JP4836522B2 - 電鋳型、電鋳型の製造方法及び電鋳部品の製造方法 - Google Patents

電鋳型、電鋳型の製造方法及び電鋳部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、電鋳型、電鋳型の製造方法及び電鋳部品の製造方法に関する。
図20に示すような多段型の電鋳型100を製造する方法としては、樹脂101を加熱して軟化させた後に原型を押付けて、図21に示すように、樹脂101に原型の形状を転写して、蒸着等の方法によって電鋳を行う面(以下、電鋳面と称する。)に導電層102を形成させるものが知られている。
一方、感光性材料をシリコンプロセスを用いて電鋳型形状に加工するLIGA(Lithographie Galvanoformung Abformung)法によって電鋳型を製造し、合わせて電鋳によって微小な形状を有する部品や金型を製造するものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このような電鋳型では、微小な部品であっても高い精度で電鋳部品製造することができる。
しかしながら、従来の多段構造の電鋳型100を用いて多段型の電鋳部品103を製造する場合、図22に示すように、導電層102が形成されている全ての電鋳面に電鋳物105が析出するために、電鋳物105が大きくなりやすい。そのため、図23に示すような小型の電鋳部品103を製造する場合には、除去すべき部分のほうが大きくなってしまい、後加工が面倒である。また、電鋳面から等方的に析出するため、図24に示すように電鋳物の内部に鬆106が形成されてしまう。
また、特許文献1に記載の電鋳型及び電鋳部品とその製造方法では、電鋳型の一段目を作成して部品を電鋳後、一旦感光性材料を剥離して、再度感光性材料を塗布して二段目を形成している。従って、電鋳部品の階段状部分を形成する電鋳工程と、形成した階段状部分の上に次の層を形成するために使用される電鋳型の二段目を形成する感光性材料の塗布及び露光工程とを繰り返す必要があり、全体の工程が複雑となって時間がかかる。
特開平11−15126号公報
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、感光性材料を用いて内部に鬆のない多段型の電鋳部品を製造できる電鋳型、及びこの電鋳型を少ない工程で製造するための製造方法、並びにこの電鋳型を用いて内部に鬆のない電鋳部品を製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係る電鋳型は、少なくとも一表面を有する基板と、該基板の前記一表面の一部を露出した状態で前記基板上に階段状に積層された樹脂層とを備え、該樹脂層の最上層を除いた他の層の厚さ方向の表面に触媒が配され、該触媒の露出面に導電層が配されていることを特徴とする。
また、本発明に係る電鋳型の製造方法は、少なくとも一表面を有する基板の該一表面上に、厚さ方向の表面に触媒を配しながら階段状の樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、該触媒の露出面に導電層を配する導電層配設工程とを備えていることを特徴とする。
この電鋳型及び電鋳型の製造方法は、樹脂層が階段状に形成されているので、各段を形成する毎に電鋳を行う必要がなく、一度の電鋳で所望の電鋳部品を製造することができる。また、樹脂層の厚さ方向の表面にのみ導電層が形成されているので、電鋳を行う際、基板の厚さ方向にのみ電鋳させることができる。
また、本発明に係る電鋳型の製造方法は、前記製造方法であって、前記樹脂層形成工程が、前記基板の前記一表面に感光性材料を配する工程と、該感光性材料の表面に第一フォトマスクを配して露光して、硬化した第一樹脂層と硬化しない第一未硬化層とを形成する工程と、前記第一樹脂層及び前記第一未硬化層の厚さ方向の表面に触媒を配する工程と、該触媒に前記感光性材料を配する工程と、該感光性材料の表面に第二フォトマスクを配して露光して、硬化した第二樹脂層と硬化しない第二未硬化層とを形成する工程と、現像して前記第一未硬化層及び前記第二未硬化層を除去する工程とを備え、前記導電層配設工程が、前記第一未硬化層及び前記第二未硬化層を除去して露出させた前記第一樹脂層の前記触媒に、無電解めっきによって前記導電層を形成する工程を備えていることを特徴とする。
