JP4833954B2 - 遠近両用メガネ用の可変ノーズパッド - Google Patents

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この発明はメガネの構成部品であるノーズパッド、詳しくは、メガネの保持位置を上下に変更可能な遠近両用メガネ用の可変ノーズパッドに関するものである。
一つのレンズの内に凸レンズ領域と凹レンズ領域とが存在している所謂累進レンズを用いた遠近両用メガネは、中高年に多く利用されている。
なし なし
遠近両用メガネにおいては、一つのレンズの内に凸レンズ領域と凹レンズ領域とが併存しているので、使用の際にはメガネをずらしたり、逆に目の位置を変えたりしてそれぞれの領域を使い分ける必要があり、慣れないと眼精疲労を起こすこともあり、その使用にはある程度の慣れが必要であった。この為、メガネの保持部材であるノーズパッドに工夫を加え、メガネの保持位置を上下に変更できる様にした遠近両用メガネもいくつか提案されている。しかしながら、対向したノーズパッド間の間隔は、装用者の鼻幅に合わせる為、一般的に上方では狭く、下方では広く、つまり「ハ」の字形になる様に設定されているが、単にノーズパッドを上下にスライド自在にしたのでは、上げた時と下げた時とで、ノーズパッド間の間隔が変化してしまい、装用者の鼻幅に一致しなくなってしまう為、ノーズパッドの可変機構にはこの点についての配慮が必要である。しかし、従来提案されたものの多くは、構造が複雑に過ぎ、過大な製造コストを要するにかかわらず、位置の変換がスムーズに行えなかったり、既存のメガネフレームにそのまま取り付けることが出来ないものがほとんどであり、到底実用に耐え得るものではなかった。本発明は、遠近両用メガネの機能をより十分に発揮させるべく、研究を行った結果、簡単な構造ながらノーズパッド間の間隔を変えることなく、スムーズに上下に位置の変換可能で、しかも既存のメガネフレームのパッドボックスにそのまま装着出来る便利な可変ノーズパッドを開発することに成功し、本発明としてここに提案するものである。
短冊状をなし、先端側中央から基部方向に向かってスリットが形成され、幅方向へのバネ性が付与しせしめられているパッド支持片が下端から後面に対して仰角を伴って斜め上方に向かって一体的に形成されている合成樹脂製のパッド本体と;ブロック状をなし、前方側の端面寄りには、前記パッド支持片をスライド自在に嵌装せしめる貫通孔が上下方向に形成されていると共に、基部側の端部はパッドボックスに挿入される挿入部となっており、該挿入部にはパッドボックスの対向した側壁間に渡された枢支軸が挿入される貫通孔が形成されている合成樹脂製のスライド部材;とから遠近両用メガネ用の可変ノーズパッドを構成することにより、あるいは、短冊状をなし、先端側中央から基部方向に向かってスリットが形成され、幅方向へのバネ性が付与しせしめられているパッド支持片が上端から後面に対して俯角を伴って斜め下方に向かって一体的に形成されている合成樹脂製のパッド本体と;ブロック状をなし、前方側の端面寄りには、前記パッド支持片をスライド自在に嵌装せしめるスリット状貫通孔が上下方向に形成されていると共に、基部側の端部はパッドボックスに挿入される挿入部となっており、該挿入部にはパッドボックスの対向した側壁間に渡された枢支軸が挿入される貫通孔が形成されている合成樹脂製のスライド部材;とから遠近両用メガネ用の可変ノーズパッドを構成することにより上記課題を解決した。
パッド支持片が、ノーズパッド本体に対して仰角又は俯角を伴って斜めに取り付けられ
ているので、上下に移動させても、ノーズパッド本体間の上端の間隔、下端の間隔は常に一定であり、装用者の鼻に安定的に当接させることが出来る。又、スライド部材を枢支するパッドボックスは、従来のものと全く同じものであるので、既存のメガネフレームのパッドボックスに何らの改造を加えることなくそのまま取り付けることが可能であり、すぐれた互換性を有し、遠近両用メガネの利用可能性をより一層大きくする効果を有する。
ノーズパッド本体の裏側にパッド支持片を仰角又は俯角を伴って斜めに取り付けると共に、既存のパッドボックスに枢支可能なスライド部材をパッド支持片にスライド自在に嵌装せしめた点に最大の特徴が存する。
図1はこの発明に係る遠近両用メガネ用の可変ノーズパッドの一実施例の斜視図、図2はその側面図、図3は要部であるノーズパッド本体の裏面図、図4は同じく要部であるパッドボックスの斜視図である。
図中1はノーズパッド本体であり、合成樹脂を素材とし、長径と短径とからなる略楕円形をなし、表面側つまり前方へ向かってゆるく膨出している。そして、このノーズパッド本体1の下端後面からは、後方側へ仰角θ1を保って斜め上方に向かって短冊状をなした
パッド支持片2が一体的に形成されている。つまり、このパッド支持片2は片持ち式に支持されており、その先端は自由端となっている。又、このパッド支持片2の側縁9の先端側及び中央には、図3に示す様に、クリック感付与の為の突起14及び15がそれぞれ形成されている。更に、その先端側中央から基部方向に向ってスリット13が形成されており、パッド支持片2に幅方向へのバネ性を付与している。
一方、図中3はスライド部材であり、合成樹脂を素材とし、ブロック状をなし、その前方側の端面16寄りには、前記パッド支持片2をスライド自在に嵌装せしめる貫通孔4が上下方向に形成されていると共に基部側は、メガネフレームから延設されたパッドボックス5の内側空間に挿入される挿入部6となっており、該挿入部6には、パッドボックス5の対向した側壁10,10間に渡された枢支軸7が挿入される貫通孔8が形成されている。
そして、ノーズパッド本体1のパッド支持片2はスライド部材3の貫通孔4にスライド自在に嵌装されており、パッド支持片2の中央に形成されているスリット13がパッド支持片2に幅方向へのバネ性を付与しているので、パッド支持片2は貫通孔4の側面に弾性的に接しており、突起14,15がストッパーとして作用し、パッド支持片2を上方位置、下方位置の2つのポジションで、選択的かつ安定的に停止する様になっている。
従って、遠近両用メガネの凹レンズ領域を用い様とするときは、スライド部材3を図6に実線で示す様に、パッド支持片2の下部側へ位置させ、メガネの保持位置を高くして凹レンズ領域を見やすくし、凸レンズ領域を用い様とするときには、反対にスライド部材3を図8において破線で示す様に、パッド支持片2の上部側へ移動し、メガネの保持位置を低くして凸レンズ領域を見やすくすれば良い。
そして、パッド支持片2は、ノーズパッド本体1に対して斜めに取り付けられているので、上下に移動させても、ノーズパッド本体1,1間の上端の間隔A、下端の間隔Bは常に一定であり、装用者の鼻幅に安定的に当接させることが出来る。又、スライド部材3を枢支するパッドボックス5は、従来のものと同じもので良いので、既存のメガネフレームのパッドボックスに何らの改造を加えることなくそのまま取り付けることが可能であり、すぐれた互換性を有し、遠近両用メガネの利用可能性をより一層大きくする効果を有する
図6はこの発明に係わる遠近両用メガネ用の可変ノーズパッドの実施例2の斜視図、図7はその側面図である。
図中1´はノーズパッド本体であり、合成樹脂を素材とし、長径と短径とからなる略楕円形をなし、表面側つまり前方へ向かってゆるく膨出している。そして、このノーズパッド本体1´の上端後面からは、後方側へ俯角θ2を保って斜め下方に向かって短冊状をな
したパッド支持片2´が一体的に形成されている。つまり、このパッド支持片2´は片持ち式に支持されており、その先端は自由端となっている。他の部分は前記実施例1と全く同一である為、同一符号を付して説明を省略する。
この実施例2において、遠近両用メガネの凹レンズ領域を用い様とするときは、スライド部材3をパッド支持片2´の下部側へ位置させ、メガネの保持位置を高くして凹レンズ領域を見やすくし、凸レンズ領域を用い様とするときには、反対にスライド部材3をパッド支持片2´の上部側へ移動し、メガネの保持位置を低くして凸レンズ領域を見やすくすれば良い。
そして、パッド支持片2´は、ノーズパッド本体1´に対して斜めに取り付けられているので、上下に移動させても、ノーズパッド本体1´,1´間の上端の間隔、下端の間隔は常に一定であり、装用者の鼻幅に安定的に当接させることが出来る。又、スライド部材3を枢支するパッドボックス5は、従来のものと同じもので良いので、既存のメガネフレームのパッドボックスに何らの改造を加えることなくそのまま取り付けることが可能であり、すぐれた互換性を有し、遠近両用メガネの利用可能性をより一層大きくする効果を有する。
メガネ産業の分野において利用可能である。
この発明に係る遠近両用メガネ用の可変ノーズパッドの実施例1の斜視図。 同じく、その側面図。 同じく、その要部であるノーズパッド本体の裏面図。 同じく、その要部であるスライド部材の斜視図。 ノーズパッド本体のスライド状態を模式的に描いた説明図。 この発明に係る遠近両用メガネ用の可変ノーズパッドの実施例2の斜視図。 同じく、その側面図。
1 ノーズパッド本体
2 パッド支持片
3 スライド部材
4 貫通孔
5 パッドボックス
6 挿入部
7 枢支軸
8 貫通孔
9 側縁
10 側壁
13 スリット
14 突起
15 突起
16 前方側の端面

