JP4839235B2 - 車両の左右駆動力配分装置 - Google Patents

車両の左右駆動力配分装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4839235B2
JP4839235B2 JP2007012443A JP2007012443A JP4839235B2 JP 4839235 B2 JP4839235 B2 JP 4839235B2 JP 2007012443 A JP2007012443 A JP 2007012443A JP 2007012443 A JP2007012443 A JP 2007012443A JP 4839235 B2 JP4839235 B2 JP 4839235B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
driving force
planetary gear
distribution device
differential
differential case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007012443A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008180241A (ja
Inventor
清郷 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Subaru Corp
Original Assignee
Fuji Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Jukogyo KK filed Critical Fuji Jukogyo KK
Priority to JP2007012443A priority Critical patent/JP4839235B2/ja
Publication of JP2008180241A publication Critical patent/JP2008180241A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4839235B2 publication Critical patent/JP4839235B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Retarders (AREA)

Description

この発明は、車両の左右駆動力配分装置に関し、さらに詳しくは、左右の車軸間に必要に応じて相対的な回転力を付与する機能を備えた左右駆動力配分装置に関する。
従来、この種の車両の左右駆動力配分装置は、図4に示されるように、ハウジング1内に回転可能に支持されると共に、エンジン駆動力を伝達するドライブピニオンギヤ2が固定された回転可能なドライブシャフト3と、ドライブピニオンギヤ2に噛み合うクラウンギヤ4が一体化されたデフケース5と、このデフケース5に伝達された駆動力を左右の車軸6,7に配分すると共に、左右の車軸6,7の回転数差を吸収する遊星歯車組を用いた差動機構8と、差動機構8に連なると共に、左右の車軸6,7間に必要に応じて相対的な回転力を付与する油圧モータ9と、デフケース5に伝達された回転駆動力を駆動源として油圧モータ9に作動油を供給する油圧ポンプ10(ラジアル型プランジャポンプ)と、を備えて構成されていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記した従来の車両の左右駆動力配分装置にあっては、ハウジング1内には差動機構8と油圧モータ9とが左右方向に並列した状態で配置されているうえに、ハウジング1の後部には油圧ポンプ10が張り出した状態で配置されている。このため、左右駆動力配分装置の大型化を招き、取付スペースの問題や、部品点数の増加、組み立て工数の増加によりコストがかかるという問題があった。
そこで、このような問題を解決するために、図5に示されるように、ドライブシャフト3に並列して油圧ポンプ10(アキシャル型プランジャポンプ)のポンプ軸11を配置し、ドライブシャフト3の回転駆動力によって油圧ポンプ10を駆動することが提案されている。しかしながら、このような方法によると、左右駆動力配分装置の前後長を短縮化することはできるものの、ハウジング1には、従来と同様に、差動機構8、油圧モータ9及び油圧ポンプ10が組み付けられるため、重量削減、コスト削減は難しいという問題があった。
特開2003−130175号公報
