体ウエハの表面に表面保護シートとして貼付し、該半導体ウエハ回路面の保護を行ないつつ、その裏面研削を行う工程を含むプロセスに好ましく用いられる。
【0022】
さらにまた、本発明の粘着シートは、特に先ダイシング法による高バンプウエハのチップ化において好ましく用いられ、具体的には、
バンプを有する回路が表面に形成された半導体ウエハ表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝を形成し、
該回路形成面に、上記粘着シートを表面保護シートとして貼付し、
その後上記半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行ない、
チップをピックアップする工程を含む半導体チップの製造方法に好ましく用いられる。
【0023】
このような本発明によれば、表面の凹凸差の大きな被着体の裏面加工時に、表面に貼着され、表面を保護するために好ましく使用され、特に極薄にまで被着体を研削しても均一な厚みで研削でき、ディンプルの発生を防止でき、しかも経済性良く製造できる粘着シートおよびこれを用いた半導体チップの製造方法等が提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明についてさらに具体的に説明する。
【0025】
本発明に係る粘着シートは、基材、中間層および粘着剤層がこの順に積層されてなる。
【0026】
粘着剤層は、従来より公知の種々の感圧性粘着剤により形成され得る。このような粘着剤としては、何ら限定されるものではないが、たとえばゴム系、アクリル系、シリコーン系、ポリビニルエーテル等の粘着剤が用いられる。また、エネルギー線硬化型や加熱発泡型、水膨潤型の粘着剤も用いることができる。
【0027】
エネルギー線硬化(エネルギー線硬化、紫外線硬化、電子線硬化)型粘着剤としては、特に紫外線硬化型粘着剤を用いることが好ましい。また、水膨潤型粘着剤としては、たとえば特公平5−77284号公報、特公平6−101455号公報等に記載のものが好ましく用いられる。
【0028】
エネルギー線硬化型粘着剤は、一般的には、アクリル系粘着剤と、エネルギー線重合性化合物とを主成分としてなる。
【0029】
エネルギー線硬化型粘着剤に用いられるエネルギー線重合性化合物としては、たとえば特開昭60−196956号公報および特開昭60−223139号公報に開示されているような光照射によって三次元網状化しうる分子内に光重合性炭素−炭素二重結合を少なくとも2個以上有する低分子量化合物が広く用いられ、具体的には、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートあるいは1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレートなどが用いられる。
【0030】
さらにエネルギー線重合性化合物として、上記のようなアクリレート系化合物のほかに、ウレタンアクリレート系オリゴマーを用いることもできる。ウレタンアクリレート系オリゴマーは、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と、多価イソシアナート化合物たとえば2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなどを反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレートたとえば2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなどを反応させて得られる。
【0031】
エネルギー線硬化型粘着剤中のアクリル系粘着剤とエネルギー線重合性化合物との配合比は、アクリル系粘着剤100重量部に対してエネルギー線重合性化合物は50〜200重量部、好ましくは50〜150重量部、特に好ましくは70〜120重量部の範囲の量で用いられることが望ましい。この場合には、得られる粘着シートは初期の接着力が大きく、しかもエネルギー線照射後には粘着力は大きく低下する。したがって、裏面研削終了後におけるウエハとエネルギー線硬化型粘着剤層との界面での剥離が容易になる。
【0032】
また、エネルギー線硬化型粘着剤は、側鎖にエネルギー線重合性基を有するエネルギー線硬化型共重合体から形成されていてもよい。このようなエネルギー線硬化型共重合体は、粘着性とエネルギー線硬化性とを兼ね備える性質を有する。側鎖にエネルギー線重合性基を有するエネルギー線硬化型共重合体は、たとえば、特開平5−32946号公報、特開平8−27239号公報等にその詳細が記載されている。
