JP4624705B2 - 左右駆動力配分装置 - Google Patents

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本発明は、左右の車輪に伝達される駆動力を配分する左右駆動力配分装置に関する。
このような左右駆動力配分装置には、回転動自在に支持されてエンジン側に連結されたプロペラシャフトの回転駆動力が歯車を介して伝達されるデフケースと、該デフケースに入力された駆動力を遊星歯車機構によって左右の車軸に分配伝達する差動装置と、左右の車軸に相対的な回転力を付与する油圧モータと、油圧モータを回転駆動させる油圧ポンプとを有して構成されているものがある(特許文献1参照)。
この左右駆動力配分装置に備えられた油圧モータは、ラジアルプランジャ式のものであり、複数のプランジャを放射状に進退動自在に保持したシリンダブロックと、シリンダブロックの外周外側に配置されてプランジャの先端と係合して、差動装置の遊星歯車機構を介して連結されたカムリングとを有してなる。この油圧モータは、油圧ポンプから吐出して方向切換弁により給排制御された作動油によって進退動するプランジャがカムリングを付勢して車軸に回転力を付与するように構成されている。
油圧ポンプは、油圧モータと同様にラジアルプランジャ式であり、複数のプランジャを進退動自在に保持したシリンダブロックと、この外周外側に配置されたカムリングとを有してなる。カムリングは、デフケースの外周に形成された歯車がアイドルギヤを介して油圧ポンプのポンプ軸に設けられた駆動ギヤに駆動力を伝達して回転する。ポンプ軸はシリンダブロックに一体的に取り付けられている。このため、ポンプ軸が回転動すると、シリンダブロックが回転してプランジャが進退動して、油圧ポンプはポンプ作動するようになっている。
このように、油圧ポンプのシリンダブロックはアイドルギヤ及びデフケースを介してプロペラシャフトに連結されているので、車両が低速走行すると、プロペラシャフトの回転数の低下によりシリンダブロックも低回転数で回転することになる。このため、油圧ポンプの吐出量が減少して、油圧ポンプは油圧モータを作動させるに必要な最低流量を油圧モータに供給できない虞が生じる。そこで、車両が低速走行したときに、油圧ポンプの回転数が最低流量を吐出可能な回転数になるように、アイドルギヤを所定のギヤ比にしたものが用いられている。
特開2001−199254号公報
このように回転する油圧ポンプは、車両が高速走行すると、シリンダブロックがアイドルギヤによってさらに高速回転して、タンクから作動油を吸入可能な限界回転数を超える場合が生じる。その結果、油圧ポンプの吸入側の油路であるポンプ油路内が低圧化して油中に溶解しているガスが蒸発し、ポンプ油路内に空所が形成されるいわゆるキャビテーションが発生する。キャビテーションが発生すると、油圧ポンプの吐出側の油圧モータと繋がる油路において空所が高圧でつぶされてこの油路内を流れる作動油の油量が減少したり、空所の消滅時に異常音が発生したり、さらに異常音が長時間続くと油圧機構等が損傷したりするという問題が発生する。
そこで、車両が低速走行しているときに、油圧モータから最低流量の作動油を吐出可能な容量の大きな油圧ポンプを用いてもよいが、容量が増大すると油圧ポンプは大型化するとともに、油圧モータに作動油を給排する油路も大きくなって左右駆動力配分装置全体が大型化するという問題が生じる。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、装置全体を大型化することなく、車両が高速走行したときに油圧ポンプに繋がる油路内においてキャビテーションが発生することのない左右駆動力配分装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は、回転動自在に支持されてエンジンの駆動力を受けて回転動するデフケースと、該デフケースに入力された駆動力を左右の車軸に分配伝達する差動装置と、前記左右の車軸に相対的な回転力を付与する油圧モータと、前記デフケースの回転にともなって回転動する歯車を介して回転動して前記油圧モータを回転駆動させる油圧ポンプとを有してなる左右駆動力配分装置において、前記油圧モータは、少なくとも前記油圧モータが収容されるハウジング内に隙間を有して回転自在に支持された外輪と該外輪の内側に支持されて前