JP4835819B2 - 断面非円形容器の方向規制装置 - Google Patents

Description

本発明は、コンベヤで直立状態で送られる断面非円形のＰＥＴボトル等の空容器又は内容物が充填された実容器を一方向に揃える断面非円形容器の方向規制装置に関する。

空ボトルに内容物を充填する充填密封ラインにおいて、デパレタイザーで解荷された空のボトルは集合密集状態で多列コンベヤに供給され、多列コンベヤで徐々に１列に整列されて、単列の供給コンベヤに移載されて充填機に搬送される。ところが、胴部断面が長方形や正方形状または楕円形状のＰＥＴボトルなどのプラスチック容器あるいはガラス容器、紙容器、金属容器等で断面非円形容器の場合、単列コンベヤで全てが同じ向きになって搬送されるとは限らないので、次の処理装置（洗浄機や充填機等）に供給するには方向を揃える必要がある。また、同様な要求は実容器のラベル巻機や箱詰めラインにおいても生じる。

従来この種の容器の方向規制装置又は方向揃え装置は、種々の装置が知られており、例えば、正方形状の角型容器を吸引しながら搬送するバキュームコンベヤの側方に、該コンベヤと等速回転する回転ベルト及びコンベヤを挟んで反対側に固定ガイドを設け、回転ベルトと固定ガイドの間隔を上流側を角型容器の対角線長さとほぼ等しい幅にし、下流側を角型容器の一辺長さより大きい幅に配置したものが知られている（特許文献１参照）。また、長方形状の角型ボトルを９０°回転させる四角ボトル回転装置として、ボトルのキャップ部に両側から当接して搬送方向に走行する一対のベルトを設け、この両側のベルトの一方を他方側より速くして速度差をもたせ、ボトルの口部を一対のベルトで挟み込んで一定距離を搬送中に強制的に回転させるようにしたものが提案されている（特許文献２参照）。
特開平１１−２４０５０８号公報 特開平１０−３３８２１１号公報

上記従来の非円形ボトルの方向規制装置のうち、前者はコンベヤと等速回転する回転ベルトと固定ガイド間にボトル胴部を挟んでボトルを摩擦力により強制回転させるものであるため、特に断面長方形ボトルの場合は接触圧が強くなり、回転するのに無理な力がかかりボトルに凹みが生じ易く且つ倒れが生じ易い問題点がある。また、ボトル口部を挟んで強制的に回転させる方法は、搬送区間中常に回転させるものであるので、例えば一様に９０°回転させるなど回転角度が決まっている場合は適用できても、向きがそれぞれ不揃いで搬送されてくるボトルの方向整列には適用できない。

近年、ペットボトルは益々薄肉・軽量化が進みボトルのパネル部の強度が不足してきている一方、ラインは益々高速化しているため、無理な一列規制や方向変換はボトルの凹みや倒れにつながりやすく、製品の歩留まりと生産性を向上させる上からもボトルの方向整列をボトルに無理な力を負荷せずにソフトでかつ確実にできる方向整列装置が求められているが、未だその満足するものは実現していない。そこで、本発明は、このような要求を満たすような非円形容器の方向規制装置を実現することを技術的課題としている。

上記課題を解決する本発明の断面非円形容器の方向規制装置は、搬送コンベヤにより直立して一列状態で搬送される断面非円形ボトル状容器を搬送中に一方向に揃える断面非円形ボトル状容器の方向規制装置であって、前記搬送コンベヤの両側に沿って搬送するボトル状容器の方向を規制する弾性体で形成された一対の方向規制ベルトを、ボトル状容器接触面の間隔が搬送するボトル状容器の断面最大長よりも小さく、ボトル状容器の断面最小長よりも大きくなるように平行に配置し、かつ、入り口側のプーリを互いに搬送方向にずらして配置し、該方向規制ベルトの一方を前記搬送コンベヤと同方向に回転駆動させ、他方の方向規制ベルトを前記一方の方向規制ベルトと異なる速度で搬送コンベヤと同方向又は任意の速度で前記搬送コンベヤと逆方向に回転駆動するようにしてなることを特徴とするものである。

前記方向規制ベルトのうち、少なくとも一方は搬送コンベヤより高速で同方向に回転駆動されるようにするのが望ましい。方向規制ベルトとしては、平ベルト又は丸ロープベルト何れでも採用可能である。
なお、前記速度差とは、同方向回転によって生じる速度差ばかりでなく、逆方向への回転によって生じる速度差も含むものであり、また容器の断面最短部が搬送方向に対し傾いた状態とは、断面最短部が搬送方向に向いた状態、即ち断面最短部が搬送方向と垂直になっている状態以外の場合を言い、例えば断面長方形容器の場合、搬送方向に対して短辺部が斜めになっている場合の外、長辺部が搬送方向に向いている場合等をいう。

