JPH1172157A - 無段変速機 - Google Patents

無段変速機

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JPH1172157A
JPH1172157A JP23386697A JP23386697A JPH1172157A JP H1172157 A JPH1172157 A JP H1172157A JP 23386697 A JP23386697 A JP 23386697A JP 23386697 A JP23386697 A JP 23386697A JP H1172157 A JPH1172157 A JP H1172157A
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transmission
output shaft
pressure
hydraulic
hydraulic pressure
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Kenji Kinoue
憲嗣 紀ノ上
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発進時および低速走行時の出力軸トルクの増
大を図る。 【解決手段】 静液圧式トランスミッション4の液圧ポ
ンプ5の吐出液圧が所定の設定圧を越えたときに、機械
式トランスミッション3の回転と静液圧式トランスミッ
ション4の回転とを接続するために互いに噛み合う1対
の接続歯車66,76の噛合い部に、液圧ポンプ5の吐
出液圧を供給する機構21a,21b,22a,22b
を備えることにより、歯車モータ21を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バス、トラック、
各種建設機械、もしくは、各種産業機械等に用いられる
無段変速機に関し、特に、流体の静圧エネルギーを利用
する静液圧式トランスミッション(Hydro Static Trans
mission ; 以下、「HST」と記す)と、機械式トラン
スミッション(以下、「MT」と記す)とを、遊星歯車
機構等を介して組合せることにより、無段階で連続した
変速を行なうようにした、ハイドロメカニカルトランス
ミッション(Hydro Mechanical Transmission ; 以下、
「HMT」と記す)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種の無段変速機として
は、米国特許第4,341,131号公報、もしくは、
特開昭54−35560号公報により提案されたものが
知られている。この従来の無段変速機は、図5に示すよ
うに、可変斜板51を有する液圧ポンプ5と固定斜板6
1を有する液圧モータ6とを互いに結合させたHST
4、第1および第2の2つの遊星歯車機構7,8、これ
らの各遊星歯車機構7,8の作動条件を切換えるための
第1〜第3の3つのクラッチ機構10,11,12等を
備えたMT3とを組合せたものである。この無段変速機
は、第1および第2の遊星歯車機構7,8の各歯数比の
関係を特定の条件に設定し、かつ、3つの運転モードに
分けて運転する場合の各モード切換えの際に、可変斜板
51を固定斜板と同じ斜板角度(最大斜板角度)とする
等の条件の下で変速制御を行なうものである。
【0003】通常、このようなHMTにおいては、図6
に示すように、液圧ポンプ5の可変斜板51がHMTの
変速比に応じて第1〜第3の3つの運転モード(図6で
はM1,M2,M3と表示)に分けて変更制御され、こ
れにより、たとえばエンジン等の駆動源からHMTの入
力軸1に入力される一定回転数の回転が、HMTの出力
軸2に対して、回転数を無段階かつ連続的に変化させて
伝達されるようにシステムが設計されている。この場
合、可変斜板51は、図6に2点鎖線で示すように、第
1〜第3の各運転モードにおいて、最大斜板角度(たと
えば17度)位置と、中立位置(斜板角度ゼロ)との間
で、斜板角度が一定の増減変更比率で徐々に増減変更制
御される。一方、液圧モータ6の固定斜板61の角度
は、図6に一点鎖線で示すように、常に上記最大斜板角
度に設定されている。そして、可変斜板51が固定斜板
61と同じ最大斜板角度になる変速位置(図6において
IおよびIII で示す回転数と対応する変速比の位置)に
おいて、第1運転モードから第2運転モードへの切換
