JP4830538B2 - タッチパネル - Google Patents

Description

本発明は、主に各種電子機器の操作に用いられるタッチパネルに関するものである。

近年、携帯電話やカーナビ等の各種電子機器の高機能化や多様化が進むに伴い、液晶等の表示素子の前面に光透過性のタッチパネルを装着して、このタッチパネルを通して背面の表示素子の表示を視認しながら、指やペン等でタッチパネルを押圧操作することによって、機器の各機能の切換えを行うものが増えており、操作が確実で視認性に優れたものが求められている。

このような従来のタッチパネルについて、図３及び図４を用いて説明する。

図３は従来のタッチパネルの断面図、図４は同圧接片の斜視図であり、同図において、１はフィルム状で光透過性の上基板、２は上基板１の下方に配置された光透過性の下基板で、上基板１の下面には酸化インジウム錫等の光透過性の上導電層３が、下基板２の上面には同じく下導電層４が各々形成されている。

そして、下導電層４上面には絶縁樹脂によって、複数のドットスペーサ（図示せず）が所定間隔で形成されると共に、上導電層３の両端には銀等の一対の上電極（図示せず）が、下導電層４の両端には、上電極とは直交方向の一対の下電極（図示せず）が各々形成されている。

また、５は上基板１下面または下基板２上面の外周に形成された略額縁状のスペーサで、このスペーサ５に塗布形成された接着層（図示せず）によって、上基板１と下基板２の外周が貼り合わされ、上導電層３と下導電層４が所定の間隙を空けて対向している。

さらに、６はフィルム状の配線基板で、下面に銅や銀等の複数の配線パターン７が形成されると共に、配線基板６下面には両端部を除いて、配線パターン７を覆う絶縁層（図示せず）が形成されている。

そして、この配線基板６の配線パターン７上端が、合成樹脂内に導電粒子を分散した異方導電接着剤（図示せず）によって、下基板２上面に延出した上電極及び下電極の端部に接着接続され、複数の配線パターン７が上電極と下電極を介して、上導電層３両端及びこれと直交方向の下導電層４両端に電気的に接続されている。

また、８は弾性薄板金属製で略コの字状の圧接片で、中間の連結部８Ａ上下端から延出した上腕部８Ｂが配線基板６上面に、下腕部８Ｃが下基板２下面に各々弾接し、このやや撓んだ状態の圧接片８によって、配線パターン７上端が上電極や下電極端部に圧接され、配線基板６上端と下基板２右端が挟持されている。

さらに、圧接片８の下腕部８Ｃには複数の開口部８Ｄが設けられ、この開口部８Ｄ内を折曲された配線基板６が挿通し、下方へ延出してタッチパネルが構成されている。

そして、このように構成されたタッチパネルが、液晶表示素子等の前面に配置されて電子機器に装着されると共に、下方へ折曲され延出した配線基板６の配線パターン７の下端が、接続用コネクタ或いは半田付け等によって機器の電子回路（図示せず）に接続される。

以上の構成において、タッチパネル背面の液晶表示素子の表示を視認しながら、上基板１上面を指或いはペン等で押圧操作すると、上基板１が撓み、押圧された箇所の上導電層３が下導電層４に接触する。

そして、電子回路から配線基板６の複数の配線パターン７を介して、上導電層３と下導電層４両端へ順次電圧が印加され、これらの電圧比によって、押圧された箇所を電子回路が検出し、機器の様々な機能の切換えが行なわれるように構成されている。

なお、上記の圧接片８は、これによって配線基板６上端と下基板２右端を弾接挟持し、配線パターン７上端を上電極や下電極端部に圧接するためのもので、本来、配線基板６の配線パターン７上端は異方導電接着剤によって、上電極や下電極端部に接着接続されているが、タッチパネルが用いられる環境、特に高温高湿下における異方導電接着剤の軟化や、強い力で配線基板６が引っ張られた場合等の補強用として圧接片８が用いられている。

つまり、異方導電接着剤の軟化や配線基板６に力が加わり、配線パターン７上端の上電極や下電極端部からの剥離や浮きが生じると、この箇所の電気的接続が不安定となるため、これを防止するために、圧接片８によって配線基板６上端と下基板２右端の弾接挟持を行っている。