【0033】
エネルギー線硬化型粘着剤に光重合開始剤を混入することにより、光照射による重合硬化時間ならびに光照射量を少なくすることができる。
【0034】
このような光重合開始剤としては、ベンゾイン化合物、アセトフェノン化合物、アシルフォスフィンオキサイド化合物、チタノセン化合物、チオキサントン化合物、パーオキサイド化合物等の光開始剤、アミンやキノン等の光増感剤などが挙げられ、具体的には、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジフェニルサルファイド、テトラメチルチウラムモノサルファイド、アゾビスイソブチロニトリル、ジベンジル、ジアセチル、β−クロールアンスラキノンなどが例示できる。
【0035】
光重合開始剤の使用量は、粘着剤の合計100重量部に対して、好ましくは0.05〜15重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。
【0036】
上記のようなアクリル系エネルギー線硬化型粘着剤は、エネルギー線照射前にはウエハに対して充分な接着力を有し、エネルギー線照射後には接着力が著しく減少する。すなわち、エネルギー線照射前には、粘着シートとウエハとを充分な接着力で密着させ表面保護を可能にし、エネルギー線照射後には、研削されたウエハから容易に剥離することができる。
【0037】
本発明の粘着シートにおいては、中間層は無溶剤型樹脂から形成されてなる。無溶剤型樹脂を用いることで、溶剤型樹脂を用いる場合に比べて、簡便な操作で厚みのある中間層を形成することができる。すなわち、溶剤型樹脂を用いて厚膜を得る場合には、樹脂の重ね塗りが必要となるが、無溶剤型樹脂であれば一回の塗布で充分な厚みの塗膜が得られ、作業効率良く粘着シートを製造することができる。このような中間層は、一回の塗布で形成されるので、中間層は単層構造であり、層内には界面が観察されない。一方、溶剤型樹脂を用いて厚みのある塗膜を形成した場合には、樹脂の塗布・乾燥が複数回繰り返されることになるため、層内には重ね塗りの痕跡としての界面が観察される。
【0038】
また、該中間層を構成する樹脂の、20%捻り応力付加の10秒後における応力緩和率は、60%以上であり、好ましくは70%以上、さらに好ましくは80%以上である。応力緩和率は高いほど好ましく、その上限は、理論的に100%であり、場合によっては99.9%、99%あるいは95%であってもよい。このような物性を示す材料は粘着性を示すものが多い。このため、本発明においては、無溶剤型粘着剤として供給されている材料が中間層として好ましく使用できるが、これに限定されるものではない。
【0039】
このように応力緩和率の高い樹脂を粘着シートの中間層として用いると、被着体に貼付する圧力により発生した凹凸に対する歪み応力が、貼付後速やかに減衰する。したがって、粘着シートの粘着剤面は被着体表面の凹凸によく追従し密着する。
【0040】
さらに上記中間層の上面、すなわち粘着剤層が設けられる側の面には粘着剤との密着性を向上するために、コロナ処理を施したりプライマー層やバリヤ層等の他の層を設けてもよい。
【0041】
中間層の材質としては、上記物性を満たす無溶剤型樹脂であれば特に限定されず、たとえばエネルギー線硬化型樹脂やホットメルト粘着剤などの形態のものが挙げられる。これらの中でも特に、物性調節の容易さなどの点から、無溶剤型エネルギー線硬化型樹脂ならびにホットメルト粘着剤が用いられる。
【0042】
中間層を無溶剤型エネルギー線硬化型樹脂で形成した場合には、上記物性は、無溶剤型のエネルギー線硬化型樹脂を製膜・硬化してなる被膜に関しての物性を意味する。
【0043】
無溶剤型粘着剤のエネルギー線硬化型樹脂としては、非エネルギー線硬化型のポリマーとエネルギー線重合性希釈剤(モノマー)との配合、エネルギー線重合性オリゴマーからなるもの、エネルギー線重合性オリゴマーとエネルギー線重合性モノマーとの配合、非エネルギー線重合性オリゴマーとエネルギー線重合性モノマーとの配合が挙げられる。
【0044】
エネルギー線硬化型の無溶剤型粘着剤は、一般に架橋点が多くなるように設計され、エネルギー線照射によって粘着性とはなるが、応力緩和性は乏しい性質となる。これに反して、非エネルギー線重合性オリゴマーとエネルギー線重合性モノマーとの配合のエネルギー線硬化型樹脂は、比較的架橋点が少なく上記の物性を満たしやすくなるため好ましい。
【0045】