え、および、第2運転モードから第3運転モードへの切
換えが行なわれる。
【0004】ところで、この種の無段変速機において
は、定速走行を維持する場合の伝達効率を向上するため
に、HST4を介した動力伝達を遮断して入力軸1から
出力軸2への伝達をMT3のみを介したものに切換え
る、いわゆるロックアップ運転を行わせることがある。
上記従来の3つの運転モードの無段変速機の場合、バイ
パス軸15という特別な機構を追加しても、ロックアッ
プ作動点として図6においてI〜Vで示す5つの回転数
に制限されていたために、特に低変速比域での相隣接す
るロックアップ作動点間の効率の大幅な低下を招く上
に、エンジン回転数の大幅な変動に伴い運転者に違和感
を感じさせるという問題があった。
【0005】そこで本発明者らは、平成8年3月12日
出願の特願平8−54434号において、ロックアップ
作動点を増加してロックアップ運転時の変速効率の向上
を図った、図7に示す4つの運転モードの無段変速機を
すでに提案した。図7において、図5に示した従来の無
段変速機と共通または相当の要素には、共通の参照符号
をつけて、その詳細な説明を省略する。
【0006】この4つの運転モードの無段変速機は、図
7に示すように、第1および第2の遊星歯車機構7,8
に加えて第3の遊星歯車機構115を有するとともに、
これらの各遊星歯車機構7,8の作動条件を切換えるた
めに、第1〜第3のクラッチ機構10,11,12に加
えて第4および第5のクラッチ機構13,14を有する
ことにより、4つの運転モードに切換え可能にしてい
る。また、可変斜板51の斜板角度の増減変更制御等を
行なうロックアップ作動制御手段18を備えることによ
り、ロックアップ作動点を、図5に示した従来の3つの
運転モードの無段変速機の場合に対して、HSTの大型
化を招くことなく、しかもHMT全体としての出力増大
を図りつつ、ロックアップ作動点の増大を実現し、ロッ
クアップ運転時の変速効率の向上を達成している。
【0007】この無段変速機に用いられるHST4の作
動原理の概略は、図8を参照して次のように説明され
る。エンジンからの回転が入力軸1,歯車114および
歯車56を介してポンプ軸52に伝達されても、可変斜
板51が中立位置Nに位置している場合には、液圧ポン
プ5の各ピストン54がストロークしないため、各シリ
ンダ54a内の作動油は液圧モータ6側には吐出されず
に、シリンダブロック53は空転状態になる。ところ
が、可変斜板51が最大傾斜位置M側に傾くと、その斜
板角度に応じて各ピストン54がストロークし、このス
トロークに応じた吐出量の圧油が一方のキドニー55a
(または55b)および一方の連通管57a(または5
7b)を通して、液圧モータ6の各シリンダ室64aに
吐出されることになる。この吐出量の圧油を受けた液圧
モータ6の各ピストン64が傾斜状態の固定斜板61を
押すことにより、シリンダブロック63が上記吐出量に
応じた回転数で回転し、この回転が、図7に示すよう
に、モータ軸62,歯車66および歯車76を経て第1
太陽歯車71に伝達される。
【0008】液圧モータ6の各ピストン64に吐出され
た圧油は、シリンダブロック3から他方のキドニー65
b(または65a)および他方の連通管57b(または
57a)を通して液圧ポンプ5側に戻される。この際、
可変斜板51が(+)側の最大傾斜位置M側の斜板角度
であると、液圧モータ6のシリンダブロック63は入力
回転と同方向に正転し、逆に、可変斜板51が(−)側
の最大傾斜位置M´側の斜板角度であると、液圧モータ
6のシリンダブロック63は入力回転と逆方向に逆転す
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
構造を有するHMTからなる無段変速機には、図9に基
づいて説明される、次のような問題があった。なお、図
9(a)(b)においては、第1〜第4の4つの運転モ
ードをM1〜M4の記号で標記している。また、図9
(b)のグラフにおける各線は、次の各状態での最大出
力軸トルクの推移を表している。 (i) 細い1点鎖線で示す曲線:エンジンの最大トルクが
HMTによりすべて伝達されたと仮定したときの最大出
力軸トルク、すなわちエンジンの最大トルクにHMTで
の減速比を乗じた値の推移。 (ii)太い破線で示す曲線: 第1および第2運転モードの
切り換え点を作動点とするロックアップ運転状態での最