そこで、この発明は、上記した従来技術が有している問題点を解決するためになされたものであって、重量及びコストの削減を図ることが可能な車両の左右駆動力配分装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明は、駆動力伝達軸を介してエンジン駆動力が伝達される回転可能なデフケースと、前記デフケースに入力された駆動力を左右の車軸に分配するように前記デフケース内に収納された遊星歯車式の差動機構と、前記駆動力伝達軸或いは前記デフケースのうち何れか1つを駆動源とする油圧ポンプと、を備えた車両の左右駆動力配分装置において、
前記デフケースと前記左右の車軸のうち何れか一方の車軸とによって内部封止されたケーシングを形成すると共に、前記油圧ポンプからの作動油を前記ケーシング内に給排可能とする給排油路を前記一方の車軸に形成し、前記油圧ポンプから前記ケーシング内に給排した作動油によって前記差動機構の遊星歯車組に回転トルクを発生させて、前記左右の車軸間に相対的な回転力を付与することを特徴とする。
上記目的を達成するため第2の発明は、第1の発明において、前記差動機構の遊星歯車組の噛み合い部に対峙する空間部に対して前記作動油を給排し、前記遊星歯車組を前記回転トルクを発生させる歯車モータとして機能させることを特徴とする。
上記目的を達成するため第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記差動機構は、前記遊星歯車組を複数有すると共に、隣り合った前記遊星歯車組間の気密を保持する遊星歯車組支持部材が設けられていることを特徴とする。
第1乃至第3の発明によれば、遊星歯車式の差動機構を収容したデフケースと左右の車軸の何れか一方の車軸とによって内部封止されたケーシングを形成すると共に、油圧ポンプからの作動油をケーシング内に給排可能とする給排油路を一方の車軸に形成する。さらに、この差動機構の遊星歯車組の噛み合い部を挟んで対峙する空間部の気密を遊星歯車組支持部材によって保持させる。そして、油圧ポンプからの作動油を空間部に給排すると、噛み合い部を境にして歯みぞ両側の圧力分布が異なるので、遊星歯車組を回そうとする回転トルクが発生する。このため、差動機構の遊星歯車組が左右の車軸間に相対的な回転力を付与する外接型歯車モータとして機能するので、差動機構とは別体の油圧モータを削減することが可能となり、重量及びコストの大幅な削減を図ることが可能となる。
本発明の車両の左右駆動力配分装置によれば、油圧ポンプからの作動油をケーシング内の差動機構の遊星歯車組の噛み合い部に対峙する空間部に対して給排することによって遊星歯車組を外接型歯車モータとして機能させる。これにより、差動機構が油圧モータの機能を兼ね備えるので、従来ではハウジング内において差動機構とは別体として組み付けられていた油圧モータを削減することが可能となり、重量及びコストを大幅に削減できるようになる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両の左右駆動力配分装置の断面図、図2は、同例におけるケーシング内部の側面図、図3は、同例における歯車モータとして機能するダブルピニオンギヤセットの模式図である。
図1に示されるように、本発明が適用された車両の左右駆動力配分装置100は、駆動力伝達軸としてのドライブシャフト20を介してエンジン駆動力が伝達される回転可能なデフケース21と、デフケース21に入力された駆動力を左右の車軸24,25に分配するようにデフケース21内に収納された遊星歯車式の差動機構22と、ドライブシャフト20を駆動源とする油圧ポンプ23と、を備えて構成されている。
さらに、この左右駆動力配分装置100は、デフケース21と左右の車軸24,25のうち何れか一方の車軸(この実施形態にあっては右の車軸25)とによって封止されたケーシング26を形成すると共に、油圧ポンプ23からの作動油をケーシング26内に給排可能とする給排油路27を右の車軸25に形成し、油圧ポンプ23からケーシング26内に給排された作動油によって差動機構22に回転トルクを発生させて、左右の車軸24,25間に必要に応じて相対的な回転力を付与するように構成されている。
詳述すると、左右駆動力配分装置100の筐体をなすハウジング28の内部には、ドライブシャフト20がベアリング29〜31によって回転可能に軸支されている。このドライブシャフト20の右側方には、作動油を給排する油圧ポンプ23が配置されている。油圧ポンプ23のポンプ軸32は、ドライブシャフト20とほぼ平行に配置され、その両端部がベアリング33、オイルポンプカバー34によって回転可能に軸支されている。ドライブシャフト20には駆動ギヤ35が一体的に設けられていると共に、この駆動ギヤ35に噛み合う従動ギヤ36がポンプ軸32の前端部側に連なっており、ドライブシャフト20の回転駆動力が、中間回転軸を介すことなくポンプ軸32に直接的に伝達されるようになっている。