前記断面非円形容器の方向規制装置において、前記一対の方向規制ベルトの上流に、前記搬送コンベヤの両側に沿って搬送するボトル状容器の断面最大長とほぼ同じ間隔で、固定ガイド又は前記搬送コンベヤと等速で回転している方向規制ベルトを配置し、且つ前記一対の方向規制ベルトの下流に、前記搬送コンベヤの両側に沿って前記ボトル状容器の断面最小長とほぼ同じ間隔で固定ガイドを配置することが望ましい。

前記方向規制ベルトを、無端ベルト外周面に所定ピッチで縦方向に凸条を形成して該凸条が容器接触面となるように構成することによって、断面最短部が進行方向と傾いた状態で搬送されてくる容器は、角部が高速回転する方向規制ベルトの前記凸条に当ることにより回転力を付与され、対角線上の角部は反対側方向規制ベルトに形成された凸条間で逃げ、容器を両方向規制ベルト間で挟み込むことなく回転させて一方向に揃えることができ望ましい。

本発明によれば、容器搬送コンベヤの両側に配置され、回転駆動される一対の方向規制ベルトの速度差により容器胴部に回転トルクを与えて回転させるものであり、両側の方向規制ベルトが回転駆動するので、ボトル角部と方向規制ベルトとの接触点で滑りが生じることがなく、確実に容器を回転させて一方向に揃えることができ、かつ容器に無理な力が作用せず、薄肉のペットボトルであっても凹みや滑り疵及び倒れを発生させることがなくなり、製品の歩留まりを向上させることができる。特に、入口側のプーリを互いに搬送方向にずらして配置しているので、容器がその対角線部や長辺部が搬送方向に対して直角状態で搬送されてきても、一対の方向規制ベルト入口側のプーリ間で容器の停止や噛み込みが生じない。さらに、方向規制ベルトは弾性体で形成しているので、容器が方向規制ベルト間に入りに対角線上角部が当っても、角部が当っている部分のベルトが一時的に容易に変形して、ボトルへの負荷を少なくし、方向規制ベルトの速度差によりトルクを与えボトルを長辺側が搬送方向と平行となるように回転させることができる。

以下、本発明の実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
本発明で方向規制の対象とする断面非円形容器は、例えば図２に示すような、断面楕円形の楕円ボトル５０、断面がほぼ長方形の長方角ボトル５１、断面がほぼ正方形の正方角ボトル５２等である。以下の各実施形態では、最も方向規制が難しい長方角ボトルを短辺側が搬送方向に向くように向きを揃える場合について説明する。その場合、長方角ボトルの断面寸法を図７（ｂ）に示すように短辺長ａ、長辺長ｂ、対角線長ｃとする。したがって、長方角ボトルの断面最短長がａであり、断面最大長がｃである。なお、楕円ボトルの場合は、長径が断面最大長であり、短径が断面最短長である。

図１は、本発明に係る容器方向規制装置の実施形態を示し、（ａ）はその要部平面図、（ｂ）は正面図である。
図中、１は長方角ボトル（以下、単にボトルという）５１を一列直立状態で搬送する無端状のコンベヤであり、その上流側の両側に沿って固定ガイド２が、ボトル５１の対角線長ｃとほぼ同じ幅間隔で配置されている。したがって、ボトル５１は、図示のようにどのような向きであっても固定ガイド２間を通過可能である。そして、その下流側にボトルを一方向に揃えて搬送するための容器方向規制装置３が配置されている。本実施形態の容器方向規制装置３は、コンベヤ１の両側に沿ってボトルのほぼ中間高さに位置するように、一対の方向規制ベルト４、５が搬送するボトルの短辺長ａよりも大きく対角線長ｃよりも僅かに狭い間隔に対向して配置されている。方向規制ベルト４、５は、比較的弾力性のある樹脂製平ベルトで構成され、一方の方向規制ベルト４は方向規制ベルト５よりも早い速度で容器搬送方向に駆動され、他方の方向規制ベルト５はコンベヤ１と等速で容器搬送方向に駆動されるように構成されている。本実施形態では、図示のように、入口側のプーリを互いに搬送方向にずらして配置し、容器がその対角線部や長辺部が搬送方向に対して直角状態で搬送されてきても、一対の方向規制ベルト入口側のプーリ間で容器の停止や噛み込みが生じないようにしている。そして、その場合、上流側に突出している方向規制ベルト４がボトルの搬送速度よりも高速で回転しているので、両方向規制ベルト間に入る前に、高速回転している方向規制ベルトに接触することにより方向が修正され、長辺部が搬送方向に向いて搬送されているボトルであっても、容易に一対の方向規制ベルト間に入り込むことが出来る。
そして、その下流の両側にはほぼボトルの短辺長ａとほぼ同間隔に固定ガイド６が位置されている。該固定ガイドの上流端入口部７は、僅かに傾いた状態のボトル５１が到達しても容易に固定ガイド６間に入って通過できるように、外側に湾曲して形成されている。なお、前記固定ガイド２に代えて容器搬送方向と同方向に回転駆動される駆動ベルト又は丸ロープガイドを設けても良く、搬送中の容器倒れを防ぐには効果的である。

