JP4838101B2 - 現像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、画像形成装置に設けられた像担持体の周面に現像剤を供給する現像装置に関するものであり、特に組み付け作業やメンテナンス作業を支障なく効率的に行う上で有用な構造を備えた現像装置に関するものである。
複写機やプリンタ等の画像形成装置に装着される現像装置は、当該現像装置のハウジング内に装填されている現像剤を現像ローラのローラ軸回りの回転によって当該現像ローラの周面から軸心回りに回転している感光体ドラム(像担持体)の周面に供給し、これによって感光体ドラムの周面に予め形成されている静電潜像に沿ったトナー像を形成させるようになされている。
かかる現像装置にあっては、通常、特許文献1に記載されているように、現像ローラに非回転の円柱状磁石が内装され、この円柱状磁石の周面に沿って現像ローラが回転するようになっている。円柱状磁石の周面にはN極とS極とが周方向に交互に設定され、これによって現像ローラの外周面に接した空間には、N極とS極との間に生じた磁束が架け渡されている。従って、ハウジング内の現像剤は、前記磁束に誘引されて現像ローラの周面に吸着され、現像ローラの軸心回りの回転により感光体ドラムの周面に対向した位置まで運ばれ、その後、感光体ドラムの周面に供給される。
特開平5−346731号公報
このような現像ローラを製造工程でハウジングに組み付ける際や、すでにハウジングに装着された現像ローラをハウジングから取り出してメンテナンス作業を行う際には、現像ローラを作業の都合上所定の作業台上に載置することが行われるが、このとき、現像ローラが作業台上で転動することによって作業性が損なわれたり、現像ローラの周面が作業台の表面に直接接触して当該周面に悪影響を与えたりするという問題点を有している。
また近年、現像ローラの上流側に上流側現像ローラを設け、上流側現像ローラによって汲み上げられた現像剤を現像ローラの周面に移し、この現像ローラから感光体ドラムに現像剤を供給するようになされたものが提案されている。このように現像ローラの上流側に上流側現像ローラを設けることにより、感光体ドラムと対向した現像ローラ周面の現像剤の乗り具合が、両者間での現像剤の受け渡し時の平準化作用でより均等になり、現像剤が偏りのない状態で感光体ドラムの周面に供給されるため、感光体ドラムの周面にはより良好なトナー像が形成されるという利点が得られる。
しかしながら、現像ローラの上流側に磁極が形成された上流側現像ローラを設けると、特に現像ローラにも対向磁極が形成されているような場合には、両現像ローラをハウジングに装着するに際し、これらに内装されている各磁極同士が互いに反発し合うため、両者の相対的な位置決め操作が困難になり、結果として両現像ローラのハウジングへの組み付け作業の作業性が悪くなって組み付けコストが嵩むという問題点を有している。
本発明は、かかる状況に鑑みなされたものであって、現像装置の製造時やメンテナンス作業時に現像装置の組み付け作業やメンテナンス作業の作業性を向上させることを目的としている。
請求項1記載の発明は、像担持体を有する画像形成装置に装着される現像装置であって、現像剤が装填されるハウジングと、ローラ軸回りに回転しながら前記像担持体の周面に向けて前記現像剤を供給する現像ローラと、前記ローラ軸の両端部に当該ローラ軸回りに回転可能に外嵌される一対の環状体とを備え、前記各環状体には、その周縁からの突出量が前記現像ローラの周縁を外方に向けて超えるように設定された脚体が備えられていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、ハウジング内の現像剤は、現像ローラをローラ軸回りに回転させることにより、当該現像ローラにより汲み上げられて像担持体に供給され、静電潜像が形成された像担持体での現像剤像の形成(実際は現像剤の内のトナーのみが像担持体に供給されてトナー像が形成される)に供される。
そして、このような現像ローラに装着された環状体には、周縁面から突設された突出量が前記現像ローラの周縁を外方に向けて超える脚体が設けられているため、現像装置の製造時やメンテナンス作業時にハウジングから分離された状態の現像ローラの脚体を作業台に載置した場合、現像ローラは、作業台上で転動するような不都合が生じることなく安定した状態になるため、現像ローラが作業台上で転がって作業がし難くなるような不都合の発生が有効に防止され、現像ローラのハウジングに対する組み付け作業やメンテナンス作業の作業性が向上する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記脚体は、前記環状体の周方向に一対が二股状で設けられていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、現像ローラは、作業台に載置された状態で両端部に設けられた一対の環状体にそれぞれ各一対で設けられた合計4本の脚体によって支持されるため、より安定した状態で作業台に載置される。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記ハウジング内には、前記現像ローラの上流側に上流側ローラ軸回りに回転しながら現像剤を前記現像ローラに受け渡す上流側現像ローラが設けられ、前記脚体は、前記上流側現像ローラの周面に摺接することを特徴とするものである。
かかる構成によれば、上流側現像ローラが上流側ローラ軸回りに所定方向に向けて駆動回転することにより、ハウジング内の現像剤は、上流側現像ローラの周面に付着して現像ローラの周面と対向する位置にまで運ばれ、ここで現像ローラの周面に移される。なお、上流側現像ローラから現像ローラへ移されなかった現像剤は、上流側現像ローラの回転によって元のハウジング内に戻される。
このように、現像ローラの上流側に上流側現像ローラを設けることにより、ハウジング内の現像剤は、一旦上流側現像ローラによって汲み上げられた後に現像ローラに受け渡されるため、この受け渡し時における平準化作用によって現像ローラの周面にはより均等な状態で現像剤が保持され、これによって現像ローラから像担持体へ偏りのないより好ましい状態で現像剤が供給される。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記上流側現像ローラには、当該上流側現像ローラの回転により前記現像ローラへ供給される現像剤を前記現像ローラへ誘引するように磁極が形成された非回転の磁石が内装され、前記現像ローラには、前記上流側現像ローラの周面と対向する周面位置に上流側現像ローラの磁極と対向する対向磁極が形成されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、ハウジング内の現像剤は、上流側ローラ軸回りに回転している上流側現像ローラの周面に内装された磁石の磁力に誘引されつつ汲み上げら、引き続き現像ローラに形成された対向磁極に吸引され、これによって上流側現像ローラの周面から現像ローラの周面への現像剤の移行が円滑に行われる。