非エネルギー線重合性オリゴマーとは、エネルギー線重合性の二重結合を実質的に含有しない、重量平均分子量1000〜10000、好ましくは2000〜9000、特に好ましくは3000〜8000の分子である。該オリゴマーは、分子内にウレタン結合、カーボナート結合、エステル結合、エーテルアミド結合、エステルアミド結合等の結合部位と、-(CH2)n-、-(CH2CH2O)n-等の屈曲鎖、およびパラ置換の芳香族基、直線性のビフェニル、シクロヘキシル、置換ナフチルなどを含む。したがって、非エネルギー線重合性オリゴマーは、前述したような結合単位を有するモノマーを重合したオリゴマーからなり、たとえばウレタンオリゴマー、カーボナートオリゴマー、エステルオリゴマー、アミドオリゴマーなどよりなる。
【0046】
非エネルギー線重合性オリゴマーは、硬化反応に寄与せずにエネルギー線重合性モノマーが重合したポリマー成分を可塑化し、硬化後の中間層に柔軟性を与える働きをする。硬化したポリマー成分を適度に可塑化することにより、中間層は応力緩和率が高くなる。
【0047】
エネルギー線重合性モノマーは、分子内にエネルギー線重合性の二重結合を有し、エネルギー線によりポリマー成分へ重合して中間層の骨格を構成する。特に、本発明においては、中間層の応力緩和率が高くなりやすくするため、比較的嵩高い基を有する単官能のアクリルエステル系化合物が好ましく用いられる。
【0048】
このようなエネルギー線重合性モノマーの具体例としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレートなどの脂環式化合物、
フェニルヒドロキシプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノールエチレンオキシド変性アクリレートなどの芳香族化合物、もしくはテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリンアクリレート、N−ビニルピロリドンまたはN−ビニルカプロラクタムなどの複素環式化合物が挙げられる。また必要に応じて多官能(メタ)アクリレートを用いてもよい。
【0049】
上記エネルギー線重合性モノマーは、非エネルギー線重合性オリゴマー100重量部に対して、好ましくは5〜900重量部、さらに好ましくは10〜500重量部、特に好ましくは30〜200重量部の割合で用いられる。
【0050】
非エネルギー線重合性オリゴマーとエネルギー線重合性モノマーとを必須成分とするエネルギー線重合性樹脂組成物には、光重合開始剤を混入することにより、光照射による重合硬化時間ならびに光照射量を少なくすることができる。
【0051】
このような光重合開始剤としては、前記したエネルギー線硬化型粘着剤に配合される光重合開始剤と同様のものを例示できる。
【0052】
光重合開始剤の使用量は、非エネルギー線重合性オリゴマーとエネルギー線重合性モノマーの合計100重量部に対して、好ましくは0.05〜15重量部、さらに好ましくは0.1〜10重量部、特に好ましくは0.5〜5重量部である。
【0053】
非エネルギー線重合性オリゴマーは、硬化反応に寄与せずに中間層に柔軟性を与える成分であり、エネルギー線重合性モノマーは、重合硬化し、中間層に適度な硬度を与える成分である。したがって、非エネルギー線重合性オリゴマーとエネルギー線重合性モノマーの種類およびその配合割合を適宜に選択することで、中間層の応力緩和率や、弾性率、凝集力などの物性を調節できる。
【0054】
一般的な傾向として、架橋密度を下げたり、あるいは低官能性のエネルギー線重合性オリゴマーを用いると、応力緩和率は高くなる。
【0055】
エネルギー線硬化型樹脂は、硬化による体積収縮のため硬化膜の密着性(キーイング)に乏しい。このため、エネルギー線硬化性粘着剤には基材との密着性を向上させる目的で密着改良剤が配合される。密着改良剤としては、ポリエステル系やウレタン系などの比較的低分子量のポリマーあるいはオリゴマーが使用できる。
【0056】
また、中間層は、前述したような物性を満たすホットメルト粘着剤から形成されていてもよい。ホットメルト粘着剤としては、アクリル系、ゴム系、ウレタン系、エステル系、ポリアミド系などの種々のものが上記物性を充足する限りにおいて特に制限されることなく使用できる。
【0057】
ホットメルト粘着剤としては、特にスチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体などのスチレンブロック共重合体が好ましい。スチレンブロックの量により凝集力を下げずに応力緩和性を下げることができる。