また、本発明に係る電鋳型の製造方法は、前記製造方法であって、前記樹脂層形成工程が、前記基板の前記一表面に感光性材料を配する工程と、該感光性材料の厚さ方向の表面に触媒を配する工程と、前記感光性材料の表面に第一フォトマスクを配して露光して、硬化した第一樹脂層と硬化しない第一未硬化層とを形成する工程と、該触媒に前記感光性材料を配する工程と、該感光性材料の表面に第二フォトマスクを配して露光して、硬化した第二樹脂層と硬化しない第二未硬化層とを形成する工程と、現像して前記第一未硬化層及び前記第二未硬化層を除去する工程とを備え、前記導電層配設工程が、前記第一未硬化層及び前記第二未硬化層を除去して露出させた前記第一樹脂層の前記触媒に、無電解めっきによって前記導電層を形成する工程を備えていることを特徴とする。
この電鋳型の製造方法は、感光性材料の塗布と露光とを繰り返すことによって第1樹脂層及び第2樹脂層を階段状に形成することができる。
また、本発明に係る電鋳型は、前記電鋳型であって、前記基板の前記一表面の露出面にも前記触媒が配され、該触媒の露出面に導電層が形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る電鋳型の製造方法は、前記電鋳型の製造方法であって、前記第一未硬化層及び前記第二未硬化層を除去して露出させた前記基板の前記一表面に前記触媒を配する工程をさらに備え、前記第一未硬化層及び前記第二未硬化層を除去して露出させた前記基板の前記一表面及び前記第一樹脂層の前記触媒に、無電解めっきによって導電層を形成することを特徴とする。
この電鋳型及び電鋳型の製造方法は、電鋳部品を基板の一表面から直接剥がすのが困難であっても、触媒を介して導電層を形成させることによって、触媒が配された部分から電鋳部品を剥がすことができ、電鋳型から容易に剥がすことができる。
また、本発明に係る電鋳型は、前記電鋳型であって、前記樹脂層が、ネガ型感光性材料からなることを特徴とする。
また、本発明に係る電鋳型の製造方法は、前記電鋳型の製造方法であって、前記第一樹脂層及び前記第二樹脂層が、ネガ型感光性材料からなることを特徴とする。
この電鋳型及び電鋳型の製造方法は、ポジ型感光材料のように硬化方法が異なるものを合わせて使用することなく、何れもネガ型感光材料が硬化して形成されているので、ポジ型感光材料も使用する場合と比べて露光工程を簡略化することができ、かつ、暗室での工程を減らすことができる。
また、本発明に係る電鋳型は、前記電鋳型であって、触媒材料がパラジウムであることを特徴とする。
また、本発明に係る電鋳型の製造方法は、前記電鋳型の製造方法であって、触媒材料がパラジウムであることを特徴とする。
この電鋳型の製造方法及びこれによって製造される電鋳型は、基板と導電層、樹脂層と導電層との密着性をそれぞれ向上することができる。
本発明に係る電鋳部品の製造方法は、本発明に係る電鋳型の製造方法によって製造された電鋳型を金属イオンを有する電鋳液に浸す工程と、前記導電層に電圧を印加して電子を供給する工程と、前記導電層に前記金属イオンの金属を析出する工程とを備えていることを特徴とする。
この電鋳部品の製造方法は、本発明に係る電鋳型を用いて電鋳を行うので、一度の電鋳で多段構造の電鋳部品を製造することができる。この際、内部に鬆のないものを製造することができる。
本発明によれば、電鋳によって得られた電鋳部品の内部に鬆が形成されるのを好適に抑えることができる。
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図15を参照して説明する。
本実施形態に係る電鋳型1は、図1に示すように、一表面2aを有する基板2と、基板2の一表面2aの一部を露出した状態で基板2上に第一樹脂層3及び第二樹脂層(最上層)6が階段状に積層された樹脂層4とを備え、第一樹脂層3の厚さ方向の表面に触媒5が配され、触媒5の露出面に導電層7が配されている。
基板2は、ガラス基板であって、電鋳型1の強度が維持できる程度、例えば、100μm〜10mm程度の厚さを有している。この基板2の一表面2aには、クロム(Cr)からなる図示しないアンカーメタル層の上に、導電性を有する金(Au)層8が、例えば、0.01μm〜1μmの厚さで形成されている。なお、基板の材料が金属の場合には、このような層は必ずしも必要ではない。
第一樹脂層3及び第二樹脂層6は、例えば、基板2の厚み方向の厚さが100μm〜200μmとされ、何れもネガフォトレジスト(ネガ型感光性材料)で構成されている。このネガフォトレジストは、エポキシ系の樹脂をベースとする化学増幅型のものが望ましく、現像液に不溶なものが好ましい。