さらに、この従動ギヤ36とポンプ軸32との間には、ベアリング37及びワンウェイクラッチ38が介設されている。ワンウェイクラッチ38は、車両の前進時のみドライブシャフト20側からポンプ軸32側に向かって動力を伝達するものであって、後退時にはポンプ機能を停止させる。さらに、このワンウェイクラッチ38は、ドライブシャフト20の高速回転時における回転駆動力の伝達を規制することによって、ポンプ軸32の過回転を防止し油圧ポンプ23を保護するようになっている。また、これら駆動ギヤ35、従動ギヤ36等は、リヤデフ潤滑とつながるようにハウジング28に形成された第1の貯留室39内に配置されており、リヤデフ潤滑用の潤滑油(例えば、デフオイル)によって潤滑されるようになっている。
また、ポンプ軸32の後端部側には、斜板40とプランジャ(ピストン)41とを備えたアキシャル型プランジャポンプが配置されている。斜板40は、ポンプ軸32周りに傾いた状態でポンプ軸32に一体的に連なっていると共に、この斜板40とプランジャ41とは摺動部42を介して連なっている。さらに、これら斜板40及びプランジャ41は、差動機構22に回転トルクを発生させるための作動油が給排、且つ貯留できるようにハウジング28に形成された第2の貯留室43内に配置されている。
なお、第1の貯留室39と第2の貯留室43との間には、オイルシール44,44が配設されており、ポンプ軸32が回転しても第1及び第2の貯留室39,43を内部封止して異なる作動油同士が混ざらないようになっている。
そして、ポンプ軸32と共に斜板40が回転すると、シリンダ45内のプランジャ41がシリンダ45と共に回転しながら往復運動することによって、オイルポンプカバー34に設けられた作動油吸込口(図示せず)から差動機構22側(第2の貯留室側)の作動油をシリンダ45内に吸い込んだ後、オイルポンプカバー34に設けられた作動油吐出口(図示せず)から差動機構22側に向かって作動油を吐出するようになっている。
ドライブシャフト20の後端部には、ドライブピニオンギヤ46が結合固定されている。このドライブピニオンギヤ46に噛み合うクラウンギヤ47は、デフケース21の右側面部に一体的に組み付け固定されている。デフケース21は、ベアリング48,49を介してハウジング28に回転可能に支持されていると共に、左の車軸24に相対回転可能に支持されている。さらに、このデフケース21の内部には差動機構22が配設されている。
差動機構22は、図1,2に示されるように、ダブルピニオンギヤを用いた遊星歯車組であり、デフケース21に伝達された駆動力をそれぞれ左右の車軸24,25に配分すると共に、これら両車軸24,25に生じた回転数差を吸収するようになっている。この差動機構22は、デフケース21の内部に一体形成されたリングギヤ50と、左の車軸24に連なったサンギヤ51と、これらリングギヤ50とサンギヤ51との間に配設された4組のダブルピニオンギヤセット52(図2に図示)と、これら4組のダブルピニオンギヤセット52を左右両側からほぼ密着した状態で回転可能に支持すると共に、右の車軸25に連なった遊星歯車組支持部材としてのプラネタリキャリヤ53と、を備えている。
さらに、ダブルピニオンギヤセット52は、リングギヤ50に噛み合う第1のプラネタリギヤ52Aと、この第1のプラネタリギヤ52Aとサンギヤ51とに噛み合う第2のプラネタリギヤ52Bと、を備えている。
さらにまた、プラネタリキャリヤ53は、ダブルピニオンギヤセット52を左の車軸24側から支持するプラネタリキャリヤ左部53A(図1に図示)と、ダブルピニオンギヤセット52を右の車軸25側から支持すると共に、右の車軸25に連なったプラネタリキャリヤ右部53B(図1に図示)と、プラネタリキャリヤ左部53Aと右部53Bとを連接する中間部53C(図2に図示)と、を備えている。
この中間部53Cは、隣り合った2組のダブルピニオンギヤセット52とリングギヤ50との間に配置されるように各ギヤ50,52A,52Bの歯先軌跡に応じて切り欠かれており、各ギヤ50,52A,52Bが回転した状態にあっては、各ギヤ50,52A,52Bの歯先とほぼ密着するようになっている。
また、この中間部53Cのサンギヤ51側(軸心側)には、図2に示されるように、サンギヤ51、隣り合った2組のダブルピニオンギヤセット52、中間部53Cによって囲まれると共に、プラネタリキャリヤ左右部53A,53Bによって左右方向が閉ざされた第1の空間部S1が形成されている。
また、図1に示されるように、プラネタリキャリヤ左部53Aとデフケース21との間には、第2の空間部S2が形成されていると共に、この第2の空間部S2は、デフケース21に摺接するようにプラネタリキャリヤ左部53Aに突設された環状の突部53A1によって左の車軸24側が塞がれている。さらに、このプラネタリキャリヤ左部53Aとデフケース21との間には、環状のオイルシール54が配設されていると共に、プラネタリキャリヤ左部53Aとサンギヤ51との間にも、環状のオイルシール55が配設されている。
