JP2005220975A - 動力伝達装置 - Google Patents

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正夫 寺岡
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GKN Driveline Torque Technology KK
Tochigi Fuji Sangyo KK
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Abstract

【課題】 組み付け作業のより効率化を図ることを可能とする。
【解決手段】 クラッチ部21は、半径方向内外に配置されたクラッチハブ79及びクラッチ外筒77と該クラッチハブ79及びクラッチ外筒77間に介設され前記締結力を受けてクラッチハブ79及びクラッチ外筒77間のトルク伝達を行う摩擦多板クラッチ87とからなり、キャリアカバー7のフランジ部16側端部に、トルク伝達カップリング4Dを組み込み可能とする開口18を形成し、クラッチハブ79を、回転軸11に一体的に回転するように設け、クラッチ外筒77を、ドライブピニオンシャフト17にスプライン係合による軸方向からの嵌合により回転係合させ、締結手段24を、開口18に対しクラッチ部21の奥側でクラッチ部21とキャリアカバー7との間に介設したことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、自動車のリヤデンファレンシャル装置側等に供される動力伝達装置に関する。
従来の動力伝達装置として、例えば図10に示すようなものがある。図10は、リヤデファレンシャル装置及びドライブピニオンシャフト周辺の横断面図である。
図10のように、動力伝達装置300は、そのデフキャリア301内にリヤデファレンシャル装置303及び該リヤデファレンシャル装置303に連動回転するドライブピニオンシャフト305が回転支持されている。
前記デフキャリア301には、シリンダ部307が一体に設けられ、内部にトルク伝達カップリング308としてクラッチ部309及びピストン311等を備えている。ピストン311によるクラッチ部309の締結によって、入力軸313からドライブピニオンシャフト305へトルク伝達を行う。入力軸313は、エクステンションケース315に回転支持されている。エクステンションケース315は、前記デフキャアリア301に取り付けられている。
前記クラッチ部309は、内外のクラッチハブ317及びクラッチ外筒319と該クラッチハブ317及びクラッチ外筒319間の摩擦多板クラッチ321とからなっている。クラッチハブ317は、前記ドライブピニオンシャフト305の端部に嵌合し回転係合している。
前記エクステンションケース315には、前記トルク伝達カップリング308のオイルポンプ323が設けられている。オイルポンプ323は、電動モータ325で駆動される。電動モータ325は、デフキャリア301の外面に取り付けられている。
前記電動モータ325の駆動でオイルポンプ323が働き、前記ピストン311とシリンダ部307との間にオイルが圧送される。このオイルの圧送でピストン311が移動し、前記摩擦多板クラッチ321が締結される。前記摩擦多板クラッチ321の締結によって、入力軸313からドライブピニオンシャフト305へのトルク伝達を行うことができる。
しかしながら、上記の構造では、組み込み時に、エクステンションケース315側に入力軸313やクラッチ部309をサブアッセンブリし、このエクステンションケース315側をデフケース301側に組み付けることはできるが、クラッチハブ317をドライブピニオンシャフト305へ嵌合させるため、クラッチ部309と共にトルク伝達カップリング308を構成するピストン311やオイルポンプ323等はデフキャリア301側に予め組み付けなければならず、組付けが煩雑になる恐れがある。
特開平2−37035号公報
解決しようとする問題点は、組み付けが煩雑になる点である。
本発明は、組み付けを容易にするために、ケースカバーのケース本体側端部に、前記第2のトルク伝達機構を組み込み可能とする開口を形成し、クラッチハブを、第2の回転部材に一体的に回転するように設け、クラッチ外筒を、第1の回転部材の端部に軸方向からの嵌合により回転係合させ、締結手段を、前記開口に対しクラッチ部よりも奥側で該クラッチ部と前記ケースカバーとの間に介設したことを最も主要な特徴とする。
本発明の動力伝達装置では、ケースカバーのケース本体側端部に、前記第2のトルク伝達機構を組み込み可能とする開口を形成し、クラッチハブを、第2の回転部材に一体的に回転するように設け、クラッチ外筒を、第1の回転部材の端部に軸方向からの嵌合により回転係合させ、締結手段を、前記開口に対しクラッチ部よりも奥側で該クラッチ部を前記ケースカバーとの間に介設したため、ケースカバーに、第2のトルク伝達機構をサブアッセンブリしてから該ケースカバーをケース本体に組み付けることができ、組み付け作業の効率化を図ることができる。
前記ケースカバーに、前記第2の回転部材への入力回転に応じて前記作動流体を供給するポンプ部を設けた場合は、ポンプ駆動のための特別な動力源を必要とせず、小型で安価に製造することができながら、ポンプ部をケースカバーの組み付けと共に行うことができ、組み付け作業のより効率化を図ることができる。
前記ケースカバーに、前記ポンプ部が供給する作動流体の蓄圧を行いながら前記圧力室側へ作動流体を送る蓄圧部を設けた場合は、ケースカバー内スペースを有効利用して全体的に小型化を図りながら、蓄圧部をケースカバーの組み付けと共に行うことができ、組み付け作業のより効率化を図ることができる。
前記ポンプ部が、前記ケースカバーと前記第2の回転部材との一方に形成された周回状の凹凸部及び同他方に支持され前記凹凸部に接して凹凸部との相対回転により往復動作して前記作動流体の供給を行う往復体とを備え、前記凹凸部は、回転軸芯に沿った方向に凹凸の程度が漸次変化するように形成され、前記凹凸部及び往復体は、前記回転軸芯に沿った方向に相対移動可能に支持され、前記凹凸部及び往復体の相対移動を行わせる制御手段を設けた場合は、制御手段によって凹凸部及び往復体の相対移動を行わせることによって、往復体が弾接する凹凸部の凹凸の程度を変えることができる。