触媒5の材料は、パラジウム(Pd)であり、その厚さは、光が十分に透過可能な原子の大きさと同程度となっている。即ち、基板2の一表面2aでは、Au層8と導電層7とが電気的に接続された状態となっている。
導電層7は、ニッケル(Ni)からなり、5nm〜10μmの厚さとなっている。
次に、本実施形態に係る電鋳型1を製造する方法について説明する。
この電鋳型1の製造方法は、図2から図9に示すように、基板2の一表面2a上に、厚さ方向の表面に触媒5を配しながら階段状の樹脂層4を形成する樹脂層形成工程(S1)と、触媒5の露出面に導電層7を配する導電層配設工程(S2)とを備えている。
樹脂層形成工程(S1)は、基板2の一表面2aにネガフォトレジスト10を配する工程(S01)と、ネガフォトレジスト10の表面に図示しない第一フォトマスクを配して露光して、硬化した第一樹脂層3と硬化しない第一未硬化層12とを形成する工程(S02)と、第一樹脂層3及び第一未硬化層12の厚さ方向の表面に触媒5を配する工程(S03)と、触媒5にネガフォトレジスト10を配する工程(S04)と、ネガフォトレジスト10の表面に図示しない第二フォトマスクを配して露光して、硬化した第二樹脂層6と硬化しない第二未硬化層15とを形成する工程(S05)と、現像して第一未硬化層12及び第二未硬化層15を除去する工程(S06)とを備え、導電層配設工程(S2)は、第一未硬化層12及び第二未硬化層15を除去して露出させた基板2の一表面2a及び第一樹脂層3の触媒5に、無電解めっきによって導電層7を形成する工程(S07)を備えている。
まず、ネガフォトレジスト10を配する工程(S01)では、図3に示すように、一表面2aに予めスパッタ等によって図示しないアンカーメタル層とAu層8とが順に配されたガラス基板2を用意する。
そして、図示しない暗室内にて、図4に示すように、ネガフォトレジスト10を基板2の一表面2aに所定の厚さに塗布する。
次に、第一樹脂層3と第一未硬化層12とを形成する工程(S02)に移行する。
ここでは、ネガフォトレジスト10に所望の硬化させない部分を形成するための第一フォトマスクをネガフォトレジスト10の表面に配置して、露光する。これにより、図5に示すように、硬化した第一樹脂層3と硬化されない第一未硬化層12とが形成される。
そして、第一樹脂層3及び第一未硬化層12の表面に触媒5を配する工程(S03)に移行する。
ここでは、触媒5であるPdをセンシアクチ法により、基板2の厚さ方向となる第一樹脂層3及び第一未硬化層12の表面に吸着して、図6に示すような状態とする。
続いて、触媒5の表面にネガフォトレジスト10を配する工程(S04)移行する。
ここでは、第一樹脂層3を形成する際に使用したネガフォトレジスト10と同じものを使用する。そして、暗室内にて、図7に示すように、ネガフォトレジスト10を基板2の一表面2aに所定の厚さに塗布する。
次に、硬化した第二樹脂層6と硬化しない第二未硬化層15とを形成する工程(S05)に移行する。
ここでは、ネガフォトレジスト10に所望の硬化させない部分を形成するための第二フォトマスクをネガフォトレジスト10の表面に配置して、露光する。これにより、図8に示すように、硬化した第二樹脂層6と硬化されない第二未硬化層15とが形成される。
そして、現像して第一未硬化層12及び第二未硬化層15を除去する工程(S06)に移行する。
即ち,上述した工程までによって製造されたものを現像液中に漬けて、図9に示すように、第一未硬化層12と第二未硬化層15とを除去する。このとき、第一未硬化層12の表面に塗布された触媒5も一緒に除去される。除去後、現像後のものを十分に洗浄しておく。
次に、無電解めっきによって導電層7を形成する工程(S07)に移行する。
ここでは、ニッケル(Ni)−ほう素(B)系溶液による無電解めっきを行って、触媒5が配された基板2及び第一樹脂層3の表面のみにNiからなる導電層7を形成する。この際、第一樹脂層3及び第二樹脂層6の側面には触媒5が配されていないので、導電層7は形成されない。
こうして、図1に示す電鋳型1を得る。
得られた電鋳型1を用いて電鋳部品16を製造する方法について説明する。
電鋳部品16の製造方法は、図10に示すように、電鋳型1を金属イオンを有する電鋳液17に浸す工程(S11)と、電鋳型1の導電層7に電圧を印加して電子を供給する工程(S12)と、導電層7に金属イオンの金属を析出する工程(S13)とを備えている。本実施形態では、ニッケル(Ni)電鋳による電鋳部品16を製造する。従って、上記金属はNiとなる。