一方、プラネタリキャリヤ右部53B、デフケース21及びクラウンギヤ47の間には、ほぼ環状の第3の空間部S3が形成されている。さらに、この第3の空間部S3は、第4の空間部S4(図2に図示)によって第2の空間部S2と連通している。第4の空間部S4は、リングギヤ50、ダブルピニオンギヤセット52及び中間部53Cによって囲まれると共に、左右方向がプラネタリキャリヤ左右部53A,53Bによって閉じられている。さらにまた、プラネタリキャリヤ右部53Bとクラウンギヤ47との間には、環状のオイルシール56が配設されていると共に、プラネタリキャリヤ右部53Bとサンギヤ51との間にも、環状のオイルシール56が配設されている。
これにより、デフケース21と右の車軸25とによって内部封止されたケーシング26が形成されると共に、このケーシング26の内部における第1の空間部S1と第2〜第4の空間部S2〜S4とは、互いに噛み合った各ギヤ52A,52Bを境目として気密が保たれるようになっている。
さらに、プラネタリキャリヤ右部53Bを含んだ右の車軸25の内部には、油圧ポンプ23と第1の空間部S1とを連通する4つの第1の油路27Aと(但し、図1にあっては1つのみ図示)、油圧ポンプ23と第3の空間部S3とを連通する少なくとも1つの第2の油路27Bとが一体的に形成されており、これら第1の油路27Aと第2の油路27Bとにより給排油路27が構成されている。さらに、これら第1の油路27Aの管端部は、図2に示されるように、第1の空間部S1において隣り合った2組のダブルピニオンギヤセット52の間に設けられている。
これら第1及び第2の油路27A,27Bと油圧ポンプ23との間には、作動油の流れる方向を切り換え可能、且つ作動油の給排を停止させる電子制御式の切換弁(図示せず)が介設されている。この切換弁を適宜作動させて差動機構22に作動油が給排するのは、例えば、コーナリング時に車両がアンダーステア或いはオーバーステアになった場合である。これは、車載された各種のセンサ、例えばヨーレイトセンサ、操舵角センサの検出値に基づいて図示しない制御手段がアンダーステア或いはオーバーステアであると判断すると、切換弁を作動させて油圧ポンプ23からの作動油を差動機構22に給排するようになっている。
そして、コーナリング時に車両がアンダーステア或いはオーバーステアになると、第2の油路27Bを用いて油圧ポンプ23からケーシング26内に作動油を供給すると共に、第1の油路27Aを用いてケーシング26内の作動油を油圧ポンプ23へ向かって排出するように切換弁が動作される。
すると、第2の油路27Bからケーシング26内に供給された作動油によって、第2〜第4の空間部S2〜S4の内圧が高まる一方で、第1の空間部S1の作動油が第1の油路27Aから油圧ポンプ23によって排出されるため、第1の空間部S1の内圧が低下する。そして、図3に示されるように、第1のプラネタリギヤ52Aと第2のプラネタリギヤ52Bとの噛み合いに関与していない歯みぞ内では、第4の空間部S4における作動油の圧力(高圧側、P1)によって隣り合った2つの歯が互いに押し広げられるようとするだけで有効なトルクは発生しない。しかし、噛み合いに関与している歯みぞ内では、噛み合い部C(第1の空間部S1と第4の空間部S4との境目)を境にして歯みぞ両側の圧力分布が異なるので(P1>P2)、噛み合い部Cにおいて低圧側から高圧側に向かって第1及び第2のプラネタリギヤ52A,52Bを回そうとするトルクが第1及び第2のプラネタリギヤ52A,52Bに互い違いに発生する。
そして、図2に示されるように、第1及び第2のプラネタリギヤ52A,52B間に生じたトルクによって、第1のプラネタリギヤ52Aは図中反時計回り方向に回転し、第2のプラネタリギヤ52Bは図中時計回り方向に回転する。その一方で、前進走行時のためにリングギヤ50は図中反時計回り方向に回転する。これにより、プラネタリキャリヤ53は、図中反時計回り方向に回転すると共に、リングギヤ50も反時計回り方向に回転するので、左右の車軸24,25に相対的な回転力が付与される。これにより、外側車輪に内側車輪よりも大きな回転力を付与したり、或いは内側車輪に外側車輪よりも大きな回転力を付与することによって車両にヨーモーメントを発生させて、安定した走行姿勢への回復が図られるようになっている。
なお、第1の油路27Aを用いて油圧ポンプ23からケーシング26内に作動油を供給すると共に、第2の油路27Bを用いてケーシング26内の作動油を油圧ポンプ23へ向かって排出するように切換弁が動作されると、第1のプラネタリギヤ52Aは図中時計回り方向に回転し、第2のプラネタリギヤ52Bは図中反時計回り方向に回転する。