Claims (2)

  1. 短冊状をなし、先端側中央から基部方向に向かってスリットが形成され、幅方向へのバネ性が付与しせしめられているパッド支持片が下端から後面に対して仰角を伴って斜め上方に向かって一体的に形成されている合成樹脂製のパッド本体と;ブロック状をなし、前方側の端面寄りには、前記パッド支持片をスライド自在に嵌装せしめる貫通孔が上下方向に形成されていると共に、基部側の端部はパッドボックスに挿入される挿入部となっており、該挿入部にはパッドボックスの対向した側壁間に渡された枢支軸が挿入される貫通孔が形成されている合成樹脂製のスライド部材;とから構成されていることを特徴とする遠近両用メガネ用の可変ノーズパッド。
  2. 短冊状をなし、先端側中央から基部方向に向かってスリットが形成され、幅方向へのバネ性が付与しせしめられているパッド支持片が上端から後面に対して俯角を伴って斜め下方に向かって一体的に形成されている合成樹脂製のパッド本体と;ブロック状をなし、前方側の端面寄りには、前記パッド支持片をスライド自在に嵌装せしめる貫通孔が上下方向に形成されていると共に、基部側の端部はパッドボックスに挿入される挿入部となっており、該挿入部にはパッドボックスの対向した側壁間に渡された枢支軸が挿入される貫通孔が形成されている合成樹脂製のスライド部材;とから構成されていることを特徴とする遠近両用メガネ用の可変ノーズパッド。
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