ただ、圧接片８の開口部８Ｄが下腕部８Ｃに設けられ、これに折曲した配線基板６を挿通させているため、組立て時に配線基板６が曲げづらく、組立て後も配線基板６の弾性復帰力によって、配線基板６が連結部８Ａ下面に当たり、圧接片８に力が加わった状態となっている。

また、機器に装着する際、接続する電子回路が下方ではなく側方、例えば右方に位置している場合等には、下方に折曲された配線基板６を、再度右方へ折曲して延出させる必要もあり、装着する機器や電子回路の位置によっては、こうした手間もかかるものであった。

なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献１が知られている。
特開２００３−５８３１９号公報

しかしながら、上記従来のタッチパネルにおいては、圧接片８の開口部８Ｄが下腕部８Ｃに設けられ、これに折曲した配線基板６を挿通させているため、組立て時に配線基板６が曲げづらく、組立て後も圧接片８に力が加わった状態になると共に、装着する機器や電子回路の位置によっては、配線基板６を再度折曲する必要が生じる場合もあり、製作や装着に手間がかかるという課題があった。

本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、製作が容易で、操作や電気的接離の確実なタッチパネルを提供することを目的とする。

上記目的を達成するために本発明は、連結部上下端から延出した上下腕部が、上基板または下基板と配線基板端部を弾接挟持した、略コの字状の圧接片の上腕部の連結部との固定端側から、連結部上端、連結部下端を介して下腕部の自由端まで開口させた開口部を設け、この開口部に配線基板を挿通させてタッチパネルを構成したものであり、配線基板が折曲されず、真っ直ぐな状態で上基板または下基板に弾接挟持されているため、配線パターンと上導電層や下導電層の安定した電気的接続が得られると共に、配線基板を水平方向あるいは上下方向へ容易に延出させることができるため、製作や装着も行い易いタッチパネルを得ることができるという作用を有する。

以上のように本発明によれば、製作が容易で、操作や電気的接離の確実なタッチパネルを実現することができるという有利な効果が得られる。

以下、本発明の実施の形態について、図１及び図２を用いて説明する。

なお、背景技術の項で説明した構成と同一構成の部分には同一符号を付して、詳細な説明を簡略化する。

（実施の形態）
図１は本発明の一実施の形態によるタッチパネルの断面図、図２は同圧接片の斜視図であり、同図において、１はポリエチレンテレフタレートやポリカーボネート等のフィルム状で光透過性の上基板、２はガラスまたはアクリル、ポリカーボネート等の光透過性の下基板で、上基板１の下面には酸化インジウム錫や酸化錫等の光透過性の上導電層３が、下基板２の上面には同じく下導電層４が、スパッタ法等によって各々形成されている。

そして、下導電層４の上面にはエポキシやシリコン等の絶縁樹脂によって複数のドットスペーサ（図示せず）が所定間隔で形成されると共に、上導電層３の両端には銀やカーボン等の一対の上電極（図示せず）が、下導電層４の両端には、上電極とは直交方向の一対の下電極（図示せず）が各々形成されている。

また、５は額縁状でポリエステルやエポキシ等のスペーサで、このスペーサ５の上下面または片面に形成されたアクリルやゴム等の接着層（図示せず）によって、上基板１と下基板２の外周が貼り合わされ、上導電層３と下導電層４が所定の間隙を空けて対向している。

さらに、６はポリエチレンテレフタレートやポリイミド等のフィルム状の配線基板で、下面に銀やカーボン、銅等の複数の配線パターン７が形成されると共に、配線基板６下面には両端部を除いて、配線パターン７を覆う絶縁層（図示せず）が形成されている。

そして、この配線基板６の配線パターン７左端が、エポキシやアクリル、ポリエステル等の合成樹脂内に、ニッケルや樹脂等に金メッキを施した複数の導電粒子を分散した異方導電接着剤（図示せず）によって、下基板２上面に延出した上電極及び下電極の端部に接着接続され、複数の配線パターン７が上電極と下電極を介して、上導電層３両端及びこれと直交方向の下導電層４両端に電気的に接続されている。

また、９は銅や銅合金等の弾性薄板金属製で略コの字状の圧接片で、中間の連結部９Ａ上下端から延出した上腕部９Ｂが配線基板６上面に、下腕部９Ｃが下基板２下面に各々弾接し、このやや撓んだ状態の圧接片９によって、配線パターン７左端が上電極や下電極端部に圧接され、配線基板６上端と下基板２右端が挟持されている。

