JP5047528B2 - 車両の左右駆動力配分装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車両の左右駆動力配分装置に関し、さらに詳しくは、左右の駆動軸に必要に応じて相対的な回転力を付与する油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプを備えた車両の左右駆動力配分装置に関する。
従来、この種の車両の左右駆動力配分装置は、図5に示されるように、ハウジング1内に回転可能に支持されると共に、エンジン駆動力を伝達するドライブピニオンギヤ2が固定された回転可能なドライブシャフト3と、ドライブピニオンギヤ2に噛み合うクラウンギヤ4が一体化されたデフケース5と、このデフケース5に伝達された駆動力を左右の車軸6,7に配分すると共に左右の車軸6,7の回転数差を吸収する差動機構8と、左右の車軸6,7間に必要に応じて相対的な回転力を付与する油圧モータ9と、デフケース5に伝達された回転駆動力を駆動源として油圧モータ9に作動油を供給する油圧ポンプ10(この場合、ラジアル型プランジャポンプ)と、を備えて構成されていた。
そして、デフケース5の回転駆動力は、デフケース5の最外殻に一体的に設けられた駆動ギヤ11から、ハウジング1後方の支持軸12によって回転可能に支持された中間ギヤ13を介して油圧ポンプ10のポンプ軸14外周の従動ギヤ15に伝達させることによって、油圧ポンプ10を回転駆動するようになっていた(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記した従来の車両の左右駆動力配分装置にあっては、図5に示されるように、従動ギヤ12を回転可能に支持する支持軸13と油圧ポンプ10のポンプ軸14とは、ハウジング1の後方においてほぼ並列した状態で配置されている。このため、油圧ポンプ1は、ハウジング1の後方にかなり張り出した状態で配置されるため左右駆動力配分装置の大型化を招き、取付スペースの問題や、部品点数の増加、組み立て工数の増加によりコストがかかるという問題を有している。
そこで、このような問題を解決するために、図6に示されるように、油圧ポンプ10(この場合、アキシャル型プランジャポンプ)の駆動源にドライブシャフト3の回転駆動力を用いることに着目し、ドライブシャフト3に駆動ギヤ16を一体的に設けると共に、この駆動ギヤ16に噛み合う従動ギヤ17を中間回転軸18に一体的に設ける。さらに、この中間回転軸18と油圧ポンプ10のポンプ軸14とを同軸上に配置した状態で両軸14,18を連ねることによって、ハウジング1の後方の張り出しを無くして左右駆動力配分装置のコンパクト化を図ることが提案されている。
しかし、このような構成の左右駆動力配分装置は、図6,7に示されるように、ポンプ軸14と中間回転軸18との連結部近傍を中間軸受部材19,20で受ける分割支持構造を用いることにより、油圧ポンプ10の斜板21及びプランジャ22による油圧発生時の反力F1及び駆動伝達による反力F2,F3の向きによってポンプ軸14が撓み、油圧ポンプ10が正常に機能しなくなるのを防止する必要があった。このため、中間軸受部材19,20をハウジング1内に組付けなければならず、部品点数や組み立て工数を削減することは難しかった。
特開2003−130175号公報
そこで、この発明は、上記した従来技術が有している問題点を解決するためになされたものであって、油圧発生による反力及び駆動伝達による反力により生じるポンプ軸の撓み量を小さく保ったまま、左右駆動力配分装置のコンパクト化及び部品点数、組み立て工数の削減を図ることが可能な車両の左右駆動力配分装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため第1の発明は、駆動力伝達軸を介してエンジン駆動力が伝達される回転可能なデフケースと、前記デフケースに入力された駆動力を左右の車軸に分配する差動機構と、前記左右の車軸間に必要に応じて相対的な回転力を付与する油圧モータと、前記駆動力伝達軸或いは前記デフケースのうち何れか1つを駆動源として前記油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプと、を備えた車両の左右駆動力配分装置において、