そして、上流側現像ローラの磁極と現像ローラの対向磁極とによって両現像ローラは、互いに反発し合う状態になっているが、ローラ軸の両端部にそれぞれ外嵌された環状体の各脚体を磁力による反発力に抗して上流側現像ローラの周面に当接させることにより、両現像ローラ間の相対的な位置決めが容易に行われる。従って、予め互いに相対的に位置決めされた両現像ローラは、ハウジングに対して容易に装着され、両現像ローラのハウジングへの組み付け作業の作業性が向上する。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、前記ローラ軸には、前記現像ローラの周面と像担持体の周面との間に所定寸法の隙間を形成させる位置決めコロが設けられ、前記各脚体は、前記位置決めコロを備えた現像ローラを当該脚体を介して平面に載置した状態で、位置決めコロが平面と接触しないように前記環状体からの突出量が設定されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、位置決めコロを像担持体の周面に当接させることにより、像担持体の周面と現像ローラの周面との間に確実に所定寸法の隙間が形成させるため、現像剤は、常に同一の条件で現像ローラの周面から像担持体の周面に向けて安定した状態で供給される。
そして、環状体に設けられた一対の脚体は、位置決めコロを備えた現像ローラを当該脚体を介して平面に載置した状態で、位置決めコロが平面と接触しないように前記環状体からの突出量が設定されているため、現像装置の組み付け作業時やメンテナンス作業時に、ハウジングに装着前の位置決めコロ付きの現像ローラや、ハウジングから取り外した位置決めコロ付きの現像ローラを作業台(平面)上に載置するに際し、各脚体を作業台上に載せるようにすれば、位置決めコロの周面が作業台の上面に接触することがなく、従って、現像装置の組み付け作業時やメンテナンス作業時に現像ローラの周面を損傷させるような不都合の発生が確実に防止される。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記環状体は、ハウジング内部の現像剤の外部への漏洩を防止する現像剤漏洩防止部材であることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、環状体としての現像剤漏洩防止部材によりハウジング内の現像剤の外部への漏洩が有効に防止される。そして、環状体が現像剤漏洩防止部材として機能するため、環状体とは別に現像剤の漏洩を防止するための専用の部材を設ける必要がなくなり、その分部品コストの低減化に貢献する。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の発明において、前記脚体は、前記環状体の周方向に一対が二股状で設けられ、前記現像剤漏洩防止部材は、前記上流側現像ローラの周面に向けて突設された一対の突起と、前記一対の突起間に介設され、かつ、前記上流側現像ローラに摺接されるシール材とを有し、前記一対の突起は、前記一対の脚体が兼用されていることを特徴とするものである。
かかる構成によれば、上流側現像ローラに摺接される現像剤漏洩防止部材のシール材は、現像剤漏洩防止部材に設けられた一対の突起間に介設され、しかも、一対の突起は環状体(すなわち現像剤漏洩防止部材)の脚体と兼用されているため、現像剤漏洩防止部材に突起と脚体との双方を設ける必要がなくなり、その分部品コストの低減化が達成される。
請求項1記載の発明によれば、現像ローラに装着された環状体には、周縁面から突設された突出量が前記現像ローラの周縁を外方に向けて超える脚体が設けられているため、現像装置の製造時やメンテナンス作業時にハウジングから分離された状態の現像ローラの脚体を作業台に載置することにより、現像ローラは、作業台上で転動するような不都合が生じることなく安定した状態で載置され、これによって現像ローラが作業台上で転がって作業がし難くなるような不都合が生じることはなく、現像ローラのハウジングに対する組み付け作業やメンテナンス作業の作業性を向上させることができる。
請求項2記載の発明によれば、脚体は、環状体の周方向に一対が二股状で設けられているため、現像ローラは、作業台に載置された状態で両端部に設けられた一対の環状体にそれぞれ各一対で設けられた合計4本の脚体によって支持され、これによって現像ローラをより安定した状態で作業台に載置することができる。
請求項3記載の発明によれば、現像ローラの上流側に上流側現像ローラが設けられているため、ハウジング内の現像剤は、一旦上流側現像ローラによって汲み上げられた後に現像ローラに受け渡されるため、この受け渡し時における平準化作用によって現像ローラの周面にはより均等な状態で現像剤が付着した状態になり、これによって現像剤を現像ローラから像担持体へ偏りのないより好ましい状態で供給することができる。
請求項4記載の発明によれば、上流側現像ローラの磁極と現像ローラの対向磁極とによって両現像ローラは、互いに反発し合う状態になっているが、ローラ軸の両端部にそれぞれ外嵌された環状体の各脚体を磁力による反発力に抗して上流側現像ローラの周面に当接させることにより、両現像ローラ間の相対的な位置決めを容易に行うことができる。従って、予め互いに相対的に位置決めされた両現像ローラは、ハウジングに対して容易に装着され、両現像ローラのハウジングへの組み付け作業の作業性を向上させることができる。
請求項5記載の発明によれば、環状体に設けられた一対の脚体は、位置決めコロを備えた現像ローラを当該脚体を介して平面に載置した状態で、位置決めコロが平面と接触しないように環状体からの突出量が設定されているため、現像装置の組み付け作業時やメンテナンス作業時に、ハウジングに対して装着前の位置決めコロ付きの現像ローラや、ハウジングから取り外した位置決めコロ付きの現像ローラを作業台上に載置するに際し、各一対の脚体を作業台上に載せるようにすれば、位置決めコロの周面が作業台の上面と接触することがなく、従って、現像装置の組み付け作業時やメンテナンス作業時に現像ローラの周面を損傷させるような不都合の発生を確実に防止することができる。
請求項6記載の発明によれば、環状体は、ハウジング内部の現像剤の外部への漏洩を防止する現像剤漏洩防止部材と兼用されているため、環状体とは別に現像剤の漏洩を防止するための専用の部材を設ける必要がなくなり、その分部品コストの低減化に貢献することができる。
請求項7記載の発明によれば、上流側現像ローラに摺接される現像剤漏洩防止部材のシール材は、現像剤漏洩防止部材に設けられた一対の突起間に介設され、しかも、現像剤漏洩防止部材に設けられた一対の突起は脚体と兼用されているため、現像剤漏洩防止部材に突起と脚体との双方を設ける必要がなくなり、その分部品コストの低減化に貢献することができる。