電鋳部品16を製造するための装置18は、図11に示すように、電鋳液17が満たされた電鋳槽20と、電鋳液17に浸されて配された電極21と、電気配線22を介して電鋳型1のAu層8及び電極21に接続される電源23とを備えている。
電鋳液17は、析出させる金属によって異なるが、Ni電鋳を行う場合、スルファミン酸ニッケル水和塩を含む水溶液を使用する。電極21は、Niを析出させるためにNi板となっている。
まず、図11に示すように、電鋳型1のAu層8に電気配線22を接続して電鋳型1を電鋳液17に浸す工程(S11)を行う。
続いて、電鋳型1の導電層7に電圧を印加して電子を供給する工程(S12)に移行する。このとき、電源23に接続されたAu層8と基板2上の導電層7とは電気的に接続状態となっている。従って、電源23から所定の電圧を所定時間印加した場合、基板2の導電層7に電子が供給される。
続いて、導電層7に金属イオンの金属を析出する工程(S13)を行う。
即ち、電圧印加によって、電極21から溶出されたNiイオンが電鋳型1のほうに移動する。そして、基板2上に形成された導電層7からNiが基板2の厚さ方向に徐々に析出されて電鋳物25が形成される。一方、第一樹脂層3上に形成された導電層7には電流が流れないので、この導電層7には電鋳物25は析出しない。
電鋳物25が第一樹脂層3に配された導電層7の位置まで成長したとき、両者が接触するので、電鋳物25を介して第一樹脂層3に配された導電層7にも電流が流れる。従って、この導電層7上にもNIが析出し始める。こうして、図12に示すように、第二樹脂層6の厚さになるまでNiを析出させる。
次に、図13に示すように、電鋳型1の第一樹脂層3及び第二樹脂層6を有機溶剤にて溶融して除去する。この際、事前に電鋳物25の表面を研磨しておいてもよい。
そして、図14に示すように、電鋳型1の基板2上に露出したAu層8をエッチングによって除去した後、電鋳物25に基板2から分離する力を与えて物理的に基板から引き剥がす。この際、導電層7やAu層8が電鋳物25に付着している場合であってこれらが不要な場合には、ウエットエッチングや研磨等により除去する。
こうして、図15に示すような電鋳部品16を得る。
この電鋳型1及び製造方法によれば、第一樹脂層3と第二樹脂層6とが予め階段状となっているので、従来のように電鋳部品の各段を形成する毎に、電鋳のための型形成を交互に繰り返して行う必要がなく、一度の電鋳で所望の形状の電鋳部品16を製造することができる。また、基板2の一表面2a及び第一樹脂層3の厚さ方向の表面にのみ導電層7が形成されているので、電鋳を行う際、基板2の厚さ方向にのみ電鋳物25を析出させることができ、電鋳部品16の内部に鬆が形成されるのを好適に抑えることができる。
また、第一樹脂層3及び第二樹脂層6が、ポジフォトレジストのように硬化方法が異なるものを使用することなく、何れもネガフォトレジスト10が硬化して形成されている。従って、ポジフォトレジストも合わせて使用するような場合と比べて露光工程を簡略化することができ、かつ、暗室での工程を減らすことができる。
さらに、触媒5がPdなので、第一樹脂層3と導電層7との密着性を向上することができる。
また、この電鋳部品16の製造方法によれば、本発明に係る電鋳型1を用いてNi電鋳を行うので、一度の電鋳で多段構造の電鋳部品16を製造することができる。この際、上述したように内部に鬆のない電鋳部品16を製造することができる。
次に、第2の実施形態について図16及び図17を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係る電鋳型30の基板31の一表面31aが、Au層8の代わりにアルミ(Al)蒸着層32がアンカーメタル層を介さずに配されて導電性を備えているとした点である。そして、基板31の一表面31aの露出面にも触媒5が配され、基板31及び第一樹脂層3の触媒5の露出面にそれぞれ導電層7が配されている。
この電鋳型30の製造方法は、第1の実施形態に係る電鋳型30の製造方法において、露光して第一未硬化層12及び第二未硬化層15を除去する工程(S06)と、第一未硬化層12及び第二未硬化層15を除去して露出させた基板31の一表面31a及び第一樹脂層3の触媒5に、無電解めっきによって導電層7を形成する工程(S07)との間に、第一未硬化層12及び第二未硬化層15を除去して露出させた基板31の一表面31aに触媒5を配する工程(S3)をさらに備えている。