【0058】
応力緩和率が高い層は通常その凝集力が小さく、保型性が不足し粘着シートの端部からはみ出しが起りやすい。本発明の粘着シートにおける中間層は、膜厚に設定されるので、この現象がより顕著である。このため、中間層は応力緩和率が高くするとともに、凝集力も高くなるように設定することが好ましい。中間層の凝集力は、JIS Z0237における保持力として、好ましくは10,000秒以上、より好ましくは50,000秒以上を示すものが好ましい。なお、前述の通り応力緩和率の高い物質は粘着性を示すことが多いので、このようなシートの中間層は保持力を測定することができる。
【0059】
基材としては、たとえば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリブテンフィルム、ポリブタジエンフィルム、ポリメチルペンテンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、塩化ビニル共重合体フィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリウレタンフィルム、エチレン酢ビフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体フィルム、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体フィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム等の透明フィルムが用いられる。またこれらの架橋フィルムも用いられる。さらにこれらの積層フィルムであってもよい。また、上記の透明フィルムの他、これらを着色した不透明フィルム、フッ素樹脂フィルム等を用いることができる。
【0060】
本発明に係る粘着シートは、上記のような基材上に形成された中間層上に粘着剤層を設けることで製造される。なお、粘着剤層をエネルギー線硬化型粘着剤により構成する場合には、基材および中間層は透明である必要がある。
【0061】
本発明の粘着シートを、先ダイシング法による半導体装置の製造工程に用いる場合は、裏面研削によりチップ化する際のチップクラックの防止や、分割されたチップのカーフ幅の縮み防止のため、基材は、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルムのように比較的剛性の大きなフィルムを用いることが望ましい。しかし、基材が剛性であればその応力緩和率は小さくなり、基材の層の物性でウエハの凹凸を吸収することは困難になるため、中間層の担う上述の役割がより重要になる。
【0062】
本発明の粘着シートにおいて、基材の厚みは、好ましくは10〜1000μm、さらに好ましくは30〜500μm、特に好ましくは50〜300μmである。
【0063】
また中間層の厚みは、好ましくは50〜500μm、さらに好ましくは100〜400μm、特に好ましくは150〜300μmの範囲にある。さらに粘着剤層の厚さは、その材質にもよるが、通常は5〜100μm程度であり、好ましくは10〜80μm、特に好ましくは20〜60μm程度である。
【0064】
したがって、中間層と粘着剤層との合計厚みは、好ましくは55〜600μm、さらに好ましくは110〜480μm、特に好ましくは170〜360μmの範囲にある。
【0065】
中間層が無溶剤型粘着剤からなる場合は、その組成物は粘着剤層を構成する物質に類似するためお互いの成分は相溶し、層間を移行してしまう場合がある。その場合は必要な性質が得られなくなる虞があるので、中間層と粘着剤層の層間にバリア層を設けるか、移行しやすい成分(例えば、光重合開始剤)の多い層の厚さを厚めにすることで対処できる。
【0066】
粘着剤層がエネルギー線硬化型の場合、粘着剤層側の光重合開始剤が中間層へ移行しやすくなる。このため、粘着剤層の厚みは中間層の厚みの好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%〜100%の範囲にある。
【0067】
中間層と粘着剤層の合計厚さは、粘着シートが貼着される被着体のバンプ高さ、バンプ形状、バンプ間隔のピッチ等を考慮して適宜に選定され、一般的には、中間層と粘着剤層の合計厚さは、バンプ高さの110%以上、好ましくは130〜500%となるように選定することが望ましい。このように中間層と粘着剤層の合計厚さを選定すると、回路面の凹凸に粘着シートが追随して凹凸差を解消できる。