まず、本発明に係る現像装置が適用されたプリンタ10の内部構造の概要について図1を基に説明する。図1は、プリンタ10の内部構造の一実施形態を説明するための正面断面視の説明図である。なお、図1においてY−Y方向を前後方向といい、特に−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ(画像形成装置)10は、箱形を呈した装置本体11内にコンピュータ等の外部機器から伝送された画像情報に基づき画像を形成する画像形成部12と、この画像形成部12によって形成され、用紙Pに転写された画像に定着処理を施す定着部13と、転写用の用紙を貯留する用紙貯留部14とが内装されているとともに、当該装置本体11の上部に定着処理後の用紙Pが排出される用紙排出部15が形成されることによって基本構成されている。
前記装置本体11の上面適所には、用紙Pの出力条件等を入力操作するための図略の操作パネルが設けられている。この操作パネルには、図略の電源キーやスタートボタン、さらには出力条件を入力するための各種のキー等が設けられている。
前記画像形成部12は、用紙貯留部14から給紙された用紙Pにトナー画像を形成させるものであり、本実施形態では、上流側(現像装置20内で現像剤が第2現像ローラ(現像ローラ)42を介して感光体ドラム(像担持体)121へ向かう方向における第2現像ローラ42を境にした感光体ドラム121と反対側、図1においては後側)から下流側へ向けて順次配設された、マゼンタ色の現像剤を用いるマゼンタ用ユニット12Mと、シアン色の現像剤を用いるシアン用ユニット12Cと、イエロー色の現像剤を用いるイエロー用ユニット12Yと、ブラック色の現像剤を用いるブラック用ユニット12Kとが備えられている。
そして、前記各ユニット12M,12C,12Y,12Kには、感光体ドラム121および現像装置20がそれぞれ備えられている。感光体ドラム121は、周面に静電潜像およびこの静電潜像に沿ったトナー像(可視像)を形成させるためのものであり、周面に強靱で耐摩耗性に優れた極めて平滑なアモルファスシリコン層が積層され、これによってこれらの像を形成させるのに適したものになっている。そして、各感光体ドラム121は、図1において反時計方向へ向けて回転しつつ対応した現像装置20から現像剤の供給を受けるようになっている。各現像装置20には、装置本体11の前面側(図1の紙面の表側)に配設された図略のトナーカートリッジから現像剤が補給されるようになっている。
なお、本実施形態においては、現像剤としてトナーとキャリアとからなる、いわゆる2成分系のものが採用されている。トナーは、着色剤、電荷制御剤およびワックス等の添加剤をバインダー樹脂中に分散させた粒径が6〜12μmの微粉体である。これに対してキャリアは、磁鉄鉱(Fe)等の粒径が60〜200μmの磁性粒子であり、トナーを帯電させるために使用される。そして、トナーは、図略のトナーカートリッジから現像装置20に適宜補給される消耗品であるのに対し、キャリアは、予め所定量が現像装置20内に装填されており、消耗することなく循環使用されるのが一般的である。
各感光体ドラム121の直下位置には帯電装置122がそれぞれ設けられているとともに、各帯電装置122のさらに下方位置には露光装置123が設けられている。そして、各感光体ドラム121は、前記帯電装置122によって周面が一様に帯電され、コンピュータ等から入力された画像データに基づく各色に対応したレーザー光が前記各露光装置123から帯電後の感光体ドラム121の周面に照射されることにより、各感光体ドラム121の周面に静電潜像が形成されるようになっている。かかる静電潜像に現像装置20から現像剤が供給されることにより、感光体ドラム121の周面にトナー像が形成されるようになっている。
感光体ドラム121の上方位置には、当該各感光体ドラム121に当接するように駆動ローラ124aおよび従動ローラ124b間に張設された転写ベルト124が設けられている。この転写ベルト124は、各感光体ドラム121に対応して設けられた転写ローラ125によって感光体ドラム121の周面に押し付けられた状態で各感光体ドラム121と同期しながら駆動ローラ124aと従動ローラ124bとの間を周回するようになっている。
従って、転写ベルト124が周回することによりその表面に対しマゼンタ用ユニット12Mの感光体ドラム121によるマゼンタトナーのトナー像の転写が行なわれ、ついで転写ベルト124の同一位置にシアン用ユニット12Cの感光体ドラム121によるシアントナーのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、ついで転写ベルト124の同一位置にイエロー用ユニット12Yの感光体ドラム121によるイエロートナーのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、最後のブラック用ユニット12Kの感光体ドラム121によるブラックトナーのトナー像の転写が重ね塗り状態で行なわれ、これによって転写ベルト124の表面にカラーのトナー像が形成される。この転写ベルト124の表面に形成されたカラーのトナー像が用紙貯留部14から搬送されてきた用紙Pに転写されることになる。
そして、各感光体ドラム121の図1における前方位置には当該感光体ドラム121の周面の残留トナーを除去して清浄化するクリーニング装置126が設けられている。クリーニング装置126によって清浄化処理された感光体ドラム121の周面は、新たな帯電処理のために帯電装置122へ向かうことになる。
クリーニング装置126で感光体ドラム121の周面から取り除かれた廃トナーは、所定の経路を通って図略のトナー回収ボトルに回収され、貯留されるようになっている。
画像形成部12の図1における前方位置には、上下方向に延びる用紙搬送路111が形成されている。この用紙搬送路111には、適所に搬送ローラ対112が設けられ、用紙貯留部14からの用紙がこの搬送ローラ対112の駆動で駆動ローラ124aに掛け回されている転写ベルト124へ向けて搬送されるようになっている。かかる用紙搬送路111には、駆動ローラ124aと対向した位置に転写ベルト124の表面と当接した第2転写ローラ113が設けられ、用紙搬送路111を搬送されつつある用紙Pが転写ベルト124と第2転写ローラ113とに押圧挟持されることによって転写ベルト124上のトナー像が当該用紙Pに転写されるようになっている。
前記定着部13は、画像形成部12で転写された用紙上のトナー像に対し定着処理を施すものであり、内部に加熱源である通電発熱体を備えた加熱ローラ131と、図1における前方でこの加熱ローラ131と対向配置された定着ローラ132と、この定着ローラ132および前記加熱ローラ131間に張設された定着ベルト133と、この定着ベルト133を介して前記定着ローラ40と対向配置された加圧ローラ134とを備えて構成されている。
そして、前記転写ベルト124と第2転写ローラ113との間のニップ部を通過することにより転写ベルト124のトナー像が転写された状態で定着部13へ供給された用紙Pは、加圧ローラ134と高温の定着ベルト133との間を通過しながら定着ベルト133からの熱を得て定着処理が施されるようになっている。