前記油圧ポンプのポンプ軸は、両端部が支持部材により回転可能に支持された状態で位置決め固定されていると共に、これら2つの固定点の間には、前記駆動源が前記油圧ポンプ軸を駆動するための一対のギヤが設けられ、前記一対のギヤの一方は、駆動ギヤとして前記駆動源に一体的に設けられていると共に、前記一対のギヤの他方は前記駆動ギヤに噛み合う従動ギヤとして前記ポンプ軸の一端部側に連なり、前記支持部材の一方は前記油圧モータに連なる油路が形成されたオイルポンプカバーであると共に、前記油路は、前記油圧ポンプから油圧モータに向けて予め設定された設定時間あたり予め設定された設定量の作動油の供給のみ許可する流量制御弁を備えていることを特徴とする。
上記目的を達成するため第2の発明は、駆動力伝達軸を介してエンジン駆動力が伝達される回転可能なデフケースと、前記デフケースに入力された駆動力を左右の車軸に分配する差動機構と、前記左右の車軸間に必要に応じて相対的な回転力を付与する油圧モータと、前記駆動力伝達軸或いは前記デフケースのうち何れか1つを駆動源として前記油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプと、を備えた車両の左右駆動力配分装置において、
前記油圧ポンプは、前記駆動源の側方に近接し、且つ前記油圧ポンプのポンプ軸と前記駆動源の回転軸とがほぼ平行となる位置に配設され、前記ポンプ軸の両端部が支持部材により回転可能に支持された状態で位置決め固定されていると共に、これら2つの固定点の間には、前記駆動源が前記ポンプ軸を駆動するための一対のギヤが設けられ、前記一対のギヤの一方は、駆動ギヤとして前記駆動源に一体的に設けられていると共に、前記一対のギヤの他方は前記駆動ギヤに噛み合う従動ギヤとして前記ポンプ軸の一端部側に連なり、前記支持部材の一方は前記油圧モータに連なる油路が形成されたオイルポンプカバーであると共に、前記油路は、前記油圧ポンプから油圧モータに向けて予め設定された設定時間あたり予め設定された設定量の作動油の供給のみ許可する流量制御弁を備えていることを特徴とする。
第1又は第2の発明によれば、ポンプ軸の両端部が支持部材により回転可能に支持された状態で位置決め固定されている。さらに、駆動源とポンプ軸との間には一対のギヤが設けられており、駆動源の回転駆動力が、中間回転軸を介すことなく、ポンプ軸を直接的に回転駆動する。さらに、第2の発明によれば、油圧ポンプは、駆動源の側方に近接し、且つ油圧ポンプのポンプ軸と駆動源の回転軸とがほぼ平行となる位置に配設されている。これにより、油圧ポンプによる油圧発生時の反力と駆動伝達による反力とが打ち消し合うようになると共に、中間回転軸の廃止に伴って中間軸受部材も廃止されることにより、ポンプ軸の中間に中間軸受部材を設けた場合よりも、油圧発生による反力及び駆動伝達による反力により生じるポンプ軸の撓み量が小さくなる。従って、油圧発生による反力及び駆動伝達による反力により生じるポンプ軸の撓み量を小さく保ったまま、ハウジングの後方の張り出しを無くして左右駆動力配分装置のコンパクト化及び部品点数、組み立て工数の削減を図ることが可能となる。その結果、軽量化、組み立て性等が向上する。
また、前記支持部材の一方は前記油圧モータに連なる油路が形成されたオイルポンプカバーであると共に、前記油路は、前記油圧ポンプから前記油圧モータに向けて予め設定された設定時間あたり予め設定された設定量の作動油の供給のみ許可する流量制御弁を備えているので、オイルポンプカバーに形成された油路の流量制御弁によってワンウェイクラッチの機能を発揮させるため、一対のギヤの駆動側或いは従動側にワンウェイクラッチを設ける必要がなくなる。これにより、前述の作用効果に加えて、ポンプ軸の長手方向をより短縮化することができるので、駆動源から油圧ポンプの油圧発生源に至るまでの駆動力伝達距離をより一層短縮化することができる。また、油圧発生による反力及び駆動伝達による反力により生じるポンプ軸の撓み量を大幅に低減化することが可能となる。さらにまた、部品点数、組み立て工数のさらなる削減が可能となり、その結果、軽量化、組み立て性等をより一層向上させることができる。