【0068】
本発明の粘着シートは、基材上に、中間層を形成する無溶剤型樹脂を塗布後、所要の手段で樹脂を硬化させて中間層を形成する。経済的な観点より、中間層は無溶剤型樹脂をロールコーター、ナイフコーター、ロールナイフコーター、ファウンテンダイコーター、スロットダイコーター、リバースコーターなど厚膜塗工の可能な塗工装置により、設定の膜厚一回の塗工で行うことが好ましい。続いて、該中間層上に、公知の塗工装置により適宜の厚さに塗工し乾燥させて粘着剤層を形成し、次いで必要に応じ粘着剤層上に離型シートを貼り合わせることによって得られる。
【0069】
本発明の粘着シートは、各種物品の表面保護、精密加工時の一時的な固定用に用いられる。特に本発明の粘着シートは、表面の凹凸差の大きな物品の表面保護シートとして好ましく用いられる。
【0070】
表面保護シートとして用いる場合には、特に、上記粘着シートを被着体の表面に表面保護シートとして貼付し、該被着体表面の保護を行ないつつ、その裏面加工を行う工程を含むプロセスに好ましく用いられる。
【0071】
ここで、被着体としては、バンプを有する回路が表面に形成された半導体ウエハが特に好適であり、またその裏面加工としては、バンプを有する回路が表面に形成された半導体ウエハの裏面研削が特に好適である。ここで、バンプの高さは特に限定はされないが、本発明の方法によれば、40μm以上、さらには50〜400μm、特には70〜300μmの高さのバンプを有する回路が形成された半導体ウエハの加工にも対応できる。
【0072】
すなわち、本発明の粘着シートは、バンプを有する回路が表面に形成された半導体ウエハの裏面研削時の回路面保護シートとして好ましく用いられ、具体的には、上記粘着シートを、バンプを有する回路が表面に形成された半導体ウエハの表面に表面保護シートとして貼付し、該半導体ウエハ回路面の保護を行ないつつ、その裏面研削を行う工程を含むプロセスに好ましく用いられる。
【0073】
裏面研削後の半導体ウエハの厚みは、特に限定はされないが、好ましくは10〜300μm、特に好ましくは25〜200μm程度である。
【0074】
さらにまた、本発明の粘着シートは、特に先ダイシング法による高バンプウエハのチップ化において好ましく用いられ、具体的には、
バンプを有する回路が表面に形成された半導体ウエハ表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝を形成し、
該回路形成面に、上記粘着シートを表面保護シートとして貼付し、
その後上記半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行ない、
チップをピックアップする工程を含む半導体チップの製造方法に好ましく用いられる。
【0075】
より具体的には、以下のような工程からなる半導体チップの製造方法に用いられる。
【0076】
第1工程:複数の回路を区画するウエハの切断位置に沿って所定の深さの溝をウエハ表面から削成する。
【0077】
第2工程:前記ウエハの表面全体を覆う状態に本発明の粘着シートを貼付する。
【0078】
第3工程:前記溝の底部を除去し、所定の厚さになるまでウエハの裏面を研削して個々のチップに分割する。研削時には、研削屑や研削熱を除去するために研削面に水(研削水)を供給しつつ研削を行う。この際、本発明の粘着シートを用いることで、チップと粘着剤層との間に高い密着性が得られるため、回路面への研削水の滲入がなく、チップの汚染を防止できる。
【0079】
その後、粘着剤層をエネルギー線硬化型粘着剤から形成した場合には、エネルギー線照射して接着力を低減させ、所定の方法でチップのピックアップを行う。また、チップのピックアップに先立ち、ウエハ形状に整列した状態のチップを、他の粘着シートに転写し、その後、チップのピックアップを行ってもよい。
【0080】
【発明の効果】
本発明の粘着シートにおいては、上述したように中間層が無溶剤型樹脂から形成されているため、1回の塗布操作による充分な厚みの中間層を得ることができ、粘着シートの製造コストを低減できる。また、該中間層は特定の物性を充足するので、本発明によれば、表面の凹凸差の大きな被着体の裏面加工時に、表面に貼着され、表面を保護するために好ましく使用され、特に極薄にまで被着体を研削しても均一な厚みで研削でき、ディンプルの発生を防止できる粘着シートが提供され、また、該粘着シートを用いた半導体チップの製造方法等が提供される。
【0081】
【実施例】