これらの結果、本左右駆動力配分装置100によれば、油圧ポンプ23からの作動油を差動機構22のダブルピニオンギヤセット52の噛み合い部Cを挟んで対峙する第1の空間部S1と第2〜第4の空間部S2〜S4とに給排すると、4組のダブルプラネタリギヤセット52が外接型歯車モータとして機能することによって、差動機構22が油圧モータの機能を兼ね備えるようになる。そのため、従来ではハウジング28内において差動機構22とは別体として組み付けられていた油圧モータを削減することが可能となり、重量及びコストの大幅な削減を図ることができるようになる。
なお、第4の空間部S4において第1及び第2のプラネタリギヤ52A,52Bの歯みぞ内に流入した作動油は、第1及び第2のプラネタリギヤ52A,52Bの回転によって第1の空間部S1に移送されたのち、第1の油路27Aを介して油圧ポンプ23によって排出される。そして、再び油圧ポンプ23から吐出されたのち、第2の油路27Bから第2〜第4の空間部S2〜S4に供給される。なお、ケーシング26内の差動機構22は、ケーシング26内に給排される作動油によって潤滑される。
また、車両直進時の場合、左右駆動力配分装置100は、デフケース21の回転駆動力を4組のダブルピニオンギヤセット52を介してサンギヤ51に同方向の回転として伝達する。また、プラネタリキャリヤ53にはダブルピニオンギヤセット52の公転が伝達されるため、プラネタリキャリヤ53もデフケース21と同一方向に回転する。このため、ドライブピニオンギヤ46及びクラウンギヤ47によりデフケース21に伝達される回転駆動力をダブルピニオンギヤセット52を介してサンギヤ51とプラネタリキャリヤ53とに均等に分配して、左右の車軸24,25をほぼ同一の回転数で回転させる。
一方、車両旋回時にあっては、左右駆動力配分装置100は、左右の駆動輪が路面から受ける反力等により、ダブルピニオンギヤセット52を介してデフケース21に伝達される駆動力をサンギヤ51とプラネタリキャリヤ53とに不均等に分配して、旋回内側よりも外側の車輪をより多く回転させる。さらには、ダブルピニオンギヤセット52の自転により左右の車軸24,25の回転数差を吸収するようになっている。
以上説明したように、本発明の車両の左右駆動力配分装置100によれば、遊星歯車式の差動機構22を収容したデフケース21と右の車軸25とによって内部封止されたケーシング26を形成すると共に、油圧ポンプ23からの作動油をケーシング26内に給排可能とする給排油路27を右の車軸25に形成する。さらに、この差動機構22のダブルピニオンギヤセット52の噛み合い部Cを挟んで対峙する第1の空間部S1と第2〜第4の空間部S2〜S4との気密をプラネタリキャリヤ53によって保持させる。そして、油圧ポンプ23からの作動油を第2の油路27Bを介して第2〜第4の空間部S2〜S4に供給し、第1の油路27Aを介して第1の空間部S1から排出すると、噛み合い部Cを境にして歯みぞ両側の圧力分布が異なるので、ダブルピニオンギヤセット52を回そうとする回転トルクが発生する。このため、差動機構22のダブルプラネタリギヤセット52が左右の車軸24,25間に相対的な回転力を付与する外接型歯車モータとして機能するので、差動機構22とは別体の油圧モータを削減することが可能となり、重量及びコストの大幅な削減を図ることが可能となる。
なお、上述した実施形態にあっては、油圧ポンプ23の駆動源にドライブシャフト20の回転駆動力を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、デフケース21を油圧ポンプ23の駆動源として用いてもよい。
また、左右駆動力配分装置100は、左の車軸24とサンギヤ51、右の車軸25とプラネタリキャリヤ53とを連ねた構成に限られたものではなく、左の車軸24とプラネタリキャリヤ53、右の車軸25とサンギヤ51とを連ねるように構成してもよい。
また、本発明は、左右駆動力配分装置にのみに適用されるものではなく、前後駆動力配分装置に適用することも可能である。
本発明が適用された車両の左右駆動力配分装置の断面図である。 同例におけるケーシング内部の側面図である。 同例における歯車モータとして機能するダブルピニオンギヤセットの模式図である。 従来の車両の左右駆動力配分装置の断面図である。 ドライブシャフトと油圧ポンプのポンプ軸とを並列配置した従来の車両の左右駆動力配分装置の断面図である。
符号の説明
20 ドライブシャフト(駆動力伝達軸)
21 デフケース
22 差動機構
23 油圧ポンプ
24 左の車軸
25 右の車軸
26 ケーシング
27 給排油路
27A 第1の油路
27B 第2の油路
50 リングギヤ
51 サンギヤ
52 ダブルピニオンギヤセット
52A 第1のプラネタリギヤ
52B 第2のプラネタリギヤ
53 プラネタリキャリヤ(遊星歯車組支持部材)
53A プラネタリキャリヤ左部
53B プラネタリキャリヤ右部
53C 中間部
100 左右駆動力配分装置
C 噛み合い部
S1 第1の空間部
S2 第2の空間部
S3 第3の空間部
S4 第4の空間部