上記目的を達成するため第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記油圧ポンプの油圧発生源及び前記一対のギヤを収納すると共に、共用化された前記油圧ポンプの油圧発生源用及び前記一対のギヤ用の作動油が貯留される共用化作動油貯留室を備えることを特徴とする。
第3の発明によれば、共用化作動油貯留室によって、油圧ポンプの油圧発生源及び一対のギヤが収納されると共に、共用化された油圧ポンプの油圧発生源用及び一対のギヤ用の作動油が貯留される。これにより、第1又は第2の発明の作用効果に加えて、ポンプ軸がより短縮化されるので、駆動源から油圧ポンプの油圧発生源に至るまでの駆動力伝達距離の短縮化が図られて、左右駆動力配分装置をよりコンパクト化することが可能となる。また、油圧発生による反力及び駆動伝達による反力により生じるポンプ軸の撓み量をより低減化することが可能となる。しかも、異なった油圧ポンプの油圧発生源用の作動油と一対のギヤ用の作動油とを用いる場合には必要だったポンプ軸周りのオイルシールが廃止されるので、部品点数、組み立て工数のさらなる削減が可能となり、その結果、軽量化、組み立て性等をより一層向上させることができる。
上記目的を達成するため第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れか1つにおいて、前記一対のギヤの駆動ギヤ側に、車両の前進時のみ前記ポンプ軸を回転させるワンウェイクラッチを備えたことを特徴とする。
第4の発明によれば、一対のギヤの駆動ギヤ側にワンウェイクラッチを備えたことによって、ポンプ軸の長手方向が短縮化される。これにより、第1乃至第3の発明の何れか1つの作用効果に加えて、駆動源から油圧ポンプの油圧発生源に至るまでの駆動力伝達距離をより一層短縮化することができて、油圧発生による反力F1及び駆動伝達による反力F2,F3により生じるポンプ軸の撓み量を大幅に低減化することが可能となる。
本発明の車両の左右駆動力配分装置によれば、油圧ポンプは、駆動源の側方に近接し、且つ油圧ポンプのポンプ軸と駆動源とがほぼ平行となる位置に配設されていると共に、ポンプ軸の両端部が支持部材により回転可能に支持された状態で位置決め固定されている。さらに、駆動源とポンプ軸との間には一対のギヤが設けられており、駆動源の回転駆動力が、中間回転軸を介すことなく、ポンプ軸を直接的に回転駆動する。これにより、ハウジング後方への張り出し量が抑制されるので左右駆動力配分装置のコンパクト化を図ることができる。また、中間回転軸及び中間軸受部材が廃止されるので、部品点数、組み立て工数の削減を図ることができる。さらに、駆動源から油圧ポンプの油圧発生源までの距離が短縮化されるので、油圧発生による反力及び駆動伝達による反力による油圧発生用駆動軸の撓みを低減することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用された車両の左右駆動力配分装置の断面図、図2は、同例における車両の左右駆動力配分装置の一変形例を示した断面図、図3(a)は、図1中のポンプ軸に発生する撓み量を示した模式図、(b)は、同例におけるポンプ軸に中間軸受部材を配設した場合の撓み量を示した模式図、図4は、図2中のポンプ軸に発生する撓み量を示した模式図である。
図1に示されるように、本発明が適用された車両の左右駆動力配分装置100は、駆動力伝達軸としてのドライブシャフト23を介してエンジン駆動力が伝達されて回転駆動するデフケース24と、デフケース24に入力された駆動力を左右の車軸25,26に分配する差動機構27と、左右の車軸25,26間に必要に応じて相対的な回転力を付与する油圧モータ28と、ドライブシャフト23の回転駆動力を駆動源として油圧モータ28に作動油を供給する油圧ポンプ29と、を備えて構成されている。
詳述すると、左右駆動力配分装置100の筐体をなすハウジング30の内部には、ドライブシャフト23がベアリング31〜33によって回転可能に軸支されていると共に、このドライブシャフト23の先端部にはドライブピニオンギヤ34が結合固定されている。このドライブピニオンギヤ34に噛み合うクラウンギヤ35は、ベアリング36,37によって回転可能に支持されたデフケース24の右側面部24aに一体的に組み付け固定されている。さらに、このデフケース24内部には差動機構27が配設されている。
差動機構27には、デフケース24に伝達された駆動力をそれぞれ左右の車軸25,26に配分すると共に、これら両車軸25,26に生じた回転数差を吸収するために遊星歯車組が用いられている。すなわち、差動機構27は、デフケース24の内部に形成された内歯車38と、この内歯車38に噛み合う複数のプラネタリギヤ39と、これら複数のプラネタリギヤ39を回転可能に支持するプラネタリキャリヤ40と、複数のプラネタリギヤ39に噛み合うサンギヤ40とを備えて構成されている。さらに、プラネタリキャリヤ40の左側端部は、左の車軸25に一体的に連なっていると共に、サンギヤ41は右の車軸26の先端部に一体的に連なっている。
左右の車軸25,26は、ドライブシャフト23の軸心方向に対して直交し、且つ両車軸25,26が同一軸心上となるように配置されていると共に、左の車軸25の右軸部が、右の車軸26の軸内部に挿入配置されている。さらに、この左の車軸25の右軸部には、左右の車軸25,26に相対的な回転力を付与するための油圧モータ(例えば、ラジアルプランジャ型油圧モータ)28が一体的に組付けられている。
そして、この油圧モータ28に作動油を給排する油圧ポンプ29は、ドライブシャフト23の側方に近接し、且つこの油圧ポンプ29のポンプ軸42とドライブシャフト23とがほぼ平行となる位置に配設され、ポンプ軸42の一端部がベアリング43、また、他端部がオイルポンプカバー44により回転可能に支持された状態で位置決め固定されている。
さらに、これらドライブシャフト23とポンプ軸42との間、且つポンプ軸42の両端部間、つまり2つの支持固定点の間には一対のギヤ45,46が配設されており、ドライブシャフト23の回転駆動力が、中間回転軸を介すことなく、ポンプ軸42を直接的に回転駆動するように構成されている。
すなわち、ドライブシャフト23には駆動ギヤ45が一体的に設けられていると共に、この駆動ギヤ45に噛み合う従動ギヤ46が、ポンプ軸42の軸心方向に向かって前後して配置されたベアリング47及びワンウェイクラッチ48を介してポンプ軸42の一端部側に連なっている。ワンウェイクラッチ48は、車両の前進時のみにポンプ軸42を回転させることによって油圧ポンプ29を作動させ、後退時にはポンプ機能を停止させる。さらにまた、ワンウェイクラッチ48は、ドライブシャフト23の高速回転時における回転駆動力の伝達を規制することによりポンプ軸42の過回転を防止して、油圧ポンプ29及び油圧モータ28を保護する。さらに、これら駆動ギヤ45、従動ギヤ46等は、リヤデフ潤滑とつながるようにハウジング30に形成された第1の貯留室49内に配置されており、この第1の貯留室49内には、リヤデフ潤滑用の作動油(例えば、デフオイル)が給排されて貯留可能となっている。
一方、油圧ポンプ29のポンプ軸42の他端部側には、油圧ポンプ29における油圧発生源としての斜板50とプランジャ(ピストン)51とが備えられている。つまり、油圧ポンプ29には、アキシャル型プランジャポンプが用いられている。斜板50は、ポンプ軸42周りに傾いた状態で一体的に配設されていると共に、この斜板50とプランジャ51とは摺動部52を介して連なっている。さらに、これら斜板50及びプランジャ51は、油圧モータ28用の作動油(例えば、ATF)が給排されて貯留可能となるようにハウジング30に形成された第2の貯留室53内に配置されている。
そして、ポンプ軸42と共に斜板50が回転すると、シリンダ54内のプランジャ51がシリンダ54と共に回転しながら往復運動することによって、油圧モータ28に連通した油路55を介してオイルポンプカバー44に設けられた作動油吸込口(図示せず)からシリンダ54内に作動油を吸い込んだ後、オイルポンプカバー44に設けられた作動油吐出口(図示せず)から、油路55を介して作動油を吐出するようになっている。
ところで、ポンプ軸42周りにおける第1の貯留室49と第2の貯留室53との間には、オイルシール56,56が配設されており、ポンプ軸42が回転しても第1及び第2の貯留室49,53を封止して異なる作動油同士が混ざらないようになっている。
なお、油圧ポンプ29はアキシャル型プランジャポンプに限定されるものではなく、例えば、ラジアル型プランジャポンプやその他の往復ポンプ、回転ポンプを用いることが可能である。
また、ポンプ軸42側に配設されていたワンウェイクラッチ48をドライブシャフト23側に移設してもよい。
さらにまた、油圧ポンプ29が高速回転対応型の場合には、油圧ポンプ29側或いはドライブシャフト23側に配設したワンウェイクラッチ48の代わりに、油圧モータ28と油圧ポンプ29とを結ぶ油路55に、油圧ポンプ29から油圧モータ28に向けて一定量の作動油の供給のみ許可する流量制御弁としてのワンウェイバルブ57を設けることによって、油圧モータ28の過回転を防止するように構成することが可能である。
そして、この左右駆動力配分装置100は、デフケース24の回転を複数のプラネタリギヤ39を介してサンギヤ41に同方向の回転として伝達する。また、プラネタリキャリヤ40には、複数のプラネタリギヤ39の公転が伝達され、プラネタリキャリヤ40もデフケース24と同一方向に回転する。そして、車両直進時にあっては、ドライブピニオンギヤ34及びクラウンギヤ35によりデフケース24に伝達される駆動力を複数のプラネタリギヤ39を介してプラネタリキャリヤ40とサンギヤ41とに均等に分配して、左右の車軸25,26をほぼ同一の回転数で回転させる。また、車両旋回時にあっては、左右の駆動輪が路面から受ける反力等により、プラネタリギヤ39を介してデフケース24に伝達される駆動力をプラネタリキャリヤ40とサンギヤ41とに不均等に分配して、旋回内側よりも外側の車輪をより多く回転させる。さらには、複数のプラネタリギヤ40の自転により左右の車軸25,26の回転数差が吸収される。
さらにまた、コーナリング時に車両がアンダーステア或いはオーバーステアになると、車両状態に応じて油圧ポンプ29によって油圧モータ28を作動させることで、外側車輪に内側車輪よりも大きな回転力を付与したり、或いは内側車輪に外側車輪よりも大きな回転力を付与することによって車両にヨーモーメントを発生させて、安定した走行姿勢への回復が図られる。
以上説明したように、本発明による車両の左右駆動力配分装置によれば、油圧ポンプ29は、ドライブシャフト23の側方に近接し、且つ油圧ポンプ29のポンプ軸42とドライブシャフト23とがほぼ平行となる位置に配設されている。そして、ポンプ軸42の一端部がベアリング43、他端部がオイルポンプカバー44により回転可能に支持された状態で位置決め固定されている。さらに、ドライブシャフト23には駆動ギヤ45が一体的に設けられていると共に、この駆動ギヤ45に噛み合う従動ギヤ46が、ベアリング47とワンウェイクラッチ48とを介してポンプ軸42の一端部側に連なっている。そして、ドライブシャフト23の回転駆動力が、中間回転軸を介すことなく、ポンプ軸42を直接的に回転駆動する。これにより、油圧発生源としての斜板50及びプランジャ51による油圧発生時の反力F1と駆動伝達による反力F2,F3とが打ち消し合うようになると共に、図3(a)に示されるように、中間回転軸の廃止に伴って中間軸受部材も廃止される。そのため、図3(b)に示されるように、ポンプ軸42の中間に中間軸受部材58を設けた場合よりも、油圧発生による反力F1及び駆動伝達による反力F2,F3により生じるポンプ軸42の撓み量が小さくなる。従って、油圧発生による反力F1及び駆動伝達による反力F2,F3により生じるポンプ軸42の撓み量を小さく保ったまま、ハウジング30の後方の張り出しを無くして左右駆動力配分装置100のコンパクト化及び部品点数、組み立て工数の削減を図ることが可能となる。その結果、軽量化、組み立て性等が向上する。
さらに、駆動ギヤ45側にワンウェイクラッチ48を設けると、ポンプ軸42をより短縮化することが可能となる。これにより、ドライブシャフト23から油圧ポンプ29の油圧発生源に至るまでの駆動力伝達距離をさらに短縮化することができ、油圧発生による反力F1及び駆動伝達による反力F2,F3により生じるポンプ軸42の撓み量をさらに低減化することが可能となる。
ところで、上述した第1の実施形態にあっては、駆動ギヤ45、従動ギヤ46用の作動油と、油圧ポンプ29用の作動油とはそれぞれ異なった作動油が用いられている。そのため、ハウジング30内には、それぞれの作動油を貯留するための第1及び第2の貯留室49,53が形成されており、ドライブシャフト23(駆動源)から油圧ポンプ29の斜板50及びプランジャ51(油圧発生源)に至るまでの駆動力伝達距離が長くなってしまう。
そこで、第2の実施形態にあっては、駆動ギヤ45、従動ギヤ46用の作動油と、油圧ポンプ29用の作動油との共用化を図ると共に、図2に示されるように、この共用化された作動油を貯留するための共用化作動油貯留室としての第3の貯留室58がハウジング30内に形成されている。そして、この第3の貯留室58内に、油圧ポンプ29の油圧発生源及び駆動ギヤ25、従動ギヤ26が収納されるようになっている。
さらに、ワンウェイクラッチ48はドライブシャフト23側に設けられているのが好ましいが、これに限定されるものではない。また、ベアリング47もワンウェイクラッチの移設に伴ってドライブシャフト23側に移設されている。
さらにまた、油圧ポンプ29が高速回転対応型の場合には、油圧ポンプ29側或いはドライブシャフト23側に配設したワンウェイクラッチ48の代わりに、油圧モータ28と油圧ポンプ29とを結ぶ油路55に、油圧ポンプ29から油圧モータ28に向けて一定量の作動油の供給のみ許可するワンウェイバルブ57を設けることによって、油圧モータ28の過回転を防止するように構成することが可能である。
以上述べたように本発明によれば、第3の貯留室58によって、油圧ポンプ29の油圧発生源及び駆動ギヤ45、従動ギヤ46が収納されると共に、共用化された油圧ポンプ29の油圧発生源用及び駆動ギヤ45、従動ギヤ46用の作動油が貯留される。これにより、ポンプ軸42がさらに短縮化されるので、ドライブシャフト23から油圧ポンプ29の油圧発生源としての斜板50及びプランジャ51に至るまでの駆動力伝達距離の短縮化が図られて、左右駆動力配分装置100をよりコンパクト化することが可能となり重量も軽減化される。また、図4に示されるように、油圧発生による反力F1及び駆動伝達による反力F2,F3により生じるポンプ軸42の撓み量をより低減化することが可能となる。しかも、異なった作動油同士を用いる場合には必要だったポンプ軸42周りのオイルシール56及びそれに付随した形状が廃止されるので、部品点数、組み立て工数のさらなる削減が可能となり、その結果、軽量化、組み立て性等をより一層向上させることができる。
なお、上述した第1及び第2の実施形態にあっては、油圧ポンプ29の駆動源にドライブシャフト23の回転駆動力を用いたが、これに限定されるものではなく、例えば、デフケース24を油圧ポンプ29の駆動源として用いることが可能である。
また、本発明は、車両の左右駆動力配分装置にのみに適用されるものではなく、車両若しくは車両以外の油圧ポンプ及び油圧ポンプを駆動するための駆動源を備えた装置全てに適用することが可能である。
本発明が適用された車両の左右駆動力配分装置の断面図である。 同例における車両の左右駆動力配分装置の一変形例を示した断面図である。 (a)は、図1中のポンプ軸に発生する撓み量を示した模式図、(b)は、同例におけるポンプ軸に中間軸受部材を配設した場合の撓み量を示した模式図である。 図2中のポンプ軸に発生する撓み量を示した模式図である。 従来の車両の左右駆動力配分装置の断面図である。 ドライブシャフトとポンプ軸とを並列配置した従来の車両の左右駆動力配分装置の断面図である。 図6中のポンプ軸の撓み量を示した模式図である。
符号の説明
23 ドライブシャフト(駆動力伝達軸、駆動源)
24 デフケース(駆動源)
25 左の車軸
26 右の車軸
27 差動機構
28 油圧モータ
29 油圧ポンプ
30 ハウジング
42 ポンプ軸
43 ベアリング(支持部材)
44 オイルポンプカバー(支持部材)
45 駆動ギヤ(一対のギヤ)
46 従動ギヤ(一対のギヤ)
48 ワンウェィクラッチ
50 斜板(油圧発生源)
51 プランジャ(油圧発生源)
55 油路
57 ワンウェィバルブ
58 第3の貯留室(共用化作動油貯留室)
100 左右駆動力配分装置
F1 油圧発生による反力
F2,F3 駆動伝達による反力

Claims (4)

  1. 駆動力伝達軸を介してエンジン駆動力が伝達される回転可能なデフケースと、前記デフケースに入力された駆動力を左右の車軸に分配する差動機構と、前記左右の車軸間に必要に応じて相対的な回転力を付与する油圧モータと、前記駆動力伝達軸或いは前記デフケースのうち何れか1つを駆動源として前記油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプと、を備えた車両の左右駆動力配分装置において、
    前記油圧ポンプのポンプ軸は、両端部が支持部材により回転可能に支持された状態で位置決め固定されていると共に、これら2つの固定点の間には、前記駆動源が前記油圧ポンプ軸を駆動するための一対のギヤが設けられ、
    前記一対のギヤの一方は、駆動ギヤとして前記駆動源に一体的に設けられていると共に、前記一対のギヤの他方は前記駆動ギヤに噛み合う従動ギヤとして前記ポンプ軸の一端部側に連なり、
    前記支持部材の一方は前記油圧モータに連なる油路が形成されたオイルポンプカバーであると共に、前記油路は、前記油圧ポンプから油圧モータに向けて予め設定された設定時間あたり予め設定された設定量の作動油の供給のみ許可する流量制御弁を備えている
    ことを特徴とする車両の左右駆動力配分装置。
  2. 駆動力伝達軸を介してエンジン駆動力が伝達される回転可能なデフケースと、前記デフケースに入力された駆動力を左右の車軸に分配する差動機構と、前記左右の車軸間に必要に応じて相対的な回転力を付与する油圧モータと、前記駆動力伝達軸或いは前記デフケースのうち何れか1つを駆動源として前記油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプと、を備えた車両の左右駆動力配分装置において、
    前記油圧ポンプは、前記駆動源の側方に近接し、且つ前記油圧ポンプのポンプ軸と前記駆動源の回転軸とがほぼ平行となる位置に配設され、前記ポンプ軸の両端部が支持部材により回転可能に支持された状態で位置決め固定されていると共に、これら2つの固定点の間には、前記駆動源が前記ポンプ軸を駆動するための一対のギヤが設けられ、
    前記一対のギヤの一方は、駆動ギヤとして前記駆動源に一体的に設けられていると共に、前記一対のギヤの他方は前記駆動ギヤに噛み合う従動ギヤとして前記ポンプ軸の一端部側に連なり、
    前記支持部材の一方は前記油圧モータに連なる油路が形成されたオイルポンプカバーであると共に、前記油路は、前記油圧ポンプから油圧モータに向けて予め設定された設定時間あたり予め設定された設定量の作動油の供給のみ許可する流量制御弁を備えている
    ことを特徴とする車両の左右駆動力配分装置。
  3. 前記油圧ポンプの油圧発生源及び前記一対のギヤを収納すると共に、共用化された前記油圧ポンプの油圧発生源用及び前記一対のギヤ用の作動油が貯留される共用化作動油貯留室を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の左右駆動力配分装置。
  4. 前記一対のギヤのうち駆動ギヤ側に、車両の前進時のみ前記ポンプ軸を回転させるワンウェイクラッチを備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の車両の左右駆動力配分装置。
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