以下本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0082】
なお、以下の実施例および比較例において、「裏面研磨適性試験」、「弾性率測定および応力緩和率測定」、「研削水汚染」、「保持力測定」、「基材とのキーイング」は次のようにして評価した。
(1)裏面研磨適性試験
下記ドット状の印刷によるバッドマークをバンプとし、これを5インチのミラーウエハ上に形成した。ウエハのバッドマークが形成された面に粘着シートを貼付し、10mm×10mmのサイズで220μmのハーフカットダイシングを行い、反対面より総厚200μmとなるように研磨しチップ化した。ウエハ形状、研磨条件、評価方法は以下のとおり。
・ウエハ形状
ウエハ径:5インチ
ウエハ厚み(ドット印刷されていない部分の厚み):650〜700μm
ドット径:500〜600μm
ドット高さ:100μm
ドットのピッチ:10mm間隔(全面印刷)
・裏面研磨条件
仕上げ厚さ:200μm
研磨装置:ディスコ社製、DFG850
ダイサー:ディスコ社製、DFD641
・評価方法
研磨されたウエハ裏面を観測して、割れ・窪みが無いか、または、窪みがあったとしても窪みの最大深さが2μm未満のものを「良好」とし、最大深さが2μm以上の窪みが発生していたものは「不良」とした。
(2)弾性率測定および応力緩和率測定
・使用装置:Rheometric社製RDA II(捻りせん断方式)
・測定方法:エネルギー線硬化型樹脂を用いて形成した中間層については、エネルギー線照射後、他の粘着剤についてはすべてエネルギー線照射前の動的粘弾性測定を行った。弾性率については周波数1Hzにおける23℃の弾性率を測定し、応力緩和率については捻り量20%の応力を加え10秒後の緩和弾性率に対する測定開始直後の弾性率割合により数値を決定した。
(3)研削水汚染
(1)の方法によるウエハの印刷面から粘着シートを剥離して顕微鏡でその面を観察した。研削水による汚染がまったく認められないものを「良好」とし、汚染がわずかでも認められたものは「不良」とした。
(4)保持力
実施例または比較例において、粘着剤層を設けず、基材−中間層の積層シートを作成し、中間層を粘着剤層と見立て、JIS Z0237に準拠して測定した。
(5)基材とのキーイング
実施例または比較例において、粘着剤層を設けず、基材−中間層の積層シートを作成し、この中間層側に0.5mm□の切り込みを20×20設けた。切り込みされた中間層の面にセロハンテープを貼付け十分密着させた後にセロハンテープを剥離する。セロハンテープに剥がされずに基材に残った中間層の個数の割合で、基材とのキーイングを評価した。
【0083】
【実施例1】
重量平均分子量5000の反応性基を有しないウレタンオリゴマー(荒川化学社製)50重量部と、密着改良剤としてポリエステルオリゴマー10重量部と、フェニルヒドロキシプロピルアクリレート40重量部と、光重合開始剤として1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(イルガキュア184、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)2.0重量部とを配合してエネルギー線硬化型樹脂組成物を得た。
【0084】
得られた樹脂組成物を、ファウンテンダイ方式により、ポリエチレンテレフタレート(PET)側にコロナ放電処理を施したPET(50μm)/ポリエチレン(25μm)の貼合品(アジヤアルミ社製)のPET側に厚さ210μmとなるように塗工して樹脂組成物層を形成した。塗工直後に、高圧水銀ランプを用いて樹脂を半硬化させた後、樹脂組成物層の上にさらに同じPETフィルムをラミネートし、その後、高圧水銀ランプにて樹脂組成物層を架橋・硬化させて、厚さ210μmの中間層を形成した。
【0085】
このシートの中間層の上にさらにアクリル系粘着剤(2-エチルヘキシルアクリレートとヒドロキシエチルアクリレートとの共重合体で、ヒドロキシエチルアクリレートの水酸基に80%のIEM(イソシアナートエチルメタクリレート)を付加したもの)100重量部と硬化剤(ジイソシアナート系)1重量部と、光重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製)3.1重量部とを混合した粘着剤組成物を塗布・乾燥し厚さ40μmの粘着剤層を形成し、粘着シートを得た。
【0086】
中間層、粘着剤層の物性を上記のように測定し、また粘着シートの裏面研磨適性の評価を上記のようにして行った。結果を表1に示す。
【0087】