定着処理の完了したカラー画像付の用紙Pは、定着部13の上部から延設された排紙搬送路114を通って装置本体11の頂部に設けられた用紙排出部15の排紙トレイ151へ向けて排出されることになる。
前記用紙貯留部14は、装置本体11の図1における後側壁に開閉自在に設けられた手差しトレイ141と、装置本体11内における露光装置123より下方位置に挿脱可能に装着された用紙トレイ142とを備えて構成されている。用紙トレイ142には用紙束が貯留されるようになっている。
前記手差しトレイ141は、用紙Pを1枚ずつ手差し操作で画像形成部12へ向けて給紙するためのものであり、普段は装置本体11の後壁面に収納されているが、手差しで給紙するときのみ、図1に示すように、壁面から引き出されて手差し給紙に供されるようになっている。
前記用紙トレイ142は、上面が全面開口の箱体を備えて構成され、複数枚の用紙Pが積層されてなる用紙束P1が貯留可能になっている。かかる用紙トレイ142に貯留された用紙束P1の最上位の用紙Pは、下流端(図1における前端)の上面が用紙束P1からピックアップローラ143の駆動で用紙搬送路111へ向けて繰り出されるようになっており、1枚ずつ繰り出され用紙Pが搬送ローラ対112の駆動で用紙搬送路111を通って画像形成部12における第2転写ローラ113と転写ベルト124との間のニップ部へ向けて送り込まれるようになっている。
図2は、本発明に係る現像装置の一実施形態を示す斜視図であり、図2(A)は、分解斜視図、図2(B)は、組み立て斜視図である。また、図3は、図2(B)のIII−III線断面図である。なお、図2および図3においてX−X方向を左右方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。因みに、図2においては層厚規制部材27の上部に装着される前壁面部材28(図3)を取り外した状態を示し、これによって上部ハウジング23の内部を視認し得るようにしている。
図2および図3に示すように、本実施形態に係る現像装置20は、左右方向に長尺のハウジング21の中に現像剤を攪拌するトナー攪拌機構30と、このトナー攪拌機構30によって攪拌処理された現像剤を感光体ドラム121の周面に向けて供給するトナー供給機構40と、このトナー供給機構40において現像剤の漏洩を防止する現像剤漏洩防止部材(環状体)50と、トナー供給機構40の後述する第2現像ローラ42の周面と感光体ドラム121の周面との間の所定の隙間を確保するべく第2現像ローラ42を感光体ドラム121に対して位置決めする位置決めコロ60と、前記トナー供給機構40を感光体ドラム121に対して離接させる離接機構70とを備えて構成されている。
前記ハウジング21は、図2に示すように、前記トナー攪拌機構30が装着される下部ハウジング22と、この下部ハウジング22の上部に設けられた、前記トナー供給機構40が装着される上部ハウジング23とからなる2段構造で構成されている。前記上部ハウジング23には、かかるハウジング21の左端部には、図略の駆動モータから駆動力をトナー攪拌機構30およびトナー供給機構40に伝達するギヤ機構を収納するための図略のギヤ機構収納部が形成されている。また、上部ハウジング23の左右の端部には、トナー攪拌機構30を支持する端壁24がそれぞれ設けられている。なお、図2では右方の端壁24のみが示されている。
前記下部ハウジング22は、右端部が上部ハウジング23の右端部より若干右方に向けて突設され、この右方に突設された部分の上面に図略のトナーカートリッジからの現像剤を受け入れるための図略の現像剤受け入れ開口が設けられているとともに、この現像剤受け入れ開口を開閉可能に閉止する開閉蓋が設けられている。
前記開閉蓋は、トナーカートリッジが装置本体11に装着される前は閉止されている一方、トナーカートリッジが装置本体11に装着されることによる所定の操作レバーの押圧で開放され、これによってトナーカートリッジからの現像剤が現像剤受け入れ開口を介して下部ハウジング22内に供給されるようになっている。
また、前記上部ハウジング23には、図3に示すように、前面に所定の上下寸法で左右方向に長尺に形成された、前記感光体ドラム121の周面と対向するトナー供給開口231が開口され、上部ハウジング23内に送り込まれた現像剤は、トナー供給機構40の駆動によりトナー供給開口231を介し感光体ドラム121の周面へ供給されるようになっている。
前記トナー攪拌機構30は、図3に示すように、下部ハウジング22内の前方位置で左右方向に延びた第1スパイラルフィーダ31と、下部ハウジング22内における第1スパイラルフィーダ31の前方位置で隔壁25を介して平行に配設された第2スパイラルフィーダ32とを備えている。前記現像剤受け入れ開口を介して下部ハウジング22内に供給された現像剤は、第1スパイラルフィーダ31の駆動回転によって左方(図3の紙面の裏側)に向かって搬送されるようになっている。
一方、前記隔壁25には、その左端および右端に連絡開口251がそれぞれ設けられている。第1スパイラルフィーダ31の駆動で下部ハウジング22内の隔壁25の前側の空間を左方に向けて搬送された現像剤は、左方の連絡開口251を通って隔壁25の前側の空間に搬入される。現像剤の一部は、ここで第2スパイラルフィーダ32の駆動により右方に向けて搬送されつつ、下部ハウジング22の隔壁25の前側と上部ハウジング23との間に形成された左右方向に長尺の汲み上げ空間26(図3)を介して上方の上部ハウジング23へ向けて汲み上げられる。一方、現像剤の残部は右方の連絡開口251を通って隔壁25の前側の空間に戻され循環搬送される。
前記トナー供給機構40は、トナー攪拌機構30の駆動で下部ハウジング22内から上部ハウジング23内へ汲み上げられた現像剤を感光体ドラム121へ供給するためのものである。かかるトナー供給機構40は、上部ハウジング23の前後方向の略中央部で前記第2スパイラルフィーダ32と対向配置された左右方向に延びる第1現像ローラ(上流側現像ローラ)41と、上部ハウジング23内でこの第1現像ローラ41の前側斜め上方で当該第1現像ローラ41と平行に、かつ、周面同士が僅かな隙間を介して互いに対向するように配設された第2現像ローラ42とを備えて構成されている。
前記下部ハウジング22の前面には、先端縁部が第1現像ローラ41の周面に対向して後上方に向け斜めに設定された左右方向に延びる層厚規制部材27が設けられているとともに、前記上部ハウジング23の前面には、当該上部ハウジング23と前記層厚規制部材27との間の開口を埋める前壁面部材28(図3)が設けられている。因みに、図2では、前壁面部材28が取り外された状態の現像装置20を示している。