従って、動力伝達装置の制御特性が固定されることはなく、その設定の仕方によってトルク伝達特性を種々選択することができる。例えば、往復体に対する凹凸部の凹凸の程度を高速回転時には低くするか無くし、低速回転時には高くするように制御することで高速回転時にはトルク伝達制御のための作動流体の圧力特性を弱くし、低速回転時に十分な圧力特性を得ることができる。
このため、入力回転が低速の時にクラッチ部を確実に働かせ、高速の時に動作部の働きを低くするか停止させること等ができる。
前記制御手段が、前記凹凸部及び往復体の相対位置を第2の回転部材への入力回転の速度に応じて変化させる場合は、入力回転の速度に応じて凹凸部及び往復体の相対位置を変化させ、動作部の働きを入力回転の速度に応じて確実に変化させることができる。
前記制御手段が、前記第2の回転部材に設けられて該回転部材の回転による遠心力により移動するボール及び該ボールの移動により回転軸心に沿った方向に移動力を受け前記相対移動を行わせるカム部である場合は、入力回転の速度が速くなるとそれだけボールの遠心力が大きくなり、付勢手段の付勢力に抗してカム部を介し凹凸部及び往復体の相対位置を確実に変化させることができる。しかも、特別なアクチュエータを不要とし、構造を簡単にすることができる。
前記制御手段が、前記作動流体の圧力を受けることにより伸張することで前記相対移動を行わせるピストンシリンダ装置である場合は、第2の回転部材の入力回転に応じて供給された作動流体によって凹凸部及び往復体の相対位置を変化させることができる。従って、入力回転に応じた動作部の制御を確実に行わせることができると共に、作動流体を用いながら特別な駆動源を必要とせず、構造を簡単にすることができる。
前記制御手段が、コントローラにより電気的に制御されることによって前記相対移動を行わせるアクチュエータである場合は、アクチュエータによって凹凸部及び往復体の相対位置を任意に且つ確実に変化させることができる。
前記ケース本体に、前記第1の回転部材を軸支持部に回転支持可能な区画壁を設け、前記軸支持部と前記第1の回転部材との間に、オイルシールを設けた場合は、ケース本体側とケースカバー側とでそれぞれ適切な潤滑オイルを封入することができる。
前記クラッチ部が、四輪駆動車の二輪駆動状態と四輪駆動状態とのトルク伝達状態を制御する場合は、入力回転に応じて二輪駆動状態と四輪駆動状態との駆動状態を確実に制御することができる。
前記第1のトルク伝達機構が、四輪駆動車の被駆動側のデファレンシャル装置であると共に、前記クラッチ部が前記デファレンシャル装置の入力側に設けられ、又は前記第1のトルク伝達機構が、四輪駆動車のトランスファであると共に、前記クラッチ部が、前記トランスファの出力側に設けられた場合は、入力回転に応じて後輪側への伝達トルクを制御し、二輪駆動状態と四輪駆動状態とのトルク伝達状態を確実に制御することができる。
組み付け作業のより効率化を図るという目的を、簡単な構造で実現した。
図1〜図4は本発明の実施例1に係り、図1は動力伝達装置の配置を示す四輪駆動車のスケルトン平面図、図2は動力伝達装置の縦断面図、図3は要部の拡大縦断面図、図4はポンプ部及び制御装置の拡大断面図である。
図1のように、動力伝達装置1は、第1のトルク伝達機構としてのリヤデファレンシャル装置3及び第2のトルク伝達機構としてのトルク伝達カップリング4を備え、例えば、横置きフロントエンジンフロントドライブベース(FFベース)のパートタイム四輪駆動車のプロペラシャフト5及び左右後輪41,43間に配置している。なお、リヤデファレンシャル装置3は、エンジンからの駆動トルクが常時伝達されるフロントデファレンシャル装置59に対して被駆動側のデファレンシャル装置として位置付けられている。
前記トルク伝達カップリング4は、ケースカバーとしてのキャリアカバー7内に配置収容され、回転支持されている。従って、ケースカバー内に、第2のトルク伝達機構が回転支持された構成となっている。
図1〜図3のように、前記キャリアカバー7は、ケース本体としてのデフキャリア9にボルト等によって着脱自在に取り付けられ、デフキャリア9と共にケースであるキャリアケース10を構成している。
前記デフキャリア9には、キャリアカバー7側に区画壁12が設けられている。前記区画壁12の外周で前記デフキャリア9には、結合部としてフランジ部14が設けられている。前記キャリアカバー7にも結合部としてフランジ部16が設けられている。前記デフキャリア9に、フランジ部14,16相互の結合により前記キャリアカバー7が取り付けられている。この結合は、例えばフランジ部14,16に設けた突部相互をボルトにより締結して行っている。
前記キャリアカバー7には、前記結合部側端部、すなわちフランジ部16側端部に開口18が設けられている。キャリアカバー7は、開口18に連続するストレートなクラッチ収容部20を備え、このクラッチ収容部20の奥側に2段の段付き部22が設けられている。キャリアカバー7の他端部側は、軸収容支持部26となっている。
かかるキャリアカバー7の構成により、前記トルク伝達カップリング4を、前記開口18からキャリアカバー7に組み込み可能となっている。
前記キャリアカバー7には、第2の回転部材である回転軸11が回転支持され、この回転部材11に対してトルク伝達カップリング4が連動回転可能となっている。回転軸11は、前記キャリアカバー7の一端ボス部13から突出し、等速ジョイント15に結合されている。
前記トルク伝達カップリング4は、クラッチ部21とポンプ部23と締結手段24とを備えている。
前記クラッチ部21は、作動流体、例えばトランスミッションオイルの圧送により動作する前記締結手段24の締結力を受けて回転軸11及び第1の回転部材であるドライブピニオンシャフト17間のトルク伝達状態を制御する。
前記ポンプ部23は、回転軸11への入力回転に応じて前記オイルを圧送して供給する。ポンプ部23の吸込口側には、オイル溜部25が接続され、回転軸11の入力回転に応じて前記オイル溜部25から前記トランスミッションオイルを圧送する。
前記ポンプ部23の吐出口側には、蓄圧部としてのアキュームレータ27が接続されている。アキュームレータ27は、前記ポンプ部23が圧送するオイルの蓄圧を行いながら前記締結手段24側へオイルを送るためのものである。アキュームレータ27は、コントロールバルブ29に接続されている。コントロールバルブ29は、制御されることによりアキュームレータ27からのオイルをクラッチ部21側へ圧送する状態と前記オイル溜部25へ戻す状態となる。