大出力軸トルクの推移。 (iii) 太い2点鎖線で示す曲線(一部水平な直線部を含
む): HMTが通常運転状態(非ロックアップ状態)に
おける最大出力軸トルクの推移。 (iv)運転モード切り換えごとに正負に反転する矩形波状
の細い実線:HSTの最大トルクの推移。
【0010】HMTによる最大伝達トルクThmt は、H
STの最大伝達トルクThst (液圧モータ6を回転させ
るための液圧であるいわゆるメイン圧力、すなわち、液
圧ポンプ5と液圧モータ6とを接続する連通管57a,
57bのうちの高圧側の液圧が、許容最高圧力となる時
のトルク)にMTでの減速比を乗じたものとして、次の
式(1)で表わされる。
【0011】
【数1】
【0012】上記式(1)のR1は歯車66,76によ
る減速比を、R2は太陽歯車71および内歯歯車73に
よる減速比を表し、R1*R2はMTによる減速比を表
すことになる。
【0013】中高速域、すなわち、第2運転モードの中
央から高速域側においては、HMTの最大出力トルクが
エンジン最大出力よりも大きいために、図9(b)にお
いて太い2点鎖線で示すように、HMT通常運転状態で
の最大出力軸トルクは、エンジン最大トルクをすべて伝
達し、エンジン最大トルクに基づく出力軸トルクの双曲
線に沿って変化する。すなわち、出力軸回転数が増加す
るにしたがって最大出力軸トルクが双曲線状に減少して
いる中高速領域では、HST作動圧力に余裕があるため
に、エンジンの出力限界によって最大出力軸トルクが決
まっており、特に問題は生じない。
【0014】しかしながら、第2運転モードの中央より
も低速域では、HST作動圧力が上限に達しているため
に、エンジン出力に余裕があっても、それ以上最大出力
軸トルクは増加せず、図9(b)に示すように、HMT
通常運転状態での最大出力軸トルクがほぼ一定の値で推
移する。そのため、低速域において車両に十分な登坂力
を与えるためには、出力軸のトルクが十分ではない。
【0015】このような低速域におけるトルク不足を補
うための方策として、第1運転モードと第2運転モード
との切り換え点における変速比において、通常運転から
ロックアップ運転に切り換えて、MTを出力軸に直結し
た状態で発進することが考えられる。この発進モードに
おいては、たとえば、第1のクラッチ機構10を係合し
た状態でエンジンの回転数を漸増させ、エンジンの発生
トルクを大きくし、さらに第2のクラッチ機構11の作
動液圧を徐々に昇圧させることによって行なわれる。こ
の場合、第2のクラッチ機構11のクラッチが滑りなが
ら、液圧上昇によって伝達トルクも増大し、出力軸トル
クが負荷トルクを越えれば車両発進し、やがて、滑って
いたクラッチが液圧の上昇により完全に係合する。
【0016】このようなロックアップ運転による発進の
場合、図9(b)において太い破線で示すように、低速
域においてHMT最大トルクよりも出力軸トルクの増大
が図れる。しかしながらこの場合においても、得られる
最大の出力軸トルクは、クラッチの滑りが生じる時点で
上限に達し、この出力軸トルクの上限値は、このロック
アップ運転モードにおける変速比(4モードのHMTに
おいては11%)およびエンジン出力トルクによって制
限される。そのために、低速域においてやはり十分な出
力軸トルクが得られない場合もある。また、停止位置か
らクラッチを滑らせて発進するため、クラッチが吸収す
べき滑りエネルギーも大きく、エンストや急発進の原因
になり得る。
【0017】一方、出力軸トルクを大きくするために
は、HSTの容量またはMTでの減速比を上げることが
必要であるが、後者の場合はHSTの許容回転数の制限
があり、前者の場合には重量・コストの増大や無負荷損
失の増大による、部分負荷時効率、すなわち、平坦路の
定速走行などのようにエンジン出力の最大値を使わない
時の負荷効率が低下するという問題もある。
【0018】この発明は、上記従来の問題点を解消する
ため、HSTの容量またはMTでの減速比を上げること
なく、低速域における出力軸トルクを増大することので
きるHMTを備えた無段変速機を提供することを目的と
する。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する請求
項1に記載の本発明の無段変速機は、動力源に接続され
る入力軸1と、出力軸2と、入力軸1と出力軸2との間
に介装されたMT3と、入力軸1および出力軸2に対し
て並列に配設されるとともに、入力側が入力軸1に接続
され、出力側がMT3を介して出力軸2に接続されたH
ST4とを備え、さらに、MT3の回転とHST4の回
転とを接続するための互いに噛み合う1対の接続歯車6
6,76の噛合い部に、HST4の液圧ポンプ5の吐出
液圧が所定の設定圧を越えたときにその吐出液圧を供給
することによって、該1対の接続歯車66,76を駆動
する、歯車駆動手段を含む。
【0020】この構成によれば、出力トルクが過大とな
ってHST4の液圧ポンプ5の吐出液圧が所定の設定圧
を越えると、この吐出液圧が1対の接続歯車66,76
の噛合い部に供給され、それによって、歯車モータの原
理によってこれらの1対の接続歯車66,76が回転駆
動される。その結果、HST4による伝達トルクが限界
値を越えた場合においても、この歯車駆動手段による駆
動トルクが付加されて、HMTによる最大伝達トルクを
増大させることができる。
【0021】本発明の無段変速機は、より具体的には、
請求項2に記載のように、動力源に接続される入力軸1
と、出力軸2と、入力軸1と出力軸2との間に介装さ
れ、複数のクラッチ機構10,11,12および複数の
遊星歯車機構7,8を含むMT3と、入力軸1および出
力軸2に対して並列に配設されるとともに、入力側が入
力軸1に接続され、出力側がMT3を介して出力軸2に
接続されたHST4とを備え、HST4は、可変斜板5
1の斜板角度の増減変更制御により、入力軸1からポン
プ軸52に入力する回転力を所定の吐出液圧に変換する
入力側の液圧ポンプ5と、所定の傾斜状態の斜板61に
より液圧ポンプ5から液連通路57a,57bを介して
供給される吐出液圧を回転力に変換してモータ軸62を
回転させる出力側の液圧モータ6とを有し、通常運転に
おいてMT3とHST4とを変速比に応じて複数の運転
モードに別けて作動させることにより、入力軸1に入力
する入力回転を無段階に変速させて出力軸2に伝達する
ように構成された無段変速機であって、MT3の回転と
HST4の回転とを接続するために互いに噛み合う1対
の接続歯車66,76の噛み合い部の近傍に、該1対の
接続歯車間に液圧を供給可能なように液圧作動室26
a,26bを形成するとともに、液連通路57a,57
bと液圧作動室26a,26bとの間を接続する液圧供
給路22a,22bの途中にリリーフ弁23a,23b
を配設することにより、液圧ポンプ5の吐出液圧がリリ
ーフ弁23a,23bの作動圧力を越えた状態で、該吐
出液圧によって駆動される歯車モータを構成したもので
ある。
【0022】このように構成された本実施の形態のHM
Tは、次のように動作する。HST4の可動斜板51が
傾いた状態で液圧モータ6が駆動されると、液圧ポンプ
5と液圧モータ6との間の一方の連通管57a内の液圧
が上昇する。出力トルクが過大となってHSTのメイン
圧が上昇し、リリーフ弁23a(または23b)の作動
圧力を越えると、このリリーフ弁23a(または23
b)から圧液が排出されて、この圧液が連通管22a
(または22b)を介して、歯車モータ構成部21の一
方の液圧作動室26a(または26b)に供給される。
【0023】このようにして液圧作動室26a(または
26b)に液圧が供給されることにより、周知の歯車モ
ータの原理にしたがって、液圧作動室26a(または2
6b)内の歯車66,76間の噛み合い部の隙間の容積
が増加する方向に、歯車66,76が回転駆動される。
その結果、HST4の伝達トルクと同方向のHMTの伝
達トルクが増大することになる。また、出力トルクが低
下して、HSTのメイン圧がリリーフ弁23a,23b
の作動圧力以下になると、リリーフ弁23a,23bか
らの液圧の漏洩が停止して自動的に歯車モータの駆動が
停止する。
【0024】本発明の好ましい実施例においては、請求
項3に記載のように、リリーフ弁23a,23bと液連
通路57a,57bとの間の液圧供給路22a,22b
に、リリーフ弁23a,23bよりも作動圧力を高く設
定した他のリリーフ弁24a,24bを接続することに
より、リリーフ弁23a,23bと液連通路57a,5
7bとの間の液圧が他のリリーフ弁24a,24bの作
動圧力を越えた場合に、該他のリリーフ弁24a,24
bを介して圧液を自由流出させることを可能にしてい
る。
【0025】このような構成を採用することによって、
負荷が大きすぎるために歯車モータを使用してもHMT
を駆動できない場合は、増設した他のリリーフ弁24
a,24bから液圧を逃がすことによって、HSTを高
圧から保護され、過大な負荷によるHMTの破損が防止
される。
【0026】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)以下、この発明の実施の形態1につい
て、図1ないし図3に基づいて説明する。図1には、図
7に示した4つの運転モードを有するHMTに本発明を
適用した実施の形態を、HMT全体について概略かつ模
式的に示しており、本発明に関連する付加的な構成部分
以外は、図7に示したHMTの構成と同様である。した
がって、図7のHMTと共通の構成要素については、図
1においても同一の参照符号を付して、その詳細な説明
を省略する。
【0027】図1に示された本実施の形態のHMTが図
7に示されたものと相違しているのは、液圧モータ6の
モータ軸62に直結された歯車66と第1太陽歯車71
に直結された歯車76との噛み合い部に、歯車モータ構
成部21を設けるとともに、HST4の液圧ポンプ5の
液圧を供給する連通管22a,22bと、これらの連通
管22a,22bのそれぞれに介装されて、液圧ポンプ
5から歯車モータ構成部21への液圧の供給を規制する
高圧リリーフ弁23a,23bとが配設されている点の
みである。
【0028】歯車モータ構成部21は、図2(a)
(b)に示すように、歯車66と歯車76との噛み合い
部をその両側(図2(a)における左右)から、歯車6
6,76の両側面とはわずかな隙間を介して、1対の板
状部21a,21bで挟むとともに、これらの板状部2
1a,21bの両端(図2(b)における左右両端)近
傍において挟まれた1対の略三角形状部21c,21d
によって、歯車66と歯車76との噛み合い部の前後
(図2(b)における左右)を閉鎖する構成を有してい
る。1対の板状部21a,21bおよび1対の略三角形
状部21c,21dによって囲まれた、歯車66,76
の噛み合い部の前後近傍には、1対の液圧作動室26
a,26bが形成され、これらの液圧作動室26a,2
6bに、連通管22a,22bがそれぞれ接続される。
【0029】このように構成された本実施の形態のHM
Tは、次のように動作する。HST4の可動斜板51が
(+)側に傾いた状態で液圧モータ6が駆動されると、
液圧ポンプ5と液圧モータ6との間の一方の連通管57
a内の液圧が上昇する。出力トルクが過大となってHS
Tのメイン圧が上昇し、リリーフ弁23aの動作設定値
を越えると、このリリーフ弁23aから圧液が排出され
て、この圧液が連通管22aを介して、歯車モータ構成
部21の一方の液圧作動室26aに供給される。
【0030】このようにして液圧作動室26aに液圧が
供給されることにより、周知の歯車モータの原理にした
がって、液圧作動室26a内の歯車66,76間の噛み
合い部の隙間の容積が増加する方向、すなわち矢印A
1,A2で示す方向に、歯車66,76が回転駆動され
る。その結果、HST4の出力トルクと同方向のHMT
の出力トルクが増大することになる。この歯車モータに
よって得られる出力トルクは、HST4自体の最大出力
トルクの3倍〜5倍、回転数は1/3〜1/5倍程度で
ある。
【0031】HST4の可動斜板51が、上記とは逆に
(−)側に傾いた状態で液圧モータ6が駆動されると、
液圧ポンプ5と液圧モータ6との間の他方の連通管57
b内の液圧が上昇する。出力トルクが過大となってHS
Tのメイン圧が上昇し、リリーフ弁23bの動作設定値
を越えると、このリリーフ弁23bから圧液が排出され
て、この圧液が連通管22bを介して、歯車モータ構成
部21の他方の液圧作動室26bに供給される。
【0032】このようにして液圧作動室26bに液圧が
供給されることにより、今度は液圧作動室26b内の歯
車66,76間の噛み合い部の隙間の容積が増加する方
向、すなわち矢印B1,B2で示す方向に、歯車66,
76が回転駆動される。その結果、やはりHST4の出
力トルクと同方向のHMTの出力トルクが増大すること
になる。
【0033】本実施の形態を用いた場合の、図9(b)
に対応する特性、すなわち、本実施の形態におけるHM
Tの、出力軸回転数(または変速比)の増加に伴う出力
軸トルクの推移を、図3のグラフに示す。モード切り換
えに伴う変速比および可変斜板の斜板角の変化と出力軸
回転数との関係については、本実施の形態の場合も図9
(a)と共通であるため、省略している。
【0034】図3のグラフにおいて、細い1点鎖線,太
い破線,太い2点鎖線で示す各線は、図9(b)のグラ
フにおける対応する各線と同旨の最大出力軸トルクの推
移を示している。太い直線で示した部分は、本実施の形
態特有の特性であり、第1の運転モード(M1)におい
て本実施の形態における歯車モータが作動した状態の、
最大出力軸トルクの推移を示している。
【0035】このように、本実施の形態のHMTの構成
によれば、第1運転モードの低速領域における最大出力
トルクを大幅に増大させることが可能となる。すなわ
ち、HST4のメイン圧が許容最大圧力に達してほぼ水
平に推移する最大の出力軸トルクの上限値を、歯車モー
タの駆動トルク分だけ上昇する。よって、図3に示した
本実施の形態の特性を利用して車両の発進を行なうこと
により、緊急脱出時の迅速な発進なども容易に行えるよ
うになり、安全性が向上する。また、図3において太い
破線で示したロックアップ運転状態を利用した発進モー
ドにおいては、前段階に本実施の形態の歯車モータを作
動させることにより、最大出力トルクの上限値が増大す
るだけでなく、ロックアップ運転状態に移行する時点で
は出力軸やMT軸の回転数が上がっているために、クラ
ッチの係合によるエンストやクラッチの滑りの発生が抑
制される。
【0036】また、本実施の形態の歯車モータによって
トルクの増大が可能になるために、HSTに対する最大
伝達トルクの要求が低減されることになり、HSTの小
型計量化およびコストの低減が図られるとともに、特に
低負荷運転における効率の向上を図ることができる。
【0037】出力トルクが低下して、HSTのメイン圧
がリリーフ弁23a,23bの作動圧力以下になると、
リリーフ弁23a,23bからの液圧の漏洩が停止し
て、歯車66,76間に設けられた液圧作動室26a,
26bへの液圧の供給がなくなるため、自動的に歯車モ
ータの駆動が停止し、歯車モータの補助的トルクを併用
しない運転状態に復帰する。
【0038】(実施の形態2)次に、本発明の実施の形
態2について、図4に基づいて説明する。なお、図4に
おいては、図1に示した上記実施の形態1の構成と同一
または相当の要素については、同一の参照符号を付し
て、その詳細な説明を省略する。
【0039】本実施の形態のHMTが上記実施の形態1
と異なるのは、高圧リリーフ弁23aおよび23bと歯
車モータ部21との間の位置の連通管22a,22bの
それぞれに、高圧リリーフ弁23aおよび23bよりも
作動圧力を高圧に設定した他の高圧リリーフ弁24aお
よび24bをさらに設けて、HSTのメイン圧がこれら
の高圧リリーフ弁24aおよび24bの設定作動圧力を
越えた場合に、圧油を逃がしてオイルタンク25a,2
5bに回収するようにしたものである。
【0040】上記実施の形態1の構成においても設けら
れている通常の高圧リリーフ弁23a,23bの作動圧
力をたとえば50Paとすると、これらの高圧リリーフ
弁23a,23bから逃がした液圧は、最大50Paの
圧力で歯車モータ部21を駆動することになる。しかし
なら、歯車モータ部21における液圧による駆動の負荷
抵抗がこの最大圧力を上回ると、高圧リリーフ弁23
a,23bの2次側、すなわち高圧リリーフ弁23a,
23bと歯車モータ部21との間における液圧が50P
a以上となり、しかも高圧リリーフ弁23a,23bか
ら液圧を逃がせないことから、HSTを高圧から保護で
きないことになる。
【0041】そこで、高圧リリーフ弁23a,23bと
歯車モータ部21との間の位置の連通管22a,22b
のそれぞれに、作動圧力がたとえば55Paの高圧リリ
ーフ弁24a,24bを増設することによって、高圧リ
リーフ弁を2段構成とし、高圧リリーフ弁23a,23
bの2次側の液圧が55Paを越えた場合に、増設した
高圧リリーフ弁24,24bから圧油を自由流出させる
ようにしたのが、本実施の形態の構成である。すなわ
ち、本実施の形態のHMTの構成により、負荷が大きす
ぎるために歯車モータ21を使用してもHMTを駆動で
きない場合は、増設した高圧リリーフ弁24a,24b
から液圧を逃がすことによって、HSTを高圧から保護
することができる。
【0042】なお、上記各実施の形態の開示は例示に過
ぎないものであって、本発明の範囲を制限するものでは
なく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、
特許請求の範囲に均等の意味および範囲内でのすべての