記油圧ポンプから吐出した作動油の給排制御によって前記外輪を回転動させる内輪とを有し、前記隙間内に少なくとも前記油圧モータから漏れ出した作動油が貯留する左右駆動力配分装置であって、前記油圧ポンプの上流側に繋がるポンプ油路と前記隙間との間を繋ぐ連通油路を設け、前記隙間内に、回転動する前記外輪によって前記隙間内に貯留する作動油を前記連通油路及び前記ポンプ油路に流して前記油圧ポンプに供給する作動油供給装置を設けたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の左右駆動力配分装置の発明において、作動油供給装置は、外輪の外側面に設けられて隙間内に突出する凸部(例えば、実施形態における羽根部材91)を複数有してなることを特徴とする。
請求項1記載の左右駆動力配分装置によれば、油圧モータの外輪をハウジングとの間に隙間を形成して配置し、隙間内に作動油を貯留し、油圧ポンプの上流側に繋がるポンプ油路と隙間とを連通油路で繋ぎ、隙間内に、回転動する外輪によって隙間内の作動油を連通油路及びポンプ油路に流して油圧ポンプに供給する作動油供給装置を設けることにより、車両が走行すると、デフケース及び歯車を介して油圧ポンプがポンプ作動して、ポンプ油路を介して作動油が油圧モータに供給されて、油圧モータは左右の車軸に相対的な回転力を付与する。また油圧モータが回転動すると、作動油供給装置によって隙間内に貯留する作動油が連通油路及びポンプ油路に流されて油圧ポンプに供給される。このため、車両が高速走行した場合、油圧ポンプが高速回転してポンプ油路内の油圧が低圧化しても、回転動している油圧モータに連動して作動する作動油供給装置によってポンプ油路に強制的に隙間内の作動油が供給される。このため、ポンプ油路の低圧化を防止することができ、キャビテーションの発生を未然に防止することができる。このため、油圧システムの作動が安定化して、油圧機構等の損傷を未然に防止することができる。
請求項2記載の左右駆動力配分装置によれば、作動油供給装置は、外輪の外側面に設けられて隙間内に突出する凸部を複数有してなることにより、外輪が回転動すると、凸部が隙間内を回転動して隙間内に貯留する作動油を強制的に連通油路内に流入させる。このため、簡易な構成でキャビテーションの発生を未然に防止可能な左右駆動力配分装置を提供することができる。
本発明に係わる左右駆動力配分装置によれば、油圧モータの外輪をハウジングとの間に隙間を形成して配置し、隙間内に作動油を貯留し、ポンプ油路と隙間とを連通油路で繋ぎ、隙間内の作動油を連通油路及びポンプ油路に流して油圧ポンプに供給する作動油供給装置を設けることにより、車両が高速走行して油圧ポンプが高速回転してポンプ油路内の油圧が低圧化しても、作動油供給装置によってポンプ油路に強制的に隙間内の作動油が供給されるので、ポンプ油路の低圧化が防止されて、キャビテーションの発生を未然に防止することができる。その結果、油圧システムの作動を安定化し、油圧機構等の損傷を未然に防止することができる。
また、作動油供給装置は、外輪の外側面に設けられて隙間内に突出する凸部を複数有してなることにより、簡易な構成で隙間内に貯留する作動油を強制的に連通油路に流入させることが可能な作動油供給装置を提供することができる。
以下、本発明に係わる左右駆動力配分装置の好ましい実施の形態を図1から図3に基づいて説明する。本実施の形態は、自動車等の車両の左右両側に配設された一対の後輪の車軸に連結された左右駆動力配分装置を例にして説明する。なお、説明の都合上、図1(断面図)に示す矢印の方向を前後方向及び左右方向として以下説明する。
左右駆動力配分装置1は、図1及び図2(模式図)に示すように、回転動自在に支持されてエンジンの駆動力を受けて回転動するデフケース10と、デフケース10に入力された駆動力を左右の車軸3、4に分配伝達する差動装置20と、左右の車軸3、4に相対的な回転力を付与する油圧モータ50と、デフケース10の回転にともなって回転動するアイドルギヤ11を介して回転動して油圧モータ50を回転駆動させる油圧ポンプ70とを有してなる。
デフケース10は、車体に固定されたデフェレンシャルキャリア12に結合したハウジング17に軸受13、14を介して回転動自在に支持されている。デフケース10は、エンジンに連結されたドライブシャフト5からドライブピニオン6、歯車21を介して動力が伝達されて回転動する。