前記コントロールバルブ29の制御は、コントローラ31によって行われる。コントローラ31は、マイクロコンピュータ等によって構成され、各種センサ33からの検出信号を入力する。コントローラ31は、各種センサ33からの信号により車輌の走行条件に応じてコントロールバルブ29を制御することができる。各種センサ33としては、車速センサ、操舵角センサ、前後輪回転数センサ、油温センサ等がある。
前記リヤデファレンシャル装置3は、前記デフキャリア9に収容され、回転支持されている。従って、ケース本体に、第1のトルク伝達機構が回転支持された構成となっている。リヤデファレンシャル装置3のリングギヤ35は、前記ドライブピニオンシャフト17のドライブピニオンギヤ19に噛み合っている。従って、第1のトルク伝達機構であるリヤデファレンシャル装置3は、第1の回転部材であるドライブピニオンシャフト17に連動回転する構成となっている。リヤデファレンシャル装置3は、左右のアクスルシャフト37,39を介して左右の後輪41,43に連動連結されている。
前記回転軸11は、前記等速ジョイント15、プロペラシャフト5、等速ジョイント45を介して、トランスファ46の出力軸47に連動連結されている。出力軸47は、トランスファ46内において、傘歯車49,51、伝導軸53、平歯車55,57に連動構成され、平歯車57はフロントデファレンシャル装置59のデフケース61に連動構成されている。
前記フロントデファレンシャル装置59のリングギヤ63には、内燃機関としてのエンジン65の出力がトランスミッション67を介して入力されるようになっている。前記フロントデファレンシャル装置59は、左右のアクスルシャフト69,71を介して、左右の前輪73,75に連動連結されている。
従って、エンジン65の出力トルクはトランスミッション67からフロントデファレンシャル装置59のリングギヤ63に伝達され、フロントデファレンシャル装置59から左右のアクスルシャフト69,71を介して、左右の前輪73,75に伝達される。また、フロントデファレンシャル装置59のデフケース61からトランスファ46の平歯車57,55、伝導軸53、傘歯車51,49、出力軸47を介して、プロペラシャフト5へトルク伝達が行われる。プロペラシャフトからは、トルク伝達カップリング4の回転軸11にトルク伝達が行われる。
前記トルク伝達カップリング4では、回転軸11の回転によってポンプ23が働き、オイル溜部25からアキュームレータ27、コントロールバルブ29を介して締結手段24へオイルが圧送して供給される。
前記オイルの圧送により締結手段24が動作し、クラッチ部21が締結力を受けてトルク伝達状態に制御されると回転軸11からドライブピニオンシャフト17、左右後輪41,43へとトルクが伝達される。従って、左右の前輪73,75、左右の後輪41,43によって四輪駆動状態で走行することができる。
前記締結手段24へのオイルの圧送が行われずトルク伝達カップリング4がトルク遮断状態となっているとき、前記回転軸11からドライブピニオンシャフト17へのトルク伝達は遮断され、左右の後輪41,43へトルクは伝達されない。従って、左右の前輪73,75へのトルク伝達によって二輪駆動状態での走行を行うことができる。
前記動力伝達装置1の詳細をさらに説明する。
図2,図3のように、前記トルク伝達カップリング4のクラッチ部21は、クラッチ外筒77とクラッチハブ79とを備えている。クラッチハブ79及びクラッチ外筒77は、半径方向内外に配置された構成となっている。クラッチ外筒77は、その内周側にテーパ形状の内筒部81を一体に備え、内筒部81の内周側に内周部83が一体に設けられている。内周部83は、ドライブピニオンシャフト17の端部にスプライン結合されている。従って、クラッチ外筒77は、第1の回転部材であるドライブピニオンシャフト17の端部に軸方向からの嵌合により回転係合している。
前記クラッチハブ79は、前記回転軸11の一端に一体に設けられている。従って、クラッチハブ79は、第2の回転部材である回転軸11に一体的に回転する構成となっている。クラッチハブ79は、回転軸11にスプライン係合させる構成とすることも可能である。クラッチハブ79の縦壁85は、前記クラッチ外筒77の内筒部81を避けるように回転軸11側へ寄せてクラッチハブ79の端部に位置している。前記クラッチ外筒77及びクラッチハブ79間には、摩擦係合部として摩擦多板クラッチ87が設けられている。摩擦多板クラッチ87は、アウタープレートが前記クラッチ外筒77にスプライン係合しインナープレートが前記クラッチハブ79にスプライン係合している。従って、前記締結手段24の動作による締結力で摩擦多板クラッチ87が摩擦係合し、クラッチ外筒77及びクラッチハブ79間のトルク伝達を行うことができる。
前記締結手段24は、前記開口18に対し前記クラッチ部21よりも奥側で該クラッチ部21と前記ケースカバー7との間に介設された構成となっている。締結手段24は、押圧プレート89、加圧ピストン95、圧力室97等からなっている。前記クラッチ外筒77及びクラッチハブ79間の端部には、前記押圧プレート89が対向配置されている。押圧プレート89には、その内周側に加圧受部91が一体に設けられている。加圧受部91は、スラストベアリング93を介して、前記加圧ピストン95に対向している。加圧ピストン95は、キャリアカバー7の2段の段付き部22内周に回転軸心に沿った方向に移動可能に支持されている。加圧ピストン95とキャリアカバー7の段付き部22との間には、前記圧力室97が設けられている。圧力室97は、前記コントロールバルブ29の吐出口側に配管等によって連通接続されている。
前記回転軸11は、前記キャリアカバー7にボールベアリング99によって回転自在に支持されている。回転軸11の外端部には、結合フランジ101がスプライン係合している。結合フランジ101は、ナット103によって回転軸11に締結され、抜け止めが行われている。結合フランジ101とキャリアカバー7との間に、シール105が設けられている。結合フランジ101は、前記等速ジョイント15に結合される。