この工程(S3)では、触媒5の材料はPdであっても、Al蒸着層32の一部をPdで置換することによってPd触媒の付与を行う。
そして、露出させた基板31の一表面31a及び第一樹脂層3の触媒5に、無電解めっきによって導電層7を形成する工程(S07)に移行して、Niからなる導電層7を形成する。
この電鋳型30及び製造方法によれば、基板31の一表面31aには、置換型Pd触媒付与によって触媒5が配されるので、基板の一表面にアルカリ溶液に溶融性の高いAl材料を使用しても触媒5を介して導電層7を形成させることができる。従って、電鋳型30から電鋳部品16を取り出す際に、電鋳物25に基板31から分離する力を与えて物理的に基板から引き剥がさなくても、Al蒸着層32を溶融させることによって電鋳型30から容易に電鋳部品16を取り出すことができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では、基板としてガラス基板を使用しているが、シリコン基板であってもよく、ステンレスやアルミといった金属基板であっても構わない。
また、基板2,31の一表面2a,31aに配されたAu層8の代わりに、銅や銀であってもよく、アンカーメタル層としてはチタンであっても構わない。
さらに、第一樹脂層3及び第二樹脂層6を基板2の一表面2a側のみに形成させたものだけではなく、図18及び図19に示すように、基板2の一表面2aと反対側の他の表面2bにも同様のプロセスによって第一樹脂層3及び第二樹脂層6を形成させた電鋳型40であっても構わない。
この電鋳型40の場合、基板2の反りを抑えることができるとともに、基板2の両方向に電鋳部品16を製造することができ、一度に多くの電鋳部品を製造することができる。
また、樹脂層4が第一樹脂層3と第二樹脂層6との二段からなるものとしているが、三段以上で構成されていても同様の作用・効果を奏することができる。また、電鋳型1を製造する際、樹脂層形成工程にて第一樹脂層3と第一未硬化層12とを形成してから触媒5を表面に配するものとしているが、ネガフォトレジスト10を配した後で表面に触媒5を配してから露光して第一樹脂層3及び第一未硬化層12を形成しても同様の作用・効果を奏することができる。
本発明の第1の実施形態に係る電鋳型を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳型の製造方法を示すフロー図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳型の製造方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳型の製造方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳型の製造方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳型の製造方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳型の製造方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳型の製造方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳型の製造方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳部品を製造する方法を示すフロー図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳部品を製造する方法に使用する装置の構成を示す概要図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳部品を製造する方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳部品を製造する方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳部品を製造する方法を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係る電鋳部品を製造する方法によって得られた電鋳部品を示す断面図である。 本発明の第2実施形態に係る電鋳型を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る電鋳型の製造方法を示すフロー図である。 本発明の他の実施形態に係る電鋳部品を製造する方法を示す説明図である。 本発明の他の実施形態に係る電鋳部品を製造する方法を示す説明図である。 従来の電鋳型の製造方法を示す説明図である。 従来の電鋳型を示す断面図である。 従来の電鋳型を用いて電鋳部品を製造する状態を示す説明図である。 従来の電鋳部品の製造方法によって得られた電鋳部品を示す断面図である。 従来の電鋳部品の製造方法を示す説明図である。