差動装置20は、いわゆる遊星歯車式であり、デフケース10に伝達された回転力をデフケース内側に回転動自在に支持されたリングギヤ22を介して複数のプレネタリギヤ23とサンギヤ24によって左右の車軸3、4に等しく配分するとともに、プレネタリギヤ23の自転によって左右の車軸3、4の回転差を吸収するようになっている。プレネタリギヤ23は支軸23aを介して両側部に配設されたプレネタリキャリア25に公転自在に支持されている。プレネタリアギヤ23が歯合したサンギヤ24は左側の車軸3に連結されている。プレネタリキャリア25は後述する油圧モータ50のサイドカバー51、52を介して右側の車軸4に連結されている。
ハウジング17内の差動装置20の軸方向右側には油圧モータ50が配設されるとともに、この油圧モータ50に作動油を給排するための第1給排油路15及び第2給排油路16(以下、これらを併せて「給排油路15、16」と記す。)が形成されている。また、ハウジング17の左後方側には油圧モータ50に給排油路15、16を介して作動油を給排する油圧ポンプ70が配設されるとともに、油圧ポンプ70から吐出した作動油を給排制御して油圧モータ50の作動を制御する作動制御弁80が設けられている。
油圧モータ50は、ラジアルプランジャ式のものであり、給排油路15、16を介して油圧ポンプ70と連通するとともに、タンクTと油圧ポンプ70とを繋ぐポンプ油路55に連通する連通油路54を介して油圧ポンプ70と繋がっている。なお、連通油路54の作動の詳細は後述する。油圧モータ50は、放射状に延びる複数のシリンダ穴58のそれぞれにプランジャ59を進退動自在に挿着してなるシリンダブロック57と、シリンダブロック57の外側にこれを囲むように配置されてプランジャ59の先端と当接接触するカムリング61とを有してなる。シリンダブロック57は左右方向に延びる車軸3の右側端部に摺動自在に嵌合している。カムリング61の左右両側には車軸方向に延びるボス部51aを有してなる前述したサイドカバー51、52が結合されている。シリンダブロック57とサイドカバー51、52はベアリング62、63を介して相対回転可能に支持されている。
左側に配設されたサイドカバー51のボス部51aは、プレネタリキャリア25にスプライン結合されている。このため、カムリング61とサイドカバー51、52で構成される油圧モータ50の外輪64はデフケース10と一体的に回転する。
シリンダ穴58に挿着されたプランジャ59はスプリングによってカムリング側に常に付勢されている。複数のシリンダ穴58の各底部には一端がシリンダ穴底部に開口して他端側が差動機構側に延びて他端が外周に開口する内部油路57aが形成され、内部油路57aは給排油路15、16に連通している。内部油路57aは周方向に1つおきに配設される同士が組にされ、一方の組に作動油の供給が行なわれると、他方の組から作動油の排出が行なわれるようになっている。カムリング61の内周面は、内部油路57aの一方の組と他方の組に作動油の給排が交互に行なわれたときに、プランジャ59からカムリング61に連続した回転運動を付与するような形状に形成されている。
油圧モータ50の外輪64とハウジング17との間には外輪64が回転動可能な隙間28が形成されている。隙間28は外輪64の径方向端部の外側に形成され、隙間28内には油圧モータ50等から漏れ出した作動油が貯留している。なお、この貯留している作動油は、ハウジング17から外部に漏れ出さないように密閉されている。油圧モータ50を収容したハウジング17の下部には連通孔30が開口し、この連通孔30に前述した連通油路54が繋がっている。従って、隙間28は連通孔30を介して連通油路54に連通している。
外輪64を形成する一対のサイドカバー51、52の両側面には、図3(a)に示すように、隙間28内に貯留する作動油を連通油路54側に流す作動油供給装置90が設けられている。作動油供給装置90は、一対のサイドカバー51、52のそれぞれの側面に取り付けられて隙間28内に突出する凸状の羽根部材91を複数有して構成される。羽根部材91は、隣接する他の羽根部材91との間で所定間隔を有して配設され、回転方向前側が凹状に湾曲している。このため、外輪64が矢印A方向に回転動すると、隙間28内に貯留している作動油は複数の羽根部材91によって付勢されて流動して連通孔30を通って連通油路54に流入する。なお、羽根部材91は、図3(b)に示すように、外輪64の外周面に隙間28内に突出するように追加して設けたり、外輪64の外周面のみに設けたりしてもよい。