さらに、圧接片９の連結部９Ａには複数の開口部９Ｄが設けられ、この開口部９Ｄ内に配線基板６が真っ直ぐに挿通されて、タッチパネルが構成されている。

つまり、配線基板６は折曲されず真っ直ぐな状態で、圧接片９によって下基板２に弾接挟持されているため、配線パターン７左端と上導電層や下導電層の安定した電気的接続が得られると共に、組立ても行い易く、また、組立て後も配線基板６が圧接片９に当たり、この弾性復帰力によって圧接片９に力が加わることのないようになっている。

そして、このように構成されたタッチパネルが、液晶表示素子等の前面に配置されて電子機器に装着されると共に、右方へ延出した配線基板６の配線パターン７の右端が、接続用コネクタ或いは半田付け等によって機器の電子回路（図示せず）に接続される。

なお、機器に装着する際、接続する電子回路が右方ではなく、上方または下方に位置し、配線基板６を上方または下方へ折曲する必要がある場合にも、圧接片９の連結部９Ａには広い範囲で開口部９Ｄが設けられているため、配線基板６を容易に折曲延出させて電子回路に接続することができると共に、折曲箇所も大きな円弧状に折曲されるため、配線パターン７左端と上導電層や下導電層の接続箇所に加わる力も小さなものとなり、電気的接続を損なうことのないようになっている。

以上の構成において、タッチパネル背面の液晶表示素子の表示を視認しながら、上基板１上面を指或いはペン等で押圧操作すると、上基板１が撓み、押圧された箇所の上導電層３が下導電層４に接触する。

そして、電子回路から配線基板６の複数の配線パターン７を介して、上導電層３と下導電層４両端へ順次電圧が印加され、これらの電圧比によって、押圧された箇所を電子回路が検出し、機器の様々な機能の切換えが行なわれるように構成されている。

このように本実施の形態によれば、連結部９Ａ上下端から延出した上腕部９Ｂと下腕部９Ｃで、配線基板６端部と下基板２を弾接挟持すると共に、略コの字状の圧接片９の連結部９Ａに開口部９Ｄを設け、この開口部９Ｄに配線基板６を挿通させることによって、配線基板６が折曲されず、真っ直ぐな状態で下基板２に弾接挟持されているため、配線パターン７と上導電層や下導電層の安定した電気的接続が得られると共に、配線基板６を水平方向あるいは上下方向へ容易に延出させることができるため、製作や装着も行い易いタッチパネルを得ることができるものである。

なお、以上の説明では、配線基板６の配線パターン７を下基板２上面の上電極及び下電極に接着接続する構成として説明したが、上基板１下面に上下電極を延出させ、これに配線基板６上面の配線パターン７を接着接続した構成や、或いは、上基板１下面に上電極、下基板２に下電極を各々延出させると共に、これらと配線基板６上下面の配線パターン７を接着接続した構成としても、本発明の実施は可能である。

本発明によるタッチパネルは、製作が容易で、操作や電気的接離の確実なタッチパネルを得ることができるという有利な効果を有し、各種電子機器の操作用として有用である。

本発明の一実施の形態によるタッチパネルの断面図 同圧接片の斜視図 従来のタッチパネルの断面図 同圧接片の斜視図

符号の説明

１ 上基板
２ 下基板
３ 上導電層
４ 下導電層
５ スペーサ
６ 配線基板
７ 配線パターン
９ 圧接片
９Ａ 連結部
９Ｂ 上腕部
９Ｃ 下腕部
９Ｄ 開口部

Claims (1)

1. 下面に上導電層が形成された光透過性の上基板と、上面に上記上導電層と所定の間隙を空けて対向する下導電層が形成された光透過性の下基板と、上面または下面の少なくとも一方に形成された複数の配線パターン端部が、上記上導電層両端及びこれと直交方向の下導電層両端に接続された配線基板と、連結部上下端から延出した上下腕部が、上記上基板または下基板と配線基板端部を弾接挟持した略コの字状の圧接片からなり、上記圧接片の上腕部の連結部との固定端側から、連結部上端、連結部下端を介して下腕部の自由端まで開口させた開口部を設け、この開口部に上記配線基板を挿通させたタッチパネル。

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