前記ボールベアリング99よりもキャリアカバー7の内側においてキャリアカバー7と回転軸11との間に前記ポンプ部23が設けられている。前記オイル溜部25は、本実施例においてキャリアカバー7の下部側に設けられている。オイル溜部25の上壁107には、貫通孔109が設けられ、キャリアカバー7内全体に連通している。
前記アキュームレータ27は、蓄圧体111と蓄圧室113とからなり、本実施例ではキャリアカバー7に設けられている。蓄圧体111は、弾性体等で形成され、圧力によって容積を変化させる構成となっている。蓄圧体111は、キャリアカバー7内に設けられた周回状の収容部115に収容保持されている。蓄圧室113は、蓄圧体111に隣接してキャリアカバー7内周に周回状に設けられている。蓄圧室113と収容部115とは、複数の小孔117によって連通形成されている。
前記ドライブピニオンシャフト17は、一対のテーパーローラベアリング119,121によってデフキャリア9の軸受ハウジング123に回転自在に支持されている。ドライブピニオンシャフト17の端面には、小径軸部126が突設され、回転軸11側の軸穴部128に相対回転可能に嵌合している。小径軸部126及び軸穴部128により回転軸11及びドライブピニオンシャフト17は相互に支持している。
前記テーパーローラベアリング119に隣接して、シールスライドリング125が設けられ、シールスライドリング125はドライブピニオンシャフト17に螺合するナット127で締結されている。この締結によって、テーパーローラベアリング119,121にプリロード(予圧)が付与されている。前記軸受ハウジング123の先端とシールスライドリング125との間に、オイルシール129が設けられている。
前記軸受ハウジング123は、デフキャリア9の区画壁12に設けられ、キャリアカバー7内へ突出している。軸受ハウジング123は、前記クラッチ外筒77の内筒部81と対応してテーパ形状に形成され、キャリアカバー7内において内筒部81内周側に一部入り込んでいる。内筒部81と軸受ハウジング123との間には隙間が形成され、オイルの流通ができるようになっている。
前記軸受ハウジング123の前記構成によって前記摩擦多板クラッチ87の一部がテーパーローラベアリング119に対し回転軸心に沿った方向でオーバーラップしている。このオーバーラップによりトルク伝達カップリング4の回転軸心に沿った方向の長さを短くして、全体的にコンパクトに形成し、重量軽減を図ることができる。また、回転軸心に沿った方向の長さを短くすることによって、その分プロペラシャフト5の長さを長くすることができ、プロペラシャフトの取付角度を小さくして回転振動等を抑制することができる。
前記軸受ハウジング123には、油路133が周方向に複数個所に設けられている。油路133は、軸受ハウジング123の一側から他側へ延設され、一側ではデフキャリア9内に連通し、他側ではテーパーローラベアリング119とオイルシール129との間に連通している。デフキャリア9内には、油路133の端部において案内壁135が設けられ、油路133の一側壁に連続している。
前記オイルシール129及び区画壁12によってデフギヤ空間137とクラッチ部空間139とが区画されている。デフギヤ空間137には、ギヤオイルが収容され、クラッチ部空間139には例えばトランスミッションオイルが収容されている。
従って、前記ドライブピニオンギヤ19及びリングギヤ35の噛み合い回転時に、デフキャリア9内の飛散ギヤオイルが案内壁135に案内されて油路133に至り、あるいは飛散ギヤオイルが直接油路133に至る。油路133のギヤオイルは、テーパーローラベアリング119側へ流動し、該テーパーローラベアリング119を充分に且つ適切に潤滑することができる。また、トルク伝達カップリング4では、その回転時にキャリアカバー7内のトランスミッションオイルが飛散し、クラッチ部21等を充分に且つ適切に潤滑することができる。このため、摩擦多板クラッチ87でのいわゆるスティックスリップ現象の発生を抑制することができる。
前記ポンプ部23は、例えば図4のようになっている。ポンプ部23は、凹凸部としてのポンプカム141と往復体としてのプランジャ143とを備えている。
前記ポンプカム141は、固定側であるキャリアカバー7と回転部材である回転軸11との一方、本実施例では回転軸11に周回状に形成されている。ポンプカム141は、回転軸11に例えばスプライン嵌合して回転軸心に沿った方向に移動可能に支持されている。これによってポンプカム141及びプランジャ143は、回転軸心に沿った方向に相対移動可能に支持された構成となっている。
前記ポンプカム141は、山部145及び谷部147が周方向に規則的に凹凸を繰り返す形状に形成され、回転軸心に沿った方向に凹凸の程度が漸次変化するように形成されている。すなわちポンプカム141の山部145の稜線は、谷部147に対し一側から他側(図4の左右)へ直線的に傾斜するように形成されている。
前記プランジャ143は、キャリアカバー7側の支持孔171に往復動作可能に支持されている。プランジャ143は、その内周側にキャリアカバー7側との間にコイルスプリング172が介設されている。このコイルスプリング172の付勢力によってプランジャ143の先端がポンプカム141の外周に弾接している。ポンプカム141が回転すると、ポンプカム141外周面の谷部147及び山部145の凹凸によってプランジャ143が支持孔171内で往復動作し、作動流体であるトランスミッションオイルを圧送する。
前記ポンプカム141及びプランジャ143の相対位置は、制御手段149によって変化させるようになっている。制御手段149は、ポンプカム141及びプランジャ143の相対位置を回転軸11への入力回転の速度に応じて変化させるようになっている。
本実施例において、制御手段149は、ボール151及びカム部153であり付勢手段としてのコイルスプリング155を備えている。
前記ボール151は、スチール等によって形成され、回転軸11の回転による遠心力によって回転半径方向へ移動する。前記カム部153は、受部157と可動部159とからなっている。受部157及び可動部159は共にスチールなどの板材によって周回状に形成され、外周部は相互に漸次近接するように形成されてカム面161,163が設けられている。受部157の内周部には、円筒部165が設けられ、円筒部165が回転軸11に嵌合固定されている。円筒部165は、回転軸11に取り付けられたストッパ167に係合して位置決められている。可動部159は、前記ポンプカム141の一端面に当接している。前記コイルスプリング155は、回転軸11に取り付けられたストッパ169とポンプカム141の他端面との間に介設されている。