前記層厚規制部材27は、第1現像ローラ41の軸心回りの図3における時計方向への回転により汲み上げ空間26から汲み上げられて第1現像ローラ41の周面に付着した現像剤を所定の厚みに規制するものである。すなわち、第1現像ローラ41の回転に応じて当該第1現像ローラ41の周面に付着した現像剤が、層厚規制部材27の先端縁部と第1現像ローラ41の周面との間の隙間を潜ることにより、第1現像ローラ41の周面に付着して第2現像ローラ42に供給される現像剤が予め設定された層厚になる。
前記第1現像ローラ41は、上部ハウジング23の左右の端壁24を貫通した第1ローラ軸(上流側ローラ軸)411回りに同心で相対回転可能に軸支されている一方、前記第2現像ローラ42は、前記一対の端壁24を貫通し、かつ、後述する右後一対の軸受けアーム71の端部間に架設された第2ローラ軸(ローラ軸)421回りに同心で回転可能に軸支されている。前記軸受けアーム71は、その下端部が回動可能に前記第1ローラ軸411に外嵌されている。
そして、第1現像ローラ41は、図略の駆動モータの駆動力が所定のギヤ機構収納部内の図略のギヤ機構を介して第1ローラ軸411へ伝達されることにより第1ローラ軸411回りに時計方向に向けて相対回転するとともに、前記第2現像ローラ42は、この第1現像ローラ41の回転に前記図略のギヤ機構を介して従動し、第2ローラ軸421回りに右方から見て時計方向に向け同期回転するようになっている。
前記第1現像ローラ41は、図3に示すように、周面に形成された薄層で、かつ、非磁性の例えばアルミニウム等からなる筒状のスリーブ41aと、このスリーブ41aが外嵌される円筒状磁石体(磁石)41bとからなっている。前記スリーブ41aは、第1ローラ軸411と同心で一体回転可能であるのに対し、前記スリーブ41aは、第1ローラ軸411と同心で一体回転可能であるのに対し、円筒状磁石体41bは、端部のDカットで回転しないようにハウジング21に装着された第1ローラ軸411に固定され、これによってスリーブ41aが回転しても回転しないようになっている。
図3には、円筒状磁石体41bの各磁極のピークの位置を示している。すなわち、円筒状磁石体41bには、第1ローラ軸411から第2現像ローラ42に向けて形成された第1N極N1と、第1ローラ軸411から略垂直に上方に向けて形成された第1S極S1と、この第1S極S1の直後方において第1ローラ軸411から上方に向かって後方に斜めに形成された第2N極N2と、第1ローラ軸411から略水平に後方に向けて形成された第2S極S2と、第1ローラ軸411から略垂直に下方に向けて形成された第3S極S3と、第1ローラ軸411から下方に向かって前方へ斜めに形成された第3N極N3と、第1ローラ軸411から前方へ向けて略水平に形成された第4S極S4とがそれぞれ設定されている。
一方、第2現像ローラ42の内部には、第1現像ローラ41と対向する位置に第1N極N1と対向する対向磁極(具体的にはS極)を備えた磁石が設けられている。この磁石は、第1現像ローラ41の場合と同様に、第2現像ローラ42の周面部分を形成するスリーブが回転しても回転しないようになされている。
そして、前記スリーブ41aの第1ローラ軸411回りの時計方向に向かう回転により、第3S極S3の位置で当該スリーブ41aの周面へ汲み上げられた現像剤は、第3N極N3極と第4S極S4との間の位置で層厚規制部材27を通過し、これによって層厚が規制された状態になる。この層厚の規制された現像剤は、第4S極S4の位置を介して第2現像ローラ42と対向した第1N極N1の位置へ搬送され、ここで第1N極N1と対向した第2現像ローラ42の対向極に吸引され、これによって第2現像ローラ42の周面にトナー層が形成される。このトナー層は、第2現像ローラ42の第2ローラ軸421回りの回転により感光体ドラム121との対向位置まで運ばれ、ここで感光体ドラム121の周面に供給される。
そして、第1N極N1の位置でスリーブ41aの周面から第2現像ローラ42の周面に吸着されなかったトナーを含む現像剤は、スリーブ41aの時計方向へ向かう回転により第1S極S1、第2N極N2および第2S極S2の位置を通って下部ハウジング22の隔壁25の前側(すなわち汲み上げ空間26)に回収される。また、第2現像ローラ42から感光体ドラム121に供給されなかったトナーは、磁気ブラシで摺擦されつつ第1現像ローラ41のスリーブ41aの周面に戻され、前記同様に汲み上げ空間26に回収される。この場合、本実施形態においては、第2S極S2と第3S極S3との間の距離を広く確保し、これによって第2および第3S極S2,S3間に無磁極領域を形成させるようにしているため、第4S極S4を通過した現像剤は、磁力の影響を受けることなくスリーブ41aの周面から容易に剥がれ落ちる。
なお、第2および第3S極S2,S3間の距離を十分に広く確保し得ない場合であっても、第2および第3S極S2,S3間に位置した現像剤は、同極間に形成された反発磁界に誘引されてスリーブ41aの周面から容易に剥がれ落ちる。
前記第2現像ローラ42は、図2(A)に示すように、その両端部から同心で突設された当該第2現像ローラ42より小径の軸鞘42aを有している。そして、前記現像剤漏洩防止部材50および位置決めコロ60が軸鞘42aに外嵌された状態で、第2ローラ軸421が軸受けアーム71に貫通されることにより、図2(B)に示すように、第2現像ローラ42が、上部ハウジング23に装着されるようになっている。
前記位置決めコロ60には、中心位置に前記軸鞘42aに摺接状態で嵌め込まれる中心孔61が穿設されている。かかる位置決めコロ60は、外径寸法が前記第2現像ローラ42の外径寸法より若干大きめに設定され、これによって左右一対の位置決めコロ60が感光体ドラム121の周面に当接された状態(図3参照)で、第2現像ローラ42の周面と感光体ドラム121の周面との間に所定寸法の隙間が形成されるようになっている。そして、第2現像ローラ42の周面に積層されている現像剤(トナー)は、この隙間を介して感光体ドラム121の周面に電気的に吸引されるようになっている。
前記離接機構70は、第1ローラ軸411および第2ローラ軸421の双方に所定の軸受部材を介してそれぞれ外嵌された左右方向一対の軸受けアーム71と、この軸受けアーム71を第1ローラ軸411回りに正逆回動操作させるための図略の回動操作機構とからなっている。一方、前記上部ハウジング23の左右一対の端壁24には、第2現像ローラ42の第2ローラ軸421が貫通される、第1ローラ軸411の軸心を曲率中心とした円弧長孔241がそれぞれ設けられている。そして、第2現像ローラ42は、この円弧長孔241の範囲内において感光体ドラム121に最も接近した近接位置T1(図3に実線で表示)と感光体ドラム121から最も離間した離間位置T2(図3に二点鎖線で表示)との間で位置変更可能になっている。
第2現像ローラ42を、近接位置T1と離間位置T2との間で位置変更可能としたのは、現像装置20を装置本体11に対して左右方向に挿脱するに際し、第2現像ローラ42に付設された現像剤漏洩防止部材50が感光体ドラム121の周面と干渉し、これによって感光体ドラム121の周面が損傷するのを防止するためである。従って、現像装置20を挿脱するとき第2現像ローラ42は離間位置T2に位置設定される一方、現像装置20が装置本体11内に装着された後には第2現像ローラ42が近接位置T1に位置変更される。