Claims (3)

  1. 駆動力伝達軸を介してエンジン駆動力が伝達される回転可能なデフケースと、前記デフケースに入力された駆動力を左右の車軸に分配するように前記デフケース内に収納された遊星歯車式の差動機構と、前記駆動力伝達軸或いは前記デフケースのうち何れか1つを駆動源とする油圧ポンプと、を備えた車両の左右駆動力配分装置において、
    前記デフケースと前記左右の車軸のうち何れか一方の車軸とによって内部封止されたケーシングを形成すると共に、前記油圧ポンプからの作動油を前記ケーシング内に給排可能とする給排油路を前記一方の車軸に形成し、前記油圧ポンプから前記ケーシング内に給排した作動油によって前記差動機構に回転トルクを発生させて、前記左右の車軸間に相対的な回転力を付与することを特徴とする車両の左右駆動力配分装置。
  2. 前記差動機構の遊星歯車組の噛み合い部に対峙する空間部に対して前記作動油を給排し、前記遊星歯車組を前記回転トルクを発生させる歯車モータとして機能させることを特徴とする請求項1に記載の車両の左右駆動力配分装置。
  3. 前記差動機構は、前記遊星歯車組を複数有すると共に、隣り合った前記遊星歯車組間の気密を保持する遊星歯車組支持部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の左右駆動力配分装置。
JP2007012443A 2007-01-23 2007-01-23 車両の左右駆動力配分装置 Expired - Fee Related JP4839235B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007012443A JP4839235B2 (ja) 2007-01-23 2007-01-23 車両の左右駆動力配分装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007012443A JP4839235B2 (ja) 2007-01-23 2007-01-23 車両の左右駆動力配分装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008180241A JP2008180241A (ja) 2008-08-07
JP4839235B2 true JP4839235B2 (ja) 2011-12-21