変更が含まれることが意図される。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1あるいは請
求項2に記載の本発明の無段変速機によれば、出力トル
クが過大となってHST4の液圧ポンプ5の吐出液圧が
所定の設定圧を越えると、この吐出液圧が1対の接続歯
車66,76の噛合い部に供給され、それによって、歯
車モータの原理によってこれらの1対の接続歯車66,
76が回転駆動される。したがって、HST4による伝
達トルクが限界値を越えた場合においても、この歯車モ
ータによる駆動トルクが付加されて、HMTによる最大
伝達トルクを増大させることができる。
【0044】その結果、HSTの容量を増大することな
く、特に低速走行モードにおけるHMTによる最大伝達
トルクを増大させることが可能になって、発進時の出力
軸トルクの増大による緊急脱出の容易化などを図ること
ができる。また、歯車モータを付加することによって、
仕様決定段階におけるHST4自体の最大伝達トルクに
対する要求が緩和されるため、HST4の小型化が可能
となり、重量コストの低減や、特に低負荷時の効率の向
上が図られる。
【0045】また、請求項3に記載のようなリリーフ弁
の2段構成を採用することによって、負荷が大きすぎる
ために歯車モータを使用してもHMTを駆動できない場
合において、増設した他のリリーフ弁24a,24bか
ら液圧を逃がすことにより、HSTを高圧から保護する
ことができる。その結果、過大な負荷によるHMTの破
損が防止されるとともに、HMTを適用した車両の安全
性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1における無段変速機の
概略全体構成を模式的に示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1における無段変速機
の、HSTおよび歯車モータ構成部近傍のみを模式的に
示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1における無段変速機の
出力軸トルクの推移を、出力軸回転数(または変速比)
を横軸にとって示す図である。
【図4】この発明の実施の形態2における無段変速機
の、HSTおよび歯車モータ構成部近傍のみを模式的に
示す図である。
【図5】3つの運転モードを有する従来の無段変速機の
構成を示す模式図である。
【図6】図1に示した無段変速機における、可変斜板5
1および固定斜板61の斜板角度とHMT変速比との関
係、ならびに、入力軸1および出力軸2の回転数とHM
T変速比との関係を、互いに関係付けて示す説明図であ
る。
【図7】本発明者らが特願平8−54434号において
すでに提案した、4つの運転モードを有する無段変速機
を模式的に示す図である。
【図8】(a)は、図7に示した無段変速機に用いられ
るHSTの構造を簡略化して示す断面図、(b)は、
(a)のC−C線およびD−D線における各非回転ブロ
ック55,65の断面を、連通管57a,57bによる
接続の態様を含めて模式的に示す説明図である。
【図9】(a)は、図7に示した4つの運転モードの無
段変速機に用いられるHMTの、モード切り換えに伴う
変速比および可変斜板の斜板角の変化を、出力軸回転数
を横軸にとって示す図、(b)は、同じ無段変速機のH
MTの出力軸トルクの推移を、出力軸回転数(または変
速比)を横軸にとって示す図である。
【符号の説明】
1 入力軸 2 出力軸 3 MT(機械式トランスミッション) 4 HST(静液圧式トランスミッション) 5 液圧ポンプ 6 液圧モータ 7 第1遊星歯車機構 8 第2遊星歯車機構 10 第1クラッチ機構 11 第2クラッチ機構 12 第3クラッチ機構 13 第4クラッチ機構 14 第5クラッチ機構 21 歯車モータ構成部 22a,22b 連通管 23a,23b 高圧リリーフ弁(リリーフ弁) 24a,24b 増設した高圧リリーフ弁(他のリリー
フ弁) 26a,26b 液圧作動室 51 可変斜板 52 ポンプ軸 61 固定斜板 62 モータ軸 66,76 歯車

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動力源に接続される入力軸(1)と、出
    力軸(2)と、前記入力軸(1)と前記出力軸(2)と
    の間に介装された機械式トランスミッション(3)と、
    前記入力軸(1)および前記出力軸(2)に対して並列