自動車が低速走行をしているときには、回転軸11への入力回転は低く、図4のようにボール151が半径方向内側に位置したままとなり、プランジャ143はポンプカム141の山部145の高い側(図4右側)に位置している。
従って、回転軸11の入力回転によりポンプカム141が連動回転すると、プランジャ143は山部145の高い部分と谷部147との間で往復動作する。これによって、オイル溜部25からポンプ部23を介し蓄圧室113へオイルが圧送される。蓄圧室113内での圧力は、小孔117を介した蓄圧体111の働きで蓄圧されながらコントロールバルブ29側へ圧送される。コントロールバルブ29がコントローラ31によって開となっていれば、圧送されたオイルは圧力室97へ送られる。圧力室97へのオイルの圧送によって、加圧ピストン95が移動し、押圧プレート89の加圧受部91がスラストベアリング93を介して押圧力を受ける。加圧受部91への押圧力によって押圧プレート89が移動し、摩擦多板クラッチ87がクラッチ外筒77との間で締結される。
前記摩擦多板クラッチ87の締結によって、回転軸11に伝達されたトルクは、クラッチハブ79から摩擦多板クラッチ87を介してクラッチ外筒77に伝達される。クラッチ外筒77からは、ドライブピニオンシャフト17へトルク伝達が行われる。従って、前記のように、前輪73,75、後輪41,43によって四輪駆動走行を行うことができる。
車速が上昇して回転軸11への入力回転の速度が速くなると、回転軸11の回転速度に応じてボール151に作用する遠心力が次第に増大する。この遠心力によって、ボール151は半径方向外側へ移動し、カム面161,163に対する当接力を増大する。カム面161,163に対するボール151の当接力の増大によって、可動部159が受部157からの反力によりポンプカム141側へコイルスプリング155の付勢力に抗して移動する。この可動部159の移動によって、ポンプカム141も同方向へ移動し、山部145のプランジャ143に対する当接位置が変化する。この当接位置の変化でプランジャ143は、山部145の次第に低い部分(図4の左側部分)に弾接することになる。
前記プランジャ143が山部145の低い部分に弾接すると、プランジャ143の往復動作量が小さくなり、オイル溜部25から蓄圧室113へ圧送されるオイル量も次第に減少する。このような圧送オイル量の減少によって、圧力室97のオイル圧力も減少し、回転軸11の回転速度の上昇に応じて摩擦多板クラッチ87の締結力が弱まる。
そして、高速走行時は、プランジャ143が山部145の最も低い部分、あるいは山部145の無い部分に当接し、プランジャ143の往復動作が極めて小さくなるか、零となる。従って、オイル溜部25からポンプ部23を介し蓄圧室113へ圧送されるオイルが極めて少なくなるか無くなり、圧力室97の圧力が減少し、摩擦多板クラッチ87の締結力が小さくなるか、殆ど零となる。こうして高速走行時は、回転軸11からドライブピニオンシャフト17へのトルク伝達は僅かであるか或いは行われず、前輪73,75での二輪駆動走行となる。
再び車速が低下し、回転軸11の入力回転速度が低下するとボール151の遠心力が減少し、コイルスプリング155の付勢力によってポンプカム141の移動が円滑に戻される。低速走行状態になったときには、前記ポンプカム141の戻りによりプランジャ143がポンプカム141の山部145の高い位置に再び弾接することになり、前記同様、摩擦多板クラッチ87を強く締結して四輪駆動走行を行わせることができる。
低速走行と高速走行の中間においては、ボール151の遠心力に基づく力とコイルスプリング155の付勢力とが釣り合う位置でポンプカム141がプランジャ143に対して相対位置を取る。このため、前記山部145の傾斜に応じその速度に適した摩擦多板クラッチ87の締結力を得ることができ、安定した四輪駆動走行を行わせることができる。
本実施例において、前記コントロールバルブ29は、コントローラ31によって開閉制御することができる。従って、低速時、前記のように高い圧力によって摩擦多板クラッチ87が締結されているときでも、自動車が低速旋回走行を行っているときには、車速センサと操舵角センサとの信号によりコントロールバルブ29を切り替えて圧力室97の圧力を逃がし、摩擦多板クラッチ87の締結を解除することができる。この摩擦多板クラッチ87の締結解除によって、いわゆるタイトコーナーブレーキング現象を解消し、低速旋回走行を円滑に行わせることができる。
また、コントローラ31は、キャリアカバー7内のトランスミッションオイルの油温を検出する油温センサの信号により、その油温に応じてコントロールバルブ29を切り替え、或いは開度を調整し、圧力室97への圧送状態を変更することができる。この調整によって、油温に応じたオイルの圧送を行い、回転軸11の回転速度に応じた摩擦多板クラッチ87の締結制御をより確実に行うことができる。
前記動力伝達装置1の組付順序は以下の通りである。
前記デフキャリア9の軸受ハウジング77に、一対のテーパーローラベアリング119,121を介しドライブピニオンシャフト17を支持する。このとき、軸受ハウジング77がデフキャリア9のフランジ部14よりも突出しているため、軸受ハウジング77に対するドライブピニオンシャフト17の組み付けを容易に行うことができる。前記ドライブピニオンシャフト17に対してシールスライドリング125を、また該シールスライドリング125及び軸受けハウジング123間にオイルシール129を組み付ける。さらにドライブピニオンシャフト17にナット137を締め込んで、テーパーローラベアリング117,119に対しプリロード(与圧)を付与する。
前記キャリアケース7では、前記デフキャリア9側とは別に、トルク伝達カップリング4等のサブアッセンブリを行う。キャリアケース7の開口18から加圧ピストン95を組み込み、段付き部22に取り付ける。次いで、開口18からスラストベアリング93、押圧プレート89を組み付ける。開口18からポンプ部23、回転軸11及びクラッチハブ85を挿入し、回転軸11をボス部13にボールベアリング99で回転支持すると共に、シール105、フランジ部材101等の組み付けを行う。