図4は、現像剤漏洩防止部材50の一実施形態を示す斜視図であり、図4(A)は、分解斜視図、図4(B)は、組み立て斜視図である。また、図5は、図4(B)に示す現像剤漏洩防止部材50の正面視の断面図である。さらに、図6は、現像装置20のハウジング21へ装着前の第2現像ローラ42あるいはハウジング21から取り外した位置決めコロ60付きの第2現像ローラ42を平面上に載置した状態を示す端面図である。以下、図4〜図6並びに必要に応じて図1〜図3を参照しながら本実施形態に係る現像剤漏洩防止部材50について説明する。なお、図4〜図6におけるXおよびYによる方向表示は図2の場合と同様(Xは左右方向(−X:左方、+X:右方)、Yは前後方向(−Y:前方、+Y:後方))である。また、図4においては、左右一対の現像剤漏洩防止部材50の内の右方のもののみを示している。
まず図4(A)に示すように、現像剤漏洩防止部材50は、前記第2ローラ軸421の各端部に外嵌される左右方向一対のシール材保持体51と、このシール材保持体51に装着されるシール材52とを備えて構成されている。
前記シール材保持体51は、第2ローラ軸421に摺接状態で外嵌される短尺の筒体511と、この筒体511に外嵌されて固定される左右方向一対のフランジ512と、各フランジ512間に架設された、前記シール材保持体51が貼着される筒体511の周方向に延びた被貼着面体513と、一対のフランジ512および被貼着面体513から第1現像ローラ41の周面に向けて突設された脚体514とを備えている。前記フランジ512の外縁面と被貼着面体513との間には所定寸法の段差が形成され、この段差によって被貼着面体513に貼設されたシール材52の左右方向へのずれが防止されるようになっている。前記脚体514は、シール材保持体51の周縁からの突出量が前記第2現像ローラ42の周縁を外方に向けて超えるように設定されている。すなわち、脚体514の突出量は、第2現像ローラ42の中心と同心のシール材保持体51の中心を基準として第2現像ローラ42の外径より大きく設定されているのである。
前記シール材保持体51は、筒体511が第2現像ローラ42の軸鞘42aに外嵌されることにより第2現像ローラ42に装着されるようになっている。
前記フランジ512および被貼着面体513は、前記感光体ドラム121の周面と対向した面がシール材52の厚み寸法と同一寸法の隙間を介した、曲率中心位置が感光体ドラム121の軸心と同心の第1円弧凹面53とされている。従って、この第1円弧凹面53にシール材52が貼設された状態で、当該シール材52の表面側が感光体ドラム121の周面に当接されることになる。
前記脚体514は、フランジ512における前記第1円弧凹面53の略反対側の位置に設けられている。かかる脚体514は、前記位置決めコロ60を備えた第2現像ローラ42を当該脚体514を介して所定の平面(作業台の上面)上に載置した状態で、位置決めコロ60が作業台と接触しないように前記現像剤漏洩防止部材50からの突出量が設定されている。具体的には、脚体514の後述する一対の凸条541は、それらの先端間を結ぶ直線が位置決めコロ60と干渉しないように脚体514の現像剤漏洩防止部材50からの径方向に向かう突出量が設定されているのである。
このような脚体514は、第1現像ローラ41の周面と対向した面が、第1現像ローラ41の軸心を曲率中心とし、かつ、曲率半径が第1現像ローラ41の半径より若干大きい第2円弧凹面54とされている。かかる第2円弧凹面54の周方向の両端部には、左右方向に延びる凸条541が曲率中心方向に向けてそれぞれ凸設され、これらの凸条541間で第2円弧凹面54に貼付される後述の第2シール材522の位置決めを行うようになされている。
前記シール材52は、本実施形態においてはフェルト材が採用されている。かかるシール材52は、第1円弧凹面53に貼着される第1シール材521と、第2円弧凹面54に貼着される第2シール材522とが採用されている。前記第1シール材521は、第1円弧凹面53を含む被貼着面体513の全体に貼設されるように長尺に形成されている。前記第1シール材521が被貼着面体513の全面に貼設され、これによって第1円弧凹面53に貼設されているシール材52が感光体ドラム121の周方向に位置ずれし難くなされている。これに対し前記第2シール材522は、凸条541間の第2円弧凹面54にのみ貼設されている。
図4(A)に示す状態において、第1シール材521は、シール材保持体51の被貼着面体513に当接するとともに、第2シール材522を第2円弧凹面54に貼設される。この状態で現像剤漏洩防止部材50は、筒体511を第2ローラ軸421の軸鞘42aに外嵌される。引き続き位置決めコロ60が第2ローラ軸421の軸鞘42aに嵌め込まれる。その結果、図4(B)に示すように、第2現像ローラ42に現像剤漏洩防止部材50および位置決めコロ60が第2ローラ軸421の端部に装着される。
ついで、第2ローラ軸421を端壁24の円弧長孔241に差し通した状態で、軸受けアーム71(図2)を当該第2ローラ軸421および第1ローラ軸411にそれぞれ外嵌することによって、図2(B)に示すように、現像剤漏洩防止部材50のハウジング21に対する組み付けが完了する。
本実施形態の現像剤漏洩防止部材50によれば、第2現像ローラ42に装着されたシール材保持体51の第1円弧凹面53に貼設されている第1シール材521が感光体ドラム121の周面に摺接されているため、第2現像ローラ42の周面のトナーが当該周面から軸心方向の外方に向かって漏洩するのが有効に防止される。因みに、感光体ドラム121の周面には強靱なアモルファスシリコン層が形成されているため、感光体ドラム121が第1シール材521との摺接で損傷するような不都合は生じない。
また、脚体514の第2円弧凹面54には、第2シール材522が貼設されているため、第1現像ローラ41の周面が第2現像ローラ42の周面と対向した位置における第1現像ローラ41の各端部で第1現像ローラ41上に存在するトナーが軸心方向の外方へ向けて漏洩することが有効に防止される。
さらに、第2現像ローラ42内には、第1現像ローラ41内の円筒状磁石体41bに対応して磁石が内装されている。従って、第1現像ローラ41および第2現像ローラ42のハウジング21への組み付け作業時に、第1現像ローラ41および第2現像ローラ42内の磁石が引き合うことから組み付け作業が困難になるが、シール材保持体51の脚体514の各凸条541を第1現像ローラ41の周面に対向させることにより、第1現像ローラ41と第2現像ローラ42との間の相対的な位置関係が確定するため、この状態で第1ローラ軸411および第2ローラ軸421に軸受けアーム71を容易に外嵌することが可能になり、第1および第2現像ローラ41,42の組み付け作業の作業性を向上させることができる。