    に配設されるとともに、入力側が前記入力軸(1)に接
    続され、出力側が前記機械式トランスミッション(3)
    を介して前記出力軸(2)に接続された静液圧式トラン
    スミッション(4)とを備えた無段変速機であって、 前記機械式トランスミッション(3)の回転と前記静液
    圧式トランスミッション(4)の回転とを接続するため
    の互いに噛み合う1対の接続歯車(66,76)の噛合
    い部近傍に、前記静液圧式トランスミッション(4)の
    液圧ポンプ(5)の吐出液圧が所定の圧力を越えたとき
    に、その吐出液圧を供給することによって、該1対の接
    続歯車(66,76)を駆動する、歯車駆動手段を含
    む、無段変速機。
  2. 【請求項2】 動力源に接続される入力軸(1)と、出
    力軸(2)と、前記入力軸(1)と前記出力軸(2)と
    の間に介装され、複数のクラッチ機構(10,11,1
    2)および複数の遊星歯車機構(7,8)を含む機械式
    トランスミッション(3)と、前記入力軸(1)および
    前記出力軸(2)に対して並列に配設されるとともに、
    入力側が前記入力軸(1)に接続され、出力側が前記機
    械式トランスミッション(3)を介して前記出力軸
    (2)に接続された静液圧式トランスミッション(4)
    とを備え、 前記静液圧式トランスミッション(4)は、可変斜板
    (51)の斜板角度の増減変更制御により、前記入力軸
    (1)からポンプ軸(52)に入力する回転力を所定の
    吐出液圧に変換する入力側の液圧ポンプ(5)と、所定
    の傾斜状態の斜板(61)により前記液圧ポンプ(5)
    から液連通路(57a,57b)を介して供給される吐
    出液圧を回転力に変換してモータ軸(62)を回転させ
    る出力側の液圧モータ(6)とを有し、 通常運転において前記機械式トランスミッション(3)
    と前記静液圧式トランスミッション(4)とを変速比に
    応じて複数の運転モードに別けて作動させることによ
    り、前記入力軸(1)に入力する入力回転を無段階に変
    速させて前記出力軸(2)に伝達するように構成された
    無段変速機であって、 前記機械式トランスミッション(3)の回転と前記静液
    圧式トランスミッション(4)の回転とを接続するため
    に互いに噛み合う1対の接続歯車(66,76)の噛み
    合い部の近傍に、該1対の接続歯車間に液圧を供給可能
    なように液圧作動室(26a,26b)を形成するとと
    もに、前記液連通路(57a,57b)と前記液圧作動
    室(26a,26b)との間を接続する液圧供給路(2
    2a,22b)の途中にリリーフ弁(23a,23b)
    を配設することにより、前記液圧ポンプ(5)の前記吐
    出液圧が前記リリーフ弁(23a,23b)の作動圧力
    を越えた状態で、該吐出液圧によって駆動される歯車モ
    ータを構成した、無段変速機。
  3. 【請求項3】 前記リリーフ弁(23a,23b)と前
    記液連通路(57a,57b)との間の前記液圧供給路
    (22a,22b)に、前記リリーフ弁(23a,23
    b)よりも作動圧力を高く設定した他のリリーフ弁(2
    4a,24b)を接続することにより、前記リリーフ弁
    (23a,23b)と前記液連通路(57a,57b)
    との間の液圧が前記他のリリーフ弁(24a,24b)
    の作動圧力を越えた場合に、該他のリリーフ弁(24
    a,24b)を介して圧液を自由流出させることを可能
    にした、請求項2記載の無段変速機。
JP23386697A 1997-08-29 1997-08-29 無段変速機 Withdrawn JPH1172157A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008180241A (ja) * 2007-01-23 2008-08-07 Fuji Heavy Ind Ltd 車両の左右駆動力配分装置
CN107893838A (zh) * 2017-11-21 2018-04-10 河南科技大学 一种大功率车辆用多段多模式无级变速器

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