次いで、開口18から摩擦多板クラッチ87、クラッチ外筒77の順に組み付け、キャリアケース7側にトルク伝達カップリング4等のアブアッセンブリを完了する。
次いで、前記キャリアケース7側を一体として取り扱い、フランジ部16を、デフキャリア9側のフランジ部14に合わせる。このとき、クラッチ外筒77の内周部83は、ドライブピニオンシャフト17の端部にスプライン係合により自動的に嵌合し、ドライブピニオンシャフト17に対するの回転係合が行われる。また、ドライブピニオンシャフト17の小径軸部126に回転軸11の軸穴部128が嵌合し、両者相互間の回転支持が行われる。
次いで、ボルト等によりフランジ部14,16相互間の締結結合を行い、デフキャリア9側に対するキャリアケース7側のアッセンブリを組み付けることができる。
このように、キャリアカバー7のフランジ部16側端部に、前記トルク伝達カップリング4を組み込み可能とする開口18を形成し、クラッチハブ79を、回転軸11に一体的に回転するように設け、クラッチ外筒77を、ドライブピニオンシャフト17の端部にスプライン係合による軸方向からの嵌合で回転係合させ、締結手段24を、前記開口18に対しクラッチ部21の奥側で該クラッチ部21と前記キャリアカバー7の段付き部22との間に介設したため、キャリアカバー7に、クラッチ部21及び締結手段24等からなるトルク伝達カップリング4をサブアッセンブリしてから該キャリアカバー7をデフキャリア9に組み付けることができ、組み付け作業の効率化を図ることができる。
前記キャリアカバー7に、前記回転軸11への入力回転に応じて前記オイルを圧送するポンプ部23を設けたので、ポンプ駆動のための特別な動力源を必要とせず、小型で安価に製造することができながら、ポンプ部23をキャリアカバー7の組み付けと共に行うことができ、組み付け作業のより効率化を図ることができる。
前記キャリアカバー7に、前記ポンプ部23が圧送して供給するオイルの蓄圧を行いながら前記圧力室97側へオイルを送るアキュームレータ27を設けたので、キャリアカバー7内スペースを有効利用して全体的に小型化を図りながら、アキュームレータ27をキャリアカバー7の組み付けと共に行うことができ、組み付け作業のより効率化を図ることができる。
前記デフキャリア9に、前記ドライブピニオンシャフト17を軸受けハウジング123に回転支持可能な区画壁12を設け、前記軸受けハウジング123と前記ドライブピニオンシャフト17との間に、オイルシール129を設けたので、、デフキャリア9側のデフギヤ空間137とキャリアカバー7側のカップリング空間139とでそれぞれギヤオイル、トランスミッションオイルの適切な潤滑オイルを封入することができる。このため、キャリアカバー7内の摩擦多板クラッチ87のスティックスリップ現象等を抑制することができる。
さらに、本発明の実施例1では、制御手段149によってポンプカム141をプランジャ143に対して移動させ、両者の相対位置を変化させることによって、プランジャ143に対するポンプカム141の凹凸の程度を変えることができる。
従って、トルク伝達カップリング4のトルク伝達制御特性が固定されることはなく、ポンプカム141及びプランジャ143の相対移動の関係の設定の仕方によってトルク伝達制御特性を種々選択することができる。例えば、上記のようにプランジャ143に対するポンプカム141の凹凸の程度を高速回転時には低くするか無くし、低速回転時には高くするように制御することで高速回転時にはトルク伝達制御特性のためのオイルの圧力特性を弱くし、低速回転時に十分な圧力特性を得ることができる。
このため、入力回転が低速の時にクラッチ部21を確実に働かせ、高速の時に摩擦多板クラッチ87の締結を弱め或いは解除することで伝達トルクを低くするかトルク伝達を停止させることができる。すなわち、クラッチ部21の働きを回転軸11への入力回転の速度、言い換えると車速に応じて変化させることができる。
前記制御手段14は、ボール151及びカム部153と、コイルスプリング155とよりなるため、入力回転の速度が速くなるとそれだけボール151の遠心力が大きくなり、コイルスプリング155の付勢力に抗してカム部153を介しポンプカム141及びプランジャ143の相対位置を確実に変化させることができる。しかも、モータ等特別なアクチュエータを不要とし、構造を簡単にすることができる。
なお、ポンプカム141の山部145の傾斜方向を上記とは逆に設定し、車速が高いときにプランジャ143を山部145の高い位置に弾接させる構成にすることも可能である。
図5は、本発明の実施例2に係るポンプ及び制御手段の拡大断面図であり、図4に対応する。なお、実施例1と対応する構成部分には同符号を付し、四輪駆動車の全体構成は図1を、動力伝達装置の全体構成は図2,図3を参照して説明する。
本実施例では、図5のように、ポンプ部23Aに対し制御手段149Aを変更したものである。本実施例の制御手段149Aは、ピストンシリンダ装置173であり、コイルスプリング155を備えている。ピストンシリンダ装置173は、シリンダ175とピストン177とから構成されている。シリンダ175とピストン177との間に形成される受圧室179は、前記アキュームレータ27の蓄圧室113に連通接続されている。
前記ピストン177には、連係押圧部181が一体に設けられ、連係押圧部181はスラストベアリング183を介し、ポンプカム141の一端面に当接している。
従って、車速の上昇に応じて、回転軸11の入力回転速度が上昇すると、これに応じて受圧室179へ圧送される油圧も高くなり、シリンダ175に対しピストン177が油圧に応じて移動する。この移動によって、連係押圧部181がスラストベアリング183を介してポンプカム141をコイルスプリング155に抗して移動させる。
このようなポンプカム141の移動によって、実施例1と同様に、低速走行時は摩擦多板クラッチ87を強く締結して四輪駆動走行を行わせ、高速走行時は摩擦多板クラッチ87の締結を解除して二輪駆動走行を行わせること等、上記同様の制御作用を得ることができる。
従って、入力回転に応じた摩擦多板クラッチ87の制御を確実に行わせることができると共に、油圧を用いてポンプカム141を移動制御しながら特別な駆動源を必要とせず、構造を簡単にすることができる。