そして、本実施形態においては、図4(B)、図5および図6に示すように、シール材保持体51の脚体514に形成された前後一対の凸条541は、いずれも位置決めコロ60から径方向の外方に向かって突出するように寸法設定されている。具体的には、図6に示すように、第2ローラ軸421の軸心Oと、前側の凸条541の先端Q1との間の距離D1は、位置決めコロ60の半径Rより大きく設定されているとともに、第2ローラ軸421の軸心Oと、後側の凸条541の先端Q2との間の距離D2も、位置決めコロ60の半径Rより大きく設定されている。
さらに、前側の凸条541の先端Q1と、後側の凸条541の先端Q2とを結ぶ直線Lは、位置決めコロ60の外周と交わらないように位置決めコロ60からの突出量が設定されている。
従って、現像装置20の組み付け作業時、あるいは現像装置20のメンテナンス作業時に、現像剤漏洩防止部材50および位置決めコロ60が装着された状態の第2現像ローラ42を、たとえば作業台の上に載置するような場合、シール材保持体51の各凸条541を作業台の表面に置くようにすれば、図6に示すように、第2現像ローラ42の周面が作業台の表面に当接することが確実に回避されるため、第2現像ローラ42の周面が損傷するような不都合は生じることがない。
以上詳述したように、本実施形態に係る現像装置20は、画像形成装置であるプリンタ10に装着されるものであり、ハウジング21内の現像剤を、内装された円筒状磁石体41bの磁力の誘引で第1ローラ軸411回りに回転しながら汲み上げる第1現像ローラ41と、この第1現像ローラ41に対向配置され、かつ、第2ローラ軸421回りに回転しながら第1現像ローラ41から受け渡された現像剤をその周面から感光体ドラム121の周面に向けて供給する第2現像ローラ42とを備えている。
かかる構成の現像装置20によれば、第1現像ローラ41が第1ローラ軸411回りに所定方向に向けて駆動回転することにより、ハウジング21内の現像剤は、当該第1現像ローラ41に内装された円筒状磁石体41bに誘引されつつ第1現像ローラ41の周面に付着して第2現像ローラ42の周面と対向する位置にまで運ばれ、ここで第2現像ローラ42の周面に移される。なお、第1現像ローラ41から第2現像ローラ42へ移されなかった現像剤は、第1現像ローラ41の回転によって元のハウジング21内に戻される。
そして、第2現像ローラ42の周面に付着した現像剤は、当該第2現像ローラ42の第2ローラ軸421回りの回転によって感光体ドラム121の周面と対向する位置にまで運ばれ、ここで静電潜像が形成された感光体ドラム121の周面に電気的な力で供給され、これによって感光体ドラム121の周面にトナー像が形成されることになる。このトナー像は、別途供給された用紙に転写処理される。
このような現像装置20において、第2現像ローラ42には、第2ローラ軸421の両端部にそれぞれ外嵌された、現像剤の外部への漏洩を防止する現像剤漏洩防止部材50と、第2現像ローラ42の周面と感光体ドラム121の周面との間に所定寸法の隙間を形成させる位置決めコロ60とが設けられている。
従って、位置決めコロ60を感光体ドラム121の周面に当接させることにより、感光体ドラム121の周面と第2現像ローラ42の周面との間に確実に所定寸法の隙間が形成させるため、現像剤(実際は現像剤の内のトナー)は、常に同一の条件で第2現像ローラ42の周面から感光体ドラム121の周面に向けて安定した状態で供給されるとともに、第2ローラ軸421の両端に設けられた現像剤漏洩防止部材50によって第2現像ローラ42周りの現像剤がハウジング21から外部に漏洩することが防止される。
そして、第1現像ローラ41の両端部にはそれぞれ現像剤漏洩防止部材50の構成要素であるシール材保持体51が装着され、これらのシール材保持体51が備えたシール材52によって第2現像ローラ42周りの現像剤の漏洩が防止されるとともに、第1現像ローラ41の両端部の周面には、シール材保持体51から突設された各脚体514間に挟持されている第2シール材522が当接されているため、第1現像ローラ41と第2現像ローラ42との間に形成された隙間の両端部からの現像剤の漏洩を有効に防止することができる。
しかも、各脚体514は、位置決めコロ60から外方に向けて突出し、かつ、各脚体514の先端Q1,Q2間を結ぶ直線Lが位置決めコロ60と干渉しないように位置決めコロ60からの突出量が設定されているため、現像装置20の組み付け作業時やメンテナンス作業時に、ハウジング21に対して装着前の第2現像ローラ42や、ハウジング21から取り外した第2現像ローラ42を任意の作業台上に載置するに際し、各一対の脚体514を作業台上に載せるようにすれば、第2現像ローラ42の周面が作業台の上面に接触することがなく、従って、現像装置20の組み付け作業時やメンテナンス作業時に第2現像ローラ42の周面を損傷させるような不都合の発生が確実に防止される。
また、本実施形態においては、第2現像ローラ42に、第1現像ローラ41の円筒状磁石体41bの磁極と対向する対向磁極が内装されているため、第1現像ローラ41の周面に付着した現像剤は、第2現像ローラ42の対向磁極に磁気的に吸引され、これによって第1現像ローラ41の周面から第2現像ローラ42の周面への現像剤の移行が円滑に行われる。
そして、第2現像ローラ42にも第1現像ローラ41と対向した面に対向磁極であるS極が設定された磁石が内装されているため、第1現像ローラ41および第2現像ローラ42のハウジング21内への組み付け作業時に、第1現像ローラ41内の円筒状磁石体41bと、第2現像ローラ42内の磁石とが互いに吸引し合うことで両者間の位置決めが困難になるが、第2現像ローラ42の両端部には、各一対の脚体514を有するシール材保持体51が装着されているため、各一対の脚体514を第2現像ローラ42の周面に当接させることで両者の相対的な位置決めが行われ、これによって第1現像ローラ41および第2現像ローラ42のハウジング21に対する組み付け作業の作業性を向上させることができる。
本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、現像装置20が装着される画像形成装置としてプリンタ10を例に挙げて説明したが、本発明は、画像形成装置がプリンタ10であることに限定されるものではなく、複写機やファクシミリ装置等であってもよい。
(2)上記の実施形態においては、現像ローラとして第1現像ローラ41と第2現像ローラ42とが設けられているが、本発明は、現像ローラとして第1および第2現像ローラ41,42を設けることに限定されるものではなく、第2現像ローラ42を設けることなく現像剤を第1現像ローラ41から感光体ドラム121へ直接供給するようにしてもよい。この場合、脚体514を備えた環状体は、第1現像ローラ41に設けられる。
(3)上記の実施形態においては、脚体514は、二股状に形成されているが、本発明は、脚体514が二股状であることに限定されるものではなく、作業台上に安定した状態で載置され得る形状であればどのような形状であってもよい。