符号の説明
1,30,40 電鋳型
2,31 基板
2a,31a 一表面
3 第一樹脂層
4 樹脂層
5 触媒
6 第二樹脂層(最上層)
7 導電層
10 ネガフォトレジスト(ネガ型感光性材料)
12 第一未硬化層
15 第二未硬化層
16 電鋳部品

Claims (10)

  1. 少なくとも一表面を有する基板と、
    該基板の前記一表面の一部を露出した状態で前記基板上に階段状に積層されたネガ型感光性材料からなる樹脂層とを備え、
    該樹脂層の最上層を除いた他の層の厚さ方向の表面に触媒が配され、該触媒に導電層が配されていることを特徴とする電鋳型。
  2. 前記基板の前記一表面の露出面にも前記触媒が配され、該触媒に前記導電層が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電鋳型。
  3. 前記触媒がパラジウムであることを特徴とする請求項1または2の何れか一つに記載の電鋳型。
  4. 少なくとも一表面を有する基板の該一表面上に、厚さ方向の表面に触媒を配しながら階段状の樹脂層を形成する樹脂層形成工程と、
    該触媒に導電層を配する導電層配設工程とを備えていることを特徴とする電鋳型の製造方法。
  5. 前記樹脂層形成工程が、前記基板の前記一表面に感光性材料を配する工程と、
    該感光性材料の表面に第一フォトマスクを配して露光して、硬化した第一樹脂層と硬化しない第一未硬化層とを形成する工程と、
    前記第一樹脂層及び前記第一未硬化層の厚さ方向の表面に触媒を配する工程と、
    該触媒に前記感光性材料を配する工程と、
    該感光性材料の表面に第二フォトマスクを配して露光して、硬化した第二樹脂層と硬化しない第二未硬化層とを形成する工程と、
    前記第一未硬化層及び前記第二未硬化層を現像により除去する工程とを備え、
    前記導電層配設工程が、前記第一未硬化層及び前記第二未硬化層を除去して露出させた前記第一樹脂層の前記触媒に、無電解めっきによって前記導電層を形成する工程を備えていることを特徴とする請求項に記載の電鋳型の製造方法。
  6. 前記樹脂層形成工程が、前記基板の前記一表面に感光性材料を配する工程と、
    該感光性材料の厚さ方向の表面に触媒を配する工程と、
    前記感光性材料の表面に第一フォトマスクを配して露光して、硬化した第一樹脂層と硬化しない第一未硬化層とを形成する工程と、
    該触媒に前記感光性材料を配する工程と、
    該感光性材料の表面に第二フォトマスクを配して露光して、硬化した第二樹脂層と硬化しない第二未硬化層とを形成する工程と、
    前記第一未硬化層及び前記第二未硬化層を現像により除去する工程とを備え、
    前記導電層配設工程が、前記第一未硬化層及び前記第二未硬化層を除去して露出させた前記第一樹脂層の前記触媒に、無電解めっきによって前記導電層を形成する工程を備えていることを特徴とする請求項に記載の電鋳型の製造方法。
  7. 前記第一未硬化層及び前記第二未硬化層を除去して露出させた前記基板の前記一表面に前記触媒を配する工程をさらに備え、
    前記第一未硬化層及び前記第二未硬化層を除去して露出させた前記基板の前記一表面及び前記第一樹脂層の前記触媒に、無電解めっきによって導電層を形成することを特徴とする請求項又はに記載の電鋳型の製造方法。
  8. 前記感光性材料が、ネガ型感光性材料であることを特徴とする請求項からの何れか一つに記載の電鋳型の製造方法。
  9. 前記触媒がパラジウムからなることを特徴とする請求項からの何れか一つに記載の電鋳型の製造方法。
  10. 請求項からの何れか一つの方法によって製造された電鋳型を金属イオンを有する電鋳液に浸す工程と、
    前記導電層に電圧を印加して電子を供給する工程と、
    前記導電層に前記金属イオンの金属を析出する工程とを備えていることを特徴とする電鋳部品の製造方法。
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