なお、本実施例でもポンプカム141の山部145の傾斜方向を上記と逆に設定し車速が高いときにプランジャ143を山部145の高い位置に弾接させる構成にすることも可能である。
図6は本発明の実施例3に係り、ポンプ部及び制御手段の拡大断面図であり、図4に対応している。なお、実施例1と対応する構成部分には同符号を付し、四輪駆動車の全体構成は図1を、動力伝達装置の全体構成は図2,図3を参照して説明する。
本実施例では、ポンプ部23Bに対し制御手段149Bを、前記コントローラ31によって電気的に制御されるアクチュエータ185で構成したものである。アクチュエータ185は、駆動ロッド187とフォーク189とを備えている。駆動ロッド187は、軸心に沿った方向に往復動作するように前記キャリアカバー7側に支持されている。キャリアカバー7側には図外のリニアモータが取り付けられ、該リニアモータによって駆動ロッド187は往復駆動されるようになっている。リニアモータは、前記コントローラ31に図1で破線で示すように接続され、駆動制御信号を受けるようになっている。
前記フォーク189は、駆動ロッド187に固定され、駆動ロッド187と共に移動する。フォーク189の先端は、ポンプカム141Bの周溝191に遊嵌係合している。
従って、コントローラ31が車速信号を受けることによってリニアモータに出力し、リニアモータは駆動ロッド187を軸心に沿った方向へ移動させる。この移動によって、フォーク189を介し周溝191が移動力を受け、該移動力によってポンプカム141Bがコイルスプリング155の付勢力に抗して移動する。
従って、本実施例においても、実施例1と同様、車速に応じて摩擦多板クラッチ87の締結力を制御することができる。
また、本実施例では、ポンプカム141Bの山部145の傾斜方向を特に変えることなく、リニアモータの車速に応じた制御によって、車速が高いときにプランジャ143を山部145の高い位置に弾接させることを簡単に行うことができる。このため、車速に応じた摩擦多板クラッチ87の締結態様をより拡大することができる。
図7は本発明の実施例4に係り、ポンプ部及び制御手段の拡大断面図であり、図4に対応している。なお、実施例1と対応する構成部分には同符号を付し、四輪駆動車の全体構成は図1を、動力伝達装置の全体構成は図2,図3を参照して説明する。
本実施例では、ポンプ部23Cに対し制御手段149Cを、実施例3と同様に、コントローラ31により電気的に制御されるアクチュエータ193で構成したものである。
前記アクチュエータ193は、キャリアカバー7側に支持された電動モータ195を備えている。電動モータ195は、図1の破線で示すように、コントローラ31に電気的に接続され、駆動制御信号を受けるようになっている。
前記電動モータ195の駆動軸197には、ピニオンギヤ199が取り付けられている。ピニオンギヤ199には、ギヤプレート201が噛み合っている。ギヤプレート201の内周には、連係押圧部203が設けられている。連係押圧部203は、スラストベアリング205を介して、ポンプカム141に当接している。ギヤプレート201とキャリアカバー7との間には、カム部207が設けられている。
従って、コントローラ31による電動モータ195の車速に応じた回転制御によって、駆動軸197、ピニオンギヤ199を介し、ギヤプレート201が回転駆動される。ギヤプレート201の回転によってカム部207が働き、ギヤプレート201がキャリアカバー7側に対して移動力を受ける。ギヤプレート201の移動によって、スラストベアリング205を介しポンプカム141がコイルスプリング155の付勢力に抗して移動する。
従って、本実施形態においても、車速に応じて摩擦多板クラッチ87の締結を制御することができる。
また、本実施例でも、コントローラ31による電動モータ195の制御により実施例3と同様に、車速が高いときにプランジャ143をポンプカム141の山部145の高い位置に弾接させることを簡単に行うことができる。
さらに、電動モータ195とカム部207との組み合わせによってポンプカム141を移動させるようにしたから、電動モータ195を小型化し全体的にコンパクトに形成することができる。
図8,図9は本発明の実施例5に係り、図8は図2に対応しトルク伝達装置の取り付け状態を示す縦断面図、図9は同要部の拡大断面図である。尚、実施例1と対応する構成部分には同符号を付し、四輪駆動車の全体構成は図1を参照して説明する。
本実施例の動力伝達装置1Dでは、キャリアカバー7Dに設けられたポンプ部23Dの背圧室209が、貫通孔211を介してクラッチ部空間139側の底部に連通し、小孔213を介してアキュームレータ27D側に連通している。貫通孔211には、プラグ組付けの吸入バルブ215が設けられている。小孔213には、アキュームレータ27D側においてリードバルブ217が取り付けられている。
従って、ポンプ部23Dの働きによってポンプカム141Dに対しプランジャ143Dがコイルスプリング172Dの付勢力に抗して往復動作すると背圧室209内の圧力が上昇する。この圧力の上昇で吸入バルブ215が開き、クラッチ部空間139側からオイルが吸い込まれる。背圧室209にオイルが吸い込まれた状態で、ポンプ部23Dの働きにより背圧室209の圧力が高くなるとリードバルブ217が開き、小孔213からアキュームレータ27D側へオイルが圧送される。
前記ポンプカム141Dはプランジャ143Dに対し制御手段149Dにより車速に応じて相対移動する。すなわち、制御手段149Dとして図4〜図7の制御手段149〜149Cが用いられ、同様に、回転転軸11への入力回転の速度に応じてポンプカム141D及びプランジャ143Dで構成される凹凸部及び往復体の相対移動を行わせる。
こうして、本実施例でも車速に応じて圧力室97へオイルを圧送することができる他、上記同様の作用効果を奏することができる。
実施例5の構造は、上記各実施例に適用することができるのはもちろんである。
尚、動力伝達装置は、図1においてトランスファ46の出力軸47に動力伝達装置1Eとして設けることも可能である。
なお、ポンプ部は、上述した実施例の構造に限らず、トロコイドギヤを用いたもの、アキシャルプランジャを用いたもの、ベーン及びロータを用いたもの、ロータリー式のブレードを用いたものなど種々の構造を採用可能である。