【実施例2】
密着改良剤のポリエステルオリゴマーを用いなかった以外は実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0088】
【比較例1】
中間層を非エネルギー線重合性オリゴマーとエネルギー線重合性モノマーからなるものから、エネルギー線重合性オリゴマーからなる無溶剤型粘着剤(大日精化工業社製、PM-654F、ウレタンアクリレート)からなるものに変更した以外は実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
Claims (8)
- 基材と、その上に形成された中間層と、該中間層の上に形成された粘着剤層とからなる粘着シートであって、
該中間層が、無溶剤型のエネルギー線硬化型樹脂を製膜・硬化してなり、かつ20%捻り応力付加の10秒後における応力緩和率が60%以上であるフィルムからなり、
該粘着シートが半導体ウエハの表面に貼付し、裏面研削を行うための表面保護シートであり、
該エネルギー線硬化型樹脂が、エネルギー線重合性モノマーと重量平均分子量1000〜10000である非エネルギー線重合性オリゴマーとからなる
ことを特徴とする粘着シート(前記応力緩和率は、中間層を構成する樹脂について、捻りせん断方式に基づく弾性率の測定から求められる値であって、捻り量20%応力を加え10秒後の緩和弾性率と、捻り量20%の応力を加えた測定開始直後の弾性率の割合を意味する。)。 - 該非エネルギー線重合性オリゴマーがウレタンオリゴマーであり、
該エネルギー線重合性モノマーがイソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシ(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレート、フェニルヒドロキシプロピルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェノールエチレンオキシド変性アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、モルホリンアクリレート、N−ビニルピロリドンおよびN−ビニルカプロラクタムから選ばれる化合物である請求項1に記載の粘着シート。 - 該中間層が、単層である請求項1または2に記載の粘着シート。
- 粘着剤層がエネルギー線硬化型粘着剤からなり、該粘着剤層の厚みが該中間層の厚みの10%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着シート。
- 請求項1〜4の何れか一項に記載の粘着シートを被着体の表面に表面保護シートとして貼付し、該被着体表面の保護を行ないつつ、その裏面加工を行う工程を含むことを特徴とする粘着シートの使用方法。
- 請求項1〜4の何れか一項に記載の粘着シートを、バンプを有する回路が表面に形成された半導体ウエハの表面に表面保護シートとして貼付し、該半導体ウエハ回路面の保護を行ないつつ、その裏面研削を行う工程を含むことを特徴とする半導体ウエハの加工方法。
- バンプを有する回路が形成された半導体ウエハ表面からそのウエハ厚さよりも浅い切込み深さの溝を形成し、
該回路形成面に、請求項1〜4の何れか一項に記載の粘着シートを表面保護シートとして貼付し、
その後上記半導体ウエハの裏面研削をすることでウエハの厚みを薄くするとともに、最終的には個々のチップへの分割を行ない、
チップをピックアップする工程を含むことを特徴とする半導体チップの製造方法。 - 基材と、その上に形成された中間層と、該中間層の上に形成された粘着剤層とからなる粘着シートの製造方法であって、
該中間層を、無溶剤型のエネルギー線硬化型樹脂を製膜・硬化して形成する工程を含み、
該中間層が20%捻り応力付加の10秒後における応力緩和率が60%以上であるフィルムからなり、
該粘着シートが半導体ウエハの表面に貼付し、裏面研削を行うための表面保護シートであり、
該エネルギー線硬化型樹脂が、エネルギー線重合性モノマーと重量平均分子量1000〜10000である非エネルギー線重合性オリゴマーとからなる
ことを特徴とする粘着シートの製造方法(前記応力緩和率は、中間層を構成する樹脂について、捻りせん断方式に基づく弾性率の測定から求められる値であって、捻り量20%応力を加え10秒後の緩和弾性率と、捻り量20%の応力を加えた測定開始直後の弾性率の割合を意味する。)。
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