油圧ポンプ70は、再び図1及び図2に示すように、ラジアルプランジャ式のものであり、ハウジング17の後側に車軸3、4と略平行に配置されて、デフケース10の回転動にともなって回転駆動してポンプ作動するように構成されている。即ち、デフケース10の外周には平歯車71が一体的に形成され、この平歯車71は、ハウジング17と油圧ポンプ70との間に配設されたアイドルギヤ11を介して油圧ポンプ70のポンプ軸72に設けられた駆動ギヤ72aに回転力を伝達するようになっている。なお、平歯車71及びアイドルギヤ11は、デフケース10の回転数に対して油圧ポンプ70の回転数を増加させるために、所定のギヤ比を有するように構成されている。
油圧ポンプ70は、ハウジング17と略平行に延びたポンプケーシング73内に回転動自在に支持されて複数のプランジャ75をシリンダ穴76内に進退動自在に挿着したシリンダブロック74と、このシリンダブロック74の外側に配設されたカムリング77とを備える。シリンダブロック74には各シリンダ穴76の底部に開口する第1連通油路78と、各シリンダ穴76の先端開口部に連通する第2連通油路79が形成されている。これら第1連通油路78及び第2連通油路79は、給排油路15、16を介して油圧モータ50に作動油を給排するようになっている。また各シリンダ穴76は、第1連通油路78、第2連通油路79及び吸気管69を介してタンクTに連通している。
ポンプケーシング73内のポンプ軸72の左側と駆動ギヤ72aとの間には、車両前進走行時に油圧ポンプ70の作動を許容し、後進走行時に油圧ポンプ70の作動を規制するワンウェイクラッチが設けられている。従って、車両が前進走行すると、ポンプ軸72が回転動してシリンダブロック74が回転して、各プランジャ75が進退動することによって油圧ポンプ70がポンプ作動する。
油圧ポンプ70の後側に配設された作動制御弁80は、2位置4ポートの電磁式方向切換弁であり、中立状態では第1給排油路15及び第2給排油路16はタンクTに繋がるタンク油路83に連通し、一方側に切り替わると、第1給排油路15とポンプ油路55とを連通するとともに、第2給排油路16とタンク油路83とを連通し、他方側に切り替わると、第2給排油路16とポンプ油路55とを連通するとともに、第1給排油路15とタンク油路83とを連通する。なお、作動制御弁80は図示しないコントローラによってその作動が制御されるようになっている。
次に、本発明に係わる左右駆動力配分装置1の作動について、車両が低速走行する場合と高速走行する場合について説明する。先ず、車両が低速走行する場合について説明する。作動制御弁80が中立状態にあるときは、一対の給排油路15、16はタンクTに連通しているので、油圧モータ50のシリンダブロック57はフリーな状態にある。このため、左右の車軸3、4には差動装置20を介してプロペラシャフト5から等しい駆動力が伝達される。
この状態から、コントローラによって作動制御弁80が、例えば一方側に切り換えられると、第1給排油路15とポンプ油路55とが連通し、且つ第2給排油路16とタンク油路83とが連通して、高圧の作動油が第1給排油路15を通ってシリンダブロック57の半数の内部油路57aに供給されるとともに、残り半数の内部油路57aから作動油が第2給排油路16を通ってタンクTに戻される。ここで、車両が低速走行している状態では、プロペラシャフト5の回転数は小さく、プロペラシャフト5に繋がるデフケース10の回転数も小さくなる。しかしながら、前述したようにデフケース10に形成された平歯車71とアイドルギヤ11を介して油圧ポンプ70は高回転化されて回転するので、車両が低速走行時において、油圧ポンプ70は、左右の車軸3、4間に回転差を生じさせるに必要な作動油の吐出流量を確保することができる。このため、油圧モータ50のシリンダブロック57内のプランジャ59によりカムリング61を一方側に相対回転させることができる。なお、カムリング61が回転動すると、図3(a)に示す羽根部材91もカムリング61の回転方向と同一方向に回転して、隙間28内の作動油は連通油路54に流れ込む。しかしながら、油圧ポンプ70は高回転化されていてもポンプ油路55を大きな負圧にする程の回転数で回転していないので、連通油路54に流れ込む作動油の流量は少ない。つまり、車両が低速走行しているときは、連通油路54から油圧ポンプ70に供給される作動油の量は少ない。