四輪駆動車のスケルトン平面図である(実施例1)。 動力伝達装置を示す縦断面図である(実施例1)。 要部の拡大断面図である(実施例1)。 ポンプ部及び制御手段の拡大断面図である(実施例1)。 ポンプ部及び制御手段の拡大断面図である(実施例2)。 ポンプ部及び制御手段の拡大断面図である(実施例3)。 ポンプ部及び制御手段の拡大断面図である(実施例4)。 動力伝達装置を示す縦断面図である(実施例5)。 要部の拡大断面図である(実施例5)。 リヤデファレンシャル装置及びドライブピニオンシャフト周辺の縦断面図である(従来例)。
符号の説明
1,1D 動力達装置
4,4D トルク伝達カップリング(第2のトルク伝達機構)
7,7D キャリアカバー(ケースカバー)
9 デフキャリア(ケース本体)
10 キャリアケース(ケース)
11 回転軸(第2の回転部材)
14,16 フランジ部(結合部)
17 ドライブピニオンシャフト(第1の回転部材)
18 開口
20 段突き部
21 クラッチ部
24 締結手段
23,23A,23B,23C,23D ポンプ部
27,27D アキュームレータ(蓄圧部)
97 圧力室
123 軸受けハウジング(軸支持部)
129 オイルシール
131 区画壁
141,141B,141D ポンプカム(凹凸部)
143,143D プランジャ(往復体)
149,149A,149B,149C,149D 制御手段
151 ボール(制御手段)
153 カム部(制御手段)
172,172D コイルスプリング
173 ピストンシリンダ装置(制御手段)
185,193 アクチュエータ(制御手段)
219 リヤデファレンシャル装置(第1のトルク伝達機構、被駆動側のデファレンシャル装置)

Claims (11)

  1. ケース本体にケースカバーを取り付けたケースと、
    前記ケースに回転支持された第1,第2の回転部材と、
    前記ケース本体に収容され前記第1の回転部材に連動回転する第1のトルク伝達機構と、
    前記ケースカバーに収容され前記該第2の回転部材に連動する第2のトルク伝達機構とよりなり、
    前記第2のトルク伝達機構は、クラッチ部及び該クラッチ部に圧力室への作動流体の供給により締結力を付与する締結手段とからなり、
    前記クラッチ部は、半径方向内外に配置されたクラッチハブ及びクラッチ外筒と該クラッチハブ及びクラッチ外筒間に介設され前記締結力を受けてクラッチハブ及びクラッチ外筒間のトルク伝達を行う摩擦係合部とからなり、
    前記ケースカバーの前記ケース本体側端部に、前記第2のトルク伝達機構を組み込み可能とする開口を形成し、
    前記クラッチハブを、前記第2の回転部材に一体的に回転するように設け、
    前記クラッチ外筒を、前記第1の回転部材の端部に軸方向からの嵌合により回転係合させ、
    前記締結手段を、前記開口に対し前記クラッチ部よりも奥側で該クラッチ部と前記前記ケースカバーとの間に介設したことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1記載の動力伝達装置であって、
    前記ケースカバーに、前記第2の回転部材への入力回転に応じて前記作動流体を供給するポンプ部を設けたことを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項2記載の動力伝達装置であって、
    前記ケースカバーに、前記ポンプ部が供給する作動流体の蓄圧を行いながら前記圧力室側へ作動流体を送る蓄圧部を設けたことを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項2又は3記載の動力伝達装置であって、
    前記ポンプ部は、前記ケースカバーと前記第2の回転部材との一方に形成された周回状の凹凸部及び同他方に支持され前記凹凸部に接して凹凸部との相対回転により往復動作して前記作動流体の供給を行う往復体とを備え、
    前記凹凸部は、回転軸芯に沿った方向に凹凸の程度が漸次変化するように形成され、
    前記凹凸部及び往復体は、前記回転軸芯に沿った方向に相対移動可能に支持され、
    前記凹凸部及び往復体の相対移動を行わせる制御手段を設けたことを特徴とする動力伝達装置。
  5. 請求項4記載の動力伝達装置であって、
    前記制御手段は、前記凹凸部及び往復体の相対位置を前記第2の回転部材への入力回転の速度に応じて変化させることを特徴とする動力伝達装置。
  6. 請求項5記載の動力伝達装置であって、
    前記制御手段は、前記第2の回転部材に設けられて該第2の回転部材の入力回転による遠心力により移動するボール及び該ボールの移動により回転軸芯に沿った方向に移トルクを受け前記相対移動を行わせるカム部であることを特徴とする動力伝達装置。
  7. 請求項4記載の動力伝達装置であって、
    前記制御手段は、前記作動流体からの圧力を受けることで前記相対移動を行わせるピストンシリンダ装置であることを特徴とする動力伝達装置。
  8. 請求項4又は5記載の動力伝達装置であって、
    前記制御手段は、コントローラにより電気的に制御され前記相対移動を行わせるアクチュエータであることを特徴とする動力伝達装置。
  9. 請求項1〜8の何れかに記載の動力伝達装置であって、
    前記ケース本体に、前記第1の回転部材を軸支持部に回転支持可能な区画壁を設け、
    前記軸支持部と前記第1の回転部材との間に、オイルシールを設けたことを特徴とする動力伝達装置。
  10. 請求項1〜9の何れかに記載の動力伝達装置であって、
    前記クラッチ部は、四輪駆動車の二輪駆動状態と四輪駆動状態とのトルク伝達状態を制御することを特徴とする動力伝達装置。
  11. 請求項1〜9の何れかに記載の動力伝達装置であって、
    前記第1のトルク伝達機構が四輪駆動車の被駆動側のデファレンシャル装置であると共に前記クラッチ部が前記デファレンシャル装置の入力側に設けられ、又は前記第1のトルク伝達機構が四輪駆動車のトランスファであると共に前記クラッチ部が前記トランスファの出力側に設けられたことを特徴とする動力伝達装置。
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