(4)上記の実施形態においては、第2現像ローラ42に第1現像ローラ41の円筒状磁石体41bにおける第1N極N1に対向した位置に対向磁極であるS極が設定された磁石が内装され、これによる第1N極N1から第2現像ローラ42内のS極に向かう磁束の流れで第1現像ローラ41の周面の現像剤を第2現像ローラ42の周面に導くようになされているが、本発明は、第2現像ローラ42に磁石を内装することに限定されるものではなく、特に第2現像ローラ42に磁石を内装しなくてもよい。この場合は、回転している第1現像ローラ41のスリーブ41aの周面によって汲み上げられた現像剤は、非回転の円筒状磁石体41bの磁極に誘引されて第2現像ローラ42の周面と対向する位置まで移動し、ここで回転している第2現像ローラ42の周面に平準化されつつ電気的に移行されることになる。
(5)上記の実施形態においては、第2現像ローラ42は、離接機構70によって感光体ドラム121に近接した近接位置T1と、感光体ドラム121から離間した離間位置T2との間で位置変更し得るように構成されているが、例えば、現像装置20が感光体ドラム121の軸心と直交する方向から感光体ドラム121に対して着脱されるようなものである場合には、特に離接機構70を設けなくてもよい。
(6)上記の実施形態においては、現像装置20が装置本体11に対して感光体ドラム121とは別に着脱自在とされているが、感光体ドラム121と一体にユニット化されたものであってもよいし、装置本体11に固定されたものであってもよい。
(7)上記の実施形態においては、環状体として現像剤漏洩防止部材50が採用されているが、本発明は、環状体が現像剤漏洩防止部材50であることに限定されるものではなく、第1現像ローラ41と第2現像ローラ42とのハウジング21に対する組み付け作業の作業性の向上のみを目的とした(すなわち、現像剤の漏洩防止機能を備えていない)単純なものであってもよい。
プリンタの内部構造の一実施形態を説明するための正面断面視の説明図である。 本発明に係る現像装置の一実施形態を示す斜視図であり、(A)は、分解斜視図、(B)は、組み立て斜視図である。 図2(B)のIII−III線断面図である。 現像剤漏洩防止部材の一実施形態を示す斜視図であり、(A)は、分解斜視図、(B)は、組み立て斜視図である。 図4(B)に示す現像剤漏洩防止部材の正面視の断面図である。 現像装置のハウジングへ装着前の第2現像ローラあるいはハウジングから取り外した第2現像ローラを平面上に載置した状態を示す端面図である。
符号の説明
10 プリンタ(画像形成装置)
11 装置本体 111 用紙搬送路
112 搬送ローラ対 113 第2転写ローラ
114 排紙搬送路 12 画像形成部
12C シアン用ユニット 12K ブラック用ユニット
12M マゼンタ用ユニット 12Y イエロー用ユニット
121 感光体ドラム(像担持体)
122 帯電装置 123 露光装置
124 転写ベルト 124a 駆動ローラ
124b 従動ローラ 125 転写ローラ
126 クリーニング装置 13 定着部
131 加熱ローラ 132 定着ローラ
133 定着ベルト 134 加圧ローラ
14 用紙貯留部 141 手差しトレイ
142 用紙トレイ 143 ピックアップローラ
15 用紙排出部 151 排紙トレイ
20 現像装置 21 ハウジング
22 下部ハウジング 23 上部ハウジング
231 トナー供給開口 24 端壁
241 円弧長孔 25 隔壁
251 連絡開口 26 汲み上げ空間
27 層厚規制部材 28 前壁面部材
30 トナー攪拌機構 31 第1スパイラルフィーダ
32 第2スパイラルフィーダ
40 トナー供給機構 41 第1現像ローラ(上流側現像ローラ)
41a スリーブ 41b 円筒状磁石体(磁石)
411 第1ローラ軸(上流側ローラ軸)
42 第2現像ローラ(現像ローラ)
42a 軸鞘 421 第2ローラ軸(ローラ軸)
50 現像剤漏洩防止部材(環状体)
51 シール材保持体 511 筒体
512 フランジ 513 被貼着面体
514 脚体 52 シール材
521 第1シール材 522 第2シール材
53 円弧凹面 54 円弧凹面
541 凸条 60 コロ
61 中心孔 70 離接機構
71 軸受けアーム
N1〜N3 第1〜第3N極 S1〜S4 第1〜第4S極
O 軸心 P 用紙
P1 用紙束 Q1 前側の脚体の先端
Q2 後側の脚体の先端 R 位置決めコロの半径
T1 近接位置 T2 離間位置

Claims (7)

  1. 像担持体を有する画像形成装置に装着される現像装置であって、
    現像剤が装填されるハウジングと、
    ローラ軸回りに回転しながら前記像担持体の周面に向けて前記現像剤を供給する現像ローラと、
    前記ローラ軸の両端部に当該ローラ軸回りに回転可能に外嵌される一対の環状体とを備え、
    前記各環状体には、その周縁からの突出量が前記現像ローラの周縁を外方に向けて超えるように設定された脚体が備えられていることを特徴とする現像装置。
  2. 前記脚体は、前記環状体の周方向に一対が二股状で設けられていることを特徴とする請求項1記載の現像装置。
  3. 前記ハウジング内には、前記現像ローラの上流側に上流側ローラ軸回りに回転しながら現像剤を前記現像ローラに受け渡す上流側現像ローラが設けられ、
    前記脚体は、前記上流側現像ローラの周面に対向することを特徴とする請求項1または2記載の現像装置。
  4. 前記上流側現像ローラには、当該上流側現像ローラの回転により前記現像ローラへ供給される現像剤を前記現像ローラへ誘引するように磁極が形成された非回転の磁石が内装され、
    前記現像ローラには、前記上流側現像ローラの周面と対向する周面位置に上流側現像ローラの磁極と対向する対向磁極が形成されていることを特徴とする請求項3記載の現像装置。
  5. 前記ローラ軸には、前記現像ローラの周面と像担持体の周面との間に所定寸法の隙間を形成させる位置決めコロが設けられ、前記各脚体は、前記位置決めコロを備えた現像ローラを当該脚体を介して平面に載置した状態で、位置決めコロが平面と接触しないように前記環状体からの突出量が設定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の現像装置。
  6. 前記環状体は、ハウジング内部の現像剤の外部への漏洩を防止する現像剤漏洩防止部材であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の現像装置。
  7. 前記脚体は、前記環状体の周方向に一対が二股状で設けられ、
    前記現像剤漏洩防止部材は、前記上流側現像ローラの周面に向けて突設された一対の突起と、前記一対の突起間に介設され、かつ、前記上流側現像ローラに摺接されるシール材とを有し、
    前記一対の突起は、前記一対の脚体が兼用されていることを特徴とする請求項6記載の現像装置。
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