本実施形態の容器の方向規制装置は、以上のように構成され、ボトルは、図１（ａ）に示すように方向が不揃いの状態で上流からコンベヤ１により搬送されてくる。そのとき、ボトルの対角線が搬送方向と直角の場合がボトルは搬送方向に対して最大幅となるが、容器方向規制装置の入口で方向規制ベルト４、５間の間隔がｃよりも幅狭であるので、角部が方向規制ベルト４、５に接触することにより、両側の方向規制ベルトの速度差により、長辺側が搬送方向と平行になるように回転し、方向を揃えながら方向規制ベルト４、５と共に方向規制部を通過する。その際、方向規制ベルト入口で矯正されずに、方向規制ベルト間に入り図に示すように対角線上角部が当っても、ベルトは弾性体で形成しているので、角部が当っている部分のベルトが一時的に容易に変形して、ボトルへの負荷を少なくし、方向規制ベルトの速度差によりトルクを与えボトルを長辺側が搬送方向と平行となるように回転させる。したがって、ボトルの角部は、方向規制ベルト間に保持され、コンベヤ及び方向規制ベルトの回転によって無理なく回転させることができる。容器の長辺側が搬送方向と平行になると、方向規制ベルトによる拘束から自然に解消されて、方向規制ベルト間を通過する。方向規制ベルト４、５間を通過したボトルは、引き続き固定ガイド６間に入る。その際、方向規制ベルト４、５間は、ボトルの短辺長ａよりも僅かに幅広いので、ボトルが若干傾斜していて正確に一方向にそろってない場合があるが、固定ガイド６の入口部は外側に僅かに湾曲しているので、該湾曲部に案内されて姿勢が矯正されて固定ガイド間を通過し、一方向に揃った状態で充填機又は洗浄機に供給される。

以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はそれに限定されるものでなく、その技術的思想の範囲内で種々の設計変更が可能である。
上記実施形態では、両側の方向規制ベルトとも、容器接触面が容器搬送コンベヤと同方向に回転駆動されているが、一方の方向規制ベルトを容器搬送コンベヤと逆方向に回転駆動させることも可能であり、その場合容器搬送コンベヤと同方向に回転駆動される他方の方向規制ベルトは、容器搬送コンベヤと等速または容器搬送コンベヤより高速の何れで駆動されてもよい。また、本実施形態において方向規制ベルトは平ベルトを使用したが、必ずしも平ベルトに限らず、ロープ状の丸ベルトを採用することも可能である。

本発明は、長方角ボトル、正方角ボトル、楕円ボトル等の非円形断面容器で、材質はプラスチックに限らず、ガラス、紙、金属製の非円形断面容器の一方向に揃える装置として利用でき、特に非円形断面容器に無理な力を作用せず確実に容器を回転させて一方向に揃えることができるので、薄肉のペットボトルであっても凹みや滑り疵及び倒れを発生させることがなくなり、製品の歩留まりを向上させることができ、産業上の利用可能性が高い。

本発明の実施形態に係る非円形断面容器の方向規制装置の要部概略図で あり、（ａ）は平面図、（ｂ）は正面図である。 （ａ）〜（ｃ）は本発明の方向規制装置で方向規制する対象となる容器の一 例を示す正面図と平面図である。

１ コンベヤ
２、６ 固定ガイド
３、９ 方向規制装置
４、５ 方向規制ベルト

Claims (2)

1. 搬送コンベヤにより直立して一列状態で搬送される断面非円形ボトル状容器を搬送中に一方向に揃える断面非円形ボトル状容器の方向規制装置であって、前記搬送コンベヤの両側に沿って搬送するボトル状容器の方向を規制する弾性体で形成された一対の方向規制ベルトを、ボトル状容器接触面の間隔が搬送するボトル状容器の断面最大長よりも小さく、ボトル状容器の断面最小長よりも大きくなるように平行に配置し、かつ、入り口側のプーリを互いに搬送方向にずらして配置し、該方向規制ベルトの一方を前記搬送コンベヤと同方向に回転駆動させ、他方の方向規制ベルトを前記一方の方向規制ベルトと異なる速度で搬送コンベヤと同方向又は任意の速度で前記搬送コンベヤと逆方向に回転駆動するようにしてなることを特徴とする断面非円形ボトル状容器の方向規制装置。
2. 前記一対の方向規制ベルトの上流に、前記搬送コンベヤの両側に沿って搬送するボトル状容器の断面最大長とほぼ同じ間隔で、固定ガイド又は前記搬送コンベヤと等速で回転している方向規制ベルトを配置し、且つ前記一対の方向規制ベルトの下流に、前記搬送コンベヤの両側に沿って前記ボトル状容器の断面最小長とほぼ同じ間隔で固定ガイドを配置してなる請求項１に記載の断面非円形ボトル状容器の方向規制装置。

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