Family

ID=39724300

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007012443A Expired - Fee Related JP4839235B2 (ja) 2007-01-23 2007-01-23 車両の左右駆動力配分装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4839235B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10526697B2 (en) 2015-03-06 2020-01-07 Entegris, Inc. High-purity tungsten hexacarbonyl for solid source delivery

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03121719A (ja) * 1989-10-05 1991-05-23 Sumitomo Heavy Ind Ltd 遊星歯車減速機における内歯歯車の円孤歯形を構成するピン保持用ピン穴の加工方法
JPH03282035A (ja) * 1990-03-29 1991-12-12 Tochigi Fuji Ind Co Ltd デファレンシャル装置
JPH1172157A (ja) * 1997-08-29 1999-03-16 Daikin Ind Ltd 無段変速機
JP4624705B2 (ja) * 2004-03-26 2011-02-02 富士重工業株式会社 左右駆動力配分装置
JP4699752B2 (ja) * 2004-12-28 2011-06-15 富士重工業株式会社 車両の左右駆動力配分装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10526697B2 (en) 2015-03-06 2020-01-07 Entegris, Inc. High-purity tungsten hexacarbonyl for solid source delivery

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008180241A (ja) 2008-08-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4700424B2 (ja) 車両用駆動力配分装置
JP4275638B2 (ja) 車両の駆動装置
JP4225342B2 (ja) インホイールモータ構造
CA2953484C (en) Power transmission device
EP2594825A1 (en) Power transmission device
JP2008184111A (ja) 車輪駆動装置
JP5986844B2 (ja) 動力伝達装置
JP2007237957A (ja) フォークリフト用動力伝達装置
JP4839235B2 (ja) 車両の左右駆動力配分装置
JP4058213B2 (ja) 車両の左右駆動力配分装置
JP4878448B2 (ja) トルク伝達装置
JPH11270587A (ja) 動力配分装置のクラッチ機構
JP5047528B2 (ja) 車両の左右駆動力配分装置
JP2005282687A (ja) 左右駆動力配分装置
JP2006056512A (ja) 車両の左右駆動力配分装置
JP2012002266A (ja) ポンプモータ及び車両用駆動力配分装置
JP2003130175A (ja) 車両の左右駆動力配分装置
JP4699752B2 (ja) 車両の左右駆動力配分装置
WO2020178908A1 (ja) 動力伝達機構および車両の走行駆動装置
JP2001199254A (ja) 車両の左右駆動力配分装置
JP2005220975A (ja) 動力伝達装置
JP2001074125A (ja) デファレンシャル装置
JP3607814B2 (ja) 流体圧モータの起動時トルク増大装置
JP4624705B2 (ja) 左右駆動力配分装置
JP2005054944A (ja) 車両の駆動力配分装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20091221

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110912

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110920

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111003

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141007

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees