JP4831519B2 - アミン担持多孔質シリカ、該多孔質シリカを含有する樹脂組成物及び該樹脂組成物を含有する多層構造体 - Google Patents

アミン担持多孔質シリカ、該多孔質シリカを含有する樹脂組成物及び該樹脂組成物を含有する多層構造体 Download PDF

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Description

本発明は、多層構造体の酸素吸収性層に含まれる酸化性有機成分の酸化に伴って発生する臭気物質を捕捉するための吸着剤に関し、より詳細には、その表面を、アミノ基を有するシランカップリング剤で処理したアミン担持多孔質シリカに関する。
従来、包装容器としては、金属缶、ガラスビン、各種プラスチック容器等が使用されている。プラスチック容器は、軽量であり、耐衝撃性にもある程度優れているという利点を有しているが、容器壁を透過する酸素による内容物の変質、フレーバー低下等の問題を有している。特に、金属缶やガラスビンでは容器壁を通しての酸素透過がゼロであり、容器内に残留する酸素のみが問題となるのに対して、プラスチック容器の場合には、器壁を通して無視し得ないオーダーの酸素が透過し、内容品の保存性の点で問題となっている。
これを防止するために、プラスチック容器では、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のガス遮断性を有する樹脂の層を少なくとも1層有する多層構造体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ポリマーから成り酸素捕集特性を有する組成物又は該組成物の層を含有する包装用障壁において、組成物が酸化可能有機成分の金属触媒酸化により酸素を捕集することを特徴とする包装用障壁が提案されており、酸化可能有機成分として、ポリアミド、特にキシリレン基含有ポリアミドが使用されている(例えば、特許文献2参照。)。
上記ガスバリヤー性に優れた樹脂、例えばエチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)は、低湿度条件下ではきわめて優れた酸素遮断性を示すものの、高湿度条件下では酸素に対する透過性が極めて大きくなるという問題を有している。さらに、内容物の保存性の向上を目的として、上記ガスバリヤー性樹脂は湯殺菌、ボイル殺菌、レトルト殺菌等の加熱殺菌包装技法と組み合わせて用いられる場合が多い。従って、この加熱殺菌時に、EVOHは高湿度条件下に置かれるため、酸素透過性の大きい状態になるばかりでなく、EVOHが有する保水性のために、殺菌終了後も酸素透過性の大きい状態が続き、所定のガスバリヤー性が得られない。
このような問題を解決するため、本発明者等は、遷移金属触媒と酸化性有機成分とを特定のガスバリヤー性樹脂に配合してガスバリヤー層の厚さ方向断面における酸化性有機成分の分散構造及び分布構造を特定の範囲に制御することによって、優れた加工性や機械的強度を維持しつつ、この多層構造体の湿熱時における酸素透過係数を顕著に改善し得ることを見出した(PCT/JP02/13388)。この多層構造体では、酸化性有機成分が遷移金属触媒の作用により酸化されることにより、前記ガスバリヤー性樹脂を透過する酸素を吸収するため、湿熱条件下に置かれた場合にも、酸素透過係数を低い値に抑制することができる。
また、上記のようなガスバリヤー性樹脂に遷移金属触媒と酸化性有機成分を配合することで、酸素透過係数を抑制する方法に加えて、本発明者等は、特定の熱可塑性樹脂に、エチレン系不飽和炭化水素を含有する樹脂と遷移金属触媒を配合することで、エチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂が前記特定の熱可塑性樹脂の酸化反応のトリガーとなり、前記特定の熱可塑性樹脂の酸化反応が連鎖的に進行して、大量の酸素捕捉能力を有する酸素吸収性樹脂組成物が得られることを見出した(特願2002−243238)。更に、本発明者等は、前記特定の熱可塑性樹脂の酸化反応のトリガーとなる樹脂として、水添スチレン−ジエン共重合体が、特に好適であることを見出した(特願2003−194839)。前記特定の熱可塑性樹脂と、前記特定の熱可塑性樹脂の酸化のトリガーとなる他の樹脂と、遷移金属触媒を配合した酸素吸収性樹脂組成物は、マトリックスである前記特定の熱可塑性樹脂が大量の酸素を吸収できるので、この酸素吸収性樹脂組成物からなる層を、EVOHに代表されるガスバリヤー性樹脂からなる層と積層した多層構造体は、ガスバリヤー性樹脂の酸素透過性が大きくなる湿熱条件下においても、酸素吸収性樹脂組成物の優れた酸素捕捉性能により、長期間酸素透過係数を低い値に抑制することができる。
特開平1−278344号公報 特表平2−500846号公報
しかしながら、上記多層構造体においては、酸素吸収作用である酸化性有機成分の酸化に伴って臭気物質が発生し、この臭気物質は酸素吸収性層や、多層構造体の他の層を透過して構造体の外側及び内側にまで達し、その結果、臭気物質が内容品に移行し、フレーバー性に劣るという問題が生じる。また、冷蔵庫等で保管する場合に、一緒に保管している他の食品等に臭気成分が移行したり、酸化吸収性層を有する多層構造体を用いた包装容器を包む外装体を開いたときに異臭を生じたりという問題が生じる。
本発明の目的は、酸素捕捉成分である酸化性有機成分の酸化反応に伴う臭気成分を効率良く捕捉する酸素バリヤー性多層構造体用吸着剤を提供することである。
また、本発明の目的は、酸化性有機成分の酸化反応に伴う臭気成分を内側及び/又は外側に移行させることなく、優れた加工性や機械的強度を維持しながら、湿熱時においても優れたガスバリヤー性を維持することができると共に、フレーバー性に優れた多層構造体を提供することである。
本発明は、450m2/g以上の比表面積及び80Å以下の平均細孔径を有する多孔質シリカの表面に、アミノ基を有するシランカップリング剤が結合してなるアミン担持多孔質シリカを提供する。
また、本発明は、前記アミン担持多孔質シリカと臭気物質に対するバリヤー性を有する熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を提供する。
さらに、本発明は、前記樹脂組成物からなる臭気バリヤー層及び酸素吸収性層を有する多層構造体を提供する。
本発明の多層構造体を用いることにより、酸素捕捉成分である酸化性有機成分の酸化反応に伴う臭気成分を効率良く吸着し、臭気物質に対するバリヤー性を有する熱可塑性樹脂に分散したときに熱可塑性樹脂の増粘やゲル化を誘発せず、優れた加工性や機械的強度を維持しながら、優れたガスバリヤー性を維持することができる。
シランカップリング剤処理したアミン担持多孔質シリカは、酸化性有機成分を含有する酸素吸収性層を有する多層構造体に含有させた場合、多層構造体の酸素吸収性層に含まれる酸化性有機成分の酸化に伴って発生する臭気物質を捕捉することができる。しかしながら、シランカップリング剤処理したアミン担持多孔質シリカは、後述する臭気物質に対するバリヤー性を有する熱可塑性樹脂と配合して樹脂組成物を調製した場合に、樹脂組成物の溶融粘度を経時的に増大するという問題を有することが、本発明者らの検討結果により明らかとなった。本発明者らがさらに鋭意検討した結果、450m2/g以上の比表面積及び80Å以下の平均細孔径を有する多孔質シリカの表面を、アミノ基を有するシランカップリング剤で処理することにより、多層構造体の酸素吸収性層に含まれる酸化性有機成分の酸化に伴って発生する臭気物質を効率よく捕捉することができると共に、樹脂組成物の溶融粘度の経時的な増大を抑制することができることが分かった。
臭気物質の捕捉効率や溶融粘度増大の抑制の点から、シランカップリング剤処理する上記多孔質シリカは、好ましくは450m2/g以上、の比表面積を有し、より好ましくは450〜800m2/gの比表面積を有する。また、シランカップリング剤処理する上記多孔質シリカは、好ましくは80Å以下の平均細孔径を有し、より好ましくは30〜80Åの平均細孔径を有する。
また、シランカップリング剤処理する上記多孔質シリカの吸油量は、200ml/100g以下であるのが好ましく、90〜180ml/100gであるのがより好ましい。
さらに、シランカップリング剤処理する上記多孔質シリカの平均粒径は、1〜10μmであるのが好ましく、1〜5μmであるのがより好ましい。
シランカップリング剤処理する上記多孔質シリカの製法としては、特に制限されるものではなく、公知の製法を用いることができ、例えば湿式法で合成されたシリカを粉砕し分級することによって得られる多孔質シリカや乾式法で合成された多孔質シリカを、本発明において用いることができる。
アミノ基を有するシランカップリング剤としては、下記式(1)で表されるものが好ましい。
2N−X−SiR1 n(OR23-n (1)
式中、nは0、1又は2を表す。
Xは炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖の2価の炭化水素基を表す。具体的には、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH2CH2CH(CH3)−、−CH2C(CH32−、−CH2CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH2CH(CH3)CH2−、−CH2CH2CH2CH(CH3)−、−CH2C(CH32CH2−、−CH2CH2C(CH32−等が挙げられる。
1は炭素数1〜3のアルキル基を表す。具体的には、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3、−CH(CH3)CH3等が挙げられる。
2は炭素数1〜3のアルキル基を表す。具体的には、−CH3、−CH2CH3、−CH2CH2CH3、−CH(CH3)CH3等が挙げられる。
好ましいアミノ基を有するシランカップリング剤は、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランであり、特に衛生性の点でγ−アミノプロピルトリエトキシシランが好ましい。
前記シランカップリング剤による前記多孔質シリカの表面処理方法としては、特に限定されるものではなく、乾式法、スラリー法、スプレー法等の前処理法やインテグラルブレンド法等の公知の方法を用いることができる。シリカ表面を均一に処理できるという点で前処理法が好ましい。
多孔質シリカに担持するアミノ基を有するシランカップリング剤の量は、多孔質シリカ1gに対して、0.1〜1mmolであるのが好ましく、0.3〜0.8mmolであるのがより好ましい。
次に、前記シランカップリング剤処理したアミン担持多孔質シリカを含有する多層構造体について説明する。
前記アミン担持多孔質シリカは、臭気物質に対するバリヤー性を有する熱可塑性樹脂に配合した樹脂組成物として用いるのが好ましい。
臭気物質に対するバリヤー性を有する熱可塑性樹脂としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、環状オレフィン系樹脂、ポリプロピレンが挙げられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明では、酸素や香気成分に対するバリヤー性に特に優れた樹脂として、エチレン−ビニルアルコール共重合体を用いるのが望ましい。エチレン−ビニルアルコール共重合体としては、それ自体公知の任意のものを用いることができ、例えば、エチレン含有量が20〜60モル%、特に25〜50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となるようにケン化して得られる共重合体ケン化物が使用できる。
このエチレン−ビニルアルコール共重合体ケン化物は、フィルムを形成し得るに足る分子量を有するべきであり、一般に、フェノール:水の重量比で85:15の混合溶媒中30℃で測定して 0.01dL/g以上、特に0.05dL/g以上の粘度を有することが望ましい。
ポリアミド樹脂としては、(a)ジカルボン酸成分とジアミン成分とから誘導された脂肪族、脂環族或いは半芳香族ポリアミド、(b) アミノカルボン酸或いはそのラクタムから誘導されたポリアミド、或いはこれらのコポリアミド或いはこれらのブレンド物が挙げられる。
ジカルボン酸成分としては、例えばコハク酸、アジピン酸、セバチン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸等の炭素数4〜15の脂肪族ジカルボン酸、テレフタル酸やイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。
また、ジアミン成分としては、 1,6− ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10− ジアミノデカン、1,12− ジアミノドデカン等の炭素数4〜25、特に6〜18の直鎖状又は分岐鎖状アルキレンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、4, 4′− ジアミノ−3,3′− ジメチルジシクロヘキシルメタン、特にビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の脂環族ジアミン、m−キシリレンジアミン及び/又はp−キシリレンジアミン等の芳香脂肪族ジアミンが挙げられる。
アミノカルボン酸成分として、脂肪族アミノカルボン酸、例えばω−アミノカプロン酸、ω−アミノオクタン酸、ω−アミノウンデカン酸、ω−アミノドデカン酸や、パラ−アミノメチル安息香酸、パラ−アミノフェニル酢酸等の芳香脂肪族アミノカルボン酸等を挙げることができる。
これらのポリアミドの内でもキシリレン基含有ポリアミドが好ましく、具体的には、ポリメタキシリレンアジパミド、ポリメタキシリレンセバカミド、ポリメタキシリレンスベラミド、ポリパラキシリレンピメラミド、ポリメタキシリレンアゼラミド等の単独重合体、及びメタキシリレン/パラキシリレンアジパミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンピメラミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンセバカミド共重合体、メタキシリレン/パラキシリレンアゼラミド共重合体等の共重合体、或いはこれらの単独重合体または共重合体の成分とヘキサメチレンジアミンの如き脂肪族ジアミン、ピペラジンの如き脂環式ジアミン、パラ−ビス(2アミノエチル)ベンゼンの如き芳香族ジアミン、テレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸、ε−カプロラクタムの如きラクタム、7−アミノヘプタン酸の如きω−アミノカルボン酸、パラ−アミノメチル安息香酸の如き芳香族アミノカルボン酸等を共重合した共重合体が挙げられるが、m−キシリレンジアミン及び/又はp−キシリレンジアミンを主成分とするジアミン成分と、脂肪族ジカルボン酸及び/又は芳香族ジカルボン酸とから得られるポリアミドが特に好適に用いることができる。
これらのキシリレン基含有ポリアミドは、他のポリアミド樹脂に比してガスバリヤー性に優れており、本発明の目的に好ましいものである。
これらのポリアミドもフィルムを形成するに足る分子量を有するべきであり、濃硫酸中1.0g/dl の濃度で且つ30℃の温度で測定した相対粘度(ηrel)が1.1以上、特に1.5以上であることが望ましい。
ポリエステル樹脂としては、テレフタル酸やイソフタル酸のような芳香族ジカルボン酸と、エチレングリコールのようなジオール類とから誘導された熱可塑性ポリエステル、いわゆるガスバリヤー性ポリエステルが挙げられる。このガスバリヤー性ポリエステルは、重合体鎖中に、テレフタル酸成分(T)とイソフタル酸成分(I)とを、
T:I=95: 5乃至 5:95
特に 75:25乃至25:75
のモル比で含有し、且つエチレングリコール成分(E)とビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン成分(BHEB)とを、
E:BHEB=99.999:0.001〜2.0:98.0
特に 99.95:0.05〜40:60
のモル比で含有する。BHEBとしては、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンが好ましい。
このポリエステルは、少なくともフィルムを形成し得るに足る分子量を有するべきであり、一般にフェノールとテトラクロルエタンとの60:40の重量比の混合溶媒中、30℃の温度で測定して、0.3〜2.8dl/g、特に0.4〜1.8dl/gの固有粘度[η]を有することが望ましい。
ポリグリコール酸を主体とするポリエステル樹脂、或いはこのポリエステル樹脂と上記芳香族ジカルボン酸とジオール類とから誘導されたポリエステル樹脂をブレンドしたポリエステル樹脂を用いることもできる。
環状オレフィン系樹脂は、エチレン系不飽和結合とビシクロ環とを有する脂環族炭化水素化合物、特にビシクロ[2、2、1]ヘプト−2−エン骨格を有する炭化水素化合物であり、具体的には次のものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体:例えば下記式(1)で表されるビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン誘導体。特に、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、6−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン。
Figure 0004831519
(2)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン誘導体:例えば、下記式(2)で表されるトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン誘導体。特に、トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン、2−メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン5−メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン。




Figure 0004831519
(3)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
トリシクロ[4.4.0.12.5]−3−ウンデセン誘導体:例えば、下記式(3)で表されるトリシクロ[4.4.0.12.5]−3−ウンデセン誘導体。特に、トリシクロ[4.4.0.12.5]−3−ウンデセン、10−メチルトリシクロ[4.4.0.12.5]−3−ウンデセン。
Figure 0004831519
(4)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン誘導体、例えば、下記式(4)で表されるテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン誘導体。特に、テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−ステアリルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、5,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−エチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、2,7,9−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、2,7−ジメチル−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、9,11,12−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−2R−ドデセン、8−n−プロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン、8−イソプロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン。
Figure 0004831519
(5)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン誘導体;例えば、下記式(5)で表されるペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン誘導体。特に、ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン、1,3−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン、1,6−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン、14,15−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4−ペンタデセン。
Figure 0004831519
(6)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ペンタデセン誘導体、例えば下記式(6)で表されるペンタシクロ[7.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ペンタデセン誘導体。特に、ペンタシクロ[7.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ペンタデセン、メチル置換ペンタシクロ[7.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ペンタデセン。
Figure 0004831519
(7)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4,10−ペンタデカジエン誘導体、例えば下記式(7)で表されるペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4,10−ペンタデカジエン誘導体。
特に、ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09.13]−4,10−ペンタデカジエン。
Figure 0004831519
(8)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
ペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ヘキサデセン誘導体、例えば下記式(8)で表されるペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ヘキサデセン誘導体。特に、ペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ヘキサデセン、11−メチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ヘキサデセン、11−エチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5.19.12.08.13]−3−ヘキサデセン、10,11−ジメチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13]−3−ヘキサデセン。
Figure 0004831519
(9)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
ペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン誘導体、例えば、下記式(9)で表されるペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン誘導体。特に、ペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン、1,3−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン、1,6−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン、15,16−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6.02.7.09.14]−4−ヘキサデセン。
Figure 0004831519
(10)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン誘導体、例えば下記式(10)で表されるヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13 .02.7.09.14]−4−ヘプタデセン誘導体。特に、ヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン、12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン、12−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン、12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6.110.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン、1,6,10−トリメチル−12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6.10.13.02.7.09.14]−4−ヘプタデセン。
Figure 0004831519
(11)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
ヘプタシクロ[8.7.0.12.9.14.7.111.17.03.8.012.16]−5−エイコセン誘導体、例えば、下記式(11)で表されるヘプタシクロ[8.7.0.12.9.14.7.111.17.03.8.012.16]−5−エイコセン誘導体。特に、ヘプタシクロ[8.7.0.12.9.14.7.111.17.03.8.012.16]−5−エイコセン。
Figure 0004831519
(12)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
ヘプタシクロ[8.7.0.13.6.110.17.112.15.02.7.011.16]−4−エイコセン誘導体、例えば、下記式(12)で表されるヘプタシクロ[8.7.0.13.6.110.17.112.15.02.7.011.16]−4−エイコセン誘導体。特に、ヘプタシクロ[8.7.0.13.6.110.17.112.15.02.7.011.16]−4−エイコセン、ジメチル置換ヘプタシクロ[8.7.0.13.6.110.17.112.15.02.7.011.16]−4−エイコセン。
Figure 0004831519
(13)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
ヘプタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン誘導体、例えば、下記式(13)で表されるヘプタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン誘導体。特に、ヘプタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン。
Figure 0004831519
(14)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17]−5−ヘンエイコセン誘導体、例えば下記式(14)で表されるヘプタシクロ[8.8.0.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン誘導体。特に、ヘプタシクロ[8.8.0.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン、15−メチル−ヘプタシクロ[8.8.0.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン、トリメチル置換ヘプタシクロ[8.8.0.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ヘンエイコセン。
Figure 0004831519
(15)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
オクタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ドコセン誘導体、例えば、下記式(15)で表されるオクタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ドコセン誘導体。特に、オクタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ドコセン、15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.113.16.03.8.012.17]−5−ドコセン、15−エチルオクタシクロ[8.8.0.12.9.14.7.111.18.013.16.03.8.012.17]−5−ドコセン。
Figure 0004831519
(16)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
ノナシクロ[10.9.1.14.7.113.20.115.18.02.10.03.8.012.21.014.19]−5−ペンタコセン誘導体、例えば下記式(16)で表されるノナシクロ[10.9.1.14.7.113.20.115.18.02.10.03.8.012.21.014.19]−5−ペンタコセン誘導体。特に、ノナシクロ[10.9.1.14.7.113.20.115.18.02.10.03.8.012.21.014.19]−5−ペンタコセン、ドリメチル置換ノナシクロ[10.9.1.14.7.113.20.115.18.02.10.03.8.012.21.014.19]−5−ペンタコセン。
Figure 0004831519
(17)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
ノナシクロ[10.10.1.15.8.114.21.116.19.02.11.04.9.013.22.015.20]−6−ヘキサコセン誘導体、例えば、下記式(17)で表されるノナシクロ[10.10.1.15.8.114.21.116.19.02.11.04.9.013.22.015.20]−6−ヘキサコセン誘導体。特に、ノナシクロ[10.10.1.15.8.114.21.116.19.02.11.04.9.013.22.015.20]−6−ヘキサコセン。
Figure 0004831519
(18)
(式中、Rは水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルキリデン基であり、nは1〜4の整数である。)
環状オレフィンの他の例としては、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−フェニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ベンジル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(エチルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(イソプロピルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(β−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(α−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−(アントラセニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物、1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン、8−メチル−8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ドデセン、8−ベンジル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン、8−トリル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン、8−(エチルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン、8−(イソプロピルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン、8,9−ジフェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン、8−(ビフェニル)テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン、8−(β−ナフチル)テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン、8−(αナフチル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン、8−(アントラセニル)−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10 ]−3−ドデセン、(シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物)にシクロペンタジエンをさらに付加した化合物、11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン、11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン、11−フェニル−ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7 .09.14 ]−4−ヘプタデセン、14,15−ベンゾ−ヘプタシ3Nロ[8.7.0.12.9 .14.7 .111.17 .03.8 .012.16 −5−エイコセン]が挙げられる。
この樹脂(COC)は、50〜22モル%、特に40〜22モル%の環状オレフィンと残余のエチレンとから誘導され、且つ200℃以下、特に150〜60℃のガラス転移点(Tg)を有するのがよい。
この樹脂の分子量は、特に制限はないが、デカリン中135℃で測定して、0.1〜20dl/gの極限粘度[η]を有するのがよく、また、その結晶化度は、X線回折法で測定して、一般に10%以下、特に5%以下である。
上記樹脂(COC)は、オレフィンと環状オレフィンとを、それ自体公知のバナジウム系触媒或いはメタロセン系触媒の存在下にランダム重合させることにより得られる。好適な環状オレフィン系樹脂(COC)は、三井石油化学株式会社から、アペルの商品名で市販されている。
環状オレフィン系樹脂は、単独で用いることが好ましいが、その本質を損なわない範囲、即ち50重量%よりも少ない量、特に30重量%以下の量で、他のオレフィン系樹脂とのブレンド物の形態で使用してもよい。他のオレフィン系樹脂としては、オレフィン系ホモポリマーやコポリマーが好適に使用される。例えば、低密度、中密度或いは高密度のポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリペンテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1、プロピレン−エチレン共重合体、アイオノマー、エチレン−アクリル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を挙げることができる。これらのオレフィン系樹脂は、単独又は2種以上の組み合わせて使用してもよい。
ポリプロピレンとしては、ホモのポリプロピレンが好ましい。
上記熱可塑性樹脂は、ガラス転移点(Tg)が50℃以上であることが好ましい。また、前記アミン担持多孔質シリカは上記熱可塑性樹脂中に0.1〜5重量%の量で用いることが好ましく、添加方法は、そのまま添加してもよいがマスターバッチの形で添加させることが分散性の点から好ましい。
本発明の多層構造体としては、前記樹脂組成物からなる臭気バリヤー層及び酸素吸収性層を有する多層構造体が好ましい。
本発明の多層構造体中の酸素吸収性層は、酸化性有機成分及び遷移金属触媒を含有するものである。酸化性有機成分は、酸化されることにより酸素を吸収する作用を示すものである。
酸化性有機成分としては、分子構造にエチレン構造を有する熱可塑性樹脂(A)と樹脂(A)以外の樹脂であって樹脂(A)の酸化のトリガーとなる樹脂(B)の混合物も好適
に用いられる。
前記樹脂(A)としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、アイソタクティック又はシンジオタクテイクスポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体或いはこれらのブレンド物等が挙げられる。また、これらの樹脂をベースポリマーとし、不飽和カルボン酸又はこれらの誘導体でグラフト変性された酸変性オレフィン系樹脂を樹脂(A)として用いることもできる。
好ましくは、樹脂(A)は低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体等のエチレン系共重合体であり、特に好ましくは低密度ポリエチレン及び線状低密度ポリエチレンである。これらの樹脂は、単独で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
樹脂(A)の酸化のトリガーとなる樹脂(B)としては、主鎖又は側鎖にエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂、主鎖に三級炭素原子を含む樹脂及び主鎖に活性メチレン基を有する樹脂を挙げることができる。
これらは、樹脂中に単独で含有されていてもよいし、二種以上の組合せで含有されていてもよい。
主鎖又は側鎖にエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂は、鎖状又は環状の共役又は非共役ポリエンから誘導された単位を含む樹脂が好ましい。
これらの単量体としては、例えばブタジエン、イソプレン等の共役ジエン;1,4−ヘキサジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4,5−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;メチルテトラヒドロインデン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−ビニリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−ノルボルナジエン等のトリエン等が挙げられる。
具体的な重合体としては、ポリ−1,2−ブタジエン、ポリ−1,4−ブタジエン、ポリ−1,2−イソプレン、ポリ−1,4−イソプレンのような共役ジエンポリマー;スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体等の共役ジエン共重合体;エチレン−プロピレン−非共役ジエン共重合体等が挙げられる。
また、主鎖に三級炭素を有する樹脂としては、側鎖にベンゼン環を有する重合体や共重合体が好適に用いられる。
このうち、前記樹脂(A)に対するトリガー効果が顕著である点から、側鎖にベンゼン環を有するスチレン共重合体が好ましく、スチレン−ジエン共重合体やそのジエン部分を水添した共重合体等が好ましい。特に、スチレン−イソプレン共重合体の一種であるスチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体、ジエン部分に水素化処理を行った水添スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体及び水添スチレン−ブタジエン−スチレントリブロック共重合体が好ましい。
前記樹脂(A)と前記樹脂(B)からなる酸化性有機成分を用いる以外に、エチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂のみを酸化性有機成分として使用することもできる。この場合、エチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂を、使用期間中実質的には酸化しないガスバリヤー性の熱可塑性樹脂中に配合して使用する形態が好ましい。
ガスバリヤー性樹脂に配合する場合には、エチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂が、官能基を有することが好ましい。官能基としては、カルボン酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、カルボン酸アミド基、エポキシ基、水酸基、アミノ基、カルボニル基などが挙げられるが、カルボン酸基、カルボン酸無水物基が、相溶性等の点で特に好ましい。これらの官能基は樹脂の側鎖に存在していても、末端に存在していてもよい。
これらの官能基を導入するのに用いられる単量体としては、上記の官能基を有するエチレン系不飽和単量体が挙げられる。
エチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂にカルボン酸基又はカルボン酸無水物基を導入するために用いる単量体としては、不飽和カルボン酸またはこれらの誘導体を用いるのが望ましく、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸等のα,β−不飽和カルボン酸、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等のα,β不飽和カルボン酸無水物、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸の無水物が挙げられる。
エチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂の酸変性は、エチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂をベースポリマーとし、このベースポリマーに不飽和カルボン酸またはその誘導体をそれ自体公知の手段でグラフト共重合させることにより製造されるが、前述したエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂と不飽和カルボン酸またはその誘導体とをランダム共重合させることによっても製造することができる。
ガスバリヤー性樹脂への分散性の点で、特に好適なカルボン酸又はカルボン酸無水物基を有するエチレン系炭化水素を有する樹脂は、カルボン酸又はその誘導体を、酸価が5KOHmg/g以上となる量で含有している液状樹脂であることが好ましい。
不飽和カルボン酸又はその誘導体の含有量が上記の範囲にあると、エチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂のガスバリヤー性樹脂への分散が良好となると共に、酸素の吸収も円滑に行われる。
ガスバリヤー性樹脂に配合する場合、エチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂は、遷移金属触媒の存在下において、エチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂1g当たり常温で2×10-3mol以上、特に4×10-3mol以上の酸素を吸収する能力を有することが好ましい。すなわち、酸素吸収能力が上記値以上である場合、良好な酸素バリヤー性を発現させるために多量のエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂をガスバリヤー性樹脂に配合する必要がなく、従って、配合した樹脂組成物の加工性や成形性の低下を招くこともない。
本発明に用いるエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂における炭素−炭素二重結合は、特に限定されず、ビニレン基の形で主鎖中に存在しても、またビニル基の形で側鎖に存在していてもよく、要は酸化可能なものであればよい。
ガスバリヤー性樹脂としては、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂等の上述した熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。これらの樹脂は単独で用いてもよく、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
遷移金属触媒としては、鉄、コバルト、ニッケル等の周期律表第VIII族金属成分が好ましいが、他に銅、銀等の第I族金属:錫、チタン、ジルコニウム等の第IV族金属、バナジウムの第V族、クロム等VI族、マンガン等のVII族の金属成分を挙げることができる。これらの金属成分の内でもコバルト成分は、酸素吸収速度が大きく、本発明の目的に特に適したものである。
遷移金属触媒は、上記遷移金属の低価数の無機酸塩或いは有機酸塩或いは錯塩の形で一般に使用される。
無機酸塩としては、塩化物などのハライド、硫酸塩等のイオウのオキシ酸塩、硝酸塩などの窒素のオキシ酸塩、リン酸塩などのリンオキシ酸塩、ケイ酸塩等が挙げられる。
一方有機酸塩としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、ホスホン酸塩などが挙げられるが、カルボン酸塩が本発明の目的に好適であり、その具体例としては、酢酸、プロピオン酸、イソプロピオン酸、ブタン酸、イソブタン酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、イソヘプタン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、3,5,5−トリメチルヘキサン酸、デカン酸、ネオデカン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マーガリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、リンデル酸、ツズ酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、ギ酸、シュウ酸、スルファミン酸、ナフテン酸等の遷移金属塩が挙げられる。
一方、遷移金属の錯体としては、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとの錯体が使用され、β−ジケトンまたはβ−ケト酸エステルとしては、例えば、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、1,3−シクロヘキサジオン、メチレンビス−1,3ーシクロヘキサジオン、2−ベンジル−1,3−シクロヘキサジオン、アセチルテトラロン、パルミトイルテトラロン、ステアロイルテトラロン、ベンゾイルテトラロン、2−アセチルシクロヘキサノン、2−ベンゾイルシクロヘキサノン、2−アセチル−1,3−シクロヘキサンジオン、ベンゾイル−p−クロルベンゾイルメタン、ビス(4−メチルベンゾイル)メタン、ビス(2−ヒドロキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセトン、トリベンゾイルメタン、ジアセチルベンゾイルメタン、ステアロイルベンゾイルメタン、パルミトイルベンゾイルメタン、ラウロイルベンゾイルメタン、ジベンゾイルメタン、ビス(4−クロルベンゾイル)メタン、ビス(メチレン−3,4−ジオキシベンゾイル)メタン、ベンゾイルアセチルフェニルメタン、ステアロイル(4−メトキシベンゾイル)メタン、ブタノイルアセトン、ジステアロイルメタン、アセチルアセトン、ステアロイルアセトン、ビス(シクロヘキサノイル)−メタン及びジピバロイルメタン等を用いることができる。
酸化性有機成分として、分子構造にエチレン構造を有する熱可塑性樹脂(A)と樹脂(A)以外の樹脂であって樹脂(A)の酸化のトリガーとなる樹脂(B)、及び遷移金属触媒からなる酸素吸収性樹脂組成物を用いる場合、前記樹脂(B)は前記樹脂(B)と前記樹脂(A)の合計重量に対して1〜10重量%で配合されることが好ましい。前記樹脂(B)の配合量がこの範囲内であれば、前記樹脂(B)のトリガー効果が効率よく発現し、成形中の劣化を抑制することができる。また、遷移金属触媒は、酸素吸収性樹脂組成物合計重量に対して、遷移金属量として、10〜3000ppm、特に50〜1000ppmが好ましい。遷移金属触媒が、上記範囲であれば、酸素吸収性層は十分な酸素吸収能を有し、樹脂組成物の成形性も維持することができる。
一方、酸素吸収性層として、ガスバリヤー性樹脂に、エチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂と遷移金属触媒を配合した酸素吸収性樹脂組成物を用いる場合、エチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂は、樹脂組成物に対して1〜30重量%、特に3〜20重量%の範囲で含有されるのが好ましい。エチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂の配合量が上記範囲内であれば、酸素吸収性層は十分な酸素吸収能を有し、樹脂組成物の成形性も維持することができる。また、遷移金属触媒は、酸素吸収性樹脂組成物合計重量に対して、遷移金属量として100〜1000ppm、特に200〜500ppmの量で含有されていることが好ましい。
遷移金属触媒の量が上記範囲内であれば、良好なガスバリヤー性を得ることができ、酸素吸収性樹脂組成物の混練成形時における劣化傾向を抑制することができる。
ガスバリヤー性樹脂にエチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂と遷移金属触媒からなる樹脂組成物を酸素吸収性層に用いる場合、酸素吸収性層の厚み方向断面における面積法平均分散粒径が1μm以下、その分散粒子により占める面積率が1%以上となるように、エチレン系不飽和炭化水素を有する樹脂の分散状態を制御することも重要である。分散粒径が上記範囲内であれば、良好な成形性を得ることができ、高湿度下でのバリヤー性の低下を招くこともなく、また面積率が上記範囲内であれば、良好なバリヤー性を得ることができる。
酸素吸収性樹脂組成物の配合には、種々の手段を用いることができるが、サイドフィードを備えた二軸押出機を用いる方法が好適である。二軸押出機による混練に際しては、酸素吸収性樹脂組成物の劣化を最小限とするため、非酸化的雰囲気で実施するのが良い。また、滞留時間を短く、成形温度もできるだけ低温とすることが、酸素吸収性樹脂組成物の性能維持において極めて重要である。
本発明で用いる酸素吸収性層には、一般に必要ではないが、所望によりそれ自体公知の活性化剤を配合することができる。活性化剤の適当な例は、これに限定されないが、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレン・メタクリル酸共重合体、各種アイオノマー等の水酸基及び/またはカルボキシル基含有重合体である。
本発明に用いる酸素吸収性層には、充填剤、着色剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、酸化防止剤、老化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、金属セッケンやワックス等の滑剤、改質用樹脂乃至ゴム、等の公知の樹脂配合剤を、それ自体公知の処方に従って配合できる。
例えば、滑剤を配合することにより、スクリューへの樹脂の食い込みが改善される。滑剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石ケン、流動、天然または合成パラフィン、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、塩素化ポリエチレンワックス等の炭化水素系のもの、ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸系のもの、ステアリン酸アミド、バルミチン酸アミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸モノアミド系またはビスアミド系のもの、ブチルステアレート、硬化ヒマシ油、エチレングリコールモノステアレート等のエステル系のもの、セチルアルコール、ステアリルアルコール等のアルコール系のもの、およびそれらの混合系が一般に用いられる。
本発明の多層構造体において、臭気バリヤー層は酸素吸収性層の外側及び/又は内側に位置する。ここで、酸素吸収性層の内側とは、本発明の多層構造体を用いて包装容器とした場合に内容物に接する側をいい、酸素吸収性層の外側とは、前記容器の外側となる側をいう。これにより、臭気成分を吸着して、臭気成分の多層構造体の外側及び内側への移行を更に有効に防止できる。
本発明では、上記酸素吸収性層と、この酸素吸収性層の外側及び/又は内側に位置する上記臭気バリヤー層を設け、必要により他の樹脂層を組み合わせて、カップ、トレイ、ボトル、チューブ容器、パウチ等の形のプラスチック多層構造体とする。
一般に、酸素吸収性層は、容器などの外表面に露出しないように容器などの外表面よりも内側に設けるのが好ましく、また内容物との直接的な接触を避ける目的で、容器などの内表面より外側に設けるのが好ましい。かくして、多層の樹脂容器の中間層として、酸素吸収性層を設けるのが望ましい。
また臭気バリヤー層も好適には、酸素吸収性層の外側又は内側に、やはり中間層として位置することが好ましい。より好ましくは、酸素吸収性層の外側及び内側に、中間層として位置する。また臭気バリヤー性をより優れたものにするには、異なる種類の樹脂から成る臭気バリヤー層を2層以上設けてもよい。
また上記酸素吸収性層及び臭気バリヤー層以外の他の樹脂層を組み合わせることも可能であり、例えば、オレフィン系樹脂や熱可塑性ポリエステル樹脂などの耐湿性樹脂等が挙げられる。
オレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状超低密度ポリエチレン(LVLDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)或いはこれらのブレンド物等が挙げられる。
また、熱可塑性ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリグリコール酸を主体とするポリエステル樹脂、或いはこれらの共重合ポリエステル、更にはこれらのブレンド物等が挙げられる。
容器積層構造の適当な例は、酸素吸収性層をOBR、臭気バリヤー層をSBRとして表して、次の通りである。尚、左側を外面側、右側を内面側として表す。
四層構造:PET/SBR/OBR/PET、PET/OBR/SBR/PET、PE/SBR/OBR/PE、PE/OBR/SBR/PE、PP/SBR/OBR/PP、PP/OBR/SBR/PP、PE/SBR/OBR/PET、PE/OBR/SBR/PET、
五層構造:PE/SBR1/OBR/SBR2/PE、PET/SBR1/OBR/SBR2/PET、PET/SBR/PE/OBR/PET、PET/OBR/PE/SBR/PET、
などである。
上記積層体の製造に当たって、各樹脂層間に必要により接着剤樹脂を介在させることもできる。
このような接着剤樹脂としては、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸塩、カルボン酸アミド、カルボン酸エステル等に基づくカルボニル(−CO−)基を主鎖又は側鎖に、1〜700ミリイクイバレント(meq)/100g樹脂、特に10〜500(meq)/100g樹脂の濃度で含有する熱可塑性樹脂が挙げられる。接着剤樹脂の適当な例は、エチレン−アクリル酸共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、アクリル酸グラフトポリオレフフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、共重合ポリエステル、共重合熱可塑性等の1種又は2種以上の組み合わせである。これらの樹脂は、同時押出或いはサンドイッチラミネーション等による積層に有用である。
また、予め形成された酸素吸収性バリヤー性樹脂フィルム、臭気バリヤー性樹脂フィルム、及び耐湿性樹脂フィルムとの接着積層には、イソシアネート系或いはエポキシ系等の熱硬化型接着剤樹脂も使用される。
本発明の多層構造体において、酸素吸収性層の厚みは、特に制限はないが、一般に3〜100μm、特に5〜80μmの範囲にあるのが好ましい。すなわち、酸素吸収性層の厚みが上記範囲内であれば、良好なガスバリヤー性能を得ることができ、また経済性、材料の可撓性や柔軟性などの容器特性の点からも上記範囲が好ましい。
また臭気バリヤー層の厚みは、特に制限はないが、一般に5〜50μm、特に10〜40μmの範囲にあるのが好ましい。すなわち、臭気バリヤー層の厚みが上記範囲内であれば、良好な臭気バリヤー性を発現することができ、また上記酸素吸収性層同様に、経済性、材料の可撓性や柔軟性などの容器特性の点からも上記範囲がこのましい。
本発明の多層構造体において全体の厚みは、用途によっても相違するが、一般に30〜7000μm、特に50〜5000μmであるのがよい。
酸素吸収性層の厚みは、全体の厚みの0.5〜95%、特に1〜50%の厚みとするのが適当である。
また、臭気バリヤー層の厚みは、全体の厚みの0.5〜20%、特に1〜10%の厚みとするのが適当である。
本発明の多層構造体は、前述した酸素吸収性層及びその外側に臭気バリヤー層を配置している点を除けば、それ自体公知の方法で製造が可能である。
すなわち、本発明の多層構造体の製造には、それ自体公知の共押出成形法を用いることができ、例えば樹脂の種類に応じた数の押出機を用いて、多層多重ダイを用いて通常の押出成形を行えばよい。
また、本発明の多層構造体の製造には、樹脂の種類に応じた数の射出成形機を用いて、共射出法や逐次射出法により多層射出成形体を製造することができる。
更に、本発明の多層構造体を用いたフィルムやシートの製造には、押出コート法や、サンドイッチラミネーションを用いることができ、また、予め形成されたフィルムのドライラミネーションによって多層フィルムあるいはシートを製造することもできる。
フィルム等の包装材料は、種々の形態の包装袋として用いることができ、その製袋は、それ自体公知の製袋法で行うことができ、三方或いは四方シールの通常のパウチ類、ガセット付パウチ類、スタンディングパウチ類、ピロー包装袋などが挙げられるが、この例に限定されない。
本発明の多層構造体を用いた包装容器は、酸素による内容物の香味低下を防止できる容器として有用である。
充填できる内容物としては、飲料ではビール、ワイン、フルーツジュース、炭酸ソフトドリンク、ウーロン茶、緑茶等、食品では果物、ナッツ、野菜、肉製品、幼児食品、コーヒー、ジャム、マヨネーズ、ケチャップ、食用油、ドレッシング、ソース類、佃煮類、乳製品等、その他では医薬品、化粧品、ガソリン等、酸素存在下で劣化を起こしやすい内容品などが挙げられるが、これらの例に限定されない。
上記包装容器は、さらに外装体によって包装した包装体としてもよい。
次に、実施例及び比較例を示して本発明を説明する。
(多孔質シリカ)
アミン担持多孔質シリカのベースとなる多孔質シリカ(水澤化学工業(株):ゲルタイプ多孔質シリカ)について、以下の基本物性を測定した。
[平均粒径の測定]
多孔質シリカ1gを蒸留水100gに入れて十分に撹拌して水分散液を調整した。この液をレーザー回折式粒度分布測定装置(SALD−3000:(株)島津製作所)にかけて、平均粒径をレーザー散乱法により体積基準で測定した。
[吸油量の測定]
JIS K5101.21準拠の方法に基づき、多孔質シリカの吸油量を測定した。
[比表面積の測定]
固体表面に物理吸着する窒素ガスの量から表面積を求めるBET法により多孔質シリカの比表面積を算出した。
[平均細孔径の測定]
前記比表面積の測定から得られた値:Sc[m2/g]と、同じく窒素ガスの吸着を利用して求めた全細孔容積:V[ml/g]から、多孔質シリカの平均細孔径:Dを求めた。


Figure 0004831519
(アミン担持多孔質シリカ)
[アミン担持多孔質シリカの作製]
多孔質シリカの粉体を所定量のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(SH6020:東レ・ダウコーニングシリコーン(株))に添加し、さらに純水を加えて十分撹拌した。その後、スラリーをブフナーロートでろ過し、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下になるまで洗浄した。洗浄した粉体を100℃で12時間乾燥してアミン担持シリカを得た。
[アミン担持量]
JIS K0102.45.2「紫外線吸光光度法による全窒素の測定法」に準拠した測定をおこない、アミン担持多孔質シリカの単位質量当たりのアミノ基量を求めた。
[アミン担持多孔質シリカの脱臭性能評価]
評価に用いるアルデヒドとしてヘプタナールを選択し、これをメタノールで希釈し2重量%の臭気標準液を調整した。この標準液をマイクロシリンジで1μlはかり取り、前記作製したアミン担持多孔質シリカを0.5mg、蒸留水1.0mlと共に内容量20mlのバイヤル瓶に入れ、内面側にアルミテープを貼った蓋材を口部に被せ、その上からアルミ製のキャップをはめて密封した。30℃条件下で3日間経時保存した後、ヘッドスペースサンプラー(7694:アジレント・テクノロジー)付きガスクロマトグラフ(6890:アジレント・テクノロジー)を用いて容器内の揮発成分量を測定した。アミン担持多孔質シリカを入れずに測定を行なったものを基準値として、アミン担持多孔質シリカを入れたサンプルがこの値よりも50%以上減少したものを○、30〜50%未満を△、0〜30%未満を×として評価した。
(樹脂との配合適性)
[樹脂組成物の作製]
出口部分にストランドダイを装着した二軸押出機(TEM−35B:東芝機械(株))を用いて、スクリュー回転数100rpmで高真空ベントを引きながら、サイドフィード法により粉体フィーダーを用いて、アミン担持多孔質シリカをエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂((株)クラレ F101B)100重量部に対して5重量部配合し、成形温度200℃でストランドを引き、目的とする樹脂組成物のペレットを作製した。
[粉体フィーダーによるシリカ粉末の供給状態]
アミン担持多孔質シリカをエチレン-ビニルアルコール共重合体樹脂に配合する際の供給状態を目視で評価した。供給量が安定なものは○、配合する際にアミン担持多孔質シリカの粉末が空気中に舞う等供給が不安定なものを△、ブロッキング等を起こし供給が間欠的なものを×とした。
[溶融樹脂の相対粘度の測定]
作製したペレットについて、樹脂に対するシリカ粉体の分散適性や経時安定性を調べるためキャピログラフ((株)東洋精機)を用いた。測定条件はノズル(D:1.0mm、L:10mm)、温度200℃で2分間放置し、樹脂が溶融したことを確認した後、0.5〜500mm/minの速度粘度測定を行った。
初期の増粘率
エチレンービニルアルコール共重合体樹脂の粘度と前記作製したアミン担持多孔質シリカを配合した樹脂組成物の粘度を上記方法で測定し、剪断速度6.08sec-1の見掛け粘度を基に、下記式により評価した。相対粘度が3以上のペレットは×、2〜3未満は△、2以下は○とした。
Figure 0004831519
この初期増粘率は、アミン担持多孔質シリカのエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂への分散性を表す尺度である。
30分放置後の増粘率
キャピログラフに樹脂をセッティング後2分間放置した後に測定した場合と比較し、200℃で30分間経時した場合の粘度増加を下記式より求めた。粘度増加が1.3以上のペレットは×、1.1〜1.3未満は△、1.1未満のものは○として評価をした。
Figure 0004831519
Figure 0004831519
この200℃で30分放置後の樹脂組成物の粘度増加は、樹脂組成物の熱安定性を表す尺度であり、経時による粘度増加が1に近いほど、樹脂組成物の熱安定性が良いことを示している。
(多層構造体)
[臭気バリヤー材]
前記作製した樹脂組成物(アミン担持多孔質シリカとエチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂((株)クラレ F101B)をブレンドしたもの)を臭気バリヤー材として用いた。
[酸素吸収材の作製]
ポリエチレン系酸素吸収材
低密度ポリエチレン樹脂(JB221R:日本ポリオレフィン(株))95重量部に、スチレン−イソプレン−スチレントリブロック共重合体樹脂(SIS5200:JSR(株))を5重量部とコバルト含有率14重量%のネオデカン酸コバルト(DICNATE5000:大日本インキ化学工業(株))をコバルト量で350ppm配合し、撹拌乾燥機(ダルトン(株))で予備混練後ホッパーに投入した。次いで、出口部分にストランドダイを装着した二軸押出機(TEM−35B:東芝機械(株))を用いて、スクリュー回転数100rpmで低真空ベントを引きながら、ストランド状に押し出してペレットを作製した。
エチレン−ビニルアルコール共重合体系酸素吸収材
32モル%のエチレンを共重合したエチレンービニルアルコール共重合体樹脂ペレット(EP−F101B:(株)クラレ)とコバルト含有率14重量%のネオデカン酸コバルト(DICNATE5000:大日本インキ化学工業(株))をコバルト量で350ppm配合し、撹拌乾燥機(ダルトン(株))で予備混練後ホッパーに投入した。次いで、出口部分にストランドダイを装着した二軸押出機(TEM−35B:東芝機械(株))を用いて、スクリュー回転数100rpmで低真空ベントを引きながら、液体フィーダーにより、酸価40KOHmg/gの無水マレイン酸変性ポリブタジエン(M−2000−20:新日本石油化学(株))を、コバルトを付着させたエチレンービニルアルコール共重合体95重量部に対して5重量部滴下し、成形温度200℃でストランドを引き、ペレットを作製した。
[多層構造体の作製]
上記方法により作製した臭気バリヤー材、酸素吸収材、低密度ポリエチレン(JB221R:日本ポリオレフィン(株))、接着性樹脂(モディックL522:三菱化学(株))を用いて、ダイレクトブロー成型機により目的とする多層構造体を作製した。成形温度は200℃、シェル径15mm,コア13mmを用い、広口ボトル(口径44mm,内容積125cc)を作製した。
ポリエチレン系酸素吸収材を用いた時の層構成は、外層側より低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂層(100μm)/接着層(5μm)/臭気バリヤー層(8μm)/接着層(5μm)/ポリエチレン系酸素吸収性層(20μm)/接着層(5μm)/臭気バリヤー層(8μm)/接着層(5μm)/低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂層(100μm)の4種9層である。
エチレン−ビニルアルコール共重合体系酸素吸収材を用いた時の層構成は、外層側より低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂層(100μm)/接着層(5μm)/臭気バリヤー層(8μm)/エチレン−ビニルアルコール共重合体系酸素吸収性層(20μm)/臭気バリヤー層(8μm)/接着層(5μm)/低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂層(100μm)の4種7層である。
[成形性の評価]
前記多層構造体作製の際、臭気バリヤー材の樹脂圧の変動や樹脂とカップリング剤の反応に起因するゲル化等の有無について評価した。成形初期と比較して、成形中に樹脂圧の増加が±10%以下のものは○、±10〜30%未満は△、±30%以上増加し、ゲルが発生したものは×とした。
[外観の評価]
前記作製した多層構造体の外観を目視により評価した。
[臭気の評価]
前記作製した多層構造体に蒸留水1cc入れ、ボトルの開口部にアルミ箔をバリヤー層とする蓋材でヒートシールした。このボトルを30℃−100%RH条件下で1ヶ月経時した後、ボトルの蓋を破り、ボトル内の臭気を5名のパネラーによる官能試験で評価した。全く臭いを感じなかったものを○、少々臭いを感じたものを△、臭いを感じたものを×とした。
[実施例1]
多孔質シリカ(P−752(水澤化学工業(株)):平均粒径2.2μm、比表面積450m2/g、平均細孔径80Å、吸油量160ml/100g)にγ−アミノプロピルトリエトキシシランを0.3mmol/g担持させ、アミン担持多孔質シリカを作製した。次いで、このアミン担持多孔質シリカとエチレンービニルアルコール共重合体樹脂を配合した樹脂組成物を作製し、これを用いてポリエチレン系酸素吸収材層を有する多層構造体を作製した。
[実施例2]
多孔質シリカ(平均粒径2.2μm、比表面積550m2/g、平均細孔径60Å、吸油量130ml/100g)にγ−アミノプロピルトリエトキシシランを0.4mmol/g担持させた以外は、実施例1と同様に多層構造体を作製した。
[実施例3]
エチレン−ビニルアルコール共重合体系酸素吸収材層を有する多層構造体とした以外は、実施例1と同様に多層構造体を作製した。
[実施例4]
多孔質シリカ(P−766(水澤化学工業(株)):平均粒径は6.5μm、比表面積620m2/g、平均細孔径29Å、吸油量90ml/100g)にγ−アミノプロピルトリエトキシシランを0.3mmol/g担持させた以外は、実施例1と同様に多層構造体を作製した。
[実施例5]
γ−アミノプロピルトリエトキシシランを2mmol/g担持させた以外は、実施例1と同様に多層構造体を作製した。
[実施例6]
多孔質シリカ(平均粒径0.5μm、比表面積560m2/g、平均細孔径70Å、吸油量150ml/100g)にγ−アミノプロピルトリエトキシシランを0.05mmol/g担持させた以外は、実施例1と同様に多層構造体を作製した。
[実施例7]
多孔質シリカ(平均粒径12.5μm、比表面積550m2/g、平均細孔径44Å、吸油量150ml/100g)にγ−アミノプロピルトリエトキシシランを0.3mmol/g担持させた以外は、実施例1と同様に多層構造体を作製した。
[比較例1]
多孔質シリカ(P−707(水澤化学工業(株)):平均粒径2.4μm、比表面積270m2/g、平均細孔径240Å、吸油量250ml/100g)にγ−アミノプロピルトリエトキシシランを0.3mmol/g担持させた以外は、実施例1と同様に多層構造体を作製した。
[比較例2]
多孔質シリカ(P−604(水澤化学工業(株)):平均粒径1.6μm、比表面積55m2/g、平均細孔径95Å、吸油量130ml/100g)にγ−アミノプロピルトリエトキシシランを0.3mmol/g担持させた以外は、実施例1と同様に多層構造体を作製した。
[比較例3]
実施例1で用いた多孔質シリカとエチレンービニルアルコール共重合体樹脂とを配合した樹脂組成物を作製し、これを用いてポリエチレン系酸素吸収材層を有する多層構造体を作製した。
前記実施例及び比較例におけるアミン担持多孔質シリカの脱臭性能を表1に、また、樹脂との配合適性、多層構造体の成形性、外観、臭気の評価結果を表2に示す。











Figure 0004831519




Figure 0004831519
表1及び2の結果から明らかなように、アミンの担持量や多孔質シリカの性質(平均粒径、比表面積、平均細孔径、吸油量)の違いにより、脱臭性能、樹脂との成形性、多層構造体の外観評価で相違が見られた。

Claims (7)

  1. 450m2/g以上の比表面積及び80Å以下の平均細孔径を有する多孔質シリカの表面に、アミノ基を有するシランカップリング剤が結合してなるアミン担持多孔質シリカであって、多層構造体の酸素吸収性層に含まれる酸化性有機成分の酸化に伴って発生する臭気物質を捕捉するためのアミン担持多孔質シリカと、
    臭気物質に対するバリヤー性を有する熱可塑性樹脂と
    を含む樹脂組成物からなる臭気バリヤー層、及び
    酸素吸収性層を有する多層構造体であって、
    臭気バリヤー層が酸素吸収性層の外側及び/又は内側に位置し、
    臭気バリヤー層の厚みが多層構造体全体の厚みの1〜10%の厚みである、多層構造体
  2. 多孔質シリカが200ml/100g以下の吸油量を有する請求項1に記載の多層構造体。
  3. アミノ基を有するシランカップリング剤が下記式(1)で表される請求項1又は2に記載の多層構造体。
    2N−X−SiR1 n(OR23-n (1)
    (式中、nは0、1又は2を表し、
    Xは炭素数1〜5の直鎖又は分岐鎖の2価の炭化水素基を表し、
    1は炭素数1〜3のアルキル基を表し、
    2は炭素数1〜3のアルキル基を表す。)
  4. 多孔質シリカにアミノ基を有するシランカップリング剤を0.1〜1mmol/g担持させてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の多層構造体。
  5. 多孔質シリカの平均粒径が1〜10μmである請求項1〜4のいずれか1項記載の多層構造体。
  6. 前記熱可塑性樹脂がエチレン−ビニルアルコール共重合体である請求項1〜5のいずれか1項に記載の多層構造体。
  7. 臭気バリヤー層が酸素吸収性層の外側及び内側に位置する、請求項1〜のいずれか1項に記載の多層構造体。
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