このため、サイドカバー51のボス部51aにスプライン結合されたプレネタリキャリア25を介してデフカバー10とサンギヤ24とが同方向に回転し、左側の車軸3に回転力が付与される。その結果、油圧モータ50の回転力が左右の車軸3、4間に直接作用して回転差を生じさせる。一方、作動制御弁80が他方側に切り換えられた場合の作動は、一方側の場合に準じるのでその説明は省略する。なお、作動制御弁80が他方側に切り換えられると、右側の車軸4に回転力が付与される。
さて、車両が高速走行している状態では、デフカバー10の回転数は高回転数になり、油圧ポンプ70も高速で回転する。ここで、油圧ポンプ70の回転数がタンクTから作動油を吸入可能な吸入限界回転数を超えると、ポンプ油路55は負圧の程度が大きくなりキャビテーションが発生する虞が生じる。しかしながら、本発明に係わる左右駆動力配分装置1は、ポンプ油路55の負圧の程度が大きくなると、図3(a)に示す油圧モータ50の外輪64に設けられた羽根部材91によって連通油路54内に流された作動油が連通油路54を通ってポンプ油路55に流入して油圧ポンプ70に供給される。このため、ポンプ油路55の低圧化が抑制され、キャビテーションの発生を未然に防止することができる。また、油圧ポンプ70はその吸入限界回転数を超えても連通油路54から強制的に作動油がポンプ油路55に供給されるので、作動油の吐出量の低下を抑制することができ、高速時における左右の車軸3、4間の回転差を確実に所望の回転差にすることができる。
このように、本発明に係わる左右駆動力配分装置1は、油圧ポンプ70を高速回転させてもポンプ油路55の低圧化が防止できるので、車速が低速域から高速域の全領域においてキャビテーションの発生を防止することができる。また、小さな容量の油圧ポンプ70でも高速時において作動油の吐出量の低下の抑制が可能であるので、小さな容量の油圧ポンプ70の使用が可能であり、左右駆動力配分装置1の小型化が可能である。
なお、前述した実施の形態では、作動油供給装置90を油圧モータ50の外輪64に設けた複数の羽根部材91からなる構成としたが、外輪64の外側面に凹凸を形成して羽根部材91の代わりにしてもよい。
本発明の一実施の形態に係わる左右駆動力配分装置の断面図を示す。 この左右駆動力配分装置の模式図を示す。 この左右駆動力配分装置に備えられた作動油供給装置の側面図を示す。
符号の説明
1 左右駆動力配分装置
3、4 車軸
10 デフケース
11 アイドルギヤ(歯車)
17 ハウジング
20 差動装置
28 隙間
50 油圧モータ
54 連通油路
55 ポンプ油路
57 シリンダブロック(内輪)
64 外輪
70 油圧ポンプ
71 平歯車(歯車)
90 作動油供給装置
91 羽根部材(凸部)

Claims (2)

  1. 回転動自在に支持されてエンジンの駆動力を受けて回転動するデフケースと、該デフケースに入力された駆動力を左右の車軸に分配伝達する差動装置と、前記左右の車軸に相対的な回転力を付与する油圧モータと、前記デフケースの回転にともなって回転動する歯車を介して回転動して前記油圧モータを回転駆動させる油圧ポンプとを有してなる左右駆動力配分装置において、前記油圧モータは、少なくとも前記油圧モータが収容されるハウジング内に隙間を有して回転自在に支持された外輪と該外輪の内側に支持されて前記油圧ポンプから吐出した作動油の給排制御によって前記外輪を回転動させる内輪とを有し、前記隙間内に少なくとも前記油圧モータから漏れ出した作動油が貯留する左右駆動力配分装置であって、
    前記油圧ポンプの上流側に繋がるポンプ油路と前記隙間との間を繋ぐ連通油路を設け、
    前記隙間内に、回転動する前記外輪によって前記隙間内に貯留する作動油を前記連通油路及び前記ポンプ油路に流して前記油圧ポンプに供給する作動油供給装置を設けたことを特徴とする左右駆動配分装置。
  2. 前記作動油供給装置は、前記外輪の外側面に設けられて前記隙間内に突出する凸部を複数有してなることを特徴とする請求項1に記載の左右駆動力配分装置。
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